JP3239549B2 - 半導体用セラミックス放熱体およびその製造方法 - Google Patents

半導体用セラミックス放熱体およびその製造方法

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JP3239549B2
JP3239549B2 JP21231693A JP21231693A JP3239549B2 JP 3239549 B2 JP3239549 B2 JP 3239549B2 JP 21231693 A JP21231693 A JP 21231693A JP 21231693 A JP21231693 A JP 21231693A JP 3239549 B2 JP3239549 B2 JP 3239549B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体用セラミックス
放熱体およびその製造方法に関する。より詳細には、I
CチップやLSIチップ等のチップを搭載するヒートシ
ンクに取り付けられる冷却用放熱体および製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化、軽量化、高速
化が進むにつれ、回路基板上の電子素子の実装密度が高
くなり、放熱を効率的に行うことおよび熱ストレスに対
しての信頼性に対する要求も高くなってきた。この対策
として、金属製冷却フィンを装着した絶縁基材からなる
放熱体に電子素子を搭載し、電子素子が発生する熱を冷
却フィンから放熱させる手法が採用されている。
【0003】上記の放熱体の冷却フィンには、金属以外
にも窒化アルミニウム(AlN)焼結体が使用されてき
た。AlN焼結体は、熱伝導率が高く、熱放熱性に優れて
いると、共に、高い絶縁性を有し、さらに熱膨張係数が
電子素子とほぼ一致する。従って、IC、トランジスタ
等の電子素子を直接搭載することが可能であり、上記の
放熱体の素材として金属よりも適している点が多い。
【0004】従来AlN放熱体を製造する場合には、AlN
放熱体の縦、横、高さよりも大きな寸法のむくのAlN焼
結体ブロックを切削加工あるいは研磨加工して冷却フィ
ンを形成していた。
【0005】また、加工効率を向上させるため、特開平
5−6948号公報に開示されている方法では、図8(a)に
示すよう、貫通した溝52が形成されたAlN焼結体ブロッ
ク50を作製し、一端を切断することにより図8(b)に示
すようなフィン53を有するAlN放熱体51を作製してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の製造方法で
は、むくのAlN焼結体ブロックを切削・研磨して冷却フ
ィンを形成するので極めて加工効率が悪かった。また、
切削加工時あるいは研磨加工時にAlN焼結体に欠けやク
ラックあるいは割れといった破損が生じる可能性が高
く、歩留低下の原因となっていた。さらに、切削部分が
多く、材料コストが余分に加わり、コスト上昇の原因と
なっていた。
【0007】また、特開平5−6948号公報に開示されて
いる方法では、平行に配置された板状のフィン部を有す
る放熱体を作製することは可能であるが、複雑な形状の
フィン部を有する放熱体を作製することはできない。し
かしながら、熱設計、機械設計等から複雑な形状のフィ
ン部を有する放熱体が要求されることがある。
【0008】そこで本発明の目的は、上記従来技術の問
題点を解決した新規な構成の半導体用AlN放熱体および
その製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に従うと、AlNを
主成分とする焼結体でそれぞれ構成された、板状のベー
ス部と、ベース部の一面上に配置された複数のフィン部
とを備える半導体用セラミックス放熱体において、ベー
ス部とフィン部とが別々の部材であり、AlNを主成分と
するペーストの焼成体により接合されていて、このペー
ストの焼成体が10重量%以上99.9重量%以下のAlNを含
ことを特徴とする半導体用セラミックス放熱体が提供
される。
【0010】
【0011】さらに本発明の半導体用セラミックス放熱
体は、フィン部が、複数の部材から構成されていても、
一体の部材で構成されていてもよい。ベース部は、メタ
ライズまたはめっきされていることが好ましい。また、
メタライズおよびめっきの両方の処理が施されていても
よい。この場合、メタライズの主成分が、W、Mo、Au、
Ag、Pt、Ti、Pd、Cu、Ni、Al、PbまたはSnであることが
好ましく、めっきの主成分が、Ni、Au、Cr、Co、Cu、A
g、AlまたはSnであることが好ましい。
【0012】また、本発明においては、上記本発明の半
導体用セラミックス放熱体を製造する方法として、互い
に別の部材からなるベース部およびフィン部の少なくと
も一方に無機成分が10重量%以上99.9重量%以下のAlN
を含むペーストを塗布する工程と、ベース部上にフィン
部を配置する工程と、ペーストを焼成してベース部とフ
ィン部とを接合する工程とを含むことを特徴とする製造
方法が提供される。
【0013】本発明の方法では、ベース部およびフィン
部の部材の両方が、AlNを主成分とする焼結体部材であ
ってもよいし、AlNを主成分とする未焼結の成形体であ
ってもよい。また、ベース部およびフィン部の部材のい
ずれか一方を、AlNを主成分とする未焼結の成形体とす
ることもできる。部材に未焼結の成形体を使用した場合
は上記のペーストの焼成工程の際に同時に焼成されるこ
とが好ましい。
【0014】
【作用】本発明の半導体用セラミックス放熱体は、AlN
を主成分とするセラミックスのベース部とフィン部とが
別の部材でそれぞれ構成されており、両者が接合手段で
接合されている。また、本発明の方法では、それぞれ別
部材のベース部とフィン部との少なくとも一方に、AlN
を主成分とするペーストを塗布する工程と、ベース部上
にフィン部を配置する工程と、ペーストを焼成してベー
ス部とフィン部とを接合する工程とを含む。従って、本
発明の半導体用セラミックス放熱体は、切削加工を行わ
ずに製造できるので、高い効率で製造可能であり、ま
た、材料の無駄がほとんどない。また、フィン部の形状
が複雑な放熱体も容易に作製することができる。
【0015】本発明の半導体用セラミックス放熱体で
は、ベース部とフィン部とをAlNを主成分とするペース
トを使用して接合することが好ましい。このペースト
は、無機成分の10重量%以上99.9%以下のAlNを含むこ
とが好ましい。ペーストの無機成分中に含まれるAlNが
10重量%以下の場合、接合部の熱抵抗が大きくなり、熱
特性が劣化するために好ましくない。また、ペーストの
無機成分中に含まれるAlNが99.9重量%を越える場合、
AlNペーストの焼結が阻害されるため好ましくない。ま
た、密着性を向上させるために、微量のMg、Ti等の金属
をAlNペーストに加えることもできる。
【0016】本発明で使用するAlNペーストは、ベース
部、フィン部との濡れ性に優れ、良好な密着強度が得ら
れる。さらに、焼成後のペーストは、AlNを主成分とす
る焼成体となるので、ベース部およびフィン部と比較し
た場合に熱膨張係数の差が小さい。従って、ベース部と
フィン部の間に働く熱応力も小さく、熱サイクルおよび
熱衝撃に対する接合信頼性が高い。
【0017】本発明の方法において、ベース部、フィン
部の部材はプレス法で成型してもよいし、ドクターブレ
ード法により作製してもよい。本発明の方法では、それ
ぞれの部材は、未焼結のままペーストを塗布し、ベース
部の部材上にフィン部の部材を配置して同時焼成して本
発明のセラミックス放熱体を製造してもよい。一方、本
発明の方法では、プレス成型、あるいはドクターブレー
ド法で作製したシートを成型した成型体を焼成して焼結
部材とし、ペーストを塗布してベース部の部材上にフィ
ン部の部材を配置してペーストのみを焼成して、本発明
のセラミックス放熱体を製造することもできる。
【0018】本発明の方法において、ペーストは、フィ
ン部あるいはベース部いずれか、あるいは両方の互いに
接触する箇所に塗布すればよい。AlNペーストの塗布は
パッド印刷、刷毛塗りスクリーン印刷等が好ましく用い
られる。AlNペーストには、粘度調整の為、必要に応じ
て希釈剤、分散剤等を加えても良い。
【0019】本発明の方法では、ペーストに加える焼結
助剤の種類および添加量を選択することにより焼成温度
を調節できる。すなわち、焼結助剤を、公知のアルカリ
土類金属酸化物および希土類酸化物から選択することに
より、1400℃〜2100℃程度の焼結温度にすることが可能
である。この場合、焼成により酸化物を生成する化合物
を好適に用いることができる。
【0020】本発明のセラミックス放熱体は、ベース部
がメタライズまたはめっきされていることが好ましい。
また、メタライズおよびめっきの両方の処理が施されて
いてもよい。ベース部にメタライズ処理またはめっき処
理が施されている場合、ベース部は金属との濡れ性が向
上する。従って、半導体素子を搭載する金属枠を、ろう
付け等により容易にベース部に接合できる。このよう
に、ベース部に半導体素子を搭載する金属枠が接合され
ている場合には、ベース部はヒートシンクとしての機能
も有する。本発明のセラミックス放熱体では、ベース部
上にフィン部が配置されているので、従来のようにヒー
トシンクとフィンを樹脂接着剤、ネジ止め等で接合する
必要がない。
【0021】上記メタライズの主成分は、W、Mo、Au、
Ag、Pt、Ti、Pd、Cu、Ni、Al、PbまたはSnであることが
好ましく、めっきの主成分は、Au、Ag、Ni、Cr、Co、C
u、AlまたはSnであることが好ましい。メタライズの成
分としてW、Moが好ましいのは、これらの金属の熱膨張
係数がAlNとほぼ等しく、メタライズ層を形成したとき
に、熱膨張係数の差により剥離したり、クラックが入る
ことがないからである。また、Au、Ag、Pt、Ti、Pd、C
u、Ni、Al、PbまたはSnは、導電性および金属との濡れ
性を向上するので好ましい。一方、めっきの場合、めっ
き層の形成し易さと、導電性および金属との濡れ性を向
上させるという点からAu、Ag、Ni、Cr、Co、Cu、Alまた
はSnが好ましい。
【0022】上記のメタライズの方法としては、上記の
金属の粉末を含んだペーストをスクリーン印刷、ドッテ
ィング、パッド印刷または刷毛塗り等が好ましい。ま
た、めっき層は、上記の金属を含んだめっき浴槽にベー
ス部を投入し、電解または無電解めっきで形成すること
が好ましい。
【0023】
【実施例】
実施例1 本発明の方法により、本発明のAlN放熱体を製造した。
図1(a)および(b)を参照してその工程を説明する。図1
(a)および(b)は、本発明の方法により本発明のAlN放熱
体を製造する工程におけるAlN放熱体の立面図である。
最初に図1(a)に示すよう、50mm×50mm、厚さ2mmのAl
N焼結体のベース部1の表面に、AlNとCaOとを重量比
9:1で含み、さらに有機ビヒクルおよび有機溶剤を含
むペースト2を50μmの厚さで平行線をなすよう塗布し
た。次に、図2に示す平行な溝13を有する治具10を使用
して、ベース部1に塗布したペースト2上に、フィン部
となる20mm×50mm厚さ2mmのAlN焼結体板3を図1(b)
に示すよう配置し、1600℃の非酸化雰囲気で焼成し、本
発明のAlN放熱体が完成した。
【0024】上記本発明の方法で、本発明のAlN放熱体
を製造するのに必要なAlN粉末は56gであった。しかし
ながら、同一形状の放熱体を50mm×50mm×22mmのAlN焼
結体から切削および研磨加工により製造する場合、AlN
粉の使用量は 180gであった。従って、本発明により大
幅に原料費を低減することができる。また本発明によれ
ば切削および研磨加工を行わずに製品形状に加工できる
ので、加工費のコストが低減される。さらに、切削加工
時に発生するフィン部の割れや欠けもなくなるため歩留
も向上する。
【0025】上記本発明の方法で製造した本発明のAlN
放熱体のフィン部とベース部の接合強度を測定した。フ
ィン部に接合強度評価用の治具を設置し、引っ張り強度
を測定した結果、接合強度は 1.5kg/cm2 以上であるこ
とが判明した。
【0026】また、上記本発明の方法で製造した本発明
のAlN放熱体に−65℃〜 150℃の熱履歴を加え15サイク
ルの熱衝撃試験に課した後、上述の方法で接合強度の測
定を行った。その結果、熱衝撃後のフィン部とベース部
強度は、 1.4kg/cm2 以上であることが判明した。
【0027】さらに上記本発明の方法で製造した本発明
のAlN放熱体にSiチップを搭載したアルミナのパッケー
ジをシリコン樹脂により接着し、風速1m下でチップを
発熱させ熱抵抗を測定した。その結果、本発明のAlN放
熱体は、θja= 6.5K/Wの熱抵抗を示した。また、比
較として、熱伝導率 120W/m・KのAlN焼結体のブロ
ックから、上記本発明のAlN放熱体と同一形状の放熱体
を従来の切削加工により製造し、同様の評価方法によ
り、熱抵抗を測定した。その結果、従来のAlN放熱体の
熱抵抗は 6.6K/Wであり、本発明のAlN放熱体は、従
来のものとほとんど同じ熱特性を示すことがわかった。
【0028】実施例2 本発明の他の方法により、本発明の他の構成のAlN放熱
体を製造した。図3(a) および(b)を参照してその工程
を説明する。図3(a)および(b)は、図1(a)および(b)同
様、本発明の方法により本発明のAlN放熱体を製造する
工程におけるAlN放熱体の立面図である。最初に、図3
(a)に示すよう、60mm×60mm、厚さ2.4mmのAlNグリーン
シート4の表面全体に、AlNとY23とを重量比97:3
で含み、さらに有機ビヒクルおよび有機溶剤を含むペー
スト2を50μmの厚さで塗布した。次に、一体に成形し
た24mm×60mm厚さ 2.4mmフィン部のAlNのグリーンシー
ト5を、図3(b)に示すよう配置した後、1800℃の非酸
化雰囲気で焼成して本発明のAlN放熱体が完成した。
【0029】本実施例においても、本発明の方法で、本
発明のAlN放熱体を製造するのに必要なAlN粉末は56g
であった。また、同一形状の放熱体を50mm×50mm×22mm
のAlN焼結体から切削および研磨加工により製造する場
合、AlN粉の使用量は 180gであった。本実施例のAlN
放熱体に対しても、実施例1と等しい特性評価試験を行
った。その結果、本実施例のAlN放熱体のフィン部とベ
ース部との接合強度は、 1.7kg/cm2 以上であることが
判明した。また、熱衝撃試験後のフィン部とベース部と
の接合強度は、 1.6kg/cm2 以上であることがわかっ
た。さらに熱抵抗は、θja= 7.8K/Wであり、熱伝導
率 120W/m・KのAlN焼結体ブロックより切削加工で
製造した同一形状のものと等しい値を示した。
【0030】実施例3 実施例1と等しい形状の本発明のAlN放熱体を、重量比
95:5で混合されたAlNとY23との混合粉末を50重量
%含み、残りが有機ビヒクルと溶剤とからなるペースト
を使用して製造した。このペーストを40μmの厚さに塗
布し、フィン部となるAlN板を実施例1と同様の形状に
配置した後、1600℃の非酸化雰囲気で焼成して、本発明
のAlN放熱体が完成した。本実施例のAlN放熱体フィン
に対しても、実施例1および2と同様に特性を測定し
た。その結果、熱衝撃試験前後の熱抵抗は、それぞれθ
ja= 6.4K/W、 7.7K/Wであり、ほとんど変化しな
かった。
【0031】比較例1 実施例1と等しい形状の本発明のAlN放熱体を、AlN、
Al23およびY23を重量比8:41:41で含み、さらに
有機ビヒクルおよび有機溶剤を含むペーストを使用して
製造した。このペーストを50μmの厚さに塗布し、フィ
ン部となるAlN板を実施例1と同様の形状に配置した
後、1700℃の非酸化雰囲気で焼成して、本発明のAlN放
熱体が完成した。本実施例のAlN放熱体フィンに対して
も、実施例1〜3と同様に特性を測定した。その結果、
熱衝撃試験前後の熱抵抗は、それぞれθja=10.6K/
W、12.5K/Wであり、いずれの熱抵抗も各実施例に比
較して著しく劣っていた。
【0032】比較例2 実施例1と等しい形状の本発明のAlN放熱体を、AlNお
よびY23を重量比99.95:0.05で含み、さらに有機ビ
ヒクルおよび有機溶剤を含むペーストを使用して製造し
た。このペーストを50μmの厚さに塗布し、フィン部と
なるAlN板を実施例1と同様の形状に配置した後、2100
℃の非酸化雰囲気で焼成して、本発明のAlN放熱体が完
成した。本実施例のAlN放熱体フィンに対しても、実施
例1〜3と同様に特性を測定した。その結果、熱衝撃試
験前後の熱抵抗は、それぞれθja=11.2K/W、13.1K
/Wであり、いずれの熱抵抗も各実施例に比較して著し
く劣っていた。
【0033】実施例4 図4(a)〜(c)および図5を参照して、本発明のAlN放熱
体のさらに別の構成のものを、本発明の方法で製造する
工程を説明する。図4(a)〜(c)は、本発明の方法により
本発明のAlN放熱体を製造する工程におけるAlN放熱体
の斜視図である。最初に、図4(a)に示すよう、実施例
1で使用したものと等しい50mm×50mm、厚さ2mmのAlN
焼結体のベース部1の表面に、AlNとCaOとを重量比
9:1で含み、さらに有機ビヒクルおよび有機溶剤を含
むペースト2を50μmの厚さで全面に塗布した。
【0034】次に、図5に示す溝13を有する治具10を使
用して、ベース部1に塗布したペースト2上に、図4
(b)に示す形状に加工されたAlN焼結体板3を図4(c)に
示すよう配置し、1600℃の非酸化雰囲気で焼成して本発
明のAlN放熱体が完成した。
【0035】本実施例において、本発明の方法で、本発
明のAlN放熱体を製造するのに必要なAlN粉末は82gで
あった。また、同一形状の放熱体を50mm×50mm×25mmの
AlN焼結体から切削および研磨加工により製造する場
合、AlN粉の使用量は 205gであった。従って、本発明
の方法により、大幅に使用原料を少なくすることができ
る。また本発明によれば切削および研磨加工を行わずに
製品形状に加工できるので、加工費のコストが低減され
る。さらに、切削加工時に発生するフィン部の割れや欠
けもなくなるため歩留も向上する。
【0036】本実施例のAlN放熱体に対しても、実施例
1と等しい特性評価試験を行った。その結果、本実施例
のAlN放熱体のフィン部とベース部との接合強度は、
1.8kg/cm2 以上であることが判明した。さらに熱抵抗
は、θja= 6.9K/Wであり、本実施例のAlN放熱体に
使用したものと等しい熱伝導率を有するAlN焼結体ブロ
ックより切削加工で製造した同一形状のものと等しい値
を示した。さらに、本発明に従えば、図6に示すよう
な、円柱状のフィン部30がベース部1上に配置された複
雑な形状で、AlN焼結体で作製することが困難である放
熱体も容易に作製可能である。
【0037】実施例5 図7(a)〜(c)を参照して、本発明のAlN放熱体のさらに
別の構成のものを、本発明の方法で製造する工程を説明
する。図7(a)〜(c)は、本発明の方法により本発明のAl
N放熱体を製造する工程におけるAlN放熱体の断面図で
ある。最初に、図7(a)に示すよう、実施例1で使用し
たものと等しい50mm×50mm、厚さ2mmのAlN焼結体のベ
ース部1の表面に、AlNとCaOとを重量比85:15で含
み、さらに有機ビヒクルおよび有機溶剤を含むペースト
2を50μmの厚さで平行線をなすよう塗布した。また、
ベース部1の裏面には、Wを主成分とし、有機ビヒクル
および有機溶剤を加えてなるペースト6を45μmの厚さ
に塗布した。
【0038】次に、実施例1と同様、図2に示す平行な
溝13を有する治具10を使用して、ベース部1に塗布した
ペースト2上に、フィン部となる20mm×50mm厚さ2mmの
AlN焼結体板3を図7(b)に示すよう配置し、1650℃の
非酸化雰囲気で焼成した。この焼成により、ベース部1
の裏面に塗布されたペースト6は、メタライズ層になっ
た。このメタライズ層上に厚さ5μmのNiメッキを施
し、さらに金属枠8を設けた後、Siチップ7を搭載し
た。
【0039】
【発明の効果】以上詳述のように、本発明に従えば、ベ
ース部とフィン部とが別体で、互いに接合されて構成さ
れるAlN放熱体およびその製造方法が提供される。本発
明の方法で製造される本発明のAlN放熱体は、低コスト
で製造可能であり、また生産効率も高く、割れや欠け等
の不良発生の確率が低いので、歩留りが高く、信頼性も
高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は、本発明の方法で本発明のAlN
放熱体を製造する工程を説明する図である。
【図2】図1(a)および(b)に示した本発明の方法で本発
明のAlN放熱体を製造する場合に使用する治具の斜視図
である。
【図3】(a)および(b)は、本発明の他の方法で本発明の
他の構成のAlN放熱体を製造する工程を説明する図であ
る。
【図4】(a)〜(c)は、本発明のさらに別の方法で本発明
のさらに別のAlN放熱体を製造する工程を説明する図で
ある。
【図5】図4(a)〜(c)に示した本発明の方法で本発明の
AlN放熱体を製造する場合に使用する治具の斜視図であ
る。
【図6】本発明のさらに別のAlN放熱体の斜視図であ
る。
【図7】(a)〜(c)は、本発明のさらに別の方法で本発明
のさらに別のAlN放熱体を製造する工程を説明する図で
ある。
【図8】(a)および(b)は、従来の方法で従来のAlN放熱
体を製造する工程を説明する図である。
【符号の説明】
1 ベース部 2 ペースト 3 AlN焼結体板 4 ベース部のAlNグリーンシート 5 フィン部のAlNグリーンシート 7 半導体素子 8 金属枠
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仲田 博彦 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住 友電気工業株式会社伊丹製作所内 (56)参考文献 特開 平3−36754(JP,A) 特開 平2−149470(JP,A) 特開 平2−226749(JP,A) 特開 平5−6948(JP,A) 特開 平2−18371(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 23/34 - 23/473

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 AlNを主成分とする焼結体でそれぞれ構
    成された、板状のベース部と、ベース部の一面上に配置
    された複数のフィン部とを備える半導体用セラミックス
    放熱体において、ベース部とフィン部とが別々の部材で
    あり、AlNを主成分とするペーストの焼成体により接合
    されていて、このペーストの焼成体が10重量%以上99.9
    重量%以下のAlNを含むことを特徴とする半導体用セラ
    ミックス放熱体。
  2. 【請求項2】 前記フィン部が、複数の部材から構成さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の半導体用セ
    ラミックス放熱体。
  3. 【請求項3】 前記フィン部が、一体の部材で構成され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の半導体用セラ
    ミックス放熱体。
  4. 【請求項4】 前記ベース部が、メタライズおよび/ま
    たはめっきされていることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の半導体用セラミックス放熱体。
  5. 【請求項5】 前記メタライズの主成分が、W、Mo、A
    u、Ag、Pt、Ti、Pd、Cu、Ni、Al、PbまたはSnであるこ
    とを特徴とする請求項4に記載の半導体用セラミックス
    放熱体。
  6. 【請求項6】 前記めっきの主成分が、Ni、Au、Cr、C
    o、Cu、Ag、AlまたはSnであることを特徴とする請求項
    4または5に記載の半導体用セラミックス放熱体。
  7. 【請求項7】 AlNを主成分とする焼結体でそれぞれ構
    成された、板状のベース部と、該ベース部の一面上に配
    置された複数のフィン部とを備える半導体用セラミック
    ス放熱体の製造方法において、互いに別の部材からなる
    ベース部およびフィン部の少なくとも一方に無機成分が
    10重量%以上99.9重量%以下のAlNを含むペーストを塗
    布する工程と、ベース部上にフィン部を配置する工程
    と、ペーストを焼成してベース部とフィン部とを接合す
    る工程とを含むことを特徴とする製造方法。
  8. 【請求項8】 前記ベース部およびフィン部の部材が、
    AlNを主成分とする焼結体部材であることを特徴とする
    請求項7に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記ベース部およびフィン部の部材の少
    なくとも一方が、AlNを主成分とする未焼結の成形体で
    あり、前記ペーストを焼成する工程で同時に焼成される
    ことを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
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