JP3236494B2 - 移動車の誘導制御装置 - Google Patents

移動車の誘導制御装置

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JP3236494B2
JP3236494B2 JP01740596A JP1740596A JP3236494B2 JP 3236494 B2 JP3236494 B2 JP 3236494B2 JP 01740596 A JP01740596 A JP 01740596A JP 1740596 A JP1740596 A JP 1740596A JP 3236494 B2 JP3236494 B2 JP 3236494B2
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保生 藤井
康夫 入江
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地上側に、電流が
供給される設定長さの誘導線が設置され、移動車側に、
車体向きを変更操作自在な操向操作手段と、前記誘導線
に供給される電流により形成される磁界の強さを検出す
る磁界検出手段と、前記磁界検出手段による検出情報に
基づいて、所定の誘導エリア内における複数の走行経路
の夫々において、移動車を誘導走行させるべく前記操向
操作手段を制御する誘導走行制御を実行する走行制御手
段とが備えられ、前記走行用の誘導線の長さは、前記誘
導エリアにおける走行経路に沿う方向の幅と同じか又は
ほぼ同じ長さに設定されている移動車の誘導制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】上記構成の移動車の誘導制御装置は、前
記誘導線に供給される電流値が一定であれば、それによ
り形成される誘導エリア内の誘導線からの離間距離が同
じ各地点における磁界の強さがほぼ一定となるので、そ
のことを利用して、磁界の強さの検出情報に基づいて、
所定の走行経路に沿わせて移動車を誘導走行させるよう
にしたものである。
【0003】しかし、上記誘導制御装置において、前記
走行用の誘導線の長さが、誘導用エリアの幅と同じか又
はほぼ同じ長さの有限長に設定されているので、この誘
導線に流れる電流により形成される磁界の強度分布にお
いて、誘導線の両側端部付近、つまり、走行経路の端部
付近においては、例えば、図1に示すように、誘導線か
らの離間距離が同じであっても、磁界の強さが同じ値に
ならない非線形領域が生じる。
【0004】上記走行経路の端部付近においては、移動
車を次の走行経路に向けて旋回走行させる必要がある
が、上述したように、磁界の強さが非線形になることか
ら、磁界の強さの検出情報に基づく走行制御が的確に行
えないものとなる。
【0005】そこで、従来では、走行経路の端部におい
ては、例えば、無線操縦に基づいて手動操作にて制御情
報を指令する等の構成が考えられた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
によれば、走行経路上での誘導走行は自動で行われるも
のの、移動車が走行経路の端部に達する毎に無線操縦に
よる操作を実行しなければならず、煩わしい作業が必要
であり、充分な自動化が達成できず、未だ改善の余地が
あった。
【0007】本発明はかかる点に着目してなされたもの
であり、その目的は、走行経路での誘導走行のみなら
ず、走行経路間での移動車の経路変更移動を自動的に適
切に行わせることが可能となる移動車の誘導制御装置を
提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の特徴構
成によれば、前記誘導走行制御に基づいて移動車が走行
経路に沿って誘導走行して、走行経路の端部位置に達し
て経路端部検出手段によりそのことが検出されると、走
行制御手段は回向制御を実行することになる。つまり、
誘導走行制御の実行を停止して、移動車に備えられた距
離検出手段の検出情報に基づいて、移動車を設定距離だ
け直進走行させ、その後、移動車に備えられた方位検出
手段の検出情報に基づいて、車体の方位が反転するか又
はほぼ反転するまで、移動車を設定操向操作量にて旋回
走行させ、更に、移動車に備えられた経路端部検出手段
による検出情報に基づいて、前記移動車が走行経路の端
部位置に至ったことを検出するまで、車体を直進移動走
行させるのである。
【0009】従って、走行経路の両側端部位置の外方側
を、有限長の誘導線に供給される電流により形成される
磁界の強度分布が上述したような非線形領域に対応する
ように、各端部位置を予め設定しておくことにより、走
行経路上においては、磁界の強さの検出情報に基づいて
精度よく誘導走行を行うことができる。
【0010】そして、上記非線形領域においては、走行
距離情報と方位検出情報とに基づいて、移動車を、誘導
走行されている状態で設定距離だけそのまま直進走行さ
せた後、方位を反転させて更に走行経路端部位置に至る
まで直進走行させるようにしたので、移動車は誘導走行
状態から方位が反転し且つ走行経路に沿う状態で次回の
走行経路の始端部に至ることになる。
【0011】その結果、誘導線の長さを誘導エリアの幅
と同じか又はほぼ同じ長さに設定する合理的な設置構成
を採用しながらも、磁界の検出情報を用いることなく、
走行経路の終端部から次回の走行経路の始端部に適正な
状態で移動させることができ、複数の走行経路にわたっ
て自動的に走行制御させることができるものとなった。
【0012】さらに、請求項1に記載の特徴構成によれ
ば、前記走行制御手段は、回向制御を実行した後に、前
記経路端部検出手段による検出情報に基づいて、移動車
が走行経路の端部位置に至ったことを検出すると、磁界
検出手段による検出情報に基づいて、操向操作手段を制
御して次回の走行経路に沿わせるべく移動車を誘導走行
させる。つまり、移動車が走行経路の端部位置に至った
とき、その位置が、次回の走行経路に対して横ずれして
いる場合に、その走行経路に沿わせるべく移動車を誘導
走行させて幅寄せするのである。
【0013】そして、移動車が適正走行姿勢で次回の走
行経路に沿う状態になった後に、経路端部検出手段によ
る検出情報に基づいて、前後進切り換え手段を後進状態
に切り換えて、移動車が走行経路の端部位置、即ち、次
回走行経路の始端部に至ったことを検出するまで、移動
車を直進状態で後進させる。このようにすることで、回
向制御が実行された後に、次回走行経路に対して横ずれ
している場合であっても、移動車を次回走行経路の始端
部に移動させることができる。その後、前記磁界検出手
段による検出情報に基づいて、次回の走行経路に沿って
移動車を誘導走行させることになる。
【0014】請求項2記載の特徴構成によれば、前記誘
導走行制御に基づいて移動車が走行経路に沿って誘導走
行して、走行経路の端部位置に達して経路端部検出手段
によりそのことが検出されると、走行制御手段は回向制
御を実行することになる。つまり、誘導走行制御の実行
を停止して、移動車に備えられた距離検出手段の検出情
報に基づいて、移動車を設定距離だけ直進走行させ、そ
の後、移動車に備えられた方位検出手段の検出情報に基
づいて、車体の方位が反転するか又はほぼ反転するま
で、移動車を設定操向操作量にて旋回走行させ、更に、
移動車に備えられた経路端部検出手段による検出情報に
基づいて、前記移動車が走行経路の端部位置に至ったこ
とを検出するまで、車体を直進移動走行させるのであ
る。従って、走行経路の両側端部位置の外方側を、有限
長の誘導線に供給される電流により形成される磁界の強
度分布が上述したような非線形領域に対応するように、
各端部位置を予め設定しておくことにより、走行経路上
においては、磁界の強さの検出情報に基づいて精度よく
誘導走行を行うことができる。そして、上記非線形領域
においては、走行距離情報と方位検出情報とに基づい
て、移動車を、誘導走行されている状態で設定距離だけ
そのまま直進走行させた後、方位を反転させて更に走行
経路端部位置に至るまで直進走行させるようにしたの
で、移動車は誘導走行状態から方位が反転し且つ走行経
路に沿う状態で次回の走行経路の始端部に至ることにな
る。その結果、誘導線の長さを誘導エリアの幅と同じか
又はほぼ同じ長さに設定する合理的な設置構成を採用し
ながらも、磁界の検出情報を用いることなく、走行経路
の終端部から次回の走行経路の始端部に適正な状態で移
動させることができ、複数の走行経路にわたって自動的
に走行制御させることができるものとなった。さらに、
請求項2に記載の特徴構成によれば、走行制御手段は、
前記回向制御を実行した後に、経路端部検出手段による
検出情報に基づいて、移動車が走行経路の端部位置に至
ったことを検出すると、前記走行用の磁界検出手段によ
る検出情報に基づいて、操向操作手段を制御して次回の
走行経路に沿わせるべく移動車を誘導走行させる。つま
り、移動車が走行経路の端部位置に至ったとき、その位
置が、次回の走行経路に対して横ずれしている場合に、
その走行経路に沿わせるべく移動車を誘導走行させて幅
寄せするのである。
【0015】そして、移動車が適正走行姿勢で次回の走
行経路に沿う状態になった後に、前後進切り換え手段を
後進状態に切り換えて、磁界検出手段による検出情報
と、当該走行経路に対応して予め設定記憶された記憶情
報とに基づいて、次回の走行経路に沿わせる状態で移動
車を後進走行させる。従って、後進走行が開始される際
に、走行経路に対して車体の方位がずれている場合であ
っても、走行経路に沿わせながら後進走行させることが
でき、次回走行経路の始端部に確実に移動させることが
できる。その後、磁界検出手段による検出情報に基づい
て、次回の走行経路に沿って移動車を誘導走行させるこ
とになる。
【0016】請求項3記載の特徴構成によれば、前記誘
導走行制御に基づいて移動車が走行経路に沿って誘導走
行して、走行経路の端部位置に達して経路端部検出手段
によりそのことが検出されると、走行制御手段は回向制
御を実行することになる。つまり、誘導走行制御の実行
を停止して、移動車に備えられた距離検出手段の検出情
報に基づいて、移動車を設定距離だけ直進走行させ、そ
の後、移動車に備えられた方位検出手段の検出情報に基
づいて、車体の方位が反転するか又はほぼ反転するま
で、移動車を設定操向操作量にて旋回走行させ、更に、
移動車に備えられた経路端部検出手段による検出情報に
基づいて、前記移動車が走行経路の端部位置に至ったこ
とを検出するまで、車体を直進移動走行させるのであ
る。従って、走行経路の両側端部位置の外方側を、有限
長の誘導線に供給される電流により形成される磁界の強
度分布が上述したような非線形領域に対応するように、
各端部位置を予め設定しておくことにより、走行経路上
においては、磁界の強さの検出情報に基づいて精度よく
誘導走行を行うことができる。そして、上記非線形領域
においては、走行距離情報と方位検出情報とに基づい
て、移動車を、誘導走行されている状態で設定距離だけ
そのまま直進走行させた後、方位を反転させて更に走行
経路端部位置に至るまで直進走行させるようにしたの
で、移動車は誘導走行状態から方位が反転し且つ走行経
路に沿う状態で次回の走行経路の始端部に至ることにな
る。その結果、誘導線の長さを誘導エリアの幅と同じか
又はほぼ同じ長さに設定する合理的な設置構成を採用し
ながらも、磁界の検出情報を用いることなく、走行経路
の終端部から次回の走行経路の始端部に適正な状態で移
動させることができ、複数の走行経路にわたって自動的
に走行制御させることができるものとなった。さらに、
請求項3に記載の特徴構成によれば、走行制御手段は、
前記回向制御を実行した後に、経路端部検出手段による
検出情報に基づいて、移動車が走行経路の端部位置に至
ったことを検出すると、磁界検出手段による検出情報に
基づいて、該磁界検出手段が次回の走行経路に相当する
磁界の強さを検出するまで、移動車を誘導走行させ、磁
界検出手段が次回の走行経路に相当する磁界の強さを検
出すると、即ち、検出値が誘導走行の制御不感帯内に入
ると、距離検出手段の検出情報に基づいて、移動車を設
定距離だけ直進走行させる。その後、磁界検出手段によ
る検出情報に基づいて、次回の走行経路に沿って移動車
を誘導走行させるべく、操向操作手段を制御して、幅寄
せを行うのである。
【0017】つまり、誘導走行制御の追従性を良好にさ
せるために、磁界検出手段を移動車の前部に備えた状態
で、次回走行経路に向けて幅寄せを行う場合、磁界検出
手段の検出情報に基づく誘導走行制御を続行して次回の
走行経路に沿わせるようにすると、該走行経路に沿う姿
勢に安定するまでに、比較的長い距離を必要とする。こ
れは、目標走行経路に対して車体が斜め方向に進行する
ために、磁界の検出情報の変化(制御偏差)に対して車
体の移動量の割合が大きくなり、車体移動量に対する操
向操作量(制御量)が相対的に小さいものとなり、結果
的に、操向操作の制御の追従性が低下して、安定するま
でに長い距離を必要とするからである。
【0018】これに対して、上記したように、磁界検出
手段の検出値が制御不感帯内に入ると、設定距離だけ直
進走行させた後に、再度、誘導走行制御に切り換えるこ
とで、切り換えられたときの制御偏差(つまり、磁界検
出手段の目標位置からの横ずれ量)が大きくなり、大き
な操向操作量にて一気に次回走行経路上に追従させるこ
とで、次回走行経路に沿う姿勢に安定するまでの距離が
短いもので済ませることができるのである。
【0019】請求項4に記載の特徴構成によれば、前記
誘導線に対して交差する方向に沿って走行経路端部側の
誘導線が、電流が供給される状態で、地上側に設置さ
れ、経路端部検出手段は、走行経路端部側の誘導線に供
給される電流により形成される磁界の強さに基づいて、
各走行経路の端部位置を検出するように構成されている
から、検出情報が、磁界検出手段と同じであることか
ら、信号処理構成や制御構成等を兼用することが可能
で、例えば、レーザー光の存否を検出することで端部位
置を検出する構成や、超音波を用いて検出する構成等の
別の検出情報を用いる場合に較べて、制御構成が複雑化
する不利がない。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る移動車の誘導
制御装置について説明する。図1に示すように、誘導エ
リアの一例としての矩形形状の圃場1内において、移動
車の一例としての作業車Vを圃場1の長手方向に沿って
互いに平行な複数の走行経路kの夫々において、無人状
態で誘導走行させることができるように構成されてい
る。
【0021】圃場1の外周部における各辺(畦)には、
夫々、畦の長さとほぼ同じ長さの誘導線2が畦の長手方
向に沿わせる状態で設置され、各誘導線2には夫々各別
に電流供給手段としての電流供給源により所定周波数の
交流電流が供給される。つまり、圃場1の長尺方向に沿
う両側の畦に沿って設置される各誘導線2a,2cに
は、各電流供給源3により周波数fa(Hz)及び周波
数fc(Hz)の交流電流が夫々供給され、短尺方向に
沿う両側の畦に設置される各誘導線2b,2dには、各
電流供給源3により周波数fb(Hz)及び周波数fd
(Hz)の交流電流が夫々供給される。尚、周波数は、
数百Hz〜数十KHz程度に設定されている。
【0022】前記各誘導線2は、図2に示すように、地
中に打ち込まれた導通材料からなる複数の杭4を介して
地中を経由して前記電流が通流するように構成され、誘
導線が長い距離にわたって設置される場合であっても、
長手方向両側部で杭4を打ち込むだけで簡単に設置が行
えるように構成されている。尚、地中においては、比較
的電気抵抗の高い地表層G1でなく、比較的電気抵抗の
低い下層の粘土層G2を通して電流が流れるように、杭
4の打ち込み深さを設定している。
【0023】上述したように設置された誘導線に電流が
流れると、その電流によって磁界が形成されるが、誘導
線からの離間距離に対する磁界の強さの理論値は演算に
て求めることができ、その磁界の強さは誘導線からの離
間距離の2乗に反比例する。従って、供給される電流値
が一定であれば、図3に示すように、誘導線からの離間
距離に対する磁界の強さの変化特性が定まることにな
り、圃場1内でのある地点での磁界の強さはほぼ一定の
大きさになる。
【0024】前記作業車Vは、図13に示すように、四
輪型の走行車体5の後部に対地作業装置としてのロータ
リー耕耘装置6が備えられ、走行しながら圃場1の対地
作業(耕耘作業)を行うことができるようになってい
る。走行車体5にはエンジンが搭載され、このエンジン
の動力が、車体の進行方向を切り換え自在な前後進切り
換え手段としての前後進切換機構7を備えた変速装置及
び電磁操作式走行クラッチ8を介して各車輪に伝えられ
て車体が走行するように構成され、エンジンの動力がロ
ータリー耕耘装置6に伝えられるようになっている。
又、左右の前輪が操向操作手段としての電動モータ9に
より操向操作可能に設けられている。
【0025】前記作業車Vには、車軸の回転数を検出す
ることで車体の走行距離を検出するための例えばロータ
リーエンコーダ等から成る距離検出手段としての走行距
離センサ10、車体の方位を検出する方位検出手段とし
ての方位センサ11、前記前後進切換機構7や操向用電
動モータ9等の動作を制御する走行制御手段としてのマ
イクロコンピュータ利用の制御装置12等が備えられて
いる。
【0026】又、走行車体5の前部には、前記各誘導線
に供給される交流電流により形成される磁界の強さを検
出する3個の磁界センサが車体横幅方向に沿って並設さ
れる状態で設けられ、このうち、左右両側に位置する側
部磁界センサ13R,13Lは、周波数fa及び周波数
fcの交流電流により形成される磁界の強さを検出する
ように構成され、左右中央側に位置する中央磁界センサ
14は、周波数fb及び周波数fdの交流電流により形
成される磁界の強さを検出するように構成されている。
【0027】そして、前記制御装置12は、各側部磁界
センサ13R,13Lによる検出情報に基づいて、複数
の走行経路kの夫々において、作業車Vを各走行経路k
に沿って誘導走行させる誘導走行制御を実行し、且つ、
中央磁界センサ14による検出情報に基づいて、各走行
経路kの終端部又は始端部に達したことを検出し、終端
部に達したことを検出すると、作業車Vを回向走行させ
て隣接する次回の走行経路に進入誘導させる旋回制御を
実行するように構成されている。
【0028】従って、前記各側部磁界センサ13R,1
3Lにより、車体誘導用の磁界検出手段GKが構成さ
れ、中央磁界センサ14により、走行経路の始端部及び
終端部であることを検出する経路端部検出手段が構成さ
れることになる。つまり、図4に示すように、各側部磁
界センサ13R,13L、中央磁界センサ14の出力が
夫々、信号処理部15にて処理された後に制御装置12
に与えられ、これらの磁界検出情報に基づいて、各走行
経路kに沿って誘導走行されるように操向用電動モータ
9に対する駆動操作部を制御すると共に、走行経路kの
終端部においては、磁界検出情報及び方位センサ11並
びに走行距離センサ10の検出情報に基づいて、旋回走
行すべく操向用電動モータ9、前後進切換機構7、走行
クラッチ8等を制御するように構成されている。
【0029】前記各磁界センサ13R,13L,14
は、図5に示すように、誘導線に流れる交流電流により
形成される交番磁界によって誘起起電力が発生する検出
コイル16と、この検出コイル16の出力を所定のレベ
ルまで増幅する増幅器17と、検出コイル16の出力の
うち前記各誘導線に流れる電流の周波数に対応する出力
のみ通過させる周波数フィルターとしてのバンドパスフ
ィルターBPF、このバンドパスフィルターBPFの出
力を増幅する増幅器18等を備えて構成されている。
【0030】従って、各側部磁界センサ13R,13L
による検出情報には、中央側磁界センサ14のよる検出
情報が混入することがバンドパスフィルターBPFによ
り抑制されることになり、このバンドパスフィルターB
PFが情報混入抑制手段を構成することになる。
【0031】このように、各側部磁界センサ13R,1
3Lは、夫々、周波数fa及び周波数fcの夫々に対応
する検出情報が出力され、中央磁界センサ14は、夫
々、周波数fb及び周波数fdの夫々に対応する検出情
報が出力されるようになっているが、信号処理部15に
おいて、それらのうち、検出レベルが高い方、即ち、作
業車Vが該当する誘導線に近い方の検出情報が選択的に
出力されるようになっている。信号処理部15は、図6
に示すように、前記各磁界センサ13R,13L,14
の出力を直流信号に変換する直流変換回路DCが夫々設
けられ、その変換出力が制御装置12に入力され、制御
装置12は各磁界センサ13R,13L,14における
異なる周波数の出力のうち、検出レベルの高い側の出力
を判別して、その出力を選択するように3個のアナログ
スイッチAS1,AS2,AS3 に選択信号を与えるように
構成されている。
【0032】制御装置12は、中央磁界センサ14の検
出情報に基づいて、短尺方向に沿う畦に設置される誘導
線2b,2dのうちいずれかの検出レベルの高い側の誘
導線からの離間距離を算出して、その離間距離が設定値
になると、作業車Vが前記各走行経路kの端部位置に達
したことを判別するように構成されている。尚、短尺方
向に沿う畦に設置される誘導線2b,2dは、図7に示
すように、両側端部を圃場1内方側に向けて略L字形に
屈曲させた状態で設置されている。このように構成する
と、誘導線2b,2dの中間部tからの離間距離が設定
距離にある地点で誘導線2b,2dの全長にわたってほ
ぼ同一の磁界の強さになるので、この地点を走行経路k
の端部位置として設定している。この端部位置は、端部
屈曲部の長さLよりも設定距離だけ圃場1内方側によっ
た地点となる。因みに、本出願人の実験によれば、端部
屈曲部の長さHが例えば3mであれば、端部位置は誘導
線から5mの離間距離の位置となる。
【0033】このように、走行経路kの端部位置を圃場
1の端部よりも内方側に設定する理由は、図1に示すよ
うに、有限長の誘導線により形成される磁界において、
離間距離が同一の地点における磁界強度分布は、誘導線
の端部付近においては、離間距離に対する磁界の強さの
関係が直線的でなく、磁界の強さに基づく誘導制御が良
好に行えないおそれがあるからである。
【0034】又、短尺方向に沿う畦に設置される誘導線
には、図8に示すように、長尺方向に沿う畦に設置され
る誘導線2a,2cに流れる電流が地中を通して流入す
ることを抑制する電流抑制手段の一例である周波数フィ
ルターとしての、当該誘導線2a,2cに供給される電
流の周波数のみの通過を許容するバンドパスフィルター
19が設けられている。このバンドパスフィルター19
は、コイル19aとコンデンサ19bを直列接続した共
振回路にて構成され、その共振周波数が前記電流の周波
数に対応するように構成されている。従って、他の誘導
線から地中を通して異なる周波数の電流が流れ込んで
も、誘導線にはその流入電流が通流することが抑制さ
れ、各磁界センサが誤った情報を検出するおそれを極力
少なくさせている。
【0035】前記各側部磁界センサ13R,13Lの検
出情報に対応する各アナログスイッチAS1,AS3 の出
力を増幅するための増幅ゲインは、制御装置12からの
切り換え情報に基づいて複数段階(4段階)に変更調整
するように構成されている。つまり、夫々増幅ゲインの
異なる4個の増幅器21,22,23,23の出力のう
ちのいずれかを制御装置12に入力させるためのアナロ
グスイッチAS4,AS 5 に対して、制御装置12が選択
内容を指令するように構成されている。誘導線に供給さ
れる電流により形成される磁界の強さは、上述したよう
に離間距離の変化に対して大きく変化するものであり、
増幅ゲインを一定に維持した場合には、全範囲にわたっ
て適正な分解能で検出することが難しく、検出精度が低
下してしまうおそれがあるので、制御装置12に対する
入力レベルが、例えば図9に示すように、前記誘導線か
らの離間距離が単位距離変化したときに適切な磁界の強
さの変化が識別可能となるように、言い換えると、適切
な分解能を有する適正出力範囲になるように増幅ゲイン
を自動調整するのである。
【0036】前記各側部磁界センサ13R,13Lは、
車体横幅方向に設定間隔を隔てて設置されており、その
いずれか一方の側部磁界センサが、作業車Vが、複数の
走行経路kのうちの1つに沿って走行するときに、その
走行中の走行経路kに沿う誘導制御を実行するために磁
界の強さを検出するための現走行経路用の磁界検出部G
1 として機能し、他方の側部磁界センサが、隣接する
次の走行経路kに沿って作業車を走行させた際に前記現
走行経路用の磁界検出部GK1 にて検出されることにな
る磁界の強さを検出する次走行経路用の磁界検出部GK
2 として機能するように構成されている。つまり、他方
の側部磁界センサは、現走行経路kを走行しながら次走
行経路kの磁界を逐次検出するようになっており、この
検出情報は、前記走行距離センサ10により検出される
距離情報と対応付けた状態で、記憶手段としてのメモリ
25に逐次記憶されるように構成されている。
【0037】制御装置12は、磁界検出情報が記憶され
ている次走行経路kにおいて、メモリ25に記憶されて
いる磁界検出情報と、走行距離センサ10により検出さ
れる走行経路kの端部位置からの走行距離情報とに基づ
いて、当該走行経路k上の各地点における磁界の強さの
目標値を求め、その目標値と、現走行経路用の磁界検出
部GK1 として機能する側部磁界センサの検出値とが一
致するように、走行用電動モータ9を駆動制御する誘導
走行制御を実行するように構成されている。又、制御装
置12は、メモリ25に記憶されている磁界検出情報に
基づいて、次走行経路kにおいて誘導走行される際にお
ける磁界センサの増幅ゲインの目標値を設定すると共
に、次走行経路kにおける誘導走行に先立って、ゲイン
を目標値に自動調整するように構成されている。具体的
には、メモリ25に記憶されている磁界の強さの最大値
が、設定上限値を越えていれば、現行のゲインよりも1
段低いゲインの増幅器が選択され、前記最大値が、設定
下限値を下回っていれば、現行のゲインよりも1段高い
ゲインの増幅器が選択されるように、アナログスイッチ
AS4,AS5 に対して選択信号を指令するようになって
いる。尚、各アナログスイッチAS4,AS5 のゲインは
常に同じ値に調整されるようになっている。前記設定上
限値及び設定下限値は、アナログ値としての出力変化の
直線性が保障される上下限範囲として設定される。
【0038】次に、制御装置12の制御動作について説
明する。圃場1内において作業車Vを誘導走行させる場
合、制御装置12による自動誘導制御に先立って、初回
の走行経路kにおいては、適正な走行経路kに沿わせる
状態で手動操縦により作業車Vを走行させる。そのと
き、走行経路kの始端位置から、走行を開始させるに伴
って、次走行経路側の側部磁界センサ(図1の場合には
右側のセンサ13R)の検出情報並びに走行距離センサ
10の検出情報とを対応させた状態で、メモリ25に逐
次書き込み記憶させておく。
【0039】そして、次の走行経路kより自動誘導制御
が開始され、図10に示すように、先ず、その作業状態
に応じて前記増幅ゲイン、及び、現走行経路用の磁界検
出部GK1 として機能する側部磁界センサ(図1の場合
には左側のセンサ13L)を初期設定する(ステップ
1)。
【0040】そして、作業用の走行速度で作業車Vを走
行させながら、前記メモリ25に記憶される磁界検出情
報と、走行距離センサ10の検出情報とに基づいて、走
行経路k上の現時点における磁界の強さの目標値を求め
て、現走行経路用の磁界検出部GK1 として機能する側
部磁界センサ13Lの検出値が、この目標値になるよう
に、操向用電動モータ9を駆動制御する(ステップ
2)。この誘導走行制御が実行される際に、次走行経路
用の磁界検出部GK2 として機能する次走行経路側の側
部磁界センサ(図1の場合には右側のセンサ13R)の
検出情報を走行距離センサ10の検出情報と対応させた
状態で、メモリ25に逐次書き込み記憶させる(ステッ
プ3)。
【0041】中央磁界センサ14の検出情報に基づい
て、走行経路kの終端部に達したことが検出されると、
走行経路数Nをカウントアップし(ステップ4,5)、
カウント値が圃場1内での設定経路数NSに達していな
ければ、前記メモリ25に書き込み記憶された磁界の強
さの最大値より、上述したように増幅ゲインの目標値を
設定して、ゲインが目標値になるように、アナログスイ
ッチAS4,AS5 に選択信号を指令して、ゲインを自動
調整する(ステップ7,8)。
【0042】次に、現走行経路用の磁界検出部GK1
して機能する側部磁界センサを、反対側のもの(図1に
おいては右側のセンサ13R)に切り換える(ステップ
9)。車体の向きの変化によりそれらの位置関係が反転
するからである。
【0043】次に、車体を次走行経路kの始端部に位置
させるべく回向走行させる旋回制御を実行する(ステッ
プ10)。この旋回制御について図11、図12の制御
フローチャート、及び、図14に示す走行状態図に基づ
いて説明する。走行距離センサ10の検出情報に基づい
て、走行経路kの終端位置から設定距離だけ操向操作を
中立状態に維持したままで直進走行させ(ステップ10
1,102)、方位センサ11をリセットして、車体の
方位が180度反転したことが検出されるまで、最大切
れ角又は最大切れ角に近い設定切れ角(設定操向操作量
に相当)にて旋回走行させる(ステップ103〜10
6)。車体の方位が180度反転したことが検出された
ときに、中央磁界センサ14の検出情報に基づいて、既
に経路端部を越えて圃場内方側に位置していることが検
出される場合は、前後進切換機構7を後進状態に切り換
えて、経路端部位置に達するまで、操向操作を中立状態
に維持する直進状態で後進走行させて(ステップ107
〜110)、経路端部位置に達すると、走行を停止させ
て、前後進切換機構7を前進状態に切り換える(ステッ
プ111)。ステップ107にて経路端部を越えていな
ければ、経路端部に位置するまで、操向操作を中立状態
に維持する直進状態で前進走行させる(ステップ11
2,113)。ステップ101からステップ113まで
の制御が回向制御に相当する。
【0044】その後、現走行経路用の磁界検出部GK1
として機能する側部磁界センサ(図14(ロ)の場合に
は、13L)の検出情報と、前記メモリ25に記憶され
ている記憶情報とに基づいて、車体を次走行経路に沿わ
せるべく、操向用電動モータ9を制御して誘導走行制御
を実行する(ステップ114)。そして、前記側部磁界
センサ13Lにより検出される磁界の強さが、制御不感
帯内に収まったことが検出されると、言い換えると、検
出される磁界の強さと、メモリ25に記憶されている記
憶情報との偏差が目標偏差内に収まり、前記側部側部磁
界センサ13Lが次回の走行経路に相当する磁界の強さ
を検出すると、操向操作を中立状態に維持する直進状態
で、設定距離だけ前進走行させる(ステップ115〜1
17)。この設定距離は、後部車輪の左右中央部が次回
走行経路上に位置するまで走行する距離に相当する値に
設定されている。
【0045】前記設定距離走行したことが検出される
と、再度、側部磁界センサ13Lの検出情報と、記憶情
報とに基づいて、車体を次走行経路に沿わせるべく誘導
走行制御を実行する(ステップ118)。このとき、側
部磁界センサ13Lは図14に示すように、次回走行経
路から離れているので、側部磁界センサ13Lの検出値
と、記憶値(制御目標)との偏差が大きくなっており、
制御量(操向操作量)が大きくなって反対方向に向けて
急旋回走行が行われることになり(図15参照)、次回
走行経路に沿う安定状態になるまでに短い距離で済ませ
ることができる。
【0046】その後、誘導走行制御が実行されるに伴っ
て、車体がほぼ次回走行経路に沿って走行する状態とな
り、設定時間継続して検出磁界が不感帯内に収まる安定
状態になれば、走行を停止させると共に、前後進切換機
構7を後進状態に切り換え(ステップ119〜12
1)、直進走行状態で車体を後進走行させる(ステップ
122)。そして、中央磁界センサ14の検出情報に基
づいて、走行経路の端部(次走行経路の始端部)に位置
することが検出されると、車体を停止させて、前後進切
換機構7を前進状態に切り換える(ステップ123,1
24)。
【0047】そして、ステップ2に移行して、次回走行
経路に沿わせる状態で誘導走行制御を実行すると共に、
上述したようなメモリ25への記憶動作を実行する。
【0048】以後、上述したような誘導走行制御を実行
するが、このとき、ステップ8にてゲインが変更されて
いれば、メモリ25に記憶されている検出情報に対して
も、変化量に対応したゲインを掛けて走行用目標値を求
めることになる。そして、ステップ2〜10を繰り返し
て、各走行経路kに沿わせて順次、作業車Vを誘導走行
させ、走行経路数nが設定経路数nsに達すると制御が
終了する(ステップ6)。
【0049】現走行経路kにおいては、前走行経路kを
走行する際に記憶されている磁界の強さと現走行経路k
での検出磁界とが同じになるように制御され、しかも、
前記各側部磁界センサ13R,13Lの設置間隔は、ロ
ータリー耕耘装置6の対地作業幅よりも幅狭に設定され
ているので、ロータリー耕耘装置6による作業領域が各
走行経路kでラップすることになり、未作業領域が発生
しないようになっている。又、左右の側部磁界センサ1
3R,13Lの設置間隔は変更調整できるようになって
いる。
【0050】〔別実施形態〕 (1)上記実施形態では、図12のステップ122にお
いて、直進状態で車体を後進させる構成としたが、この
とき、現走行経路用の磁界検出部として機能する側部磁
界センサ13Lの検出情報と、前記メモリ25に記憶さ
れている記憶情報とに基づいて、車体を次走行経路に沿
わせるべく、操向用電動モータ5を制御しながら、後進
走行させるように制御してもよい。このように制御する
構成とすれば、後進走行開始時に、車体の方位が走行経
路に沿う方位に対して少し斜めになっていても、的確
に、次走行経路の始端部に車体を移動させることができ
る。
【0051】(2)上記実施形態では、図11のステッ
プ107〜110において、方位が反転したときに、既
に経路端部を越えているときは、経路端部まで車体を後
進させる構成としたが、このような構成に代えて、次の
ように制御してもよい回向走行が行われているときに、
中央磁界センサ14の検出情報に基づいて、経路端部に
達したことが判別されると、その時点から走行距離セン
サ10による距離検出を開始して、方位の反転が終了し
た時点までの走行距離を求め、その後の誘導走行制御に
おいては、その走行距離分の記憶データを除いて誘導制
御を実行させる構成としてもよい。このようにすると、
旋回制御において、車体を後進させる回数が減り、前後
進の切り換えによる無駄時間を少なくして能率を向上で
きる。
【0052】(3)上記実施形態では、前記旋回制御に
おいて、検出磁界の値が不感帯内に入ると、設定距離直
進させた後に、再度、誘導走行させる構成としたが、こ
のような構成に代えて、図16に示すように、直進走行
を行わずに誘導走行制御を続行させて、車体が次回走行
経路に沿う状態になると、走行経路の端部位置まで直進
状態で後進走行させる構成としてもよい。この場合の制
御フローチャートとしては、図11、図12におけるス
テップ115〜118が省略されたフローチャートにな
る。又、検出磁界及び操向操作量の変化は図17に示す
ようになり、走行経路上に沿って安定するまでに比較的
長い距離を走行することになる。
【0053】(4)上記旋回制御に代えて、次のように
制御するものでもよい。図18に示すように、車体を回
向させて経路端部に位置させた後に、直進走行を行わず
に誘導走行制御を続行させて、車体が次回走行経路に沿
う状態になると、後進走行をさせずに、そのまま走行経
路に沿う誘導走行制御を継続させるようにしてもよい。
この場合の制御フローチャートとしては、図11、図1
2におけるステップ115〜124が省略されたフロー
チャートになる。但し、この制御構成においては、車体
の幅寄せを開始する時点から、次走行経路用の磁界検出
部GK2 として機能する側部磁界センサによる上記した
ような記憶動作が実行されることになる。従って、経路
始端部においては、幅寄せによる検出誤差が発生するこ
とになる。そこで、このような誤差を補正して適正な基
準情報になるようにさせる。
【0054】つまり、手動にて行われる初回の走行経路
においては、適正な基準情報として記憶されるので、そ
のときの記憶値と、次回の走行経路の経路始端部におい
て走行距離情報に対応付けて逐次記憶される情報との差
異、例えば、図18(イ)を初回経路とすると、破線に
て示される適正な基準情報と、図18(ロ)に示すよう
に幅寄せ時における記憶情報との差異に基づいて、幅寄
せに起因したずれ量を求めることができる。但し、磁界
の強さは図3に示すように、走行経路が異なる毎に非線
形に変化するので、このような非線形特性に起因した誤
差をも少なくさせるようにしている。尚、幅寄せによる
走行距離情報の誤差は、操向操作量に基づいて適宜補正
することになる。即ち、上述したように求められるずれ
量に対して、補正すべき走行経路における左右の側部磁
界センサ13R,13Lの検出値の差分値Aと、前々回
の走行経路(同一進行方向となる走行経路)における左
右の側部磁界センサ13R,13Lの検出値の差分値B
との比、つまり、非線形特性に起因する誤差の補正比率
を掛け合わせることで、当該走行経路における非線形に
よる誤差の補正量を求め、メモリに逐次記憶される記憶
情報をこの補正量により補正するのである。そして、こ
のような補正動作を各走行経路毎に実行することで、適
正な基準情報を求めることができる。
【0055】このようにして、その後の誘導走行におい
て、走行経路の終端部付近での基準情報が上述したよう
な誤差が少なく、ほぼ走行経路に沿う状態で設定できる
ことになり、経路終端部にて作業車Vが蛇行してしまう
不利を未然に回避できるものとなる。
【0056】(5)上記実施形態では、経路端部検出部
としての中央磁界センサにて走行経路に端部位置を検出
して、その検出情報に基づいて旋回制御や誘導走行制御
を実行させる構成としたが、このような中央磁界センサ
に代えて、例えば、経路端部にて横方向にレーザー光を
照射させて、このレーザー光を検出するセンサにて経路
端部を検出するようにしてもよく、又、無線操縦で手動
にて経路端部に至ったことを移動車側に指令する構成
等、各種の構成にて実施してもよい。
【0057】(6)上記実施形態では、誘導走行制御を
行うに当たって、次走行経路用の磁界検出部にて検出さ
れた磁界の強さをメモリに記憶させて、その記憶された
情報を制御目標として、誘導走行制御を行う構成とした
が、このような構成に代えて、制御目標を、圃場毎に各
走行経路に対応する値として予めマップデータとして設
定記憶された記憶情報に基づいて、制御する構成として
もよい。この場合には、磁界検出手段は左右両側に一対
設ける必要はなく、1個で済ませることができる。
【0058】(7)上記実施形態では、回向制御が実行
された後に、次回走行経路に向けて幅寄せを実行する構
成としたが、このような構成に代えて、回向制御が実行
された後、その位置から、そのまま誘導走行制御を実行
する構成としてもよく、この場合、上述したような記憶
情報に基づいて制御するのではなく、検出される磁界の
強さが一定に維持されるような走行制御形態で実施して
もよい。
【0059】(8)上記実施形態では、誘導対象エリア
の左右両側に誘導線が設置される場合を例示したが、片
側にのみ誘導線が設置される構成としてもよく、この場
合において、誘導走行制御は、誘導線に近い方の走行経
路から順次、遠い側の経路に誘導させてもよく、誘導線
に遠い方の走行経路から順次、近い側の経路に誘導させ
てもよい。
【0060】(9)上記実施形態では、移動車として対
地作業装置としてロータリー耕耘装置を備える構成とし
たが、このような構成に代えて、例えば、苗植付装置や
刈取収穫機を備えた作業車であってもよく、建設機械や
清掃作業等の作業車であってもよい。又、作業を行わな
い運搬車等の移動車であってもよい。
【0061】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
容易にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】誘導状態を示す平面図
【図2】誘導線の設置状態を示す側面図
【図3】磁界強度分布を示す図
【図4】制御ブロック図
【図5】磁界検出手段の構成図
【図6】信号処理部の構成図
【図7】誘導線の設置状態を示す平面図
【図8】誘導線の電気回路図
【図9】ゲインを切り換えた場合の出力特性を示す図
【図10】制御動作のフローチャート
【図11】制御動作のフローチャート
【図12】制御動作のフローチャート
【図13】作業車の平面図
【図14】旋回動作状態を示す平面図
【図15】制御状態を示す特性図
【図16】別実施形態の旋回動作状態を示す平面図
【図17】別実施形態の制御状態を示す特性図
【図18】別実施形態の旋回動作状態を示す平面図
【符号の説明】
2 誘導線 5 操向操作手段 7 前後進切り換え手段 10 距離検出手段 11 方位検出手段 12 走行制御手段 14 経路端部検出部 GK 磁界検出手段 V 移動車
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 幸生 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社ク ボタ 堺製造所内 (56)参考文献 特開 平7−5914(JP,A) 特開 平6−335547(JP,A) 特開 平3−136110(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05D 1/00 - 1/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地上側に、電流が供給される設定長さの
    誘導線(2)が設置され、 移動車(V)側に、 車体向きを変更操作自在な操向操作手段(5)と、 前記誘導線(2)に供給される電流により形成される磁
    界の強さを検出する磁界検出手段(GK)と、 前記磁界検出手段(GK)による検出情報に基づいて、
    所定の誘導エリア内における複数の走行経路の夫々にお
    いて、移動車(V)を誘導走行させるべく前記操向操作
    手段(5)を制御する誘導走行制御を実行する走行制御
    手段(12)とが備えられ、 前記走行用の誘導線(2)の長さは、前記誘導エリアに
    おける前記走行経路に沿う方向の幅と同じか又はほぼ同
    じ長さに設定されている移動車の誘導制御装置であっ
    て、 前記移動車(V)に、走行距離を検出する距離検出手段
    (10)と、車体の方位を検出する方位検出手段(1
    1)と、前記各走行経路の端部位置を検出する経路端部
    検出手段(14)とが備えられ、 前記走行制御手段(12)は、 前記経路端部検出手段(14)による検出情報に基づい
    て、前記移動車(V)が前記走行経路の端部位置に至っ
    たことを検出すると、前記誘導走行制御の実行を停止し
    て、前記距離検出手段(10)の検出情報に基づいて、
    移動車(V)を設定距離直進走行させ、 その後、前記方位検出手段(11)の検出情報に基づい
    て、車体の方位が反転するか又はほぼ反転するまで、移
    動車(V)を設定操向操作量にて旋回走行させ、 且つ、前記経路端部検出手段(14)による検出情報に
    基づいて、前記移動車(V)が前記走行経路の端部位置
    に至ったことを検出するまで、車体を直進移動させるべ
    く、前記操向操作手段(5)を制御する回向制御を実行
    するように構成され 前記移動車(V)に車体進行方向を切り換え自在な前後
    進切り換え手段(7)が、前記走行制御手段(12)に
    て切り換え制御可能に設けられ、 前記走行制御手段(12)は、 前記回向制御を実行した後に、前記経路端部検出手段
    (14)による検出情報に基づいて、前記移動車(V)
    が前記走行経路の端部位置に至ったことを検出すると、
    前記磁界検出手段(GK)による検出情報に基づいて、
    次回の走行経路に沿わせるべく移動車(V)を誘導走行
    させ、 且つ、移動車(V)が適正走行姿勢で次回の走行経路に
    沿う状態になった後に、前記経路端部検出手段(14)
    による検出情報に基づいて、前記移動車(V)が前記走
    行経路の端部位置に至ったことを検出するまで、移動車
    (V)を直進状態で後進させ、 その後、前記走行用の磁界検出手段(GK)による検出
    情報に基づいて、次回の走行経路に沿って移動車(V)
    を誘導走行させるべく、前記操向操作手段(5)及び前
    記前後進切り換え手段(7)を制御するように構成され
    ている 移動車の誘導制御装置。
  2. 【請求項2】 地上側に、電流が供給される設定長さの
    誘導線(2)が設置され、 移動車(V)側に、 車体向きを変更操作自在な操向操作手段(5)と、 前記誘導線(2)に供給される電流により形成される磁
    界の強さを検出する磁界検出手段(GK)と、 前記磁界検出手段(GK)による検出情報に基づいて、
    所定の誘導エリア内における複数の走行経路の夫々にお
    いて、移動車(V)を誘導走行させるべく前記操向操作
    手段(5)を制御する誘導走行制御を実行する走行制御
    手段(12)とが備えられ、 前記走行用の誘導線(2)の長さは、前記誘導エリアに
    おける前記走行経路に沿う方向の幅と同じか又はほぼ同
    じ長さに設定されている移動車の誘導制御装置であっ
    て、 前記移動車(V)に、走行距離を検出する距離検出手段
    (10)と、車体の方 位を検出する方位検出手段(1
    1)と、前記各走行経路の端部位置を検出する経路端部
    検出手段(14)とが備えられ、 前記走行制御手段(12)は、 前記経路端部検出手段(14)による検出情報に基づい
    て、前記移動車(V)が前記走行経路の端部位置に至っ
    たことを検出すると、前記誘導走行制御の実行を停止し
    て、前記距離検出手段(10)の検出情報に基づいて、
    移動車(V)を設定距離直進走行させ、 その後、前記方位検出手段(11)の検出情報に基づい
    て、車体の方位が反転するか又はほぼ反転するまで、移
    動車(V)を設定操向操作量にて旋回走行させ、 且つ、前記経路端部検出手段(14)による検出情報に
    基づいて、前記移動車(V)が前記走行経路の端部位置
    に至ったことを検出するまで、車体を直進移動させるべ
    く、前記操向操作手段(5)を制御する回向制御を実行
    するように構成され、 前記移動車(V)に車体進行方向を切り換え自在な前後
    進切り換え手段(7)が、前記走行制御手段(12)に
    て切り換え制御可能に設けられ、 前記走行制御手段(12)は、 前記回向制御を実行した後に、前記経路端部検出手段
    (14)による検出情報に基づいて、前記移動車(V)
    が前記走行経路の端部位置に至ったことを検出すると、
    前記走行用の磁界検出手段(GK)による検出情報に基
    づいて、次回の走行経路に沿わせるべく移動車(V)を
    誘導走行させ、 且つ、移動車(V)が適正走行姿勢で次回の走行経路に
    沿う状態になった後に、前記磁界検出手段(GK)によ
    る検出情報と、当該走行経路に対応して予め設定記憶さ
    れた記憶情報とに基づいて、次回の走行経路に沿わせる
    状態で移動車(V)を後進走行させ、 その後、前記磁界検出手段(GK)による検出情報に基
    づいて、次回の走行経路に沿って移動車(V)を誘導走
    行させるべく、前記操向操作手段(5)を制御するよう
    に構成されている移動車 の誘導制御装置。
  3. 【請求項3】 地上側に、電流が供給される設定長さの
    誘導線(2)が設置 され、 移動車(V)側に、 車体向きを変更操作自在な操向操作手段(5)と、 前記誘導線(2)に供給される電流により形成される磁
    界の強さを検出する磁界検出手段(GK)と、 前記磁界検出手段(GK)による検出情報に基づいて、
    所定の誘導エリア内における複数の走行経路の夫々にお
    いて、移動車(V)を誘導走行させるべく前記操向操作
    手段(5)を制御する誘導走行制御を実行する走行制御
    手段(12)とが備えられ、 前記走行用の誘導線(2)の長さは、前記誘導エリアに
    おける前記走行経路に沿う方向の幅と同じか又はほぼ同
    じ長さに設定されている移動車の誘導制御装置であっ
    て、 前記移動車(V)に、走行距離を検出する距離検出手段
    (10)と、車体の方位を検出する方位検出手段(1
    1)と、前記各走行経路の端部位置を検出する経路端部
    検出手段(14)とが備えられ、 前記走行制御手段(12)は、 前記経路端部検出手段(14)による検出情報に基づい
    て、前記移動車(V)が前記走行経路の端部位置に至っ
    たことを検出すると、前記誘導走行制御の実行を停止し
    て、前記距離検出手段(10)の検出情報に基づいて、
    移動車(V)を設定距離直進走行させ、 その後、前記方位検出手段(11)の検出情報に基づい
    て、車体の方位が反転するか又はほぼ反転するまで、移
    動車(V)を設定操向操作量にて旋回走行させ、 且つ、前記経路端部検出手段(14)による検出情報に
    基づいて、前記移動車(V)が前記走行経路の端部位置
    に至ったことを検出するまで、車体を直進移動させるべ
    く、前記操向操作手段(5)を制御する回向制御を実行
    するように構成され、 前記走行制御手段(12)は、 前記回向制御を実行した後に、前記経路端部検出手段
    (14)による検出情報に基づいて、前記移動車(V)
    が前記走行経路の端部位置に至ったことを検出すると、
    前記磁界検出手段(GK)による検出情報に基づいて、
    該磁界検出手段(GK)が次回の走行経路に相当する磁
    界の強さを検出するまで、次回の走行経路に沿わせるべ
    く移動車(V)を誘導走行させ、且つ、前記距離検出手段(10)の検出情報に基づい
    て、移動車(V)を設定距離直進走行させ、 その後、前記磁界検出手段(GK)による検出情報に基
    づいて、次回の走行経路に沿って移動車(V)を誘導走
    行させるべく、前記操向操作手段(5)を制御するよう
    に構成されている移動車 の誘導制御装置。
  4. 【請求項4】 前記誘導線(2)に対して交差する方向
    に沿って走行経路端部側の誘導線(2)が、電流が供給
    される状態で、地上側に設置され、 前記経路端部検出手段(14)は、前記走行経路端部側
    の誘導線(2)に供給される電流により形成される磁界
    の強さに基づいて、前記各走行経路の端部位置を検出す
    るように構成されている請求項1、2又は3 記載の移動
    車の誘導制御装置。
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