JP3248777B2 - クラッチ - Google Patents

クラッチ

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JP3248777B2
JP3248777B2 JP11976293A JP11976293A JP3248777B2 JP 3248777 B2 JP3248777 B2 JP 3248777B2 JP 11976293 A JP11976293 A JP 11976293A JP 11976293 A JP11976293 A JP 11976293A JP 3248777 B2 JP3248777 B2 JP 3248777B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車用電動式
アンテナ等に好適なクラッチに係り、特に主動側回転基
体の回転力を従動側回転基体へ伝達するためのクラッチ
要素の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にこの種のクラッチは、モータ等の
駆動源からの動力により回転動作する円盤状の主動側回
転基体と、この主動側回転基体と同心的に対向配置さ
れ、上記主動側回転基体からの回転力を受けて回転動作
し、負荷である伸縮形アンテナ等を伸縮駆動する円盤状
の従動側回転基体と、この従動側回転基体と前記主動側
回転基体との間に介在し、通常状態では前記主動側回転
基体の回転力を前記従動側回転基体へ摩擦伝達し、過負
荷状態では主動側回転基体と従動側回転基体とをスリッ
プ動作させて、駆動側と負荷側との結合を解除するクラ
ッチ要素とからなっている。
【0003】上記クラッチ要素としては、主動側回転基
体および従動側回転基体の各対向面に、互いに噛合しあ
う凹凸部を円周方向に沿って配設し、この凹凸部を設け
た対向面どうしが圧接状態となるように、圧縮状態に蓄
勢された板ばねその他のスプリングにより上記両回転基
体を付勢する如く構成されたものが従来多用されてい
た。なお上記凹凸部による摩擦伝達力を増強すべく、ボ
ール,ローラ,カムなどを摩擦伝達子として用いたもの
も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のクラッ
チには次のような問題があった。すなわち、凹凸部どう
し或いはボール,ローラ,カムなどの摩擦伝達子が、板
ばねその他のスプリングにより、回転基体の対向面に対
して直接に圧接係合する構成となっているため、クラッ
チが外れた状態のとき、すなわち主動側回転基体と従動
側回転基体とが相対的にスリップ回転動作したとき、比
較的硬質な材料で形成されている前記凹凸部どうし或い
は摩擦伝達子と凹凸部とが激しく係脱動作を繰り返すの
で、そのとき発生する衝撃音が大きな騒音となる上、摩
耗が激しい。よって初期の性能を長期に亘って安定に維
持することが困難である。また主動側回転基体と、従動
側回転基体と、圧縮状態の板ばねと、さらにはボール,
ローラ,カムなどの摩擦伝達子等とを一体化してクラッ
チを構成するためには、多くの付属部品を必要とする
上、組立て工数も多い。このため構造が複雑で大型化す
る上、製造コストの低減をはかりがたい欠点があった。
そこで本発明の目的は、クラッチが外れた状態における
騒音および摩耗が著しく少ないうえ、小型かつ軽量で、
製作容易なクラッチを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を
達成するために、本発明においては次のような手段を講
じた。主動側回転基体の回転力を、クラッチ要素を介し
て従動側回転基体に伝達するようにしたクラッチにおい
て、上記クラッチ要素を次の如く構成する。
【0006】前記主動側回転基体の前記従動側回転基体
との対向面に、円形状凹部(円形,卵形,多角形凹部等
を含む)と、この円形状凹部の周壁面に円周方向に沿っ
てV字状(円弧状のものも含む)に陥没させた複数の陥
没凹部とからなる係合凹部を形成する。この係合凹部に
おける前記陥没凹部に対して係入・摺接可能で、かつ前
記円形状凹部の周壁面に対し摺接可能な如く摺接部材を
設ける。この摺接部材を各一端部間に設けた枢支部にて
枢支する如く、第1,第2のリンク部材を設ける。この
第1,第2のリンク部材の各他端部を、それぞれの一端
部で枢支すると共に、各他端部が前記主動側回転基体お
よび前記従動側回転基体と同心的に回転可能な如く軸支
され、前記摺接部材の前記係合凹部内における摺接位置
に応じて回動角が相対的に変化する如く、第1,第2の
回動部材を装着する。この第1,第2の回動部材の回動
角の相対的な変化に伴って、上記第1,第2の回動部材
と前記従動側回転基体との間で蓄勢される如く、前記従
動側回転基体の主動側回転基体との対向面にコイルスプ
リングやゴム質弾性体などの弾撥体を装着する。かくし
て前記摺接部材が、前記第1,第2のリンク部材と第
1,第2の回動部材と弾撥体とからなるリンク機構によ
り、上記弾撥体の復元時において上記リンク機構におけ
る所定のバランス点に保持される如く設ける。
【0007】なお摺接部材が陥没凹部内へ係入する係入
時において、上記摺接部材が上記陥没凹部の内面とは非
接触状態で当該陥没凹部内に係入可能な如く、弾撥体の
復元時における上記摺接部材の保持位置と上記陥没凹部
の内面との位置関係が設定されていることが好ましい。
【0008】また各一端部の対向面間に摺接部材を保持
した第1,第2のリンク部材の各他端部の対向面で、第
1,第2の回動部材を両面から挾持する如く、一方のリ
ンク部材の他端部対向面を一方の回動部材の一側面に枢
支し、他方のリンク部材の他端部対向面を他方の回動部
材の他側面に枢支した構造とすることが好ましい。
【0009】
【作用】上記手段を講じた結果、次のような作用が生じ
る。 (1) 摺接部材は、弾撥体の蓄勢状態と復元状態との変位
範囲内でのリンクモーションにより移動保持される。そ
して摺接部材は、弾撥体の復元時において、リンク機構
の所定のバランス点に保持される。このためクラッチが
外れた状態において、係合凹部における円形状凹部の周
壁面を円周方向に沿って摺動しつつある摺接部材が、陥
没凹部の中へ係入する際、その係入方向が回転基体の半
径方向ではなく円周方向へ大きく傾いた方向となる。そ
の結果、摺接部材の陥没凹部内面に対する衝突力が大幅
に緩和されることになる。
【0010】(2) 特に弾撥体の復元時における上記摺接
部材の保持位置と上記陥没凹部の内面との位置関係が、
摺接部材が陥没凹部内へ係入する係入時において、上記
摺接部材が上記陥没凹部の内面とは非接触状態で当該陥
没凹部内に係入可能な如く設定されている場合には、少
なくとも摺動部材の陥没凹部内への係入時点では、摺接
部材が陥没凹部の内面とは直接には衝突しないものとな
る。
【0011】(3) さらに第1,第2のリンク部材の各他
端部対向面で第1,第2の回動部材を両面から挾持する
如く構成した場合には、第1,第2のリンク部材を第
1,第2の回動部材の一側面に重ね合せて取付けるよう
にした場合に比べて、「回動部材の厚み」と「一方のリ
ンク部材の厚み」との合計分だけ、クラッチ全体の厚み
を削減できることになる。そして摺接部材と弾撥部材と
の主軸に沿った方向の隔りが小さくなることから、リン
ク部材および回動部材の捩りモーメントが小さくなり、
耐久性や強度が大幅に向上する。
【0012】(4) かくして、クラッチが外れた状態にお
ける摺接部材の陥没凹部への係合離脱時における衝突音
が殆ど発生しなくなり、騒音が大幅に低減されることに
なる上、摩耗も少なくなる。また摺接部材が、第1,第
2のリンク部材と第1,第2の回動部材と弾撥体とから
なるリンク機構により保持される構成であるため、比較
的簡単な構成で十分なクラッチ力を確保することが可能
となる。したがって主動側回転基体と、従動側回転基体
と、圧縮状態の板ばねと、さらにはボール,ローラ,カ
ムなどの摩擦伝達子等とを一体化して構成した従来のク
ラッチに比べると、小型かつ軽量で安価に製作すること
が可能となる。そして本クラッチは、例えば減速ギヤ機
構の任意のギヤに対して容易に適用することが可能とな
るため、設計の自由度が大きくなる。
【0013】
【実施例】
「第1実施例」図1〜図2は、本発明を自動車用電動式
アンテナ用のクラッチに適用した第1実施例に係るクラ
ッチ構成を示す図で、図1は縦断面図、図2の(a)は
図1をAーA線方向から見た図であり、主動側回転基体
10とクラッチ要素30(特に摺接部材,第1及び第2
のリンク部材,扇形回動部材等)との関係を示す図、図
2の(b)は図1をBーB線方向から見た図であり、従
動側回転基体20とクラッチ要素30(特に扇形回動部
材,コイルスプリング等)との関係を示す図である。
【0014】図1および図2に示すように、このクラッ
チは駆動源であるモータ(不図示)からの動力により回
転動作する主動側回転基体10と、この主動側回転基体
10と所定距離を隔てて同心的に対向配置され、上記主
動側回転基体10からの回転力を受けて回転動作し、負
荷である伸縮形アンテナ素子(不図示)を駆動する従動
側回転基体20と、この従動側回転基体20と前記主動
側回転基体10との間に介在し、主動側回転基体10の
回転力を従動側回転基体20へ伝達するクラッチ要素3
0とで構成されている。なお50は自動車用電動式アン
テナの駆動機構部ケーシングの壁体、60は主軸であ
る。
【0015】主動側回転基体10は、主軸60に回転自
在に嵌め込まれており、その外周面には図示しないモー
タ側とギヤ結合するためのギヤ部11が設けられてい
る。そして従動側回転基体20に対向する対向面の外周
部には、円筒部12が設けられている。
【0016】従動側回転基体20は、同じく主軸60に
回転自在に嵌め込まれており、その外周面には図示しな
い伸縮形アンテナ素子伸縮操作用のラック付きロープの
ラック部とギヤ結合するためのギヤ部21が設けられて
いる。そして前記主動側回転基体10に対向する対向面
の外周部には、円筒部22が設けられている。
【0017】クラッチ要素30は次のように構成されて
いる。前記主動側回転基体10の従動側回転基体20と
の対向面には、円形状凹部31と陥没凹部32とからな
る係合凹部33が形成されている。陥没凹部32は円形
状凹部31の周壁面と連続的に連なった態様をなし、か
つ円周方向に沿ってV字状に陥没させたものであり、複
数個(本実施例では2個)設けてある。
【0018】回転ローラからなる摺接部材34は、前記
係合凹部33における陥没凹部32に対して係入・摺接
可能であり、かつ前記円形状凹部31の周壁面に対して
摺接可能な如く設けられている。この摺接部材34は第
1,第2のリンク部材35,36の各一端部間に設けた
枢支部に、ピン37を介して枢支されている。上記第
1,第2のリンク部材35,36の各他端部は、ピン3
8,39を介して、扇形をなす第1,第2の回動部材4
1,42の各一端部にそれぞれ枢支されている。第1,
第2の回動部材41,42の各他端部は、主動側回転基
体10および従動側回転基体20と同心的に回転可能な
如く、結合リング43により主軸60に対し緊締結合さ
れ、回動自在に軸支されている。
【0019】第1,第2の回動部材41,42は、前記
係合凹部33の内部における前記摺接部材34の摺接位
置に応じて、各々の回動角が相対的に変化し得る如く装
着されている。第1,第2の回動部材41,42の一側
面(即ち従動側回転基体20との対向面)には、それぞ
れ円周方向に沿って円弧を描くように湾曲した突起部4
4,45が設けられている。この突起部44,45の各
先端部は、前記従動側回転基体20の円筒部22の内部
へ挿入され得るものとなっている。
【0020】従動側回転基体20の主動側回転基体10
との対向面(円筒部22の内面)には、弾撥体としての
一対のコイルスプリング46,47が、ストッパ48a
と48bとの間および49aと49bとの間に、それぞ
れ挿着されている。一対のコイルスプリング46,47
は、第1,第2の回動部材41,42の回動角の相対的
な変化に伴って、前記突起部44,45と従動側回転基
体20のストッパ48a,48bおよび49a,49b
との間において、圧縮または伸長による蓄勢が行なわれ
る如く装着されている。
【0021】かくして前記摺接部材34は、第1,第2
のリンク部材35,36と、第1,第2の回動部材4
1,42と、コイルスプリング46,47とからなるリ
ンク機構により、上記コイルスプリング46,47の復
元時において、上記リンク機構の所定のバランス点に保
持される如く設けられている。
【0022】なお本実施例においては、摺接部材34が
陥没凹部32内へ係入する係入時において、図2の
(a)に示すように、上記摺接部材34が上記陥没凹部
32の内面とは非接触状態で当該陥没凹部32内に係入
可能な如く、コイルスプリング46,47の復元時にお
ける上記摺接部材34の保持位置と上記陥没凹部32の
内面との位置関係が設定されている。
【0023】次に上記の如く構成された本実施例のクラ
ッチについて、その動作および作用を図3の(a)
(b)を適時参照しながら説明する。アンテナ伸長動作
時において、図示しないモータが正回転すると、これに
伴い図示しない減速ギヤを介して主動側回転基体10が
図2の(a)において矢印Aの方向へ正回転する。そう
すると、クラッチ要素30の摺接部材34,第1,第2
のリンク部材35,36等は、相対的に矢印Bの方向へ
回転することになる。つまり、図3の(a)に示す如
く、摺接部材34が陥没凹部32の周壁面の点P1に当
接する。
【0024】主動側回転基体10がなおも同一方向へ回
転すると、摺接部材34と陥没凹部32の周壁面との接
触位置が、点P1から若干移動して点P2へ移り、第
1,第2のリンク部材35,36と、第1,第2の回動
部材41,42と、コイルスプリング46,47とから
なるリンク機構が変形動作する。この変形動作による第
1,第2の回動部材41,42の回動角の相対的な変化
に伴い、コイルスプリング46は伸長され、コイルスプ
リング47は圧縮される。つまりコイルスプリングの蓄
勢が行なわれる。
【0025】このコイルスプリングの蓄勢による反発力
が、点P2において係止力として働く。このため主動側
回転基体10の回転力が係合凹部33における陥没凹部
32〜摺接部材34〜第1,第2のリンク部材35,3
6〜第1,第2の回動部材41,42〜コイルスプリン
グ46,47〜ストッパ48a,48b及び49a,4
9bを介して従動側回転基体20に伝達される。このた
め従動側回転基体20が回転し、図示しない伸縮形アン
テナ素子を伸長動作させる。
【0026】伸縮形アンテナ素子が伸長限界に達しその
伸長動作を停止すると、従動側回転基体20は回転を停
止しロック状態を呈する。一方、主動側回転基体10は
モータの動力により、そのまま回転を継続する。このよ
うな事態における両回転基体10,20の相対的な回転
力が、点P2における係止力を上回ると、図3の(b)
に示すように摺接部材34は係合凹部33における陥没
凹部32の点P2から離脱して円形状凹部31の周壁面
の点Qに移動し、引き続き円形状凹部31の周壁面に沿
って摺動を開始する。つまりクラッチが外れた状態とな
る。
【0027】このとき、リンク機構は前述した状態より
もさらに変形動作を強め、コイルスプリング46,47
は更なる伸長および圧縮を強要される。この様なクラッ
チが外れた状態になると、何等かの検出手段によりその
事実が検出され、その直後において図示しないモータ制
御回路が働き、モータ電源が遮断されてモータの回転が
停止する。このため主動側回転基体10の回転が停止
し、伸縮形アンテナ素子の伸長動作が終了する。
【0028】伸縮形アンテナ素子の縮小時における動作
は、回転方向等の向きが前述した伸縮形アンテナ素子の
伸長時の動作と基本的には変わりがない。したがってそ
の動作説明は省略する。
【0029】上記した実施例においては次のような作用
が生じる。まず、摺接部材34は、コイルスプリング4
6,47の蓄勢状態と復元状態との変位範囲内でのリン
クモーションにより移動保持される。そしてコイルスプ
リング46,47の復元時において、図2の(a)に示
すように摺接部材34はリンク機構における所定のバラ
ンス点において保持される。このためクラッチが外れた
状態において、係合凹部33における円形状凹部31の
周壁面を円周方向に沿って摺動しつつある摺接部材34
が、陥没凹部32の中へ係入する際に、その係入方向は
回転基体10の半径方向ではなく、円周方向へ大きく傾
いた方向となる。その結果、摺接部材34は陥没凹部3
2の内面に対してソフトに接触することになり、衝突力
が大幅に緩和されることになる。
【0030】特に本実施例の場合は、コイルスプリング
46,47の復元時における摺接部材34の保持位置と
陥没凹部32の内面との位置関係が、摺接部材34の陥
没凹部32内への係入時において、上記摺接部材34が
上記陥没凹部32の内面とはギャップGを隔てて非接触
状態で当該陥没凹部32内に係入可能な如く設定されて
いる。従って、少なくとも摺接部材34の陥没凹部32
内への係入時点では、摺接部材34が陥没凹部32の内
面とは直接には衝突しないものとなる。この結果、クラ
ッチが外れた状態における摺接部材34の陥没凹部32
への係合離脱時における衝突音が殆ど発生しなくなり、
騒音が大幅に低減されることになる。勿論、摺接部材3
4と陥没凹部32の内面との間の摩耗も少なくなる。
【0031】また摺接部材34が、第1,第2のリンク
部材35,36と第1,第2の回動部材41,42とコ
イルスプリング46,47とからなるリンク機構によっ
て保持される構成であるため、比較的簡単な構成であり
ながら、十分大きななクラッチ力を確保することが可能
となる。このため従来のクラッチのように、主動側回転
基体と、従動側回転基体と、圧縮状態の板ばねと、さら
にはボール,ローラ,カムなどの摩擦伝達子等とを一体
化して構成されている従来のクラッチに比べると、小型
かつ軽量で安価に製作することが可能となる。そして本
クラッチはモータに結合している減速ギヤ機構における
任意のギヤ、例えばモータ側に最も接近しているウォー
ムホィール等に対して容易に適用することができるた
め、設計の自由度が大きくなる。
【0032】「第2実施例」図4〜図5は、本発明を自
動車用電動式アンテナ用のクラッチに適用した第2実施
例に係るクラッチ構成を示す図で、図4は縦断面図、図
5の(a)は図4をAーA線方向から見た図であり、主
動側回転基体10とクラッチ要素30′(特に摺接部
材,第1及び第2のリンク部材,扇形回動部材等)との
関係を示す図、図5の(b)は図4をBーB線方向から
見た図であり、従動側回転基体20′とクラッチ要素3
0′(特に扇形回動部材,コイルスプリング等)との関
係を示す図である。
【0033】この第2実施例が上記した第1実施例と異
なる点は、第1,第2のリンク部材35′,36′と第
1,第2の回動部材41′,42′との結合構造にあ
る。すなわち図4および図5に示すように、ローラから
なる摺接部材34を各一端部の対向面間に保持した第
1,第2のリンク部材35′,36′の各他端部におけ
る対向面は、第1,第2の回動部材41′,42′の両
面を挾持する態様で取付けられている。すなわち、一方
のリンク部材35′の他端部対向面は、一方の回動部材
41′の一側面(図5の(a)では41′の裏面)に枢
支されている。また他方のリンク部材36′の他端部対
向面は、他方の回動部材42′の他側面(図5の(a)
では42′の表面)に枢支されている。
【0034】なお本実施例では、一方のコイルスプリン
グ46を省き、その代りにリンク部材35′,36′を
滑動自在に支持するための円弧状の支持突起23を従動
側回転基体20′の内面に設けている。また従動側回転
基体20′の内面には、コイルスプリング47の復元時
における第1,第2の回動部材41′,42′の急激な
復帰動作による衝撃を緩和するために、各突起部4
4′,45′の回動終端位置に、ゴム等の弾性体を緩衝
材として用いた一対のストッパ24,25を設けてい
る。上記の点以外は前記第1実施例と略同じであるた
め、同一個所に同一符号を付して説明は省略する。
【0035】上記第2実施例によれば、第1実施例にお
ける作用に加えて次のような作用が生じる。すなわち、
図4に示すように第1,第2のリンク部材35′,3
6′の各他端部対向面で第1,第2の回動部材41′,
42′を両面から挾持する如く構成されているため、図
1に示すように第1,第2のリンク部材35,36を第
1,第2の回動部材41,42の一側面に重ね合せて取
付けるようにした第1実施例の場合に比べると、「回動
部材41′,42′の厚み」と「一方のリンク部材3
5′の厚み」との合計分だけクラッチ全体の厚みを削減
できることになる。そして摺接部材34と、コイルスプ
リング47との主軸60に沿った方向の隔りが小さくな
ることから、リンク部材35′,36′及び回動部材4
1′,42′の捩りモーメントが小さくなる。このため
特に損傷が生じ易い第1,第2のリンク部材35′,3
6′の部分の耐久性や強度が大幅に向上する。
【0036】なお本発明は上記実施例に限定されるもの
ではない。例えば前記実施例では本発明を自動車用電動
式アンテナ用のクラッチに適用した例を示したが、自動
車ドアロック用のアクチュエータ等にも広く適用可能で
ある。このほか本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変
形実施可能であるのは勿論である。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、摺接部材が第1,第2
のリンク部材と第1,第2の回動部材と弾撥体とからな
るリンク機構により、上記弾撥体の復元時において、上
記リンク機構における所定のバランス点に保持される如
く設けられているので、摺接部材が係合凹部における陥
没凹部へ係入する際の衝撃が大幅に緩和される。その結
果、クラッチが外れた状態における騒音および摩耗が著
しく少ないうえ、小型かつ軽量で製作容易なクラッチを
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るクラッチの構成を示
す縦断面図。
【図2】上記実施例に係るクラッチの主動側回転基体と
クラッチ要素と従動側回転基体との関係を示す図。
【図3】上記実施例に係るクラッチの動作および作用を
説明するための図。
【図4】本発明の第2実施例に係るクラッチの構成を示
す縦断面図。
【図5】上記実施例に係るクラッチの主動側回転基体と
クラッチ要素と従動側回転基体との関係を示す図。
【符号の説明】
10…主動側回転基体 20,2
0′…従動側回転基体 30,30′…クラッチ要素 31…円形
状凹部 32…陥没凹部 33…係合凹部 34…摺接
部材 35,36及び35′,36′…第1,第2のリンク部
材 41,42及び41′,42′…扇形の第1,第2の回
動部材 44,45及び44′,45′…突起部 46,47…コイルスプリング 50…アンテナ駆動機構部のケーシング壁体 60…
主軸

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主動側回転基体の回転力を、クラッチ要素
    を介して従動側回転基体に伝達するようにしたクラッチ
    において、 前記主動側回転基体の前記従動側回転基体との対向面に
    形成された円形状凹部とこの円形状凹部の周壁面に円周
    方向に沿ってV字状に陥没させた複数の陥没凹部とから
    なる係合凹部と、 この係合凹部における前記陥没凹部に対して係入・摺接
    可能で、かつ前記円形状凹部の周壁面に対し摺接可能な
    如く設けられた摺接部材と、 この摺接部材を各一端部間に設けた枢支部にて枢支する
    如く設けられた第1,第2のリンク部材と、 この第1,第2のリンク部材の各他端部をそれぞれの一
    端部で枢支するとともに、各他端部が前記主動側回転基
    体および前記従動側回転基体と同心的に回転可能な如く
    軸支され、前記摺接部材の前記係合凹部内における摺接
    位置に応じて回動角が相対的に変化する如く装着された
    第1,第2の回動部材と、 この第1,第2の回動部材の回動角の相対的な変化に伴
    って、上記第1,第2の回動部材と前記従動側回転基体
    との間で蓄勢される如く、前記従動側回転基体の前記主
    動側回転基体との対向面に装着された弾撥体と、 からなり、前記摺接部材は、前記第1,第2のリンク部
    材と前記第1,第2の回動部材と前記弾撥体とからなる
    リンク機構により、上記弾撥体の復元時において、上記
    リンク機構における所定のバランス点に保持される如く
    設けられたクラッチ要素を備えてなることを特徴とする
    クラッチ。
  2. 【請求項2】摺接部材が陥没凹部内へ係入する係入時に
    おいて、上記摺接部材が上記陥没凹部の内面とは非接触
    状態で当該陥没凹部内に係入可能な如く、弾撥体の復元
    時における上記摺接部材の保持位置と上記陥没凹部の内
    面との位置関係が設定されていることを特徴とする請求
    項1に記載のクラッチ。
  3. 【請求項3】各一端部の対向面間に摺接部材を保持した
    第1,第2のリンク部材の各他端部の対向面で、第1,
    第2の回動部材を両面から挾持する如く、一方のリンク
    部材の他端部対向面を一方の回動部材の一側面に枢支
    し、他方のリンク部材の他端部対向面を他方の回動部材
    の他側面に枢支したことを特徴とする請求項1に記載の
    クラッチ。
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