JP3207949B2 - 塩素化エチレン系ゴム組成物 - Google Patents

塩素化エチレン系ゴム組成物

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JP3207949B2
JP3207949B2 JP32824192A JP32824192A JP3207949B2 JP 3207949 B2 JP3207949 B2 JP 3207949B2 JP 32824192 A JP32824192 A JP 32824192A JP 32824192 A JP32824192 A JP 32824192A JP 3207949 B2 JP3207949 B2 JP 3207949B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、耐候性に優
れ、かつ、機械的強度のバランスも良好な塩素化エチレ
ン系ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】周知の如く、エチレン系重合体の塩素化
物は、難燃性、耐熱性、耐薬品性、耐候性および電気特
性のごとき物性が良好であり、自動車部品、工業部品お
よび家庭電気機器などの分野において広く利用されてい
る。該塩素化物をゴム弾性体として利用するには、汎用
ゴムと異なり構造上二重結合が付与されていないことが
多いため、硫黄または硫黄供与体を架橋剤として架橋さ
せることは困難である。これを改良する方法として、メ
ルカプトトリアジン、二級アミンおよび金属化合物から
なる架橋法が提案されている(例えば、特公昭54-15459
号公報、特開昭63-230753 号公報など)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記架
橋方法によって得られるゴム組成物は、耐熱性および耐
候性がそれほど良くなく、用途によっては制限されるこ
とも多い。本発明は、かかる状況に鑑みてなされたもの
であり、耐熱性および耐候性に優れ、かつ、機械的強度
のバランスも良好な塩素化エチレン系ゴム組成物を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、特定のハイドロタルサイト石群およびエ
ポキシ樹脂を添加することにより上記目的が達成できる
ことを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに
至った。
【0005】すなわち、本発明は、(A)塩素化エチレ
ン系重合体 100重量部、(B)受酸剤となるハイド
ロタルサイト石群 1.0〜15重量部、(C)一般式
が(I)式で示されるベンゾチアゾールのアミン塩また
は、一般式が(I) 式で示されるジチオカルバミン酸のア
ミン塩 1.0〜10重量部、
【化4】 (式中、R1 、R2 およびR3 は、同一でも異種でもよ
く、水素または炭素数が多くとも18個の炭化水素基で
あるが、ヘテロ原子を含む置換基を有しない基である
か、あるいはR1 、R2 およびR3 が互いに結合して炭
化水素環を形成してもよく、さらにヘテロ原子を介して
結合して異節環を形成していてもよいが、すべて同時に
水素であることはない。)
【化5】 (式中、R4 およびR5 は、同一でも異種でもよく、炭
素数が多くとも18個の炭化水素基であるが、ヘテロ原
子を含む置換基を有しない基であるか、あるいはR4
よびR5 が互いに結合して炭化水素環を形成してもよ
く、さらにヘテロ原子を介して結合して異節環を形成し
ていてもよい。) (D)一般式が(III)式で示されるメルカプトトリアジ
ン系化合物 0.01〜5.0重量部
【化6】 (式中、R6 はメルカプト基およびアミノ基からなる群
から選ばれる。)および(E)エポキシ樹脂 0.5〜
5重量部からなる塩素化エチレン系ゴム組成物を提供す
るものである。以下、本発明を具体的に説明する。
【0006】(A)塩素化エチレン系重合体 本発明において使われる塩素化エチレン系重合体は、後
記のエチレンを主成分とする重合体に塩素を反応させる
ことによって得られる塩素化物である。該エチレンを主
成分とする重合体としては、エチレン単独重合体、エチ
レンとα−オレフィンとの共重合体、わずかの結晶分を
有するエチレン−プロピレン共重合体ならびに少なくと
もエチレンとα,β−不飽和ジカルボン酸またはその無
水物との共重合体が挙げられる。エチレン単独重合体お
よびエチレンとα−オレフィンとの共重合体はエチレン
を単独重合またはエチレンと多くとも20重量%のα−
オレフィン(一般には、炭素数が3〜12個)とを共重
合することによって得られるものである。その密度は一
般には、0.910〜0.970g/ccである。また、
その分子量は少なくとも3万であり、とりわけ5万〜7
0万が好適である。
【0007】また、わずかの結晶分を有するエチレン−
プロピレン共重合体のプロピレンの共重合割合は通常1
5〜40重量%であり、18〜40重量%が好ましく、
特に20〜38重量%が好適である。プロピレンの共重
合割合が15重量%では得られる塩素化エチレン−プロ
ピレン共重合体はゴム的な弾性が乏しく、むしろ製品に
おいてプラスチックライクである。一方、40重量%を
超えると、塩素化のさいに得られる塩素化エチレン−プ
ロピレン共重合体の粒子が大きくなり、反応系において
団塊状になるために好ましくない。また、該エチレン−
プロピレン共重合体のメルトインデックス(JIS K
7210にしたがい、条件が14で測定、以下「MI
(1)」という)は通常0.01〜5.0g/10分であ
り、0.02〜5.0g/10分が望ましく、とりわけ
0.05〜5.0g/10分が好適である。MI(1)が
0.01g/10分未満のエチレン−プロピレン共重合体
では、得られる塩素化エチレン−プロピレン共重合体の
加工性がよくない。一方、5.0g/10分を超えると、
塩素化における反応効率が悪く、しかも塩素化物の団塊
化が激しい。
【0008】該エチレン−プロピレン共重合体のムーニ
ー粘度(ML1+4 、100℃)は通常10〜180であ
り、10〜170が好ましく、特に10〜150が好適
である。ムーニー粘度が10未満のエチレン−プロピレ
ン共重合体では、塩素化中に塩素化物の団塊化が激し
い。一方、180を超えると、ゴム的な弾性が乏しく、
むしろプラスチックライクである。なお、該エチレン−
プロピレン共重合体は、差動走査熱量計(Differ
ential Scanning Calorimet
er,DSC)で測定した融解ピークが通常80℃以上
であり、80〜125℃が好ましく、特に85〜125
℃が好適である。前記融解ピークが80℃未満では、塩
素化反応時に塊状になり、均一な塩素化物が得られない
ために好ましくない。
【0009】また、該エチレン−プロピレン共重合体は
X線で測定した結晶化度が通常3%以上であり、3〜5
0%が望ましく、とりわけ3〜45%が好適である。こ
の結晶化度が3%未満では塩素化の段階で塊状となり、
同様に均一な塩素化物が得られない。さらに、該エチレ
ン−プロピレン共重合体はゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー(GPC)で測定した分子量分布の指標で
ある重合平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)
は、通常4以上であり、4〜8が好ましい。Mw/Mn
が4未満では得られる塩素化物の加工性がよくないため
に好ましくない。さらに、少なくともエチレンとα,β
−不飽和ジカルボン酸またはその無水物との共重合体は
エチレンと「α,β−不飽和ジカルボン酸および/また
はその無水物」(以下「コモノマー(1)」という)と
の共重合体でもよく、エチレンおよびコモノマー(1)
のほかに、第三共重合成分として「不飽和カルボン酸エ
ステル、アルコキシアルキルアクリレートおよびビニル
エステルからなる群からえらばれた少なくとも一種の二
重結合を有するモノマー」(以下「コモノマー(2)」
という)とからなる多元共重合体でもよい。
【0010】コモノマー(1)のうち、α,β−不飽和
ジカルボン酸の炭素数は通常多くとも20個であり、と
りわけ4〜16個のものが好適である。該ジカルボン酸
の代表例としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、シトラコン酸、3,6−エンドメチレン−1,2,
3,6−テトラヒドロ−シス−フタル酸があげられる。
本発明のα,β−不飽和ジカルボン酸成分のうち、前記
α,β−不飽和ジカルボン酸の無水物が望ましく、なか
でも無水マレイン酸が好適である。コモノマー(2)の
うち、不飽和カルボン酸エステルの炭素数は通常4〜4
0個であり、特に4〜20個のものが好ましい。代表例
としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレートなどの熱安定性のよいものが好まし
い。さらに、アルコキシアルキルアクリレートの炭素数
は通常多くとも20個である。また、アルキル基の炭素
数が1〜8個(好適には、1〜4個)のものが好まし
く、さらにアルコキシ基の炭素数が1〜8個(好適に
は、1〜4個)のものが望ましい。好ましいアルコキシ
アルキルアクリレートの代表例としては、メトキシエチ
ルアクリレート、エトキシエチルアクリレートおよびブ
トキシエチルアクリレートが挙げられる。
【0011】また、ビニルエステルの炭素数は、一般に
は多くとも20個(好適には、4〜16個)である。好
適なビニルエステルの代表例としては、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、ビニルブチレート、ビニルピパレー
トなどがあげられる。本発明に使用するエチレン系共重
合体において、コモノマー(1)の共重合割合は通常
0.5〜25モル%であり、1.0〜25モル%が好ま
しく、特に1.0〜20モル%が好適である。コモノマ
ー(1)の共重合割合が0.1モル%未満では得られる
塩素化物の効果を発揮しない。一方、25モル%を超え
ると工業的に製造するさいにコストおよび製造上問題が
ある。本発明において、エチレン、コモノマー(1)お
よびコモノマー(2)からなる三元共重合体は塩素化さ
せるさいにブロッキングがなく、反応を容易に実施する
ことができる。さらに、得られる塩素化エチレン系共重
合体はゴム弾性および耐熱性がすぐれているために好ま
しい。また、コモノマー(2)の共重合割合は製造的に
も、コスト的にも一般には多くとも25モル%であり、
0.5〜25モル%のものが望ましく、とりわけ1.0
〜25モル%のものが好適である。
【0012】該エチレン系共重合体のメルトインデック
ス(JIS K7210にしたがい、条件が4で測定、
以下「MI(2)」という)は通常0.1〜100g/
10分であり、0.5〜100g/10分のものが好まし
く、特に1.0〜100g/10分のものが好適である。
MI(2)が0.1g/10分未満では得られる塩素化エ
チレン系共重合体の成形性や混練性がよくない。一方、
100g/10分を超えると得られる塩素化エチレン系共
重合体の機械的特性がよくない。本発明の塩素化エチレ
ン系重合体はこれらの重合体を塩素化させることによっ
て得られる。塩素化はこれらの塩素化物を製造するため
に一般に行われている水性懸濁液中で塩素化する方法を
適用することによって達成することができる。該塩素化
エチレン系重合体の塩素含有量は一般には15〜45重
量%であり、17〜45重量%が望ましく、とりわけ2
0〜43重量%が好適である。塩素化エチレン系重合体
の塩素含有量が15重量%未満では、製造上で反応はで
きるが、後処理のさいに水洗工程において非常に困難に
なる。一方、45重量%を超えると、得られた塩素化エ
チレン系重合体は硬く、エラストマーライクでなくな
る。また、ムーニー粘度(ML1+4 、100℃)は成形
性および機械的特性の点から通常10〜150であり、
10〜130が好ましく、特に10〜120が好適であ
る。
【0013】(B)ハイドロタルサイト石群 また、本発明において受酸剤として使用するハイドロタ
ルサイト石群は、一般式がMga Meb (OH)c CO
3 ・nH2 O(ただし、MeはAl、CrまたはFe
を、aは1〜10の整数を、bは1〜5の整数を、cは
10〜20の整数を、またnは0〜8の整数をそれぞれ
表わす。)で示される化合物である。上式においてnが
0というのは、該化合物を250〜350℃の温度で焼
成して結晶水を除去したものに相当する。該化合物の平
均粒径は一般には0.1〜150μmであり、なかでも
0.5〜100μmのものが好ましい。
【0014】(C)ベンゾチアゾールのアミン塩および
ジチオカルバミン酸のアミン塩 また、本発明に用いられるベンゾチアゾールのアミン塩
は、一般式が(I) 式で示されるベンゾチアゾールと第一
級、第二級ないし第三級アミンとの塩である。
【化7】 (式中、R1 、R2 およびR3 は、同一でも異種でもよ
く、水素または炭素数が多くとも18個の炭化水素基で
あるが、ヘテロ原子を含む置換基を有しない基である
か、あるいはR1 、R2 およびR3 が互いに結合して炭
化水素環を形成してもよく、さらにヘテロ原子を介して
結合して異節環を形成していてもよいが、すべて同時に
水素であることはない。)
【0015】該塩中の炭化水素基としては、アルキル
基、シクロアルキル基、アリル基およびアラルキル基か
ら選ばれ、好適な例としては、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基が
挙げられる。また、該塩中のアミン塩の例としては、エ
チルアミン、プロピルアミン、ヘキシルアミン、オクチ
ルアミン、ラウリルアミン、シクロヘキシルアミン、ジ
エチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジ
ヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジラウリルアミ
ン、ジシクロヘキシルアミン、ピペリジン、ピペコリ
ン、モルホリン、ピペラジンなどが挙げられる。該塩の
具体例としては、2−メルカプトベンゾチアゾールのシ
クロヘキシルアミン塩、2−メルカプトベンゾチアゾー
ルのジシクロヘキシルアミン塩、2−メルカプトベンゾ
チアゾールのトリシクロヘキシルアミン塩などが挙げら
れる。
【0016】また、本発明に用いられるジチオカルバミ
ン酸のアミン塩は、一般式が(II)式で示される化合物で
ある。
【化8】 (式中、R4 およびR5 は、同一でも異種でもよく、炭
素数が多くとも18個の炭化水素基であるが、ヘテロ原
子を含む置換基を有しない基であるか、あるいはR4
よびR5 が互いに結合して炭化水素環を形成してもよ
く、さらにヘテロ原子を介して結合して異節環を形成し
ていてもよい。)
【0017】該化合物中の炭化水素基としては、アルキ
ル基、シクロアルキル基、アリル基およびアラルキル基
から選ばれ、好適な例としては、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基
が挙げられる。該化合物を形成するジチオカルバミン酸
としては、ジメチルジチオカルバミン酸、ジエチルジチ
オカルバミン酸、ペンタメチレンジチオカルバミン酸、
ジブチルジチオカルバミン酸、エチル−フェニルジチオ
カルバミン酸、ジベンジルジチオカルバミン酸、ピペリ
ジンジチオカルバミン酸、ピペコリンジチオカルバミン
酸、モルホリンジチオカルバミン酸、ピペラジンジチオ
カルバミン酸などが挙げられる。また、該化合物の一方
の成分であるアミンとしては、エチルアミン、プロピル
アミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、シクロヘキ
シルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブ
チルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミ
ン、ピペリジン、ピペコリン、モルホリン、ピペラジン
などが挙げられる。該化合物の具体例としては、ペンタ
メチレンジチオカルバミン酸ピペリジン塩、ピペコリル
ジチオカルバミン酸ピペコリル塩、ペンタメチレンジチ
オカルバミン酸モルホリン塩、ペンタメチレンジチオカ
ルバミン酸ピペラジン塩などが挙げられる。
【0018】(D)メルカプトトリアジン系化合物 さらに、本発明において使用されるメルカプトトリアジ
ン系化合物は、ゴム業界において加硫剤または加硫促進
剤として使用されているものであり、一般式が(III)式
で示される化合物である。
【化9】 (式中、R6 はメルカプト基およびアミノ基からなる群
から選ばれる。)上記(III) 式において、R6 のうち、
アミノ基は炭素数が多くとも20個の炭化水素基を有す
るものでもよい。該化合物の代表例としては、1,3,
5−トリチオシアヌル酸、1−ヘキシルアミノ−3,5
−ジメチルカプトトリアジン、1−ジエチルアミノ−
3,5−ジメチルカプトトリアジン、1−シクロヘキシ
ルアミノ−3,5−ジメチルカプトトリアジンなどが挙
げられる。これらの化合物は、特開昭59-10099号公報明
細書に詳細に記載されている。
【0019】これにさらに他の加硫促進剤を配合しても
よい。該促進剤は、一般にゴム業界において加硫促進剤
として広く利用されているものである。その代表例は、
チアゾール系、イミダゾリン系、ジチオカルバメート
系、チウラム系、ザンテート系、グアニジン系およびア
ルデヒド・アミン系に分類される。また、前記刊行物第
64頁および第 170頁ないし第 173頁に記載されているリ
ン系化合物のごとき求核試薬も加硫促進剤として使用で
きる。これらの加硫促進剤については、特開昭59-15440
号公報明細書に代表例が記載されている。
【0020】(E)エポキシ樹脂 さらに、本発明に使用されるエポキシ樹脂は、反応性の
α−エポキシ基を1分子中に少なくとも2個を有するも
のであり、硬化剤によって硬化物を与えるものである。
これらの樹脂は、現在、接着剤、コーティング材料、注
型品、成形品として広く利用されている。該樹脂の分子
量は、通常300〜6000、好ましくは300〜50
00である。該樹脂のなかでも、エピクロルヒドリンと
フェノール性の−OH、カルボン酸の−COOHおよび
アミンの−NH2 のごとき活性水素を有する化合物との
反応により得られるものが好適である。代表例として
は、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとを反応さ
せたもの、二価フェノールのグリシジルエーテル、ビス
フェノールAのグリシジルエーテル、ポリフェノールの
グリシジルエーテル、脂肪族その他のジアルコールおよ
びトリアルコールのグリシジルエーテル、アミンまたは
アミドのグリシジルエーテルなどが挙げられる。これら
のエポキシ樹脂は、「プラスチックハンドブック」(昭
和59年発行、朝倉書店)第 272ないし 277頁に種類、製
造法などが詳細に記載ざれている。
【0021】(F)配合割合 本発明において、塩素化エチレン系重合体100重量部
に対する他の成分の配合割合は下記のとおりである。ハ
イドロタルサイト石群は1.0〜15重量部であり、
2.0〜15重量部が望ましく、とりわけ3.0〜12
重量部が好適である。ハイドロタルサイト石群が1.0
重量部未満では架橋性が低下し、また貯蔵安定性も悪化
する。一方、15重量部を超えると加工性が悪くなり、
さらに得られる架橋ゴムの強度が低下する。また、ベン
ゾチアゾールのアミン塩またはジチオカルバミン酸のア
ミン塩は、1.0〜10重量部であり、1.5〜10重
量部が好ましく、特に1.5〜8重量部が好適である。
該塩が1.0重量部未満では、架橋が充分進行しない。
一方、10重量部を超えるてもさらに架橋性が向上する
ことはない。さらに、メルカプトトリアジン系化合物は
0.01〜5.0重量部であり、0.02〜5.0重量
部が好ましく、特に0.1〜4.0重量部が好適であ
る。メルカプトトリアジン系化合物が0.01重量部未
満では、架橋がタイトに進行しない。一方、5.0重量
部を超えると高温引裂強度が低下する。また、エポキシ
樹脂は0.5〜5重量部であり、1〜5重量部が好まし
く、特に1.5〜5重量部が好適である。エポキシ樹脂
が0.5重量部未満では、耐熱性および耐候性が低下す
る。一方、5重量部を超えると加工性(作業性)に問題
がある。さらに、前記のその他の加硫促進剤を配合する
場合は、一般には多くとも10重量部である。
【0022】(G)混合方法、加硫方法、成形方法など 以上の物質を均一に配合することにより本発明の組成物
を得ることができるが、さらにゴム業界において一般に
使用されている充填剤、可塑剤、各種安定剤、滑剤およ
び着色剤などの添加剤を使用目的に応じて添加すること
ができる。本発明の組成物を得るには、ゴム業界におい
て通常行なわれている混合を適用すればよい。この組成
物を製造する際、本質的に塩素化エチレン系重合体が架
橋しないことが重要である。このために、混合は、一般
には室温ないし100℃において実施する。こうして得
られる組成物は、一般に使用ざれている押出成形機、射
出成形機、圧縮成形機などを利用して所望の形状に形成
される。架橋は、通常100〜200℃の温度範囲で、
成形中にスチーム缶、エアーバスなどにより加熱され
る。架橋時間は、架橋温度によって異なるが、一般には
0.5〜120分である。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。なお、引張試験はJIS K6301に準じて
JIS3号ダンベルを用いてショッパー型試験機を使用
して引張強度(以下、TB という)、伸び率(以下、E
B という)および硬さ(以下、HS という)を測定し
た。また、耐熱性試験は、温度が140℃に設定された
JISギヤオーブン中にJIS3号ダンベルを7日間放
置した後、TB 、EB およびHS を測定し、TB および
B の変化率ならびにHS の変化を求めた。さらに、耐
候性試験は、JIS K6301に準じて温度63℃、
降水18分/120分に設定されたウエザーメーター
(サンシャイン)中に72時間放置した後、TB 、EB
およびHS を測定し、TB およびEB の変化率ならびに
S の変化を求めた。
【0024】なお、使用した材料の製造、物性、種類な
どを下記に示す。 [塩素化エチレン系重合体]ブテン−1を3重量%含有
するエチレン−ブテン−1共重合体(密度0.94g/
cc、平均分子量約17万)を水性懸濁法で塩素化した
塩素含有量が36.5%、ムーニー粘度(ML1+4 10
0℃)が74である非晶性の塩素化ポリエチレン(以
下、塩素化物(a) という)、プロピレン含有量が22重
量%であり、かたムーニー粘度が115であるエチレン
−プロピレン共重合体を塩素化して得られた塩素含有量
が35.4重量%、ムーニー粘度が42である塩素化エ
チレン−プロピレン共重合体(以下、塩素化物(b) とい
う)および融点が108℃であり、かつメルトフローレ
ートが100g/10分であるエチレン−メチルメタク
リレート−無水マレイン酸(メチルメタクリレート含有
量18.5モル%、無水マレイン酸含有量1.5モル
%)を塩素化して得られる塩素含有量32.5重量%、
ムーニー粘度32.5である塩素化エチレン三元共重合
体(以下、塩素化物(c) という)を使用した。
【0025】[ハイドロタルサイト石群]また、ハイド
ロタルサイト石群として、平均粒径が1μm、比表面積
が10m2 /gであるハイドロタルサイト(以下、DH
T−1という)およびDHT−1を300℃で焼成した
もの(以下、DHT−2という)を使用した。 [ベンゾチアゾールのアミン塩、ジチオカルバミン酸の
アミン塩]ベンゾチアゾールのアミン塩として、2−メ
ルカプトベンゾチアゾールのジシクロヘキシルアミン塩
(以下、アミン−1という)およびジチオカルバミン酸
のアミン塩として、ピペコリルジチオカルバミン酸のピ
ペコリン塩(以下、アミン−2という)を使用した。
【0026】[メルカプトトリアジン系化合物]メルカ
プトトリアジン系化合物として、1,3,5−メルカプ
ト−S−トリアジン(以下、アジンという)を使用し
た。
【0027】[エポキシ樹脂]エポキシ樹脂として、シ
ェル化学社製エピコート#828 (以下、#828 という)
を使用した。
【0028】[他の加硫促進剤、添加剤]さらに、加硫
促進剤として、テトラブチルチウラム・ジスルフィド
(以下、TBTという)および添加剤として2,2,4
−トリメチル−1,2−ジヒドロキキシノリン重合物
(以下、AO剤という)を使用した。また、比較例に酸
化マグネシウム(協和化学社製、キョーワマグ)(以
下、MgOという)を使用した。
【0029】実施例1〜6、比較例1〜6 表1に種類および配合量が示されている塩素化エチレン
系共重合体、ハイドロタルサイト石群、ベンゾチアゾー
ルもしくはジチオカルバミン酸のアミン塩およびメルカ
プトトリアジン系化合物ならびに0.5重量部のTBT
および1重量部のAO剤を予め室温においてオープンロ
ールを使用して20分間混練し、シートを成形した。得
られた各シートを温度170℃および圧力200kg/
cm2 の条件で15分熱プレスして架橋シートを作成し
た。得られた各シートの常態特性としてTB 、EB およ
びHS ならびに耐熱性試験および耐候性試験としてTB
およびEB の変化率ならびにHS の変化の測定を行なっ
た。それらの結果を表2に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】本発明のゴム組成物は、下記の如き効果
を発揮する。 (1)機械的強度が優れる。 (2)耐摩耗性および耐熱性が良好である。 (3)耐油性および耐寒性が優れている。 (4)耐オゾン性が良好である。 (5)永久伸性が優れている。 本発明のゴム組成物は、上記の如き優れた特性を有する
ばかりでなく、成形性も良好であるため、下記の如く多
方面に使用することができる。 (1)ブーツ類、エアインテークホースなどの自動車用
部品 (2)パッキング、ホースなどの工業用部品 (3)電線などの被覆材 (4)建材用のガスケット、目地材など。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI //(C08L 23/28 (C08L 23/28 63:00) 63:00) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/28 C08L 63/00 C08K 3/00 - 13/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)塩素化エチレン系重合体 100
    重量部、 (B)受酸剤となるハイドロタルサイト石群 1.0〜
    15重量部、 (C)一般式が(I)式で示されるベンゾチアゾールのア
    ミン塩または、一般式が(II)式で示されるジチオカルバ
    ミン酸のアミン塩 1.0〜10重量部、 【化1】 (式中、R1 、R2 およびR3 は、同一でも異種でもよ
    く、水素または炭素数が多くとも18個の炭化水素基で
    あるが、ヘテロ原子を含む置換基を有しない基である
    か、あるいはR1 、R2 およびR3 が互いに結合して炭
    化水素環を形成してもよく、さらにヘテロ原子を介して
    結合して異節環を形成していてもよいが、すべて同時に
    水素であることはない。) 【化2】 (式中、R4 およびR5 は、同一でも異種でもよく、炭
    素数が多くとも18個の炭化水素基であるが、ヘテロ原
    子を含む置換基を有しない基であるか、あるいはR4
    よびR5 が互いに結合して炭化水素環を形成してもよ
    く、さらにヘテロ原子を介して結合して異節環を形成し
    ていてもよい。) (D)一般式が(III)式で示されるメルカプトトリアジ
    ン系化合物 0.01〜5.0重量部、 【化3】 (式中、R6 はメルカプト基およびアミノ基からなる群
    から選ばれる。)および (E)エポキシ樹脂 0.5〜5重量部からなる塩素化
    エチレン系ゴム組成物。
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