JP3235450B2 - 単結晶引き上げ用シリコン種結晶及び該シリコン種結晶を用いた単結晶引き上げ方法 - Google Patents

単結晶引き上げ用シリコン種結晶及び該シリコン種結晶を用いた単結晶引き上げ方法

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JP3235450B2 JP05564996A JP5564996A JP3235450B2 JP 3235450 B2 JP3235450 B2 JP 3235450B2 JP 05564996 A JP05564996 A JP 05564996A JP 5564996 A JP5564996 A JP 5564996A JP 3235450 B2 JP3235450 B2 JP 3235450B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単結晶引き上げ用
シリコン種結晶及び該シリコン種結晶を用いた単結晶引
き上げ方法に関し、より詳細には、半導体材料として使
用されるシリコン単結晶を育成する際に用いられる、単
結晶引き上げ用シリコン種結晶及び該シリコン種結晶を
用いた単結晶引き上げ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】単結晶を育成するには種々の方法がある
が、その一つにチョクラルスキー法(以下、CZ法と記
す)に代表される引き上げ法がある。図5は、従来のC
Z法に用いられる単結晶引き上げ装置の要部を、模式的
に示した断面図であり、図中31は、坩堝を示してい
る。
【0003】この坩堝31は、有底円筒形状の石英製坩
堝31aと、この石英製坩堝31aの外側に嵌合され
た、同じく有底円筒形状の黒鉛製坩堝31bとから構成
されており、坩堝31は、図中の矢印方向に所定の速度
で回転する、支持軸39に支持されている。この坩堝3
1の外側には、抵抗加熱式のヒータ32、及びヒータ3
2の外側には、坩堝31への熱移動を促進する保温筒4
2が、同心円状に配置されており、坩堝31内には、こ
のヒータ32により溶融させられた、単結晶用原料の溶
融液33が充填されている。
【0004】坩堝31の中心軸上には、引き上げ棒ある
いはワイヤー等からなる引き上げ軸34が吊設されてお
り、この引き上げ軸34の先には、シードチャック34
aを介して、シリコン種結晶35が取り付けられるよう
になっている。
【0005】上記した単結晶引き上げ装置により単結晶
36を引き上げるには、まずシリコン種結晶35を溶融
液33に着液させて、シリコン種結晶35を溶融液33
に馴染ませた後、引き上げを開始する(以下、シーディ
ング工程と記す)。その後、所定の引き上げ速度で所定
径になるまでシリコン種結晶35を細く絞り、単結晶3
6のネック36aを形成する(以下、ネッキング工程と
記す)。その後、引き上げ速度を落して単結晶36を所
定の径まで成長させ、単結晶36のショルダー36bを
形成する(以下、ショルダー形成工程と記す)。その
後、一定の引き上げ速度で一定の径、所定長さの単結晶
36を育成し、単結晶36のメインボディ(定径部)3
6cを形成する(以下、ボディ形成工程と記す)。
【0006】上記ネッキング工程を行う目的について、
以下に説明する。前記シーディング工程を行うにあたっ
て、通常シリコン種結晶底部35aをある程度予熱した
後に溶融液33に着液させるが、前記予熱温度(約13
00℃程度以下)とシリコン種結晶35の融点(約14
10℃)との間には、100℃以上の差が生じる。この
ため、溶融液33への着液時に、シリコン種結晶底部3
5aには、熱応力による転位が導入される。該転位は、
後の単結晶化を阻害するものであるため、前記転位を排
除してから単結晶36を成長させる必要がある。一般
に、前記転位は、単結晶36の成長界面に対して垂直方
向に成長するものであることから、上記ネッキング工程
において、前記成長界面の形状を下に凸形状とし、前記
転位を排除する。
【0007】一般に、前記ネッキング工程においては、
ネック36a径を細く絞るほど前記成長界面の形状をよ
り下に凸とすることができ、前記転位を効率良く排除す
ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の単結晶
引き上げ方法においては、直径約6インチ、重量が80
kg程度の単結晶36を引き上げるために、直径12m
m程度のシリコン種結晶35を用いるのが一般的であっ
た。その際のネック36a径は、単結晶36を安全に引
き上げることができ、しかも上記転位を効率的に排除す
ることができる大きさとして、通常2〜3mm程度とさ
れていた。しかしながら、近年の半導体デバイスの高集
積化、低コスト化及び高生産性の要求に対応して、ウエ
ハの大口径化が要求されてきており、最近では、例えば
直径約12インチ、重量が300kg程度の単結晶36
の製造が望まれている。この場合、従来のネック36a
径(通常3mm程度)では、ネック36aが引き上げら
れる単結晶36の重さに耐えられずに破損し、単結晶3
6が落下してしまう。
【0009】上記した大重量の単結晶36を育成するに
あたり、単結晶36の落下等の事故の発生を防ぎ、安全
に引き上げを行うためには、シリコン強度(約16kg
f/mm2 )から算出して、ネック36a径を6mm程
度まで太くする必要がある。しかしながら、ネック36
a径のこの程度の絞りでは、シリコン種結晶35の溶融
液33への着液時に導入された転位を、十分に排除する
ことができず、歩留まりが著しく低下するといった課題
があった。
【0010】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あり、大重量の単結晶を引き上げる場合であっても、転
位を効率的に排除することができる単結晶引き上げ用
リコン種結晶、また、ネッキング工程を不要とし、大重
量の単結晶であっても、安全に低コストで歩留まりよく
引き上げることができる、前記シリコン種結晶を用いた
単結晶引き上げ方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段及びその効果】上記目的を
達成するために、本発明に係る単結晶引き上げ用シリコ
ン種結晶(1)は、酸素濃度が13〜18×1017/c
3 の範囲にあることを特徴としている。なお、本発明
における酸素濃度は、酸素濃度測定法としてold−A
STMを用いて算出された値に統一されており、具体的
には次式によって算出された値である。 [O i ]=f c ×α 03 (×10 17 atoms/cm 3 ここでf c は変換係数(4.81)、α 03 は1106cm
-1 の格子間酸素による赤外吸収係数である。
【0012】上記単結晶引き上げ用シリコン種結晶
(1)によれば、酸素濃度が13〜18×1017/cm
3 の範囲にあり、一般的な酸素濃度(11×1017/c
3 )よりも高く、前記着液時に導入された転位が、
リコン種結晶の上部方向に伝播するのに要する応力レベ
ルを、通常よりも高くすることができる。すなわち、通
常よりも高い応力が働かない限り前記転位は伝播しない
ため、前記着液時に転位が導入された部分を、適度な速
度で溶融液に溶かし込めば、転位を伝播させることな
く、転位が導入された部分を除去することができ、転位
のないシリコン種結晶を基にした単結晶の引き上げが可
能となる。このため、引き上げた単結晶の無転位化率を
高めることができる。
【0013】また、本発明に係る単結晶引き上げ用シリ
コン種結晶(2)は、上記単結晶引き上げ用シリコン
結晶(1)において、シリコン種結晶径が6mm以上あ
ることを特徴としている。
【0014】上記単結晶引き上げ用シリコン種結晶
(2)によれば、上記単結晶引き上げ用シリコン種結晶
(1)の場合と同様の効果が得られると共に、前記シリ
コン種結晶径が6mm以上あるため、例えば300kg
以上の大重量の単結晶を引き上げる場合であっても、前
シリコン種結晶がシリコン強度(約16kgf/mm
2)から算出して十分な強度を有しており、シリコン
結晶の破損による単結晶の落下等の事故の心配がなく、
安全に単結晶を引き上げることができる。
【0015】また、本発明に係る単結晶引き上げ方法
(1)は、上記シリコン種結晶(1)又は(2)のいず
れかを用い、該シリコン種結晶の先端部を溶融液に浸漬
して溶かし込んだ後、ネックを形成せずに単結晶を引き
上げることを特徴としている。
【0016】上記単結晶引き上げ方法(1)によれば、
着液時に導入された転位を有する前記シリコン種結晶の
先端部を一旦溶融させる時の、転位の上方への伝播を酸
素により抑え込むことができるため、転位のないシリコ
種結晶を基に、前記単結晶の引き上げを行うことがで
きる。これにより、引き上げられる単結晶に前記転位が
伝播することがほとんどないため、ネッキング工程を省
略しても、無転位の単結晶を効率的に引き上げることが
できる。また、前記ネッキング工程を省略できることか
ら、細いネックによって単結晶を支持する必要性がなく
なり、シリコン種結晶径がすなわち単結晶を支持するた
めの最細部径となり、前記シリコン種結晶の強度さえ十
分みておけば、大重量の単結晶であっても、落下等の事
故発生の心配もなく、安全に引き上げることができる。
さらに、前記ネックを形成する必要がないため、シリコ
種結晶は従来12mm程度であったものを6mm程度
まで細くでき、シリコン種結晶に要する原料コストを削
減することができるとともに、引き上げ工程を簡略化す
ることができる。
【0017】また、上記シリコン種結晶(1)又は
(2)のいずれか、すなわち転位の導入されていない
リコン種結晶を用いるため、引き上げられる単結晶に転
位が導入されにくく、単結晶における無転位率も向上さ
せることができる。従って、引き上げた単結晶の歩留ま
りを向上させることができる。
【0018】また、本発明に係る単結晶引き上げ方法
(2)は、上記単結晶の引き上げ方法(1)において、
溶かし込むシリコン種結晶長さを6mm以上とすること
を特徴としている。
【0019】上記単結晶の引き上げ方法(2)によれ
ば、溶かし込むシリコン種結晶長さが6mm以上である
ため、熱ショックにより転位が導入された転位部分(転
位が存する部分)をほとんど溶かし込むことができ、残
りを無転位部分のみからなる リコン種結晶とすること
ができる。よって、引き上げた単結晶の歩留まりを、よ
り向上させることができる。
【0020】一方、溶かし込むシリコン種結晶長さが6
mmよりも短い場合は、前記転位が残存することもあ
り、後の単結晶化の妨げとなる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る単結晶引き上
げ用シリコン種結晶及び該シリコン種結晶を用いた単結
晶引き上げ方法の実施の形態を、図面に基づいて説明す
る。なお、従来と同一の機能を有する構成部品には、同
一の符号を付してある。
【0022】<実施の形態> 図1(a)〜(d)は、実施の形態に係る、単結晶引き
上げ用シリコン種結晶及び該シリコン種結晶を用いた単
結晶引き上げ方法を、工程順に示した模式的部分側面図
であり、図2は、実施の形態に係る単結晶引き上げ方法
により、単結晶を引き上げている状態を示した模式的断
面図である。
【0023】まず、6mm以上の直径(l)を有する
リコン種結晶15を、溶融液33直上まで降下させて、
シリコン種結晶15の予熱を行う(図1(a))。シリ
コン種結晶15の酸素濃度を、13〜18×1017/c
3 の範囲に設定しておく。その後、シリコン種結晶1
5を溶融液33の表面に着液させる(図1(b))。こ
の時、シリコン種結晶15の先端部15aからシリコン
種結晶15上部方向に向かって、前記着液時に作用する
熱応力により転位(図示せず)が導入される。この後、
所定の速度でシリコン種結晶15を降下させ、シリコン
種結晶15の先端部15a(転位が導入された部分)
を、溶融液33に浸漬して溶かし込む。該溶かし込む長
さ(L)は、6mm以上とする(図1(c))。このよ
うに、シリコン種結晶15の先端部15aを溶かし込む
ことにより、シリコン種結晶15の残った部分を、無転
位部分のみにすることができる。この後、従来行ってい
たネッキング工程を省略してショルダー形成工程に移
り、所定の引き上げ速度で引き上げることにより、単結
晶16を所定の径まで成長させ、ショルダー16bを形
成する(図1(d))。この後ボディー形成工程に移
り、メインボディー16c(図2)を形成する。
【0024】一般に、シリコン種結晶15に作用する応
力と、シリコン種結晶15に導入された転位が前記応力
によって伝播する速度との間には、図3に示すような関
係が成立する。
【0025】図3において、縦軸は転位の伝播速度
(v)を、横軸は、シリコン種結晶に作用する応力
(σ)を示している。
【0026】シリコン種結晶が一般的な酸素濃度(11
×1017/cm3 )を有している場合をグラフAとする
と、シリコン種結晶15において、酸素濃度が13×1
17/cm3 である場合は、グラフB、酸素濃度が18
×1017/cm3 である場合は、グラフCとなる。
【0027】すなわち、シリコン種結晶が一般的な酸素
濃度を有している場合(グラフA)は、σ1 以上の応力
が作用すると転位が伝播してゆく(転位の伝播速度が0
以上となる)のに対し、13×1017/cm3 の酸素濃
度を有している場合(グラフB)は、σ2 の応力が作用
しない限り、前記転位が伝播してゆかず、18×1017
/cm3 の酸素濃度を有している場合(グラフC)に至
っては、σ3 の応力が働かない限り、前記転位が伝播し
てゆかない。ここで、応力の大きさは、σ1 <σ2 <σ
3 である。このように、酸素濃度が高いほど、前記転位
の伝播を抑制することができる。
【0028】上記した単結晶引き上げ用シリコン種結晶
15によれば、酸素濃度が13〜18×1017/cm3
の範囲にあり、一般的な酸素濃度(11×1017/cm
3 )よりも高いため、前記着液時に導入された転位が、
シリコン種結晶15の上部方向に伝播するのに要する応
力レベルを、通常のものよりも高めることができる。す
なわち、シリコン種結晶15に通常よりも高いレベルの
応力が作用しない限り、前記転位は伝播しないこととな
る。よって、着液時に転位が導入された部分(先端部1
5a)を所定速度で溶融液に溶かし込むことにより、転
位を伝播させることなく、転位が導入された部分(先端
部15a)を除去することができ、転位のないシリコン
種結晶を基にした、単結晶の引き上げを可能とすること
ができる。このため、引き上げた単結晶の無転位化率を
高めることができる。
【0029】また、シリコン種結晶径(l)が6mm以
上あるため、例えば300kg程度の大重量の単結晶1
6を引き上げる場合であっても、シリコン種結晶15が
シリコン強度(約16kgf/mm2 )から算出して十
分な強度を有しており、シリコン種結晶15の破損によ
る単結晶16の落下等の事故の心配がなく、安全に単結
晶16を引き上げることができる。
【0030】また、上記したシリコン種結晶15を用い
た単結晶引き上げ方法によれば、無転位部分のみからな
シリコン種結晶15を基に、単結晶16の引き上げを
行うことができるため、引き上げられる単結晶16に転
位が導入されることがなく、ネッキング工程を省略する
ことができる。また、前記ネッキング工程が不要となる
ことにより、細いネック36a(図5)によって単結晶
16を支持する必要性がなくなり、シリコン種結晶径
(l)がすなわち単結晶16を支持するにあたっての最
細部径となり、大重量の単結晶16であっても、落下等
の事故発生の心配もなく、安全に引き上げることができ
る。さらに、ネック36aを形成する必要がないため、
シリコン種結晶15は、従来12mm程度であったもの
を6mm程度まで細くでき、シリコン種結晶に要する原
料コストを削減することができる。
【0031】さらに、溶かし込むシリコン種結晶15の
長さ(L)を6mm以上とすることにより、転位が導入
された部分をほとんど溶かし込むことができ、残りを無
転位部分のみからなるシリコン種結晶15とすることが
できる。該無転位部分のみからなるシリコン種結晶15
を用いて単結晶16を引き上げることにより、単結晶1
6の歩留まりを向上させることができる。
【0032】
【実施例及び比較例】以下、実施例及び比較例に係る単
結晶引き上げ用シリコン種結晶及び該シリコン種結晶を
用いた単結晶引き上げ方法により単結晶の引き上げを行
い、DF(Dislocation Free) 率を調べた結果について
説明する。実施例、比較例のいずれにおいても、直径約
12インチで長さ約1000mm、総重量300kg程
度の単結晶を10回引き上げた。前記DF率は、同じ条
件で引き上げた単結晶それぞれ10本のうち、全く転位
が発生していない単結晶の本数の割合で示した。前記転
位発生の有無は、外部観察によっても判断可能である
が、今回は、スライスした単結晶をX線トポグラフで観
察することにより判断した。
【0033】図4(a)、(b)は、実施例1〜5、比
較例1〜4に係る単結晶引き上げ方法を説明するために
示した、模式的左部分拡大側面図である。各々の単結晶
の引き上げに共通する成長条件を、下記の表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】<実施例1> 実施例1では、図1、図2及び図4(a)に示した方法
及び表1に示した条件によって、以下のようにして単結
晶16を引き上げた。シリコン種結晶15の酸素濃度
は、13×1017/cm3 である。
【0036】まず、直径約10mmのシリコン種結晶1
5を、溶融液33直上まで降下させてシリコン種結晶1
5の予熱を行い、その後、シリコン種結晶15を溶融液
33の表面に着液させて、シリコン種結晶15を溶融液
33に馴染ませる。この後、0.2mm/minの速度
シリコン種結晶15を降下させ、シリコン種結晶15
の先端部15aを溶融液33に浸漬して、シリコン種結
晶15の先端部15aから約20mmの範囲を溶かし込
む。この後約0.3mm/minの引き上げ速度でシリ
コン種結晶15を引き上げ、ヒータ32温度を調節する
ことにより、シリコン種結晶底面15aから下方100
mmの範囲に、単結晶16のショルダー16bを形成
し、直径が12インチとなるまで成長させた。その後約
0.5mm/minの引き上げ速度で、直径12インチ
のメインボディ16cを、長さ約1000mmとなるま
で成長させた。
【0037】上記実施例1に係る方法により、製造され
た単結晶16のDF率は、7/10であった。すなわ
ち、10本引き上げた内の7本には、全く転位の発生が
確認されなかった。また、単結晶16の落下数は0/1
0であり、単結晶16の落下は発生しなかった。
【0038】<実施例2> 実施例2では、酸素濃度が16×1017/cm3シリ
コン種結晶15を用い、その他の条件及び方法は、実施
例1の場合と同様に行った。
【0039】上記実施例2に係る方法により、製造され
た単結晶16のDF率は、8/10であった。すなわ
ち、10本引き上げた内の8本には、全く転位の発生が
確認されなかった。また、単結晶16の落下数は0/1
0であり、単結晶16の落下は発生しなかった。
【0040】<実施例3> 実施例3では、酸素濃度が18×1017/cm3シリ
コン種結晶15を用い、その他の条件及び方法は、実施
例1の場合と同様に行った。
【0041】上記実施例3に係る方法により、製造され
た単結晶16のDF率は、9/10であった。すなわ
ち、10本引き上げた内の9本には、全く転位の発生が
確認されなかった。また、単結晶16の落下数は0/1
0であり、単結晶16の落下は発生しなかった。
【0042】<実施例4> 実施例4では、直径約6mmのシリコン種結晶15を用
い、その他の条件及び方法は、実施例1の場合と同様に
行った。シリコン種結晶15の酸素濃度は、実施例1の
場合と同様に13×1017/cm3 である。
【0043】上記実施例4に係る方法により製造され
た、単結晶16のDF率は、7/10であった。すなわ
ち、10本引き上げた内の7本には、全く転位の発生が
確認されなかった。また、単結晶16の落下数は0/1
0であり、単結晶16の落下は発生しなかった。
【0044】<実施例5> 実施例5では、直径約6mmのシリコン種結晶15を用
い、その他の条件及び方法は、実施例1の場合と同様に
行った。シリコン種結晶15の酸素濃度は、実施例2の
場合と同様に16×1017/cm3 である。
【0045】上記実施例5に係る方法により、製造され
た単結晶16のDF率は、8/10であった。すなわ
ち、10本引き上げた内の8本には、全く転位の発生が
確認されなかった。また、単結晶16の落下数は0/1
0であり、単結晶16の落下は発生しなかった。
【0046】<比較例1> 比較例1では、図1、図2及び図4(a)に示した方法
及び表1に示した条件によって、単結晶26を引き上げ
た。単結晶26の引き上げ方法に関しては、シリコン
結晶25の酸素濃度を除いては、実施例1の場合と同様
であり、ここでは、その説明を省略する。また、シリコ
種結晶25の酸素濃度は、11×1017/cm3 とし
た。
【0047】上記比較例1に係る方法により、製造され
た単結晶26のDF率は、6/10であった。すなわ
ち、10本引き上げた内の6本には、全く転位の発生が
確認されなかった。また、単結晶26の落下数は0/1
0であり、単結晶26の落下は発生しなかった。
【0048】<比較例2> 比較例2では、図4(b)及び図5に示した方法及び表
1に示した条件によって、直径10mmのネック46a
を形成した後、単結晶46を引き上げた。シリコン種結
晶45の酸素濃度は、実施例2の場合と同様に、16×
1017/cm3とした。また、引き上げられる単結晶4
6の酸素濃度は、従来通り11×1017/cm3 とし
た。
【0049】まず、直径12mmのシリコン種結晶45
を、溶融液33直上まで降下させてシリコン種結晶45
の予熱を行い、その後、シリコン種結晶45を溶融液3
3の表面に着液させ、シリコン種結晶45を溶融液33
に馴染ませる。この後、約4mm/分の速さでヒータ3
2の温度を調節しながらシリコン種結晶45を引き上げ
て、直径約10mm、長さ約100mmのネック46a
を形成する。次に0.3mm/minの引き上げ速度で
シリコン種結晶45を引き上げ、ヒータ32の温度を調
節することにより、ネック46aの下端から下方100
mmの範囲に単結晶46のショルダー46bを形成し
て、直径が12インチとなるまで成長させた。その後
0.5mm/minの引き上げ速度で、直径12インチ
のメインボディ46cを、長さ1000mmとなるまで
成長させた。
【0050】上記比較例2に係る方法により、製造され
た単結晶46のDF率は、0/10であった。すなわ
ち、引き上げた単結晶46全てに対して、転位の発生が
確認された。一方、単結晶46の落下数は0/10とな
り、単結晶46の落下は発生しなかった。
【0051】<比較例3> 比較例3では、直径6mmのネック46aを形成した
後、単結晶46を引き上げた。その他の条件及び方法
は、比較例2の場合と同様に行った。
【0052】上記比較例3に係る方法により、製造され
た単結晶46のDF率は、1/10であった。すなわ
ち、10本引き上げた内の9本には、転位の発生が確認
された。また、単結晶16の落下数は0/10であり、
単結晶16の落下は発生しなかった。
【0053】<比較例4> 比較例4では、直径約4mmのネック46aを形成した
後、単結晶46を引き上げた。その他の条件及び方法は
比較例2の場合と同様に行った。
【0054】上記比較例4に係る方法により、製造され
た単結晶46のDF率は、9/10であった。すなわ
ち、10本引き上げた内の9本には、全く転位の発生が
確認されなかった。また、単結晶46の落下数は8/1
0であり、10本引き上げた内の8本は、引き上げ途中
で単結晶46が落下した。
【0055】以上の結果から明らかなように、実施例1
〜3に係るシリコン種結晶15によれば、酸素濃度がそ
れぞれ13×1017/cm3 、16×1017/cm3
18×1017/cm3 であり、いずれの場合も一般的な
酸素濃度(11×1017/cm3 )よりも高く、これに
より、前記着液時に導入された転位がシリコン種結晶1
5の上部方向に伝播するのに要する応力レベルを、通常
よりも高くすることができた。すなわち、通常よりも高
い応力が働かない限り前記転位は伝播しないため、前記
着液時に転位が導入された部分(先端部15a)を適度
な速度で溶融液に溶かし込むことにより、転位を伝播さ
せることなく、転位が導入された部分(先端部15a)
を除去することができ、転位のないシリコン種結晶を基
にした単結晶の引き上げを可能とすることができた。こ
のため、引き上げた単結晶の無転位化率を高めることが
できた。
【0056】また、実施例1〜3に係る単結晶16の引
き上げ方法によれば、上記ネッキング工程が不要となる
ことにより、細いネック36a(図5)によって単結晶
16を支持する必要性がなくなり、シリコン種結晶径
(10mm)が、すなわち単結晶16を支持するにあた
っての最細部径となり、大重量(300kg)の単結晶
16であっても、落下等の事故発生の心配もなく、安全
に引き上げることができた。
【0057】また、実施例4、5に係るシリコン種結晶
15によれば、酸素濃度がそれぞれ13×1017/cm
3 、16×1017/cm3 であり、シリコン種結晶径
(l)が6mmあるため、300kg程度の大重量の単
結晶16を引き上げた場合であっても、シリコン種結晶
15が十分な強度を有し、シリコン種結晶15の破損に
よる単結晶16の落下等の事故の心配が少なく、安全に
単結晶16を引き上げることができた。また、シリコン
種結晶15は、従来12mm程度であったものを6mm
程度まで細くしたため、体積にして約1/4となり、
リコン種結晶15に要する原料コストを削減することが
できた。
【0058】また、実施例1〜5に係る単結晶16の引
き上げ方法によれば、溶かし込むシリコン種結晶15
(15A)の長さ(L)が6mm以上の20mmである
ため、転位が導入された部分をほとんど溶かし込むこと
ができ、残りを無転位部分のみからなるシリコン種結晶
15(15A)とすることができた。また、前記無転位
部分のみからなるシリコン種結晶15(15A)を用い
て単結晶16(16A)を引き上げることにより、単結
晶16(16A)の歩留まりを向上させることができ
た。
【0059】一方、比較例1に係るシリコン種結晶25
によれば、酸素濃度が11×1017/cm3 と従来程度
であるため、製品歩留まりにおいて、実施例1〜3には
及ばなかった。
【0060】また、比較例2に係る単結晶46の引き上
げ方法によれば、シリコン種結晶45の酸素濃度を実施
例2の場合と同様(16×1017/cm3 )としたにも
かかわらず、引き上げられた単結晶46全てにおいて転
位が発生した。これは、以下の理由によるものと考えら
れる。まず、シリコン種結晶45が高酸素濃度(16×
1017/cm3 )を有していても、転位が導入された先
端部15aを溶融させる工程がなく、前記先端部15a
から直に、通常の酸素濃度(11×1017/cm3 )を
有するネック46aを形成したため、シリコン種結晶4
5への前記転位の伝播は防げたとしても、ネック46a
への前記転位の伝播は防ぐことができなかった。また、
ネック46aの直径が10mmと大きいため、この程度
の絞りでは、伝播した前記転位が抜け切れなかった。他
方、ネック46aの直径が10mmと大きいことから、
単結晶46の落下は発生せず、安全な引き上げを行うこ
とができた。
【0061】また、比較例3に係る単結晶46の引き上
げ方法によれば、ネック46aの直径を6mmまで絞っ
たため、比較例2の場合よりもややDF率が向上した
が、以前として単結晶46には高い確率で転位が発生
し、製品歩留まりは低かった。これは、ネック46aの
直径を6mmとしても、この程度の絞りでは、伝播した
前記転位が抜け切れなかったためと考えられる。他方、
ネック46aの直径が6mm程度あるため、単結晶46
の落下を生じることなく、安全な引き上げを行うことが
できた。
【0062】また、比較例4に係る単結晶46の引き上
げ方法によれば、ネック46aの直径を4mm程度まで
絞り込んだため、伝播した転位を抜くことができ、DF
率を大幅に向上させることができた。しかしながら4m
m程度の直径ではネック46aの強度が十分でなく、高
い確率で単結晶46の落下が発生した。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は、本発明の実施の形態に係
る、単結晶引き上げ方法を工程順に示した、模式的部分
側面図である。
【図2】実施の形態に係る単結晶引き上げ方法により、
単結晶を引き上げている状態を示した、模式的断面図で
ある。
【図3】シリコン種結晶に作用する応力と、前記シリコ
種結晶に存在する転位が応力によって伝播する速度と
の関係を示したグラフである。
【図4】(a)、(b)は、実施例、比較例1及び比較
例2に係る、シリコン種結晶及び該シリコン種結晶を用
いた単結晶引き上げ方法を説明するために示した、模式
的な部分拡大側面図である。
【図5】CZ法で使用される、単結晶引き上げ装置の要
部を示した、模式的断面図である。
【符号の説明】
15、25、35、45 (単結晶引き上げ用)シリコ
種結晶 15a、25a、35a、45a (シリコン種結晶
の)先端部 16、26、36、46 単結晶
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 1/00 - 35/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素濃度が13〜18×1017/cm3
    の範囲にあることを特徴とする単結晶引き上げ用シリコ
    種結晶。
  2. 【請求項2】 シリコン種結晶径が6mm以上あること
    を特徴とする請求項1記載の単結晶引き上げ用シリコン
    種結晶。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2のいずれかの項に記載の
    シリコン種結晶を用い、該シリコン種結晶の先端部分を
    溶融液に浸漬して溶かし込んだ後、ネックを形成せずに
    単結晶を引き上げることを特徴とする単結晶引き上げ方
    法。
  4. 【請求項4】 溶かし込むシリコン種結晶長さを6mm
    以上とすることを特徴とする請求項3記載の単結晶引き
    上げ方法。
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