JP3215676B2 - ピペリジン誘導体 - Google Patents

ピペリジン誘導体

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JP3215676B2
JP3215676B2 JP37255098A JP37255098A JP3215676B2 JP 3215676 B2 JP3215676 B2 JP 3215676B2 JP 37255098 A JP37255098 A JP 37255098A JP 37255098 A JP37255098 A JP 37255098A JP 3215676 B2 JP3215676 B2 JP 3215676B2
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政孝 東海林
はるみ 蟻坂
浩史 山本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規セロトニン拮抗薬
及び抗血小板薬に関し、さらに詳しくはセロトニン2レ
セプターを強力かつ特異的に阻害し、副作用の少ないセ
ロトニン拮抗薬及び抗血小板薬に関する。
【0002】
【従来の技術】心筋梗塞、脳梗塞等の虚血性疾患には血
栓の関与が大きく、特に動脈での血栓形成には血小板が
重要な役割を果たしてと考えられている。従来の抗血小
板薬にはアラキドン酸代謝阻害薬、血小板環状ヌクレオ
シド関連薬、トロンボキサンレセプター拮抗薬などがあ
り、アスピリンやチクロピジンなどが臨床において使用
されている。しかしながら、十分な効果が得られている
とは言えず、更に有効性の高い薬剤が望まれていた。
【0003】一方、セロトニン(5HT)は血小板のα
顆粒中に貯蔵されており、種々の刺激による血小板の活
性化に伴って放出され、血小板膜上のセロトニン2(5
HT2 )レセプターを介して細胞内のカルシウムイオン
濃度を上昇させ、血小板の凝集を引き起すことが知られ
ている。また、血管平滑筋上に存在する5HT2 レセプ
ターは血管の収縮にも携わっていると考えられている。
したがって5HT2 レセプター拮抗薬は血小板凝集抑制
作用だけでなく、血管収縮抑制作用も期待できることか
ら、強い抗血栓作用が得られる可能性がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、セロ
トニン2レセプターを強力かつ特異的に阻害し、副作用
の少ないセロトニン拮抗薬及び抗血小板薬を提供するこ
とである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(I)で表されるピペリジン誘導体またはその塩を有効
成分として含有することを特徴とするセロトニン拮抗薬
または抗血小板薬に関する。
【0006】
【化5】 式中、A1 は、置換基を有してもよいピリジル、ピペリ
ジル、ピペリジノ、モルホリニル、モルホリノ、チオモ
ルホリニル、チオモルホリノもしくはピペラジニル基、
置換基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基、置換基
を有する炭素原子数4〜8のシクロアルキル基または置
換基を有してもよい炭素原子数1〜8のアルコキシ基を
表わし、X1 は、水素原子またはハロゲン原子を表わ
し、Y1 は、次のいずれかの有機基で、基中、nは0〜
4の整数を表わし、
【0007】
【化6】 1 は、次のいずれかの有機基を表わす。
【0008】
【化7】 上記一般式(I)中、A1 の置換基としては、次のいず
れかが好ましい。
【0009】
【化8】 基中、R1 は、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル
基もしくはアルコキシ基、アルキル基で置換されていて
もよいアミノ基またはアシルアミノアルキル基を表わ
し、R2 及びR3 は、同一もしくは異なって、水素原
子、炭素原子数1〜6のアルキル基、アシル基もしくは
アルコキシカルボニル基またはアルキル基で置換されて
いてもよいアミノカルボニル基を表わす。
【0010】このようなものの具体的な例としては、ホ
ルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチ
リル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、カルバモ
イル、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイ
ル、N−プロピルカルバモイル、N,N−ジメチルカル
バモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−ホルミ
ルグリシル、N−アセチルグリシル、N−ホルミル−β
−アラニル、N−アセチル−β−アラニル、N−メチル
−N−ホルミル、N−メチル−N−アセチル、N−メチ
ル−N−プロピオニル、N−エチル−N−ホルミルまた
はN−エチル−N−アセチルがあげられる。
【0011】また、一般式(I)中のY1 の好ましい例
としては、−CONH−基があげられ、Z1 の好ましい
例としては、−CH=CH−基があげられる。
【0012】一般式(I)で表される化合物中、下記一
般式(II)で表される化合物は、文献未収載の新規化
合物である。
【0013】
【化9】 式中、A2 は、置換基を有してもよいピペリジル、ピペ
リジノ、モルホリニル、モルホリノ、チオモルホリニ
ル、チオモルホリノもしくはピペラジニル基、置換基を
有する炭素原子数1〜8のアルキル基、置換基を有する
炭素原子数4〜8のシクロアルキル基または置換基を有
してもよい炭素原子数1〜8のアルコキシ基を表わし、
2 が置換基を有する場合、その置換基は次のいずれか
である。
【0014】
【化10】 基中、R4 は、炭素原子数1〜6のアルキル基もしくは
アルコキシ基、アルキル基で置換されていてもよいアミ
ノ基またはアシルアミノアルキル基を表わし、R5 及び
6 は、同一もしくは異なって、水素原子、炭素原子数
1〜6のアルキル基、アシル基もしくはアルコキシカル
ボニル基またはアルキル基で置換されていてもよいアミ
ノカルボニル基を表わす。X2 及びZ2 は、それぞれ、
1 及びZ1 と同じ意味であり、Y2 は次のいずれかの
有機基で、基中、nは0〜4の整数を表す。
【0015】
【化11】 2 の置換基としては、アセチル、プロピオニル、ブチ
リル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロ
イル、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N−エ
チルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N,N
−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイ
ル、N−ホルミルグリシル、N−アセチルグリシル、N
−ホルミル−β−アラニル、N−アセチル−β−アラニ
ル、N−メチル−N−ホルミル、N−メチル−N−アセ
チル、N−メチル−N−プロピオニル、N−エチル−N
−ホルミルまたはN−エチル−N−アセチル等が好まし
く、また、Y2 およびZ2 としては、それぞれ、−CO
NH−基、−CH=CH−基が好ましい。
【0016】上記一般式(I)で表されるピペリジン誘
導体は、例えば特開平3−47168号公報記載の方法
等、公知の方法によって製造することができる。一例を
示せば、一般式(I)に包含される4−(5H−ジベン
ゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イリデン)−1−
(2−t−ブトキシカルボニルアミノ)エチル)ピペリ
ジン(化合物(3))は、反応スキームIに示すように
N−t−ブトキシカルボニル−2−ブロモエチルアミン
(化合物(1))と4−(5H−ジベンゾ[a,d]シ
クロヘプテン−5−イリデン)ピペリジン(化合物
(2))をトリエチルアミン等の塩基の存在下に縮合し
容易に得ることができる。
【0017】
【化12】
【0018】同様に一般式(I)に包含される1−ホル
ミル−N−(2−(4−(5H−ジベンゾ[a,d]シ
クロヘプテン−5−イリデン)−1−ピペリジニル))
エチルイソニペコチン酸アミド(化合物(6))は、反
応スキームIIに示すように、化合物(3)を4M塩酸
/ジオキサンなどによるt−ブトキシカルボニル基を除
去した化合物(4)と1−ホルミルイソニペコチン酸
(化合物(5))を1−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)−3−エチルカルボジイミド等の縮合剤を用いて縮
合することにより容易に得ることができる。
【0019】
【化13】 このような製造方法により得られた反応生成物は、フリ
ー体またはその塩として単離生成される。単離生成は、
抽出、濃縮、留去、結晶化、各種クロマトグラフィー等
によって行なうことができる。
【0020】またピペリジン誘導体の塩としては、例え
ば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸、蟻
酸、酢酸、乳酸、サリチル酸、マンデル酸、クエン酸、
シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、タンニン
酸、リンゴ酸、トシル酸、メタンスルホン酸、ベンゼン
スルホン酸などの有機酸との酸付加塩を挙げることがで
きる。
【0021】一般式(I)で表されるピペリジン誘導体
はセロトニン拮抗作用を示し、虚血性疾患、血栓症、塞
栓症、精神(鬱、不安)疾患、糖尿病合併症、動脈硬化
症、高血圧症、不整脈症、片頭痛、微小循環不全症等の
治療薬として有用である。
【0022】さらに本ピペラジン誘導体は、抗血小板薬
としても特に有用であり、各種虚血性疾患、血栓症、塞
栓症、血管炎、糖尿病合併症、動脈硬化症、腎疾患、慢
性動脈閉塞症に基づく潰瘍、疼痛、冷感等の治療薬とし
て用いることができ、循環不全に伴う各種阻血症の改善
や虚血性心疾患の外科的治療後の再狭窄予防及び血液循
環の改善のための治療薬としても使用することが可能で
ある。
【0023】一般式(I)のピペリジン誘導体をセロト
ニン拮抗薬または抗血小板薬として使用する場合の投与
経路は、経口、非経口のいずれであってもよく、投与量
は患者の年齢、体重、状態および投与法によって異なる
が、成人への一日当りの投与量としては、通常、経口投
与の場合で0.01〜500mg、好ましくは0.1〜
50mgであり、非経口投与の場合で1μg〜100m
g、好ましくは0.01〜10mgである。
【0024】剤形としては、錠剤、散剤、糖衣剤、乳化
剤、カプセル剤または溶液剤等の通常の製剤形を用いる
ことが可能であり、通常の製剤助剤を用いて常法にした
がって製造することができる。
【0025】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】製造例A 1−メトキシカルボニル−N−
(2−(4−(5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテ
ン−5−イリデン)−1−ピペリジニル))エチルイソ
ニペコチン酸アミド塩酸塩の合成
【0027】工程1 2−t−ブトキシカルボニルアミ
ノエチルブロマイドの合成 2−アミノエチルブロマイド臭化水素酸塩35.77g
(174.6mmol)及びジ−t−ブチルジカーボネ
ート22.80g(104.5mmol)をエーテル3
00mlと水300mlの混合溶媒に加えた後、炭酸水
素ナトリウム44.00g(523.7mmol)を徐
々に加え室温で一夜撹拌した。エーテル層を1N塩酸8
0ml、次いで飽和食塩水80mlで洗浄し、粉末硫酸
マグネシウムで乾燥後溶媒を留去し表題化合物を得た。 収量 21.57g(96.25mmol) 収率 9
2%
【0028】工程2 4−(5H−ジベンゾ[a,d]
シクロヘプテン−5−イリデン)−1−(2−t−ブト
キシカルボニルアミノ)エチル)ピペリジンの合成 2−t−ブトキシカルボニルアミノエチルブロマイド
4.5g(20.1mmol)、4−(5H−ジベンゾ
[a,d]シクロヘプテン−5−イリデン)ピペリジン
2.7g(10.0mmol)及びトリエチルアミン
4.2ml(30mmol)をアセトニトリル(300
ml)に加え、50℃の油浴中で16時間撹拌した。室
温に戻し溶媒を留去した後に、酢酸エチル300mlに
溶解し不溶物を濾去し、1N塩酸100ml、1N水酸
化ナトリウム100ml及び飽和食塩水100mlで洗
浄した。粉末硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して表
題化合物を得た。 収量 3.6g(8.6mmol) 収率 86%
【0029】工程3 1−(2−アミノエチル)−4−
(5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イリ
デン)ピペリジン二塩酸塩の合成 4−(5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−
イリデン)−1−(2−t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)エチル)ピペリジン8.47g(20.4mmo
l)をジクロロメタン100mlに溶解させた後、4M
塩酸/ジオキサン100mlを加え室温で1時間撹拌し
た。溶媒を留去し表題化合物(8.56g)を得た。
【0030】工程4 1−t−ブトキシカルボニル−N
−(2−(4−(5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプ
テン−5−イリデン)−1−ピペリジニル))エチルイ
ソニペコチン酸アミドの合成 1−(2−アミノエチル)−4−(5H−ジベンゾ
[a,d]シクロヘプテン−5−イリデン)ピペリジン
二塩酸塩2.3g(6.0mmol)、1−t−ブトキ
シカルボニルイソニペコチン酸1.6g(7.2mmo
l)、トリエチルアミン3.0ml(21.6mmo
l)及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)−カルボジイミド塩酸塩1.4g(7.2mmo
l)を混合し、室温で一夜撹拌した。溶媒を留去した
後、ジクロロメタン100mlに溶解し、1N塩酸10
0ml、1N水酸化ナトリウム100ml及び飽和食塩
水50mlで洗浄した。溶媒を留去し、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得た。 収量 2.0g(3.8mmol) 収率 63%
【0031】工程5 N−(2−(4−(5H−ジベン
ゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イリデン)−1−ピ
ペリジニル))エチルイソニペコチン酸アミド二塩酸塩
の合成 1−t−ブトキシカルボニル−N−(2−(4−(5H
−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イリデン)
−1−ピペリジニル))エチルイソニペコチン酸アミド
0.10g(0.185mmol)に4M塩酸/ジオキ
サン10mlを加え室温で1時間撹拌し溶媒を留去し標
題化合物を得た。 収量 0.093g(0.186mmol) 収率 1
00%
【0032】工程6 1−メトキシカルボニル−N−
(2−(4−(5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテ
ン−5−イリデン)−1−ピペリジニル))エチルイソ
ニペコチン酸アミド塩酸塩の合成 N−(2−(4−(5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘ
プテン−5−イリデン)−1−ピペリジニル))エチル
イソニペコチン酸アミド二塩酸塩0.59g(1.18
mmol)及びトリエチルアミン0.8ml(5.70
mmol)をジクロロメタン50mlに溶解した後、ク
ロロギ酸メチル0.1ml(1.40mmol)を加え
1時間撹拌した。ジクロロメタン100mlを加え、水
70ml、1N水酸化ナトリウム70ml及び飽和食塩
水70mlで洗浄した後、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーで精製し、塩酸塩に変換し表題化合物を得た。 収量 0.39g(0.75mmol) 収率 63%
【0033】製造例Aと同様にして、表1〜3に示す化
合物を製造した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】製造例B 1−(4−(4−(5H−ジベ
ンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イリデン)−1−
ピペリジニル)ブチル)モルホリンの合成 工程1 1−(4−オキソ−4−モルホリノ−ブチリ
ル)−4−(5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン
−5−イリデン)ピペリジンの合成 4−(5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−
イリデン)ピペリジン0.27g(1.0mmol)、
無水こはく酸0.12g(1.2mmol)及びトリエ
チルアミン0.17ml(1.2mmol)をジクロロ
メタン50ml中、室温で一夜時間撹拌した後、モルホ
リン0.14ml(1.6mmol)及び1−エチル−
3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド
塩酸塩0.27g(1.4mmol)を加えさらに室温
で8時間撹拌した。1N塩酸30ml、1N水酸化ナト
リウム30ml及び飽和食塩水30mlで洗浄した後、
粉末硫酸マグネシウムで乾燥し、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィーで精製し表題化合物を得た。 収量 0.44g(1.0mmol) 収率 100%
【0038】工程2 1−(4−(4−(5H−ジベン
ゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イリデン)−1−ピ
ペリジニル)ブチル)モルホリン二塩酸塩の合成 1−(4−オキソ−4−モルホリノ−ブチリル)−4−
(5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イリ
デン)ピペリジン0.44g(1.00mmol)をテ
トラヒドロフラン(60ml)中で水素化アルミニウム
リチウム0.38g(10.0mmol)と0℃で反応
させた後、常法と同様にして処理し、表題化合物を得
た。 収量 0.32g(0.66mmol) 収率 66%
【0039】製造例Bと同様にして、表4に示す化合物
を製造した。
【0040】
【表4】
【0041】試験例1 セロトニン2レセプターに対する結合親和性の評価をウ
シの大脳皮質の膜標本を用いて行った。50mg(湿重
量)/mlに調製したウシ膜標本200μlに3nM
3H]−ケタンセリン200μlと1.7%エタノー
ルに溶解した試験薬物溶液200μlを加え混和した。
これを25℃で30分間インキュベートした後、グラス
フィルターで濾過し、フィルター上の放射能を液体シン
チレーションカウンターで測定した。非特異的結合は1
-6MのLY53857にて定義した。[ 3H]−ケタ
ンセリンによる特異的結合を50%抑制する試験薬物の
濃度(IC50値)を求め、下式よりKi値を算出した。
結果はKi値の負の対数(pKi値)で表わした。
【0042】
【数1】
【0043】式中、Kd は結合の解離定数を、[L]は
3H]−ケタンセリンの濃度を表わす。表1〜表4の
結果より、本発明のピペリジン誘導体がセロトニン2レ
セプターに強い結合親和性を示すことが分かる。
【0044】試験例2 セロトニン拮抗作用に基づくin vitroでの血小板凝集抑
制作用の測定をSD系ラット(体重約300〜400
g、雄性)の血小板を用いて行った。ジエチルエーテル
麻酔下、ラットの腹部大動脈より得た0.38%クエン
酸加血より、多血小板血漿(PRP)および乏血小板血
漿(PPP)を分取し、PRPの血小板濃度をPPPを
用いて5×108 個/mlに調節した。次に、このPR
Pに0.4%エタノール水溶液に溶解した試験薬物を添
加し、37℃で3分間インキュベートした後、アデノシ
ン二リン酸(ADP)を0.5μMあるいは0.8μM
添加したときおよびADPを0.5μMあるいは0.8
μMとセロトニンを5μMを添加したときに惹起される
血小板の凝集をPRPの光透過度の上昇として測定し
た。試験薬物無添加の時のセロトニンによる血小板の凝
集増強分を、50%抑制する試験薬物の濃度の負の対数
をpIC50として算出した。結果を表1〜4に示した。
これらの結果より、本発明のピペリジン誘導体がセロト
ニンによる血小板凝集を強く抑制していることが分か
る。
【0045】試験例3 セロトニン拮抗作用に基づくex vivo での血小板凝集抑
制作用の測定をSD系ラット(体重約210〜330
g、雄性)を用いて行った。試験薬物をアラビアゴムに
溶解あるいは懸濁し、表6に示す投与量で経口投与し
た。試験薬物投与2時間後にラットをジエチルエーテル
で麻酔し、腹部大動脈より得た0.38%クエン酸加血
より、PRPおよびPPPを分取した。PRPの血小板
濃度はPPPを用いて5×108 個/mlに調製した。
次に、このPRPを37℃で3分間インキュベートした
後、ADPを0.7μM添加したときおよびADPを
0.7μMと同時にセロトニンを5μMを添加したとき
に惹起される血小板の凝集をPRPの光透過度の上昇と
して測定した。各群のADP単独添加時の凝集及びAD
P、セロトニン同時添加による最大凝集率を測定し、セ
ロトニンに由来する増強凝集分を算出した。アラビアゴ
ム投与群のセロトニンに由来する凝集増強分を100%
とし、試験薬物投与群のセロトニンに由来する凝集増強
分を指標として試験薬物の効果を判定した(n=3)。
結果を表5に示した。
【0046】
【表5】
【0047】表の結果より、本発明のピペリジン誘導体
は、経口投与によってもセロトニンによる血小板凝集を
強く抑制していることが分かる。
【0048】試験例4 中枢におけるセロトニン拮抗作用をマウスの5−ヒドロ
キシトリプトファン(5HTP)誘発head twitch に対
する抑制効果により検討した。前日から絶食させたIC
Rマウス(体重27〜32g、雄性)を用い、試験薬物
1、3、10、30mgをそれぞれ水100mlに溶解
し、体重1kg当り10mlを5HTP投与の90分前
に経口投与した。コントロールとしては5%アラビアゴ
ムを使用した。カルビドーパ(6mg/kg)を皮下投
与した15分後、5HTP(180mg/kg)を腹腔
内投与した。5HTP投与後15分から2分間のhead t
witch の回数を数え、5%アラビアゴム投与群のhead t
witch 回数を50%に抑制する薬物濃度を求めた。結果
を表6に示した。
【0049】
【表6】
【0050】表の結果より、本発明のピペリジン誘導体
は中枢に対する作用が低く、安全性の高いものであるこ
とが分かる。
【0051】
【発明の効果】本発明のピペリジン誘導体は、セロトニ
ン2レセプターに対して特異的に強い親和性を示し、セ
ロトニン拮抗作用を有するものであり、セロトニンに起
因する疾患、例えば抗血小板薬として臨床上有用な薬剤
となりうるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // A61K 31/451 A61K 31/451 31/4535 31/4535 31/4545 31/4545 31/496 31/496 31/5377 31/5377 31/54 31/54 A61P 7/02 A61P 7/02 43/00 114 43/00 114 (72)発明者 山本 浩史 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味 の素株式会社 中央研究所内 (72)発明者 吉元 良太 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味 の素株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 特開 平3−128354(JP,A) 特開 平5−97808(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 211/70 C07D 401/12 C07D 409/04 C07D 413/06 C07D 417/06 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(II)で表されるピペリジ
    ン誘導体またはその塩。 【化1】 式中、A2 は、置換基を有してもよいピペリジル、ピペ
    リジノ、モルホリニル、モルホリノ、チオモルホリニ
    ル、チオモルホリノもしくはピペラジニル基、置換基を
    有してもよい炭素原子数1〜8のアルコキシ基を表わ
    し、A2 が置換基を有する場合、その置換基は次のいず
    れかである。 【化2】 基中、R4 は、炭素原子数1〜6のアルキル基もしくは
    アルコキシ基、アルキル基で置換されていてもよいアミ
    ノ基またはアシルアミノアルキル基を表わし、R5 及び
    6 は、同一もしくは異なって、水素原子、炭素原子数
    1〜6のアルキル基、アシル基もしくはアルコキシカル
    ボニル基またはアルキル基で置換されていてもよいアミ
    ノカルボニル基を表わすが、A 2 が置換基を有してもよ
    い炭素原子1〜8のアルコキシ基を表すとき、その置換
    基はR 4 -CO-ではない。X2 は、水素原子またはハロ
    ゲン原子を表し、 Y2 は、次のいずれかの有機基で、 【化3】 基中、nは0〜4の整数を表すが、A2がピペリジルの
    とき、Y2は、-(CH2)n-ではなく、 Z2 は、次のいずれかの有機基を表す。 【化4】
  2. 【請求項2】 A2 が置換基を有し、その置換基が、ア
    セチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレ
    リル、イソバレリル、ピバロイル、カルバモイル、N−
    メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−プ
    ロピルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、
    N,N−ジエチルカルバモイル、N−ホルミルグリシ
    ル、N−アセチルグリシル、N−ホルミル−β−アラニ
    ル、N−アセチル−β−アラニル、N−メチル−N−ホ
    ルミル、N−メチル−N−アセチル、N−メチル−N−
    プロピオニル、N−エチル−N−ホルミルまたはN−エ
    チル−N−アセチルである請求項1記載のピペリジン誘
    導体またはその塩。
  3. 【請求項3】 Y2 が、−CONH−基である請求項1
    又は2記載のピペリジン誘導体またはその塩。
  4. 【請求項4】 Z2 が、−CH=CH−基である請求項
    1〜3のいずれか1項記載のピペリジン誘導体またはそ
    の塩。
  5. 【請求項5】 1−アセチル−N−(2−(4−(5H
    −ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イリデン)
    −1−ピペリジニル))エチルイソニペコチン酸アミ
    ド、1−t−ブトキシカルボニル−N−(2−(4−
    (5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イリ
    デン)−1−ピペリジニル))エチルイソニペコチン酸
    アミド、1−(N,N−ジメチルカルバモイル)−N−
    (2−(4−(5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテ
    ン−5−イリデン)−1−ピペリジニル))エチルイソ
    ニペコチン酸アミド、1−(N−アセチルグリシル)−
    N−(2−(4−(5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘ
    プテン−5−イリデン)−1−ピペリジニル))エチル
    イソニペコチン酸アミド、N−(2−(4−(5H−ジ
    ベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イリデン)−1
    −ピペリジニル))エチル−(N−アセチル)ピペコリ
    ン酸アミド、4−(5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘ
    プテン−5−イリデン)−1−(2−エトキシカルボニ
    ルアミノ)エチル)ピペリジン、4−(5H−ジベンゾ
    [a,d]シクロヘプテン−5−イリデン)−1−(2
    −t−ブトキシカルボニルアミノ)エチル)ピペリジ
    ン、4−(5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−
    5−イリデン)−1−(3−t−ブトキシカルボニルア
    ミノプロピル)ピペリジン、4−(10,11−ジヒド
    ロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イ
    リデン)−1−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ)
    エチル)ピペリジン、4−(9−チオキサンチリデン)
    −1−((2−t−ブトキシカルボニルアミノ)エチ
    ル)ピペリジン、1−(4−(4−(5H−ジベンゾ
    [a,d]シクロヘプテン−5−イリデン)−1−ピペ
    リジニル)ブチル)モルホリン及び1−(4−(4−
    (5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イリ
    デン)−1−ピペリジニル)ブチル)チオモルホリンか
    ら選ばれる請求項1記載のピペリジン誘導体。
  6. 【請求項6】 1−ホルミル−4−((2−(4−(5
    H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イリデ
    ン)−1−ピペリジニル))エチルカルバモイル)ピペ
    ラジン、1−ホルミル−N−(3−(4−(5H−ジベ
    ンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イリデン)−1−
    ピペリジニル))プロピルイソニペコチン酸アミド、イ
    ソニペコチン酸1−ホルミル−2−(4−(5H−ジベ
    ンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イリデン)−1−
    ピペリジニル))エチル、1−ホルミル−N−(2−
    (4−(10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,
    d]シクロヘプテン−5−イリデン)−1−ピペリジニ
    ル))エチルイソニペコチン酸アミド、1−ホルミル−
    N−(2−(4−(9−チオキサンチリデン)−1−ピ
    ペリジニル))エチルイソニペコチン酸アミド及び1−
    ホルミル−N−(2−(4−(11H−ジベンゾ[b,
    e]チエピン−2−フルオロ−11−イリデン)−1−
    ピペリジニル))エチルイソニペコチン酸アミドから選
    ばれる化合物。
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