JP3243598B2 - 真空積層装置および真空積層方法 - Google Patents

真空積層装置および真空積層方法

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JP3243598B2
JP3243598B2 JP15693896A JP15693896A JP3243598B2 JP 3243598 B2 JP3243598 B2 JP 3243598B2 JP 15693896 A JP15693896 A JP 15693896A JP 15693896 A JP15693896 A JP 15693896A JP 3243598 B2 JP3243598 B2 JP 3243598B2
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昭彦 小川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被成形材を真空雰
囲気下において加熱・加圧することにより積層する真空
積層装置および真空積層方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、プリント配線板を製造する場合
においては、フェノール樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬化
性樹脂からなる基板や、ポリイミド等の熱可塑性樹脂か
らなる可撓性を有するベースフィルムに、パターン化さ
れたあるいは後工程でエッチングされる銅箔を積層して
回路基板を形成する工程がある(以下、前者を単に積層
基板と、後者をフレキシブル積層基板という)。上記積
層基板を成形する場合においては、熱硬化性樹脂からな
る基板と銅箔とを真空雰囲気下で加熱・加圧し、熱硬化
性樹脂の化学反応により基板を可塑化して銅箔と接着積
層し、さらに化学反応させて銅箔が接着された基板を硬
化させる。また、上記フレキシブル積層基板を成形する
場合においては、熱可塑性樹脂からなるベースフィルム
と銅箔とを真空雰囲気下で加熱・加圧し、熱可塑性樹脂
の可塑化によりベースフィルムを銅箔と接着積層する。
【0003】また、これらの積層基板やフレキシブル積
層基板には、積層された銅箔をエッチング、めっき、は
んだ等から保護するために、支持体フィルムおよび感光
層からなるフィルム状フォトレジスト形成層を回路基板
の表面に熱圧着する工程がある。フォトレジスト形成層
は、加熱されることによって粘着性を備え、回路基板の
表面に加圧されて積層される。
【0004】ところで、積層基板やフレキシブル積層基
板と銅箔との積層、および、これらが積層された回路基
板とフィルム状フォトレジスト形成層との間には、被成
形材の揮発性成分等の気泡等が残留することによりボイ
ドが発生し易くなる。発生したボイドは、例えば溶融は
んだ浴等、後工程における高温処理時に膨張し、積層さ
れた銅箔やフィルム状フォトレジスト形成層を破損させ
る場合等があり、回路基板の保護不良や絶縁不良、ひい
ては導電不良等の原因となるおそれがある。
【0005】そのため、上記プリント配線板のように、
各種被成形材を積層する場合においては、被成形材の間
にボイドを発生させないように、真空雰囲気下において
被成形材を加熱・加圧することにより成形することが従
来から行われている。
【0006】このようなプリント配線板を製造する場合
のように、複数の板状、シート状あるいはフィルム状材
料からなる被成形材を積層するための従来の方法として
は、特公昭55−13341号公報に開示されているよ
うに、回路板の表面にフィルム支持体に接着されたフォ
トレジスト形成層を隣接させ、回路板の表面とフォトレ
ジスト形成層との間の領域およびフィルム支持体上の絶
対気圧を1気圧以下に減圧し、圧力伝達層として働くフ
ィルム支持体を加圧することによりフォトレジスト形成
層を回路板の表面に加圧し、フォトレジスト形成層を加
熱して軟化させ、積層することが知られている。
【0007】また、従来の真空積層装置としては、特開
昭63−295218号公報や特開昭63−29989
5号公報に開示されているように、加熱容器内に筒状の
ラバーを設けたり、開閉可能な真空チャンバの内部にラ
バーシートを張設し、この筒状のラバー内あるいはラバ
ーシート間に真空ポンプを接続したものが知られてい
る。これらの真空積層装置では、筒状のラバー内あるい
はラバーシート間に被成形材を配置させて、筒状のラバ
ーあるいはラバーシートを密閉して真空にすることによ
り、被成形材を加熱・加圧する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記積
層基板のように、熱硬化性樹脂を積層する場合において
は、チャンバ内の熱伝導や輻射熱により熱硬化性樹脂が
加圧される前に硬化反応が進行し、銅箔等の被成形材と
の接着不良が生じるという問題があった。また、上記フ
レキシブル積層基板のように、熱可塑性樹脂を積層する
場合においては、チャンバ内の熱伝導や輻射熱により加
圧される前に被成形材の可塑化が進行し過ぎ、しわが発
生したり位置合わせ等の精度が低下するという問題があ
った。さらに、積層が完了した後も加熱時の熱が被成形
材に残っており、被成形材の温度降下に伴う不均一な熱
収縮によってしわが発生するという問題があった。そし
て、フィルム状フォトレジスト形成層を回路基板の表面
に熱圧着する場合においても、フィルム状フォトレジス
ト形成層の軟化が進行し過ぎることにより、熱可塑性樹
脂を積層する場合と同様に、しわの発生や位置合わせの
精度の低下等の問題が発生する。
【0009】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたもので、被成形材の温度条件に応じて、複数の板
状、シート状あるいはフィルム状の被成形材の積層を適
切に行うことができる真空積層装置および真空積層方法
を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の特
徴は、上記目的を達成するため、相対向して近接遠退可
能に設けられた上板および下板と、該上板および下板の
対向面にそれぞれ設けられた膜体と、上板または下板の
いずれか一方の膜体を加熱するように設けられた加熱手
段と、上板または下板のいずれか他方の膜体を冷却する
ように設けられた冷却手段と、上板と下板の膜体に挟持
されることによって被成形材を収容するための密閉され
たチャンバを形成する枠体と、該チャンバ内を真空引き
する吸引手段と、任意に各膜体を、その設けられた上板
および下板の対向面に密接させると共に、その設けられ
た上板および下板の対向面から離間させて被成形材を加
圧する密着・加圧手段とを備えたことにある。
【0011】請求項2に係る発明の特徴は、相対向して
近接遠退可能に設けられた上板および下板の対向面にそ
れぞれ設けられた膜体間に被成形材を対面させて位置さ
せ、膜体間に被成形材を収容した密閉されたチャンバを
形成し、被成形材を膜体に加圧させることなくチャンバ
内を1気圧以下に減圧し、次いで、チャンバ内の減圧を
維持しつつ膜体によってその間で被成形材を加圧すると
共に上板または下板のいずれか一方の膜体を加熱するよ
うに設けられた加熱手段によって被成形材を加熱して貼
り合わせ、その後、さらにチャンバ内の減圧を維持しつ
つ膜体によってその間で被成形材を加圧すると共に上板
または下板のいずれか他方の膜体を冷却するように設け
られた冷却手段によって被成形材を冷却することにあ
る。
【0012】本発明に係る真空積層装置では、上板およ
び下板の膜体の間に被成形材を配置して上板と下板とを
近接させると、膜体の間に枠体が挟持されることにより
密閉されたチャンバが形成される。密着・加圧手段を作
動させて膜体を上板および下板に密着させ、吸引手段に
よりチャンバ内を真空引きすると、チャンバ内の容積が
縮小することにより被成形材が加圧されることなく、被
成形材の周囲が減圧される。この状態で密着・加圧手段
により上板または下板のいずれか一方の膜体をその対向
面から離間させて他方の膜体との間で被成形材を加圧す
ると共に、加熱手段により加熱して積層する。被成形材
の積層が完了したら、密着・加圧手段により、上板また
は下板のいずれか一方の膜体による加圧を停止して他方
の膜体をその対向面から離間させて一方の膜体との間で
積層された成形品を加圧すると共に、冷却手段により冷
却する。成形品は、冷却されることにより加熱手段によ
る熱が冷まされて安定する。吸引手段および密着・加圧
手段を停止してチャンバを大気に連通し、上板と下板と
を離間させて成形品を取り出す。
【0013】また、本発明の真空積層方法では、上板お
よび下板の対向面にそれぞれ設けられた膜体間に被成形
材を対面させて位置させ、膜体間に被成形材を収容した
密閉されたチャンバを形成し、被成形材を膜体に加圧さ
せることなくチャンバ内を1気圧以下に減圧し、この状
態から、膜体の間で被成形材を加圧すると共に加熱する
と、被成形材はボイドが発生することなく積層される。
積層が完了したら、膜体の間で被成形材を加圧すると共
に冷却手段によって冷却する。成形品は、積層時の熱が
冷まされて安定する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係る真空積層装置の一実
施の形態を図1乃至4に基づいて詳細に説明するが、発
明はこの実施の形態に限定されるものではない。なお、
図において同一符号は同一部分または相当部分とする。
【0015】本発明に係る真空積層装置は、図1に示す
ように、概略、相対向して近接遠退可能に設けられた上
板1および下板2と、該上板1および下板2の対向面に
それぞれ設けられた膜体3,4と、被成形材を加熱する
ための加熱手段5と、被成形材を冷却するための冷却手
段6と、上板1と下板2の膜体3,4に挟持されること
によって被成形材を収容するための密閉されたチャンバ
7を形成する枠体8と、該チャンバ7内を真空引きする
吸引手段(図示を省略した)と、任意に各膜体3,4
を、その設けられた上板1および下板2の対向面に密接
させると共に、その設けられた上板1および下板2の対
向面から離間させて被成形材を加圧する密着・加圧手段
(図示を省略した)とを備えている。この実施の形態に
おいては、上板1が固定され、下板2が昇降手段(図示
を省略した)によって支持され、上板1に対して下板2
が近接遠退移動するように構成されている。
【0016】上板1の下面には被成形材を加熱するため
の加熱手段5が断熱材11を介して設けられ、この加熱
手段5の下面には平滑な対向面を構成する上定盤12が
設けられている。また、上板1の下面には、膜体3が押
え部材13により上定盤12の平滑な下面に対して密着
・離間可能に設けられている。この実施の形態において
は、加熱手段5は、上定盤12および膜体3を介して被
成形材を加熱するように、電気ヒータが用いられている
が、これに限定されることなく、油や蒸気などの加熱流
体を循環させるための流路を形成してもよい。
【0017】上板1は、略矩形の平板状体からなるもの
で、略中央には密着・加圧手段に接続されるポートを有
する通路15が貫通するように穿設されている。断熱材
11の上板1と接する面には複数の溝16が格子状に断
熱材11の周側面に開放するように、且つ、通路15と
連通するように形成されている。膜体3は、伸縮性、可
撓性、耐熱性等を有する、例えばシリコンゴムやフッ素
ゴム(ゴム硬度Hs(JIS A):40乃至60程
度)等の素材からなるものである。押え部材13は、断
熱材11、加熱手段5、上定盤12の周囲を囲むことが
できる枠状のもので、ボルト17により上板1の下面に
取付けられ、膜体3の周縁部を上板1との間で挟んで固
定している。これにより、膜体3は、断熱材11、加熱
手段5、上定盤12を上板1と膜体3の間に密閉した状
態で収容している。押え部材13の厚みは、膜体3と同
一面を形成するように、断熱材11、加熱手段5、上定
盤12および膜体3を合わせた厚みと略同じに設定され
ている。そして、この実施の形態における密着・加圧手
段は、空気吸引装置および空気圧縮装置から構成されて
なるもので、上板1と膜体3との間の密閉された空間の
空気を吸引することにより膜体3を上定盤12に密着さ
せ、あるいは、上板1と膜体3との間の密閉された空間
に圧縮空気を供給することにより膜体3を膨らませて上
定盤12から離間させ、被成形材を膜体4との間で加圧
させる。
【0018】これらの構成により、ポートに接続された
密着・加圧手段を作動させると、吸引・加圧作用は、通
路15、溝16を介して断熱材11の周側面から膜体3
全体に及ぶこととなる。なお、この実施の形態において
は、溝16を断熱材11の上板1に接する面に形成した
が、上板1の断熱材11に接する面に形成することもで
きる。また、密着・加圧手段は、空気吸引装置および空
気圧縮装置に限定されることなく、膜体3を上定盤12
に対して密着・離間させることができるものであれば、
例えば磁力の極性による吸着・反発力を用いる等、他の
方法を用いることもできる。
【0019】下板2の上面には、平滑な対向面を構成す
る下定盤20が設けられ、膜体4が枠体8により下定盤
20の平滑な上面に対して密着・離間可能に設けられて
いる。また、下板2の内部には被成形材を冷却するため
の冷却手段6が設けられている。膜体4は、上板1の膜
体3と同様の、伸縮性、可撓性、弾性、耐熱性等を有す
る素材が用いられている。
【0020】下板2は、上板1と同様に、略矩形の平板
状体からなるもので、略中央にはポートを有する通路2
2が貫通するように穿設されており、この通路22のポ
ートには、上板1と同様の密着・加圧手段が接続され
る。また、下定盤20の下板2に接する面には、上板1
の断熱材11と同様の複数の溝23が格子状に下定盤2
0の周側面に開放するように、且つ、通路22と連通す
るように形成され、さらに、各溝23には下定盤20の
上面に開口する複数の通路24が形成されている。
【0021】枠体8は、下定盤20の周囲を囲む上板1
の押え部材13とほぼ同じ大きさを有するもので、ボル
ト25により下板2の上面に取付けられ、膜体4の周縁
部を下板2との間で挟んで固定している。これにより、
膜体4は、下定盤20を下板2との間に密閉した状態で
収容している。
【0022】この構成により、密着・加圧手段を作動さ
せると、吸引・加圧作用は、通路22、溝23および通
路24を介して下定盤20の周側面および上面全体から
膜体4全体に及び、下板2と膜体4との間の密閉された
空間の空気を吸引し、あるいは下板2と膜体4との間の
密閉された空間に圧縮空気を供給することにより、膜体
4を下定盤20の上面に対して確実に密着・離間させる
こととなる。なお、この実施の形態においても、溝23
を下定盤20の下板2に接する面に形成したが、下板2
の下定盤20に接する面に形成することもできる。
【0023】枠体8の高さ(厚み)は、下板2が上板1
に対して近接移動され、枠体8が上板1と下板2の間に
挟持された際に、膜体3,4の間に被成形材を収容する
ための適切なチャンバ7を形成することができるように
設定されている。また、枠体8の上面には、その全周に
わたって溝30が形成され、この溝内に、下板2が上板
1に対して近接移動されてチャンバ7が形成された際に
チャンバ7の気密性を保持するために上板1の押え部材
13と当接するクッション・シール材31が保持されて
いる。クッション・シール材31は、断面円形の棒条に
形成された環状のもので、溝30は、開口の幅がクッシ
ョン・シール材31の直径よりもわずかに小さく、底の
幅が開口の幅よりもわずかに大きく形成されている。
【0024】下板2の内部には、下定盤20および膜体
4を介して被成形材が不用意に加熱されないように、ま
た、積層された成形品を安定させるようにするための冷
却手段6として、冷却水循環供給路が形成されている。
この冷却水循環供給路6に供給される冷却流体として
は、水に限定されることなく、空気やガス等、他の冷却
流体を用いることができる。
【0025】チャンバ7内を真空引きする吸引手段は、
上板1の押え部材13内に形成された通路32に接続さ
れる。この通路32は、下板2が上板1に対して近接移
動されて枠体8が上板1と下板2の間に挟持された際に
形成されるチャンバ7内に連通するように、下板2の枠
体8に設けられたクッション・シール材31が当接され
る位置よりも内側に開口する脱気口33が形成されてい
る。
【0026】次に、以上のように構成された真空積層装
置を用いて、本発明に係る真空積層方法の一実施の形態
を、図2乃至4に基づいて説明する。
【0027】この実施の形態における真空積層方法は、
概略、膜体3,4の間に被成形材を配置し、下板2を上
板1に対して近接移動させることにより枠体8を上板1
と下板2の間に挟持して密閉されたチャンバ7を形成
し、密着・加圧手段により膜体3,4を上定盤12およ
び下定盤20に密着させ、この状態で吸引手段により密
閉されたチャンバ7を減圧し、密着・加圧手段により膜
体4を下定盤20から離間するように膨らませて膜体3
との間で被成形材を加熱・加圧し、密着・加圧手段によ
り膜体3を上定盤12から離間するように膨らませて膜
体4との間で被成形材を冷却・加圧するものである。
【0028】被成形材Hは、例えば、積層基板やフレキ
シブル積層基板に支持体フィルムおよび感光層からなる
フィルム状フォトレジスト形成層を積層する場合のよう
に、複数の板状、シート状あるいはフィルム状材料から
なるもので、熱可塑性もしくは熱硬化性樹脂製フィルム
同士、または該フィルム状物と基材、例えば木材板、金
属板、有機材料、無機材料もしくは複合材料からなるシ
ートとを貼り合わせるためにも適用できることはいうま
でもない。ここで、上記フィルム状物同士の積層は同種
または異種のものを2層または3層以上で行われてもよ
く、基材へのフィルム状物の積層は基材の片面のみ、ま
たは両面に行われてもよい。この実施の形態の場合にお
いては、被成形材Hは、連続したフィルム(図示を省略
した)に支持され、互いに近接離間した状態、あるいは
接触した状態で膜体3,4の間に供給配置される。下板
2を上板1に対して近接移動させると、図2に示すよう
に、枠体8のクッション・シール材31が被成形材Hを
支持しているフィルムを挟んだ状態で上板1の押え部材
13と当接し、密閉されたチャンバ7が形成される。
【0029】次に、密着・加圧手段を作動させて上板1
と膜体3との間の空間および下板2と膜体4との間の空
間の空気を吸引することにより、膜体3,4は上定盤1
2および下定盤20に密着する。そして、この状態で吸
引手段を作動してチャンバ7内の空気を吸引すると、被
成形材Hは、膜体3,4に加圧されることなくその周囲
が減圧される。なお、密着・加圧手段による上板1と膜
体3との間の空間および下板2と膜体4との間の空間の
吸引力は、チャンバ7内の減圧により膜体3,4が上定
盤12および下定盤20から離間しないように設定され
ていることが望ましい。
【0030】チャンバ7内の減圧が完了したら、図3に
示すように、密着・加圧手段による下板2と膜体4との
間の空間の吸引を停止して圧縮空気を供給し、膜体4を
下定盤20から離間するように膨らませて被成形材Hを
膜体3との間で加圧する。このとき、膜体3には上定盤
12を介して加熱手段5の熱が伝播されており、各被成
形材Hは加圧と共に加熱されて積層されることとなる。
【0031】被成形材Hの積層が完了したら、密着・加
圧手段により、上板1と膜体3との間の空間の空気の吸
引を停止して圧縮空気の供給を行った後、下板2と膜体
4との間の空間への圧縮空気の供給を停止して空気を吸
引し、図4に示すように、膜体3を上定盤12から離間
するように膨らませて被成形材Hを膜体4との間で加圧
する。このとき、膜体4には下定盤20を介して冷却手
段6による冷却熱が伝播されており、積層された成形品
は加圧と共に冷却されて必要以上の加熱が防止されるこ
とにより安定した状態となる。
【0032】成形品の冷却が完了したら、密着・加圧手
段による下板2と膜体4との間の空間への圧縮空気の吸
引、および上板1と膜体3との間の空間への圧縮空気の
供給を停止し、通路32を介して大気に連通することに
よりチャンバ7内の減圧を解除し、下板2を上板1から
離間させるように下降させ、成形品を取り出す。
【0033】次に、本発明に係る真空積層装置の別の実
施の形態を図5に基づいて説明する。なお、この実施の
形態の説明において、上述した実施の形態と同様または
相当する部分については同じ符号を付し、その説明を省
略する。
【0034】この実施の形態における上板1は、その下
面に断熱材11、加熱手段5、上定盤12を収容する凹
部40が形成されている。この凹部40は、上定盤12
が凹部40の周囲の面と同一面を形成するような深さ
に、そして、断熱材11、加熱手段5、上定盤12の周
側面との間に間隙41を有するように形成されている。
膜体3は、その周縁が上板1の側面にボルト42により
固定されている。この実施の形態の場合における膜体3
は、上述した実施例と比較して加圧された際の伸びが小
さく、また、周縁が上板の側面に固定されていることに
より自重で垂れ下がらないようにするため、耐熱クロス
等の補強材を有するものであることが望ましい。
【0035】また、吸引手段が接続される通路32は下
板2に取付けられた枠体8内に形成されており、下板2
を上板1に対して近接移動して枠体8を上板1と下板2
の間に挟持することにより形成されるチャンバ7内に連
通して真空引きすることができるように、通路32の脱
気口33は、枠体8のクッション・シール材31を保持
する溝30の内側に開口するように形成されている。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、熱硬化性樹脂からなる
被成形材を積層する場合に被成形材を加圧する前に硬化
反応が進行することがなく、また、熱可塑性樹脂を積層
する場合に加圧される前に被成形材の可塑化が進行し過
ぎることにより、しわが発生したり位置合わせ等の精度
が低下することがない。さらに、積層が完了した後も加
熱時の熱が被成形材に残っていたりチャンバ内の輻射熱
の影響を受けることがなく、被成形材に応じて安定して
接着された積層品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る真空積層装置の一実施の形態を示
す断面図である。
【図2】図1に示した真空積層装置において、被成形材
をチャンバ内に収容した状態を示す部分拡大図である。
【図3】図2の状態から被成形材を加熱・加圧する状態
を示す部分拡大図である。
【図4】図3の状態から被成形材を冷却・加圧する状態
を示す部分拡大図である。
【図5】本発明に係る真空積層装置の別の実施の形態を
示す断面図である。
【符号の説明】
1 上板 2 下板 3,4 膜体 5 加熱手段 7 冷却手段 8 枠体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B29K 105:06 B29K 105:06 B29L 31:34 B29L 31:34

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対向して近接遠退可能に設けられた上
    板および下板と、該上板および下板の対向面にそれぞれ
    設けられた膜体と、上板または下板のいずれか一方の膜
    体を加熱するように設けられた加熱手段と、上板または
    下板のいずれか他方の膜体を冷却するように設けられた
    冷却手段と、上板と下板の膜体に挟持されることによっ
    て被成形材を収容するための密閉されたチャンバを形成
    する枠体と、該チャンバ内を真空引きする吸引手段と、
    任意に各膜体を、その設けられた上板および下板の対向
    面に密接させると共に、その設けられた上板および下板
    の対向面から離間させて被成形材を加圧する密着・加圧
    手段とを備えてなる真空積層装置。
  2. 【請求項2】 相対向して近接遠退可能に設けられた上
    板および下板の対向面にそれぞれ設けられた膜体間に
    成形材を対面させて位置させ、膜体間に被成形材を収容
    した密閉されたチャンバを形成し、被成形材を膜体に加
    圧させることなくチャンバ内を1気圧以下に減圧し、次
    いで、チャンバ内の減圧を維持しつつ膜体によってその
    間で被成形材を加圧すると共に上板または下板のいずれ
    か一方の膜体を加熱するように設けられた加熱手段によ
    って被成形材を加熱して貼り合わせ、その後、さらにチ
    ャンバ内の減圧を維持しつつ膜体によってその間で被成
    形材を加圧すると共に上板または下板のいずれか他方の
    膜体を冷却するように設けられた冷却手段によって被成
    形材を冷却することを特徴とする真空積層方法。
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