JP3251251B2 - 建築物の接合金具 - Google Patents

建築物の接合金具

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JP3251251B2 JP03467799A JP3467799A JP3251251B2 JP 3251251 B2 JP3251251 B2 JP 3251251B2 JP 03467799 A JP03467799 A JP 03467799A JP 3467799 A JP3467799 A JP 3467799A JP 3251251 B2 JP3251251 B2 JP 3251251B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木造建築物におけ
る柱,桁等に梁,桁,土台,大引等の横架材を接合し、
あるいは、梁と桁,土台と大引等の横架材同士を接合す
るのに用いる木部材の接合金具に関し、特に、単純な仕
口加工のみで容易かつ確実,堅固に木部材を接合できる
とともに、大型の地震等により生ずる揺れや横架材から
の圧縮,引張り等に対しても強固な固定力で対応でき、
かつ、横架材の垂直荷重を分散させて支持することがで
きる、耐震性に優れた建築物の接合金具に関する。
【0002】
【従来の技術】我が国における伝統的な木造軸組建築で
は、複雑な軸組作業や、接合する各木部材の仕口,継ぎ
手等に種々の特殊な加工,工作法が必要で、その作業に
は高度に熟練した大工職人等の技術が要求されることか
ら、作業効率が悪く、工期の長期化や高コスト化等の原
因となっていた。
【0003】このため、最近では、木部材の接合に接合
金具を用いることで、木部材及びその接合構造を規格化
して、仕口,継ぎ手等の加工を不要、あるいは単純化
し、仕口の加工作業等もあらかじめ工場内で行なうよう
にして、施工現場においては接合金具を用いて木部材を
順次接合していくという工法が採られている。
【0004】このような接合金具を用いた工法によれ
ば、特別な技術や加工作業等が不要となり、軸組作業も
きわめて単純で簡単となるため、施工現場において効率
の良い作業を行なうことができる。この種の木造軸組工
法に用いられる接合金具の例としては、例えば実開平4
−041002号の公報に記載された木造建築物の柱と
梁の接合金具がある。
【0005】この実開平4−041002号公報の接合
金具は、図12に示すように、柱100側に固定される
取付板1と、この取付板1の両端を直角に折り曲げて前
方に突出させた一対の案内側板2とからなっている。取
付板1には、中心部分に、柱100を貫通する締結具3
の貫通する取付孔1aが、上端部分には、柱100側に
食い込む打込部1bが、それぞれ設けられている。ま
た、一対の案内側板2には、梁200を貫通したピン4
が貫通する挿通孔2aが複数形成されており、上方の挿
通孔2aは上部が開口した溝状の孔となっている。
【0006】このような構成からなる実開平4−041
002号公報の接合金具によれば、取付板1を柱100
側に固定した後、案内側板2に、梁200の端部に形成
した仕口部分を貫挿し、梁200の側面からピン4を打
ち込んで案内側板2の挿通孔2aに貫通させることによ
って、柱100と梁200を簡単に接合することができ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この実
開平4−041002号公報記載の接合金具による木部
材の接合では、案内側板が、梁の仕口部分に梁と同一方
向に挿入されるだけなので、梁を柱側へ十分締め付けて
接合することができなかった。特に、木造建築物におい
ては、建築後の時間の経過により、木部材が乾燥等によ
って収縮し、木部材の各仕口部間に隙間を生じることが
あり、このような場合に、この従来の接合金具では、締
付量を調整して隙間を埋めるというようなことは不可能
であった。
【0008】また、この従来の接合金具では、案内側板
は二枚一対の板状部材が平行に配設された構成となって
いるため、案内側板が貫挿される梁端部の仕口部分に、
案内側板に対応した二本一対の溝を形成する必要があ
り、仕口加工に手数を要するという問題もあった。特
に、梁等の木部材が集成材のような場合、木部材がきわ
めて堅固であるため、溝状の仕口加工を行なうための工
具が破損してしまうようなことがあった。
【0009】そこで、これらの事情に鑑み、本願発明者
は、既に特願平7−240221号の特許出願におい
て、上記のような弊害のない建築物の接合金具を提案し
ている。図13は、本願発明者が特願平7−24022
1号の特許出願で提案した建築物の接合金具を示す斜視
図である。同図に示すように、この接合金具は、板状部
材を横断面コ字形状に形成した金具本体10を、固定ボ
ルトを用いて柱100に固定するとともに、梁200の
仕口端面から軸状部材30,40を挿嵌して固定し、こ
の軸状部材30,40を金具本体10に固定することに
よって梁200を柱100に固定するようになってい
る。
【0010】このような接合金具によれば、従来の接合
金具のような複雑な溝状の仕口加工を必要とすることな
く、きわめて単純な木部材の仕口加工のみによって木部
材を強力,堅固に接合することができるとともに、接合
後に木部材の仕口部間に隙間が生じた場合でも、軸状部
材を締め付けることによって木部材間の締付け力を高め
ることができ、しかも、軸組作業も容易,確実かつ安全
に行なうことが可能となった。このため、上述した実開
平4−041002号公報の接合金具が有しているよう
な問題が生ずることなく、木部材の接合を行うことがで
きた。
【0011】ただ、この接合金具にも、特に耐震性に対
する強度や柱側にかかる横架材の垂直荷重の分散に関し
て、さらに改良の余地が残されていた。図13に示した
断面コ字形状の金具本体10によれば、通常程度の地震
や揺れに対する耐震性は十分に確保されていたが、この
金具本体10にさらに大きな強度を付加できれば、きわ
めて大型の地震の発生等、不測の事態によって生ずる揺
れや柱側に加わる横架材からの圧縮,引張り等に対し
て、より万全な強度を得ることができる。また、金具本
体10を柱側に固定する固定ボルトにかかる横架材の垂
直荷重についても、他の部材や箇所に分散することがで
きれば、横架材の保持をより堅固にすることができ、長
期間にわたって強固な接合力を保持することが可能とな
る。
【0012】本発明は、このような従来の技術が有する
問題を解決するために提案されたものであり、単純な仕
口加工のみで容易かつ確実,堅固に木部材を接合できる
とともに、大型の地震等により生ずる揺れや横架材から
の圧縮,引張り等に対しても強固な固定力を保持でき、
横架材の垂直荷重も分散させることができる、特に耐震
性に優れた建築物の接合金具の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の請求項1記載の建築物の接合金具は、木造建築
物における木部材間の接合に用いる金具であって、一の
木部材に固定される板状の背部と、他の木部材に固定さ
れる前記背部と対向する板状の受け部、及び前記背部と
受け部の側辺を連結する板状の側面部からなる横断面コ
字形状の金具本体と、前記背部に貫通して前記金具本体
を前記一の木部材に固定する固定ボルトと、前記受け部
に貫通して前記金具本体を前記他の木部材に固定する軸
状固定手段と、対向する一対の対向板部と、この対向板
部を連結する連結部からなり、前記対向板部が前記金具
本体の背部及び受け部間に摺接状態で挿嵌されて前記固
定ボルト及び軸状固定手段で固定されることにより、前
記背部及び受け部間に架設される補強部材と、を備えた
を備えた構成としてある。
【0014】また、請求項2では、板状の保持部と、こ
の保持部に突設された軸だぼ部からなり、前記保持部が
前記金具本体の内面に固定されることにより、前記軸だ
ぼ部が当該金具本体を貫通して前記木部材に挿嵌される
補強だぼ部材を備えた構成としてある。さらに、請求項
3では、前記補強部材と前記補強だぼ部材の双方を備え
構成としてある。
【0015】そして、請求項4では、前記金具本体の受
け部が、上端縁に開口するあご掛け溝を備え、前記軸状
固定手段の一つが、このあご掛け溝に上方から嵌合する
ことにより前記受け部に貫通する構成としてある。
【0016】また、請求項5では、前記補強部材の対向
板部が、下端縁に開口する嵌合溝を備え、この嵌合溝
が、前記固定ボルト及び軸状固定手段に上方から嵌合す
ることにより、前記補強部材が当該固定ボルト及び軸状
固定手段で固定される構成としてある。
【0017】特に、請求項6では、前記補強部材の連結
部が板状部材からなり、前記一対の対向板部が前記背部
及び受け部間に挿嵌されると、前記連結部が前記金具本
体の上面開口を覆う状態で前記背部及び受け部間に架設
される構成としてある。
【0018】また、請求項7では、前記補強だぼ部材
が、前記保持部が前記固定ボルトで前記金具本体の背部
内面に固定されることにより、前記軸だぼ部が当該背部
を貫通して前記一の木部材に挿嵌される構成としてあ
る。
【0019】さらに、請求項8では、前記補強だぼ部材
が、前記保持部が前記軸状固定手段で前記金具本体の受
け部内面に固定されることにより、前記軸だぼ部が当該
受け部を貫通して前記他の木部材に挿嵌される構成とし
てある。
【0020】このような構成からなる本発明の建築物の
接合金具によれば、固定ボルト及び軸状固定手段を用い
てコ字形状の金具本体を接合する木部材間に介在させて
取り付けることができるので、介在する金具本体によっ
て木部材間の隙間を埋めつつ堅固な接合が行え、接合後
に木部材に収縮等が生じても、金具の締付量を増すこと
で堅固な接合を維持できる。また、木部材への仕口加工
も、金具本体を固定する固定ボルトや軸状手段を挿通す
るための孔開け加工のみとなり、仕口加工を非常に単純
なものにすることができる。
【0021】そして、特に本発明では、金具本体の背部
及び受け部間に挿嵌されて架設される補強部材を設ける
ことによって、コ字形状の金具本体の開口部が埋められ
るので、金具本体の強度がより高められ、大型の地震等
により生ずる揺れや横架材からの圧縮,引っ張り等に対
しても強固に対応することができ、より堅固に柱と横架
材を接合することができる。
【0022】また、金具本体の背部や受け部を貫通して
柱や梁等の木部材に挿嵌される補強だぼ部材を設けるこ
とにより、金具本体にかかる横架材の垂直荷重を補強だ
ぼ部材によって受けることができ、特に、固定ボルトや
軸状固定手段に集中する横架材の垂直荷重を分散させる
ことができる。
【0023】これによって、例えば、固定ボルトが貫通
する柱側のボルト孔に縦方向へ亀裂等が生じることを防
止できるとともに、柱側に水平方向に打ち込まれる軸だ
ぼ部によって、横架材に対して横方向からかかる荷重に
ついても強固な保持力を維持でき、横架材の横振れ等も
有効に防止することができる。しかも、木部材に対する
加工は軸だぼ部が挿嵌される単純な穴加工のみとなるの
で、補強だぼ部材を設けることによっても、本発明の仕
口加工作業の容易化,単純化を損なうこともない。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる建築物の接
合金具の実施形態について、図面を参照して説明する。 [第一実施形態]まず、本発明の建築物の接合金具の第
一実施形態について図1〜図4を参照して説明する。図
1は、本発明の建築物の接合金具の第一実施形態にかか
る金具本体を示す全体斜視図であり、図2は、同じく軸
状固定手段を示す正面図であり、(a)は雇い軸だぼ
を、(b)は雇いパイプだぼを示している。また、図3
は、本実施形態の接合金具により木部材を接合する場合
の分解斜視図であり、さらに、図4は、本実施形態の接
合金具により木部材を接合した状態の一部截断側面図で
ある。
【0025】これらの図に示すように、本実施形態の接
合金具は、柱に梁,桁等の横架材を接合する場合や、梁
と桁等の横架材同士の接合に用いる金具となっており、
図3及び図4に示すように、本実施形態では、柱100
に横架材として梁200を接合する場合を例にとってい
る。
【0026】具体的には、本実施形態の接合金具は、柱
100と梁200を接合する金具本体10と、この金具
本体10と両木部材を固定するための、柱100側に貫
通する固定ボルト20及び梁200側に挿入される軸状
固定手段30,40と、金具本体10の強度を補強する
ための補強部材50と、梁200の垂直荷重を受ける補
強だぼ部材60とで構成してある。
【0027】金具本体 まず、金具本体10について説明する。図1に示すよう
に、金具本体10は、柱100の一側面に固定される板
状の背部11と、この背部11と対向して配設され梁2
00の仕口部に固定される板状の受け部12と、この背
部11と受け部12を連結する板状の側面部13とから
なる横断面コ字形状の金具となっており、底面側には底
板14が設けてある。
【0028】背部11,受け部12,側面部13は一枚
の金属板をコ字形状に折り曲げることにより一体的に形
成してあり、底面に底板14が溶接により固着してあ
る。ここで、背部11,受け部12,側面部13及び底
板14は、全部又は一部を独立した板状部材で形成し、
これら各部をそれぞれ溶接などによって固着して形成す
ることもできるが、金具本体10の製作の容易性,剛性
等の観点からすると、鉄製等の金属板からなる一枚の板
状部材をコ字形状に折り曲げることによって背部11,
受け部12及び側面部13を一体的に形成することが好
ましい。本実施形態においても、一枚の板状部材を折り
曲げることにより背部11,受け部12及び側面部13
を形成し、その後底板14を溶接により固着することに
よって金具本体10を構成してある。なお、この金具本
体10は、接合する木部材の大きさや重量等に応じて、
適宜大きさを変更することができ、例えば、後述する第
四実施形態に示す金具本体のように金具全体を高さ方向
に短尺化することもでき、これとは逆に、金具全体を高
さ方向にさらに長尺化することも可能である。
【0029】背部11には、ボルト貫通孔11a及びだ
ぼ貫通孔11bが形成してある。ボルト貫通孔11aに
は、後述するように、柱100に取り付けられた固定ボ
ルト20の端部が貫通するようになっており、この固定
ボルト20によって背部11が柱100の側面に固定さ
れるようになっている。また、だぼ貫通孔11bには、
後述する補強だぼ部材60の軸だぼ部62が貫通するよ
うになっており、金具本体10に加わる垂直荷重を補強
だぼ部材60で受けられるようになっている。
【0030】ここで、図1に示すように、本実施形態に
おいては、ボルト貫通孔11aを背部11の縦方向に六
箇所穿設するとともに、だぼ貫通孔11bを背部11下
側のボルト貫通孔11aの間に一箇所穿設してあるが、
これは適宜変更することが可能である。すなわち、ボル
ト貫通孔11a及びだぼ貫通孔11bは、接合する木部
材の高さ,重量等に応じて任意の数とすることができ、
木部材の接合強度を強化するとともに、接合金具の汎用
性を向上させる観点からは、これらボルト貫通孔11
a,だぼ貫通孔11bをあらかじめ複数箇所に設けてお
くことが好ましい。特に、本実施形態では一箇所のみに
形成してあるだぼ貫通孔11bを複数形成すると、補強
だぼ部材60を複数取り付けたり、軸だぼ部62を複数
備えた補強だぼ部材60を取り付けることも可能であ
り、木部材の接合強度をさらに強化させることが可能と
なる。
【0031】背部11に対向する受け部12には、図1
に示すように、上側に受け部12の上端まで開口したあ
ご掛け溝12aが形成してあり、このあご掛け溝12a
の下側にボルト貫通孔12aが穿設してある。そして、
あご掛け溝12aには、後述する軸状固定手段のうち、
雇い軸だぼ30の端部が嵌合して貫通するとともに、ボ
ルト貫通孔12bには、軸状固定手段のうち、雇いパイ
プだぼ40の固定ボルト42が貫通し、これによって、
受け部12が梁200側に固定されるようになってい
る。
【0032】ここで、受け部12に、上端縁まで開口し
た溝状のあご掛け溝12aを形成し、これに軸状固定手
段を金具上方から嵌合させることによって、後述するよ
うに、梁200と柱100の接合作業を容易に行うこと
ができるようになる。なお、このあご掛け溝12aにつ
いて、受け部12の上端に開口しない通常の貫通孔(ボ
ルト貫通孔12b)のみとすることも可能である。ただ
し、作業の容易性と木部材の接合強度を高めるために
は、あご掛け溝12aとボルト貫通孔12bとを併設す
ることが好ましい。従って、本発明において、受け部1
2に対する軸状固定手段の「貫通」という場合、ボルト
貫通孔12bに挿嵌されて受け部12を貫通する場合
と、あご掛け溝12aに嵌合して受け部12を貫通する
場合の双方を意味する。
【0033】ボルト貫通孔12bは、図1に示すよう
に、本実施形態では、あご掛け溝12aの下側に二箇所
穿設してある。これにより、受け部12には、ボルト貫
通孔12bに後述する雇いパイプだぼ40が二本貫通
し、あご掛け溝12aに嵌合する雇い軸だぼ30とあわ
せて、三本の軸状固定手段によって梁200に固定され
ることになる。ただし、ボルト貫通孔12bは、背部1
1に設けるボルト貫通孔11aと同様、接合する木部材
の高さ,重量等に応じて、縦方向に任意の数、形成する
ことができることはいうまでもない。
【0034】また、後述する第四実施形態のように、金
具本体10を縦方向に短尺化して形成する場合には、ボ
ルト貫通孔12bも一箇所のみとすることができ、逆
に、金具本体10を縦方向に長尺化して形成する場合に
は、ボルト貫通孔12bをさらに増設することができ
る。ボルト貫通孔12bを増設することにより、より大
型の梁200等を柱100に接合することが可能とな
る。
【0035】側面部13は、背部11及び受け部12を
連結する板状部材となっており、本実施形態では、図1
に示すように、配線貫通孔13aが穿設してある。この
配線貫通孔13aは、建築物の各種配線を通す挿通孔と
なっており、電話線や電気の配線等を、金具本体10を
経由して梁200の両側に配線,導通できるようになっ
ている。
【0036】このように、側面部13に配線貫通孔13
aを設けることによって、従来は梁200に孔を穿設し
て通していた建築物の各種配線を、金具本体10を経由
させて簡単に挿通,配線することができ、梁200への
配線用の孔加工が不要となり、より迅速な施工作業が可
能となる。なお、この配線貫通孔13aは、図4に示す
ように、側面部13の縦方向に三箇所形成してあるが、
この配線貫通孔13aについても、必要に応じて適宜増
減することができ、また、挿通する配線の太さや本数,
形状等に応じて、孔の径や形状を変更することも可能で
ある。
【0037】底板14は、図1に示すように、金具本体
10の底面を覆う大きさに形成してあり、本実施形態で
は、金具本体10の下面に溶接により固着してある。底
板14の一端は、金具本体10の受け部12側に突出し
た突出部14aとなっており、この突出部14aが梁2
00の仕口部の下端を保持する受け面となっている(図
4参照)。また、底板14の先端には、上方に傾斜した
あご掛け14bが突設してあり、このあご掛け14b
が、梁200の仕口部底面側に形成した切り欠き部20
3に係合するようになっている(図4参照)。
【0038】また、本実施形態では、底板14に釘孔1
4cが穿設してある。この釘孔14cを設けることによ
り、図4に示すように、金具本体10の中空部に介木2
10を挿入して底板14の底面側から釘を打ち付けた
り、底板14の底面にパネル上枠220及び縦枠230
を配設して底板14の上面側から釘を打ち付けて固定す
ることができるようになっている。なお、介木210,
パネル上枠220は、壁板や断熱板等の板材を梁200
側に固定するための釘を打ち込むために配設される木部
材であり、縦枠230は、柱100に沿って配設されて
パネル上枠220を底面側から支持する支持部材となっ
ている。
【0039】このように金具本体10に底板14を設け
ることで、柱100と梁200の接合作業の際、梁20
0の仕口部の下端を底板14の突出部14aに搭載した
状態で行なえるので、梁200を保持する労力が軽減さ
れ、接合作業をより容易に行うことができる。特に、底
板14の先端にあご掛け14bを突設することにより、
梁200の底面切り欠き203にあご掛け14bを係合
させることで、木部材の接合の際の梁200の金具本体
10への位置合わせを容易に行なうことができるととも
に、木部材の接合の際の作業性,安全性の向上を図るこ
とができる。
【0040】また、梁200の仕口部下端が突出部14
aによって受けられて保持されるので、梁200に加わ
る垂直荷重を底板14で支持することができる。しか
も、突出部14aの先端のあご掛け14bを上方に傾斜
して突設してあるので、梁200を底板14の突出部1
4aに落とし込んで搭載した際、あご掛け14bを切り
欠き203に係合させて梁200を金具本体10側に引
き寄せることができるので、梁200をより堅固に金具
本体10側に固定することが可能となる。
【0041】また、この底板14によって、背部11,
受け部12及び側面部13が一体的に固定され、金具本
体10自体の強度が高められ、特に、側面部13に対し
てねじり方向の力が作用するような場合でも、金具本体
10がねじれたり曲がったりすることがなくなる。さら
に、金具本体10の下面側を覆う底板14は、上述した
介木210やパネル上枠220の保持,固定手段として
機能するとともに、金具本体10の露出を隠す化粧板と
もなっている。
【0042】なお、この底板14は、後述する第四実施
形態に示すように、接合する梁200の大きさが小さ
く、下面を保持する必要がない場合や、金具本体10の
取付箇所が天井裏などの外部に露出しない箇所である場
合などには省略することもできる。
【0043】固定ボルト 次に、金具本体10を柱100に固定するための固定ボ
ルト20について説明する。図3及び図4に示すよう
に、固定ボルト20は、柱100の一側面から挿入され
て、この柱100を貫通して他側面から先端が突出する
ボルト21と、このボルト21の先端に螺合するナット
22とからなる。
【0044】そして、この固定ボルト20は、柱100
を貫通したボルト21の先端が、金具本体10の背部1
1に形成したボルト貫通孔11aを貫通するとともに、
このボルト21の先端にナット22が螺合することによ
り、金具本体10を柱100の一側面に固定するように
なっている。また、背部11に貫通した固定ボルト20
の先端は、後述する補強部材50及び補強だぼ部材60
に貫通し、当該補強部材50及び補強だぼ部材60を金
具本体10に固定するようになっている。なお、この固
定ボルト20は、金具本体10のボルト貫通孔11aの
数に応じて任意の数とすることができ、本実施形態では
三本のボルト21とこれに螺合するナット22により構
成してある。
【0045】軸状固定手段 次に、金具本体10の受け部12と梁200とを固定す
るための軸状固定手段について説明する。図2〜図4に
示すように、本実施形態では、軸状固定手段として雇い
軸だぼ30と雇いパイプだぼ40の二種類のものを用い
ている。
【0046】まず、図2(a)に示す軸状固定手段の一
つである雇い軸だぼ30について説明する。雇い軸だぼ
30を構成する軸部材31は、円柱状となっており、後
述するように、梁200の仕口部のだぼ挿入穴201か
ら挿入されて、梁200に固定されるようになってい
る。軸部材31の一端側外周には、ねじ31aが形成し
てあり、他端側には、軸部材31の長手軸方向と直交し
て貫通するピン孔31bが穿設してある。なお、この軸
部材31は、通常、円柱状をなし、鋼鉄製のものが好ま
しい。
【0047】32は固定ナットで、軸部材31の一端側
外周のねじ31aに螺合するようになっている。33は
貫通ピンで、軸部材31のピン孔31bに貫通するピン
となっており、後述するように、梁200の側面のピン
貫通孔202から打ち込まれて、軸部材31のピン孔3
1bに貫通するようになっている。この貫通ピン33
は、通常、鋼鉄製の円柱状のものを使用し、梁200か
らピン孔31bへの打ち込みを容易にするため、先端を
テーパ状に形成することが好ましい。
【0048】なお、この雇い軸だぼ30の軸部材31は
円柱状となっているが、固定ナット32は軸部材31の
外周に螺合するため、軸部材31の内部が必ずしも中実
の柱状でなくてもよく、後述する雇いパイプだぼ40の
ような中空筒状等とすることもできる。その場合には、
軸部材31のねじ31a側の強度を高めるため、ねじ3
1aを形成した側の中空部分に補強用の丸鋼等を嵌入す
ることが望ましい。
【0049】次に、図2(b)に示す、もう一つの軸状
固定手段である雇いパイプだぼ40について説明する。
この雇いパイプだぼ40を構成する中空状の軸部材41
は、上述した雇い軸だぼ30と同様、梁200の仕口部
のだぼ挿入穴201から挿入されて、梁200に固定さ
れるようになっている。
【0050】この軸部材41の一端側の内周には、ねじ
41aが形成してあり、他端側には、軸部材41の長手
軸方向と直交して貫通するピン孔41bが穿設してあ
る。なお、この軸部材41も、雇い軸だぼ30と同様、
鋼鉄製のものを使用することが好ましい。
【0051】42は固定ボルトで、軸部材41の一端側
内周に形成したねじ41aに螺合するようになってい
る。43は軸部材41のピン孔41bに貫通する貫通ピ
ンで、雇い軸だぼ30と同様、梁200の側面のピン貫
通孔202から打ち込まれて、軸部材41のピン孔41
bに貫通するようになっている。
【0052】なお、この雇いパイプだぼ40の軸部材4
1は、上述したように、円筒状となっているが、固定ボ
ルト42が内周に螺合することができれば、必ずしも全
体が筒状のものでなくてもよく、少なくとも一端側が中
空状であればよい。例えば、固定ボルト42の螺合部分
のみに雌ねじを切った円柱状の軸部材とすることもでき
る。
【0053】そして、以上のような構成からなる雇い軸
だぼ30及び雇いパイプだぼ40は、上述した受け部1
2に形成したあご掛け溝12a及びボルト貫通孔12b
に嵌合及び貫通することにより、受け部12に固定され
るようになっている。すなわち、雇い軸だぼ30は、受
け部12の上側に形成したあご掛け溝12aに、軸部材
31のねじ31aを形成した一端側が直接嵌合し、この
軸部材31の一端側のねじ31aに固定ナット32が螺
合することによって、受け部12に堅固に固定されるよ
うになっている。
【0054】一方、雇いパイプだぼ40は、受け部12
の下側に穿設したボルト貫通孔12bに固定ボルト42
が貫通するので、この固定ボルト42が軸部材41のね
じ41aに螺合することにより受け部12に固定され
る。また、受け部12に嵌合,貫通した雇い軸だぼ30
の先端には、後述する補強部材50が嵌合するようにな
っており、雇い軸だぼ30に固定ナット32が締め付け
られることにより補強部材50が金具本体10に固定さ
れるようになっている。
【0055】補強部材 次に、金具本体10の背部11及び受け部12の間に挿
嵌される補強部材50について説明する。図1に示すよ
うに、補強部材50は、金具本体10の背部11及び受
け部12間に摺接状態で挿嵌される一対板状の対向板部
51,52と、この一対の対向板部51,52を上端縁
で連結する板状の連結部53からなっている。
【0056】ここで、本実施形態では、補強部材50の
製作の容易性,剛性等を考慮して、一枚の金属製板を縦
断面ほぼコ字形状に折り曲げ形成することにより、一対
の対向板部51,52及び連結部53を一体的に形成し
てある。ただし、対向板部51,52及び連結部53の
全部又は一部を別体に形成し、各部を溶接等で固着する
ことにより補強部材50を構成することも勿論可能であ
る。
【0057】一対の対向板部51,52は、金具本体1
0の背部11及び受け部12の間に挿嵌されることによ
って、それぞれ背部11及び受け部12に面接触状態で
摺接する距離だけ離間して対向している。そして、挿嵌
状態で背部11側の固定ボルト20及び受け部12側の
雇い軸だぼ30によって固定されるようになっている。
すなわち、対向板部51,52には、それぞれ、下端縁
に開口する嵌合溝51a,52aが形成してあり、この
嵌合溝51,52aが、背部11を貫通した固定ボルト
20及び受け部12に貫通した雇い軸だぼ30の各端部
に上方から嵌合するようになっている。
【0058】そして、固定ボルト20のナット22及び
雇い軸だぼ30のナット32が締め込まれることで、対
向板部51,52は、それぞれ背部11及び受け部12
に固定され、補強部材50が金具本体10に取り付けら
れるようになっている。これによって、補強部材50
は、金具本体10の上面開口から挿嵌するだけで、固定
ボルト20及び雇い軸だぼ30に嵌合溝51a,52a
が嵌合するので、その後、固定ボルト20及び雇い軸だ
ぼ30にそれぞれナットを螺合させるだけで金具本体1
0に堅固に固定することができる。
【0059】ここで、嵌合溝51a,52aは、それぞ
れ嵌合する固定ボルト20及び雇い軸だぼ30に対応す
る内径を有している。すなわち、本実施形態では、固定
ボルト20を雇い軸だぼ30より小径に形成してあるの
で、固定ボルト20に嵌合する嵌合溝51aを雇い軸だ
ぼ30に嵌合する嵌合溝52aより小さい内径の溝に形
成してある。なお、この二つの嵌合溝51a,52aを
互いに同径の溝とすることもできる。この場合には、固
定ボルト20と雇い軸だぼ30を同径に形成して補強部
材50を取り付けることができ、単一つの工具により固
定ボルト20と雇い軸だぼ30の双方の締め付け作業を
行うことが可能となる。また、この嵌合溝51a,52
aが形成される対向板部51,52の長さは、嵌合溝5
1a,52aが固定ボルト20及び雇い軸だぼ30に嵌
合できる深さを有する長さとなっており、本実施形態で
は、固定ボルト20に嵌合する対向板部51は、雇い軸
だぼ30に嵌合する対向板部52よりやや短尺となって
いる。
【0060】そして、嵌合溝51a,52aが固定ボル
ト20及び雇い軸だぼ30に嵌合した状態のときに、対
向板部51,52を連結している連結部53が、金具本
体10の上面といわゆる面一となるよう、嵌合溝51
a,52aの深さが設定してある。なお、対向板部5
1,52に形成する嵌合溝51a,52aは、背部11
から突出する固定ボルト20及び受け部12から突出す
る軸状固定手段(雇い軸だぼ30又は雇いパイプだぼ4
0)が貫通してナット(又はボルト)が締込み可能であ
れば、本実施形態に示した下端側に開口する溝以外の形
態としてもよい。例えば、固定ボルト20及び雇い軸だ
ぼ30が貫通可能な貫通孔を対向板部51,52に穿設
してもよい。
【0061】そして、この一対の対向板部51,52が
金具本体10側に挿嵌,固定されることによって、連結
部53が背部11及び受け部12間に架設される。ここ
で、本実施形態の連結部53は、対向板部51,52と
連続する板状部材からなり、金具本体10の上面開口を
覆う大きさとなっている。そして、対向板部51,52
が挿嵌されて固定ボルト20及び雇い軸だぼ30に固定
された状態で、連結部53の上面が金具本体10の上面
と面一となるようになっている。これにより、対向板部
51,52が背部11及び受け部12間に挿嵌されて固
定されると、連結部53が金具本体10の上面開口を覆
う状態で背部11及び受け部12間に架設されることに
なる。また、本実施形態では、連結部53に釘孔53a
が穿設してあり、上述した底板14と同様、金具本体1
0の中空部に介木210を挿入して底板14の底面側か
ら釘を打ち付けることができるようになっている(図4
参照)。
【0062】このように、金具本体10の背部11及び
受け部12間に挿嵌,架設される補強部材50を備える
ことにより、金具本体10の上面開口部が埋められるの
で、コ字形状の金具本体10の強度がより高められ、地
震等の揺れや梁200からの圧縮,引っ張り等に対して
も強固に対応することができ、より堅固に柱100と梁
200を接合することができる。
【0063】なお、連結部53は、対向する一対の対向
板部51,52を連結しつつ、背部11及び受け部12
の間に架設されるものであれば、本実施形態の対向板部
51,52と連続する板状の連結部53に限られるもの
ではない。例えば、対向板部51,52間に架設される
一又は二以上の軸状部材を設けて連結部とすることもで
きる。
【0064】補強だぼ部材 次に、金具本体10の背部11に取り付けられる補強だ
ぼ部材60について説明する。図1に示すように、補強
だぼ部材60は、板状の保持部61と、この保持部61
に突設された軸だぼ部62からなり、保持部61が金具
本体10の背部11に固定されることにより、軸だぼ部
62が背部11を貫通して柱100に挿嵌されるように
なっている。
【0065】ここで、保持部61と軸だぼ部62は、本
実施形態では、軸だぼ部62を保持部61に貫通させ、
両者を溶接して一体的に固着することにより形成してあ
る。ただし、板状の保持部61と、この保持部61から
突出する軸状の軸だぼ部62を備える限り、どのような
製造方法によってもよく、両者を一体成形することも可
能である。
【0066】板状の保持部61は、金具本体10内で背
部11と対向して配設される板状部材からなり、背部1
1のボルト貫通孔11aに対応するボルト貫通孔61a
が穿設してあり、このボルト貫通孔61aに背部11を
固定する固定ボルト20が貫通するようになっている。
なお、保持部61のボルト貫通孔61aは、本実施形態
では二箇所に設けてあるが、背部11のボルト貫通孔1
1aに対応する限り、これを増減することができ、ま
た、保持部61を構成する板状部材を長尺化することも
可能である。
【0067】そして、この保持部61に背部11を貫通
する軸だぼ部62が突設されている。軸だぼ部62は、
保持部61のボルト貫通孔61aに対して、背部11に
おけるボルト貫通孔11aとだぼ貫通孔11bの位置関
係と対応するように突設してある。上述したように、背
部11には、ボルト貫通孔11aとともにだぼ貫通孔1
1bが穿設してあり、保持部61が背部11のボルト貫
通孔11aと位置合わせして固定されたときに、軸だぼ
部62が背部11のだぼ貫通孔11bに貫通し、柱10
0側に形成しただぼ穴102に挿嵌されるようになって
いる。
【0068】なお、この軸だぼ部62は、柱100側に
挿嵌されるだぼ手段であれば、どのような形態であって
もよいが、通常は、丸鋼製又は円柱パイプ製のだぼを用
いる。このように丸鋼又はパイプ製の軸だぼ部62を用
いることで、柱100に形成するだぼ穴102の加工も
容易となる。また、この軸だぼ部62としては、本実施
形態では、一本のみが保持部61に突設してあるが、こ
れを複数設けることも可能である。複数の軸だぼ部62
を設けることにより、さらに強固に木部材を接合するこ
とが可能となる。
【0069】また、この補強だぼ部材60の取付態様と
しては、本実施形態では、図3及び図4に示すように、
保持部61のボルト貫通孔61aを背部11の上方のボ
ルト貫通孔11aに位置合わせして軸だぼ部62をだぼ
貫通孔11bに貫通させるようにしてある。ただし、後
述する第四実施形態に示すように、保持部61のボルト
貫通孔61aを背部11の下方のボルト貫通孔11aに
位置合わせして固定することもできる。
【0070】このように、本実施形態の補強だぼ部材6
0は、保持部61が固定ボルト20によって背部11に
一体的に固定されると、軸だぼ部62が柱100のだぼ
穴102に挿嵌され、これによって、金具本体10にか
かる梁200の荷重を軸だぼ部62によって受けること
ができ、固定ボルト20に集中する梁200の荷重を軸
だぼ部62に分散させることができる。
【0071】これによって、例えば、固定ボルト20が
貫通するボルト孔101に縦方向へ亀裂等が生じるのを
防止することができ、特に、ボルト孔101を柱100
の垂直方向にそって複数連なって設ける場合に、これら
複数のボルト孔101に連続して縦割れが生じることを
有効に防止できる。また、軸だぼ部62を柱100側に
水平方向に打ち込んで金具本体10に固定することで、
梁200等に横方向からかかる荷重によって横架材が横
振れすることもなくなり、建築物の横振れ防止の強化を
図ることもできる。
【0072】次に、このような構成からなる本実施形態
の接合金具を用いた柱と梁の接合方法について説明す
る。まず、あらかじめ柱100に、固定ボルト20が貫
通できるように、金具本体10を取り付ける面から反対
側の面に貫通するボルト孔101を形成する。また、柱
100の金具本体10の取付面には、補強だぼ部材60
の軸だぼ部62を挿嵌するだぼ穴102を形成してお
く。一方、梁200にも、仕口部に軸状固定手段30,
40が挿入されるだぼ挿入穴201を形成するととも
に、側面に貫通ピン33,43が貫通するピン貫通孔2
02を形成しておく。
【0073】次に、柱100のボルト孔101に固定ボ
ルト20のボルト21を貫通させ、柱100を貫通して
突出したボルト21の先端部分に、金具本体10の背部
11に形成したボルト貫通孔11aを嵌め込む。そし
て、この金具本体10の内側に補強だぼ部材60を配設
し、軸だぼ部62を背部11のだぼ貫通孔11bに貫通
させて柱100のだぼ穴102に挿嵌しつつ、ボルト2
1の先端部に保持部60のボルト貫通孔61aを嵌め込
む。その後、各ボルト21の先端にナット22を締め付
ける。
【0074】この際、固定ボルト20には、緩み止めの
ため、ワッシャを貫通させておくことが望ましい。ま
た、このとき、補強部材50の嵌合溝51aが嵌合する
最上部の固定ボルト20には、ナット22は完全に締め
付けずに仮止め状態で螺合させておく(図3参照)。固
定ボルト20のナット22を締め込むと、金具本体10
の背部11が柱100の一側面に固定されるとともに、
補強だぼ部材60の保持部61が背部11と面接触状態
で固定され、軸だぼ部62が背部11のだぼ貫通孔11
bを介して柱100のだぼ穴102に挿嵌される。
【0075】次いで、梁200の仕口部に形成しただぼ
挿入穴201に、雇い軸だぼ30及び雇いパイプだぼ4
0の軸部材31,41をピン孔31b,41bを設けた
側から挿入する。この際、図4に示すように、梁200
の上側に雇い軸だぼ30を一本挿入し、下側に雇いパイ
プだぼ40を二本挿入する。そして、梁200の側面の
ピン貫通孔202から貫通ピン33,43を打ち込んで
軸部材31,41のピン孔31b,41bを貫通させ
る。このとき、雇い軸だぼ30には固定ナット32を仮
締めした状態で取り付けておく。これにより、雇いパイ
プだぼ40と雇い軸だぼ30は、梁200にしっかりと
固定される。なお、通常ここまでの作業は工場等の作業
環境の良い場所で行なっておくことができるので、施工
現場の危険がともなう場所での面倒な作業を省くことが
でき、安全性,作業効率の観点からも好ましい。
【0076】施工現場では、梁200に貫通させてある
軸状固定手段30,40を、柱100に固定した金具本
体10の受け部12の孔に位置合わせし、柱100と梁
200を接合する。このとき、梁200の上側に挿入し
た雇い軸だぼ30が受け部12のあご掛け溝として形成
したあご掛け溝12aに嵌合するとともに、梁200の
仕口部下端が底板14の突出部14aに搭載され、か
つ、梁200の底面の切り欠き部203に底板14の先
端のあご掛け14bが係合するので、梁200を容易か
つ確実に所定の接合位置に位置合わせることができ、接
合作業を容易かつ安全に行なうことができる。また、こ
のとき、雇い軸だぼ30には固定ナット32を仮締めし
てあるので、梁200が受け部12から外れることがな
く、作業を安全に効率よく行なえる。
【0077】その後、金具本体10の側面部13と反対
側の開口面から固定ボルト42を雇いパイプだぼ40の
ねじ41aに螺合させ、本締めする。これにより、梁2
00が柱100に接合された状態となる。この状態で、
金具本体10の上方から補強部材50を挿嵌し、対向板
部51,52の嵌合溝51a,52aを固定ボルト20
及び雇い軸だぼ30に上方から嵌合させる。
【0078】このとき、固定ボルト20及び雇い軸だぼ
30に螺合させてあるナット22,固定ナット32は仮
締め状態にしてあるので、補強部材50が嵌合する際の
障害とはならない。そして、その後、固定ボルト20の
ナット22及び雇い軸だぼ30の固定ナット32を締め
付けて本締めする。これで柱100と梁200の接合作
業が完了する。その後は、必要に応じて、金具本体10
の中空部に介木210を挿入し、底板14及び補強部材
50の釘孔14c,53aから釘を打ち込むとともに、
金具本体10の底面側にパネル上枠220を配設して縦
枠230で支持し、このパネル上枠220に底板14の
釘孔14cから釘を打ち込んで固定する。なお、特に図
示していないが、ナット22や固定ナット32、あるい
は固定ボルト42等、本明細書中における接合金具の締
付部分には、緩み防止のため、ワッシャを介在させるこ
とが望ましい。
【0079】このようにして接合した木部材は、梁20
0が、金具本体10を介して柱100の側面に堅固に接
合され、柱100と梁200の間に金具本体10が介在
しているので、両者の間に隙間が生じることもない。特
に、雇い軸だぼ30の一端が、受け部12のあご掛け溝
12aに直接嵌合するので、梁200は金具本体10に
しっかりと固定される。
【0080】また、接合後に木部材が乾燥などにより収
縮した場合でも、金具本体10の側面部13と反対側の
開口面から固定ボルト20,雇い軸だぼ30及び雇いパ
イプだぼ40を固定しているナット22,固定ナット3
2及び固定ボルト42を締め付けることにより、締付量
を調整することができるので、木部材の接合が緩んだ
り、仕口部に隙間が生じることもない。
【0081】また、本実施形態の接合金具によれば、木
部材への取付けを、軸状の固定ボルト20及び雇い軸だ
ぼ30,雇いパイプだぼ40のみにより行なっているの
で、柱100及び梁200への仕口加工は、全て孔又は
穴開け加工のみとなる。従って、仕口加工が非常に単純
なものとなり、木部材が集成材のような場合でも、仕口
加工を簡単に行なうことができ、従来の接合金具で発生
していたような仕口加工の困難性や工具の破損等の問題
も生じることがない。
【0082】そして、本実施形態では、特に金具本体1
0の背部11及び受け部12間に挿嵌されて架設される
補強部材50を設けてあるので、コ字形状の金具本体1
0の上面開口部が埋められた状態となるので、金具本体
10の強度がより高められ、地震等の揺れや梁200か
らの圧縮,引っ張り等に対しても強固に対応することが
でき、より堅固に柱100と梁200を接合することが
できる。
【0083】さらに、金具本体10の背部11を貫通し
て柱100側に挿嵌される補強だぼ部材60を設けてあ
るので、金具本体10にかかる梁200の垂直荷重を軸
だぼ部62によって受けることができ、固定ボルト20
に集中する梁200の垂直荷重を補強だぼ部材60に分
散させることができる。これによって、例えば、固定ボ
ルト20が貫通する柱100側のボルト孔101に縦方
向へ亀裂等が生じるのを防止することができるととも
に、柱100側に水平方向に打ち込まれる軸だぼ部62
によって、梁200に横方向からかかる荷重に対しても
梁200の横振れを有効に防止することができる。しか
も、補強だぼ部材60の軸だぼ部62が挿嵌される柱1
00側のだぼ穴102は、単純な穴加工によって形成で
きるので、補強だぼ部材60を設けることによっても、
仕口加工作業が複雑化することもない。
【0084】このように、本実施形態の接合金具では、
補強部材50及び補強だぼ部材60を備えることによ
り、接合金具を用いた木部材の接合作業の容易性,迅速
性を何等損なうことなく、接合金具による木部材の接合
強度をさらに強化することが可能となり、特に、きわめ
て大型の地震等にたいしてもより万全な強度を得ること
ができるとともに、長期間にわたって強固な接合力を保
持することが可能となる。
【0085】[第二実施形態]次に、本発明の建築物の
接合金具の第二実施形態について図5及び図6を参照し
て説明する。図5は、本発明の建築物の接合金具の第二
実施形態にかかる金具本体を示す全体斜視図である。図
6は、本実施形態の接合金具により木部材を接合した状
態の一部截断側面図である。
【0086】これらの図に示すように、本実施形態の接
合金具は、上述した第一実施形態の変更実施形態であ
り、第一実施形態では金具本体10の背部11に固定さ
れていた補強だぼ部材60を、受け部12側に固定する
ようにしたものである。その他の構成部分及び木部材の
接合手順等は、第一実施形態の場合とほぼ同様となって
おり、同様の構成部分については、図面中同一符号を付
し、詳細な説明は省略する。
【0087】図5に示すように、本実施形態では、金具
本体10の受け部12に、補強だぼ部材60の軸だぼ部
62が貫通するだぼ貫通孔12cが穿設してある。この
だぼ貫通孔12cは、雇いパイプだぼ40の固定ボルト
42が貫通するボルト貫通孔12bの下方に形成してあ
り、図6に示すように、補強だぼ部材60の保持部61
が雇いパイプだぼ40の固定ボルト42によって受け部
12の内面に固定されると、軸だぼ部62が受け部12
のだぼ貫通孔12cを貫通するようになっている。そし
て、梁200の仕口端面には、受け部12を貫通した軸
だぼ部62が挿嵌されるだぼ穴202が形成してある。
【0088】このような本実施形態の接合金具では、柱
100に固定した金具本体10の内部に補強だぼ部材6
0を配設し、保持部61のボルト貫通孔61aを受け部
12のボルト貫通孔12bと位置合わせしつつ、軸だぼ
部62を受け部12のだぼ貫通孔12cに貫通させる。
そして、梁200に挿入してある雇いパイプだぼ40に
固定ボルト42を締め込むことにより、保持部61が受
け部12と一体的に固定され、軸だぼ部62が梁200
のだぼ穴202に堅固に挿嵌される。
【0089】これによって、第一実施形態の場合と同
様、金具本体10にかかる梁200の垂直荷重を軸だぼ
部62によって受けることができ、固定ボルト20に集
中する梁200の垂直荷重を補強だぼ部材60に分散さ
せることができ、木部材の接合作業の容易性,迅速性を
損なうことなく、接合金具による木部材の接合強度を強
化することができる。
【0090】なお、本実施形態では補強だぼ部材60を
金具本体10の受け部12側に取り付けるようにしてあ
り、第一実施形態では背部11側に補強だぼ部材60を
取り付けるようにしてあるが、これを組み合わせて、金
具本体10の背部11及び受け部12の双方にそれぞれ
補強だぼ部材60を取り付けるようにしてもよい。この
ようにすると、より強固に木部材同士を接合することが
可能となる。
【0091】[第三実施形態]次に、本発明の建築物の
接合金具の第三実施形態について図7を参照して説明す
る。図7は、本発明の建築物の接合金具の第三実施形態
にかかる金具本体を示す全体斜視図である。これらの図
に示すように、本実施形態の接合金具は、上述した第一
実施形態(又は第二実施形態)の変更実施形態であり、
金具本体10の底板14にボルト締付用の貫通孔14d
を形成したものである。さらに、金具本体10の背部1
1を下端側に延設して、底板14の底面よりさらに下端
側に位置するボルト貫通孔11aを形成してある。
【0092】金具本体10は、上面及び一側面側に開口
するコ字形状となっており、この開口部から工具を挿入
して、柱100に突出した固定ボルト20を締め付ける
ことができる。ただ、この固定ボルト20の締付作業の
際に、金具本体10の受け部12や底板14と締付工具
が干渉して、作業が行いにくい場合がある。特に、背部
11の下端側のボルト貫通孔11aに貫通する固定ボル
ト20の締付けが行いにくいことがある。また、柱10
0や梁200等の接合する木部材に対応して、柱100
に貫通する固定ボルト20の数や間隔は種々異なる場合
があり、金具本体10の底板14の底面近傍に固定ボル
ト20が突出することもある。
【0093】そこで、本実施形態では、まず、底板14
の背部11と当接する側の端部にボルト締付用の工具が
挿入可能な大きさの貫通孔14dを穿設し、これによっ
て、固定ボルト20の締付作業が容易に行えるようにし
てある。また、本実施形態では、金具本体10の背部1
1を下端側に延設し、当該延設部分にボルト貫通孔11
aを形成し、これによって、底板14の底面よりさらに
下端側に位置する固定ボルト20に対しても、背部11
を固定できるようにしてある。これによって、本実施形
態では、上述した第一,第二実施形態の接合金具の効果
を維持しつつ、さらに作業性がよく、汎用性に富んだ接
合金具を提供することができる。
【0094】なお、底板14に形成する貫通孔14dと
しては、少なくとも工具が挿入可能な開口面積があれ
ば、どのような形状,大きさであってもよい。また、本
実施形態では、貫通孔14dを底板14の背部11側に
形成することによって、固定ボルト20の締付作業が容
易に行えるようにしてあるが、この貫通孔14dを底板
14の受け部12側に開口するように形成することも勿
論可能である。この場合には、受け部12に貫通する雇
いパイプだぼ40の固定ボルト42の締付作業を容易化
することができる。従って、貫通孔14dとしては、底
板14の二箇所以上に形成することができるとともに、
背部11と受け部12の間にわたる一の貫通孔14dを
形成することも可能である。
【0095】また、背部11の下端側の延設部分は、図
7に示す本実施形態の場合、ボルト貫通孔11aが一つ
形成できる程度の長さとなっているが、これをさらに長
く延設し、二以上のボルト貫通孔11aや補強だぼ部材
60の軸だぼ部62が貫通するだぼ貫通孔11bを形成
することも可能である。また、背部11の下端延設部分
と同様の延設部を受け部12側に形成することもでき
る。この場合、軸状固定手段をさらに増設して、接合強
度を増加させることが可能となる。
【0096】[第四実施形態]次に、本発明の建築物の
接合金具の第四実施形態について図8及び図9を参照し
て説明する。図8は、本発明の建築物の接合金具の第四
実施形態にかかる金具本体を示す全体斜視図である。図
9は、本実施形態の接合金具により木部材を接合した状
態の一部截断側面図である。
【0097】これらの図に示すように、本実施形態の接
合金具は、上述した第一実施形態の変更実施形態であ
り、金具本体10を第一実施形態の場合より縦方向に短
尺化して形成するとともに、金具本体10の底面を覆う
底板14を省略した形態となっている。
【0098】図9に示すように、柱100に接合する梁
200の大きさが小さく、重量も軽いような場合には、
金具本体10の縦方向の長さを短尺化しても充分な保
持,固定が可能であり、接合作業時も梁200の下面を
底板14によって保持しなくても安全かつ確実に作業が
行える場合がある。そこで、このような場合には、図8
に示すように、金具本体10の全体を縦方向に短尺化
し、底板14を省略することが可能である。なお、その
他の構成部分及び木部材の接合手順等は、第一実施形態
の場合とほぼ同様となっており、同様の構成部分につい
ては、図面中同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0099】このように、本実施形態の接合金具によれ
ば、接合する梁200等、各木部材の大きさに対応した
大きさ,形状とすることができ、金具が梁200の上面
や下面から突出することなく、各木部材に最適な接合金
具を提供することができる。従って、より大きな梁20
0等を接合する場合には、金具本体10を長尺化して形
成し、固定ボルト20や雇い軸だぼ40、補強だぼ部材
60を複数取り付けるようにしたり、より大型の底板1
4を設けることも可能である。
【0100】また、本実施形態の接合金具のように、接
合する木部材に対応して金具本体10を短尺化したり、
底板14を省略することにより、材料を節約することに
よって製造コストの低減を図ることができるとともに、
資源の有効利用にも資することができる。
【0101】[第五実施形態]さらに、本発明の建築物
の接合金具の第五実施形態について図10及び図11を
参照して説明する。図10は、本発明の建築物の接合金
具の第五実施形態にかかる金具本体を示す全体斜視図で
ある。図11は、本実施形態の接合金具により木部材を
接合した状態の一部截断側面図である。
【0102】これらの図に示すように、本実施形態の接
合金具は、建築物の基礎の上で土台と大引を接合する場
合の接合金具となっている。具体的には、本実施形態の
金具本体10は、受け部12の下端を下側に延設すると
ともに、この受け部12の下端縁に、外側方向、すなわ
ち、背部11と反対方向に突出する突出部15を備えて
いる。突出部15の先端には、木部材の下端に係合する
あご掛け15aが突設してある。
【0103】ここで、本実施形態では、金具本体10の
受け部12を背部11及び側面部13より下側に長尺化
してあるので、金具の製作を容易にするため、上述した
第一〜第四実施形態の場合と異なり、背部11及び側面
部13を曲折形成により一体的に形成するとともに、受
け部12及び突出部15を同様に曲折形成して一体的に
形成し、両者を溶接等によって固着することにより構成
してある。
【0104】また、本実施形態では、図11に示すよう
に、金具本体10の背部11は、基礎400上の土台3
00に固定されるので、固定ボルト20が土台300の
中心を貫通するアンカーボルト401と干渉しないよう
に、ボルト貫通孔11aを背部11の高さ方向の中心線
上からずらした位置に形成してある。そして、この金具
本体10の上面に補強部材50が挿嵌されて固定される
とともに、受け部12側のだぼ貫通孔12cに貫通して
補強だぼ部材60が取り付けられ、大引500に形成し
ただぼ穴502に軸だぼ部62が挿嵌されるようになっ
ている。
【0105】このような構成からなる本実施形態の接合
金具では、金具本体10の受け部12を下端側に延設し
て突出部15を設けることによって、図11に示すよう
に、突出部15によって横架材、例えば、図11に示す
ように基礎400に取り付けられる大引500の端部底
面を保持することが可能である。
【0106】これによって、金具本体10の背部11を
基礎400上の土台300の側面に固定するとともに、
受け部12を軸状固定手段30,40で大引500の仕
口部に固定することで、突出部15により大引500の
底面がしっかりと保持され、容易,迅速かつ堅固に土台
300と大引500とを接合することができる。そし
て、この金具本体10に補強部材50及び補強だぼ部材
60を取り付けることによって、上述した第一〜第四実
施形態の場合と同様、金具本体10の強度を高めつつ、
横架材(大引500)に加わる荷重を分散し、強固に土
台300と大引500とを接合することが可能となる。
【0107】なお、本実施形態の金具本体10は底板1
4を備えていない場合であるが、底板14を備える金具
本体10に適用することも可能である。また、本実施形
態では、補強だぼ部材60を受け部12側に取り付けて
あるが、これを背部11側に取り付けたり、背部11及
び受け部12の双方に取り付けることができることは、
上述した第一〜第四実施形態の場合と同様である。
【0108】以上説明した本発明の建築物の接合金具
は、第一〜第五実施形態の場合に限られるものではな
く、本発明の要旨の範囲内で適宜変更実施が可能であ
る。例えば、上述した実施形態では、本発明の接合金具
を用いて接合する木部材として、柱と梁及び土台と大引
を接合する場合を例にとって説明したが、これ以外の木
部材の接合にも適用できることは言うまでもない。従っ
て、木造建築物における木部材の接合であれば、柱,桁
等に梁,桁,土台,大引等の横架材を接合する場合や、
梁と桁あるいは土台と大引等の横架材同士を接合する場
合等、あらゆる種類の木部材の接合に用いることができ
る。
【0109】
【発明の効果】以上のように、本発明の建築物の接合金
具によれば、単純な仕口加工のみで容易かつ確実,堅固
に木部材を接合できるとともに、大型の地震等により生
ずる揺れや横架材からの圧縮,引張り等に対しても強固
な固定力で対応でき、横架材の垂直荷重も分散させるこ
とができ、特に、耐震性に優れた建築物の接合金具を提
供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の建築物の接合金具の第一実施形態にお
ける金具本体を示す全体斜視図である。
【図2】本発明の建築物の接合金具の第一実施形態にお
ける軸状固定手段を示す正面図であり、(a)は雇い軸
だぼを、(b)は雇いパイプだぼを示している。
【図3】本発明の建築物の接合金具の第一実施形態の接
合金具により木部材を接合する場合の分解斜視図であ
る。
【図4】本発明の建築物の接合金具の第一実施形態の接
合金具により木部材を接合した状態の一部截断側面図で
ある。
【図5】本発明の建築物の接合金具の第二実施形態にお
ける金具本体を示す全体斜視図である。
【図6】本発明の建築物の接合金具の第二実施形態の接
合金具により木部材を接合した状態の一部截断側面図で
ある。
【図7】本発明の建築物の接合金具の第三実施形態にか
かる金具本体を示す全体斜視図である。
【図8】本発明の建築物の接合金具の第四実施形態にお
ける金具本体を示す全体斜視図である。
【図9】本発明の建築物の接合金具の第四実施形態の接
合金具により木部材を接合した状態の一部截断側面図で
ある。
【図10】本発明の建築物の接合金具の第五実施形態に
おける金具本体を示す全体斜視図である。
【図11】本発明の建築物の接合金具の第五実施形態の
接合金具により木部材を接合した状態の一部截断側面図
である。
【図12】従来の建築物の接合金具を示す分解斜視図で
ある。
【図13】従来の建築物の接合金具を示す分解斜視図で
ある。
【符号の説明】
10 金具本体 11 背部 12 受け部 13 側面部 14 底板 20 固定ボルト 30 雇い軸だぼ 40 雇いパイプだぼ 50 補強部材 60 補強だぼ部材 100 柱 200 梁

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木造建築物における木部材間の接合に用
    いる金具であって、 一の木部材に固定される板状の背部と、他の木部材に固
    定される前記背部と対向する板状の受け部、及び前記背
    部と受け部の側辺を連結する板状の側面部からなる横断
    面コ字形状の金具本体と、 前記背部に貫通して前記金具本体を前記一の木部材に固
    定する固定ボルトと、 前記受け部に貫通して前記金具本体を前記他の木部材に
    固定する軸状固定手段と、 対向する一対の対向板部と、この対向板部を連結する連
    結部からなり、前記対向板部が前記金具本体の背部及び
    受け部間に摺接状態で挿嵌されて前記固定ボルト及び軸
    状固定手段で固定されることにより、前記背部及び受け
    部間に架設される補強部材と、 を備えたことを特徴とする建築物の接合金具。
  2. 【請求項2】 木造建築物における木部材間の接合に用
    いる金具であって、 一の木部材に固定される板状の背部と、他の木部材に固
    定される前記背部と対向する板状の受け部、及び前記背
    部と受け部の側辺を連結する板状の側面部からなる横断
    面コ字形状の金具本体と、 前記背部に貫通して前記金具本体を前記一の木部材に固
    定する固定ボルトと、 前記受け部に貫通して前記金具本体を前記他の木部材に
    固定する軸状固定手段と、 板状の保持部と、この保持部に突設された軸だぼ部から
    なり、前記保持部が前記金具本体の内面に固定されるこ
    とにより、前記軸だぼ部が当該金具本体を貫通して前記
    木部材に挿嵌される補強だぼ部材と、 を備えたことを特徴とする建築物の接合金具。
  3. 【請求項3】 木造建築物における木部材間の接合に用
    いる金具であって、 一の木部材に固定される板状の背部と、他の木部材に固
    定される前記背部と対向する板状の受け部、及び前記背
    部と受け部の側辺を連結する板状の側面部からなる横断
    面コ字形状の金具本体と、 前記背部に貫通して前記金具本体を前記一の木部材に固
    定する固定ボルトと、 前記受け部に貫通して前記金具本体を前記他の木部材に
    固定する軸状固定手段と、 対向する一対の対向板部と、この対向板部を連結する連
    結部からなり、前記対向板部が前記金具本体の背部及び
    受け部間に摺接状態で挿嵌されて前記固定ボルト及び軸
    状固定手段で固定されることにより、前記背部及び受け
    部間に架設される補強部材と、 板状の保持部と、この保持部に突設された軸だぼ部から
    なり、前記保持部が前記金具本体の内面に固定されるこ
    とにより、前記軸だぼ部が当該金具本体を貫通して前記
    木部材に挿嵌される補強だぼ部材と、 を備えたことを特徴とする建築物の接合金具。
  4. 【請求項4】 前記金具本体の受け部が、上端縁に開口
    するあご掛け溝を備え、 前記軸状固定手段の一つが、このあご掛け溝に上方から
    嵌合することにより前記受け部に貫通する請求項1,2
    又は3記載の建築物の接合金具。
  5. 【請求項5】 前記補強部材の対向板部が、下端縁に開
    口する嵌合溝を備え、 この嵌合溝が、前記固定ボルト及び軸状固定手段に上方
    から嵌合することにより、前記補強部材が当該固定ボル
    ト及び軸状固定手段で固定される請求項1,2,3又は
    4記載の建築物の接合金具。
  6. 【請求項6】 前記補強部材の連結部が板状部材からな
    り、 前記一対の対向板部が前記背部及び受け部間に挿嵌され
    ると、前記連結部が前記金具本体の上面開口を覆う状態
    で前記背部及び受け部間に架設される請求項1,2,
    3,4又は5記載の建築物の接合金具。
  7. 【請求項7】 前記補強だぼ部材が、前記保持部が前記
    固定ボルトで前記金具本体の背部内面に固定されること
    により、前記軸だぼ部が当該背部を貫通して前記一の木
    部材に挿嵌される請求項1,2,3,4,5又は6記載
    の建築物の接合金具。
  8. 【請求項8】 前記補強だぼ部材が、前記保持部が前記
    軸状固定手段で前記金具本体の受け部内面に固定される
    ことにより、前記軸だぼ部が当該受け部を貫通して前記
    他の木部材に挿嵌される請求項1,2,3,4,5,6
    又は7記載の建築物の接合金具。
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