JP3247100U - 介護用移動式リフト - Google Patents

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Abstract

【課題】介護作業において、介護者の負担を軽減した介護用移動式リフトを提供する。【解決手段】介護用移動式リフト100は、支柱134に回動可能で横方向に延びる梁部材130と、梁部材に設けられた電動ホイスト104を有する。また横木部材304と、横木部材の一端部に設けられ横木部材に直交して延びる支持部材306を有する。さらに、被介護者を載置する移乗シート410と、移乗シートの頭部付近の側部に設けられた吊り部414に締結する第1のベルト440と、移乗シートの足部付近であって両側部に締結可能な紐手段422と、中間部が移乗シートの足部下面に配置される第2のベルト430とを有する。横木部材に電動ホイストのフックが係止可能なフック係止部302を設け、紐手段の端部および第2のベルトの各端部が係止可能な一対のベルト係止手段308を各ベルト及び紐手段に設けた。【選択図】図1

Description

実用新案法第11条において準用する特許法第30条第2項適用申請有り 令和6年1月9日から、自宅にて公開
本考案は、介護を必要とする被介護者を移動するのに用いる介護用移動式リフトに係り、特に被介護者を入浴させるときに用いて好適な介護用移動式リフトに関する。
要介護度の高い被介護者の介護において、被介護者を移動させるには大変な労力を要するのでその省人化が望まれている。そのような移動の中で特に、普段寝起きしているベッドから車椅子に移り、車椅子で浴室へ移動して入浴する場合には、窪んで形成される浴槽内へ移動するために、一旦車椅子から上方へ被介護者を移動させ、その後浴槽内へ体を下ろす動作が生じる。また、入浴が済んで、浴槽から浴槽外へ移動するためにはその逆の動作が生じる。そのため、介護者は何度か被介護者を人力で持ち上げるので多大なエネルギを必要とし、疲労が蓄積する。それとともに、被介護者側にも様々な負担が生じ、最悪の場合には被介護者に不安感や不快感を生じる。
このような介護における人力作業に伴う不具合を改善する例が、特許文献1に記載されている。この公報では、介護作業の中で頻繁に行われる被介護者のベッドと車椅子間の移動の介護作業に用いる、小型で安価かつ人力で容易に被介護者を移乗出来る簡易移乗リフトを、提案している。具体的には、左右同形の支持体で支軸を水平に固定し、この支軸にコの字状のリフト部を軸支している。リフト部は、軸支点より先端に2本の短く平行なリフト棒、後方にコの字状のハンドルを有する一体のもので、両リフト棒間には四隅にフックを設けたシートを掛け渡している。さらにU字状のガイドを両端で支軸に軸支し、支持体間を下部で補強した補強材にハンドルを固定する固定具を設けている。
また特許文献2には、下半身の不自由な人が自動車の座席と車椅子の間で移乗するのに用いる、移乗の補助手段としての移乗リフト装置が開示されている。この公報に記載の移乗リフト装置は、たとえ移乗を容易にした助手席回転式等の特殊車においても、非力な介護者が移乗前後に移乗リフト装置を自動車へ収納したり、取り出す重作業を省くために、一般の自動車のルーフ上に移乗リフト装置を設置し、この装置を容易に取り出し収納出来るようにしている。これにより、一般の自動車でも容易に移乗でき、移乗リフト装置の自動車への収納や取り出しの重作業を軽減し、移乗リフト装置の収納スペースの問題を解決できる。
特許文献3には、被介護者の移乗を簡単で短時間に行うことができる移乗移動リフトを実現するために、吊り具の素材は吊り具が常に被介護者の体に装着されやすい素材を用い、吊り位置を脇下にして移乗リフトを小型化している。被介護者を吊る昇降アームにはクッション材が備えられ、移動時の段差での衝撃を抑えるとともに、肘つきを兼ねる。さらに昇降アームが取り付けられたキャリッジをスプリング等で吊り上げるので、介護者が簡単に操作できる。
特開2004-313450号公報 特開2001-37811号公報 特開2019-181103号公報
on line, 株式会社 モリトー 介護リフト「つるべーF1・F2Rセット」 (風呂・トイレ用)、2024年2月16日検索 on line, amazon co,jp (ブランド名:VICHE CATT、商品名:移乗シート)、2024年2月13日検索
特許文献1には、介護作業中で発生するベッドから車椅子への乗り換えおよび車椅子からベッドへの移動の際に用いる簡易移乗リフトが開示されている。この公報では、ベッドで上半身を起こした後、ベッドの縁に腰を下ろして簡易リフトに乗り換えるので、被介護者は腰の近辺でほぼ90度体を曲げた状態で移乗する。そのため、被介護者はほぼ腰のあたりを横に移動するだけであるから移乗時に不安感を覚えることは稀であり、介護者も被介護者を横移動させればよいだけであるから、移乗の際に多大なエネルギを消費することはない。
しかしながら、車椅子に移乗してから浴室内の浴槽に入る場合及び浴槽から出る場合には、折れ曲がった状態からほぼ水平へ、および水平から折れ曲がった状態へ被介護者の姿勢が変化し、かつ浴槽の縁の高さを超えての移動が必要となる。そのため、介護者が人力で持ち上げる必要が生じる。被介護者の姿勢の変化を伴う持ち上げであるから被介護者にも負担が生じ、必ずしも心地よい移乗を達成することができない。
特許文献2には、下半身が不自由な人が車両に移乗することが開示されている。この公報に記載の車上移乗リフト装置を用いるときは、被介護者の姿勢はほぼ一定であって位置を横にずらすだけであるから、人力によるエネルギの消費も少ない。しかしながら、あくまで車両への移乗のための装置であるから、被介護者の姿勢が大幅に変化して移乗させることは全く考慮されていない。そのため、被介護者の姿勢の変化が大きい入浴時に、この車上移乗リフト装置をそのまま使用することはできない。
特許文献3には、両側部を有する座椅子型の吊り具の両側部を被介護者の脇の下に挟み、両側部を移乗移動リフトが持ち上げた状態でトイレ等の所要地点へ移動することが開示されている。この公報に記載の移乗移動リフトでも、被介護者の姿勢は移乗移動期間中ほぼ一定である。つまり、寝た状態から起き上がる状態への姿勢の変化が生じる入浴等には、姿勢変化の必要がないこの移乗移動リフトを適用することはできない。
なお、非特許文献1に市販されている介護用リフトの例が記載されている。このカタログに記載のものは介護用の実績を誇るものであり、確かに利便性に富むものであるが、ハンモック状の被介護者保持器を使用しているので、移動の際に吊り上げると吊り上げ部分が局所的に上方に移動することで被介護者に圧迫感が加えられる。この圧迫感を取り去ることが望まれている。
本考案は上記従来技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は、被介護者の入浴の際の移動において、介護者の負担を軽減した介護用移動式リフトを実現することにある。本考案の他の目的は、上記目的に加え、被介護者の入浴に対する不安を軽減することが可能な介護用移動式リフトを実現することにある。
上記目的を達成するための本考案の態様は、上下に延びる支柱と、前記支柱に回動可能に取り付けられ横方向に延びる梁部材と、前記梁部材の回動端とは反対端部側に設けられた電動ホイストと、を有する吊り上げ部と、横方向に延びる横木部材と、前記横木部材の軸方向少なくとも一端部に設けられ前記横木部材の直交方向に延びる支持部材と、を有する支持部と、被介護者を載置可能な移乗シートと、前記移乗シートの頭部付近であって幅方向両側部に設けられた吊り部に締結可能な第1のベルトと、前記移乗シートの下肢部付近であって幅方向両側部に設けられた吊り部の各々に締結可能な第1、第2の紐手段と、中間部が前記移乗シートの足部下面に配置される第2のベルトと、を有する移乗部とを備え、前記横木部材は、長手方向中間部に前記電動ホイストが有するフックが係止可能なフック係止部を有し、前記支持部材は、前記第1、第2の紐手段の端部および前記第2のベルトの各端部が係止可能な一対のベルト係止手段を支持部材の長手方向に間隔を置いて設けたことにある。
そしてこの特徴において、前記支柱は、室内の壁面に固定されていることが好ましく、前記支柱と前記梁部材間を接続する補強部材を、前記支柱と前記梁部材と前記補強部材で3角形を形成するように設けることが好ましい。また、前記第1、第2のベルトの両端部にカラビナを備えることがよく、前記第1、第2のベルトはナイロンベルトまたは布ベルトのいずれかであることが好ましい。さらに、前記横木部材は、長手方向中間部が上に凸の形状となっていることが望ましい。
本考案によれば、自動車への移乗に用いる移乗シートの頭部側を1か所で支持し、側部側を2か所で支持するように移動式リフトの支持部を構成したので、被介護者の入浴の際の移動において、被介護者の姿勢の変化が少なくて済み、介護者の負担が軽減する。それとともに、被介護者の入浴に対する不安を軽減できる。
本考案に係る介護用移動式リフトを備えた浴室の一実施例の模式斜視図である。 図1に示した介護用移動式リフトの吊り上げ部の模式斜視図である。 本考案に係る介護用移動式リフトの支持部の他の実施例の正面図(図3(a))および側面図(図3(b))である。 図1に示した介護用移動式リフトの移乗部の斜視図である。 第1、第2のベルト及び第1、第2の紐の装架状態を説明する斜視図である。 本考案に用いるPPベルト専用金具の正面図(図6(a))およびパッドアイの斜視図(図6(b))である。
以下、本考案に係る介護用移動式リフトの実施例を、図面を用いて説明する。図1は、本発明に係る介護用移動式リフト100を備えた浴室50の模式斜視図である。浴室の一方には、壁面54に隣り合って介護用浴槽52が取り付けられている。介護用浴槽52から間隔を置いて壁面54に沿って鉛直に延びる円柱状の支柱134が、コの字型ボルト140で固定配設されている。
コの字型ボルト140は、上端部近傍と下端部近傍の少なくとも2か所に配置されており、本実施例では、隣室であるトイレの壁面にナットで固定されている。詳細を後述するが、支柱134の上端部には、ホイスト104が取り付けられた梁部材130が取り付けられている。これらは、吊り上げ部200を構成する。吊り上げ部200は、図示しない被介護者を車椅子または椅子に着座状態から吊り上げて浴槽まで移動させる、およびその逆の動作をする際の動力を提供する。
ホイスト104のフック106に、支持部300が吊り下げられている。支持部は、被介護者を吊り上げる際の吊り上げようベルトを支持するものであり、横木部材304と横木部材304の長手方向両端部に設けた支持部材306を主要構成品としている。支持部300はホイスト104のフック106に契合するパッドアイ302を中心に対称形に構成されている。その理由は、支持部300を吊り上げたときのバランスをとることと、支持部300がパッドアイ302を中心に回動したときに、左右どちらの側をも頭部ベルト装架部及び側部ベルト装架部にできるようにするためである。
支柱134が取り付けられた壁面54に直交する壁の壁面近くに介護用浴槽52を向いて椅子60が配置されている。椅子60は、被介護者が介護者とともに車椅子で浴室へ着いた場合に、車椅子から介護用移動式リフト100へ移乗するために設けられており、椅子60には予め移乗シート410が被介護者の姿勢に合わせて配置されている。移乗シート410は、例えば非特許文献2に記載のものを用いる。この被特許文献2に記載の移乗シート410は、車椅子から車両への乗り換えの際に使用することを目的として発売されているが、被介護者の姿勢が必ずしも椅子60に座った着座姿勢に限られず、介護用浴槽52内の寝そべった姿勢が可能になるように変形しうる。
図2ないし図4により、介護用移動式リフト100の吊り上げ部200、支持部300(310)、移乗部400の詳細を説明する。図2に、吊り上げ部200の正面図を示す。支柱134は上述したように浴室50の壁面54に鉛直方向に延びてコの字型ボルト140で固定されている。なお支柱134の上端4は、ほぼ天井面近くまで高く延びており、下端はほぼ床面付近まで延びている。
支柱134は円形パイプ構造であり、上端側には支柱134の内径より外径の小さい回動支柱138が挿入されている。回動支柱138の外周1か所もしくは複数か所に、梁部材130の一端側が溶接等で固定されている。梁部材130は水平方向に延びる断面コの字状または断面矩形の梁であり、その先端側にはホイスト104が取り付けられている。
ホイスト104は、ウインチ部112とウインチ部112に巻回されたワイヤ110と、ウインチ部112を回転駆動するモータ120とを備える。モータ120には、ケーブル122を介してホイスト104を操作する押しボタンスイッチ124が接続されている。ワイヤ110の先端には、支持部300(310)に設けられるアイボルトまたはパッドアイ302(312)に係止可能なフック106が設けられている。
フック106から間隔を置いたワイヤ110の中間部には、ストッパ114が配置されている。ストッパ114が、モータ120の外周下部に設けたループ状のリミットスイッチ108に当接すると、モータ120はその回転を停止する。ワイヤ110はループ状のリミットスイッチ108のループ内を上下に移動する。
梁部材130は支柱134に対して片持ち構造であるから、先端部に重量のあるホイスト104が取り付けられると下側へたわむ恐れがある。この不具合を解消するために、支柱134の上下方向中間部に支柱134に対して回動可能な回動手段136を設け、この回動手段と梁部材130の長手方向中間部とを補強部材132で接続する。これにより、梁部材130と支柱134と補強部材132で三角形を構成し、梁部材130のたわみを防止する。
なお梁部材130と補強部材132は、回動支柱138及び回動手段136を介して支柱134の軸周りに回動可能である。そのため、図1において、椅子60の上の移乗シート410に着座した被介護者を、移乗シート410ごとほぼ介護用浴槽52位置へ移動させることができる。図示を省略したが、梁部材130の先端部、すなわちウインチ部112よりも先端側には、この梁部材130を人力で回動させるために、紐が下方に延びている。
図3に、支持部の他の実施例の詳細を示す。図3(a)は支持部310の正面図であり、図3(b)はその側面図である。図1に示した実施例では、支持部300を構成する支持部材306が長手方向に直線状に形成されていたが、本実施例の支持部310では横木部材314が長手方向に湾曲している。
すなわち、横木部材314はホイスト104のフック106に係止するアイボルトまたはパッドアイ312の位置を最高位置とする上に凸の形状となっている。これは、移乗シート410に載置された被介護者を吊り上げる際に、被介護者の頭部が横木部材314にぶつかるのを防止するためである。このように横木部材314を直線状から変形させているので、横木部材314の材質には、加工が容易な金属やプラスチックを用い、軽量化のためチューブ構造とするのがよい。ただし木材であってもよいことは言うまでもない。
さらに、横木部材314のアイボルトまたはパッドアイ312の取り付け部には、保護カバー322が配設されており、ボルト等が被介助者に当たるのを防止するとともにアイボルトまたはパッドアイ312の取り付け強度を補強する。保護カバー322は、横木部材314がプラスチックや木材、アルミパイプ等の締結強度が小さい、鋼材以外の場合に特に有効である。
横木部材314の両端には、横木部材314に直交して横木部材314から等距離だけ延びる支持部材316が取り付けられている。支持部材316の下面であってこの支持部材316の長手方向端部近傍にはアイボルト318がナット320を用いて取り付けられている。アイボルト318の横木部材314からの位置は、30cm程度である。
アイボルト318には、後述する下肢側のPP(ポリプロピレン)ベルト430のカラビナ434と紐422のカラビナ424が取り外し可能に係止する。頭部側のPPベルト440は、アイボルト318には係止しないで横木部材314を巻回するように装架される。移乗シート410の吊り上げ時に、装架されたPPベルト440が横木部材314上で滑って横木部材314の長手方向に移動し、移乗シート410に不都合な姿勢が発生するのを防止するため、横木部材314は支持部材316が取り付けられた端部側で所定の長さだけ湾曲していない水平部を有する。なお、積極的にPPベルト440の滑りを防止するために、逆向き(下に凸)の湾曲または窪みを設けてもよい。
横木部材314の長手方向長さは、身長程度であり、180cmを超えない長さである。なお、上述したように移乗シート410の取り付け前に支持部300が回動しても便利なようにおよびバランスを保つために、支持部300は、アイボルトまたはパッドアイ312の取り付け位置を中心として左右対称な構造である。
図4に、被介護者が載置される移乗シート410を含む移乗部400を模式斜視図で示す。移乗シート410は、被特許文献2に示されるような、車椅子から車両への移乗に用いられるシートを流用している。移乗シート410の頭部側であって両側部には、環状に形成された吊り部414が形成されている。吊り部414に係止可能にPPベルト440が配設される。PPベルト440の両端には、カラビナ444が取り付けられ、PPベルト専用金具442によりその長さが調節されるとともに、カラビナ444からPPベルト440が脱け落ちるのを防止する。頭部側のPPベルト440の長さは、吊り上げ時の被介護者から支持部300までの距離の2倍程度に調節される。
移乗シート410の下肢部404であってその側部にも、ループ状の吊り部412が形成されている。吊り部412には、一端側にカラビナ424が取り付けられた紐422が結んで取り付けられている。紐422は安全手段であり、移乗シート410が支持部300、310から予期せずに離脱するのを防止する。
ところで、移乗シート410の頭部402は、他の部分(406、408、404)に比べて剛性が高く、左右方向には変形しにくく構成されている。そのため、被介護者がこの移乗シート410に着座して吊り上げるときに、頭部側のPPベルト440から左右方向内側に向く力が働いても、被介護者には苦痛や不快感を感じるような力は生じない。一方、移乗シート410の下肢部404や股部408は、被介護者が移乗シート410内でいわゆる踊る状態が発生しないように、被介護者に密着して吊り上げ時に姿勢を変化させない。そのため移乗シート410の変形を許容している。このような移乗シート410の特性から、吊り上げ時に被介護者の頭部側では内向きの力の発生を許容して力が発散しないよう1か所で吊り上げる。一方下肢側では、下肢が幾分開いた安楽姿勢で移乗シート410に着座させて被介護者の吊り上げ時の不安感を低減する。そこで、吊り上げ位置が1点に集中しないよう、左右別々の吊り上げ位置へ吊り上げる。ただし、左右の足が全く別々に吊り上げられると姿勢が変化する恐れがあるので、1本のPPベルト430の両端部を別々の吊り上げ位置(アイボルトまたはパッドアイ308、318)に係止する。
ここで本考案に特徴的な構成として、紐422が配設される下肢の位置近く、より具体的には被介護者の膝が位置するところの背面側に、1本のPPベルト430を配設し、この1本のPPベルト430の両端部を支持部材306に取り付けた異なるアイボルトまたはパッドアイ308、318に係止している。異なるアイボルトまたはパッドアイ308、318の間隔は60cm程度であり、被介護者がリラックスして吊り上げられる足幅である。
ここで、1本のPPベルト430で膝の裏側を吊り上げるのは、以下の理由による。被介護者は吊り上げに対して不安感を有している。そのような不安感を有する被介護者を港湾荷役のように袋に縛るように持ち上げると、その不安感はさらに増大し、スムーズな吊り上げ作業が阻害される。特に、下肢を伸ばしたまま、すなわちほぼ水平に下肢を伸ばしたままの吊り上げは吊り上げ不良の際に地面に足を着けられないという不安感をもたらす。
これに対して膝から下肢を曲げ足裏が地面に対向する姿勢の場合、被介護者においては吊り上げ作業の不安感が著しく低下する。そこで、被介護者の膝部を移乗シート410ごと裏側から持ち上げることで、下肢が折れ曲がった姿勢で被介護者を吊り上げ、不安感を排除した円滑な移乗動作を完了させる。なお、PPベルト430の長さはPPベルト専用金具432で調節され、保持される。
図5に、吊り上げ時の支持部300と移乗部400の状態を、被介護者を除いて模式斜視図で示す。頭部側のPPベルト440の中間部は、横木部材304の一方側端部付近で支持部300の横木部材304に巻回されている。PPベルト440の両端部は、カラビナ444で移乗シート410の吊り部414に係止している。これに対して下肢側のPPベルト430は、移乗シート410の裏面側を通って、PPベルト440が巻回されている位置とは反対側の横木部材304の端部に設けた支持部材306のアイボルトまたはパッドアイ308にカラビナ434で係止している。ここで、同じアイボルトまたはパッドアイ308には紐422も係止しており、PPベルト430が移乗シート410の背面で滑って外れるのを防止する。
PPベルト430及びPPベルト440の長さを調節して被介護者の姿勢が決定したら、図1に示した押しボタンスイッチ124を押してホイスト104を動作させ、モータ120を駆動してウインチ部112でワイヤ110を巻き戻す。所定高さまで移乗シート410を吊り上げたら、図示しない紐で梁部材130を人力で回動し、介護用浴槽52の上へ移乗シート410を位置決めする。その後、移乗シート410を吊り下げ入浴する。入浴が終わったら、この逆の動作をして、椅子60まで移乗シート410を移動させる。なお、この動作中、ウインチ部112が所定高さを超えてワイヤ110を巻こうとすると、ストッパ114がリミットスイッチ108に当接し、吊り上げ動作を停止する。椅子60の近傍には被介護者が乗ってきた車椅子が配置されているから、着替え等をして車椅子に被介護者を移動させる。
図6に、本実施例で用いる締結具の一例を示す。図6(a)は、PPベルト専用金具510(432、442)の一例の正面図である。PPベルト専用金具510は、閉ループ状に形成された角型リング材502と、この角型リング材502に移動可能に嵌合された移動部材504とを備える。角型リング材502は丸棒から作られており、角部が丸みを帯びて曲げられた四角形状のリングである。移動部材504は丸棒状であって、軸方向2か所に、角型リング材502が通過できる穴が、軸方向に対して直角な方向に形成されている。
図6(b)は、パッドアイ520(320、308)の一例を示す斜視図である。パッドアイ520では、矩形状のベース板522に、吊環を形成する吊り部524が溶接等で固定されている。吊り部524を挟んでベース板522の端部側には、留め穴526が開口しており、ボルト等で支持部材306、316や横木部材304、314に取り付けられる。なお、カラビナやアイボルトは、市販のものを用いることができる。
本考案によれば、被介護者を移乗シートに移乗させる際に、頭部を吊り上げるPPベルトを横木手段に巻回し、膝裏を吊り上げるPPベルトの両端部を支持手段に間隔を置いた2か所で吊り上げるようにしたので、吊り上げ時の被介護者の不安感が低減され、しかも安全で安定した吊り上げが可能になる。被介護者の入浴における、被介護者および介護者双方の負担が軽減される。
なお上記実施例では移乗シートの吊り上げにPPベルトを使用しているが、ベルトはPPベルトに限らず、ナイロンベルトや布ベルトを使用することもできる。それらのベルトを用いる場合には、ベルト端部での長さ調整にPPベルト専用金具の代わりに市販のバックルや荷締め機等の締結具を用いるのがよい。また、ベルトの両端部に設けるカラビナの締結にPPベルト専用金具を用いているが、ベルトの一方の端部を縫製でループ状に形成し、そのループ内にカラビナを通し、ベルトの他端部でPPベルト専用金具を用いてベルト長さを調整するようにすることもできる。この場合、一方のPPベルト専用金具を省くことができる。
50…浴室、52…浴槽、54…壁面、60…椅子、100…介護用移動式リフト、104…ホイスト、106…フック、108…リミットスイッチ、110…ワイヤ、112…ウインチ部、114…ストッパ、120…モータ、122…ケーブル、124…(押しボタン)スイッチ、130…梁部材、132…補強部材、134…支柱、136…回動手段、138…回動支柱、140…コの字ボルト、200…吊り上げ部、300、310…支持部、302、312…アイボルトまたはパッドアイ(フック係止部)、304、314…横木部材、306、316…支持部材、308、318…アイボルトまたはパッドアイ(ベルト係止手段)、320…ナット、322…保護カバー、400…移乗部、402…頭部、404…下肢部、406…胴体部、408…股部、410…移乗シート、412…(下肢側)吊り部、414…(頭部)吊り部、422…(吊り)紐(手段)、424…カラビナ、430…(PP)ベルト(第2のベルト)、432…PPベルト専用金具、434…カラビナ、440…(PP)ベルト(第1のベルト)、442…PPベルト専用金具、444…カラビナ、510…PPベルト専用金具、502…角型リング材、504…移動部材、520…パッドアイ、522…ベース板、524…吊り部、526…留め穴

Claims (6)

  1. 上下に延びる支柱と、前記支柱に回動可能に取り付けられ横方向に延びる梁部材と、前記梁部材の回動端とは反対端部側に設けられた電動ホイストと、を有する吊り上げ部と、
    横方向に延びる横木部材と、前記横木部材の軸方向少なくとも一端部に設けられ前記横木部材の直交方向に延びる支持部材と、を有する支持部と、
    被介護者を載置可能な移乗シートと、前記移乗シートの頭部付近であって幅方向両側部に設けられた吊り部に締結可能な第1のベルトと、前記移乗シートの下肢部側であって幅方向両側部に設けられた吊り部の各々に締結可能な第1、第2の紐手段と、中間部が前記移乗シートの足部下面に配置される第2のベルトと、を有する移乗部とを備え、
    前記横木部材は、長手方向中間部に前記電動ホイストが有するフックが係止可能なフック係止部を有し、前記支持部材は、前記第1、第2の紐手段の端部および前記第2のベルトの各端部が係止可能な一対のベルト係止手段を支持部材の長手方向に間隔を置いて有することを特徴とする介護用移動式リフト。
  2. 前記支柱は、室内の壁面に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の介護用移動式リフト。
  3. 前記支柱と前記梁部材の間を接続する補強部材を、前記支柱と前記梁部材と前記補強部材で3角形を形成するように設けたことを特徴とする請求項1に記載の介護用移動式リフト。
  4. 前記第1、第2のベルトの両端部にカラビナを備えたことを特徴とする請求項1に記載の介護用移動式リフト。
  5. 前記第1、第2のベルトはナイロンベルト、ポリプロピレン(PP)ベルトまたは布ベルトのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の介護用移動式リフト。
  6. 前記横木部材は、長手方向中間部が上に凸の形状となっていることを特徴とする請求項1に記載の介護用移動式リフト。
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