JP3239532B2 - 電動機駆動装置 - Google Patents

電動機駆動装置

Info

Publication number
JP3239532B2
JP3239532B2 JP11138693A JP11138693A JP3239532B2 JP 3239532 B2 JP3239532 B2 JP 3239532B2 JP 11138693 A JP11138693 A JP 11138693A JP 11138693 A JP11138693 A JP 11138693A JP 3239532 B2 JP3239532 B2 JP 3239532B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
speed
motor
inverter
phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11138693A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06327286A (ja
Inventor
基生 二見
俊幸 安島
和雄 田原
直樹 山本
淳司 古郡
一好 松尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP11138693A priority Critical patent/JP3239532B2/ja
Publication of JPH06327286A publication Critical patent/JPH06327286A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3239532B2 publication Critical patent/JP3239532B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電動機の駆動装置に関
し、特に直流電源を交流に変換し、この交流の1相は通
流を行わない休止区間を持ち、通流区間内はPWMパル
ス変調信号により変調して可変速運転を行う120度通
電形インバータを用いた電動機駆動装置に関わる。
【0002】
【従来の技術】従来の120度通電形インバータ装置
は、特開昭62−171489号公報記載のように、巻線の通流
相を切り替える転流時に、それまで通流していた相の通
電を止める前に、次の相の通電を開始し、その後それま
で通流していた相の通電を終了する3相通電モードを追
加するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、3相
通電時により電流が増大して、この効果により転流時に
発生するトルクリプルを低減するものであった。しかし
ながら、電流の増大は3相通電状態の間のみであるた
め、電流の増大量の調整は、この3相通電モードの時間
調整により行い、また、局所的な電流の増大となる。こ
のため、3相通電時間が長すぎると局所的な電流の増大
が大きくなりすぎて電動機トルクに比例する電流の時間
変化率が増大する場合があった。
【0004】さらに、3相通電モードの時間と電流の持
ち上がり量との間には、非線形な関係があり、トルク変
動の大きさと3相通電モードの時間の関係を予測するこ
とが困難であった。
【0005】本発明の目的は、上記電流の時間変化率の
増大を抑え、かつ転流時に発生するトルクリプルの低
減、さらには、負荷や電動機速度が変化した場合にも転
流時に発生するトルクリプルを低減した電動機駆動装置
を提供することにある。
【0006】また、本発明の目的は、上記電動機駆動装
置を洗濯機の洗濯槽や脱水槽の駆動機とすることによ
り、槽の共振により発生する振動や騒音を低減すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、制御装置からの制御信号に基づいて直流
電源から1相の出力は電気角180度の間に一定の通電
休止区間を持つ3相以上の交流出力を得る120度通電
型インバータにより電動機を可変速駆動する電動機駆動
装置において、前記制御装置は、前記インバータの2相
通電区間内で尻上がりに電流を大きくさせる電流傾斜手
段を備えるようにした。
【0008】さらに、上記構成において、電流を検出す
る電流検出手段と、転流周期内の電流の傾斜量を指定す
る傾斜量指令手段を備え、前記電流検出手段により検出
した電流検出値の傾斜が前記傾斜量指令手段により出力
される傾斜量の差に応じて補正量を修正する補正量修正
手段、あるいは、検出した電動機回転速度や電動機負荷
に応じて補正量を修正する補正量修正手段を備えてい
る。
【0009】また、洗濯機の洗濯槽もしくは脱水槽の回
転駆動構成部に上記電動機駆動装置を用いたことを特徴
とする。
【0010】
【作用】以上のように構成した本発明の電動機駆動装置
は、通流率を補正することにより、転流直前の電流を通
流中から連続的に大きくし、転流時に発生するトルクの
時間変化率を減少することにより、転流時に発生するト
ルクリプルを低減することができる。
【0011】さらに、検出した電動機速度や負荷に応じ
て電流を大きくする量を変化させ、電動機速度や負荷の
変化時にも常に最適な電流値での転流を可能とすること
により、運転条件に応じた転流時のトルクリプルの低減
が実現できる。
【0012】さらに、電動機速度や負荷によらず、低ト
ルクリプルな運転ができる電動機駆動装置を用いて洗濯
機の可変速運転を行うことにより、機械的な共振点を避
けずに連続的な可変速運転を実現できる。
【0013】
【実施例】以下本発明の実施例を図1〜図5を用いて説
明する。
【0014】図1は本発明の一実施例における電動機駆
動装置構成図である。本発明による電動機駆動装置は、
直流電源102から120度通電型インバータ101を
介してブラシレス直流電動機103にパワーを供給す
る。電動機速度Nは速度検出手段109により検出し、
通流率発生装置104で速度指令装置107から出力さ
れる速度指令NRと比較し誤差が零となるように通流率
DT0を決定する。ここで、通流率DT0はパルス幅変
調信号の周期をT、そのうち巻線に電圧を印加している
時間をTonとすると、DT0=Ton/Tで与えられ
る。以下通流率はこの巻線への電圧印加時間の比率をい
う。補正装置108では通流率DT0に対し電流が傾斜
するように補正を加え通流率DTを作成する。変調装置
105はインバータのドライブ信号に対し通流率DTで
変調を行いパルス幅変調信号PDを出力し、このパルス
幅変調信号PDに応じてドライブ回路106でインバー
タのスイッチング素子を駆動するドライブ信号DVを発
生する。インバータ101はドライブ信号DVによりチ
ョッパ動作を行い電動機に流れる電流を調整し、電動機
が指令速度NRで回転するように制御する。
【0015】以下各要素について更に詳細に説明する。
【0016】120度通電型インバータ101はスイッ
チング素子T1〜T6およびダイオードD1〜D6によ
りブラシレス直流電動機103の3相巻線1Ia〜1I
cに接続されている。スイッチング素子T1,T2およ
びT3は電動機巻線を直流電源102の正側端子に接続
されておりこれらをオンすることにより電動機巻線に正
電圧を印加する。スイッチング素子T4,T5およびT
6は電動機巻線を直流電源102の負側端子に接続され
ておりこれらをオンすることにより電動機巻線に負電圧
を印加する。
【0017】ドライブ回路106はこれらのスイッチン
グ素子をオン・オフするための制御信号である6本のド
ライブ信号DVを出力する。
【0018】速度検出手段109は電動機の速度Nを検
出し出力する。速度検出手段109としては、ホールセ
ンサにより電動機の磁極位置を検出し、この磁極位置よ
り速度を検出するタイプのものや、電動機巻線に発生す
る逆起電力を検出し、この逆起電力より速度を検出する
タイプのもの等を用いることができる。
【0019】速度指令装置107は電動機の回転すべき
速度である速度指令NRを出力する。
【0020】通流率発生装置104は前記速度指令NR
と電動機の検出速度Nの差が零となるように通流率DT
0を決定し出力する。即ち速度Nが速度指令NRより大
きいときは通流率を小さくし、逆に速度Nが速度指令N
Rより小さいときは通流率を大きくすることによって電
動機の平均トルクを調節して加減速を行い速度を制御す
る。
【0021】補正装置108は後述のように巻線電流の
平均電流に対して尻上がりに大きくなるよう傾斜させて
通流率DT0に対して補正を行って通流率DTを作成す
る。変調装置105は通流率DTに応じてパルス幅変調
信号PDを作成し、出力する。
【0022】ドライブ回路106はパルス幅変調信号P
Dに応じてインバータのT1〜T6のスイッチング素子
をオン/オフするドライブ信号DVを作成し、この信号
に従って電動機の3相1Ia,1Ib,1Icに印加す
る電圧を調整して平均トルクを制御する事によって速度
制御を実現する。
【0023】図2は本発明の一実施例における動作説明
図であり、3相の巻線電流(Ia,Ib,Ic)及びト
ルク分電流(IT)について示している。トルク分電流
ITは電動機の3相に流れている電流の絶対値の和であ
り、120度通電型インバータにより駆動される電動機
では電動機の逆起電力のピーク付近でトルクを発生して
いるため、電流通流時の逆起電力は比較的フラットであ
り電動機トルクはほぼこのトルク分電流に比例したもの
となる。本発明の一実施例では補正装置108によりト
ルク分電流ITが平均トルクに対して同一の2相間に通
電している電気角60度内(T60区間)で傾斜を持つ
ように通流率に補正を加える。
【0024】図3に示すのは従来の技術における動作説
明図であり、図2と同じく3相の巻線電流(Ia,I
b,Ic)及びトルク分電流(IT)について示してい
る。同図に示したのは同一の2相間に通電している電気
角60度内(T60区間)でトルク分電流ITが平坦に
なるように電流一定制御をかけた場合である。この場合
はT60区間内ではトルク分電流が平坦になるが、転流
後に過渡的にトルク分電流ITの急激な変化を生じる
(図中○部)。このトルク分電流ITの急変の大きさ
は、電動機負荷トルクや速度によって大きさが異なる
が、負荷トルクや速度が大きいほど大きくなる傾向にあ
る。
【0025】図4に示すのは本発明の一実施例における
動作説明図であり、従来技術と比較して示すものであ
る。(a)欄に示したのは本発明の動作、(b)欄は図
3に示した電流一定制御の動作を示した。また各欄の1
段目には転流時に切り替わる2相の巻線電流を重ねて示
しており、2段目にはトルク分電流ITによりほぼ決ま
る電動機トルクと平均トルク、3段目には電動機の振動
の大きさを比較するため上記トルク分電流の微分を示し
た。なお、この微分値はパルス幅変調による変化分を除
いた包絡的変化を示している。
【0026】本発明では、通流を終了した相の還流電流
Ir(電流が零に向かう)が零になるまでの時間(還流
時間)t1と新たに通流を始める相の立上り電流Iuが
平均電流値に到達する立上り時間t2が等しくなるよう
に電気角60度内の電流に傾斜をつけるように通流率D
T0に補正を加える。
【0027】これに対して、従来の電流一定制御では
(b)欄に示したように巻線電流が平均電流に一致して
ほぼ一定になるように通流率を変化させて平均トルクで
平坦になるように制御を行う。この場合は負荷トルク・
速度が大きくなると結果的に還流時間t1が立上り時間
t2より小さくなってしまいこの時間差により2段目に
示したような電動機トルクの落ち込みが発生する。
【0028】次に電動機トルクの微分したものを比較す
ると、電流一定制御では転流時に図に示すような大きな
トルク変化が生じこれに起因する振動や騒音が発生す
る。本発明では電気角60度内では若干のトルク増大が
発生するが、大きさが小さく非常にゆっくりしたものと
なり転流時に発生するトルク変化を小さく抑えることが
できる。
【0029】図5に示すのは本発明の一実施例における
補正法を示す。図に示した破線は通流率発生装置104
により決定される通流率DT0であり、実線が補正装置
108により補正された通流率DTである。これらの図は
縦軸に通流率,横軸に時間をとって示しており、電気角
60度の時間T60の間の変化の様子を示したものであ
る。図には(a)〜(f)の6種の補正方法を示してい
るが、電動機の特性や速度制御範囲等に応じて補正法を
選べばよい。補正の大きさは図4(a)欄に示すように
転流直前の巻線電流を還流時間t1=立上り時間t2と
なるような大きさにするように決定すれば他の方法でも
よい。
【0030】補正量の決定は電動機の運転特性を予め測
定することによって図4(a)欄に示すような還流時間
t1=立上り時間t2となる補正量を求めることによっ
てフィードバック制御無しの図1のような構成で転流時
のトルクリプル低減が実現できる。
【0031】次に、本発明の他の実施例について図6〜
図10を用いて説明する。
【0032】図6は本発明の他の実施例における電動機
駆動装置の構成図である。図1と同符号は同一部分を表
す。
【0033】本実施例ではインバータを通して電動機に
供給される直流電流を検出するための検出抵抗201と
これにより検出した電流検出値Idより補正量を決定す
る補正量設定装置202を用いている。検出抵抗201
で検出される電流は電動機の巻線電流のうちダイオード
D1〜D6を流れる還流電流を除いたものであり、スイ
ッチング素子のオン・オフ状態により巻線電流が見える
場合と見えない場合が存在する。補正量設定装置202
はこのうち巻線電流が見える状態を利用して巻線電流の
大きさを検出して、後述する転流直前の電流の修正量D
Idを実現するように通流率補正量DDTを決定する。
これにより電流検出によるフィードバックをもつことに
なり、電動機の運転状態(負荷トルク,速度等)変化に
応じた通流率補正量の変更が可能になり、負荷変動や速
度変動に応じた修正が可能になる。
【0034】以下図7〜図10を用いて補正量設定装置
202の動作を説明する。
【0035】図7に示すのは転流の概念図であり、同図
(a)は図4の1段目に示した巻線電流の波形を模式的
に示すものである。また同図(b)はトルク分電流IT
を示している。転流時に立上り電流Iuが最も速く立上
り、立上り時間t2が最小になるのは、この間の通流率
が1となる場合であり、図7に示したのはこの場合の電
流波形である。今、転流前後に流れている電流の平均電
流をImとし、時間t0で転流し、還流電流Irが零に
なるまでの時間を還流時間t1,立上り電流IuがIm
に到達するまでの時間を立上り時間t2とする。このと
き、電動機の巻線抵抗R,巻線インダクタンスL,通流
を終了した相に印加される印加電圧E1<0(印加され
る直流電圧と逆起電力の差分に相当する)、および通流
を開始する相に印加される印加電圧E2>0(印加され
る直流電圧と逆起電力の差分に相当する)は、3相のう
ち1相に正電圧,残りの2相に負電圧を印加した3相通
流モデルより次式で与えられる。
【0036】
【数1】
【0037】
【数2】
【0038】図8に示したのは本発明の他の実施例に係
わる動作説明図であり、これらより導かれる電流の大き
さと還流時間t1および立上り時間t2の関係である。
このことから、転流前後に流れている電流の平均電流を
Im一定にした場合には、電流の大きさがI0の点での
み図4の状態が実現され、転流時の低トルクリプルが実
現できるが電流値が変化するとt2>t1となり図4
(b)−2欄に示した電動機トルクの落ち込みが発生す
る。逆にt2<t1となった場合は通流率<1とする電
流制御によりトルクリプルを低減することができる。
【0039】図9に示すのは本発明の補正量設定装置に
おける持ち上げ量を示すもので、電動機電流に対して
(a)では落ち込み量DI,持ち上げ量DIdについて
示している。
【0040】図10は本発明の実施例における巻線電流
波形で電流の形を概念的に示すもので、パルス幅変調に
よる電流脈動分は省略してある。図9(a)より電流の
大きさが大きくなると、電流一定制御(転流前後に流れ
ている電流の平均電流をIm一定にした場合)では落ち
込み量DIが増大してこれにより転流時のトルク急変が
生じることになる。図9(b)は落ち込み量ID=0と
なるのに必要な持ち上げ量DIdで、これは図10に示
したように平均電流Imと転流前の電流の差を示してい
る。本発明の実施例における補正量設定装置202は図
9(b)に基づいて持ち上げ量DIdを決定し、電流検
出値Idが図10に示す形状となるように通流率補正量
DDTを決定する。実際には、持ち上げ量DIdは数1
と数2においてt1=t2となる平均電流値Im1(数
1から得られる平均電流)と平均電流値Im2(数2か
ら得られる平均電流)の差を求めることによって得ら
れ、電流フィードバックによりこれより得られる持ち上
げ量を実現するように通流率補正量DDTを決定する。
一般的には、数1,数2からDId>IDとなる。
【0041】本実施例では負荷トルクの大きさに応じて
変化する供給電力(直流電圧一定ではほぼ検出電流値I
dに比例)を検出してこれに応じたトルクリプルの低減
が可能である。
【0042】次に、本発明の他の実施例について図11
および図12を用いて説明する。
【0043】図11は本発明の他の一実施例における電
動機駆動装置の構成図である。図1と同符号は同一部分
を表す。
【0044】本実施例では速度Nに応じて通流率補正量
DDT3を決定する補正量設定装置302を用いてい
る。以下補正量設定装置302の動作を図12を用いて
説明する。
【0045】図12は本発明の補正量設定装置における
持ち上げ量を示すもので、図9に示した落ち込み量DI
および必要な持ち上げ量DIdの速度変化に対する変化
を示すものである。同図より明らかなように、回転速度
が変化した場合、逆起電力が変化し、これにより数1,
数2のE1およびE2が変化することにより落ち込み量
DIおよび必要な持ち上げ量DIdが変化する。補正量
設定装置302は図12(b)に示す関係に従って、持
ち上げ量DIdを決定し、電流検出値Idが図10に示
す形状となるように通流率補正量DDT3を決定する。
実際には、持ち上げ量DIdは数1と数2においてt1
=t2となる平均電流値Im1(数1から得られる平均
電流)と平均電流値Im2(数2から得られる平均電
流)の差を求めることによって得られ、電流フィードバ
ックによりこれより得られる持ち上げ量を実現するよう
に通流率補正量DDT3を決定する。
【0046】次に、本発明の他の実施例について図13
および図14を用いて説明する。
【0047】図13は本発明の他の一実施例における電
動機駆動装置構成図である。図1〜図12と同符号は同
一部分を表す。
【0048】本実施例では図6の直流電流検出値の変わ
りに電動機巻線1Ia,1Ib,1Icの電流検出値I
a,Ib,Icを用いて通流率補正量DDT4を決定す
る補正量設定装置402を用いている。以下補正量設定
装置402の動作を図14を用いて説明する。
【0049】図14は本発明の一実施例における動作説
明図である。図には転流によりa相からc相に通流して
いた状態から、b相からc相の通流の状態に切り替わる
場合のa相,b相,c相の3相の巻線電流を示してい
る。また、還流時間t1と立上り時間t2についてt1
>t2,t1=t2,t1<t2の場合について示し
た。
【0050】通流の切り替わらない相(この場合にはc
相)の電流は上記t1とt2の関係において特徴ある形
を示す。t1<t2の場合はc相の電流が転流時に落ち
込み量DI1が生じる。これとは逆にt1>t2の場合
はc相電流は持ち上がり量が非常に大きくDId1が生
じる。このことから3相の電流を検出した場合は転流に
より通流の切り替わらない相(ここではc相)の電流波
形を検出し、落ち込み量DI1が零となるように持ち上
げ量DI0を決定すればよい。本実施例による補正量設
定装置402は上記のように転流時に通流の切り替わら
ない相の電流の落ち込み量DI1が零となるように持ち
上げ量DId0を決定し、転流直前の電流検出値が持ち
上げ量DId0だけ平均電流より大きくなるように通流
率補正量DDT4を決定する。実際には通流率補正量D
DT4を変化させた時の、落ち込み量DI1を検出しこ
れが零となるように通流率補正量DDT4再修正するこ
とを繰り返して、フィードバック制御により持ち上げ量
DId0を決定する。
【0051】本実施例において、補正量設定装置は還流
電流Irを検出して直接還流時間t1を知ることができ
るので、これにより検出した還流時間t1と電流が平均
値まで立上る立上り時間t2を測定してこれが一致する
ように持ち上げ量DId0を決定してもよい。
【0052】本実施例では、巻線電流の検出値から自動
的に転流時の重なり時間の調節が行えるので、電動機の
特性等によらず自動的に低トルクリプルな制御が実現で
きる。
【0053】次に、本発明の他の実施例について図16
を用いて説明する。
【0054】図16は本発明の他の実施例における電動
機駆動装置の構成図である。図1〜図12と同符号は同
一部分を表す。
【0055】本実施例では、検出した速度Nと速度指令
NRの差が零となるように速度制御装置501は電流指
令IRを出力し、電流制御装置502は、同一の相に通
流している周期内で電流検出値Idがこれまでの実施例
で示した持ち上げ量DIdだけ電流指令IRに対して持
ち上がるように通流率DTを決定する。これにより、通
流率変化と電流持ち上がり量の変化の間の関係を知らな
くても、電流制御装置502が持ち上げ量を自動調整す
るので、速度や負荷の大きさに応じた持ち上げ量DId
のみの情報で低トルクリプルな制御が実現できる。
【0056】次に本発明の電動機駆動装置を適用したシ
ステムについて図15を用いて説明する。
【0057】図15は本発明の他の実施例における洗濯
機構成図である。本実施例においては運転制御装置90
4は洗濯槽905の下部に設けられた加重センサ902
で洗濯槽の中にいれられた洗濯物の量等を検出して、こ
の量に応じて洗濯機を可変速運転する。即ち洗濯物量に
応じて速度指令Nsを変えて運転を行うものである。電
動機駆動装置901は運転制御装置904から出力され
た速度指令に一致するようにブラシレス直流電動機10
3の速度を制御する。本実施例では洗濯時の可変速運転
の他、脱水時の回転数を連続的に変化させた場合にも、
電動機の回転数や負荷の大きさに応じて常にトルクリプ
ルが小さくなるように電流波形を自動調整し低振動・低
騒音な運転を実現できる。特に、洗濯機では洗濯槽が拡
声器の役割をするため少しの振動でも大きな騒音を従来
は発生していたが、本発明によりそれの低減効果が顕著
に得らた。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、通流率をインバータの
転流特性に合わせて、転流直前の電流を通流中から連続
的に大きくし、転流時に発生するトルクの時間変化率を
減少することにより、転流時に発生するトルクリプルを
低減する効果がある。
【0059】また、本発明によれば、電動機回転速度や
負荷の大きさによらず常に転流時のトルクリプルを低減
する電動機駆動装置を用いて洗濯機の可変速運転を行う
ことにより、脱水時等の高速回転到達までに機械的な共
振点を避けずに連続的な低騒音な可変速運転を実現する
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における電動機駆動装置の構
成図である。
【図2】本発明の一実施例における動作説明図である。
【図3】従来の技術における動作説明図である。
【図4】本発明の一実施例における動作説明図である。
【図5】本発明の一実施例における補正法である。
【図6】本発明の他の実施例における電動機駆動装置の
構成図である。
【図7】120度通電形インバータにおける転流の概念
図である。
【図8】本発明の他の実施例に係わる動作説明図であ
る。
【図9】本発明の他の実施例に係わる持ち上げ量であ
る。
【図10】本発明の他の実施例における電流波形であ
る。
【図11】本発明の他の実施例における電動機駆動装置
の構成図である。
【図12】本発明の他の実施例に係わる持ち上げ量であ
る。
【図13】本発明の他の実施例における電動機駆動装置
の構成図である。
【図14】本発明の他の実施例における動作説明図であ
る。
【図15】本発明の他の実施例における洗濯機の構成図
である。
【図16】本発明の他の実施例における電動機駆動装置
の構成図である。
【符号の説明】
101…インバータ、102…直流電源、103…ブラ
シレス直流電動機、104…通流率発生装置、105…
変調装置、106…ドライブ回路、107…速度指令装
置、108,208…補正装置、109…速度検出手
段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 直樹 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株式会社 日立製作所 半導体事業部内 (72)発明者 古郡 淳司 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株式会社 日立製作所 リビング機器事 業部内 (72)発明者 松尾 一好 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株式会社 日立製作所 リビング機器事 業部内 (56)参考文献 特開 平3−143285(JP,A) 特開 平4−165987(JP,A) 特開 平4−281390(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 6/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制御装置からの制御信号に基づいて直流電
    源から1相の出力は電気角180度の間に一定の通電休
    止区間を持つ3相以上の交流出力を得る120度通電型
    インバータにより電動機を可変速駆動する電動機駆動装
    置において、前記電動機がブラシレス直流電動機であって、 前記制御
    装置は、前記インバータの2相通電区間内で転流が終了
    した直後の電流よりも通流区間が終了する直前の電流を
    大きくさせる電流傾斜手段を備えることを特徴とする電
    動機駆動装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記制御装置は、前記インバータの出力電流を指令する
    通流率指令と搬送波とを比較して得るパルス幅変調信号
    を前記制御信号とするもので、前記電流傾斜手段は、前
    記搬送波の通流率を前記インバータの2相通流区間で転
    流が終了した直後の通流率よりも通流区間が終了する直
    前の通流率を大きくさせる手段により構成したことを特
    徴とする電動機駆動装置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の電動機駆動装置におい
    て、インバータはパルス幅変調信号により変調されるP
    WMインバータで、インバータにより駆動される電動機
    と、前記電動機の速度を検出する速度検出手段と、電動
    機の速度を設定する速度指令手段と、前記速度検出手段
    により検出した速度と前記速度指令手段により指定され
    る指令速度の差に応じて前記インバータの電流指令を出
    力する速度制御手段と、電流を検出する電流検出手段を
    備え、前記速度制御手段により出力された電流指令に対
    し同一の2相間に電流を通流している周期中の電流指令
    に傾斜を設け、この傾斜した電流指令と前記電流検出手
    段により検出した電流が一致するように通流率を決定す
    る電流制御手段を備えたことを特徴とする電動機駆動装
    置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至請求項3に記載の電動機駆動
    装置のいずれかを洗濯槽もしくは脱水槽の回転駆動構成
    部に用いたことを特徴とする洗濯機。
JP11138693A 1993-05-13 1993-05-13 電動機駆動装置 Expired - Fee Related JP3239532B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11138693A JP3239532B2 (ja) 1993-05-13 1993-05-13 電動機駆動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11138693A JP3239532B2 (ja) 1993-05-13 1993-05-13 電動機駆動装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06327286A JPH06327286A (ja) 1994-11-25
JP3239532B2 true JP3239532B2 (ja) 2001-12-17

Family

ID=14559871

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11138693A Expired - Fee Related JP3239532B2 (ja) 1993-05-13 1993-05-13 電動機駆動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3239532B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100457360B1 (ko) * 2002-06-22 2004-11-16 한국과학기술연구원 커뮤테이션 토크리플을 저감하는 비엘디씨 모터 구동시스템 및 그 방법
JP4876950B2 (ja) * 2007-02-13 2012-02-15 株式会社明電舎 モータの可変速制御装置
WO2011073127A1 (en) * 2009-12-15 2011-06-23 Arcelik Anonim Sirketi Control card for the brushless direct current motor
JP2013183590A (ja) * 2012-03-05 2013-09-12 Fuji Electric Co Ltd 直流ブラシレスモータの駆動装置
JP5907464B2 (ja) * 2014-07-11 2016-04-26 飯田電機工業株式会社 ブラシレスdcモータのロータ始動方法及びそのシステム

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06327286A (ja) 1994-11-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3825434B2 (ja) ブラシレス直流モータの制御装置及び方法
US6979967B2 (en) Efficiency optimization control for permanent magnet motor drive
JPH0315295A (ja) 二重モード制御式パルス幅変調器
GB2314703A (en) Driving circuit for a switched reluctance motor
JPH1023756A (ja) 電圧形インバータ装置及びその制御方法
JP4226224B2 (ja) インバータ装置
JPH08275599A (ja) 永久磁石同期電動機の制御方法
JP3279457B2 (ja) 永久磁石同期電動機の制御装置
JP3239532B2 (ja) 電動機駆動装置
JP4242679B2 (ja) ブラシレス直流モータの制御装置及び方法
JP2002305890A (ja) ポンプ用モータ駆動制御装置
JPWO2003032480A1 (ja) モータ制御システム
US6359413B1 (en) Current control system for a switched reluctance motor
JP3250555B2 (ja) スイッチトリラクタンスモータ用インバータ装置およびその制御方法
JP3515047B2 (ja) Dcブラシレスモータ装置
JP2000333465A (ja) インバータ装置、電動機駆動装置、および電動機駆動システム装置
KR102336239B1 (ko) 모터 구동 장치 및 그 제어 방법
JPH11136994A (ja) 3相誘導電動機駆動装置
JPH09154294A (ja) ブラシレス直流モータの駆動方法
JP3680837B2 (ja) モータ制御装置
JP3296636B2 (ja) ブラシレス直流モータの駆動方法
JP3167131B2 (ja) ブラシレスモータの駆動方法および駆動装置
JP4560710B2 (ja) 発電システム
JP3708511B2 (ja) 同期電動機の制御方法及び同期電動機の制御装置
Bhosale et al. Performance comparison of Two PWM techniques applied to BLDC motor control

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees