JP3232040B2 - 高加工性機械構造用高炭素鋼電縫鋼管の製造方法 - Google Patents

高加工性機械構造用高炭素鋼電縫鋼管の製造方法

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JP3232040B2 JP04455798A JP4455798A JP3232040B2 JP 3232040 B2 JP3232040 B2 JP 3232040B2 JP 04455798 A JP04455798 A JP 04455798A JP 4455798 A JP4455798 A JP 4455798A JP 3232040 B2 JP3232040 B2 JP 3232040B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電縫溶接時の高温
割れを抑制して製品歩留の低下の少ない高加工性機械構
造用高炭素鋼電縫鋼管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】機械構造用高炭素鋼は、炭素量が多くな
るほど強度が上昇するが、伸びが低下すると共に、連続
鋳造時にPの中心偏析が多くなる傾向がある。連続鋳造
した鋳片のP偏析部は、特に1000℃以上の熱間加工
性が著しく低下する。このため、高炭素鋼熱延コイルを
素材として電縫鋼管を製造する際には、電縫溶接部は1
000℃以上の温度で加工を受けるため、Pが濃化した
中心偏析部がコイルエッジに存在していると、電縫溶接
時に溶接点でメタルフローの上下方向に剪断が生じ、融
点の低い中心偏析部で高温割れが生じ、フッククラック
の原因となる。
【0003】上記1000℃以上の熱間での加工度は、
肉厚が厚いほど大きく、このため肉厚が厚いほどフック
クラックが多くなる。このフッククラックは、超音波探
傷試験での不良原因となって製品歩留を悪化させ、また
後工程での加工性をも著しく阻害する。このため、従来
の高炭素鋼熱延コイルは、電縫溶接が困難であり、出来
たとしても肉厚2〜3mm以下の薄肉材しかできなかっ
た。
【0004】一般に高周波溶接により製造される電縫鋼
管は、導体中の高周波電流が導体表面に集中する表皮効
果およびオープンパイプ両エッジ部の電流がほぼ平行で
逆方向のため、高周波電流がもつ近接効果によって電流
がエッジ端面に集中し、オープンパイプのエッジ近傍を
効率的に加熱して電縫溶接することができる。しかし、
この方法では、両エッジ近傍を局部的に加熱するもので
あるから、溶接部を急熱急冷することとなり、溶接部で
マルテンサイト変態が発生して焼入れ組織を生じ易くな
る。高周波溶接では、特に炭素量が多くなるほど、この
傾向が助長され、溶接部の硬度が高くなる。
【0005】高炭素鋼の電縫鋼管は、溶接部が著しく硬
化していると、溶接後の切断時の衝撃によって溶接部が
脆化割れしたり、外径調整のためにリダクションをかけ
た時に溶接部に横割れが生じることがある。これを解決
するためには、溶接後に溶接部をシームアニーラにより
再加熱したのち、徐冷することによりマルテンサイト組
織をフェライト・パーライト組織に改善し、母材なみの
硬度に低減する必要がある。しかし、溶接部をシームア
ニーラにより再加熱後徐冷するには、設備費やエネルギ
ーコストが高くなり、製管速度も低下するため、比較的
製管速度の大きい小径サイズの電縫鋼管を製造する際に
シームアニールを適用するのは不適当である。
【0006】高炭素鋼電縫鋼管の製造方法としては、
C:0.4〜0.8%、Si:0.15〜0.35%、
Mn:0.3〜2.0%、P:0.030%以下、S:
0.035%以下、Al:0.035%以下、残部がF
eおよび不可避的不純物からなる高炭素鋼において、M
o:0.05〜0.15%を添加することによって、1
000℃以上での加工性を大幅に改善した素材を用いる
高炭素鋼電縫鋼管(特開平4−263039号公報)が
提案されている。
【0007】また、C当量:0.55以上を含有する溶
接部の硬化が著しい鋼の電気抵抗溶接に当たり、前記鋼
によって特定される連続冷却変態線図(以下「CCT線
図」という)上空冷域ではベイナイトを析出する冷却速
度を設定し、周波数60〜70Hzの溶接電流を用いて
溶接する方法(特公昭59−48709号公報)が提案
されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平4−263
039号公報に開示のMo添加高炭素鋼電縫鋼管は、高
価なMo合金を使用しても、Mo添加のみでは非金属介
在物の中心偏析が解消されないため、溶接時に高温割れ
を起こし、超音波探傷での製品歩留が低いという問題点
を有している。
【0009】また、特公昭59−48709号公報に開
示の鋼によって特定されるCCT線図上空冷域ではベイ
ナイトを析出する冷却速度を設定し、周波数60〜70
Hzの溶接電流を用いて溶接する方法は、肉厚変化に対
して電流効率が悪く、電力消費量が増加すると共に、溶
接部硬度の低減改善にも限界があるという問題点を有し
ている。
【0010】本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解
消し、高炭素鋼におけるPの中心偏析が軽減されて熱間
加工性の軽減された素材を用い、電縫溶接時にオープン
パイプの両エッジ部を広幅に予熱したのち本溶接するこ
とによって、溶接部の硬度を低減して高温割れや脆化割
れを抑制し、超音波探傷試験の歩留低下を防止できる高
加工性機械構造用高炭素鋼電縫鋼管の製造方法を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の高加
工性機械構造用高炭素鋼電縫鋼管の製造方法は、C:
0.30〜0.60%、P:0.012%以下を含有す
る高炭素鋼を連続鋳造した中心偏析部のP濃度が[P]
≦{−0.32×[C(%)]+0.244}を満足す
る高炭素鋼スラブを、熱間圧延して得た高炭素鋼熱延コ
イルを素材とし、成形ロール群により円筒状に連続成形
したオープンパイプの両エッジ部を予熱したのち電縫溶
接し、溶接部を空冷することとしている。また、本発明
の請求項2では、オープンパイプの両エッジ部を、幅2
〜4mm、温度800〜1000℃に予熱することとし
ている。
【0012】このように、C:0.30〜0.60%、
P:0.012%以下を含有する高炭素鋼を連続鋳造し
た中心偏析部のP濃度が[P]≦{−0.32×[C
(%)]+0.244}を満足する高炭素鋼スラブを、
熱間圧延して得た高炭素鋼熱延コイルを素材とすること
によって、鋼中のPの中心偏析が軽減されて電縫溶接時
における高温割れを抑制できる。また、成形ロール群に
より円筒状に連続成形したオープンパイプの両エッジ部
を予熱したのち電縫溶接し、溶接部を空冷することによ
って、大入熱電縫溶接を行なうことができ、溶接後の溶
接部の冷却速度を緩やかにすることができ、溶接部にマ
ルテンサイト組織は生じることなく、ベイナイトやフェ
ライトまたはパーライト組織が生じる。このため、溶接
部と溶接熱影響部の硬度は、低下して母材硬度に近くな
り、製管中の横切れや溶接部脆化割れを防止することが
でき、フッククラックに起因する超音波探析試験におけ
る歩留低下を防止できると共に、鋼管がバルジ成形など
の加工を受ける場合に、溶接部での変形量を母材部と同
程度とすることができる。また、オープンパイプの両エ
ッジ部を予熱するので、入熱量を鋼種や板厚によって制
御できるため、過剰な電力消費を避けることができる。
【0013】また、本発明の請求項2の高加工性機械構
造用高炭素鋼電縫鋼管の製造方法は、請求項1の方法に
おいて、オープンパイプの両エッジ部を、幅2〜4m
m、温度800〜1000℃に予熱することとしてい
る。このように、オープンパイプの両エッジ部を、幅2
〜4mm、温度800〜1000℃に予熱することによ
って、大入熱電縫溶接を行なうことができ、溶接後の溶
接部の冷却速度を緩やかにすることができ、溶接部にマ
ルテンサイト組織は生じることなく、ベイナイトやフェ
ライトまたはパーライト組織が生じるので、溶接部の硬
度が低下し、溶接部と溶接熱影響部の硬度が母材硬度に
近くなり、製管中の横切れや溶接部脆化割れを防止する
ことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において機械構造用高炭素
鋼の化学成分を限定したのは、下記の理由による。C
は、鋼の機械的強度を上昇させるために必要な元素であ
るが、0.30%未満では機械構造用高炭素鋼電縫鋼管
としての機械的強度を確保できず、0.60%を超える
と伸びが低下し、加工性が悪化してオープンパイプの成
形性、電縫鋼管の切断性が悪化するので、0.30〜
0.60%とした。
【0015】Pは、粒界に析出すると粒界の結合力が弱
まり、バルジ加工する際に粒界脆化を生じることがある
ため、少ないほど好ましいが、脱燐処理費用との関係で
0.012%以下とし、かつ、鋼中のPの偏析を抑制し
て電縫溶接時の高温割れを防止し、超音波探傷試験にお
ける歩留低下を防止するため、高炭素鋼スラブのP偏析
部のP濃度を[P]≦{−0.32×[C(%)]+
0.244}とした。
【0016】C、P以外のSi、Mn、S、Alについ
ては、JIS G 3445に規定の機械構造用炭素鋼
鋼管の化学成分の規定を満足させればよい。
【0017】本発明において高炭素鋼スラブのP偏析部
のP濃度を[P]≦{−0.32×[C(%)]+0.
244}とするには、連続鋳造時に電磁撹拌あるいは溶
鋼の過熱度を下げるなどして鋳込むことにより満足させ
ることができる。
【0018】本発明において高炭素鋼スラブのP偏析部
のP濃度を[P]≦{−0.32×[C(%)]+0.
244}としたのは、C:0.20〜0.95%、P:
0.01〜0.20%、Si:0.15〜0.35%、
Mn:0.3〜1.5%、S:0.035%以下、A
l:0.035%以下、残部がFeおよび不可避的不純
物からなる高炭素鋼スラブの偏析部から直径8mm、長
さ140mmの試験片を切出し、JIS Z2272に
規定の金属材料の引張クリープ破断試験方法に準じて1
300℃の引張クリープ破断試験を実施し、破断絞り
(RA)を下式により求めた。 RA={(A0−A)/(A0)}×100(%) ただし、RA:破断絞り、A:試験片の破断面を注意し
て突き合わせて測定した最小断面積(mm2)、A0:
原断面積(mm2) そして、鋼中のC(%)とP(%)と破断絞り(RA)
と粒界脆化発生との関係を図3に示すとおりプロット
し、高加工性を示す破断絞り(RA)=80%以上にお
ける粒界脆化発生有無の境界線を描き、粒界脆化発生の
ないP偏析部のP濃度とC(%)との関係を示す前記式
を求めた。
【0019】本発明において電縫溶接後の溶接部の冷却
を空冷としたのは、電縫溶接後の溶接部を水冷により急
冷すると、溶接部にマルテンサイト組織が生じて焼入れ
組織となって硬化するためである。
【0020】本発明において、成形ロール群で円筒状に
連続成形したオープンパイプの両エッジ部の予熱は、高
周波溶接機の直前に高周波予熱装置を配置して行なう。
一般に高周波加熱においては、周波数fを小さくしてい
くと、電流の浸透深さδ(δ=5.03√(ρ/f・
μ)cm、ただし、μ:比透磁率、ρ:固有抵抗Ω・c
m、f:周波数Hz)が大きくなり、加熱幅が広くなっ
て溶接部冷却特性が改善される傾向にある。したがっ
て、本発明において高炭素鋼熱延コイルを成形ロール群
で円筒状に連続成形したオープンパイプの両エッジ部の
予熱幅は、図4に示すとおり、予熱幅Wが2mm〜4m
mとなるよう、管肉厚、外径、溶接速度等に対応して高
周波予熱装置の周波数を適正に選択すればよい。一般的
には、高周波予熱装置の周波数は、40Hz〜60Hz
の範囲から選択される。また、電縫溶接は、周波数20
0〜450KHzの高周波溶接機により行なうのが一般
的である。
【0021】なお、オープンパイプ両エッジ部の予熱幅
Wが2mm未満では、入熱が不十分で、溶接部の急熱急
冷が改善されず、また、4mmを超えると、予熱効果が
変わらず、入熱量が多すぎて電縫溶接時に溶け落ちが生
じ、良好な溶接が困難であると共に、電力が無駄となる
ため、予熱幅は2mm〜4mmとした。
【0022】本発明における高炭素鋼熱延コイルを成形
ロール群で円筒状に連続成形したオープンパイプの両エ
ッジ部の予熱は、800℃未満では電縫溶接時の急冷を
防ぐ熱量として予熱不十分で、また、1000℃を超え
ると電縫溶接時に溶け落ちが生じたり、メタルフロー形
成が悪く溶鋼排出が不十分となって溶接部品質が悪化す
るため、800℃〜1000℃とした。
【0023】
【実施例】表1に示す鋼No.1〜8の化学成分の高炭
素鋼を溶製したのち、電磁撹拌しながら連続鋳造してス
ラブとなし、それぞれのスラブについて、中心偏析部の
P濃度を測定すると共に、[P]={−0.32×[C
(%)]+0.244}により[P]値を演算した。ま
た、各スラブは、通常の熱間圧延を行なって板厚5.0
mmの熱延コイルとなし、各熱延コイルを素材として用
い、成形ロール群により円筒状に連続成形したオープン
パイプの両エッジ部を、高周波溶接機の直前に配置した
高周波予熱装置を用い、表2に示す予熱条件で予熱した
場合と、予熱しなかった場合のそれぞれについて、28
0KHzの高周波電流を用いて電縫溶接したのち空冷
し、外径38.1mm、肉厚5.0mmの電縫鋼管を製
造した。得られた各電縫鋼管は、溶接部最高硬度と母材
部平均硬度との硬度差と製管歩留を求めた。また、各電
縫鋼管は、焼ならし熱処理、矯正処理を行なったのち、
超音波探傷試験を行ない、超音波探傷歩留を求めると共
に、トータル歩留を求めた。その結果を表4に示す。
【0024】また、比較のため、表1に示す鋼No.9
〜16の化学成分の高炭素鋼を溶製したのち、電磁撹拌
しながら、あるいは電磁撹拌することなく連続鋳造して
スラブとなし、それぞれのスラブについて、中心偏析部
のP濃度を測定すると共に、[P]={−0.32×
[C(%)]+0.244}により[P]値を演算し
た。また、各スラブは、通常の熱間圧延を行なって板厚
5.0mmの熱延コイルとなし、各熱延コイルを素材と
して用い、成形ロール群により円筒状に連続成形したオ
ープンパイプの両エッジ部を、高周波溶接機の直前に配
置した高周波予熱装置を用い、表3に示す予熱条件で予
熱した場合と、予熱しなかった場合のそれぞれについ
て、280KHzの高周波電流を用いて電縫溶接したの
ち空冷し、外径38.1mm、肉厚5.0mmの電縫鋼
管を製造した。得られた各電縫鋼管は、溶接部最高硬度
と母材部平均硬度との硬度差と製管歩留を求めた。ま
た、各電縫鋼管は、焼ならし熱処理、矯正処理を行なっ
たのち、超音波探傷試験を行ない、超音波探傷歩留を求
めると共に、トータル歩留を求めた。その結果を表5に
示す。また、試験No.7と試験No.8の各電縫鋼管
の溶接部中央からの距離と高温ビッカース硬さ(HV
5)との関係を求めた。その結果を図1に示す。さら
に、取鍋内P値とトータル歩留との関係を求めた。その
結果を図2に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】
【0030】表1、表2、表4に示すとおり、本発明鋼
の鋼No.1〜8を電磁撹拌しながら連続鋳造した場合
は、偏析部のP濃度は[P]≦{−0.32×[C
(%)]+0.244}となり、かつ、電縫溶接に先立
ち、オープンパイプの両エッジ部を予熱した場合の製管
歩留は100%、超音波探傷歩留は98.0%以上、ト
ータル歩留は98.0%以上であった。しかし、電縫溶
接に先立ち、オープンパイプの両エッジ部を予熱しなか
った場合は、溶接部の硬度が上昇して製管時に溶接部脆
化割れが多発し、製管歩留は93%以下、超音波探傷歩
留は電磁撹拌しながら連続鋳造した場合と大差がない
が、トータル歩留は90%以下となっている。
【0031】一方、表1、表3、表5に示すとおり、比
較鋼の鋼No.10は、電磁撹拌しながら連続鋳造して
も、偏析部のP濃度は[P]>{−0.32×[C
(%)]+0.244}となっている。また、比較鋼の
鋼No.9、No.11〜16を電磁撹拌なしで連続鋳
造した場合は、偏析部のP濃度は[P]>{−0.32
×[C(%)]+0.244}となり、電縫溶接に先立
ち、オープンパイプの両エッジ部を予熱した場合の製管
歩留は100%を示すものの、超音波探傷歩留は95%
以下となり、トータル歩留はいずれも95%以下であ
る。さらに、電縫溶接に先立ち、オープンパイプの両エ
ッジ部を予熱しなかった場合は、溶接部の硬度が上昇し
て製管時に溶接部脆化割れが多発し、製管歩留が93%
以下となっている。
【0032】
【発明の効果】本発明の高加工性機械構造用高炭素鋼電
縫鋼管の製造方法は、C:0.30〜0.60%、P:
0.012%以下を含有する高炭素鋼を連続鋳造した中
心偏析部のP濃度が[P]≦{−0.32×[C
(%)]+0.244}を満足する高炭素鋼スラブを、
熱間圧延して得た高炭素鋼熱延コイルを素材とし、成形
ロール群により円筒状に連続成形したオープンパイプの
両エッジ部2〜4mmを800〜1000℃に予熱した
のち電縫溶接し、溶接部を空冷することによって、Pの
中心偏析が軽減されて電縫溶接時における高温割れが抑
制されると共に、溶接部ならびに溶接熱影響部の急熱急
冷が抑制され、溶接部硬度が母材部の硬度に近くなり、
溶接時の高温割れや溶接部の脆化割れ、横切りが抑制さ
れ、製品歩留の低下を防止することができる。また、バ
ルジ加工を行なう場合は、溶接部での割れを防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例におけるオープンパイプの両エッジ部の
予熱有の場合と予熱なしの場合の溶接部中央からの距離
と硬度(HV5)との関係を示すグラフである。
【図2】実施例における取鍋内P値と鋳造条件、電縫溶
接時の予熱の有無と電縫鋼管のトータル歩留との関係を
示すグラフである。
【図3】鋼中のC(%)とP(%)と破断絞り(RA)
と粒界脆化発生有無との関係を示すグラフである。
【図4】オープンパイプ両エッジ部の予熱幅の説明図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21C 37/00 - 43/04 C22C 38/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.30〜0.60%、P:0.0
    12%以下を含有する高炭素鋼を連続鋳造した中心偏析
    部のP濃度が[P]≦{−0.32×[C(%)]+
    0.244}を満足する高炭素鋼スラブを、熱間圧延し
    て得た高炭素鋼熱延コイルを素材とし、成形ロール群に
    より円筒状に連続成形したオープンパイプの両エッジ部
    を予熱したのち電縫溶接し、溶接部を空冷することを特
    徴とする高加工性機械構造用高炭素鋼電縫鋼管の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 オープンパイプの両エッジ部を、幅2〜
    4mm、温度800〜1000℃に予熱することを特徴
    とする請求項1記載の高加工性機械構造用高炭素鋼電縫
    鋼管の製造方法。
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