JP3221474B2 - インクジェット式印字ヘッド - Google Patents
インクジェット式印字ヘッドInfo
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Description
記録紙等の記録媒体上にインク像を形成するインクジェ
ット式印字ヘッドに関する。
ジェットプリンタの要求が高まる中、インクジェット式
印字ヘッドを構成する各部材への加工密度、加工精度も
高いものが要求されてきている。
にプラスチック、セラミック、ガラス等の材料が用いら
れている(米国特許第4057807号明細書、米国特
許第3972474号明細書)。しかしながら、この様
な技術では近年のインクジェット式印字ヘッドの要求す
る高精細、高精度化に応えることが出来なくなってき
た。
コンウェハーをエッチングしてインクジェット式印字ヘ
ッドの構成部品として使用する技術が多々開示されてい
る。例えば、シリコン基板で流路を形成したインクジェ
ットヘッドとして図15に示した特公昭58−4050
9号公報が知られており、この例では(100)シリコ
ン基板が用いられている。
クジェットヘッドの例としては、"K.E.Petersen,`Fabri
cation of anIntegrated,PlanarSilicon Ink-Jet Struc
ture,'IEEE transactions onelectrondevices,vol.ED-2
6,No.12, December 1979"などが知られている。
おいてもシリコンウェハーをエッチングしてインク室を
構成する技術が開示されている。
従来技術は以下のような課題を有する。
ている(100)シリコン基板61を用いたものではエ
ッチングの結果現れる(111)面は(100)面に対
し約54.7゜で傾斜するため、パターン幅に対して深
さが一定の比以上は取れないので、図15に示すように
台形もしくは三角形の断面形状になる。
いてインク室を配列しようとすると、先にも述べたが、
図15に示すようにインク室の壁が基材の表面に対し略
54.7゜で傾斜するため、薄いシリコン基材でしか貫
通することができない。例えば、流路の幅が100μm
である場合、シリコン基材の厚さは70μm以下とな
る。その場合シリコン基材の全体の剛性がなく、シリコ
ン基材全体がしなるため、他のノズルが駆動しているか
どうかによって特性に大きな差がでることになる。その
ため、高密度化が困難であるという課題を有する。
されている図16の例に示した(110)シリコン基板
71による異方性エッチングでは、表面の(110)面
に垂直な(111)面でインク室を構成できるので高密
度にノズルを配列することが可能である。
は、インク流れに滞留部が存在し一度気泡がインク室に
入ってしまうとなかなか排出することが出来なかった。
この事は、気泡がインク室での圧力の逃げ場(コンプラ
イアンス)の働きをして、インク吐出不良の要因になっ
ていた。
るために本発明においては、ノズル開口が形成されたノ
ズルプレートと、前記ノズル開口部と連通するインク室
と、該インク室を加圧する圧力発生部材とを有するイン
クジェット式印字ヘッドにおいて、前記インク室は、結
晶方位(110)面を表面にもつシリコン基板に対し、
その表面に垂直な結晶方位(111)面で形成された4
つの壁面と、前記シリコン基板の表面に対して傾斜した
結晶方位(111)面で形成された2つの壁面との合計
6つの結晶方位(111)面の壁面を有し、傾斜した第
3の結晶方位(111)面によりノズル側にインクの流
れを誘導する。
るようにインク供給口を具備したことを特徴としてい
る。
ンク室内に2面有することを特徴としている。
第3の(111)面に対応するようにそれぞれ具備して
いることを特徴としている。
ン表面の(110)面をハーフエッチングした二つの
(111)面で構成されるV字溝である事を特徴として
いる。
字溝を形成する(111)面の1部が同一面で有ること
を特徴としている。
する。
字ヘッドを説明するための部分的な斜視図及び部分的な
分解斜視図である。
ッドのノズル配列に直交する方向の断面図、即ち、図3
のA−A断面図である。
印字ヘッドのノズル配列方向の断面図、即ち、図3のB
−B断面図である。
(図示されていない)から供給されたインクは、各イン
ク室110に連通する壁部材103に形成されたインク
流路111を通り、各インク室110に対応するように
形成されたインク供給路107を通って、ノズルプレー
ト101、壁部材103、インク供給板108、振動板
104によって構成されるインク室110に供給され
る。
105と、ノズル開口部102が配置されており、圧力
発生部材105はベース板201上に配置、固着され、
フレーム204に挿入され、接着剤203で固着されて
いる。ここで、圧力発生部材105は、FPC202を
介したプリンタ本体からの電気信号による伸縮運動によ
り、インク室110を加圧し、ノズル開口部102より
インクを吐出する。
10を構成するシリコン単結晶基板からなる壁部材10
3の構造に関するものである。
は、結晶方位により決まる方向にエッチングが進行す
る。(111)結晶面は、他の結晶面に比べてエッチン
グ速度が極端に遅いため、図5の様に(110)面を表
面に持つ壁部材103の表面と直交する第1の(11
1)面501と、この第1の(111)面と約70度の
傾きを持つ第2の(111)面502を利用してインク
室を構成すると、非常に高いアスペクト比のインク室を
高密度に、かつ、高精度に形成できる。
が、インク室の角部にインク滞留部が存在し、一度気泡
がインク室に入ってしまうとなかなか排出することが出
来なかった。この事は、気泡がインク室での圧力の逃げ
場(コンプライアンス)の働きをして、インク吐出不良
の要因になっていた。
ように壁部材103の(110)表面に対して約35度
の傾きを持つ第3の(111)面503を設けたことを
特徴としている。
0の面上の方向を示す図である。
な(111)面は、オリフラ901に対して約35゜の
方向、即ち、<211>方向に現れる。この(111)
面で構成される部屋をインク室110として利用する
と、図1に示すように圧力発生部材105側からノズル
開口部102に向かってインク室が徐々に狭くなるよう
に第3の(111)面が存在し、インク滞留部が従来よ
り少なくなり気泡排出性が飛躍的に向上する。
一実施例を、図8(a)〜(f)を用いて説明する。
晶面方位が(110)面となるシリコンウェハ800
を、900〜1100℃に加熱し、酸素、水蒸気などの
酸化剤を含んだ高温の気体の中に置いて、その表面に酸
素原子を拡散する。本実施例では、この熱酸化処理によ
って厚さ1.7μmから成るシリコン酸化物の膜801
を形成した。シリコン酸化物の膜801は後述する異方
性エッチング工程でのマスクの役割を果たし、その形成
手段は前述した熱酸化処理の他に、CVD(化学気相堆
積)法や、イオン注入法、陽極酸化法によっても差し支
えない。またシリコン酸化物の膜以外にも、シリコン窒
化物の膜や、ホウ素やガリウム原子を添加した所謂p型
シリコン膜や、ヒ素やアンチモン原子を添加した所謂n
型シリコン膜を形成しても差し支えない。
スト802で前記シリコンウェハ800上に図9に示す
ようにインク室110が(111)面で構成できるよう
にパターンを施し、図8(c)に示すように、フッ酸水
溶液などの酸エッチング液によってシリコン酸化物の膜
801を選択的に除去した後、樹脂レジストを除去する
と、パターニングされたシリコン酸化物の膜801のマ
スクパターンが現れる。
リウム水溶液などの、結晶方位に依存してエッチング速
度が変化するエッチング液によって、シリコンウェハを
異方性エッチングすると、表面に対して垂直な第1、第
2の結晶方位(111)面、及び表面に対して約35度
の角度を有する第3の結晶方位(111)面とでエッチ
ング領域の規制を受けながら、深さ方向にエッチングが
進行する(図8(d))。すなわち第3の結晶方位(1
11)面の底部側を中央領域に延ばすようにエッチング
が進行する。もとより、圧力室の中心の断面(図5の矢
印Cで示す断面)で見た状態では、表面に対して約35
度の角度を有し、かつ深さ方向のエッチングを規制して
いる第3の結晶方位(111)面は、図7に示したよう
に表面から或る一定の深さの位置を通過しているから、
短辺の垂直な壁、つまり第2の結晶方位(111)面に
規制されつつ深さ方向にエッチングが進行し、第2の結
晶方位(111)面(502)が露出する。 そして、図
8(f)に示す時点でエッチングを規制している第3の
結晶方位(111)面(803)が第2の結晶方位(1
11)面(803’)と交差し、この領域での深さ方向
のエッチングが実質的に停止する。 エッチングの進行を
規制している第3の結晶方位(111)面の先端が底部
に到達した時点図8(f)で全体のエッチングが終了す
る。本実施例では、80℃に加熱した20[重量%]の水
酸化ナトリウム水溶液によって、前記シリコンウェハを
異方性エッチングして、図8(f)に示すような形状を
得た。
を得るために図8(g)に示す様に保護膜804を形成
する。形成する膜の種類、並びに形成手段は前述のマス
クパターンの工程と同じであるが、熱酸化処理によって
シリコン酸化物の保護膜を形成するのが最も好適であ
る。
は、図5、図9に示すように貫通孔505がひし形にな
る様な、第3の(111)面503が現れる。
ンウェハ面、即ち、(110)面から貫通孔505方向
に約35゜のテーパを持って現れるので貫通孔505面
をノズル開口部に向かってインクジェット式印字ヘッド
を構成し図1に示すヘッド構造を得る。ここで、図6
は、図5に於けるC−C断面図で、図7は、図5に於け
るD−D断面図である。
とインク流路111を形成した壁部材103と、インク
供給路107を形成したインク供給板108とを別部
品、即ち、2部品で構成した例を示した。
11、インク供給路107を壁部材103上に形成した
実施例を示す。
00の面上の方向を示す図である。
対して垂直の方向、即ち、<110>方向にはシリコン
ウェハ表面に対して約35゜の方向に、(111)面の
滑らかで、精度の良いV字溝1201が構成できる。
として使用した例が図10であり、図10の斜視図が図
11である。
エッチング精度の高いシリコンの(111)面で、か
つ、1部品で構成できる為、特性のよい安価なインクジ
ェット式印字ヘッドが提供できる。
(111)面501と第2の(111)面とが鋭角的に
交わる部分に、図1に於ける振動板104と第3の(1
11)面503とのギャップが最も狭くなる部分、即
ち、ギャップ極小部1001が出来てしまう。この部分
は、インクの流れが殆ど生じないので、特にインク初期
充填時の気泡排出性が非常に悪いという課題を持ってい
た。
ンク供給路107を、ギャップ極小部1001に対応す
るように配置すること、更には、第3の(111)面5
03の1部がインク供給路107を構成するV字溝の
(111)面とを同一面とすることでギャップ極小部1
001のインクの流れが円滑になり気泡排出性に優れ、
又、第3の(111)面503は、ノズル周囲の剛性を
高める働きをし、特性の安定した、吐出効率の良いイン
クジェット式印字ヘッドを提供できる。
110のレイアウト例を示す。
の接着面側の図で、図14は壁部材103のノズルプレ
ート101との接着面側の図である。
(mm)で片側16室。インク供給路107及びインク
流路111は各インク室110の両側に構成され、各イ
ンク流路111にはインク供給パイプ1301を配置し
ている。
かのパイプ1301をインク流路111へのインク充
填、どれかのパイプ1301をインク流路111からの
インク排出に利用し各インク室、インク流路内でインク
を循環することで気泡排出がさらに向上させることが出
来た。
して、図1の様に圧電材料と電極材料を交互にサンドイ
ッチ状に挟んだ積層型圧電素子の電界方向と同方向の変
位、即ちd33方向の変位を利用した例を示した。しか
しながら、本発明はこれに限定されるものではなく、圧
力発生部材として電界方向と垂直方向の変位、即ちd3
1方向の変位を利用した圧電素子や、インク室内に駆動
信号によりジュール熱を発生する抵抗線を設けたバブル
ジェット方式等にも同等の効果を有する。
ズルに連通する貫通孔を、傾斜する斜面により形成した
ので、供給路からインク室へのインクの流れが円滑で、
気泡が溜まり難く、気泡の抜け易い形状としたため気泡
排出性が向上し、安定した印字特性を確保できるという
効果を有する。また、ノズル周囲の剛性を高めることに
より、側壁、ノズル板の振動を原因とするクロストーク
を抑制でき、かつ、インク吐出効率を向上させることが
できるという効果を有する。
例を示す図3に於けるA−A断面図。
例を示す図3に於けるB−B断面図。
例を示す斜視図。
例を示す斜視図。
例を示す上面図。
例を示す図5に於けるC−C断面図。
例を示す図5に於けるD−D断面図。
ン基材のエッチング過程を説明するための断面図。
(110)面のシリコンウェハの面上の方向を示す図。
の実施例を示す上面図。
の実施例を示す図10の斜視図。
の実施例を説明する為の、(110)面のシリコンウェ
ハの面上の方向を示す図。
の実施例を示す上面図。
の実施例を示す図13の裏面側の上面図。
図。
図。
Claims (7)
- 【請求項1】 ノズル開口が形成されたノズルプレート
と、前記ノズル開口部と連通するインク室と、該インク
室を加圧する圧力発生部材とを有するインクジェット式
印字ヘッドにおいて、 前記インク室は、結晶方位(110)面を表面にもつシ
リコン基板に対し、その表面に垂直な結晶方位(11
1)面で形成された4つの壁面と、前記シリコン基板の
表面に対して傾斜した結晶方位(111)面で形成され
た2つの壁面との合計6つの結晶方位(111)面の壁
面を有することを特徴とするインクジェット式印字ヘッ
ド。 - 【請求項2】 前記6つの壁面は、前記シリコン基板の
表面に垂直な第1の2つの結晶方位(111)面と、該
第1の結晶方位(111)面と約70度の傾きを持つ第
2の2つの結晶方位(111)面と、前記シリコン表面
に対して約35度の傾きを持つ第3の2つの結晶方位
(111)面である請求項1に記載のインクジェット式
印字ヘッド。 - 【請求項3】 前記第3の結晶方位(111)面が、前
記インク室の底面を形成するように2つ存在する請求項
2に記載のインクジェット式印字ヘッド。 - 【請求項4】 前記第3の結晶方位(111)面により
形成された前記インク室の最も狭くなる領域に対応する
ようにインク供給口が形成されている請求項2に記載の
インクジェット式印字ヘッド。 - 【請求項5】 前記インク供給口は、前記2つの第3の
結晶方位(111)面により形成された前記インク室の
最も狭くなる2つの領域に対応するよう形成されている
請求項4記載のインクジェット式印字ヘッド。 - 【請求項6】 前記インク供給口は、前記シリコン基板
の表面をハーフエッチングして形成される2つの結晶方
位(111)面により構成されるV字溝である請求項4
または請求項5に記載のインクジェット式印字ヘッド。 - 【請求項7】 前記第3の結晶方位(111)面と前記
V字溝を形成する結晶方位(111)面の一部が同一面
である請求項6に記載のインクジェット式印字ヘッド。
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JP6689794A JP3221474B2 (ja) | 1994-04-05 | 1994-04-05 | インクジェット式印字ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP6689794A JP3221474B2 (ja) | 1994-04-05 | 1994-04-05 | インクジェット式印字ヘッド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07276626A JPH07276626A (ja) | 1995-10-24 |
JP3221474B2 true JP3221474B2 (ja) | 2001-10-22 |
Family
ID=13329187
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6689794A Expired - Fee Related JP3221474B2 (ja) | 1994-04-05 | 1994-04-05 | インクジェット式印字ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP2002292868A (ja) | 2001-03-28 | 2002-10-09 | Ricoh Co Ltd | 液滴吐出ヘッド、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置 |
CN1289298C (zh) | 2001-09-06 | 2006-12-13 | 株式会社理光 | 液滴喷射头及其制造方法、微型器件、喷墨头、墨盒以及喷墨打印设备 |
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-
1994
- 1994-04-05 JP JP6689794A patent/JP3221474B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH07276626A (ja) | 1995-10-24 |
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