JP3125536B2 - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JP3125536B2
JP3125536B2 JP24711793A JP24711793A JP3125536B2 JP 3125536 B2 JP3125536 B2 JP 3125536B2 JP 24711793 A JP24711793 A JP 24711793A JP 24711793 A JP24711793 A JP 24711793A JP 3125536 B2 JP3125536 B2 JP 3125536B2
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクを吐出するノズル
と、このノズルに連通しインクに圧力を加える圧力室と
圧力発生手段とを備え、前記圧力発生手段に印加する駆
動電圧によって、前記ノズルよりインクを吐出させるオ
ンデマンド型インクジェットヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高速、高密度の低価格インクジェ
ットプリンタの要求が高まる中、それを実現するための
種々の方法が考えられているが、特公平4−15095
号公報などにみられる感光性樹脂による方法、シリコン
基板の異方性エッチングによる方法などが知られてい
る。
【0003】シリコン基板で流路を形成したインクジェ
ットヘッドとしては図11に示した特公昭58−405
09号公報が知られており、この例では(100)シリ
コン基板が用いられている。
【0004】また、(110)シリコン基板を用いたイ
ンクジェットヘッドの例として、図12に示した"K.E.P
etersen,`Fabrication of anIntegrated,PlanarSilicon
Ink-Jet Structure,'IEEE transactions onelectronde
vices,vol.ED-26,No.12, December 1979"などが知られ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の従来技
術は以下のような課題を有する。
【0006】まず第一に、樹脂の射出成形による方法や
特公平4−15095号公報に述べられている感光性樹
脂を用いた方法では、射出成形では離型性、感光性樹脂
では形状精度を確保するためにパターンをあまり深くで
きず流路抵抗が増すため応答性を低下させてしまう事
と、高密度で深い流路になるほど、隣接した圧力室の圧
力で圧力室間の側壁の剛性が足りないために変形が生
じ、圧力室を封止した部材にもたわみが生じクロストー
クの原因になる。さらに感光性樹脂で形成した圧力室の
側壁の濡れ性が悪いため流路中の気泡排出性を損ねるた
め、吐出不良の原因となる。
【0007】また、特公昭58−40509号公報に述
べられている(100)シリコン基板61を用いたもの
ではエッチングの結果現れる(111)面は(100)
面に対して傾きを持つため、パターン幅に対して深さが
一定の比以上は取れないので、図11に示すように台形
もしくは三角形の断面形状になる。そのため複数の流路
を高密度に並べることにより深さが浅くなってしまい、
前述と同様に高い応答性がを得られなくなってしまう。
【0008】さらに、基板の一面にノズルを配した平板
を持ついわゆるフェースイジェクト型で基板の裏面から
電気機械変換手段によって圧力室の容積を変化させてイ
ンクを吐出させる構造のヘッドの場合、図11に示すよ
うな台形もしくは三角形の断面形状の圧力室62では電
気機械変換手段を配置させることが困難になる。
【0009】一方、図12の例に示すように(110)
シリコン基板71による異方性エッチングでは深いパタ
−ンを作れるので幅が狭くても流路抵抗を小さくでき、
高密度で複数の圧力室を配置しても高応答が得られ易い
が、この例ではインク供給路72が別部材で形成されて
おり、貼り合わせの位置精度により供給路72の断面積
と長さが変わるため、一般に行なわれているような供給
路を精度良く絞って吐出特性を安定させるためには高度
な組み立て技術を必要とする。その上、圧力室73と供
給路72の接続部で段差が生じており流路中の気泡排出
性を損ねるため吐出不良の原因となる。
【0010】さらに、図12の例では圧力発生手段とし
て圧電素子74によるバイモルフを用いているが、圧力
室73の幅が小さくなると十分な変位が得られなくなる
ために高密度に圧力室を配置することができない。
【0011】本発明はこういった状況に鑑み上記の課題
を解決するもので、その目的とするところは、気泡引き
込み、クロストークによる印字不良を生じること無く安
定して印字の可能であり、製造が容易で高密度、高応答
性を備えたインクジェットヘッドを安価に提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
ヘッドは、一端でインク供給路を介してインク溜まりに
連通し、他端でインク滴吐出ノズルに連通する複数の圧
力室を有するインクジェットヘッドにおいて、(11
0)シリコン基板内に、この(110)シリコン基板の
表面に垂直な(111)面を壁面とする側壁で区画され
た、前記複数の圧力室と、この圧力室の一方の端部に接
続し、幅が前記圧力室より狭いノズル連通路とを形成
し、このノズル連通路と前記圧力室を封止して前記シリ
コン基板に接合するノズル形成基板に形成した前記イン
ク滴吐出ノズルを、前記ノズル連通路に開口させ、さら
に、前記圧力室と前記ノズル連通路の前記側壁の一つ
が、前記シリコン基板内に形成された共通の(111)
面を壁面とし、さらに、前記シリコン基板内に形成した
前記インク供給路の側壁の一つが、前記圧力室の前記ノ
ズル連通路と共通でない(111)面を共通の壁面とす
ることを特徴とする。
【0013】あるいは、一端でインク供給路を介してイ
ンク溜まりに連通し、他端でインク滴吐出ノズルに連通
する複数の圧力室を有するインクジェットヘッドにおい
て、前記圧力室は、(110)シリコン基板内に、この
(110)シリコン基板の表面に垂直な(111)面を
壁面として形成され、前記インク滴吐出ノズルは、前記
圧力室を封止して前記シリコン基板に接合するノズル形
成基板に形成され、前記インク滴吐出ノズルを、前記圧
力室の中心軸に関して、前記圧力室の一方の端部で2つ
の前記壁面が形成する鋭角側で開口させ、さらに、前記
圧力室の一方の端部で鋭角を形成する2つの側壁が、前
記インク供給路と共通でない(111)面を壁面とする
ことを特徴とする。
【0014】
【実施例】以下実施例に従って本発明のインクジェット
ヘッドの構造について詳しく説明する。
【0015】図1は本発明の一実施例のインクジェット
ヘッドであって、図2は図1の断面図、図3はその要部
を拡大したもである。1は(110)シリコン基板で、
両面からの異方性エッチングにより圧力室101、供給
路102、インク溜り103のそれぞれの側壁を形成す
る。圧力室の形成形状は(110)面から見て概ね平行
四辺形となる。濡れ性を向上し気泡排出性を良くし、耐
インク性を向上するためにパターン形成後、熱酸化処理
を施してある。
【0016】シリコン基板1の両面には各圧力室101
に対応するノズル201を持つノズル板2と、振動板3
が接着されており、振動板3の背面に圧電素子4が各圧
力室101の位置に取り付けられている。ノズル板2は
厚さ0.1mmの金属板で直径40μmのノズル201
が設けられている。圧電素子4の振動板3と反対側はブ
ロック5と波線Aで示した箇所で接着されており、一方
ブロック5は波線Dで示した片持ち構造の自由端部にあ
たる供給路102近傍で振動板3と接着されている。供
給路102から圧力室101にかけて振動板3は図2に
示すように非常に薄くなっており、シリコン基板1もこ
の部分で片持ち構造になっているため、圧電素子4によ
る力を受けて破損したり振動板3とシリコン基板1とノ
ズル板2が全体的にたわんたりするのをブロック5をこ
の部分で接着することにより効果的に補強できる。ブロ
ック5と振動板3をノズル201近傍でも固定するとさ
らに良い。振動板3には圧力室101毎に突起301が
設けられており、圧電素子4の変位が効果的に圧力室1
01内の体積変化を発生させるようになっている。
【0017】図3は圧力室101におけるノズル201
の位置を点線で示した斜視図である。本実施例ではノズ
ルを圧力室101の面F、面Gで示す2つの側壁の接す
る接線Eの近傍にノズルを設けている。これは面Fと面
Gが鋭角で接しているため、接線E近傍の気泡は面Fと
面Gの両方の側壁に引っかかって非常に抜け難くい。そ
のため本実施例では図3に示すように、ノズル201
ノズルの外縁がほぼ面F、面Gと接する位置に配して、
接線Eとノズル間の距離を短くし、ノズル201からの
吸引、あるいは吐出時の圧力で、接線Eに沿って滑らか
にインクが流れることにより気泡をノズルから容易に排
出できる形態とした。面F、面Gとノズル外縁との最短
距離が、50μm以内で効果的に気泡の排出が得られ
た。
【0018】逆に図4に示すような位置にノズル201
を設けた場合、E部の気泡はノズルとの距離が長く、図
中H部でインク流渦を巻くためノズル201から気泡を
引き込み易く排出も困難である。圧力室101内に存在
する気泡は吐出不良の原因となるため、印字量当たりの
クリーニング動作(ノズル方向からの吸引による気泡排
出動作)の回数の増加が必要となり、印字速度にも影響
を及ぼす。さらに圧力印加時にE近傍の側壁で跳ね返る
インクが、圧力室内のインク流に乱れを生じさせ、ノズ
ル内のインクメニスカスを不安定とし、応答性の向上が
困難となる。本実施例ではノズルを気泡の溜まり易い側
壁の近傍に配することにより、前述の悪影響を解消する
ことができた。
【0019】ノズルに相対する一端には供給路102を
形成する。供給路102は圧力室103より幅を小さく
して流路抵抗を大きくし、平行四辺形様の圧力室の対角
に連通するノズル201側にインクを送り出す。同時に
インク溜り103への流出をも減らして、インク溜まり
を介した他ノズルへの影響(クロスト−ク)を防止す
る。図3に示すように気泡排出性の向上を得るために供
給路102は圧力室101の面Iと面Jが本来鋭角で接
する箇所に配し、連続した一つの(111)面Iを共有
するように設けた。前述の位置に設けなかった場合で
は、2つの側壁の面I、面Jにより形成される鋭角部に
より気泡の引っかかり易い箇所を形成することになって
しまう。さらに供給路102とノズル201を圧力室1
01内の互いに離れた位置に配することにより、圧力室
の容積変化によるインク滴吐出圧力が側壁に沿いノズル
に方向に伝搬されるため、圧力室内のインクの流れが円
滑となり、ノズルへの安定したインク供給が可能であ
る。
【0020】ノズル板2は本実施例では金属板にプレス
によってノズル201を形成し、ノズル板2とシリコン
基板1を接着したが、ノズル板2をガラスで形成して陽
極接合で接合する方法や、ノズル板2を(100)シリ
コン基板で形成して拡散接合する方法でも良い。ノズル
板の剛性が向上するためクロストークの抑制にも効果的
である。また、圧力室形状に合わせてノズル入射口形状
を広げ、気泡排出性、吐出安定性をさらに得ることも可
能である。
【0021】また振動板3はニッケルの電鋳で制作し、
振動板3の突起301周辺の圧力室101部分は厚さ2
μm、その他の部分と突起301は厚さ20μmとし
た。振動板は、ポリイミド等の樹脂箔上の金属箔をエッ
チングして突起を形成しても良い。
【0022】インクはパイプ6からブロック5にあけら
れた貫通口7、供給口8、インク溜り103、供給路1
02、圧力室101へと供給される。
【0023】次にインク滴吐出動作について図1に沿っ
て簡単に説明する。インクが圧力室101まで充填され
た状態でブロック5に一端を固定した圧電素子4に電圧
を印加すると圧電素子4は矢印B方向に縮み、圧電素子
4の他端が接着された振動板3の圧力室101にあたる
部分を引っ張り、圧力室101の容積を増大させる。本
実施例では圧電素子4は直接ブロック5に固定されてい
るが間に他の部材を介して固定しても良い。この時イン
クはノズル201でメニスカスを形成しており、表面張
力によって圧力室101の容積増大によって引き込まれ
る力に対抗するためインク溜り103の方からインクが
供給されてくる。次に充電された圧電素子4の電荷を急
激に放電することにより逆に圧力室101の容積が減少
し、ノズル201からインクが吐出される。この時、圧
力室101の内部の圧力は条件によるが1から3気圧程
度にまでなると言われており、このような構造のヘッド
においては流路、ノズル板の支持部を樹脂などで形成し
た場合、剛性が低いためにこの圧力によって隣接した圧
力室101との隔壁がたわんだり流路全体が厚み方向に
変形して、吐出インク量が減少したり、他の吐出動作を
行っていないノズル201から吐出が起こるいわゆるク
ロスト−クが発生することがある。しかし本発明におい
てはシリコンの剛性が樹脂等に比べて非常に高いためこ
のようなことが起こりにくく、シリコン基板の厚さが5
0μm以上0.5mm以下の範囲が特に効果的である。
【0024】また、隣接圧力室101間の隔壁が片持構
造となっているために剛性が低い隔壁の両面をノズル板
2と振動板3で固定し、さらに前述したようにブロック
5で補強しているので十分な強度となっている。しか
も、材料自体もろいシリコンに片持ち構造で弾性を持た
せることによって、ノズル板2、振動板3及びブロック
5との熱膨張率の違いによる熱応力や衝撃による割れを
緩和するという効果がある。
【0025】本実施例においては厚さ0.2mmのシリ
コン基板1を用い、幅0.1mmの圧力室101を0.
141mmピッチで配置して、応答周波数7kHzを達
成した。供給路102と圧力室101が一つの部品の中
に同時に形成されているのでシリコンのエッチングの利
点である形状精度が生かされ、流路間の特性のばらつき
やロット間のばらつきも小さくすることができた。更
に、全て貫通したパターンで、エッチレートが遅いの
で、エッチング工程における条件変動の許容範囲が広
く、非常に安定した品質を確保できる。また、インク溜
り103から圧力室101に至るまでの流路深さが同一
で段差が無く、ノズル位置に配慮したため気泡排出性に
特に優れている。
【0026】本実施例では圧電素子4が電界印加によっ
て伸縮する方向を概ねウェハー面に垂直にしているが、
例えば図11に示したようなバイモルフを用いた場合、
1mmピッチ程度より高密度に圧力室101を配置する
と、圧力室101の容積変化が少ないためにインク吐出
が行えなくなってしまった。本実施例で行なった圧電素
子の配置は、高密度になって圧力室101の面積が小さ
くなっても大きな変位を発生させ得るため、シリコン基
板での高精度、高密度化の利点を大きく生かせる。
【0027】図5に図1に示した実施例よりも多数ノズ
ルでより高密度の印字を行えるインクジェットヘッドの
例を示す。基本構造は図1と同様であるのでここではシ
リコン基板のパタ−ンのみを示した。これらのパタ−ン
は全て(111)面で囲まれた貫通パタ−ンである。本
実施例では供給路102、圧力室101、ノズル(図示
せず)の組を0.141mmピッチで26組づつ0.0
7mmずらして2列配した。
【0028】図中の供給口8はシリコン基板1のパタ−
ンの中には無いが説明のために記入してある。両列とも
図中最上部と最下部の組の計4組は実際にはインク吐出
を行わず、圧力室101の隣接圧力室との隔壁を同じ状
態にして吐出特性を揃えることと、上部の組では積極的
にインク溜り103に混入した気泡を流入させ他の圧力
室に流入させないことを目的に設置されているものであ
る。この構成で1インチ当たり360ドット、48ノズ
ルのインクジェットヘッドが得られる。3インチの(1
10)シリコンウェハーから同時に30枚の本パターン
がとれるため、一枚あたりのエッチング時間と材料費が
非常に少なく、安価に製造できる。インクは図1の実施
例と同様に供給路8からインク溜り103、各供給路1
02を経て圧力室101へと供給される。
【0029】図中9および10は図1の様にノズル板、
振動板、ブロック等を組み付ける際に位置決めのピンを
通すための穴である。波線Cの場所の鋸状になっている
ところはパタ−ンを全て(111)面のみで形成するこ
とができるようにしたものであるが、気泡がこの部分に
引っ掛かるのを防ぐために鋸状の谷の部分の深さが50
μm以下になるようにしている。
【0030】以下の実施例との組み合わせにより、さら
に気泡排出性について効果を得ることが可能である。以
下に別の実施例を図6を用いて説明する。
【0031】図6は本実施例のインクジェットヘッドの
要部を示す斜視図である。その他の基本的な構成は図1
と同じであるのでここでは略した。本実施例ではノズル
に向かって圧力室101の幅を狭くすることにより容積
を小さくし、ノズル連通路121をノズル201との間
に介しノズル201と連通させている。ノズル連通路1
21は圧力室配列方向で圧力室より幅が狭いため、イン
ク流速、圧力を高めつつインクをノズル部に導くことが
可能で、ノズル201付近でインクの流速の増加が得ら
れ、気泡排出性、吐出効率が向上した。同時にインクが
側壁に沿って一方向に安定に流れるため、インク流の乱
れも低減し、吐出の安定化が可能である。さらに気泡の
溜まり易い箇所である面と面との接線とノズル201と
の距離を短くしたため、気泡排出性が向上した。さら
に、ノズル周囲の支持部である隣接圧力室間の隔壁をさ
らに厚くし、ノズル板の支持部の剛性を上げているた
め、隔壁とノズル板の振動によるクロストークに対して
もより大きな効果が得られている。この構造では、L部
に示した突起により気泡が溜まり易く、溜まった気泡は
抜けにくい。そのため生じる段差を50μm以下、理想
的には図7の様に突起を無くし、ノズル連通路121の
側壁が圧力室の側壁の(111)面のM面を共有するよ
うに、設けることが望ましい。
【0032】図8に示す構造でも、同様な効果が得るこ
とができる。図8では供給路102周辺の容積を大きく
することにより、供給路102にかかる圧力を分散し、
供給路102を通じてインク溜まり(図示せず)へのイ
ンク流出が防げる。そのためノズル201に効率よくイ
ンクを送り出すことが可能で、吐出効率の向上を得るこ
とができ、さらに供給路102から送り出されるインク
量が少なくなるためクロストークの抑制にも効果的であ
る。
【0033】また図9に示した構造では、インク連通路
121を圧力室長手方向の中心線よりずらし、ノズル連
通部121を囲みノズルを支持するシリコンの面積を増
やすことで、隣接するノズルへの影響を軽減し、クロス
トークに対してさらに効果を得ることが可能である。
【0034】さらに別の実施例として、シリコン基板面
から水平にインクを吐出するいわゆるエッジエジェクト
タイプのインクジェットヘッドの実施例を図10を用い
て説明する。圧力室101、インク供給口102、ノズ
ル連通路121の形状は第一の実施例とほぼ同様である
が、配列を変更し、インク吐出面を連続した(111)
面で構成し、その面にノズル201を形成するものとし
た。シリコン基板1は振動板3、天蓋板12により挟み
込んでいる。この構造では、前述の実施例同様に鋭角部
に残った気泡が抜け易い構造としており、圧電素子が印
字面に対して平行となるため、ヘッド外形が従来より吐
出方向に薄いものを得ることができる。ノズルは前述の
様にシリコン基板のエッチングによっても形成できる。
【0035】ここでは1インチ当たり180ドットの印
字が可能な例を示したが、天蓋板を介して2つの貫通パ
ターニングしたシリコン基板をノズル配列方向に互いに
70μmずらして接合することにより、倍密度の印字が
可能なインクジェットヘッドが得られ、1インチ当たり
360ドットの画像の高速印字が可能である。
【0036】本発明を用いれば、発熱素子に通電するこ
とで瞬間的にインクを膜沸騰させてその気泡の圧力でイ
ンクを吐出させるいわゆるサーマルインクジェット方式
でも同様の効果を得ることができる。
【0037】
【発明の効果】供給路から圧力室へのインクの流れが円
滑で、気泡が溜まり難く、気泡の抜け易い形状としたた
め気泡排出性が向上し、安定した印字特性を確保できる
という効果を有する。また、ノズル周囲の剛性を高める
ことにより、側壁、ノズル板の振動を原因とするクロス
トークを抑制できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のインクジェットヘッド
の斜視図。
【図2】本発明の第1の実施例のインクジェットヘッド
の断面図。
【図3】本発明の第1の実施例のインクジェットヘッド
の要部を示す斜視図。
【図4】本発明の第1の実施例のインクジェットヘッド
の比較例を示す斜視図。
【図5】本発明の第2の実施例のインクジェットヘッド
の平面図。
【図6】本発明の第3の実施例のインクジェットヘッド
の要部を示す斜視図。
【図7】本発明の第4の実施例のインクジェットヘッド
の要部を示す斜視図。
【図8】本発明の第5の実施例のインクジェットヘッド
の要部を示す斜視図。
【図9】本発明の第6の実施例のインクジェットヘッド
の要部を示す斜視図。
【図10】本発明の第6の実施例のインクジェットヘッ
ドの斜視図。
【図11】(100)シリコン基板を用いた従来のイン
クジェットヘッドの流路の構成例を示す斜視図。
【図12】(110)シリコン基板を用いた従来のイン
クジェットヘッドの断面図。
【符号の説明】
1 (110)シリコン基板 2 ノズル板 3 振動板 101 圧力室 121 ノズル連通路 201 ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/045 B41J 2/055 B41J 2/16

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端でインク供給路を介してインク溜ま
    りに連通し、他端でインク滴吐出ノズルに連通する複数
    の圧力室を有するインクジェットヘッドにおいて、(1
    10)シリコン基板内に、この(110)シリコン基板
    の表面に垂直な(111)面を壁面とする側壁で区画さ
    れた、前記複数の圧力室と、この圧力室の一方の端部に
    接続し、幅が前記圧力室より狭いノズル連通路とを形成
    し、このノズル連通路と前記圧力室を封止して前記シリ
    コン基板に接合するノズル形成基板に形成した前記イン
    ク滴吐出ノズルを、前記ノズル連通路に開口させたこと
    を特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記圧力室と前記ノズル連通路の前記側
    壁の一つが、前記シリコン基板内に形成された共通の
    (111)面を壁面とすることを特徴とする請求項1記
    載のインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 前記シリコン基板内に形成した前記イン
    ク供給路の側壁の一つが、前記圧力室の前記ノズル連通
    路と共通でない(111)面を共通の壁面とすることを
    特徴とする請求項2記載のインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 インク滴吐出ノズルが形成されたノズル
    形成基板と、(110)シリコン基板にインク滴吐出ノ
    ズルに連通する複数の圧力室を有するインクジェットヘ
    ッドにおいて、 前記圧力室は、前記(110)シリコン基板の表面に垂
    直な(111)面からなる壁面を有すると共に、 一端でインク供給路を介してインク溜まりに連通し、 他端の前記2つの壁面が形成する鋭角近傍で、前記イン
    ク滴吐出ノズルと連通することを特徴とするインクジェ
    ットヘッド。
  5. 【請求項5】 前記圧力室の一方の端部で鋭角を形成す
    る2つの側壁が、前記インク供給路と共通でない(11
    1)面を壁面とすることを特徴とする請求項4記載のイ
    ンクジェットヘッド。
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