JP3213648B2 - 水溶性多糖の製造方法 - Google Patents

水溶性多糖の製造方法

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JP3213648B2
JP3213648B2 JP04300193A JP4300193A JP3213648B2 JP 3213648 B2 JP3213648 B2 JP 3213648B2 JP 04300193 A JP04300193 A JP 04300193A JP 4300193 A JP4300193 A JP 4300193A JP 3213648 B2 JP3213648 B2 JP 3213648B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蛋白質や脂肪などを抽
出した後の豆類の残渣から水溶性多糖を製造する方法に
関する。更に本発明は、得られた水溶性多糖を含有する
飲食品、および血中コレステロール上昇抑制剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】豆類の種子から蛋白質や脂肪を抽出した
残渣としては、大豆から豆腐や大豆たんぱくを製造する
際にでるおからが最も一般的である。
【0003】大豆おからの主成分は、細胞壁多糖であ
り、その組成や構造については多くの研究がなされてい
る。
【0004】例えば、ガラクトース、アラビノース、或
いはガラクツロン酸を主な構成糖とする水溶性多糖が、
大豆おから中に30%(以下%および重量%はともに重
量%を示す)程度含まれていることが以下の文献に開示
されている。
【0005】M.Morita, Agric. Biol. Chem., 29, 626
(1965); Aspinallら、Cereal Sci.Today, 12, 223 (196
7) ;竹山ら、日食工誌, 33, 263 (1986)。
【0006】また、大豆おから中に含まれる水溶性多糖
を工業的に抽出する方法としては、例えば以下のような
ものがある。
【0007】特公昭60−31841(協和醗酵:石田
賢吾等);蛋白質、油脂等を抽出分離した大豆または脱
脂大豆から多糖類を製造する方法。
【0008】特開平1−203557(不二製油:前田
裕一等);水不溶性食物繊維を微細化し、繊維に含まれ
る蛋白質を分解した後、水溶性多糖を分画して多糖類を
得る方法。
【0009】特開平3−236759(不二製油:吉田
均等);蛋白質を含有する水不溶性植物繊維を、蛋白質
の等電点付近の酸性条件下で加水分解させることによ
り、褐変や悪臭を発生させずに水溶性植物繊維を製造す
る方法。
【0010】また、大豆おからのような大豆種子からの
抽出ではないが、大豆皮からヘミセルロースをアルカリ
抽出する報告もある(特開昭60−146828(昭和
産業:岡松洋等);大豆皮を温水又はアルカリ水溶液で
抽出し、ヘミセルロースを得る方法、並びに該ヘミセル
ロースを主成分としたコレステロール上昇抑制剤)。
【0011】上記の方法で豆類種子中の水溶性多糖が抽
出されるが、一般には、同時に蛋白質も抽出されるので
褐変や苦味等がでるという問題があった。また、上記不
二製油の特許(特開平1−203557および特開平3
−236759)は、水溶性多糖を加熱などにより加水
分解し、蛋白質を含有する水不溶性植物繊維から該水溶
性多糖を遊離させた後に分離する方法であるので蛋白質
の同時抽出はかなり抑えられるが、加水分解により水溶
性多糖の持つゲル化能や増粘作用は失われるという欠点
があった。
【0012】また、小豆あるいはいんげん豆中にも大豆
多糖と構成糖の類似した多糖が含有されていることが知
られている(小豆に対して:塩田等、日食工誌、29, 71
2 (1982);いんげん豆に対して:松浦等、農化、47,497
(1973) )ことから、例えばあんこを製造した際にでる
あんかすのような、これらの豆類のかすも水溶性多糖の
供給源として利用できると考えられる。しかし、これら
のかす中の多糖に関する報告はまだない。
【0013】一方、大豆に含まれる多糖の食物繊維とし
ての生理活性については、例えば上記特開昭60−14
6828に、大豆皮から抽出したヘミセルロースを主成
分とするコレステロール上昇抑制剤の報告がある。更
に、おからのような水不溶性多糖についての食物繊維と
しての生理活性に関する研究報告も既に多くなされてい
る。しかし、水溶性多糖を抽出し、その食物繊維として
の生理活性を検定した例はない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、蛋白質の混入を最低限に抑え、且つゲル化能および
増粘性を保持した水溶性多糖の抽出方法を提供するこ
と、並びに該水溶性多糖を含有する飲食品および該水溶
性多糖を主成分とする血中コレステロール上昇抑制剤を
提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
には、豆類種子あるいは蛋白質や脂肪等を抽出した後の
豆類種子の残渣(以下豆類種子等と称する)中の水溶性
多糖を蛋白質の混入を防ぎながら、且つできるだけ分解
を受けないように抽出すればよいと考えられる。本発明
者らは、例えば大豆水溶性多糖が果実ペクチンと同様に
ガラクツロン酸を多量に含有することに着目し、果実ペ
クチンの抽出剤として広く使用されているヘキサメタリ
ン酸を豆類種子等の水溶性多糖の抽出にも使用すること
を検討した。その結果、ヘキサメタリン酸が該水溶性多
糖の抽出剤として効果的であることを見い出した。ま
た、該水溶性多糖が、必要量を飲食品に容易に添加し得
ることも併せて見い出した。更に、本発明の血中コレス
テロール上昇抑制剤は、該水溶性多糖を有効成分とする
ことによって提供できる。
【0016】即ち、本発明は、 (1)豆類種子から蛋白質や脂肪などを抽出した後の残
渣から水溶性多糖を製造する方法であって、ヘキサメタ
リン酸を含有するpH3から7の抽出剤液を用い、80
℃以上の温度で抽出することを特徴とする水溶性多糖の
製造方法; (2)(1)に記載の方法により製造された水溶性多
糖; (3)(2)に記載の水溶性多糖を主成分として含有す
る血中コレステロール上昇抑制剤; (4)(2)に記載の水溶性多糖を含有することを特徴
とする飲食品;によって達成される。
【0017】以下に本発明を更に詳細に説明する。
【0018】豆類種子等からの水溶性多糖の抽出は、豆
類種子等を水に懸濁させ、ヘキサメタリン酸を加えた
後、加温することによって行われる。
【0019】本発明に使用し得る豆類種子等には、大
豆、小豆、あるいはいんげん豆等の豆類種子、またはお
から、あんかす等の蛋白質や脂肪等を抽出した後の豆類
種子の残渣がある。特に現在廃棄物として処理されてい
るおから、あんかす等を使用することは、資源の再利用
に繋がり好ましい。本発明は、上記豆類種子等のうち蛋
白質の含量が高い大豆おからから水溶性多糖を抽出する
際に特に効果的である。
【0020】抽出溶媒は、通常水を使用し、この抽出溶
媒にヘキサメタリン酸を溶解して抽出剤液とする。この
抽出剤液中のヘキサメタリン酸の濃度は、0.3重量%
から3重量%が好ましく、0.5重量%から2重量%が
より好ましい。抽出時のpHおよび温度条件は、使用さ
れる豆類種子等によって変化するが、pHは通常3から
7であり、反応温度は、好ましくは80から130℃、
より好ましくは90から120℃である。pHの調整に
は塩酸等の酸を併用することもできる。また、抽出時間
は使用する豆類種子等によって適宜選択する。好ましく
は、20分から6時間であり、1時間から3時間がより
好ましい。
【0021】抽出原料である豆類種子等(乾物重)と抽
出剤液の割合(重量比)は、豆類種子等によって異なる
が、1:10〜100が好ましく、1:25〜50がさ
らに好ましい。具体的には、おから等の場合、これらの
残渣に対する抽出剤液の割合は、残渣中の水分量に合わ
せて調節するが残渣の乾物量に対して50倍量が好まし
い。
【0022】以上のようにして本発明の水溶性多糖を抽
出し得る。
【0023】本発明の方法を大豆おからに適用した場
合、ガラクトースおよびガラクツロン酸を主な構成糖と
した分子量が約80万の水溶性多糖を含有する抽出液を
得ることができる。
【0024】得られた水溶性多糖を含有する抽出液は、
遠心分離、濾過等の工程によって残渣を除去した後、限
外濾過、透析等の工程でヘキサメタリン酸、酢酸等の低
分子量成分を除去する。この後、エタノール、アセトン
等の有機溶媒による沈殿工程、或いは凍結乾燥、噴霧乾
燥などの乾燥工程により乾燥、粉末化して本発明の水溶
性多糖が得られる。
【0025】このようにして得られた、本発明の水溶性
多糖は、酸性条件下、または塩類の添加による増粘効果
を有する。また、本発明の水溶性多糖は、中性あるいは
塩基性の条件下で、同時に塩類と混合することによって
ゲルを形成する。本発明の水溶性多糖は、上記の水溶性
多糖の性質を利用できるので、飲食品の増粘剤またはゲ
ル化剤として使用することができる。また、本発明の水
溶性多糖は、高分子としての性質も併せ持つので、その
特性を利用したシート化、またはフィルム化が可能であ
る。
【0026】例えば、上記の大豆おからから得られる分
子量約80万の水溶性多糖は、牛乳に粘性を付与するの
に使用でき、ホワイトソースの小麦の代替物として使用
できる。更に優れたゲル化能を示し得る。また、フィル
ム化においてもギョウザの皮様のシートおよび乾燥糊様
のフィルムを容易に形成することができる。
【0027】本発明の水溶性多糖は、従来から食物繊維
として知られている果実ペクチン等と比べ、低粘度であ
り、且つ高溶解性である(実施例参照)ので飲食品に必
要量を容易に添加し得、飲食品に食物繊維としての生理
活性を付加することができる。
【0028】例えば、果実ペクチンでは従来不可能であ
った、食物繊維としての生理活性を保持できる程度の
量、すなわち0.01〜50重量%、好ましくは0.1
〜10重量%を、ジュース、キャンディー、食パン、ジ
ャム等種々の飲食品に含有させることができる。
【0029】また、上述のようにして得られた水溶性多
糖は種々の生理活性に関する検定試験に供し得る。
【0030】本発明の水溶性多糖は、食物繊維としての
生理活性の一つと考えられている腸内細菌の増殖を促す
ことが期待される。腸内細菌が増殖することは、腸内細
菌によって食物繊維がより分解醗酵され易くなることを
意味し、食物繊維が種々の代謝産物に変換されることに
なる。食物繊維が分解された代謝産物のうち、有機酸
は、吸収されエネルギー源となること、またコレステロ
ール合成抑制を有する生理活性物質として利用されるこ
とが指摘されている。更に、腸内を弱酸性に保つこと
は、二次胆汁酸などの発癌物質の生成を抑制するために
有効である。また、本発明の水溶性多糖は、血中コレス
テロール上昇抑制作用も有することが期待される。
【0031】本発明では、上記の抽出方法で得られた分
子量約80万の水溶性多糖を使用して、腸内細菌の増
殖、および血中コレステロール上昇抑制効果等の生理活
性に関する検定試験を行った。
【0032】検定試験は、コレステロールを含有する飼
料、および該コレステロール含有飼料に分子量約80万
の水溶性多糖を添加した飼料を調製し、各飼料をラット
に自由摂取させることによって行った。食物繊維として
の生理活性の評価は、盲腸重量、盲腸内容物のpHを測
定すること、肝臓の重量および血中の総コレステロール
値を測定比較することによって行った。ここで、盲腸重
量が増加することは、腸内細菌の増殖を示唆し、更に盲
腸内容物のpHの測定においては、該pHが酸性側に移
行することによって、腸内細菌による有機酸の増加が示
唆される。結果は以下の通りであった。
【0033】1)水溶性多糖を添加した飼料を摂取した
ラットは、肝臓重量においてはコレステロールのみを添
加した飼料を摂取したラットに対し、有意な差は認めら
れなかったが、血中コレステロール濃度は有意に減少し
ていた。
【0034】2)水溶性多糖を添加した飼料を摂取した
ラットは、盲腸重量、盲腸の内容物、皮部の重量が、コ
レステロールのみを添加した飼料を摂取したラットより
もかなり増加しており、腸内細菌の増加が示唆された。
また、盲腸内容物のpHも酸性側に変化しており、腸内
細菌による有機酸の増加が示唆された。
【0035】このように、本発明の水溶性多糖は血中コ
レステロール上昇抑制作用を有し得るので、本発明の血
中コレステロール上昇抑制剤は該水溶性多糖を主成分と
することによって提供され得る。
【0036】本発明の薬剤中の水溶性多糖の濃度は、
0.01から100重量%の範囲が好ましい。
【0037】また、本発明の薬剤の単位投与量は、好ま
しくは1g/日から30g/日である。
【0038】本発明の薬剤には、水溶性多糖以外の成分
として、薬学的組成物を調製するために一般に使用され
る通常の賦形剤および/または担体を含有し得る。本薬
剤において、該賦形剤および/または担体を含有する場
合、活性成分である水溶性多糖と賦形剤および/または
担体との比は通常1:10から100:1の範囲が好ま
しい。
【0039】本発明の薬剤は、活性成分である水溶性多
糖のみで構成されていてもよい。
【0040】本発明の薬剤は、例えば、錠剤、コートさ
れた錠剤、カプセル、小包、溶液、懸濁液、乳剤、顆粒
剤、シロップ等のような文献で公知の通常の薬学的形態
で調製され得る。本発明の薬剤では、錠剤、溶液、シロ
ップのような薬学的形態が好ましい。また、本発明の薬
剤は、賦形剤および/または担体と水溶性多糖を混合
し、任意に補助剤および/または分散剤を添加すること
によって通常の手段で調製され得る。補助剤および/ま
たは分散剤を添加する場合の希釈剤としては水が使用さ
れるが、他の有機溶媒も補助剤の調製に使用し得る。補
助剤としては、例えば、水;パラフィンのような非毒性
の有機溶媒;植物油(ピーナッツオイル又はごま油);
アルコール(例えば、エタノール、グリセリン);グリ
コール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル);例えば天然鉱物粉(陶土、タルク)、合成鉱物粉
(例えばシリケート)のような固体担体;砂糖(例えば
コーンシュガー);乳化剤(アルキルスルホネート又は
アリールスルホネート等);分散剤(例えば、リグニ
ン、メチルセルロース、澱粉およびポリビニルピロリド
ン);および潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウ
ム、タルク、ステアリン酸、ラウリルスルホン酸ナトリ
ウム)を挙げることができる。
【0041】本発明の血中コレステロール上昇抑制剤
は、高コレステロール食を摂るとき、または高脂血症や
動脈硬化症等の患者に投与することができるが、高コレ
ステロール食を摂るときに投与することが好ましい。
【0042】更に本発明の薬剤は、腸内細菌の増加の効
果も併せもつものであり、例えば下痢や便秘時に効果的
に投与し得る。
【0043】
【実施例】
実施例1 本発明の方法を使用する場合の抽出条件を検討した。
【0044】(1)抽出条件1 公知の方法である塩酸による抽出(特公昭60−318
41)と、ヘキサメタリン酸による抽出を比較した。
【0045】a)塩酸による抽出 乾燥おから5gに水250mlを加えて調製したおから
懸濁液を塩酸で1から6.3の各pHに調整し、50℃
から120℃の各温度で1時間加温した。遠心分離によ
り残渣を除去した後、得られた抽出液中の大豆水溶性多
糖および蛋白質を定量した。大豆水溶性多糖は、これを
加水分解した後、主成分であるウロン酸を硫酸カルバゾ
ール法(J.T.Galambos, Anal. Biochem., 19, 119, (19
67) )で検出することにより定量を行い、蛋白質につい
ては、ローリー法(O.H.Lowry らJ. Biol. Chem., 193,
265,(1951) )で定量を行った。結果を図1に示した。
【0046】b)ヘキサメタリン酸による抽出 水の代わりに2重量%のヘキサメタリン酸を使用した以
外、上記a)と同様に抽出を行った。結果を図1に示し
た。
【0047】図1から、塩酸抽出において、大豆水溶性
多糖は、酸性の度合が強いほどよく抽出されたが、同時
に蛋白質も多量に抽出されたことがわかった。
【0048】一方、ヘキサメタリン酸による抽出では、
蛋白質は塩酸による抽出と同様に酸性下でよく抽出され
たが、大豆水溶性多糖は、pH3〜5の弱酸性下におい
て100℃以上に加熱することによって最もよく抽出さ
れた。従って、大豆水溶性多糖は、乾燥大豆おから懸濁
液にヘキサメタリン酸を添加し、弱酸性下において10
0℃以上で加熱することにより選択的に抽出できること
がわかる。
【0049】(2)抽出条件2 最適なヘキサメタリン酸の濃度を決定するために以下の
実験を行った。
【0050】種々の濃度のヘキサメタリン酸を含有する
大豆おからの懸濁液を調製し、温度を100℃に固定し
て抽出を行った。pHは未調整であったが、約6.3と
なる。各抽出時間ごとのヘキサメタリン酸の濃度と抽出
効率の関係を図2に示した。図2からヘキサメタリン酸
の濃度が高いほど抽出効率は向上することがわかる。ヘ
キサメタリン酸の濃度が低いところにおいても、抽出時
間が長くなるにつれ抽出効率は向上する。しかし、ヘキ
サメタリン酸の濃度が2重量%の場合には、2時間の抽
出時間以上でほぼ同じ抽出効率を示した。
【0051】実施例2 大豆水溶性多糖の調製 (1)本発明による大豆水溶性多糖の調製 乾燥おから800gに2重量%のヘキサメタリン酸水溶
液40リットルを加え100℃で2時間加温した。この
溶液をバスケット式遠心分離機(国産遠心機社製、H−
130B型遠心分離機)にかけ、沈殿物を除去した。得
られた上清を0.45μmのポアサイズのフィルター
(東洋濾紙、TCG−045 S1FN)で濾過した
後、限外濾過(ウォーターズ、ペリコン カセット シ
ステム、排除分子量100,000)により低分子量成
分を除去した。得られた高分子量成分を凍結乾燥し、大
豆水溶性多糖とした。収量は、234.71g(収率2
9.34%)であった。
【0052】(2)従来法による水溶性多糖の調製 特開平3−236759に記載の方法に従い大豆おから
から水溶性多糖を抽出した。生おからに2倍量の水を加
えた後に36重量%の塩酸を加え、pHを4.5に調整
した。これを120℃で1.5時間分解した。得られた
抽出液を遠心分離にかけ、不溶物を除去した。この後、
限外濾過によって低分子量成分を除去し、凍結乾燥させ
た。得られた水溶性多糖を比較例1とした。
【0053】実施例3 本発明の大豆水溶性多糖の分析を行った。
【0054】(1)大豆水溶性多糖の分析 a)六成分分析 実施例2(1)で得られた本発明の大豆水溶性多糖の六
成分分析を常法(水分量:常圧乾燥法、蛋白質量:ケル
ダール法、脂質量:ソックスレー抽出法、繊維量:ヘン
ネベルグストーマン改良法、灰分量:直接灰化法、糖:
上記の各量を合計したものの残り)に従って行った。結
果は、水分5.9重量%、蛋白質6.1重量%、脂質
4.0重量%、繊維1.0重量%、灰分10.6重量
%、糖72.4重量%であった。
【0055】b)構成糖の分析 大豆水溶性多糖の構成糖の分析は、文献(S.Matsuhash
i, S.Inoue,およびC.Hatanaka, Biosci. Biotech. Bioc
hem.,56,1053(1992))に従って行った。即ち、実施例2
(1)で得られた大豆水溶性多糖が単糖になるまでドリ
セラーゼを作用させ、得られた混合物をHPLCにより
分析することによって、ウロン酸含量と中性糖含量を算
出した。使用したカラムは、Shodex SUGAR SH1821 (昭
和電工)であった。
【0056】c)中性糖の組成の分析 中性糖の組成は、以下のようにして測定した。
【0057】大豆水溶性多糖を4%H2 SO4 中で2時
間煮沸して加水分解した。この後、脱塩処理により硫酸
およびウロン酸を除去し、水素化硼素ナトリウムで還元
した。生成物をピリジン−無水酢酸でアセチル化し、ガ
スクロマトグラフィー(GLC)によって分析した。結
果を表1に示した。本実施例のうち、フコースとアラビ
ノースは、使用したカラム(DB−1,J&W社)の性
能のため分離ができなかったので、合計値を示した。
【0058】
【表1】 d)ゲル濾過による分子量測定 実施例2(1)で得られた水溶性多糖について、TSK
−gel G4000PWゲル濾過用カラム(東洋ソー
ダ)を用いたHPLC分析によってメインピークを測定
した。プルラン(STANDARD P-82 、昭和電工)を標準試
料としてメインピークの分子量を算出した。分子量は約
80万であった。
【0059】e)粘度の測定 実施例2(1)で得られた大豆水溶性多糖の粘度を回転
式粘度計(VISCONICED型、東京計器)で測定した。粘度
は、5重量%溶液で28.7cPであった。 実施例4 (1)粘度の比較 実施例2(1)で得られた大豆水溶性多糖の粘度を実施
例2(2)で得られた比較例1の水溶性多糖およびレモ
ンペクチン(和光純薬)と比較した。粘度は、回転式粘
度計を用い22℃の恒温室で測定した。結果を図3に示
した。本発明の大豆水溶性多糖は比較例1より僅かに粘
度が高かったが、レモンペクチンよりもかなり低粘度で
あった。また水に対する溶解性も良く、30重量%の高
濃度でも溶解させることができた。
【0060】(2)pHによる粘度変化 実施例2(1)で得られた大豆水溶性多糖および実施例
2(2)で得られた比較例1の水溶性多糖のpHによる
粘度変化を測定した。
【0061】2重量%の試料溶液に4N−HClまたは
4N−NaOHを加えることによりpHを調整した。各
pHの試料溶液の粘度を、回転粘度計を用い22℃で測
定した。結果を図4に示した。比較例1がどのpHでも
ほぼ同じ粘度を示しているのに対して、本発明の大豆水
溶性多糖は、pHが4よりも低いところで、著しい粘度
の上昇が観察された。
【0062】(3)NaClによる粘度変化 実施例2(1)で得られた大豆水溶性多糖および実施例
2(2)で得られた比較例1の水溶性多糖のNaClに
よる粘度の変化を測定した。
【0063】実施例2(1)で得られた大豆水溶性多糖
(6.5重量%溶液)および実施例2(2)で得られた
比較例1の水溶性多糖(6重量%溶液)にNaClを加
え各濃度の試料溶液を調製し、回転式粘度計で粘度を測
定した。結果を図5に示した。
【0064】比較例1は、NaClを添加しても粘度の
変化はみられなかったが、本発明の大豆水溶性多糖で
は、NaClの濃度が1%以上で粘度が著しく増加し
た。
【0065】(4)CaCl2 による粘度変化 実施例2(1)で得られた大豆水溶性多糖および実施例
2(2)で得られた比較例1の水溶性多糖のCaCl2
による粘度の変化を測定した。
【0066】実施例2(1)で得られた大豆水溶性多糖
(6.5重量%溶液)および実施例2(2)で得られた
比較例1の水溶性多糖(6重量%溶液)にCaCl2
加え各濃度の試料溶液を調製し、回転式粘度計で粘度を
測定した。結果を図6に示した。
【0067】比較例1において、粘度はCaCl2 の濃
度が0.1%まであまり変化がなく、CaCl2 の濃度
を1%まで増加させても粘度は約2倍程度に増加するの
みであった。これに対して、本発明の大豆水溶性多糖
は、CaCl2 の濃度が0.1%を越えると著しく粘度
が上昇した。
【0068】以上のように、本発明の方法で得られた大
豆水溶性多糖はレモンペクチンよりも低粘度かつ高溶解
性であった。また、特開平3−236759の加水分解
法で得られた水溶性多糖(比較例1)との比較では、比
較例1に比べ僅かに粘度が高いものの、比較例1ではみ
られないpHおよび塩の添加による粘度の上昇が観察さ
れた。
【0069】実施例5 上記の特性に基づいた本発明の大豆水溶性多糖の増粘効
果の利用例を以下に示す。
【0070】(1)牛乳の増粘効果 牛乳および水にそれぞれ0〜10%となるように実施例
2(1)で得られた本発明の大豆水溶性多糖を混合し、
各濃度での粘度を回転式粘度計で測定した。結果を図7
に示した。図7から、本発明の大豆水溶性多糖を牛乳に
加えると、水に加えた場合と比べ、粘性が増すことがわ
かる。
【0071】(2)ホワイトソースの作成 上記(1)の結果から、ホワイトソースを作成する場
合、本発明の大豆水溶性多糖を小麦粉の代わりに使用し
得ることが示唆される。
【0072】以下の方法により対照用のホワイトソース
および本発明の大豆水溶性多糖を使用したホワイトソー
スを作成した。
【0073】a)対照用ホワイトソースの作成 i )鍋に牛乳400mlと小麦粉大さじ4杯を入れ溶か
した。
【0074】ii) i)にバター大さじ2杯を加えた。
【0075】iii) 弱火で鍋底が焦げ付かないように良
く攪拌しながら粘性がでるまで煮た。
【0076】b)本発明の大豆水溶性多糖を使用したホ
ワイトソースの作成 上記a)i)の小麦粉の代わりに本発明の大豆水溶性多糖
(12.9g(最終濃度3%))を使用した以外a)と
同様にホワイトソースを作成した。
【0077】両者を比較した結果を表2に示す。
【0078】
【表2】 本発明の大豆水溶性多糖は、小麦粉と同様の粘性を示
し、小麦粉の代替物として使用できることが明かとなっ
た。また、本発明の大豆水溶性多糖は、小麦粉よりも牛
乳に対する分散性が高く、調理しやすいという利点も有
していた。
【0079】実施例6 本発明の大豆水溶性多糖のゲル形成におけるpHの影響
を測定した。
【0080】15%の大豆水溶性多糖の水溶液に最終濃
度でCa2+が1%、NaClが3%になるようにCaC
2 ・2H2 OおよびNaClを添加した。これに少量
のNaOHまたはHClでpHを下記表3に示すように
調整した後、各々の溶液をプラスチック性の軟膏入れ容
器に入れ22℃で36時間放置した。得られた試料のう
ちゲル化したものについてテクスチュロメーター(全研
製、GTX−2−IN型)を用いて「固さ」、「凝集
性」、「付着性」、「粘り」を測定した。
【0081】結果を表3に示した。本発明の大豆水溶性
多糖は、酸性領域ではゲル化しなかったが、中性または
アルカリ性領域でゲル化した。中性領域では、アルカリ
性領域に比べゲルの固さが優れていたが、凝集性、付着
性、および粘りについてはアルカリ性領域の方が優れて
いた。
【0082】
【表3】 実施例7 蒲鉾の作成 蒲鉾の弾力性を上げるために澱粉を使用することが知ら
れているが、この澱粉の代わりに本発明の大豆水溶性多
糖を用い得ると考えられるので、以下に実例を述べる。
【0083】i)新鮮なスケトウダラから調製したすりみ
に、食塩を最終濃度が3%になるように加え、サイレン
トカッターを用いて冷やしながら5分間混合した。
【0084】ii) 実施例2(1)の方法で調製した大豆
水溶性多糖を5%になるようにi)で調製したすりみに
添加し、22℃の恒温室に18時間放置した。
【0085】iii)この後、90℃で20分間加温し、氷
水中で冷却した。
【0086】上記ii) で添加した大豆水溶性多糖を澱粉
(ただし添加量8%)に替えて上記と同様に対照の蒲鉾
を調製した。本発明の大豆水溶性多糖を使用して作成し
た蒲鉾と澱粉を使用して作成した蒲鉾を比較したとこ
ろ、ほぼ同様の外観、物性を示した。
【0087】実施例8 本発明の大豆水溶性多糖は、その高分子としての特性を
利用してシート化またはフィルム化が可能である。以下
にシートおよびフィルムの作成例を示す。
【0088】(1)大豆水溶性多糖を用いたシートの作
成 実施例2(1)で得られた大豆水溶性多糖70gに水4
0gを加え、練り合わせた。これを圧搾ロール(ロール
巾1mm)に5回通し、更によく練り合わせる。次に、
巾を0.2mmに設定した圧搾ロールに該混練物を通
し、シートを作成した。大豆水溶性多糖70gから約1
400cm2 のシートを得た(20cm2/g)。
【0089】本シートの作成過程において、水分含量を
35%から10%に調節することにより餃子の皮様のシ
ートを作成することができた。
【0090】(2)大豆水溶性多糖を用いたフィルムの
作成 実施例2(1)で得られた大豆水溶性多糖5gに水20
0gを加え良く溶解した。この溶液をテフロン加工した
表面積500cm2 のバット上に広げ、100℃で2時
間乾燥し、フィルムを作成した。本フィルムは、乾燥糊
様の性状を示した。
【0091】実施例9 本発明の水溶性多糖の生理活性に関する検定試験を以下
に述べる。
【0092】3週齢SD系雄性ラットを一週間市販の固
形飼料(オリエンタル酵母固形飼料MF)で予備飼育
後、体重の平均がほぼ一定になるように6匹ずつ3群に
分け、下記表4に記載の組成を有する精製飼料を各群に
割り当てて28日間飼育した。飼料の調製はオリエンタ
ル酵母工業株式会社に委託した。試験期間中の飼料およ
び水は自由摂取とした。
【0093】
【表4】 試験期間中は尾静脈から採血を行った。ただし、最終日
には6時間の絶食後、腹部大動脈から採血を行った。ま
た、屠殺後に肝臓および盲腸を摘出した。肝臓は、生理
的リン酸緩衝液で還流後、重量を測定し冷凍保存した。
盲腸は、全重量を測定した後、内容物と皮に分けそれぞ
れの重量を測定した。更に、内容物の一部を試験管に取
り、等量の蒸留水を加えた後、pHを測定した。また、
採取した血液は室温で1時間放置した後、遠心分離によ
って沈殿物を除去し、血清とした。得られた血清の総コ
レステロール量を「デタミナーTC5(協和メデック
ス)」を用いて測定した。
【0094】体重、飼料摂取量、および臓器重量の変化
および盲腸内容物のpHを表5に示した。
【0095】体重および飼料摂取量は各群とも同様に増
加し、大きな違いはなかった。飼料効率もほぼ同じ値を
示した。
【0096】
【表5】 肝臓重量についての結果を以下に述べる。
【0097】肝臓重量は、コレステロール飼料群とコン
トロール飼料群との間に有意な差が確認され、コレステ
ロールの添加により肝臓重量が増加することが確認され
た。一方、コレステロール飼料群と本発明の大豆水溶性
多糖を添加した大豆水溶性多糖飼料群の間には、僅かな
重量の減少は認められたが、有意な差は認められなかっ
た。
【0098】次に、盲腸重量および盲腸内容物のpHを
測定した結果について述べる。
【0099】表5の結果から、大豆水溶性多糖飼料群
は、コレステロール飼料群に比べ盲腸重量、盲腸の内容
物、および皮の部分のいずれの重量もかなり増加してお
り、腸内細菌の増殖が示唆された。また、大豆水溶性多
糖飼料群では、盲腸の内容物のpHがコレステロール飼
料群より酸性側に変化しており、腸内細菌による有機酸
の増加が示唆された。
【0100】次に血中コレステロール濃度について述べ
る。
【0101】図8に各群の血中のコレステロール濃度の
変動を示した。コレステロールを添加することによる血
中のコレステロール濃度の上昇は、本発明の水溶性多糖
を添加した大豆水溶性多糖飼料群で抑制された。飼料投
与25日目および28日目でコレステロール飼料群と大
豆水溶性多糖飼料群の間に有意な差が認められた。
【0102】以上の様に、コレステロールのみを添加し
た飼料群に比べ、本発明の大豆水溶性多糖を添加した飼
料群は、盲腸重量を増大させ、また盲腸内容物のpHを
低下させた。更に、本発明の大豆水溶性多糖を添加した
飼料群は、血中コレステロール濃度の上昇抑制も観察さ
れた。
【0103】実施例10 本発明の大豆水溶性多糖は、コレステロール上昇抑制効
果を有しており、かつペクチンなどより低粘度で高溶解
性であった。従って、例えばコレステロール上昇抑制作
用のような生理活性を付加できる程度に、本発明の水溶
性多糖を飲食品に容易に添加することができ得る。以下
にリンゴ果汁ジュースおよびハードキャンディーを例に
取り食品への添加例を示す。
【0104】(1)30%リンゴ果汁ジュース 大豆水溶性多糖1部に、5倍濃縮果汁6部、グラニュー
糖10部、DL−リンゴ酸0.2部、クエン酸三ナトリ
ウム0.02部、および蒸留水83部を混合し、最終的
に1重量%の大豆水溶性多糖を含有する30%リンゴ果
汁ジュースを作成した。
【0105】(2)ハードキャンディー 本発明の大豆水溶性多糖1部を含む下記表6に示す組成
原料を用いて以下の要領でアップルタイプハードキャン
ディーを作製した。
【0106】
【表6】 砂糖、水飴及び水を混合し、110℃まで加温した。少
量の水に溶かした大豆水溶性多糖を加え、147℃まで
煮詰めた。クエン酸、香料及び色素を添加、混合し、冷
却後、成型した。また対照として大豆水溶性多糖の代わ
りにペクチン1部を添加したものを作製して比較した。
結果は下記表7にまとめて示す。
【0107】
【表7】 キャンディー原料にペクチンを1部添加するとペクチン
がままこになり、良く分散しなかったのに対し、本発明
の大豆水溶性多糖を同量添加した場合には良く分散し、
容易に加工することができた。またペクチン添加キャン
ディーが、酸味が強く、かつ異味があったのに対し、大
豆水溶性多糖を添加したキャンディーは味も良好であっ
た。
【0108】
【発明の効果】本発明により、豆類の種子、または豆類
の種子から蛋白質あるいは脂肪等を抽出した残渣から蛋
白質の混入を防ぎつつ水溶性多糖を効率的に抽出するこ
とができる。また、本発明の方法で製造された水溶性多
糖は、増粘作用またはゲル化能等を有するため、増粘剤
あるいはゲル化剤として飲食品に広く使用することがで
きる。更に、本発明の水溶性多糖は、果実ペクチンのよ
うな食物繊維に比べ、低粘度で且つ高溶解性であるた
め、食物繊維としての活性を付加できる程度に有効な量
を容易に食品に添加することができる。また、本発明の
水溶性多糖は、血中コレステロール上昇抑制作用、腸内
細菌増殖作用等の活性も有しており、本発明の水溶性多
糖を主成分とする薬剤(例えば、血中コレステロール上
昇抑制剤あるいは便秘薬等)が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】塩酸抽出およびヘキサメタリン酸と塩酸の混合
物で抽出した場合の各pHでの抽出物の抽出量を示した
図。
【図2】抽出時間ごとのヘキサメタリン酸の濃度と抽出
効率の関係を表わした図。
【図3】大豆水溶性多糖とペクチンの粘度比較を示した
図。
【図4】本発明の大豆水溶性多糖および従来法で抽出さ
れた大豆水溶性多糖のpHによる粘度変化を示した図。
【図5】本発明の大豆水溶性多糖および従来法で抽出さ
れた大豆水溶性多糖にNaClを添加した場合の粘度変
化を示した図。
【図6】本発明の大豆水溶性多糖および従来法で抽出さ
れた大豆水溶性多糖にCaCl2 を添加した場合の粘度
変化を示した図。
【図7】牛乳および水に本発明の大豆水溶性多糖を添加
した場合の粘度変化を示した図。
【図8】コントロール飼料群、コレステロール飼料群お
よび大豆水溶性多糖飼料群の血中コレステロール濃度の
変化を示した図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 典子 神奈川県横浜市緑区梅が丘6番地2 日 本たばこ産業株式会社食生活研究所内 (72)発明者 高木 義和 神奈川県横浜市緑区梅が丘6番地2 日 本たばこ産業株式会社食生活研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08B 37/00 A23L 1/30 A61K 31/715 ADN A23L 1/0526 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 豆類種子および/または豆類種子から蛋
    白質や脂肪などを抽出した後の残渣から水溶性多糖を製
    造する方法であって、ヘキサメタリン酸を含有するpH
    3から7の抽出剤液を用い、80℃以上の温度で抽出す
    ることを特徴とする水溶性多糖の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法により製造され
    、ガラクトースおよびガラクツロン酸を主な構成糖と
    する分子量約80万の水溶性多糖。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の方法により製造された
    水溶性多糖であって、前記豆類種子が大豆である水溶性
    多糖。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3に記載の水溶性多糖を主
    成分として含有する血中コレステロール上昇抑制剤。
  5. 【請求項5】 請求項2又は3に記載の水溶性多糖を含
    有することを特徴とする飲食品。
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