JP3222329B2 - 塗装用ステンレス鋼板の製造法 - Google Patents

塗装用ステンレス鋼板の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗装用ステンレス鋼板の
製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼板はさまざまな腐食環境で
高い耐食を有するとともに優れた耐高温酸化性を発揮す
ることから、建材、厨房用品、電気器具、自動車部品な
どに広く使われてきた。そして、これらの用途ではステ
ンレス鋼板独自の表面仕上げ(2B,2D,BA,研磨
など)工程を経たままの状態で利用された。しかし近時
はステンレス鋼板に塗装して種々の色調を与え、耐食、
耐酸化機能にデザイン性も兼ね備えさせた用途(建材の
内装品、外装品、家庭用器物など)への需要が増大して
いる。
【0003】これらの用途では曲げ加工、ロールフォー
ミング、プレス成型などによって複雑な形状に成型され
るケースが多いため、塗料が剥離する問題が生じ、用途
が限定されがちであった。その対策として種々の塗料密
着性向上施策が試みられ、例えば表面にショットブラス
ト処理、研磨処理を施して比較的マクロな粗度を与える
方法、及び化学処理法として全Cr付着量0.5〜50
mg/m2 、3価Cr量が60%以上、かつ40mg/
2 以下とした特開平3−271379号公報、リン酸
塩処理した後、2〜60mg/m2 の塗布型クロメート
処理をする特開昭57−161069号公報、強アルカ
リ処理によって酸化被膜を改質する特開平4−1984
87号公報などが提案されている。しかし、いずれもス
テンレス鋼の本質である表面不働態被膜の存在が懸案と
なって解決に至っていないことが明らかになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記背景を踏
まえ、シビアな加工をうけても塗料が剥離しない塗装用
ステンレス鋼板の製造法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、塗料密着性を
向上させる為、表面に化学反応による微細な粗度を与
え、更にその粗面に安定的なクロメート被膜を付与する
技術が有効であることを見いだしたものであり、その要
旨は、硫酸水溶液に硝酸もしくは硝酸塩を添加した電解
水溶液を用い、間接通電方式により走行する電解材の被
酸洗研磨ステンレス鋼板表面に対向して陰・陽に1対も
しくは2対以上で、かつ電解材の最終研磨面を陰極とす
るように電極板を配置し、陰極電流密度20A/dm2
以上、液温50℃以上で電解酸洗したあと、水洗、乾燥
を行い、乾燥後2秒以内にCrO3:SiO2 の重量比
率が1:(0.5〜4)に保持されたクロメート溶液で
処理し、クロメートを5〜200mg/m2 付着させる
ことを特徴とする塗装用ステンレス鋼板の製造法であ
る。
【0006】以下それを得る方法を詳述する。本発明の
1番目の要件は、電解酸洗技術(電解酸洗水溶液の組
成、電極極性及び電解酸洗条件)である。本出願人が先
に提案した、特公平5−48317号公報では、ステン
レス鋼板(電解材)の最終研磨部を陽極として表面光沢
に優れた鋼板を製造する酸洗研磨技術について述べてお
り、硫酸に硝酸もしくは硝酸塩を加えた電解液中で該電
解材表面の陰極部で極めて活性な反応を起こして溶解量
を増大させることも説明している。
【0007】そしてその後、上記の本出願人が提案した
技術について、さらに研究を行った結果、従来の電気化
学的な基礎知見からは説明できない上記の電解材陰極部
での過大金属溶解は、陰極鋼板表面で発生するH2 によ
る表面活性化の影響のほか、反応界面攪拌現象によるイ
オン供給の均一化、抵抗熱による反応表面温度上昇が大
きくかかわっているという、メカニズムが明らかになっ
た。しかもこの陰極反応表面溶解は表面の不均一性(表
面成分偏析、結晶方位、結晶粒内・粒界差異、析出物、
非金属介在物などの存在によって惹起される)を敏感に
甘受して、表面に極めて微細で凹凸の数の多い粗度を付
与する条件のあることが分かり、本発明に至ったもので
ある。
【0008】従来の電解酸洗若しくは電解研磨では成品
外観を美麗・平滑にするため鋼板の最終極性を陽極にし
て表面を溶解するとともに、O2 の共存下で表面の不活
性化を計ったあと鋼板を電解槽から送り出す。これに対
して、本発明は鋼板の最終極性を陰極とし、高温かつ高
電流密度条件で処理して超微細でかつ数の多い凹凸(以
下、超微細凹凸)を与え、しかも鋼板表面を活性状態に
保ったまま電解槽から送出することを特徴とする。
【0009】超微細凹凸を得るには反応温度を界面で上
昇させる電流密度が必要である。温度の上昇は固有抵抗
に関係する鋼板成分、板厚に左右されるが、陽電極板と
対向する鋼板(陰極)間の電流密度である陰極電流密度
が20A/dm2 あれば効果がある。この陰極電流密度
は、電極が2対以上配置される場合であれば、すべての
陰極電流密度は20A/dm2 必要である。また、電解
液温度も微細凹凸表面確保の為にコントロールする必要
があり、50℃以上で効果がある。
【0010】2番目の要件は、電解槽から超微細凹凸か
つ活性表面のまま出たステンレス鋼板を一定の時間内に
CrO3 −SiO2 水溶液よりなるクロメート処理を行
うことである。普通鋼にアルミニウム、亜鉛若しくはそ
れらの合金などでめっきされた鋼板は表面活性度があま
り大きくないので表面仕上げとしてこのクロメート処理
を行う場合、特別の注意は要らない。しかし、ステンレ
ス鋼板の場合、酸洗終了直後から表面の不働態が進行
し、それが塗料密着性を大きく損なうことが発明者らの
研究で明らかになった。塗装ステンレス鋼板の予備処理
として、酸洗および水洗後の乾燥終了から2秒以内にク
ロメート処理を実施すると、その後、通常の塗装工程
(脱脂→水洗→塗装前処理→塗装→焼き付け)で製造さ
れる塗装ステンレス鋼板の塗料密着性を極めて高いレべ
ルに確保することが分かった。
【0011】これは(i)活性表面のままクロメートに
接触したステンレス鋼板表面では、まず境界面に凝固な
[Cr−Si−O]、[Cr−Si−OH]被膜が生成
され、その外層にいわゆる可溶性のクロメート被膜が形
成される。 (ii)その後の塗装工程では外層の可溶クロメート被膜
のみ除去され、塗装前処理液と[Cr−Si−O]、
[Cr−Si−OH]とが反応して健全な塗料密着性を
達成するというメカニズムが働いているものと思われ
る。
【0012】
【作用】次に各要件の採用条件について記述する。本発
明は、間接通電のため陰・陽1対若しくは2対以上の電
極を配した電解槽内で実施される。間接通電電解酸洗に
おける電極配列は、最終鋼板極性をマイナス(すなわち
鋼板に対向する電極がプラス)にセットすることが必須
である。これは塗料密着性を劣化させる表面の不働態化
を避けるためである。なお、めっき技術分野では鋼板を
陰極にしてめっき金属を電析させるが、本発明のごとき
強酸性溶液中では鋼板表面への電析現象はまったくな
い。
【0013】陰極電流密度は20A/dm2 以上必要で
ある。それ未満であると界面温度が上昇せず、H2 によ
る攪拌が十分でなく、塗料密着性を上げるために効果の
ある微細凹凸が得られない。電解液温度は50℃以上を
保つ必要がある。50℃未満であると反応が少なく、鋼
板表面に内在する組成偏析、結晶粒、介在物などの不均
一性を微細表面凹凸に転換する酸洗が行えない。電解酸
洗および水洗、乾燥を行った後の乾燥終了から2秒以内
にクロメート処理を開始する必要がある。2秒を越える
とクロメート被膜とステンレス鋼板の活性表面との間で
進行する化学反応が阻害され、密着性は達成できない。
【0014】クロメート液組成はCrO3 重量が1に対
して、SiO2 の比率を0.5〜4にする必要がある。
SiO2 の比率が0.5未満であると塗料密着性が改善
されない。また、4を越えると効果が飽和するととも
に、液中のSiO2 が多くなり処理後の表面絞り仕上
げ、乾燥が困難になる。クロメート付着量は5〜200
g/m2 である。これは処理によって形成される[Cr
−Si−O]、[Cr−Si−OH]被膜が処理中およ
び処理後成長し、またステンレス鋼板が塗装されるまで
その健全性が保持されるために必要な量である。5g/
2 未満であると[Cr−Si−O]、[Cr−Si−
OH]被膜の形成が不十分なためか塗料密着性が不良で
あり、200g/m2 を越えると処理後の乾燥が難し
い。続いて発明要件を満たした実施例によって本発明の
効果を説明する。
【0015】
【実施例】表1にA,B,C,Dで示した4種のステン
レス鋼板を4%H2 −N2 雰囲気炉中で同じく表1に併
記した焼鈍条件(800〜1150℃×30〜120s
ec)で軟化焼鈍した。焼鈍の結果、鋼板表面にはA,
B,C,Dそれぞれの組成、焼鈍条件に合致した酸化膜
が生成する。ついで、図1に概念図を示した間接電解酸
洗装置で、組成がH2 SO4 100g/l、NaNO3
100g/lよりなる電解液を用いて酸化膜を除去す
る。鋼板A,B,C,D毎の酸洗条件を表2に示した。
酸洗後、通常の条件で水洗、乾燥を行い、同じく表2に
示す条件でクロメート処理を施した。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】上記条件で製造した塗装用ステンレス鋼板
を通常の塗装ラインで塗装した。条件は弱アルカリ性脱
脂洗浄(市販品;日本パーカライジング製FC437
0)→水洗→クロメートタイプ塗装前処理(市販品;日
本ペイント製アロジンNRC300)→2回塗装2回焼
き付け塗装(プライマー7μm;市販エポキシ系塗料、
トップコート15μm;市販シリコンポリエステル系塗
料)である。このようにして製造した塗装ステンレス鋼
板の塗膜性能を表2に示す。なお、比較材は各鋼種を本
発明の方法によらず、通常の電解酸洗条件(陽極仕上
げ、クロメート処理なし)で製造したものを、発明品と
同条件で塗装したものである。
【0019】
【発明の効果】詳述したように本発明によれば塗料密着
性が良好な塗装ステンレス鋼板の製造が可能になり、家
庭用電気機器、建築内外装部品などの用途でさまざまな
加工に耐えることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】間接通電方式による電解酸洗装置の概略図であ
る。
【符号の説明】
1 直流電源 2 陽極板 3 陰極板 4 隔壁板 5 電解槽 6 鋼板 7 電解液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25F 1/06 C23C 22/24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫酸水溶液に硝酸もしくは硝酸塩を添加
    した電解水溶液を用い、間接通電方式により走行する電
    解材の被酸洗研磨ステンレス鋼板表面に対向して陰・陽
    に1対もしくは2対以上で、かつ電解材の最終研磨面を
    陰極とするように電極板を配置し、陰極電流密度20A
    /dm2 以上、液温50℃以上で電解酸洗したあと、水
    洗、乾燥を行い、乾燥後2秒以内にCrO3 :SiO2
    の重量比率が1:(0.5〜4)に保持されたクロメー
    ト溶液で処理し、クロメートを5〜200mg/m2
    着させることを特徴とする塗装用ステンレス鋼板の製造
    法。
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