JP3251699B2 - 不揮発性記憶装置 - Google Patents

不揮発性記憶装置

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JP3251699B2 JP8988193A JP8988193A JP3251699B2 JP 3251699 B2 JP3251699 B2 JP 3251699B2 JP 8988193 A JP8988193 A JP 8988193A JP 8988193 A JP8988193 A JP 8988193A JP 3251699 B2 JP3251699 B2 JP 3251699B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フラシュEEPROM(Elect
rically Erasable Programable Read Only Memory)等
の、半導体基板上に、電荷を注入したり、取り出したり
することで情報の記憶を行う、メモリトランジスタのみ
からなる複数のメモリセルが、行方向及び列方向に沿っ
てマトリクス状に配列形成されている不揮発性記憶装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の半導体産業の発展に伴い、情報を
半永久的に記憶する不揮発性記憶装置の集積化及び低電
圧駆動化が要望されている。この要求に応える不揮発性
記憶装置は、例えば「1993年 IEDM 」等で開示されてい
る。図7は上記不揮発性記憶装置の構成を示しており、
同図(a)はパッシベーション膜を剥がした状態を示す
平面図、同図(b)は同図(a)のI−I線断面図であ
る。この不揮発性記憶装置は、図7(a)に示すよう
に、P型シリコン基板10上に、メモリトランジスタ1
A,1B,1C,1Dのみからなるメモリセル2A,2
B,2C,2Dが、行方向X及び列方向Yに沿ってマト
リクス状に配列形成されている。つまり、1トランジス
タ/1セル構造を有している。
【0003】各メモリトランジスタ1A,1B,1C,
1Dは、図7(b)(メモリセル2A,2Cのみ現れて
いる。)に示すように、シリコン基板10の表面層に所
定の間隔をあけて形成されたN+ 型ソース領域11及び
N型ドレイン領域12と、ソース領域11及びドレイン
領域12で挟まれるように生じるチャネル領域13上に
形成されたトンネル酸化膜14と、トンネル酸化膜14
上に形成されたフローティングゲート15と、フローテ
ィングゲート15上に形成されたONO (oxide-nitrid
e-oxide)膜16と、ONO膜16上に形成されたコント
ロールゲート17とを備えている。
【0004】全面は層間絶縁膜18で覆われており、層
間絶縁膜18のドレイン領域12と対応する部分には、
コンタクトホール19が開口されている。それゆえ、フ
ローティングゲート15は、トンネル酸化膜14、ON
O膜15及び層間絶縁膜18で囲まれ、外部と接続がと
られていない。コントロールゲート17は、図7(a)
に示すように、行方向Xに沿って延ばされており、行方
向Xに配列するメモリセル2A,2B及び2C,2Dで
共有されてワードラインWL1,WL2となっている。
【0005】ドレイン領域12は、図7(b)に示すよ
うに、N+ 層12aと、N+ 層12aを囲むN- 層12
bとからなる、いわゆる二重拡散構造を有しており、図
7(a)に示すように、列方向Yに隣接するメモリトラ
ンジスタ1A,1C及び1B,1D同士で共有されてい
る。N+ 層12aには、図7(b)に示すように、コン
タクトホール19を通してビットラインBL1,BL2
が接触している。ビットラインBL1,BL2は、図7
(a)に示すように、列方向Yに沿って延ばされてお
り、列方向Yに配列するメモリセル2A,2C及び2
B,2Dで共有されている。
【0006】図8は上記不揮発性記憶装置の電気的構成
を示す等価回路図である。同図を参照して、行方向Xに
沿って配列するメモリトランジスタ1A,1Bのコント
ロールゲートCGには、ワードラインWL1が接続され
ており、同様に、行方向Xに沿って配列するメモリトラ
ンジスタ1C,1DのコントロールゲートCGには、ワ
ードラインWL2が接続されている。
【0007】列方向Yに隣接するメモリトランジスタ1
A,1CのドレインD同士が接続されており、同様に、
列方向Yに隣接するメモリトランジスタ1B,1Dのド
レインD同士が接続されている。メモリトランジスタ1
A,1Cのドレイン接続中間点には、ビットラインBL
1が接続されており、メモリトランジスタ1B,1Dの
ドレイン接続中間点には、ビットラインBL2が接続さ
れている。
【0008】各メモリトランジスタ1A,1B,1C,
1DのソースSには、ソースラインSLが共通接続され
ている。ここで、図8及び表1を参照しつつ、上記不揮
発性記憶装置における情報の書込、消去及び読出の各動
作について説明する。
【0009】
【表1】
【0010】<書込(WRITE)>図8において、メ
モリセル2Aに情報の書込を行うとする。まず、情報の
書込に際し、予め全てのメモリセル2A,2B,2C,
2D内のメモリトランジスタ1A,1B,1C,1Dの
フローティングゲートFGに、エレクトロンを一括注入
して消去状態とする。そして、ソースラインSLを開放
(open)状態とすると共に、基板SUBに対して0Vを印
加しておく。メモリセル2Aが接続されているワードラ
インWL1に対して−7Vを印加し、メモリセル2Aを
選択するため、メモリセル2Aが接続されているビット
ラインBL1に対して5Vを印加する。また、非選択の
メモリセル2B,2Dが接続されているワードラインW
L2、及び非選択のメモリセル2C,2Dが接続されて
いるビットラインBL2に対して0Vをそれぞれ印加す
る。
【0011】そうすると、選択されたメモリセル2Aに
あっては、そのメモリトランジスタ1Aのフローティン
グゲートFGに蓄積されているエレクトロンが、FN(F
owler-Nordheim) トンネリングによりドレインD側に引
き抜かれる。その結果、メモリセル2Aは、情報の書込
状態となる。 <消去(ERASE)>情報の消去は一括して行われ
る。すなわち、全てのビットラインBL1,BL2及び
ソースラインSL、基板SUBに対して0Vをそれぞれ
印加すると共に、全てのワードラインWL1,WL2に
対して20Vを印加する。
【0012】そうすると、全てのメモリセル2A,2
B,2C,2Dでは、メモリトランジスタ1A,1B,
1C,1DのコントロールゲートCG−基板間にFNト
ンネル電流が発生し、このFNトンネル電流によりフロ
ーティングゲートFG内にエレクトロンが注入される。
その結果、全てのメモリセル2A,2B,2C,2D
は、情報の消去状態となる。 <読出(READ)>図8において、メモリセル2Aに
記憶されている情報の読出を行うとする。まず、ソース
ラインSL及び基板SUBに対して0Vを印加してお
く。メモリセル2Aが接続されているワードラインWL
1に対して3Vを印加し、メモリセル2Aを選択するた
め、メモリセル2Aが接続されているビットラインBL
1に対して1Vを印加する。また、非選択のメモリセル
2C,2Dが接続されているワードラインWL2に対し
て0Vを印加し、非選択のメモリセル2B,2Dが接続
されているビットラインBL2を開放状態とする。
【0013】そうすると、メモリセル2Aにあっては、
そのメモリトランジスタ1AのフローティングゲートF
Gにエレクトロンが蓄積されていない書込状態にある
と、メモリトランジスタ1AのソースS−ドレインDが
導通し、チャネルが形成される。つまり、メモリセル2
A内に電流が流れる。一方、メモリトランジスタ1Aの
フローティングゲートFGにエレクトロンが蓄積されて
いる消去状態にあると、メモリトランジスタ1Aのソー
スS−ドレインDが導通せず、チャネルが形成されな
い。つまり、メモリセル2A内に電流が流れない。この
状態をセンシングすることにより、メモリセル2Aに記
憶されている情報の読出が達成される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】図7及び図8に示した
不揮発性記憶装置では、情報の書換えに際し、FNトン
ネリングを用いているため、低電圧駆動が可能となり、
消費電力を低減できる。その結果、外部供給電圧3〜5
Vの単一電源で対応でき、内部昇圧回路で十分に賄える
ようになる。よって、外部の昇圧回路が不要となって、
装置が小型化する。また、1トランジスタ/1セル構造
を有し、しかも列方向に隣接するメモリトランジスタ同
士でドレイン領域を共有しているので、セル面積が縮小
し、ある程度高集積化に貢献する。
【0015】ところで、次世代の装置に対応するために
は、さらなる高集積化が必要となっている。しかしなが
ら、上記不揮発性記憶装置では、ビットラインとドレイ
ン領域とのコンタクトをとっているため、いかに素子を
微細化したとしても、必ずコンタクトマージンを確保す
る必要がある。つまり、このコンタクトマージン分だけ
セル面積を縮小できず、次世代装置に対応できない。
【0016】上記に対処するため、近年では基板上で不
純物拡散層とのコンタクトをとらない、いわゆるFAC
E(Flash Array Contactless EPROM) 構造が提案されて
いる。このFACE構造では、コンタクトを必要としな
いので、次世代装置に十分に対応できるとされている。
そこで、上記不揮発性記憶装置をFACE構造とする
と、図9に示すような構成となる。図9はFACE構造
を有する不揮発性記憶装置の構成を示しており、同図
(a)はパッシベーション膜を剥がした状態を示す平面
図、同図(b)は同図(a)のII−II線断面図である。
この不揮発性記憶装置では、P型シリコン基板10の表
面層に、図9(b)(メモリセル2A,2Bのみ現れて
いる。)に示すように、行方向Xに隣接するメモリトラ
ンジスタ同士のソース領域及びドレイン領域となるN型
不純物拡散層21,22,23が、基板30上でコンタ
クトをとることなく所定の間隔をあけて形成されてい
る。
【0017】各不純物拡散層21,22,23は、図9
(a)に示すように、列方向Yに沿って延ばされてお
り、予め定める箇所で基板30の裏側からコンタクトが
とられている。つまり、図において左端の不純物拡散層
21は、列方向Yに沿って配列するメモリセル2A,2
C及び図示しないメモリセルで共有されてビットライン
BL1となっている。不純物拡散層22は、列方向Yに
沿って配列するメモリセル2A,2C及び2B,2Dで
共有されてビットラインBL2となっている。右端の不
純物拡散層23は、列方向Yに沿って配列するメモリセ
ル2B,2D及び図示しないメモリセルで共有されてビ
ットラインBL3となっている。なお、その他の構成
は、図7に示した不揮発性記憶装置と同様である。
【0018】図10は上記FACE構造を有する不揮発
性記憶装置の電気的構成を示す等価回路図である。同図
を参照して、行方向Xに沿って配列するメモリトランジ
スタ1A,1BのコントロールゲートCGには、ワード
ラインWL1が接続されており、同様に、行方向Xに沿
って配列するメモリトランジスタ1C,1Dのコントロ
ールゲートCGには、ワードラインWL2が接続されて
いる。
【0019】ワードラインWL1に沿って配列するメモ
リトランジスタは、隣接するメモリトランンジスタのソ
ースS−ドレインD同士が接続されてアレー状につなが
っている。同様に、ワードラインWL2に沿って配列す
るメモリトランジスタも、アレー状につながっている。
図において左端のメモリトランジスタ1AのソースS
と、図示しないメモリトランジスタのドレインとの接続
中間点、及び左端のメモリトランジスタ1CのソースS
と、図示しないメモリトランジスタのドレインとの接続
中間点には、ビットラインBL1が接続されている。メ
モリトランジスタ1AのドレインDと、メモリトランジ
スタ1BのソースSとの接続中間点、及びメモリトラン
ジスタ1CのドレインDと、メモリトランジスタ1Dの
ソースSとの接続中間点には、ビットラインBL2が接
続されている。図において右端のメモリトランジスタ1
Bのドレインと、図示しないメモリトランジスタのソー
スとの接続中間点、及び右端のメモリトランジスタ1D
のドレインDと、図示しないメモリトランジスタのソー
スとの接続中間点には、ビットラインBL3が接続され
ている。
【0020】しかしながら、上記不揮発性記憶装置で
は、表1に示す駆動方法で情報の書込を行うと、書込選
択性がなくなり、選択メモリセルとワードラインを共有
している非選択メモリセルに書込ディスターブが発生す
る。すなわち、図10に示すように、例えば情報の書込
時にメモリセル2Aを選択した場合には、ワードライン
WL1に対して−7Vが、ビットラインBL1,BL3
に対して0Vが、ビットラインBL2に対して5Vがそ
れぞれ印加されることになる。そのため、非選択のメモ
リセル2Bも、選択されたメモリセル2Aと同様の電圧
条件で印加される。したがって、メモリセル2B内のメ
モリトランジスタ1BのフローティングゲートFGに蓄
積されているエレクトロンが、FNトンネリングにより
ソースS側に引き抜かれる。その結果、非選択のメモリ
セル2B内に、誤って情報の書込が行われてしまう。
【0021】本発明は、上記に鑑み、情報の書込時のデ
ィスターブの発生を防止して書込選択性を確保しつつ、
セル面積を縮小できる不揮発性記憶装置の提供を目的と
する。
【0022】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するための、本発明による不揮発性記憶装置は、予め定
める第1の導電型式をした半導体基板上に、電荷を注入
したり、取り出したりすることで情報の記憶を行う、メ
モリトランジスタからなる複数のメモリセルが、行方向
及び列方向に沿ってマトリクス状に配列形成されている
ものであって、上記半導体基板の表面層に、所定の間隔
をあけて列方向に沿って形成され、行方向に隣接するメ
モリトランジスタ同士のソース領域及びドレイン領域と
なり、かつ列方向に沿って配列するメモリセルで共有さ
れたビットラインとなっている、上記第1の導電型式と
は反対の第2の導電型式をした複数の不純物拡散層と、
上記隣合う不純物拡散層で挟まれるように生じる各チャ
ネル領域上に、ソース領域と所定のオフセット間隔をあ
けて形成され、チャネル領域で発生した電荷を通過させ
得るトンネル絶縁膜と、上記各トンネル絶縁膜上に形成
され、トンネル絶縁膜を通過してきた電荷を蓄積する電
荷蓄積層と、上記各電荷蓄積層上に形成されたコントロ
ールゲートと、上記各チャネル領域の残りの領域上に、
チャネル領域、並びに電荷蓄積層及びコントロールゲー
トと絶縁状態で形成されたサイドウォールゲートと、上
記各サイドウォールゲート及びコントロールゲート上
に、行方向に沿って形成され、かつ行方向に沿って配列
するメモリセルで共有されており、行方向に隣接するメ
モリトランジスタのコントロールゲート及びサイドウォ
ールゲートに所定の制御電圧が印加できるようになって
いるワードラインと、情報の消去時に、全てのワードラ
インに対して基板と同一極性の高電圧を印加すると共
に、全てのビットラインを接地電位として、全てのメモ
リセル内のメモリトランジスタのコントロールゲート−
基板間にFNトンネル電流を発生させ、このFNトンネ
ル電流により電荷蓄積層に電荷を一括注入する消去手段
と、情報の書込時に、情報の書込を行うメモリセルが接
続されているワードラインに対して、メモリトランジス
タのサイドウォールゲート直下の基板表面を反転さ せず
にオフセット領域を形成し得る、不純物拡散層と同一極
性の高電圧を印加し、情報の書込を行うメモリセルを選
択するため、当該メモリセル内のメモリトランジスタの
ドレイン領域が接続されているビットラインに対して書
込電圧を印加すると共に、その他のワードライン及びビ
ットラインを接地電位として、FNトンネリングによ
り、選択されたメモリセル内のメモリトランジスタの電
荷蓄積層に蓄積されている電荷をドレイン領域側に引き
抜く書込手段と、情報の読出時に、情報の読出を行うメ
モリセルが接続されているワードラインに対して、メモ
リトランジスタのサイドウォールゲート直下の基板表面
が反転し得るセンス電圧を印加し、情報の読出を行うメ
モリセルを選択するため、当該メモリセル内のメモリト
ランジスタのソース領域が接続されているビットライン
を接地電位とすると共に、ドレイン領域が接続されてい
るビットラインに対してセル電流が発生し得る読出電圧
を印加しておき、その他のワードラインを接地電位と
し、その他のビットラインを開放状態とする読出手段と
を備えていることを特徴とする
【0023】上記構成において、基板上で不純物拡散層
とのコンタクトをとらない、いわゆるFACE構造を有
しているため、コンタクトマージンを確保する必要がな
く、しかも1トランジスタ/1セル構造を有しているの
で、セル面積を大幅に縮小することができる
【0024】情報の書込に際して、予め全てのメモリセ
ル内のメモリトランジスタの電荷蓄積層に、電荷を一括
注入して消去状態としておく。各メモリトランジスタ
は、ソース領域に対してオフセット配置された電荷蓄積
層及びコントロールゲートと、オフセット領域上に配置
されたサイドウォールゲートとに分割されており、両ゲ
ートに対して所定の制御電圧が印加されるようになって
いる。そのため、情報の書込時には、書込手段により、
選択されたメモリセル内のメモリトランジスタ、及び選
択メモリセルとワードラインを共有している非選択メモ
リセル内のメモリトランジスタの各コントロールゲート
及びサイドウォールゲートには、不純物拡散層と同一極
性の高電圧が印加されることになる。それによって、各
サイドウォールゲート直下の基板の表面は、反転せず、
オフセット領域が形成される。
【0025】このとき、選択メモリセル内のメモリトラ
ンジスタでは、FNトンネリングにより電荷蓄積層内の
電荷がドレイン領域側に引き抜かれる。その結果、選択
メモリトランジスタは、電荷蓄積層内に電荷が蓄積され
ていない書込状態となる。一方、選択メモリセルとワー
ドラインを共有している非選択メモリセルでは、書込電
圧が印加されているものの、非選択メモリトランジスタ
のソース領域側にはオフセット領域が形成されているた
め、電荷蓄積層−ソース領域間でFNトンネル機構が働
かない。その結果、電荷蓄積層内に電荷が蓄積されたま
まとなり、消去状態を保つ。つまり、非選択メモリセル
に書込ディスターブが発生せず、誤って情報が書込まれ
ることはない。
【0026】情報の消去時には、消去手段により、全て
のメモリトランジスタのコントロールゲートには不純物
拡散層と同一極性の高電圧がかけられる結果、コントロ
ールゲート−基板間にFNトンネル電流が発生する。こ
れに伴って、電荷蓄積層内に電荷が全体的に注入され
る。その結果、全てのメモリトランジスタは、電荷蓄積
層内に電荷が蓄積されている消去状態となる。このよう
に、FNトンネル電流により電荷蓄積層内に電荷を全体
的に注入させることで、情報の消去を行っているため、
トンネル絶縁膜の劣化を防止でき、書換回数が増加する
と共に、書換速度も速くなる。
【0027】情報の読出時には、選択メモリセル、及び
選択メモリセルとワードラインを共有している非選択メ
モリセル内のメモリトランジスタの各コントロールゲー
ト及びサイドウォールゲートには、センス電圧が印加さ
れる。そのため、各サイドウォールゲート直下の基板の
表面は、反転し、反転層が生じる。このとき、選択メモ
リセル内のメモリトランジスタでは、電荷蓄積層に電荷
が蓄積されていない書込状態にあれば、コントロール
ートに印加されているセンス電圧の影響が電荷蓄積層直
下の基板表面まで到達する。そのため、電荷蓄積層直下
の基板表面が反転し、基板表面に電荷が誘起される。こ
れに伴い、誘起された電荷と反転層とが接続する。その
結果、ソース領域−ドレイン領域間が導通し、チャネル
が形成される。つまり、選択メモリセルに電流が流れ
る。一方、非選択メモリトランジスタの電荷蓄積層に電
荷が蓄積されている消去状態であれば、コントロール
ートに印加されるセンス電圧の影響が電荷蓄積層内に蓄
積されている電荷により遮断され、電荷蓄積層直下の基
板表面まで到達しない。その結果、ソース領域−ドレイ
ン領域間が導通せず、チャネルが形成されない。つま
り、非選択メモリセルに電流が流れない。このように、
オフセット領域の反転を利用して情報の読出を行えるの
で、読出速度は速くなる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし図6に
基づき詳述する。図1は本発明の一実施例に係る不揮発
性記憶装置の構成を示しており、同図(a)はパッシベ
ーション膜を剥した状態を示す平面図、同図(b)は同
図(a)のIV−IV線断面図である。同図を参照しつつ、
本実施例に係る不揮発性記憶装置の構成について説明す
る。
【0029】本実施例の不揮発性記憶装置は、図1
(a)に示すように、P型シリコン基板30上に、メモ
リトランジスタ10A,10B,10C,10D,10
E,10Fのみからなるメモリセル20A,20B,2
0C,20D,20E,20Fが、行方向X及び列方向
Yに沿って配列形成されている。シリコン基板30の表
面層には、図1(b)(メモリセル20A,20B,2
0Cのみ現れている。)に示すように、行方向Xに隣接
するメモリトランジスタ同士のソース領域及びドレイン
領域となるN型不純物拡散層31,32が、所定の間隔
をあけて形成されている。不純物拡散層31,32は、
+ 層31a,32aと、N+ 層31a,32aを囲む
- 層31b,32bとからなる、いわゆる二重拡散構
造を有している。また、図において左側の不純物拡散層
31は、図1(a)に示すように、列方向Yに沿って延
ばされており、列方向Yに沿って配列するメモリセル2
0A,20D及び20B,20Eで共有されたビットラ
インBL1となっている。同様に、右側の不純物拡散層
32も列方向Yに沿って延ばされており、列方向Yに沿
って配列するメモリセル20B,20E及び20C,2
0Fで共有されたビットラインBL2となっている。
【0030】不純物拡散層31,32で挟まれるように
生じる各チャネル領域33上には、図1(b)に示すよ
うに、ソース領域と所定のオフセット間隔をあけてトン
ネル酸化膜34が形成されている。トンネル酸化膜34
は、チャネル領域33で発生した電荷をトンネルさせる
ものである。それゆえ、トンネル酸化膜33は、SiO
2 からなり、その膜厚は、電荷をトンネルさせ得るよ
う、例えば100Å程度に極めて薄く設定されている。
【0031】各トンネル酸化膜34上には、フローティ
ングゲート35が形成されている。フローティングゲー
ト35は、トンネル酸化膜34をトンネルしてきた電荷
を蓄積するものであって、例えばAs、P等を高濃度に
ドープして低抵抗化したポリシリコンからなる。また、
各フローティングゲート35は、図1(a)に示すよう
に、島状に配置されている。
【0032】各フローティングゲート35上には、図1
(b)に示すように、ONO膜36が形成されている。
ONO膜36は、電荷をフローティングゲート35内に
長時間閉じ込めておくためのものであって、Si34
を上下からSiO2 膜でサンドイッチした構造を有して
いる。最下層のSiO2膜の膜厚は120Å程度に、S
34膜の膜厚は200Å程度に、最上層のSiO2
の膜厚は50Å程度にそれぞれ設定されている。
【0033】ONO膜36上には、コントロールゲート
37が形成されている。各コントロールゲート37は、
例えばAs、P等を高濃度にドープして低抵抗化したポ
リシリコンからなり、図1(a)に示すように、島状に
配置されている。各チャネル領域33の残りの領域上に
は、図1(b)に示すように、チャネル領域33、並び
にフローティングゲート35、ONO膜36及びコント
ロールゲート37と絶縁状態でサイドウォールゲート3
8が形成されている。サイドウォールゲート38は、例
えばAs、P等を高濃度にドープして低抵抗化したポリ
シリコンからなり、図1(a)に示すように、島状に配
置されている。
【0034】各メモリトランジスタ10A,10B,1
0C,10D,10E,10F間には、図1(b)に示
すように、各コントロールゲート37及びサイドウォー
ルゲート38の上面を露出させた状態で層間絶縁膜39
が充たされている。それゆえ、各フローティングゲート
35は、絶縁膜で囲まれ、外部と接続がとられていな
い。層間絶縁膜39は、PドープのSiO2 であるPS
G(phosho-silicate-glass) 中にBを混入したBPSG
(boron-phosho-silicate-glass)等からなる。
【0035】メモリトランジスタ10A,10B,10
Cのコントロールゲート37及びサイドウォールゲート
38上には、ワードラインWL1が形成されている。ワ
ードラインWL1は、行方向Xに沿って延ばされてお
り、行方向Xに配列するメモリセル20A,20B,2
0Cで共有されている。同様に、メモリトランジスタ1
0D,10E,10Fのコントロールゲート37及びサ
イドウォールゲート38上には、図1(a)に示すよう
に、ワードラインWL2が行方向Xに沿って延ばされて
形成されており、行方向Xに配列するメモリセル20
D,20E,20Fで共有されている。ワードラインW
L1,WL2は、例えばタングステンポリサイド等の配
線材料でできている。つまり、各メモリトランジスタ1
0A,10B,10C,10D,10E,10Fのゲー
トは、ソース領域に対してオフセット配置されたフロー
ティングゲート35及びコントロールゲート37と、オ
フセット領域上に配置されたサイドウォールゲート38
とに分割されており、情報の書込、消去及び読出の際
に、両ゲート37,38に対して所定のコントロール電
圧が印加されるようになっている。
【0036】なお、図中×印は基板30での表面リーク
電流を抑制するために打ち込まれたチャネルストップイ
オンを示している。このように、上記不揮発性記憶装置
は、基板30上で不純物拡散層31,32とのコンタク
トをとらない、いわゆるFACE構造を有しているた
め、コンタクトマージンを確保する必要がなく、しかも
1トランジスタ/1セル構造を有しているため、セル面
積を大幅に縮小することができる。
【0037】図2は不揮発性記憶装置の製造方法を工程
順に示す概略断面図であって、説明の便宜上、1つのメ
モリセルのみを示している。同図を参照しつつ、上記不
揮発性記憶装置の製造方法について説明する。まず、ト
ンネル酸化膜、フローティングゲート、ONO膜及びコ
ントロールゲートを形成する。すなわち、図2(a)に
示すように、P型シリコン基板20を熱酸化し、全面に
SiO2 膜を成長させトンネル酸化膜34を形成する。
続いて、LPCVD(low pressure chemical vapor dep
osition)法により、トンネル酸化膜34上に一層目のポ
リシリコン膜40を堆積をする。さらに、ポリシリコン
膜40上にONO膜36を積層する。続けて、LPCV
D法によりONO膜36上に二層目のポリシリコン膜4
1を堆積する。次に、二層目のポリシリコン膜41上
に、レジストを島状に形成した後、このレジストをマス
クとして、レジストからはみ出た部分のポリシリコン膜
41、ONO膜36及びポリシリコン膜40をエッチン
グする。これにより、図2(b)に示すように、フロー
ティングゲート35及びコントロールゲート37が島状
に形成される。フローティングゲート35及びコントロ
ールゲート37を形成した後、例えばB+ 等のチャネル
ストップイオンを注入する。なお、マスクとして使用し
レジストは用済みとなるので取り除く。
【0038】上記ゲート形成工程が終了すると、サイド
ウォールゲートを形成する。すなわち、図2(c)に示
すように、シリコン基板30を熱酸化し、全面にSiO
2 膜42を成長させる。続けて、LPCVD法により、
全面にサイドウォールゲート形成用のポリシリコン膜を
堆積した後、コントロールゲート37上のSiO2 膜5
2が露出するまでサイドウォールゲート形成用のポリシ
リコン膜をエッチバックし、フローティングゲート3
5、ONO膜36及びコントロールゲート37の両側に
一対のサイドウォールを形成する。その後、一方のサイ
ドウォールを異方性エッチングする。この段階で残存し
たサイドウォールが、図2(d)に示すように、サイド
ウォールゲート38となる。
【0039】上記サイドウォールゲート形成工程が終了
すると、不純物拡散層を形成する。まず、図2(d)に
示すように、コントロールゲート37、ONO膜36及
びフローティングゲート35をマスクとして、P+ を高
エネルギーをもってインプラする。続いて、コントロー
ルゲート37、ONO膜36及びフローティングゲート
35をマスクとして、As+ を低エネルギーをもってイ
ンプラする。その後、所定時間アニールする。そうする
と、N+ 層31a,32a及びN- 層31b,32bか
らなる不純物拡散層31,32が、自己整合的に列方向
に沿って形成される。
【0040】上記不純物拡散層形成工程が終了すると、
層間絶縁膜の形成及びメタライゼーションを行う。すな
わち、図2(e)に示すように、CVD(chemical vapo
r deposition) 法により、全面にBPSGを堆積した
後、コントロールゲート37及びサイドウォールゲート
38の上面が露出するまでBPSGをエッチバックして
層間絶縁膜39を形成する。その後、PVD(physical
vapor deposition) 法により、全面にタングステンポリ
サイドを堆積し、マスク合わせ及びRIEを用いてタン
グステンポリサイドを行方向に沿ってストライプ状にパ
ーニングする。その結果、図2(f)に示すように、
ワードラインWL1,WL2が行方向に沿って形成され
る。
【0041】上記層間絶縁膜形成工程及びメタライゼー
ションが終了すると、パッシベーション膜を形成する。
すなわち、図2(f)に示すように、CVD法により、
全面にSi34 等の絶縁物質を堆積して、パッシベー
ション膜43を形成する。このとき、不純物拡散層3
1,32のとこどころ(例えば、32ビットおき)
に、Al等を埋め込んでコンタクトを裏打ちし、ボンデ
ィングワイヤーで接続する。
【0042】図3は不揮発性記憶装置の電気的構成を示
す等価回路図である。同図を参照して、行方向Xに沿っ
て配列するメモリトランジスタ10A,10Bのコント
ロールゲートCG及びサイドウォールゲートSGには、
ワードラインWL1が接続されており、同様に、行方向
Xに沿って配列するメモリトランジスタ10C,10D
のコントロールゲートCG及びサイドウォールゲートS
Gには、ワードラインWL2が接続されている。
【0043】ワードラインWL1に沿って配列するメモ
リトランジスタは、隣接するメモリトランンジスタのソ
ースS−ドレインD同士が接続されてアレー状につなが
っている。同様に、ワードラインWL2に沿って配列す
るメモリトランジスタも、アレー状につながっている。
図において左端のメモリトランジスタ10AのソースS
と、図示しないメモリトランジスタのドレインとの接続
中間点、及び左端のメモリトランジスタ10Cのソース
Sと、図示しないメモリトランジスタのドレインとの接
続中間点には、ビットラインBL1が接続されている。
メモリトランジスタ10AのドレインDと、メモリトラ
ンジスタ10BのソースSとの接続中間点、及びメモリ
トランジスタ10CのドレインDと、メモリトランジス
タ10DのソースSとの接続中間点には、ビットライン
BL2が接続されている。右端のメモリトランジスタ1
0Bのドレインと、図示しないメモリトランジスタのソ
ースとの接続中間点、及び右端のメモリトランジスタ1
0DのドレインDと、図示しないメモリトランジスタの
ソースとの接続中間点には、ビットラインBL3が接続
されている。
【0044】ワードラインWL1,WL2の一端(図に
おいて左側)には、X(正)デコーダ51が接続されて
おり、他端にはX(負)デコーダ52が接続されてい
る。Xデコーダ51,52は、情報の書込、消去及び読
出の際に、ワードラインWL1,WL2に所定の電圧を
印加するものである。X(正)デコーダ51には、正電
圧昇圧回路53が接続されており、X(負)デコーダ5
2には、負電圧昇圧回路54が接続されている。
【0045】ビットラインBL1,BL2,BL3
は、Yデコーダ60が接続されている。Yデコーダ60
は、情報の書込、消去及び読出の際に、ビットラインB
L1,BL2,BL3に対して所定の電圧を印加するも
のである。Yデコーダ60の一端には、電圧発生器61
が接続されており、他端にはセンスアンプ(SA)62
が接続されている。
【0046】X(正)デコーダ51、X(負)デコーダ
52、正電圧昇圧回路53、負電圧昇圧回路54及びY
デコーダ60は、制御回路70から制御信号が与えら
れ、この制御信号により制御される。ここで、図3及び
表1を参照しつつ、上記不揮発性記憶装置における情報
の書込、消去及び読出の各動作について説明する。
【0047】
【表2】
【0048】<書込(WRITE)> 図3において、メモリセル20Aに情報の書込を行うと
する。まず、情報の書込に際し、予め全てのメモリセル
20A,20B,20C,20D内のメモリトランジス
タ10A,10B,10C,10Dのフローティングゲ
ートFGに、エレクトロンを一括注入して消去状態とす
る。そして、X(負)デコーダ52及び負電圧昇圧回路
54により、メモリセル20Aが接続されているワード
ラインWL1に対して−7Vを印加する。メモリセル2
0Aを選択するため、Yデコーダ60により、メモリセ
ル20A内のメモリトランジスタ10AのソースSが接
続されているビットラインBL1に対して0Vを、ドレ
インDが接続されているビットラインBL2に対して5
Vをそれぞれ印加する。また、X(正)デコーダ51及
びYデコーダ60により、非選択のメモリセル20B,
20Dが接続されているワードラインWL2、及び非選
択のメモリセル20C,20Dが接続されているビット
ラインBL2に対して0Vをそれぞれ印加する。
【0049】そうすると、選択されたメモリセル20A
にあっては、そのメモリトランジスタ10Aのフローテ
ィングゲートFGに蓄積されているエレクトロンが、F
NトンネリングによりドレインD側に引き抜かれる。そ
の結果、メモリセル20Aは、情報の書込状態となる。
フローティングゲートにエレクトロンが蓄積されている
状態と、蓄積されていない状態とでは、ソース−ドレイ
ン間を導通させるために必要なゲート電圧が異なる。す
なわち、ソース−ドレイン間を導通させるためのしきい
値電圧VTHは、フローティングゲートのエレクトロンを
注入した状態で高いしきい値V1(例えば5V)をと
り、エレクトロンが未注入の状態で低いしきい値V2
(例えば2V)をとる。このように、しきい値電圧VTH
を2種類に設定することで「0」または「1」の2値デ
ータをメモリセルに記憶させることができる。 <消去(ERASE)>情報の消去は一括して行われ
る。すなわち、Yデコーダ60により、全てのビットラ
インBL1,BL2,BL3に対して0Vを印加すると
共に、X(正)デコーダ51及び正電圧昇圧回路53に
より、全てのワードラインWL1,WL2に対して20
Vを印加する。
【0050】そうすると、全てのメモリセル20A,2
0B,20C,20Dでは、メモリトランジスタ10
A,10B,10C,10DのコントロールゲートCG
−基板間にFNトンネル電流が発生し、このFNトンネ
ル電流によりフローティングゲートFG内にエレクトロ
ンが注入される。その結果、全てのメモリセル20A,
20B,20C,20Dは、情報の消去状態となる。 <読出(READ)> 図3において、メモリセル20Aに記憶されている情報
の読出を行うとする。X(正)デコーダ51により、メ
モリセル20Aが接続されているワードラインWL1に
対して3Vを印加する。メモリセル20Aを選択するた
め、Yデコーダ60により、メモリセル20A内のメモ
リトランジスタ10AのソースSが接続されているビッ
トラインBL1に対して0Vを、ドレインDに接続され
ているビットラインBL2に対して1Vをそれぞれ印加
する。また、X(正)デコーダ51により、非選択のメ
モリセル20C,20Dが接続されているワードライン
WL2に対して0Vを印加し、Yデコーダ60により、
非選択のメモリセル20B,20Dが接続されているビ
ットラインBL3を開放状態とする。
【0051】そうすると、メモリセル20Aにあって
は、そのメモリトランジスタ10Aのフローティングゲ
ートFGにエレクトロンが蓄積されていない書込状態に
あると、メモリトランジスタ10AのソースS−ドレイ
ンDが導通し、チャネルが形成される。つまり、メモリ
セル20A内に電流が流れる。一方、メモリトランジス
タ10AのフローティングゲートFGにエレクトロンが
蓄積されている消去状態にあると、メモリトランジスタ
10AのソースS−ドレインDが導通せず、チャネルが
形成されない。つまり、メモリセル20A内に電流が流
れない。この状態をデコーダ51,60及びセンスアン
プ62でセンシングすることにより、メモリセル20A
に記憶されている情報の読出が達成される。
【0052】ここで、センス電圧とは、上記しきい値電
圧VTHの2種類のV1,V2の中間的な電圧である。し
たがって、このセンス電圧を印加すると、フローティン
グゲートにエレクトロンが蓄積されているか否かで、ソ
ース−ドレイン間の導通/非導通が決定される。このよ
うに、情報の書換えに際し、FNトンネリングを用いて
いるため、低電圧駆動が可能となる。
【0053】図4は書込時のメモリトランジスタの動作
原理を示す図、図5は消去時のメモリトランジスタの動
作原理を示す図、図6は読出時のメモリトランジスタの
動作原理を示す図である。図4ないし図6を参照しつ
つ、上記メモリトランジスタの動作原理について説明す
る。 <書込> 図3に示すメモリセル20Aに情報を書込むとする。こ
のとき、前述した如く、各メモリトランジスタは、ソー
ス領域に対してオフセット配置されたフローティングゲ
ート及びコントロールゲートと、オフセット領域上に配
置されたサイドウォールゲートとに分割されており、両
ゲートに対して所定のコントロール電圧が印加されるよ
うになっているので、図4(a)(b)に示すように、
選択されたメモリセル20A内のメモリトランジスタ1
0A、及び選択メモリセル20AとワードラインWL1
を共有している非選択メモリセル20B内のメモリトラ
ンジスタ10Bの各コントロールゲート37及びサイド
ウォールゲート38には、−7Vが印加されることにな
る。そのため、各サイドウォールゲート38直下の基板
30の表面は、反転せず、オフセット領域OSが形成さ
れる。
【0054】このとき、選択メモリセル20A内のメモ
リトランジスタ10Aでは、図4(a)に示すように、
FNトンネリングによりフローティングゲート35内の
エレクトロンがドレイン領域側に引き抜かれる。その結
果、メモリトランジスタ10Aは、図4(b)に示すよ
うに、フローティングゲート35内にエレクトロンが蓄
積されていない書込状態となる。
【0055】一方、選択メモリセル20Aとワードライ
ンWL1を共有している非選択メモリセル20Bでは、
ビットラインBL2に5Vが印加されているものの、図
4(a)に示すように、そのメモリトランジスタ10B
のソース領域側にはオフセット領域OSが形成されてい
るため、フローティングゲート35−ソース領域間でF
Nトンネル機構が働かない。その結果、図4(b)に示
すように、フローティングゲート35内にエレクトロン
が蓄積されたままとなり、消去状態を保つ。つまり、非
選択メモリセル20Bに書込ディスターブが発生せず、
誤って情報が書込まれることはない。 <消去>図5(a)に示すように、全てのメモリトラン
ジスタ10A,10B,10C,10Dのコントロール
ゲート37−基板30間には、高いバイアスがかかり、
コントロールゲート37−基板30間にFNトンネル電
流が発生する。これに伴って、フローティングゲート3
5内にエレクトロンが全体的に注入される。その結果、
全てのメモリトランジスタ10A,10B,10C,1
0Dは、図5(b)に示すように、フローティングゲー
ト35内にエレクトロンが蓄積されている消去状態とな
る。
【0056】このように、FNトンネル電流によりフロ
ーティングゲート35内にエレクトロンを全体的に注入
させることで、情報の消去を行っているため、トンネル
酸化膜34の劣化を防止でき、書換回数が増加すると共
に、書換速度も速くなる。 <読出>図3に示すメモリセル20Aに記憶されている
情報を読出すとする。このとき、図6(a)(b)に示
すように、選択メモリセル20A、及び選択メモリセル
20AとワードラインWL1を共有している非選択メモ
リセル20B内のメモリトランジスタ10A,10Bの
各コントロールゲート37及びサイドウォールゲート3
8には、センス電圧3Vが印加される。そのため、各サ
イドウォールゲート38直下の基板30の表面は、反転
し、反転層60が生じる。
【0057】このとき、選択メモリセル20A内のメモ
リトランジスタ20Aでは、図6(a)に示すように、
フローティングゲート35にエレクトロンが蓄積されて
いない書込状態にあれば、コントロールゲート37に印
加されているセンス電圧の影響がフローティングゲート
37直下の基板30の表面まで到達する。そのため、フ
ローティングゲート37直下の基板30の表面が反転
し、基板30の表面にエレクトロンが誘起される。これ
に伴い、誘起されたエレクトロンと反転層60とが接続
する。その結果、ソース領域−ドレイン領域間が導通
し、チャネルCHが形成される。つまり、メモリトラン
ジスタ10Aに電流が流れる。
【0058】一方、図6(b)に示すように、メモリト
ランジスタ10Aのフローティングゲート35にエレク
トロンが蓄積されている消去状態であれば、コントロー
ルゲートに印加されるセンス電圧の影響がフローティン
グゲート35内に蓄積されているエレクトロンにより遮
断され、フローティングゲート35直下の基板30の表
面まで到達しない。その結果、ソース領域−ドレイン領
域間が導通せず、チャネルが形成されない。つまり、メ
モリトランジスタ10Aに電流が流れない。
【0059】また、選択メモリセル20Aとワードライ
ンWL1を共有している非選択メモリセル20Bでは、
ビットラインBL3を開放状態としているため、図6
(a)(b)に示すように、そのメモリトランジスタ1
0Bの状態に関係なく、セル電流は流れない。このよう
に、オフセット領域OSの反転を利用して情報の読出を
行えるので、読出速度は速くなる。
【0060】以上のことから、本実施例の不揮発性記憶
装置によれば、情報の書込時のディスターブの発生を防
止して書込選択性を確保しつつ、セル面積を縮小できる
ので、次世代装置の開発に有用なものとなる。なお、本
発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の
範囲内で多くの修正及び変更を加え得ることは勿論であ
る。
【0061】例えば、上記実施例においては、フローテ
ィングゲートに電荷を蓄えるメモリトランジスタを利用
した例について記載したが、フローティングゲートを排
除して、メモリトランジスタをMONOS構造、あるい
はMNOS構造としても、同様な効果を得る。
【0062】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、情報の書込時のディスターブの発生を防止して
書込選択性を確保しつつ、セル面積を縮小できるといっ
た優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る不揮発性記憶装置の構
成を示しており、同図(a)はパッシベーション膜を剥
した状態を示す平面図、同図(b)は同図(a)のIV−
IV線断面図である。
【図2】不揮発性記憶装置の製造方法を工程順に示す概
略断面図である。
【図3】不揮発性記憶装置の電気的構成を示す等価回路
図である。
【図4】書込時のメモリトランジスタの動作原理を示す
図である。
【図5】消去時のメモリトランジスタの動作原理を示す
図である。
【図6】読出時のメモリトランジスタの動作原理を示す
図である。
【図7】従来の不揮発性記憶装置の構成を示しており、
同図(a)はパッシベーション膜を剥がした状態を示す
平面図、同図(b)は同図(a)のI−I線断面図であ
る。
【図8】従来の不揮発性記憶装置の電気的構成を示す等
価回路図である。
【図9】FACE構造を有する不揮発性記憶装置の構成
を示しており、同図(a)はパッシベーション膜を剥が
した状態を示す平面図、同図(b)は同図(a)のII−
II線断面図である。
【図10】FACE構造を有する不揮発性記憶装置の電
気的構成を示す等価回路図である。
【符号の説明】
10A,10B,10C,10D メモリトランジスタ 20A,20B,20C,20D メモリセル 30 シリコン基板 31,32 不純物拡散層 33 チャネル領域 34 トンネル酸化膜 35 フローティングゲート 36 ONO膜 37 コントロールゲート 38 サイドウォールゲート 51 X(正)デコーダ 52 X(負)デコーダ 60 Yデコーダ 62 センスアンプ WL1,WL2 ワードライン BL1,BL2,BL3 ビットライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−36986(JP,A) 特開 平2−114674(JP,A) 特開 平5−82798(JP,A) 特開 平6−204493(JP,A) 特開 平6−196663(JP,A) 特開 平6−177395(JP,A) 特開 平6−177358(JP,A) 特開 平6−151782(JP,A) 特開 平6−196714(JP,A) 特開 平5−152579(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/8247 H01L 27/115 H01L 29/788 H01L 29/792

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予め定める第1の導電型式をした半導体基
    板上に、電荷を注入したり、取り出したりすることで情
    報の記憶を行う、メモリトランジスタからなる複数のメ
    モリセルが、行方向及び列方向に沿ってマトリクス状に
    配列形成されているものであって、 上記半導体基板の表面層に、所定の間隔をあけて列方向
    に沿って形成され、行方向に隣接するメモリトランジス
    タ同士のソース領域及びドレイン領域となり、かつ列方
    向に沿って配列するメモリセルで共有されたビットライ
    ンとなっている、上記第1の導電型式とは反対の第2の
    導電型式をした複数の不純物拡散層と、 上記隣合う不純物拡散層で挟まれるように生じる各チャ
    ネル領域上に、ソース領域と所定のオフセット間隔をあ
    けて形成され、チャネル領域で発生した電荷を通過させ
    得るトンネル絶縁膜と、 上記各トンネル絶縁膜上に形成され、トンネル絶縁膜を
    通過してきた電荷を蓄積する電荷蓄積層と、 上記各電荷蓄積層上に形成されたコントロールゲート
    と、 上記各チャネル領域の残りの領域上に、チャネル領域、
    並びに電荷蓄積層及びコントロールゲートと絶縁状態で
    形成されたサイドウォールゲートと、 上記各サイドウォールゲート及びコントロールゲート上
    に、行方向に沿って形成され、かつ行方向に沿って配列
    するメモリセルで共有されており、行方向に隣接するメ
    モリトランジスタのコントロールゲート及びサイドウォ
    ールゲートに所定の制御電圧が印加できるようになって
    いるワードラインと 情報の消去時に、全てのワードラインに対して基板と同
    一極性の高電圧を印加すると共に、全てのビットライン
    を接地電位として、全てのメモリセル内のメモリトラン
    ジスタのコントロールゲート−基板間にFNトンネル電
    流を発生させ、このFNトンネル電流により電荷蓄積層
    に電荷を一括注入する消去手段と、 情報の書込時に、情報の書込を行うメモリセルが接続さ
    れているワードラインに対して、メモリトランジスタの
    サイドウォールゲート直下の基板表面を反転させずにオ
    フセット領域を形成し得る、不純物拡散層と同一極性の
    高電圧を印加し 、情報の書込を行うメモリセルを選択す
    るため、当該メモリセル内のメモリトランジスタのドレ
    イン領域が接続されているビットラインに対して書込電
    圧を印加すると共に、その他のワードライン及びビット
    ラインを接地電位として、FNトンネリングにより、選
    択されたメモリセル内のメモリトランジスタの電荷蓄積
    層に蓄積されている電荷をドレイン領域側に引き抜く書
    込手段と、 情報の読出時に、情報の読出を行うメモリセルが接続さ
    れているワードラインに対して、メモリトランジスタの
    サイドウォールゲート直下の基板表面が反転し得るセン
    ス電圧を印加し、情報の読出を行うメモリセルを選択す
    るため、当該メモリセル内のメモリトランジスタのソー
    ス領域が接続されているビットラインを接地電位とする
    と共に、ドレイン領域が接続されているビットラインに
    対してセル電流が発生し得る読出電圧を印加しておき、
    その他のワードラインを接地電位とし、その他のビット
    ラインを開放状態とする読出手段とを備えている ことを
    特徴とする不揮発性記憶装置。
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