JP2001103927A - 抗腫瘍活性の高いアガリクス茸エキスの製造法 - Google Patents

抗腫瘍活性の高いアガリクス茸エキスの製造法

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めぐみ 秋山
Akihiro Yamashita
明宏 山下
Yoshikazu Inoue
良計 井上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安全で抗腫瘍活性の高いアガリクス茸エキスの
効率的な製造方法を提供し、あわせて該エキスを産業上
有用に利用し得る組成物を提供する。 【解決手段】アガリクス茸を加圧下、望ましくは1〜5
気圧で水性溶媒、好ましくは水または含水アルコールを
用いて、さらに望ましくは加熱時に抽出し、得られる抽
出物を50%エタノールで分別して沈殿物を採取する。
また、このアガリクス茸エキスを配合してなる食用組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗腫瘍活性の高い
アガリクス茸エキスの製造法およびこれによって得られ
る前記エキスを配合してなる食用組成物に関する。より
詳しくは、ハラタケ科に属するアガリクス ブラゼイ
ムリル等のアガリクス茸から抗腫瘍活性の高いエキスを
効率良く製造する方法に関するものであり、さらには前
記エキスを配合してなる食用組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、高血圧症、糖尿病、高脂血症、虚
血性心疾患等のいわゆる生活習慣病と食事パターンとの
関係が解明されつつあり、食品成分に対する関心が高ま
っている。一方、疾病による死亡原因のトップを癌が占
めるようになり、癌の治療および予防への取り組みが従
来にも増して鋭意行われている。このなかで、癌予防の
観点から食品および食品原材料の生理活性や薬理作用と
いった機能に注目と期待が寄せられている。
【0003】キノコは古くから食用に供されるほか漢方
薬、民間薬の原料として利用されており、その含有成分
には特殊な生理作用や薬理活性を示すものが多いことか
ら、数多くの研究がなされてきた。キノコに含まれる抗
腫瘍活性物質としてはβ−グルカンが特に注目されてお
り、例えば、シイタケからのレンチナン、カワラタケか
らのクレスチン、スエヒロタケからのシゾフィラン等は
わが国において既に医薬品として認可・販売されてい
る。これらの生理活性メカニズムとしては、β−グルカ
ンがリンパ球表層や特定の血清タンパク質と結合し、マ
クロファージ、NK細胞等が活性化されることにより癌
細胞の増殖が抑制されるというものである。
【0004】また、アガリクス茸の一種であるアガリク
ス ブラゼイ ムリルに含まれる抗腫瘍活性成分とし
て、その子実体からは酸性多糖体(特開昭64−671
94号公報)、中性多糖体(特開昭64−67195号
公報)および蛋白多糖体(特開平2−78630号公
報)が、菌糸体からは蛋白多糖体(特開昭61−475
18号公報)が、更に菌糸体の培養濾液からも蛋白多糖
体(特開昭61−47519号公報)がそれぞれ分画さ
れ、各成分の抗腫瘍活性について報告されている。これ
らの活性成分の多糖体もβ−グルカン構造を有するもの
であるといわれている。
【0005】前述のように、アガリクス茸などのキノコ
に含まれる抗腫瘍活性成分のほとんどは、多糖体がβ−
グルカン構造を有しており、種々の糖組成であり、ま
た、蛋白質と複合体を形成しており、水溶性のものであ
る。したがって、従来はキノコを水あるいは熱水で抽出
して前記活性成分を得ていた。しかしながら、キノコに
含まれるこれらの活性成分の量は極めてわずかであるた
め、これを多量に抽出することは不可能であった。ま
た、前記活性成分は複雑な構造と組成であるため、抽出
方法のちがいによって抽出物の抗腫瘍効果にバラつきが
あり、品質が一定しないという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本
発明では、抗腫瘍活性の高いアガリクス茸エキスを効率
良く製造する方法を開発し、これによって得られる前記
エキスを産業上有用に利用し得る組成物を提供すること
を目的とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために、アガリクス茸エキスの製造方法につ
いて鋭意検討した結果、アガリクス茸を高圧下、水性溶
媒を用いて抽出することにより抗腫瘍活性の高いエキス
が効率的に得られることを見出し、本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明によれば、アガリクス茸を加
圧下、水性溶媒を用いて抽出し、該抽出物を50%エタ
ノールで分別することを特徴とする抗腫瘍活性の高いア
ガリクス茸エキスの製造法が提供される。ここで、加圧
下の圧力は1〜5気圧であることが望ましく、水性溶媒
は水または含水アルコールであることが好ましく、さら
には水性溶媒がアルカリ性を呈するものであることが好
ましく、抽出処理は加熱下、より好ましくは101〜1
50℃で行なうのがよい。本発明では、また、前記製造
法によって得られるアガリクス茸エキスを配合してなる
食用組成物が提供される。この組成物の望ましい態様は
粉末、顆粒、錠剤またはカプセルの形態をなすものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】原料のアガリクス茸はアガリクス
属に属するものをいい、アガリクス ブラゼイ ムリル
(Agaricus blazei Murill)、
ハラタケ、マッシュルーム等を例示できる。アガリクス
ブラゼイ ムリルは、ブラジル原産のハラタケ科に属
するキノコで、栽培には高温、多湿の条件を要するため
当初、人工栽培が困難であった。しかし、現在では栽培
法が開発され、わが国のみならず台湾、中国等でも量産
化体制が整っているので容易に入手できる。ハラタケや
マッシュルームは通常の食用に供されている。
【0009】本発明では、アガリクス茸、より好ましく
はアガリクス ブラゼイ ムリルの子実体および/また
は菌糸体を用いる。子実体は生のままあるいは乾燥した
もののいずれでもよいが、取扱い性、保存性および抽出
効率等の点から乾燥子実体がよい。また、菌糸体は炭素
源および窒素源を含む培地で種菌を培養して得られる生
あるいは乾燥菌糸体を利用できる。乾燥したものが簡便
である。ハラタケやマッシュルーム等の場合も同様に乾
燥体を用いるのが良い。
【0010】本発明のアガリクス茸エキスを抽出するに
際しては、水性溶媒を用いて加圧下で行うことが重要で
ある。ここで、水性溶媒としては水または含水アルコー
ルを例示できる。アルコールはメタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等の
低級1価アルコールがよい。本発明のアガリクス茸エキ
スを食用に供する場合には水または含水エタノールを用
いるが、医薬用途等に供する場合はこれ以外のアルコー
ルを用いてもさしつかえない。含水アルコールの含水率
はアルコールの種類により異なり、概ね50%(v/
v)以上であるものが好ましい。含水率がこれを下回わ
ると目的物の収量および抗腫瘍活性が低下する。なお、
エタノール以外のアルコールを用いる場合、炭素数が大
きいほど含水率を高めるのがよい。この好適なめやす
は、メタノールの場合の含水率は約50%(v/v)以
上、同様にエタノールでは約70%(v/v)以上、イ
ソプロパノールでは約80%(v/v)以上である。
【0011】また、前記水性溶媒はアルカリ性を呈する
ものが望ましい。これにより、本発明の目的物である抗
腫瘍活性の高いアガリクス茸エキスをさらに多量に得る
ことが可能となる。アルカリ性は弱ないし中程度のアル
カリ性が望ましく、好適なpHは10程度までのもの、
より好ましくは7.5〜9である。水性溶媒をアルカリ
性にするには常法に従えばよく、例えば、カリウムやナ
トリウムの水酸化物、リン酸化物等を用いればよい。
【0012】かかる含水アルコールまたは水を前記原料
重量に対して1〜20倍容量、より好ましくは3〜15
倍容量用い、耐圧性容器中にて加圧下で抽出処理する。
ここで、原料は適宜に凍結処理、衝撃破壊処理、酵素処
理等により破砕、細断あるいは粉砕し、抽出処理におけ
る加圧下の圧力は1〜5気圧、より好ましくは1.1〜
3気圧である。圧力が前記範囲をはずれると本発明の目
的物の収量および抗腫瘍活性が低下する。本発明のアガ
リクス茸エキスの抽出処理は、前記の原料および水性溶
媒を加熱時に行うことが好ましく、とりわけ101〜1
50℃、より好適には110〜130℃の加熱時にかつ
前記加圧下に、適宜に撹拌しながら行う。この条件下で
抽出して得られるアガリクス茸エキスは、抗腫瘍活性が
極めて高く、また、収量も多くなる。
【0013】本発明のアガリクス茸エキスは次に述べる
操作によって製造することができる。すなわち、前述の
アガリクス茸および水性溶媒の混合物を適宜に撹拌しな
がら、約10分〜5時間、より好ましくは30分〜2時
間、前記条件下で抽出処理し、残渣を濾別して抽出液を
得る。なお、残渣に前記水性溶媒を加えて同様に処理し
て抽出液を得る。さらにこの操作を2〜10回程度繰り
返して抽出液を得る。これらの抽出液を合わせて減圧下
に濃縮、スプレードライ、フリーズドライ等の処理に供
して抽出物を得、さらに該抽出物を50%エタノールで
分別処理し、沈殿物を採取することにより、本発明のア
ガリクス茸エキスを製造することができる。
【0014】本発明のアガリクス茸エキスは、抽出物中
に多糖と蛋白の複合体(以下、蛋白多糖体ということが
ある)を約8重量%以上含んでいる。ここで、蛋白多糖
体とは、抽出物の4重量%水溶液に等容量のエタノール
を加え、氷冷後に沈殿してくるものの混合組成物であ
る。すなわち、本発明のアガリクス茸エキスである蛋白
多糖体は、グルコースを主要構成糖とするβ−グルカン
を主鎖とし、これに複数糖の分岐鎖を有し、さらにこの
多糖体に蛋白質が結合した分子量1万以上、より好まし
くは1万〜約10万程度までの物質が主成分となる組成
物であり、前記蛋白多糖体の他に単糖として主にマンノ
ース、また、アミノ酸やペプチド等を含む複雑な組成物
である。そして、本発明のアガリクス茸エキスは、後述
するように顕著な抗腫瘍活性を示すものである。また、
緑膿菌感染を防ぐ効果も奏するものである。
【0015】本発明の製造法によれば、前述のように抗
腫瘍活性の高い組成物であるアガリクス茸エキスが提供
されるが、さらにこれを配合してなる組成物も提供され
る。この組成物の態様としては食用組成物が好適であ
る。
【0016】本発明のアガリクス茸エキスは、これをそ
のまま液状、ゲル状あるいは固形状の食品、たとえばジ
ュース、清涼飲料、茶、スープ、ゼリー、ヨーグルト、
プリン、ふりかけ、ケーキミックス、粉末状または液状
の乳製品、パン、クッキー等に添加したり、必要に応じ
てデキストリン、乳糖、澱粉等の賦形剤や香料、色素と
ともにペレット、錠剤、顆粒等に加工したり、またゼラ
チン等で被覆してカプセルに形成加工して健康食品や栄
養補助食品等として利用できる。これらの食品類あるい
は食用組成物における本発明のアガリクス茸エキスの配
合量は、当該食品や食用組成物の種類や状態等により一
律に規定しがたいが、約0.01〜50重量%、より好
ましくは0.1〜30重量%である。配合量が0.01
重量%未満では経口摂取による所望の効果が小さく、5
0重量%を超えると食品の種類によっては風味を損なっ
たり当該食品を調製できなくなる場合がある。なお、本
発明のアガリクス茸エキスは、これをこのまま食用に供
しても差し支えない。
【0017】
【実施例】実施例1 ステンレス製耐圧抽出釜(以下、同様)にアガリクス
ブラゼイ ムリルの乾燥子実体150gおよび純水1.
76Lを加え、1.2気圧、125℃の条件下で1時間
抽出処理し、内容物を減圧濾過して抽出物と残渣を分離
した。残渣に純水1.41Lを加えて同様に加圧抽出処
理した。2回の抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、フリ
ーズドライ処理に供して、抽出物85.5gを得た。こ
の抽出物を濃度4重量%の水溶液とし、これに等容量の
エタノールを添加して15分間氷冷後、生じた沈殿物を
遠心分離にて回収した。これをエタノールついでエーテ
ルで洗浄し、風乾させ、本発明のアガリクス茸エキス
9.83gを得た。
【0018】実施例2 アガリクス ブラゼイ ムリルの乾燥子実体150gに
純水1.76Lを加え、2.0気圧、60℃の条件下で
1時間抽出し、減圧濾過して抽出液を得た。一方、残渣
に純水1.41Lを加えて同様に加圧抽出を行った。両
抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、フリーズドライ処理
に供して、抽出物78.4gを得た。この抽出物を実施
例1と同様に50%エタノール分別処理して本発明のア
ガリクス茸エキス6.27gを得た。
【0019】実施例3 アガリクス ブラゼイ ムリルの種菌をグルコースおよ
びペプトン含有培地で25〜30℃にて72時間培養し
て採取した生菌糸体150gに純水1.76Lを加え、
1.5気圧、95℃で1時間抽出し、減圧濾過して抽出
液を得た。一方、残渣に純水1.41Lを加えて同様に
抽出を行った。両抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、ス
プレードライ処理に供して、抽出物77.6gを得た。
この抽出物を実施例1と同様に50%エタノール分別処
理して本発明のアガリクス茸エキス3.50gを得た。
【0020】実験例4 アガリクス ブラゼイ ムリルの乾燥子実体150gに
水酸化ナトリウムでpH8.0に調整した弱アルカリ水
1.76Lを加え、1.2気圧、125℃の条件下で1
時間抽出し、減圧濾過して抽出液を得た。一方、残渣に
前記抽出溶媒1.41Lを加えて同様に加圧抽出を行っ
た。2回の抽出液を合わせ、酢酸を用いてpH6.9に
調整後、減圧下で濃縮し、フリーズドライ処理に供し
て、抽出物72.5gを得た。この抽出物を実施例1と
同様にエタノール分別処理して本発明のアガリクス茸エ
キス7.83gを得た。
【0021】上記実施例で調製した各アガリクス茸エキ
スの抗腫瘍活性を以下に述べる方法で試験評価した。 試験例1 6週齢のICR雄性マウス(日本クレア(株)から購
入)を1週間予備飼育した後、健康なマウスを実験に使
用した。マウスを1群10匹で4群構成し、1匹当たり
1.0×10細胞数のザルコーマ180細胞を腹部皮
下に移植した。該腫瘍を移植した翌日からアガリクス茸
エキス(800mg/kgマウス体重)を14日間経口
投与し、体重の推移および腫瘍容積量(長径×短径
2で算出)を測定した。15日目に各群のマウスをエー
テル麻酔下、頸椎脱臼により屠殺し、脾臓および胸腺を
摘出し、その重量を測定した。各群の脾臓および胸腺の
重量を表1に、また、各々の日数において対照(ザルコ
ーマ180担癌マウス)に対する試験群の腫瘍容積量の
抑制率{(対照の腫瘍容積量−試験群の腫瘍容積量)×
100/対照の腫瘍容積量}を表2にそれぞれ示す。
【0022】
【表1】
【0023】表1において、数値は平均値±標準誤差を
示す。このデータより、担癌マウス群と各アガリクス茸
エキス投与群との間に有意差は認められなかった。この
ことから、アガリクス茸エキスの経口投与による副作用
は認められないものと判断できる。
【0024】
【表2】
【0025】担癌マウスにおける腫瘍容積量は経日的に
増大し、これに対して実施例1〜4で得たアガリクス茸
エキス投与群はいずれも腫瘍容積量が相対的に減少し、
とりわけ高圧かつ高温条件下で抽出したエキスは、他に
比べて顕著な腫瘍抑制効果を示した。
【0026】実施例5 アガリクス ブラゼイ ムリルの乾燥子実体200gに
25%エタノール2.34Lを加え、1.3気圧下、還
流状態で1時間抽出し、減圧濾過して抽出液を得た。ま
た、残渣に30%エタノール1.88Lを加え、同様に
抽出処理を行った。両抽出液を合わせて減圧下に濃縮
し、フリーズドライ処理に供して、ペースト状の抽出物
60.2gを得た。この抽出物は実施例3で調製した抽
出物とほぼ同程度の抗腫瘍活性を示した。
【0027】比較例1 アガリクス ブラゼイ ムリルの乾燥子実体150gに
純水1.76Lを加え、常圧、60℃で1時間抽出し、
減圧濾過して抽出液を得た。一方、残渣に純水1.4
1.Lを加えて同様に抽出を行った。両抽出液を合わせ
て減圧下に濃縮し、フリーズドライ処理に供して、抽出
物19.5gを得た。この抽出物を実施例1と同様に5
0%エタノール分別処理してアガリクス茸エキス0.3
9gを得た。なお、このエキスについて、試験例1に記
載の方法を用いて抗腫瘍活性を試験、評価した(表2参
照)。
【0028】前記の実施例および比較例で調製したアガ
リクス茸エキスについて、以下の方法により分子量分布
を測定した。 試験例2 アガリクス茸エキス30mgを2mlの水に溶かしたも
のを試料溶液とし、ゲル濾過法を原理とした高速液体ク
ロマトグラフィーにより分析を行った。この際、標品と
してデキストランを用い、分子量分布は各ピークエリア
/総糖質量の比率により算出した(合計100%)。こ
の結果を表3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】本発明のアガリクス茸エキスには高い腫瘍
活性を示すと推察される分子量1万以上の画分が多く含
まれており、加圧抽出することによって分子量10万以
上の高分子量物質がより抽出されやすくなる。とくに高
圧かつ高温という抽出条件によりこの傾向は顕著なもの
となる。これに対して、常圧下での抽出処理では加熱状
態であっても低分子量の成分が多くなる。また、含水ア
ルコール抽出でも高分子量物質は抽出されるが、水のみ
による加圧抽出処理に比べて低分子量物質が抽出されや
すい傾向があることが明らかとなった。
【0031】比較例2 ヒラタケの乾燥子実体150gに純水1.76Lを加
え、1.2気圧、125℃の条件下で1時間抽出し、減
圧濾過して抽出液を得た。また、残渣に純水1.41L
を加えて同様に加圧抽出を行った。両抽出液を合わせて
減圧下に濃縮し、フリーズドライ処理に供して、抽出物
65.3gを得た。この抽出物を実施例1と同様に50
%エタノール分別処理してヒラタケエキス5.24gを
得た。
【0032】比較例3 抽出時の圧力を1気圧、温度を90℃にすること以外は
比較例2と同様に処理して、ヒラタケ抽出物63.3
g、ヒラタケエキス3.35gを得た。
【0033】比較例2および3の結果を比較すると、ヒ
ラタケにおいては抽出条件のちがいによる収量の差異は
認められない。また、両ヒラタケエキスの試験例1によ
る抗腫瘍活性は、アガリクス茸エキスの場合に比べて極
めて小さいものであった。このことから、本発明の加圧
抽出法は、アガリクス茸に対して有効であることが明ら
かとなった。
【0034】実施例8 実施例1で得たアガリクス茸エキス10mg、プロポリ
ス150mg、ミツロウ50mg、コーン油40mgの
比率で各原料を50℃に加温しながら十分に混合して均
一な液状組成物を調製した。これをカプセル充てん機に
供して1粒内容量が250mgのゼラチン被覆カプセル
を試作した。
【0035】実施例9 バター150g、ショートニング250g、牛乳80g
および砂糖90gを家庭用ホイッパーでよく撹拌しなが
ら鶏卵90gを加えて十分に撹拌した後、小麦粉330
g、ベーキングパウダー1.5g、および実施例2で得
たアガリクス茸エキス10gを加えて更によく混ぜ合わ
せた。次いで、これを30分間ねかせた後、金型で50
個に分割し、オーブンで焼いてバタークッキーを試作し
た。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、アガリクス茸を原料と
し、抗腫瘍活性の高い抽出物およびアガリクス茸エキス
が効率良く製造できる。このアガリクス茸エキスは経口
摂取により腫瘍の容積量を顕著に縮小させ、副作用が認
められず、癌の治療および予防に有用である。かかる効
果は、前記蛋白多糖体が多くなるにつれ一層顕著に奏せ
られる。さらに、本発明では、前記アガリクス茸エキス
を配合してなる食用組成物が提供され、該組成物は癌疾
患の予防用あるいは治療用食品として利用されるもので
ある。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アガリクス茸を加圧下、水性溶媒を用い
    て抽出し、該抽出物を50%エタノールで分別すること
    を特徴とする抗腫瘍活性の高いアガリクス茸エキスの製
    造法。
  2. 【請求項2】 加圧下の圧力が1〜5気圧である請求項
    1に記載のエキスの製造法。
  3. 【請求項3】 水性溶媒が水または含水アルコールであ
    る請求項1に記載のエキスの製造法。
  4. 【請求項4】 水性溶媒がアルカリ性を呈するものであ
    る請求項1または3に記載のエキスの製造法。
  5. 【請求項5】 加熱時に抽出するものである請求項1〜
    4のいずれか1項に記載のエキスの製造法。
  6. 【請求項6】 加熱時の温度が101〜150℃である
    請求項5に記載のエキスの製造法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製
    造法によって得られるアガリクス茸エキスを配合してな
    る食用組成物。
  8. 【請求項8】 形態が粉末、顆粒、錠剤またはカプセル
    である請求項7に記載の食用組成物。
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