JP3599498B2 - 移動車の誘導制御装置 - Google Patents
移動車の誘導制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3599498B2 JP3599498B2 JP28057596A JP28057596A JP3599498B2 JP 3599498 B2 JP3599498 B2 JP 3599498B2 JP 28057596 A JP28057596 A JP 28057596A JP 28057596 A JP28057596 A JP 28057596A JP 3599498 B2 JP3599498 B2 JP 3599498B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnetic field
- traveling
- control device
- current
- vehicle
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 238000001514 detection method Methods 0.000 claims description 73
- 230000006698 induction Effects 0.000 claims description 23
- 238000000926 separation method Methods 0.000 claims description 17
- 238000009434 installation Methods 0.000 description 10
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 9
- 230000003321 amplification Effects 0.000 description 5
- 238000003199 nucleic acid amplification method Methods 0.000 description 5
- 230000006870 function Effects 0.000 description 4
- 239000013643 reference control Substances 0.000 description 3
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 description 2
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 description 2
- 238000010276 construction Methods 0.000 description 2
- 238000003708 edge detection Methods 0.000 description 2
- 238000002474 experimental method Methods 0.000 description 2
- 238000005070 sampling Methods 0.000 description 2
- 239000002689 soil Substances 0.000 description 2
- 239000003990 capacitor Substances 0.000 description 1
- 239000002131 composite material Substances 0.000 description 1
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 1
- 230000007935 neutral effect Effects 0.000 description 1
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 1
- 238000005507 spraying Methods 0.000 description 1
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 1
- 238000003971 tillage Methods 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地上側に、電流供給源より電流が供給される誘導線が設置され、
移動車側に、
走行状態を操作自在な走行操作手段と、
前記電流により形成される磁界の強さを、前記誘導線からの離間距離情報として検出する磁界検出手段と、
前記磁界検出手段により検出される離間距離情報に基づいて、移動車を前記誘導線から離間した複数の予定走行経路において誘導走行させるべく前記走行操作手段を制御する制御手段とが備えられている移動車の誘導制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記構成の移動車の誘導制御装置は、誘導線に供給される電流により形成される磁界の強さは、誘導線からの離間距離に応じて定まる特性を有することから、この磁界の強さの検出情報に基づいて、移動車を誘導走行させることができるようにしたものである。
【0003】
上記構成の誘導制御装置において、従来では、例えば本出願人が先に出願した特願平6‐184337号において示されるように、電流供給源から供給される電流の閉回路が、誘導線と地中を通る閉回路で構成されるようにしたものがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成の誘導制御装置においては、誘導線に電流を供給するために、電流を通流させるための閉回路を構成するに際して、地中を有効利用して、長い誘導線を設置する場合等において、誘導線の設置のための施工の手間を少なくさせるようにしたものである。
【0005】
しかしながら、このように地中を利用して電流を通流させる構成とした場合においては、誘導線の設置場所が異なると、地中に対する接地抵抗が土質や含水率等によって変化して、誘導線に供給される電流が変動してしまうおそれが大となっていた。その結果、移動車の誘導制御の基準となる電流の大きさが変動して、移動車の誘導制御が適正に行えなくなるおそれがあった。
【0006】
そこで、このような不利を回避するために、接地抵抗が許容範囲内に収まるように調整すべく特殊な接地工事を施したり、誘導制御を実行する毎に、接地抵抗を調整する必要がある等、誘導線の設置の為の施工作業に、却って煩わしい手間がかかってしまうという不利があり、この点で改善の余地があった。
【0007】
本発明はかかる点に着目してなされたものであり、その目的は、極力、誘導線の設置の手間を煩わしいものにさせることなく、又、誘導線の設置場所の変化にかかわらず、常に適正な誘導制御を行わせることが可能となる移動車の誘導制御装置を提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の特徴構成によれば、移動車を誘導するための電流が供給される前記誘導線が、その往路部分と、前記電流供給源から供給される電流が通流する閉ループを形成する為の復路部分とが、平面視で適宜間隔をあけて位置する状態で、地上側に設置されることになる。
【0009】
従って、電流供給源から供給される電流は、誘導線における移動車側に位置する往路部分、並びに、閉ループを形成する為の誘導線における復路部分の夫々を通して通流することになる。つまり、誘導線のみによって、電流の通流が可能な一連に連なる閉回路を構成することで、従来構成のように、地中部分を通して電流を通流させる場合に較べて、設置場所が異なったような場合であっても、土質や接地抵抗等に起因して前記閉回路における電気抵抗が変動する等のおそれが少なくなり、それだけ誘導線に供給される電流が安定することになる。
【0010】
しかも、誘導線を地中に接地させるための特別な施工が不要であり、誘導線の設置の手間も少ないもので済ませることができる。
【0011】
その結果、誘導線の設置の手間が少なく、しかも、移動車の誘導対象箇所が異なった場合であっても、誘導線に通流される電流が予め設定した電流値から大きく変動することなく安定して、常に適正な誘導制御を行わせることが可能となった。
【0012】
請求項2に記載の特徴構成によれば、前記誘導線における前記往路部分が、前記各予定走行経路に沿う状態で設置され、且つ、前記復路部分が、前記往路部分に対して平行又はほぼ平行になるように設置され、制御手段は、磁界検出手段により検出される離間距離情報に基づいて、移動車を前記各予定走行経路に沿って誘導走行させるべく前記走行操作手段を制御するように構成されている。
【0013】
つまり、前記往路部分が、前記各予定走行経路に沿う状態で設置され、且つ、誘導線からの離間距離が一定であれば磁界検出手段にて検出される磁界の強さは同じになることから、誘導線から設定距離だけ離間した予定走行経路においては、例えば、磁界検出手段の検出値が、その設定距離に対応した磁界の強さの目標値に維持されるように誘導制御することで、予定走行経路に沿わせる誘導走行を行うことができる。
【0014】
又、前記復路部分が、前記往路部分に対して平行又はほぼ平行になるように設置されることから、復路部分に通流する電流にて形成される磁界と、往路部分に通流する電流にて形成される磁界との合成磁界が、予定走行経路における磁界の強さとなるが、往路部分と復路部分とが平行又はほぼ平行に設置されるので、予定走行経路を走行するに伴って大きく磁界が変化することが無く、誘導制御をより安定した状態で行うことができる。
【0015】
請求項3に記載の特徴構成によれば、前記誘導線における前記往路部分が、前記各予定走行経路に対して交差する方向に沿う状態で設置され、且つ、前記復路部分が、前記往路部分に対して平行又はほぼ平行になるように設置され、制御手段は、磁界検出手段により検出される離間距離情報に基づいて、移動車が前記各予定走行経路における端部に位置していることを判別して、前記走行制御手段の制御状態を切り換えるように構成されている。
【0016】
つまり、前記往路部分が、前記各予定走行経路に対して交差する方向に沿う状態で設置され、誘導線から設定距離だけ離間した箇所が、予定走行経路の端部に位置することになり、例えば、磁界検出手段の検出値が、その設定距離に対応した磁界の強さの目標値になると、移動車が予定走行経路の端部に位置していることが判別できて、例えば旋回走行を開始したり、旋回を終了させたりする等、走行制御手段の制御状態を切り換えることができるのである。
【0017】
又、前記復路部分が、前記往路部分に対して平行又はほぼ平行になるように設置されることから、復路部分に通流する電流にて形成される磁界と、往路部分に通流する電流にて形成される磁界との合成磁界が、予定走行経路の端部における磁界の強さとなるが、往路部分と復路部分とが平行又はほぼ平行に設置されるので、複数の予定走行経路の夫々の端部位置において大きく磁界が変化することが無く、各端部位置を極力精度よく位置合わせすることが可能となる。
【0018】
請求項4に記載の特徴構成によれば、前記移動車が圃場における複数の予定走行経路に沿って走行しながら作業を行う農作業車であって、前記誘導線は、圃場における畦の幅方向一側部に沿って前記往路部分が位置し、前記畦の幅方向他側部に沿って前記復路部分が位置する状態で地上側に設置されている。
【0019】
各予定走行経路に沿って農作業車が誘導走行されることによって、圃場内において作業を行うことになる。又、誘導線における往路部分は畦の幅方向一側部に沿って位置し、復路部分は畦の幅方向他側部に沿って位置する状態で設置される。つまり、畦と圃場との境界部分を利用して設置されることになる。
【0020】
従って、圃場内で農作業車が走行する場合にも、誘導線が農作業車に干渉したりすることがなく、又、作業の補助等を行う作業者や、農作業車が畦の上を移動する場合等においても、誘導線が干渉するおそれを極力少なくできる。
【0021】
その結果、誘導線の合理的な設置形態を採ることにより、外物に干渉して損傷したりする等の不利のない状態で、有効に移動車の誘導制御を行うことができるものとなった。
【0022】
請求項5に記載の特徴構成によれば、前記誘導線は、地上側の地表面に載置される状態で設置されている。
【0023】
従って、誘導線は地表面に載置させるだけで設置できることになり、例えば、長距離にわたって地中に埋め込む等の煩わしい作業を要することなく、簡単に設置することができ、又、撤去する場合にも煩わしさなく簡単な作業で済むものとなる。
【0024】
請求項6に記載の特徴構成によれば、前記磁界検出手段により検出され、前記制御手段に入力される前記磁界の強さの出力信号が、前記制御手段の制御動作に対する適正レベルになるように、前記磁界検出手段の出力ゲインを調整するゲイン調整手段が設けられている。
【0025】
誘導線における往路部分に流れる電流と、復路部分に流れる電流とは方向が逆向きになることから、夫々により形成される磁界は互いに打ち消し合うように作用するので、予定走行経路にて形成される合成磁界の強さは、誘導線が1本だけ存在する従来構成に較べて小さいものになるが、ゲイン調整手段にて磁界検出手段の出力ゲインを、磁界の強さの出力信号が制御手段の制御動作に対する適正レベルになるように調整することができ、適正な誘導制御を実行することができることになる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る移動車の誘導制御装置について説明する。
移動車の誘導制御装置は、図1に示すように、誘導エリアの一例としての矩形形状の圃場1内において、移動車の一例としての作業車Vを圃場1の長手方向に沿って互いに平行な複数の走行経路kの夫々において、無人状態で誘導走行させることができるように構成されている。
【0027】
圃場1の外周部における各辺(畦)には、夫々、畦の長さとほぼ同じ長さの誘導線2が畦の長手方向に沿わせる状態で設置され、各誘導線2には夫々各別に電流供給源により所定周波数の交流電流が供給される。つまり、圃場1の長尺方向に沿う両側の畦に沿って設置される各誘導線2a,2cには、各電流供給源3により周波数fa(Hz)及び周波数fc(Hz)の交流電流が夫々供給され、短尺方向に沿う両側の畦に設置される各誘導線2b,2dには、各電流供給源3により周波数fb(Hz)及び周波数fd(Hz)の交流電流が夫々供給される。尚、周波数は、数百Hz〜数十KHz程度に設定されている。
【0028】
前記各誘導線2a,2cは、その往路部分2OLと、前記電流供給源3から供給される電流が通流する閉ループを形成する為の復路部分2FLとが、平面視で適宜間隔をあけて位置する状態で、地上側に設置されている。具体的には、図2に示すように、圃場における畦AZの幅方向一側部に沿って前記往路部分2OLが位置し、畦AZの幅方向他側部に沿って前記復路部分2FLが位置する状態で地上側の地表面に載置される状態で、且つ、復路部分2FLが、前記往路部分2OLに対して平行又はほぼ平行になるように設置されている。つまり、畦AZと圃場面との境界部分を有効利用してループ状に設置されることになる。
【0029】
上述したように設置された誘導線に電流が流れると、その電流によって磁界が形成されるが、誘導線2からの離間距離に対する磁界の強さの理論値は演算にて求めることができ、その磁界の強さは誘導線2からの離間距離の2乗に反比例する。そして、前記往路部分2OLに流れる電流と復路部分2FLに流れる電流とは互いに逆向きになり、形成される磁界は反対方向に互いに打ち消し合うように作用するが、平面視で互いに適宜間隔をあけて設置されることから、図3に示すように、誘導線2からの離間距離に対する磁界の強さの変化特性が定まることになり、圃場1内でのある地点での磁界の強さはほぼ一定の大きさになる。
【0030】
尚、図3は、本出願人による実測データであり、誘導線には約3アンペアの電流を供給し、前記往路部分2OL及び復路部分2FLの夫々の長さは約80メートル、それらの平面視での間隔は約1メートルであり、往路部分2OLのほぼ中間位置において、誘導線からの離間距離とその地点での磁界の強さを測定したものである。
【0031】
前記作業車Vは、四輪型の走行車体5の後部に対地作業装置としてのロータリー耕耘装置6が備えられ、走行しながら圃場1の対地作業(耕耘作業)を行うことができるように農作業車として構成されている。走行車体5にはエンジンが搭載され、このエンジンの動力が、動力伝達を入切自在な前後進切換機構7を備えた変速装置を介して各車輪に伝えられて車体が走行するように構成され、エンジンの動力がロータリー耕耘装置6に伝えられるようになっている。又、左右の前輪が電動モータ9により操向操作可能に設けられている。
【0032】
前記作業車Vには、車軸の回転数を検出することで車体の走行距離を検出するための例えばロータリーエンコーダ等から成る距離検出手段としての走行距離センサ10、車体の方位を検出する方位検出手段としての方位センサ11、前記前後進切換機構7や操向用電動モータ9等の動作を制御する制御手段としてのマイクロコンピュータ利用の制御装置12等が備えられている。前記前後進切換機構7と操向用電動モータ9により、作業車の走行状態を操作自在な走行操作手段SSが構成されることになる。
【0033】
又、走行車体5の前部には、前記各誘導線に対する作業車の位置(離間距離)情報として、前記各誘導線に供給される交流電流により形成される磁界の強さを検出する3個の磁界センサが車体横幅方向に沿って並設される状態で設けられ、このうち、左右両側に位置する側部磁界センサ13R,13Lは、圃場1の長尺方向に沿う両側の畦に沿って設置される各誘導線2a,2cからの位置情報(離間距離情報)を、周波数fa及び周波数fcの交流電流により形成される磁界の強さとして検出するように構成され、左右中央側に位置する中央磁界センサ14は、圃場1の短尺方向に沿う両側の畦に沿って設置される各誘導線2b,2dからの位置情報を、周波数fb及び周波数fdの交流電流により形成される磁界の強さとして検出するように構成されている。
【0034】
そして、前記制御装置12は、磁界検出手段GKとしての各側部磁界センサ13R,13Lによる検出情報に基づいて、複数の走行経路kの夫々において作業車Vを各走行経路kに沿って誘導走行させる誘導走行制御を実行し、且つ、中央磁界センサ14による検出情報に基づいて、各走行経路kの終端部又は始端部に達したことを検出し、終端部に達したことを検出すると、作業車Vを回向走行させて隣接する次回の走行経路に進入誘導させる旋回制御を実行するように構成されている。
【0035】
つまり、図4に示すように、各側部磁界センサ13R,13L、中央磁界センサ14の出力が夫々、信号処理部15にて処理された後に制御装置12に与えられ、これらの磁界検出情報に基づいて、各走行経路kに沿って誘導走行されるように操向用電動モータ9を制御すると共に、走行経路kの終端部においては、磁界検出情報及び方位センサ11並びに走行距離センサ10の検出情報に基づいて、旋回走行すべく操向用電動モータ9、前後進切換機構7等を制御するように構成されている。
【0036】
前記中央磁界センサ14は、図5に示すように、誘導線2b,2dに流れる交流電流により形成される交番磁界によって誘導起電力が発生する検出コイル16aと、この検出コイル16aの出力を所定のレベルまで増幅する増幅器16bと、検出コイル16aの出力のうち前記各誘導線2b,2dに流れる電流の周波数fb,fdに対応する出力のみ通過させる周波数フィルターとしてのバンドパスフィルターBPF、その出力を直流信号に変換する直流変換回路DC等を備えて構成されている。
【0037】
前記側部磁界センサ13R,13Lは、夫々、誘導線2a,2cに流れる交流電流により形成される交番磁界の車体上下方向に沿う磁界成分を検出する上下方向検出コイル17、車体横幅方向に沿う磁界成分を検出する横幅方向検出コイル18、これらの各検出コイルの出力を所定のレベルまで増幅する増幅器19,20、各検出コイル17,18の出力のうち前記各誘導線2a,2cに流れる電流の周波数fa,fcに対応する出力のみ通過させる周波数フィルターとしてのバンドパスフィルターBPF、その出力を直流信号に変換する直流変換回路DC、及び、前記各周波数fa,fcに対応する上下方向成分と横幅方向成分とに基づいて、夫々の磁界の強さを演算する演算部21,22等を備えて構成されている。
前記各演算部21,22は、図12に示すように、車体上下方向成分pと横幅方向成分qとに基づいて三角形の定理に基づいて演算して、合成磁界rの強さを求めるように構成されている。
【0038】
このように構成することで、例えば、図12(イ)に示すように、作業車Vが走行途中で片側車輪が凹部に入り込んで車体が水平姿勢よりの角度θだけ斜め姿勢に傾斜したような場合であっても、誘導線に供給される電流により形成される磁界を、互いに直交する2方向の成分にて検出して、図12(ロ)に示すように、それを演算にて合成磁界を求めることにより正確な磁界の強さ、つまり、誘導線からの離間距離を精度よく検出することができるものとなる。
【0039】
このように、各側部磁界センサ13R,13Lは、夫々、周波数fa及び周波数fcの夫々に対応する検出情報が出力され、中央磁界センサ14は、夫々、周波数fb及び周波数fdの夫々に対応する検出情報が出力されるようになっているが、信号処理部15において、それらのうち、検出レベルが高い方、即ち、作業車Vが該当する誘導線に近い方の検出情報が選択的に出力されるようになっている。
信号処理部15は、図6に示すように、前記各磁界センサ13R,13L,14の出力が制御装置12に入力され、制御装置12は各磁界センサ13R,13L,14における異なる周波数の出力のうち、検出レベルの高い側の出力を判別して、その出力を選択するように3個のアナログスイッチAS1,AS2,AS3 に選択信号を与えるように構成されている。
【0040】
制御装置12は、中央磁界センサ14の検出情報に基づいて、短尺方向に沿う畦に設置される誘導線2b,2dのうちいずれかの検出レベルの高い側の誘導線からの離間距離を算出して、その離間距離が設定値になると、作業車Vが前記各走行経路kの端部位置に達したことを判別するように構成されている。
尚、短尺方向に沿う畦に設置される誘導線2b,2dは、図7に示すように、両側端部を圃場1内方側に向けて略L字形に屈曲させた状態で設置されている。このように構成すると、誘導線2b,2dの中間部tからの離間距離が設定距離にある地点で誘導線2b,2dの全長にわたってほぼ同一の磁界の強さになるので、この地点を走行経路kの端部位置として設定している。この端部位置は、端部屈曲部の長さLよりも設定距離だけ圃場1内方側によった地点となる。因みに、本出願人の実験によれば、端部屈曲部の長さHが例えば3mであれば、端部位置は誘導線から5mの離間距離の位置となる。
尚、この誘導線2b,2dは、電流が通流するための復路部分として地中を利用して電流閉回路が構成されている。
【0041】
このように、走行経路kの端部位置を圃場1の端部よりも内方側に設定する理由は、図1に示すように、有限長の誘導線により形成される磁界において、離間距離が同一の地点における磁界強度分布は、誘導線の端部付近においては、離間距離に対する磁界の強さの関係が直線的でなく、磁界の強さに基づく誘導制御が良好に行えないおそれがあるからである。
【0042】
又、各誘導線2には、図8に示すように、他の誘導線に流れる電流が地中を通して流入することを抑制する電流抑制手段の一例である周波数フィルターとして、当該誘導線に供給される電流の周波数のみの通過を許容するバンドパスフィルター23が設けられている。このバンドパスフィルター23は、コイル23aとコンデンサ23bを直列接続した共振回路にて構成され、その共振周波数が前記電流の周波数に対応するように構成されている。従って、他の誘導線から地中を通して異なる周波数の電流が流れ込んでも、誘導線にはその流入電流が通流することが抑制され、各磁界センサが誤った情報を検出するおそれを極力少なくさせている。
【0043】
信号処理部15には、磁界検出手段GKにより検出され、前記制御装置12に入力される前記磁界の強さの出力信号が、制御装置12の制御動作に対する適正レベルになるように、磁界検出手段GKの出力ゲインを調整するゲイン調整手段TUが設けられている。
具体的に説明すると、前記各側部磁界センサ13R,13Lの検出情報に対応する各アナログスイッチAS1,AS3 の出力を増幅するための増幅ゲインは、制御装置12からの切り換え情報に基づいて複数段階(4段階)に変更調整するように構成されている。つまり、夫々増幅ゲインの異なる4個の増幅器24,25,26,27の出力のうちのいずれかを制御装置12に入力させるためのアナログスイッチAS4,AS5 に対して、制御装置12が選択内容を指令するように構成されている。
誘導線に供給される電流により形成される磁界の強さは、上述したように離間距離の変化に対して大きく変化するものであり、増幅ゲインを一定に維持した場合には、全範囲にわたって適正な分解能で検出することが難しく、検出精度が低下してしまうおそれがあるので、制御装置12に対する入力レベルが、例えば図9に示すように、前記誘導線からの離間距離が単位距離変化したときに適切な磁界の強さの変化が識別可能となるように、言い換えると、適切な分解能を有する適正出力範囲になるように増幅ゲインを自動調整するのである。
【0044】
前記各側部磁界センサ13R,13Lは、車体横幅方向に設定間隔を隔てて設置されており、そのいずれか一方の側部磁界センサが、作業車Vが、複数の走行経路kのうちの1つに沿って走行するときに、その走行中の走行経路kに沿う誘導制御を実行するために磁界の強さを検出するための現走行経路用の磁界検出部GK1 として機能し、他方の側部磁界センサが、隣接する次の走行経路kに沿って作業車を走行させた際に前記現走行経路用の磁界検出部GK1 にて検出されることになる磁界の強さを検出する次走行経路用の磁界検出部GK2 として機能するように構成されている。
つまり、他方の側部磁界センサは、現走行経路kを走行しながら次走行経路kの磁界を逐次検出するようになっており、この検出情報は、前記走行距離センサ10により検出される距離情報と対応付けた状態で、記憶手段としてのメモリMに逐次記憶されるように構成されている。
【0045】
制御装置12は、磁界検出情報が記憶されている次走行経路kにおいて、メモリMに記憶されている磁界検出情報と、走行距離センサ10により検出される走行経路kの端部位置からの走行距離情報とに基づいて、当該走行経路k上の各地点における磁界の強さの目標値を求め、その目標値と、現走行経路用の磁界検出部GK1 として機能する側部磁界センサの検出値との偏差に基づいて、走行用電動モータ9を駆動制御する誘導走行制御を実行するように構成されている。
【0046】
又、制御装置12は、メモリMに記憶されている磁界検出情報に基づいて、次走行経路kにおいて誘導走行される際における現走行経路用の磁界検出部GK1 の出力ゲインの目標値を設定すると共に、次走行経路kにおける誘導走行に先立って、出力ゲインを目標値に自動調整するように構成されている。具体的には、メモリMに記憶されている磁界の強さの最大値が、ゲイン調整用設定上限値を越えていれば、現行のゲインよりも1段低いゲインの増幅器が選択され、前記最大値が、ゲイン調整用設定下限値を下回っていれば、現行のゲインよりも1段高いゲインの増幅器が選択されるように、アナログスイッチAS4,AS5 に対して選択信号を指令するようになっている。尚、各アナログスイッチAS4,AS5 のゲインは常に同じ値に調整されるようになっている。
前記ゲイン調整用の設定上限値及び設定下限値は、アナログ値としての出力変化の直線性が保障される上下限範囲として設定される。
【0047】
又、制御装置12は、現走行経路用の磁界検出部GK1 として機能する側部磁界センサの検出値と、前記目標値との偏差に制御定数を乗じて操向操作量、つまり、電動モータの目標作動量を求めるように構成されている。そして、現走行経路用の磁界検出部GK1 及び次走行経路用の磁界検出部GK2 にて検出される磁界の強さの検出情報に基づいて、次走行経路を走行する際において、前記操作量が適正範囲になるように、前記制御定数を補正するように構成されている。
【0048】
次に、制御装置12の制御動作について説明する。
圃場1内において作業車Vを誘導走行させる場合、制御装置12による自動誘導制御に先立って、初回の走行経路kにおいては、適正な走行経路kに沿わせる状態で手動操縦により作業車Vを走行させる。そのとき、走行経路kの始端位置から、走行を開始させるに伴って、次走行経路側の側部磁界センサ(図1の場合には右側のセンサ13R)の検出情報並びに走行距離センサ10の検出情報とを対応させた状態で、メモリMに逐次書き込み記憶させておく。
又、この初回走行経路を走行するに伴って設定時間毎にサンプリングされた複数のデータのうち、走行経路の中央付近における左右側部磁界センサ13R,13Lの夫々の検出値の複数(n個)のサンプリングデータα1 …αn 、β1 ……βn の差分値の平均値を求め、この平均値と、予め実験等に基づいて設定された定数γとに基づいて当該走行経路における操向制御用の制御定数を基準制御定数G1 として求めておく。具体的には下記〔数1〕に基づいて演算する。
【0049】
【数1】
【0050】
そして、作業車を次の走行経路kの始端部に移動させた後に、自動誘導制御が開始されるが、図10に示すように、それに先立って、先ず、現走行経路用の磁界検出部GK1 として機能する側部磁界センサ(図1の場合には左側のセンサ13L)を初期設定する(ステップ1)と共に、その走行経路において適用される前記制御定数を設定する(ステップ2)。
この制御定数の設定について説明を加えると、現在の走行経路の始端部における左右側部磁界センサ13R,13Lの夫々の検出値の差分値Znを求め、この差分値Znと、前記初回走行経路における差分値Z1 並びに前記基準制御定数G1 に基づいて、下記〔数2〕に基づいてこの走行経路における制御定数Gnを算出する。尚、前記各差分値Zn,Z1 は夫々、各走行経路において設定サンプリング時間毎にサンプリングされた複数の検出値の平均値として算出するようにしている。
【0051】
【数2】
Gn=(Z1 /Zn)・G1
【0052】
このような制御定数の設定は各走行経路毎に、その経路の始端部において実行されることになる。
【0053】
そして、作業用の走行速度で作業車Vを走行させながら、前記メモリMに記憶される磁界検出情報と、走行距離センサ10の検出情報とに基づいて、走行経路k上の現時点における磁界の強さの目標値を求めて、現走行経路用の磁界検出部GK1 として機能する側部磁界センサ13Lの検出値と前記目標値との偏差に制御定数を乗じて操向操作量を求め、この操向操作量になるように、操向用電動モータ9を駆動制御する(ステップ3)。
この誘導走行制御が実行される際に、次走行経路用の磁界検出部GK2 として機能する次走行経路側の側部磁界センサ(図1の場合には右側のセンサ13R)の検出情報を走行距離センサ10の検出情報と対応させた状態で、メモリMに逐次書き込み記憶させる(ステップ4)。
【0054】
中央磁界センサ14の検出情報に基づいて、走行経路kの終端部に達したことが検出されると、走行経路数nをカウントアップし(ステップ5,6)、カウント値が圃場1内での設定経路数nsに達していなければ(ステップ7)、前記メモリMに書き込み記憶された磁界の強さの最大値Xmが、ゲイン調整用設定上限値SGMを越えていれば、現行のゲインよりも1段低いゲインの増幅器が選択されるようにアナログスイッチAS4,AS5 に対して選択信号を指令して、出力ゲインが下げ側に変更される(ステップ8,9)。前記最大値Xmが、ゲイン調整用設定下限値SGLを下回っていれば、現行のゲインよりも1段高いゲインの増幅器が選択されるように、アナログスイッチAS4,AS5 に対して選択信号を指令して、出力ゲインが上げ側に変更される(ステップ10,11)。尚、このように出力ゲインが変更された場合には、前記制御定数も変更量に対応して適宜修正されることになる(ステップ12,13)。
【0055】
このようにして、磁界の強さの検出値や出力ゲインの変更状況に応じて、常に適切な制御定数にて電動モータを駆動制御するようにして、制御のハンチングや検出誤差の発生を極力、抑制するようにしている。
【0056】
次に、現走行経路用の磁界検出部GK1 として機能する側部磁界センサを、反対側のもの(右側のセンサ13R)に切り換える(ステップ14)。車体の向きの変化によりそれらの位置関係が反転するからである。
【0057】
次に、車体を次走行経路kの始端部に位置させるべく回向走行させる旋回制御を実行する(ステップ15)。
図13(イ)に示すように、走行経路kの終端位置から設定距離だけ操向操作を中立状態に維持したままで直進走行させた後に、方位センサ11をリセットして、車体の方位が180度反転したことが検出されるまで、最大切れ角にて旋回走行させ、その後、中央磁界センサ14の検出情報に基づいて次の走行経路kの始端部に達したことが検出されるまで直進走行させる(ステップ16)。
【0058】
尚、次の走行経路の経路始端側箇所では、図13(ロ)に示すように、現走行経路k用の磁界検出部として機能する側部磁界センサの検出情報と、前記メモリMに記憶されている記憶情報とに基づいて、次走行経路に沿う状態になるように車体を旋回しながら前進させて幅寄せを行う必要があるが、このとき、次走行経路用の磁界検出情報が、屈曲した状態となるが、この領域においては、初回走行経路の検出情報と、上述したような磁界変化具合の検出情報とに基づいて、適正な状態に補正するようにしている。その後、その走行経路に沿わせる状態で誘導走行制御を実行することになる。
【0059】
そして、前記中央磁界センサ14の検出情報に基づいて、次の走行経路kの始端部に達したことが検出された後に、現走行経路用の磁界検出部GK1 の検出値と目標値(記憶情報)との偏差が設定範囲内に収まってから設定時間経過して、安定したときに、上述したような制御定数の設定を実行する。つまり、現在の走行経路における左右側部磁界センサ13R,13Lの夫々の検出値の差分値Znと、前記初回走行経路における差分値Z1 並びに前記基準制御定数G1 に基づいて、上記〔数2〕に基づいてこの走行経路における制御定数Gnを算出する。尚、現走行経路における前記差分値Znは、始端側での検出情報に基づいて算出されることになる。
【0060】
以後、上述したような誘導走行制御を実行するが、このとき、ステップ9,11にてゲインが変更されていれば、メモリMに記憶されている検出情報に対しても、変化量に対応したゲインを掛けて走行用目標値を求めることになる。
そして、ステップ2〜15を繰り返して、各走行経路kに沿わせて順次、作業車Vを誘導走行させ、設定経路数nsに達すると制御が終了する(ステップ7)。
【0061】
現走行経路kにおいては、前回走行経路kを走行する際に記憶されている磁界の強さと現走行経路kでの検出磁界とが同じになるように制御され、しかも、前記各側部磁界センサ13R,13Lの設置間隔は、ロータリー耕耘装置6の対地作業幅よりも幅狭に設定されているので、ロータリー耕耘装置6による作業領域が各走行経路kでラップすることになり、未作業領域が発生しないようになっている。又、各側部磁界センサ13R,13Lの設置間隔を変更調整自在に構成されている。
【0062】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、圃場1の長尺方向に沿う両側の畦に沿って設置される各誘導線2a,2cが畦を囲うようにループ状に設置される場合を例示したが、短尺方向に沿う両側の畦に設置される各誘導線2b,2dを、畦を囲うようにループ状に設置する構成としてもよい。
そして、各予定走行経路に沿わせる移動車の誘導走行制御、並びに、各予定走行経路の端部を検出する制御の夫々に磁界検出情報を用いる上記実施形態の構成に代えて、いずれかの制御にのみ磁界検出情報を用いてもよい。
【0063】
又、この場合、誘導走行制御にのみ用いる場合、端部検出の構成として、例えば、経路端部にて横方向にレーザー光を照射させて、このレーザー光を検出するセンサにて経路端部を検出するようにしてもよく、又、地上に固定の制御部から無線情報にて経路端部に至ったことを移動車側に指令する構成等、各種の構成にて実施してもよい。
【0064】
そして、端部検出にのみ、磁界検出情報を用いる場合には、移動車の誘導制御として、走行経路に沿わせてレーザー光を照射させて、このレーザー光を検出するセンサにて常にレーザー光を検出するように誘導走行させる形態としてもよく、又、無線操縦による誘導制御であってもよい。
【0065】
(2)上記実施形態では、ゲイン調整手段として、4段階の増幅率に切り換える構成としたが、段数を変更してもよく、又、増幅率の段数を変更して実施してもよく、更に、増幅率を無段階に変更調整する構成としてもよい。更に、このような出力ゲインの自動調整を行わない構成としてもよい。
【0066】
(3)上記実施形態では、誘導対象エリアの左右両側に誘導線が設置される場合を例示したが、片側にのみ誘導線が設けられる構成としてもよく、この場合において、誘導走行制御は、誘導線に近い方の走行経路から順次、遠い側の経路に誘導させてもよく、誘導線に遠い方の走行経路から順次、近い側の経路に誘導させてもよい。
【0067】
(4)上記実施形態では、移動車として四輪型で左右前輪が操向揺動自在に設けられる構成としたが、四輪全てが操向揺動自在に設けられて、前後車輪が互いに異なる方向に揺動する小旋回半径での旋回を行う形態や、前後車輪が同じ方向に揺動して移動車が斜め方向に平行移動するような走行形態を採ることが可能な構成であってもよい。又、左右一対のクローラ走行装置を備え、片側に制動を加える操向操作構成を有する構成であってもよい。
【0068】
(5)上記実施形態では、移動車としてロータリー耕耘装置を備えた構成としたが、苗移植装置や薬剤散布装置等を備えたものであってもよく、又、このような作業装置を備えない、運搬車等の移動車であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】誘導状態を示す平面図
【図2】誘導線の設置状態を示す図
【図3】磁界強度分布を示す図
【図4】制御ブロック図
【図5】磁界検出部の構成図
【図6】信号処理部の構成図
【図7】誘導線の設置状態を示す平面図
【図8】誘導線の電気回路図
【図9】出力ゲインを切り換えた場合の出力特性を示す図
【図10】制御動作のフローチャート
【図11】移動車の平面図
【図12】磁界検出状態を示す図
【図13】旋回制御状態を示す図
【符号の説明】
2 誘導線
2OL 往路部分
2FL 復路部分
3 電流供給源
12 制御手段
GK 磁界検出手段
SS 走行操作手段
TU ゲイン調整手段
V 移動車
【発明の属する技術分野】
本発明は、地上側に、電流供給源より電流が供給される誘導線が設置され、
移動車側に、
走行状態を操作自在な走行操作手段と、
前記電流により形成される磁界の強さを、前記誘導線からの離間距離情報として検出する磁界検出手段と、
前記磁界検出手段により検出される離間距離情報に基づいて、移動車を前記誘導線から離間した複数の予定走行経路において誘導走行させるべく前記走行操作手段を制御する制御手段とが備えられている移動車の誘導制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記構成の移動車の誘導制御装置は、誘導線に供給される電流により形成される磁界の強さは、誘導線からの離間距離に応じて定まる特性を有することから、この磁界の強さの検出情報に基づいて、移動車を誘導走行させることができるようにしたものである。
【0003】
上記構成の誘導制御装置において、従来では、例えば本出願人が先に出願した特願平6‐184337号において示されるように、電流供給源から供給される電流の閉回路が、誘導線と地中を通る閉回路で構成されるようにしたものがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成の誘導制御装置においては、誘導線に電流を供給するために、電流を通流させるための閉回路を構成するに際して、地中を有効利用して、長い誘導線を設置する場合等において、誘導線の設置のための施工の手間を少なくさせるようにしたものである。
【0005】
しかしながら、このように地中を利用して電流を通流させる構成とした場合においては、誘導線の設置場所が異なると、地中に対する接地抵抗が土質や含水率等によって変化して、誘導線に供給される電流が変動してしまうおそれが大となっていた。その結果、移動車の誘導制御の基準となる電流の大きさが変動して、移動車の誘導制御が適正に行えなくなるおそれがあった。
【0006】
そこで、このような不利を回避するために、接地抵抗が許容範囲内に収まるように調整すべく特殊な接地工事を施したり、誘導制御を実行する毎に、接地抵抗を調整する必要がある等、誘導線の設置の為の施工作業に、却って煩わしい手間がかかってしまうという不利があり、この点で改善の余地があった。
【0007】
本発明はかかる点に着目してなされたものであり、その目的は、極力、誘導線の設置の手間を煩わしいものにさせることなく、又、誘導線の設置場所の変化にかかわらず、常に適正な誘導制御を行わせることが可能となる移動車の誘導制御装置を提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の特徴構成によれば、移動車を誘導するための電流が供給される前記誘導線が、その往路部分と、前記電流供給源から供給される電流が通流する閉ループを形成する為の復路部分とが、平面視で適宜間隔をあけて位置する状態で、地上側に設置されることになる。
【0009】
従って、電流供給源から供給される電流は、誘導線における移動車側に位置する往路部分、並びに、閉ループを形成する為の誘導線における復路部分の夫々を通して通流することになる。つまり、誘導線のみによって、電流の通流が可能な一連に連なる閉回路を構成することで、従来構成のように、地中部分を通して電流を通流させる場合に較べて、設置場所が異なったような場合であっても、土質や接地抵抗等に起因して前記閉回路における電気抵抗が変動する等のおそれが少なくなり、それだけ誘導線に供給される電流が安定することになる。
【0010】
しかも、誘導線を地中に接地させるための特別な施工が不要であり、誘導線の設置の手間も少ないもので済ませることができる。
【0011】
その結果、誘導線の設置の手間が少なく、しかも、移動車の誘導対象箇所が異なった場合であっても、誘導線に通流される電流が予め設定した電流値から大きく変動することなく安定して、常に適正な誘導制御を行わせることが可能となった。
【0012】
請求項2に記載の特徴構成によれば、前記誘導線における前記往路部分が、前記各予定走行経路に沿う状態で設置され、且つ、前記復路部分が、前記往路部分に対して平行又はほぼ平行になるように設置され、制御手段は、磁界検出手段により検出される離間距離情報に基づいて、移動車を前記各予定走行経路に沿って誘導走行させるべく前記走行操作手段を制御するように構成されている。
【0013】
つまり、前記往路部分が、前記各予定走行経路に沿う状態で設置され、且つ、誘導線からの離間距離が一定であれば磁界検出手段にて検出される磁界の強さは同じになることから、誘導線から設定距離だけ離間した予定走行経路においては、例えば、磁界検出手段の検出値が、その設定距離に対応した磁界の強さの目標値に維持されるように誘導制御することで、予定走行経路に沿わせる誘導走行を行うことができる。
【0014】
又、前記復路部分が、前記往路部分に対して平行又はほぼ平行になるように設置されることから、復路部分に通流する電流にて形成される磁界と、往路部分に通流する電流にて形成される磁界との合成磁界が、予定走行経路における磁界の強さとなるが、往路部分と復路部分とが平行又はほぼ平行に設置されるので、予定走行経路を走行するに伴って大きく磁界が変化することが無く、誘導制御をより安定した状態で行うことができる。
【0015】
請求項3に記載の特徴構成によれば、前記誘導線における前記往路部分が、前記各予定走行経路に対して交差する方向に沿う状態で設置され、且つ、前記復路部分が、前記往路部分に対して平行又はほぼ平行になるように設置され、制御手段は、磁界検出手段により検出される離間距離情報に基づいて、移動車が前記各予定走行経路における端部に位置していることを判別して、前記走行制御手段の制御状態を切り換えるように構成されている。
【0016】
つまり、前記往路部分が、前記各予定走行経路に対して交差する方向に沿う状態で設置され、誘導線から設定距離だけ離間した箇所が、予定走行経路の端部に位置することになり、例えば、磁界検出手段の検出値が、その設定距離に対応した磁界の強さの目標値になると、移動車が予定走行経路の端部に位置していることが判別できて、例えば旋回走行を開始したり、旋回を終了させたりする等、走行制御手段の制御状態を切り換えることができるのである。
【0017】
又、前記復路部分が、前記往路部分に対して平行又はほぼ平行になるように設置されることから、復路部分に通流する電流にて形成される磁界と、往路部分に通流する電流にて形成される磁界との合成磁界が、予定走行経路の端部における磁界の強さとなるが、往路部分と復路部分とが平行又はほぼ平行に設置されるので、複数の予定走行経路の夫々の端部位置において大きく磁界が変化することが無く、各端部位置を極力精度よく位置合わせすることが可能となる。
【0018】
請求項4に記載の特徴構成によれば、前記移動車が圃場における複数の予定走行経路に沿って走行しながら作業を行う農作業車であって、前記誘導線は、圃場における畦の幅方向一側部に沿って前記往路部分が位置し、前記畦の幅方向他側部に沿って前記復路部分が位置する状態で地上側に設置されている。
【0019】
各予定走行経路に沿って農作業車が誘導走行されることによって、圃場内において作業を行うことになる。又、誘導線における往路部分は畦の幅方向一側部に沿って位置し、復路部分は畦の幅方向他側部に沿って位置する状態で設置される。つまり、畦と圃場との境界部分を利用して設置されることになる。
【0020】
従って、圃場内で農作業車が走行する場合にも、誘導線が農作業車に干渉したりすることがなく、又、作業の補助等を行う作業者や、農作業車が畦の上を移動する場合等においても、誘導線が干渉するおそれを極力少なくできる。
【0021】
その結果、誘導線の合理的な設置形態を採ることにより、外物に干渉して損傷したりする等の不利のない状態で、有効に移動車の誘導制御を行うことができるものとなった。
【0022】
請求項5に記載の特徴構成によれば、前記誘導線は、地上側の地表面に載置される状態で設置されている。
【0023】
従って、誘導線は地表面に載置させるだけで設置できることになり、例えば、長距離にわたって地中に埋め込む等の煩わしい作業を要することなく、簡単に設置することができ、又、撤去する場合にも煩わしさなく簡単な作業で済むものとなる。
【0024】
請求項6に記載の特徴構成によれば、前記磁界検出手段により検出され、前記制御手段に入力される前記磁界の強さの出力信号が、前記制御手段の制御動作に対する適正レベルになるように、前記磁界検出手段の出力ゲインを調整するゲイン調整手段が設けられている。
【0025】
誘導線における往路部分に流れる電流と、復路部分に流れる電流とは方向が逆向きになることから、夫々により形成される磁界は互いに打ち消し合うように作用するので、予定走行経路にて形成される合成磁界の強さは、誘導線が1本だけ存在する従来構成に較べて小さいものになるが、ゲイン調整手段にて磁界検出手段の出力ゲインを、磁界の強さの出力信号が制御手段の制御動作に対する適正レベルになるように調整することができ、適正な誘導制御を実行することができることになる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る移動車の誘導制御装置について説明する。
移動車の誘導制御装置は、図1に示すように、誘導エリアの一例としての矩形形状の圃場1内において、移動車の一例としての作業車Vを圃場1の長手方向に沿って互いに平行な複数の走行経路kの夫々において、無人状態で誘導走行させることができるように構成されている。
【0027】
圃場1の外周部における各辺(畦)には、夫々、畦の長さとほぼ同じ長さの誘導線2が畦の長手方向に沿わせる状態で設置され、各誘導線2には夫々各別に電流供給源により所定周波数の交流電流が供給される。つまり、圃場1の長尺方向に沿う両側の畦に沿って設置される各誘導線2a,2cには、各電流供給源3により周波数fa(Hz)及び周波数fc(Hz)の交流電流が夫々供給され、短尺方向に沿う両側の畦に設置される各誘導線2b,2dには、各電流供給源3により周波数fb(Hz)及び周波数fd(Hz)の交流電流が夫々供給される。尚、周波数は、数百Hz〜数十KHz程度に設定されている。
【0028】
前記各誘導線2a,2cは、その往路部分2OLと、前記電流供給源3から供給される電流が通流する閉ループを形成する為の復路部分2FLとが、平面視で適宜間隔をあけて位置する状態で、地上側に設置されている。具体的には、図2に示すように、圃場における畦AZの幅方向一側部に沿って前記往路部分2OLが位置し、畦AZの幅方向他側部に沿って前記復路部分2FLが位置する状態で地上側の地表面に載置される状態で、且つ、復路部分2FLが、前記往路部分2OLに対して平行又はほぼ平行になるように設置されている。つまり、畦AZと圃場面との境界部分を有効利用してループ状に設置されることになる。
【0029】
上述したように設置された誘導線に電流が流れると、その電流によって磁界が形成されるが、誘導線2からの離間距離に対する磁界の強さの理論値は演算にて求めることができ、その磁界の強さは誘導線2からの離間距離の2乗に反比例する。そして、前記往路部分2OLに流れる電流と復路部分2FLに流れる電流とは互いに逆向きになり、形成される磁界は反対方向に互いに打ち消し合うように作用するが、平面視で互いに適宜間隔をあけて設置されることから、図3に示すように、誘導線2からの離間距離に対する磁界の強さの変化特性が定まることになり、圃場1内でのある地点での磁界の強さはほぼ一定の大きさになる。
【0030】
尚、図3は、本出願人による実測データであり、誘導線には約3アンペアの電流を供給し、前記往路部分2OL及び復路部分2FLの夫々の長さは約80メートル、それらの平面視での間隔は約1メートルであり、往路部分2OLのほぼ中間位置において、誘導線からの離間距離とその地点での磁界の強さを測定したものである。
【0031】
前記作業車Vは、四輪型の走行車体5の後部に対地作業装置としてのロータリー耕耘装置6が備えられ、走行しながら圃場1の対地作業(耕耘作業)を行うことができるように農作業車として構成されている。走行車体5にはエンジンが搭載され、このエンジンの動力が、動力伝達を入切自在な前後進切換機構7を備えた変速装置を介して各車輪に伝えられて車体が走行するように構成され、エンジンの動力がロータリー耕耘装置6に伝えられるようになっている。又、左右の前輪が電動モータ9により操向操作可能に設けられている。
【0032】
前記作業車Vには、車軸の回転数を検出することで車体の走行距離を検出するための例えばロータリーエンコーダ等から成る距離検出手段としての走行距離センサ10、車体の方位を検出する方位検出手段としての方位センサ11、前記前後進切換機構7や操向用電動モータ9等の動作を制御する制御手段としてのマイクロコンピュータ利用の制御装置12等が備えられている。前記前後進切換機構7と操向用電動モータ9により、作業車の走行状態を操作自在な走行操作手段SSが構成されることになる。
【0033】
又、走行車体5の前部には、前記各誘導線に対する作業車の位置(離間距離)情報として、前記各誘導線に供給される交流電流により形成される磁界の強さを検出する3個の磁界センサが車体横幅方向に沿って並設される状態で設けられ、このうち、左右両側に位置する側部磁界センサ13R,13Lは、圃場1の長尺方向に沿う両側の畦に沿って設置される各誘導線2a,2cからの位置情報(離間距離情報)を、周波数fa及び周波数fcの交流電流により形成される磁界の強さとして検出するように構成され、左右中央側に位置する中央磁界センサ14は、圃場1の短尺方向に沿う両側の畦に沿って設置される各誘導線2b,2dからの位置情報を、周波数fb及び周波数fdの交流電流により形成される磁界の強さとして検出するように構成されている。
【0034】
そして、前記制御装置12は、磁界検出手段GKとしての各側部磁界センサ13R,13Lによる検出情報に基づいて、複数の走行経路kの夫々において作業車Vを各走行経路kに沿って誘導走行させる誘導走行制御を実行し、且つ、中央磁界センサ14による検出情報に基づいて、各走行経路kの終端部又は始端部に達したことを検出し、終端部に達したことを検出すると、作業車Vを回向走行させて隣接する次回の走行経路に進入誘導させる旋回制御を実行するように構成されている。
【0035】
つまり、図4に示すように、各側部磁界センサ13R,13L、中央磁界センサ14の出力が夫々、信号処理部15にて処理された後に制御装置12に与えられ、これらの磁界検出情報に基づいて、各走行経路kに沿って誘導走行されるように操向用電動モータ9を制御すると共に、走行経路kの終端部においては、磁界検出情報及び方位センサ11並びに走行距離センサ10の検出情報に基づいて、旋回走行すべく操向用電動モータ9、前後進切換機構7等を制御するように構成されている。
【0036】
前記中央磁界センサ14は、図5に示すように、誘導線2b,2dに流れる交流電流により形成される交番磁界によって誘導起電力が発生する検出コイル16aと、この検出コイル16aの出力を所定のレベルまで増幅する増幅器16bと、検出コイル16aの出力のうち前記各誘導線2b,2dに流れる電流の周波数fb,fdに対応する出力のみ通過させる周波数フィルターとしてのバンドパスフィルターBPF、その出力を直流信号に変換する直流変換回路DC等を備えて構成されている。
【0037】
前記側部磁界センサ13R,13Lは、夫々、誘導線2a,2cに流れる交流電流により形成される交番磁界の車体上下方向に沿う磁界成分を検出する上下方向検出コイル17、車体横幅方向に沿う磁界成分を検出する横幅方向検出コイル18、これらの各検出コイルの出力を所定のレベルまで増幅する増幅器19,20、各検出コイル17,18の出力のうち前記各誘導線2a,2cに流れる電流の周波数fa,fcに対応する出力のみ通過させる周波数フィルターとしてのバンドパスフィルターBPF、その出力を直流信号に変換する直流変換回路DC、及び、前記各周波数fa,fcに対応する上下方向成分と横幅方向成分とに基づいて、夫々の磁界の強さを演算する演算部21,22等を備えて構成されている。
前記各演算部21,22は、図12に示すように、車体上下方向成分pと横幅方向成分qとに基づいて三角形の定理に基づいて演算して、合成磁界rの強さを求めるように構成されている。
【0038】
このように構成することで、例えば、図12(イ)に示すように、作業車Vが走行途中で片側車輪が凹部に入り込んで車体が水平姿勢よりの角度θだけ斜め姿勢に傾斜したような場合であっても、誘導線に供給される電流により形成される磁界を、互いに直交する2方向の成分にて検出して、図12(ロ)に示すように、それを演算にて合成磁界を求めることにより正確な磁界の強さ、つまり、誘導線からの離間距離を精度よく検出することができるものとなる。
【0039】
このように、各側部磁界センサ13R,13Lは、夫々、周波数fa及び周波数fcの夫々に対応する検出情報が出力され、中央磁界センサ14は、夫々、周波数fb及び周波数fdの夫々に対応する検出情報が出力されるようになっているが、信号処理部15において、それらのうち、検出レベルが高い方、即ち、作業車Vが該当する誘導線に近い方の検出情報が選択的に出力されるようになっている。
信号処理部15は、図6に示すように、前記各磁界センサ13R,13L,14の出力が制御装置12に入力され、制御装置12は各磁界センサ13R,13L,14における異なる周波数の出力のうち、検出レベルの高い側の出力を判別して、その出力を選択するように3個のアナログスイッチAS1,AS2,AS3 に選択信号を与えるように構成されている。
【0040】
制御装置12は、中央磁界センサ14の検出情報に基づいて、短尺方向に沿う畦に設置される誘導線2b,2dのうちいずれかの検出レベルの高い側の誘導線からの離間距離を算出して、その離間距離が設定値になると、作業車Vが前記各走行経路kの端部位置に達したことを判別するように構成されている。
尚、短尺方向に沿う畦に設置される誘導線2b,2dは、図7に示すように、両側端部を圃場1内方側に向けて略L字形に屈曲させた状態で設置されている。このように構成すると、誘導線2b,2dの中間部tからの離間距離が設定距離にある地点で誘導線2b,2dの全長にわたってほぼ同一の磁界の強さになるので、この地点を走行経路kの端部位置として設定している。この端部位置は、端部屈曲部の長さLよりも設定距離だけ圃場1内方側によった地点となる。因みに、本出願人の実験によれば、端部屈曲部の長さHが例えば3mであれば、端部位置は誘導線から5mの離間距離の位置となる。
尚、この誘導線2b,2dは、電流が通流するための復路部分として地中を利用して電流閉回路が構成されている。
【0041】
このように、走行経路kの端部位置を圃場1の端部よりも内方側に設定する理由は、図1に示すように、有限長の誘導線により形成される磁界において、離間距離が同一の地点における磁界強度分布は、誘導線の端部付近においては、離間距離に対する磁界の強さの関係が直線的でなく、磁界の強さに基づく誘導制御が良好に行えないおそれがあるからである。
【0042】
又、各誘導線2には、図8に示すように、他の誘導線に流れる電流が地中を通して流入することを抑制する電流抑制手段の一例である周波数フィルターとして、当該誘導線に供給される電流の周波数のみの通過を許容するバンドパスフィルター23が設けられている。このバンドパスフィルター23は、コイル23aとコンデンサ23bを直列接続した共振回路にて構成され、その共振周波数が前記電流の周波数に対応するように構成されている。従って、他の誘導線から地中を通して異なる周波数の電流が流れ込んでも、誘導線にはその流入電流が通流することが抑制され、各磁界センサが誤った情報を検出するおそれを極力少なくさせている。
【0043】
信号処理部15には、磁界検出手段GKにより検出され、前記制御装置12に入力される前記磁界の強さの出力信号が、制御装置12の制御動作に対する適正レベルになるように、磁界検出手段GKの出力ゲインを調整するゲイン調整手段TUが設けられている。
具体的に説明すると、前記各側部磁界センサ13R,13Lの検出情報に対応する各アナログスイッチAS1,AS3 の出力を増幅するための増幅ゲインは、制御装置12からの切り換え情報に基づいて複数段階(4段階)に変更調整するように構成されている。つまり、夫々増幅ゲインの異なる4個の増幅器24,25,26,27の出力のうちのいずれかを制御装置12に入力させるためのアナログスイッチAS4,AS5 に対して、制御装置12が選択内容を指令するように構成されている。
誘導線に供給される電流により形成される磁界の強さは、上述したように離間距離の変化に対して大きく変化するものであり、増幅ゲインを一定に維持した場合には、全範囲にわたって適正な分解能で検出することが難しく、検出精度が低下してしまうおそれがあるので、制御装置12に対する入力レベルが、例えば図9に示すように、前記誘導線からの離間距離が単位距離変化したときに適切な磁界の強さの変化が識別可能となるように、言い換えると、適切な分解能を有する適正出力範囲になるように増幅ゲインを自動調整するのである。
【0044】
前記各側部磁界センサ13R,13Lは、車体横幅方向に設定間隔を隔てて設置されており、そのいずれか一方の側部磁界センサが、作業車Vが、複数の走行経路kのうちの1つに沿って走行するときに、その走行中の走行経路kに沿う誘導制御を実行するために磁界の強さを検出するための現走行経路用の磁界検出部GK1 として機能し、他方の側部磁界センサが、隣接する次の走行経路kに沿って作業車を走行させた際に前記現走行経路用の磁界検出部GK1 にて検出されることになる磁界の強さを検出する次走行経路用の磁界検出部GK2 として機能するように構成されている。
つまり、他方の側部磁界センサは、現走行経路kを走行しながら次走行経路kの磁界を逐次検出するようになっており、この検出情報は、前記走行距離センサ10により検出される距離情報と対応付けた状態で、記憶手段としてのメモリMに逐次記憶されるように構成されている。
【0045】
制御装置12は、磁界検出情報が記憶されている次走行経路kにおいて、メモリMに記憶されている磁界検出情報と、走行距離センサ10により検出される走行経路kの端部位置からの走行距離情報とに基づいて、当該走行経路k上の各地点における磁界の強さの目標値を求め、その目標値と、現走行経路用の磁界検出部GK1 として機能する側部磁界センサの検出値との偏差に基づいて、走行用電動モータ9を駆動制御する誘導走行制御を実行するように構成されている。
【0046】
又、制御装置12は、メモリMに記憶されている磁界検出情報に基づいて、次走行経路kにおいて誘導走行される際における現走行経路用の磁界検出部GK1 の出力ゲインの目標値を設定すると共に、次走行経路kにおける誘導走行に先立って、出力ゲインを目標値に自動調整するように構成されている。具体的には、メモリMに記憶されている磁界の強さの最大値が、ゲイン調整用設定上限値を越えていれば、現行のゲインよりも1段低いゲインの増幅器が選択され、前記最大値が、ゲイン調整用設定下限値を下回っていれば、現行のゲインよりも1段高いゲインの増幅器が選択されるように、アナログスイッチAS4,AS5 に対して選択信号を指令するようになっている。尚、各アナログスイッチAS4,AS5 のゲインは常に同じ値に調整されるようになっている。
前記ゲイン調整用の設定上限値及び設定下限値は、アナログ値としての出力変化の直線性が保障される上下限範囲として設定される。
【0047】
又、制御装置12は、現走行経路用の磁界検出部GK1 として機能する側部磁界センサの検出値と、前記目標値との偏差に制御定数を乗じて操向操作量、つまり、電動モータの目標作動量を求めるように構成されている。そして、現走行経路用の磁界検出部GK1 及び次走行経路用の磁界検出部GK2 にて検出される磁界の強さの検出情報に基づいて、次走行経路を走行する際において、前記操作量が適正範囲になるように、前記制御定数を補正するように構成されている。
【0048】
次に、制御装置12の制御動作について説明する。
圃場1内において作業車Vを誘導走行させる場合、制御装置12による自動誘導制御に先立って、初回の走行経路kにおいては、適正な走行経路kに沿わせる状態で手動操縦により作業車Vを走行させる。そのとき、走行経路kの始端位置から、走行を開始させるに伴って、次走行経路側の側部磁界センサ(図1の場合には右側のセンサ13R)の検出情報並びに走行距離センサ10の検出情報とを対応させた状態で、メモリMに逐次書き込み記憶させておく。
又、この初回走行経路を走行するに伴って設定時間毎にサンプリングされた複数のデータのうち、走行経路の中央付近における左右側部磁界センサ13R,13Lの夫々の検出値の複数(n個)のサンプリングデータα1 …αn 、β1 ……βn の差分値の平均値を求め、この平均値と、予め実験等に基づいて設定された定数γとに基づいて当該走行経路における操向制御用の制御定数を基準制御定数G1 として求めておく。具体的には下記〔数1〕に基づいて演算する。
【0049】
【数1】
【0050】
そして、作業車を次の走行経路kの始端部に移動させた後に、自動誘導制御が開始されるが、図10に示すように、それに先立って、先ず、現走行経路用の磁界検出部GK1 として機能する側部磁界センサ(図1の場合には左側のセンサ13L)を初期設定する(ステップ1)と共に、その走行経路において適用される前記制御定数を設定する(ステップ2)。
この制御定数の設定について説明を加えると、現在の走行経路の始端部における左右側部磁界センサ13R,13Lの夫々の検出値の差分値Znを求め、この差分値Znと、前記初回走行経路における差分値Z1 並びに前記基準制御定数G1 に基づいて、下記〔数2〕に基づいてこの走行経路における制御定数Gnを算出する。尚、前記各差分値Zn,Z1 は夫々、各走行経路において設定サンプリング時間毎にサンプリングされた複数の検出値の平均値として算出するようにしている。
【0051】
【数2】
Gn=(Z1 /Zn)・G1
【0052】
このような制御定数の設定は各走行経路毎に、その経路の始端部において実行されることになる。
【0053】
そして、作業用の走行速度で作業車Vを走行させながら、前記メモリMに記憶される磁界検出情報と、走行距離センサ10の検出情報とに基づいて、走行経路k上の現時点における磁界の強さの目標値を求めて、現走行経路用の磁界検出部GK1 として機能する側部磁界センサ13Lの検出値と前記目標値との偏差に制御定数を乗じて操向操作量を求め、この操向操作量になるように、操向用電動モータ9を駆動制御する(ステップ3)。
この誘導走行制御が実行される際に、次走行経路用の磁界検出部GK2 として機能する次走行経路側の側部磁界センサ(図1の場合には右側のセンサ13R)の検出情報を走行距離センサ10の検出情報と対応させた状態で、メモリMに逐次書き込み記憶させる(ステップ4)。
【0054】
中央磁界センサ14の検出情報に基づいて、走行経路kの終端部に達したことが検出されると、走行経路数nをカウントアップし(ステップ5,6)、カウント値が圃場1内での設定経路数nsに達していなければ(ステップ7)、前記メモリMに書き込み記憶された磁界の強さの最大値Xmが、ゲイン調整用設定上限値SGMを越えていれば、現行のゲインよりも1段低いゲインの増幅器が選択されるようにアナログスイッチAS4,AS5 に対して選択信号を指令して、出力ゲインが下げ側に変更される(ステップ8,9)。前記最大値Xmが、ゲイン調整用設定下限値SGLを下回っていれば、現行のゲインよりも1段高いゲインの増幅器が選択されるように、アナログスイッチAS4,AS5 に対して選択信号を指令して、出力ゲインが上げ側に変更される(ステップ10,11)。尚、このように出力ゲインが変更された場合には、前記制御定数も変更量に対応して適宜修正されることになる(ステップ12,13)。
【0055】
このようにして、磁界の強さの検出値や出力ゲインの変更状況に応じて、常に適切な制御定数にて電動モータを駆動制御するようにして、制御のハンチングや検出誤差の発生を極力、抑制するようにしている。
【0056】
次に、現走行経路用の磁界検出部GK1 として機能する側部磁界センサを、反対側のもの(右側のセンサ13R)に切り換える(ステップ14)。車体の向きの変化によりそれらの位置関係が反転するからである。
【0057】
次に、車体を次走行経路kの始端部に位置させるべく回向走行させる旋回制御を実行する(ステップ15)。
図13(イ)に示すように、走行経路kの終端位置から設定距離だけ操向操作を中立状態に維持したままで直進走行させた後に、方位センサ11をリセットして、車体の方位が180度反転したことが検出されるまで、最大切れ角にて旋回走行させ、その後、中央磁界センサ14の検出情報に基づいて次の走行経路kの始端部に達したことが検出されるまで直進走行させる(ステップ16)。
【0058】
尚、次の走行経路の経路始端側箇所では、図13(ロ)に示すように、現走行経路k用の磁界検出部として機能する側部磁界センサの検出情報と、前記メモリMに記憶されている記憶情報とに基づいて、次走行経路に沿う状態になるように車体を旋回しながら前進させて幅寄せを行う必要があるが、このとき、次走行経路用の磁界検出情報が、屈曲した状態となるが、この領域においては、初回走行経路の検出情報と、上述したような磁界変化具合の検出情報とに基づいて、適正な状態に補正するようにしている。その後、その走行経路に沿わせる状態で誘導走行制御を実行することになる。
【0059】
そして、前記中央磁界センサ14の検出情報に基づいて、次の走行経路kの始端部に達したことが検出された後に、現走行経路用の磁界検出部GK1 の検出値と目標値(記憶情報)との偏差が設定範囲内に収まってから設定時間経過して、安定したときに、上述したような制御定数の設定を実行する。つまり、現在の走行経路における左右側部磁界センサ13R,13Lの夫々の検出値の差分値Znと、前記初回走行経路における差分値Z1 並びに前記基準制御定数G1 に基づいて、上記〔数2〕に基づいてこの走行経路における制御定数Gnを算出する。尚、現走行経路における前記差分値Znは、始端側での検出情報に基づいて算出されることになる。
【0060】
以後、上述したような誘導走行制御を実行するが、このとき、ステップ9,11にてゲインが変更されていれば、メモリMに記憶されている検出情報に対しても、変化量に対応したゲインを掛けて走行用目標値を求めることになる。
そして、ステップ2〜15を繰り返して、各走行経路kに沿わせて順次、作業車Vを誘導走行させ、設定経路数nsに達すると制御が終了する(ステップ7)。
【0061】
現走行経路kにおいては、前回走行経路kを走行する際に記憶されている磁界の強さと現走行経路kでの検出磁界とが同じになるように制御され、しかも、前記各側部磁界センサ13R,13Lの設置間隔は、ロータリー耕耘装置6の対地作業幅よりも幅狭に設定されているので、ロータリー耕耘装置6による作業領域が各走行経路kでラップすることになり、未作業領域が発生しないようになっている。又、各側部磁界センサ13R,13Lの設置間隔を変更調整自在に構成されている。
【0062】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、圃場1の長尺方向に沿う両側の畦に沿って設置される各誘導線2a,2cが畦を囲うようにループ状に設置される場合を例示したが、短尺方向に沿う両側の畦に設置される各誘導線2b,2dを、畦を囲うようにループ状に設置する構成としてもよい。
そして、各予定走行経路に沿わせる移動車の誘導走行制御、並びに、各予定走行経路の端部を検出する制御の夫々に磁界検出情報を用いる上記実施形態の構成に代えて、いずれかの制御にのみ磁界検出情報を用いてもよい。
【0063】
又、この場合、誘導走行制御にのみ用いる場合、端部検出の構成として、例えば、経路端部にて横方向にレーザー光を照射させて、このレーザー光を検出するセンサにて経路端部を検出するようにしてもよく、又、地上に固定の制御部から無線情報にて経路端部に至ったことを移動車側に指令する構成等、各種の構成にて実施してもよい。
【0064】
そして、端部検出にのみ、磁界検出情報を用いる場合には、移動車の誘導制御として、走行経路に沿わせてレーザー光を照射させて、このレーザー光を検出するセンサにて常にレーザー光を検出するように誘導走行させる形態としてもよく、又、無線操縦による誘導制御であってもよい。
【0065】
(2)上記実施形態では、ゲイン調整手段として、4段階の増幅率に切り換える構成としたが、段数を変更してもよく、又、増幅率の段数を変更して実施してもよく、更に、増幅率を無段階に変更調整する構成としてもよい。更に、このような出力ゲインの自動調整を行わない構成としてもよい。
【0066】
(3)上記実施形態では、誘導対象エリアの左右両側に誘導線が設置される場合を例示したが、片側にのみ誘導線が設けられる構成としてもよく、この場合において、誘導走行制御は、誘導線に近い方の走行経路から順次、遠い側の経路に誘導させてもよく、誘導線に遠い方の走行経路から順次、近い側の経路に誘導させてもよい。
【0067】
(4)上記実施形態では、移動車として四輪型で左右前輪が操向揺動自在に設けられる構成としたが、四輪全てが操向揺動自在に設けられて、前後車輪が互いに異なる方向に揺動する小旋回半径での旋回を行う形態や、前後車輪が同じ方向に揺動して移動車が斜め方向に平行移動するような走行形態を採ることが可能な構成であってもよい。又、左右一対のクローラ走行装置を備え、片側に制動を加える操向操作構成を有する構成であってもよい。
【0068】
(5)上記実施形態では、移動車としてロータリー耕耘装置を備えた構成としたが、苗移植装置や薬剤散布装置等を備えたものであってもよく、又、このような作業装置を備えない、運搬車等の移動車であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】誘導状態を示す平面図
【図2】誘導線の設置状態を示す図
【図3】磁界強度分布を示す図
【図4】制御ブロック図
【図5】磁界検出部の構成図
【図6】信号処理部の構成図
【図7】誘導線の設置状態を示す平面図
【図8】誘導線の電気回路図
【図9】出力ゲインを切り換えた場合の出力特性を示す図
【図10】制御動作のフローチャート
【図11】移動車の平面図
【図12】磁界検出状態を示す図
【図13】旋回制御状態を示す図
【符号の説明】
2 誘導線
2OL 往路部分
2FL 復路部分
3 電流供給源
12 制御手段
GK 磁界検出手段
SS 走行操作手段
TU ゲイン調整手段
V 移動車
Claims (6)
- 地上側に、電流供給源より電流が供給される誘導線が設置され、
移動車側に、
走行状態を操作自在な走行操作手段と、
前記電流により形成される磁界の強さを、前記誘導線からの離間距離情報として検出する磁界検出手段と、
前記磁界検出手段により検出される離間距離情報に基づいて、移動車を前記誘導線から離間した複数の予定走行経路において誘導走行させるべく前記走行操作手段を制御する制御手段とが備えられている移動車の誘導制御装置であって、
前記誘導線は、
その往路部分と、前記電流供給源から供給される電流が通流する閉ループを形成する為の復路部分とが、平面視で適宜間隔をあけて位置する状態で、地上側に設置されている移動車の誘導制御装置。 - 前記誘導線における前記往路部分が、前記各予定走行経路に沿う状態で設置され、且つ、前記復路部分が、前記往路部分に対して平行又はほぼ平行になるように設置され、
前記制御手段は、
前記磁界検出手段により検出される離間距離情報に基づいて、移動車を前記各予定走行経路に沿って誘導走行させるべく前記走行操作手段を制御するように構成されている請求項1記載の移動車の誘導制御装置。 - 前記誘導線における前記往路部分が、前記各予定走行経路に対して交差する方向に沿う状態で設置され、且つ、前記復路部分が、前記往路部分に対して平行又はほぼ平行になるように設置され、
前記制御手段は、
前記磁界検出手段により検出される離間距離情報に基づいて、移動車が前記各予定走行経路における端部に位置していることを判別して、前記走行制御手段の制御状態を切り換えるように構成されている請求項1記載の移動車の誘導制御装置。 - 前記移動車が圃場における複数の予定走行経路に沿って走行しながら作業を行う農作業車であって、前記誘導線は、圃場における畦の幅方向一側部に沿って前記往路部分が位置し、前記畦の幅方向他側部に沿って前記復路部分が位置する状態で地上側に設置されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の移動車の誘導制御装置。
- 前記誘導線は、地上側の地表面に載置される状態で設置されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の移動車の誘導制御装置。
- 前記磁界検出手段により検出され、前記制御手段に入力される前記磁界の強さの出力信号が、前記制御手段の制御動作に対する適正レベルになるように、前記磁界検出手段の出力ゲインを調整するゲイン調整手段が設けられている請求項1〜5のいずれか1項に記載の移動車の誘導制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28057596A JP3599498B2 (ja) | 1996-10-23 | 1996-10-23 | 移動車の誘導制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28057596A JP3599498B2 (ja) | 1996-10-23 | 1996-10-23 | 移動車の誘導制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10124143A JPH10124143A (ja) | 1998-05-15 |
JP3599498B2 true JP3599498B2 (ja) | 2004-12-08 |
Family
ID=17626951
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28057596A Expired - Fee Related JP3599498B2 (ja) | 1996-10-23 | 1996-10-23 | 移動車の誘導制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3599498B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6995556B2 (ja) * | 2017-10-05 | 2022-01-14 | 株式会社前川製作所 | 無人搬送車 |
-
1996
- 1996-10-23 JP JP28057596A patent/JP3599498B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10124143A (ja) | 1998-05-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH1185269A (ja) | 移動車の誘導制御装置 | |
US6345217B1 (en) | Automated guided vehicle (AGV) with bipolar magnet sensing | |
US4847774A (en) | Method and apparatus for detecting traveling position and/or direction of an unmanned vehicle | |
US20070179690A1 (en) | Variable path automated guided vehicle | |
JP2010161980A (ja) | 農作業支援用自律走行ロボットにおける走行経路認識装置及び走行経路認識に用いられる防草シート | |
JP3599498B2 (ja) | 移動車の誘導制御装置 | |
JPH1056817A (ja) | 移動車の位置検出装置及びそれを用いた誘導制御装置 | |
JP3538503B2 (ja) | 移動車の誘導制御装置 | |
JP3173987B2 (ja) | 移動車の誘導制御装置 | |
JP3599478B2 (ja) | 移動車の誘導制御装置 | |
JPH11288313A (ja) | 移動車の誘導制御装置 | |
JP3596977B2 (ja) | 移動車の誘導制御装置 | |
JPH1185271A (ja) | 移動車の誘導制御装置 | |
JP3281759B2 (ja) | 移動車の誘導制御装置 | |
JPH08286738A (ja) | 移動車の誘導制御装置 | |
JP3294735B2 (ja) | 移動車の誘導制御装置 | |
JPH1185270A (ja) | 移動車の誘導制御装置 | |
JP3236494B2 (ja) | 移動車の誘導制御装置 | |
JPH1056816A (ja) | 作業車の誘導制御装置 | |
JPH1185268A (ja) | 移動車の誘導制御装置 | |
JPH09212235A (ja) | 移動車の誘導制御装置 | |
JPH11288312A (ja) | 移動車の誘導制御装置 | |
JPH10198423A (ja) | 移動車の誘導制御装置 | |
JP3157018B2 (ja) | 走行車両における自動操舵制御装置 | |
JPH09212237A (ja) | 移動車の誘導制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040511 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040826 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040914 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |