JP3206322B2 - 磁気ヘッドおよび磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気ヘッドおよび磁気記録再生装置

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JP3206322B2
JP3206322B2 JP20513294A JP20513294A JP3206322B2 JP 3206322 B2 JP3206322 B2 JP 3206322B2 JP 20513294 A JP20513294 A JP 20513294A JP 20513294 A JP20513294 A JP 20513294A JP 3206322 B2 JP3206322 B2 JP 3206322B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度記録再生特性に
優れた大容量の磁気記録再生装置と、これに搭載される
リング型磁気ヘッドに関わる。
【0002】
【従来の技術】現在、磁気記録再生装置は、小型でかつ
大容量を実現するために、高記録密度化の傾向にある。
これに対応するため、磁気記録媒体および磁気ヘッドの
分野においては、高記録密度領域における記録再生特性
向上のため、多くの研究開発が進められている。
【0003】磁気記録媒体において高記録密度領域にお
ける記録再生分解能を向上するためには、残留磁化を大
きくするともに、残留磁化の大きさに見合った高保磁力
化および磁性層の薄層化が必要である。特に、上記観点
から従来の塗布型磁気記録媒体の限界を越えるものとし
て、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティ
ング法等により作製される薄膜型磁気記録媒体が注目さ
れている。
【0004】一方、磁気ヘッドにおいては、磁気記録媒
体の高保磁力化に対応して記録能力を向上するために、
高飽和磁束密度を有する軟磁性材料の開発が進められて
おり、すでに1.5Tを越える飽和磁束密度を有する軟磁性
材料を用いたリング型磁気ヘッドが実用化されている。
【0005】薄膜型磁気記録媒体の代表例として、Hi
8方式VTR用に実用化されている蒸着テープがある。
この磁気記録媒体の特徴は、従来の長手記録媒体と異な
り、磁化容易軸が磁性層の膜法線に対して傾斜している
ことである。すなわち、磁化容易軸が膜面内あるいは膜
法線方向にあるのではなく、テープの長手方向を含む法
面内において、膜法線に対して斜めに傾斜した方向にあ
る。例えば、市販のHi8方式VTR用蒸着テープで
は、磁化容易軸がテープの長手方向を含む法面内におい
て、膜法線から約70゜傾斜している。リング型磁気ヘッ
ドにより記録された磁化は、斜めに傾斜した磁化容易軸
方向に残留し、従来の長手記録とは異なった磁化モード
を形成する。このような斜め磁化モードの形成により、
長手記録媒体に比べて顕著に高記録密度特性が向上して
いる。
【0006】長手磁化モードに対する斜め磁化モードの
優位性が明らかになるにつれ、近年では従来の塗布型媒
体においても、斜め磁化モードを実現して高記録密度特
性を向上しようとする試みもなされている。
【0007】上記のようないわゆる斜め異方性を有する
蒸着テープを生産性良く製造するためには、円筒状ロー
ラ系を用いた連続真空蒸着装置により、長尺の高分子基
板を移動させながらその上に磁性層を連続して蒸着すれ
ばよい。製造方法の一例を、図13を用いて以下に説明
する。図13は蒸着テープを作製するための真空蒸着装
置内部の構成の一例である。供給ロール29から巻き出
された長尺の高分子材料よりなる基板21が円筒状キャ
ン27に沿って矢印28の向きに走行する間に、蒸発源
33から蒸発した蒸発原子34が基板21に付着し、磁
性層が形成される。蒸発源33には例えば、CoとNi
とOを主成分とするハイバンド8ミリVTR用の蒸着テ
ープを製造する場合には、CoとNiの合金が充填され
る。なお、蒸着法には、抵抗加熱や誘導加熱等の方法も
あるが、特にCo等の高融点金属を高い蒸発速度で蒸発
させるためには、電子ビーム蒸着が適している。31
A、31Bは不要な蒸発原子が基板に付着するのを防ぐ
ために設けてある遮蔽板である。この遮蔽板により、蒸
発原子の基板への入射角が、基板法線に対して、膜形成
開始部における値φiから膜形成終了部における値φf
間の領域に設定される。堆積された磁性層の磁化容易軸
の傾斜方向は、主に上記φi、φfの設定により制御され
る。なお、従来、Hi8方式VTR用の蒸着テープ等の
製造の際には、膜形成開始部における蒸発原子の基板へ
の入射角は基板法線に対して90゜が望ましいと考えられ
ているので、遮蔽板31Aは用いられていない。32は
蒸着時に真空槽内に酸素を導入するための酸素導入口で
ある。また30は、磁性層が形成された基板21を巻き
取る巻き取りロールである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】今後、磁気記録再生装
置はますます小型大容量化の方向にある。従って、磁気
ヘッドと磁気記録媒体の組み合わせによる磁気記録再生
系においては、従来にもまして高S/N化、特に高線記
録密度領域における高S/N化を達成することが要求さ
れている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に対
し、リング型磁気ヘッドおよび磁気記録再生装置の構成
を改善して、斜め異方性磁気記録媒体における磁気記録
再生性能の向上を図ったものであり、以下の構成により
実現される。
【0010】リング型磁気ヘッドとしては第1の構成と
して、強磁性フェライト表面に金属軟磁性膜を被着して
形成された第1の磁気コア半体と第2の磁気コア半体を
対向せしめてギャップを有する磁気回路を構成するメタ
ルインギャップタイプのリング型磁気ヘッドで、第1の
磁気コア半体のギャップ形成面に被着した金属軟磁性膜
の平均膜厚が1.5μm以上であり、かつ第2の磁気コア半
体のギャップ形成面に被着した金属軟磁性膜の平均膜厚
が、第1の磁気コア半体のギャップ形成面に被着した金
属軟磁性膜の平均膜厚の2倍よりも大きく、さらに好ま
しくは、第1の磁気コア半体のギャップ形成面に被着し
た金属軟磁性膜の飽和磁束密度が第2の磁気コア半体の
ギャップ形成面に被着した金属軟磁性膜の飽和磁束密度
よりも小さいことを特徴とする。
【0011】
【0012】さらに第の構成として、強磁性材料より
なる第1の磁気コア半体と第2の磁気コア半体を対向せ
しめてギャップを有する磁気回路を構成するリング型磁
気ヘッドで、第1の磁気コア半体のギャップ形成面およ
びその近傍を構成する磁性材料と第2の磁気コア半体の
ギャップ形成面およびその近傍を構成する磁性材料とが
複数の同じ元素を主成分として構成されるか、あるいは
第1の磁気コア半体のギャップ形成面およびその近傍を
形成する磁性材料が第2の磁気コア半体のギャップ形成
面およびその近傍を形成する磁性材料を構成する元素に
B、C、N、Oより選ばれる少なくとも1つの元素を付
加した組成で構成され、かつ第1の磁気コア半体のギャ
ップ形成面およびその近傍を構成する磁性材料の飽和磁
束密度が第2の磁気コア半体のギャップ形成面およびそ
の近傍を構成する磁性材料の飽和磁束密度よりも小さい
ことを特徴とする。
【0013】また磁気記録再生装置の構成としては、磁
化容易軸が磁性層の膜法線に対して傾斜している磁気記
録媒体に、上記第1から第の構成を有するリング型磁
気ヘッドより選ばれる少なくとも1つの磁気ヘッドを用
いて信号を記録する磁気記録再生装置であって、記録過
程における磁気ヘッドと磁気記録媒体の相対移動方向を
含む磁気記録媒体磁性層の法面内において、磁気ヘッド
のリーディングエッジ近傍の記録磁界と磁気記録媒体の
磁化容易軸とが磁気記録媒体磁性層の膜法線に対して同
じ側に傾斜しており、かつ記録過程における磁気ヘッド
と磁気記録媒体の相対移動方向において、磁気ヘッドの
第1の磁気コア半体がリーディング側、第2の磁気コア
半体がトレイリング側となる構成を有することを特徴と
する。
【0014】
【作用】一般に高保磁力を有する磁気記録媒体をリング
型磁気ヘッドを用いて記録する過程において、ヘッドに
は高保磁力媒体を十分に磁化反転させるに足る記録磁界
の大きさが要求される。すなわち、ヘッドを構成する軟
磁性材料の飽和磁束密度が高いほど磁化反転能力の向上
によって高い再生出力が得られるのであるが、媒体の保
磁力に対して十分な磁化反転能力が実現された時点で
は、さらにヘッド材料の飽和磁束密度を高くしても、も
はや顕著な再生出力の向上は望めないものと考えられ
る。
【0015】一方本発明者らは斜め異方性磁気記録媒体
の記録再生において、記録磁界がヘッドギャップの中心
線に対して非対称でトレイリングエッジ側でより急峻な
勾配を有するリング型磁気ヘッドを用い、かつ記録時に
おけるリング型磁気ヘッドと斜め異方性磁気記録媒体の
相対移動方向を含む媒体磁性層の法面内において、リン
グ型磁気ヘッドのリーディングエッジ近傍の記録磁界と
媒体の磁化容易軸とが媒体磁性層の膜法線に対して同じ
側に傾斜している、図12に示す構成で記録することに
より、従来よりも顕著な再生出力の向上が図られること
を見いだした。図12において、リング型磁気ヘッド
は、ギャップ6を介したリーディングエッジ15および
トレイリングエッジ16の近傍のみを図示している。
【0016】ヘッドが磁気記録媒体を十分に磁化反転さ
せるに足る飽和磁束密度を有している場合には、磁化転
移間領域26に残留する磁化量は従来ヘッドによっても
十分に飽和させることができる。一方、磁化転移領域2
5においては、図12の構成において従来と異なる挙動
がみられる。図12の構成においては、ギャップ中心線
17近傍からトレイリングエッジ側にかけての記録磁界
18の媒体磁化容易軸方向成分の減少する割合が急峻で
ある。このような記録磁界18によれば、リーディング
側の記録磁界による記録磁化が、従来ヘッドよりも急峻
なトレイリング側の記録磁界によって速やかに減磁ある
いは磁化反転されることになる。このため、磁性層20
にはより狭い磁化転移領域25が実現され、従来構成よ
りも特に高線記録密度領域における再生出力が増加する
ものと考えられる。
【0017】上述のような記録機構を得るためには、記
録時におけるリング型磁気ヘッドと斜め異方性磁気記録
媒体の相対移動方向を含む媒体磁性層の法面内におい
て、リング型磁気ヘッドのリーディングエッジ近傍の記
録磁界と媒体の磁化容易軸とが媒体磁性層の膜法線に対
して同じ側に傾斜していることが必要である。すなわ
ち、リーディングエッジ近傍の記録磁界の方向が媒体の
磁化容易軸方向に近く、逆にトレイリングエッジ近傍の
記録磁界の方向が媒体の困難軸方向に近い構成とする必
要があるが、リーディングエッジ近傍の記録磁界の傾斜
方向と斜め異方性媒体の磁化容易軸の傾斜方向とを厳密
に一致させる必要はない。現在のVTRでは、回転ヘッ
ドが磁気テープの長さ方向に対して若干斜めに走査する
構成となっており、例えばHi8方式VTRでは、磁気
テープの長さ方向に対して約5゜の角度をなす方向にヘッ
ドが走査される。しかしながら、上記VTRのような構
成においても、概略、リーディングエッジ近傍の記録磁
界の傾斜方向が媒体の磁化容易軸の傾斜方向に近く、逆
にトレイリングエッジ近傍の記録磁界の傾斜方向が媒体
の困難軸方向に近い構成であれば、十分に本発明の記録
機構を実現し記録再生特性を改善することができる。
【0018】一方本発明の構成とは逆に、記録時におけ
るリング型磁気ヘッドと斜め異方性磁気記録媒体の相対
移動方向を含む媒体磁性層の法面内において、リング型
磁気ヘッドのトレイリングエッジ近傍の記録磁界と媒体
の磁化容易軸とが媒体磁性層の膜法線に対して同じ側に
傾斜している構成とした場合には、もはや上述のような
本発明の記録機構を実現することはできない。この場合
には、トレイリング側の記録磁界の傾斜方向が媒体の容
易軸方向に近いために、従来の長手記録の場合と同様に
記録波長が短くなるほど記録減磁を受け易くなり、優れ
た高線記録密度特性は得られない。
【0019】記録磁界がヘッドギャップの中心線に対し
て非対称で、トレイリングエッジ側でより急峻な勾配を
有するリング型磁気ヘッドは、本発明によれば、以下の
3つの構成要素のいずれかにより実現される。
【0020】1つめの要素としては、強磁性フェライト
表面に金属軟磁性膜を被着して形成された第1の磁気コ
ア半体と第2の磁気コア半体を対向せしめてギャップを
有する磁気回路を構成するメタルインギャップタイプ
(以下、MIGタイプと記述する。)のリング型磁気ヘ
ッドで、第1の磁気コア半体のギャップ形成面に被着し
た金属軟磁性膜の平均膜厚が第2の磁気コア半体のギャ
ップ形成面に被着した金属軟磁性膜の平均膜厚よりも小
さい構成を有するヘッドにおいて、第1の磁気コア半体
をリーディング側とすることにより実現される。
【0021】この構成では、両磁気コア半体の金属軟磁
性膜の膜厚差を十分に大きくすることにより、リーディ
ング側の第1の磁気コア半体におけるギャップ近傍部分
がトレイリング側よりも磁気飽和に達し易くなり、ギャ
ップ中心線に対してトレイリング側でより急峻な非対称
磁界が得られる。
【0022】2つめの要素としては、強磁性材料よりな
る第1の磁気コア半体と第2の磁気コア半体を対向せし
めてギャップを有する磁気回路を構成するリング型磁気
ヘッドで、第1の磁気コア半体のギャップ形成面および
その近傍を構成する磁性材料の飽和磁束密度が第2の磁
気コア半体のギャップ形成面およびその近傍を構成する
磁性材料の飽和磁束密度よりも小さい構成を有するヘッ
ドにおいて、第1の磁気コア半体をリーディング側とす
ることによっても実現される。
【0023】この構成でも、両磁気コア半体の金属軟磁
性膜の飽和磁束密度差を十分に大きくすることにより、
リーディング側の第1の磁気コア半体におけるギャップ
近傍部分がトレイリング側よりも磁気飽和に達し易くな
り、ギャップ中心線に対してトレイリング側でより急峻
な非対称磁界が得られる。
【0024】3つめの要素としては、強磁性材料よりな
る第1の磁気コア半体と第2の磁気コア半体を対向せし
めてギャップを有する磁気回路を構成するリング型磁気
ヘッドで、第1の磁気コア半体のギャップ形成面の磁路
断面積が第2の磁気コア半体のギャップ形成面の磁路断
面積よりも小さい構成を有するヘッドにおいて、第1の
磁気コア半体をリーディング側とすることによっても実
現される。
【0025】この構成でも、リーディング側の第1の磁
気コア半体におけるギャップ近傍部分がトレイリング側
よりも磁気飽和に達し易くなり、ギャップ中心線に対し
てトレイリング側でより急峻な非対称磁界を得る効果が
認められる。
【0026】しかしながら上記3要素の内では、3つめ
の構成要素において、ギャップ中心線に対してトレイリ
ング側でより急峻な非対称磁界を得る効果が最も小さ
く、単独で本発明の効果を十分に得ることは難しい。こ
のため3つめの要素については、通常は2つめの要素と
同時に実現することが好ましい。あるいはMIGタイプ
のヘッドであれば、1つめの要素と同時に実現してもよ
い。
【0027】またMIGタイプのヘッドにおいては、1
つめの要素と2つめの要素を同時に実現すれば、一般的
には各々を単独で実現した場合よりも、本発明の効果が
顕著に得られてより好ましい。さらに3つめの要素をも
取り入れて3つの要素を同時に実現すれば、本発明の効
果はさらに顕著に得られる。
【0028】
【実施例】本発明の実施例として、課題を解決するため
の手段の項に述べた第1から第3の構成を有するリング
型磁気ヘッドと、市販のVTRを改造してこれらのリン
グ型磁気ヘッドを搭載した磁気記録再生装置について以
下に述べる。なお、磁気記録媒体は連続蒸着装置により
作製される斜め異方性蒸着テープを用いた。
【0029】(磁気記録媒体の構成例)まず磁気記録媒
体の製造方法および本発明の構成に適した磁気特性につ
いて、図13に基づいて説明する。本実施例では、図1
3に示す連続蒸着装置を用いて、磁化容易軸が膜法線に
対して傾斜したCoとOを主成分とする磁性層を有する
蒸着テープを作製し、検討した例について記載する。
【0030】磁性層を成膜する際には、高分子材料より
なる基板21を円筒状キャン27の表面に沿って矢印2
8の向きに走行させる。基板21としては、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレート
フィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、
ポリエーテルイミドフィルム、ポリカーボネートフィル
ム等、磁気テープに一般的に用いられるものはいずれで
も用いることができる。本実施例における検討では、厚
さ7μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いて
いる。
【0031】蒸発源33には、磁性層を構成する金属あ
るいは合金材料を充填する。通常、薄膜型磁気記録媒体
の磁性層として適したCo−Ni、Co−Cr、Co−
Ni−Cr、Co−Pt等のCo基の合金が充填され
る。本実施例においては、CoとOを主成分とする磁性
層を有する磁気テープを検討したので、蒸発源33には
Coを充填した。この際、成膜中に酸素導入口32から
真空槽内に酸素を導入しながら反応蒸着を行うことによ
り、CoとOを主成分とする磁性層が形成される。
【0032】蒸発源33と円筒状キャン27との間には
遮蔽板31A、31Bが配置されている。この遮蔽板の
開口部を通って蒸発原子34は基板21に堆積する。
【0033】φi、φfは、それぞれ磁性層の膜形成開始
部および膜形成終了部における蒸発原子の基板21への
入射角である。φi、φfの値の制御は、以下に述べる磁
性層の磁化容易軸の傾斜方向や配向性を制御する上で非
常に重要である。
【0034】図12に示したように、本発明の構成に用
いられる斜め異方性を有する磁気記録媒体において、磁
化容易軸22が膜法線23となす角をβとする。ここで
βは、磁性層厚に比べて十分に大きな面積を有し、形状
による膜法線方向の反磁界係数がほぼ1と認められる試
料において、反磁界の影響を補正しないで求めた値とす
る。本発明の構成による効果を十分に得るためには、上
述の製造方法により作製される蒸着テープに限らず、用
いられる磁気記録媒体のβが50゜以上85゜以下の範囲にあ
ることが好ましい。βが85゜以上では、磁化容易軸22
が膜面内に近すぎるため、記録時に斜め磁化モードを形
成し難くなる。すなわち従来の長手記録と同様に、記録
波長が短くなるほどトレイリング側の記録磁界により記
録減磁を受け易くなり、優れた高線記録密度特性が得ら
れなくなる。一方、βが50゜以下の場合にも、磁化容易
軸22が膜法線に近すぎるためにトレイリング側の記録
磁界により減磁を受け易く、理想的な斜め磁化モードを
実現し難くなる。
【0035】また、本発明の構成による効果を十分に得
るためには、用いられる磁気記録媒体が高配向で優れた
磁気特性を有する必要がある。本発明の記録機構により
狭い磁化転移幅を実現する効果を得るためには、磁化転
移幅の限界を決定する磁気記録媒体自体の分解能が高く
なければならない。配向性が不十分で異方性分散の大き
い磁気記録媒体を使用した場合には、本発明の構成によ
る効果を得る以前に、磁化転移幅が媒体自体の分解能に
よって制限されてしまうのである。一方、高配向で異方
性分散の小さい媒体を用いるほど、本発明の効果は顕著
に得られる。上記の観点から、本発明者らの検討によれ
ば、磁気記録媒体の磁気特性としては、磁化容易軸方向
の保磁力が80kA/m以上、かつ一軸異方性定数が105J/m3
以上であることが好ましい。図13に示す製造装置で作
製される蒸着テープにおいては、適切な磁化容易軸方向
βを得、かつ異方性分散の少ない高配向な蒸着テープを
作製するという観点から、φi、φfを適切に設定するこ
とが重要となるのである。本実施例において、図13に
示す製造装置を用いて作製されたCoとOを主成分とす
る蒸着テープでは、例えばβは約75゜、磁化容易軸方向
の保磁力は約145kA/m、一軸異方性定数は約2.8×105J/m
3という値が実現されている。なお、この蒸着テープの
飽和磁化は約650kA/m、磁性層の膜厚は約100nmでる。
【0036】上記の方法により作製された蒸着テープに
は、本実施例における磁気記録再生装置で使用するため
に、磁性膜側に約10nm厚のカーボン保護膜および数nm厚
の潤滑剤層を、また裏面には0.5μm厚のバックコート層
を形成した。この後、適正な幅および長さに裁断し、市
販のカセットに挿入して使用した。
【0037】(リング型磁気ヘッドの第1の構成例)次
に、本発明のリング型磁気ヘッドの構成例について述べ
る。まず第1の構成として、強磁性フェライト表面に金
属軟磁性膜を被着して形成された第1の磁気コア半体と
第2の磁気コア半体を対向せしめてギャップを有する磁
気回路を構成するMIGタイプのリング型磁気ヘッド
で、第2の磁気コア半体のギャップ形成面に被着した金
属軟磁性膜の平均膜厚が、第1の磁気コア半体のギャッ
プ形成面に被着した金属軟磁性膜の平均膜厚よりも大き
いリング型磁気ヘッドについて詳述する。
【0038】上記第1の構成を有するMIGタイプのリ
ング型磁気ヘッドの一例を図1に示す。図1(a)は、
リング型磁気ヘッドの媒体摺動面、図1(b)はギャッ
プ長さ方向7におけるコア断面の構成例を示す図であ
る。本発明の構成に従えば、記録過程において第1の磁
気コア半体をリーディング側、第2の磁気コア半体をト
レイリング側として使用することになる。ここで、第1
の磁気コア半体1および第2の磁気コア半体2のギャッ
プ形成面に被着した金属軟磁性膜3a、3bの膜厚は、
ヘッドのギャップ長さ方向7において測定されるものと
し、図1(b)においてそれぞれda、dbで示されてい
る。ギャップ形成面に被着した金属軟磁性膜の平均膜厚
は、daあるいはdbのギャップ幅方向8における平均値
で示される。図に示されるように、第2の磁気コア半体
のギャップ形成面に被着した金属軟磁性膜の平均膜厚
が、第1の磁気コア半体のギャップ形成面に被着した金
属軟磁性膜の平均膜厚よりも大きい構成により、記録磁
界がヘッドギャップの中心線に対して非対称で、トレイ
リングエッジ側でより急峻な勾配を有する本発明のリン
グ型磁気ヘッドが得られる。
【0039】図1の構成においては、第1の磁気コア半
体に被着した金属軟磁性膜3a(飽和磁束密度がBsa
する)と、第2の磁気コア半体に被着した金属軟磁性膜
3b(飽和磁束密度がBsbとする)各々を異種の磁性材
料により構成し、Bsb>Bsaなる関係を満足すれば、記
録磁界が非対称性を増し、トレイリングエッジ側磁界勾
配が大きくなるためさらに好ましい。
【0040】ここで、高保磁力を有する高配向斜め異方
性媒体に対して十分な記録能力を実現して本発明の効果
を発揮するためには、リーディングエッジ側の記録磁界
が、媒体に対して十分な磁化反転能力を有することが必
要である。従って、既述のような磁化容易軸方向の保磁
力が80kA/m以上という高保磁力の斜め異方性媒体に記録
を行う場合には、リーディング側となる第1の磁気コア
半体に被着した金属軟磁性膜3aの飽和磁束密度Bsa
少なくとも0.8T以上である方が好ましい。Bsaが0.8Tよ
りも小さい場合には、リーディング側の記録磁界が十分
に媒体を磁化反転できないため、本発明の効果が得られ
にくい。あるいは、非常に大きな励磁電流を必要とする
ため、装置の消費電力の点からも好ましくはない。また
saが0.8Tよりも大きい場合でも、第1の磁気コア半体
に被着した金属軟磁性膜3aの平均膜厚が小さくなるほ
ど、磁化反転能力が低下して本発明の効果が得られ難く
なる。本発明者らの検討によれば、十分な磁化反転能力
を得るためには、第1の磁気コア半体に被着した金属軟
磁性膜3aの平均膜厚を、少なくとも1.5μm以上とする
ことが必要である。
【0041】以上の観点から好ましくない構成例とし
て、例えば次の様な構成例が挙げられる。すなわちMI
Gタイプヘッドの構成においては、第2の磁気コア半体
のギャップ形成面にのみ高飽和磁束密度を有する金属軟
磁性膜を形成し、第2の磁気コア半体のギャップ形成面
をフェライトのまま構成すれば、記録磁界がヘッドギャ
ップの中心線に対して非対称で、トレイリングエッジ側
でより急峻な勾配を有するリング型磁気ヘッドをもっと
も単純に実現できる。しかしながらこの場合には、リー
ディングエッジを構成するフェライトの飽和磁束密度が
約0.5Tと小さいため、リーディング側磁界による磁化反
転能力に欠け、上述の観点から本発明の効果は殆ど得ら
れない。
【0042】さて本発明の記録機構を実現するために
は、記録磁界がギャップ中心線に対して非対称となり、
トレイリング側でより急峻な勾配を有することが必要で
ある。この観点から、第2の磁気コア半体に被着した金
属軟磁性膜3bの飽和磁束密度Bsbが、第1の磁気コア
半体の金属軟磁性膜3aの飽和磁束密度Bsaと同等程度
の場合、上記の非対称な記録磁界を実現して本発明の効
果を十分に得るためには、トレイリング側となる第2の
磁気コア半体のギャップ形成面に被着した金属軟磁性膜
3bの平均膜厚を、第1の磁気コア半体のギャップ形成
面に被着した金属軟磁性膜3aの平均膜厚の2倍よりも
大きくする必要がある。金属軟磁性膜3bの平均膜厚が
金属軟磁性膜3aの平均膜厚の2倍以下である場合に
は、記録磁界の非対称性が不十分となり、本発明の効果
は得られにくい。既述したように金属軟磁性膜3aの平
均膜厚が1.5μm以上必要であるので、金属軟磁性膜3b
の平均膜厚は最低でも3μm以上必要となる。一方、金属
軟磁性膜3bの平均膜厚を大きくし過ぎると渦電流によ
る高周波損失を生じるので、ヘッドの構成やヘッドの搭
載される磁気記録再生装置の使用周波数帯域を考慮し
て、最適な膜厚を得ることが重要である。
【0043】さらに上記構成において、第2の磁気コア
半体に被着した金属軟磁性膜3bの飽和磁束密度Bsb
第1の磁気コア半体の金属軟磁性膜3aの飽和磁束密度
saよりも大きくする場合、記録磁界の非対称性を増し
て本発明の記録機構による効果をより顕著に得るために
は、BsbをBsaの1.2倍以上に大きくすることが好まし
い。BsbがBsaの1.2倍よりも小さい場合には、記録磁
界の非対称性を増す効果は得られ難く、これによる記録
再生特性の向上は認められにくい。
【0044】ヘッドのギャップ長も、記録磁界の非対称
性を増して本発明の記録機構による効果をより顕著に得
る要素となり得る。ギャップ長が小さくなるほど、本発
明の構成によって記録磁界の非対称性が大きく得られ、
さらに好ましい記録再生特性が得られる。本発明者らの
検討によれば、特にギャップ長が0.22μm以下の領域
で、従来構成のヘッドに対する出力差が顕著に増加する
ことが確認されている。今後、磁気記録再生装置は高記
録密度化が進み、最短記録波長が0.5μm以下であるもの
が主流となることが予測される。従って再生ギャップ損
失の観点からもギャップ長を小さく、好ましくは0.22μ
m以下に構成することが好ましい。
【0045】以上の内容は、例えば後述する本発明の磁
気記録再生装置やドラムテスタを用いた記録再生特性の
測定結果から、実験的に確認することができる。
【0046】飽和磁束密度が0.8T以上の金属軟磁性膜と
しては、例えばCo系非晶質合金膜やセンダスト膜が適
している。また、飽和磁束密度が1.3Tを越えるCo系超
構造窒化合金膜や、飽和磁束密度が1.5Tを越えるFe系
微結晶膜など、さらに飽和磁束密度の高い金属軟磁性膜
を用いてもよい。
【0047】第2の磁気コア半体に被着した金属軟磁性
膜3bの飽和磁束密度Bsbを第1の磁気コア半体の金属
軟磁性膜3aの飽和磁束密度Bsaよりも大きくする構成
を同時に実現する場合には、例えば第1の磁気コア半体
の金属軟磁性膜3aに飽和磁束密度1T程度のCo系非晶
質合金膜やセンダスト膜などを用い、第2の磁気コア半
体に被着した金属軟磁性膜3bに飽和磁束密度のさらに
高いCo系超構造窒化膜やFe系微結晶膜などを用いれ
ば、BsbがBsaの1.2倍以上に大きい構成を実現するこ
とができる。
【0048】図1に示すヘッドを、特にVTR等の磁気
記録再生装置において使用する場合には、隣接トラック
のクロストークの影響を低減するためにアジマス角10
を設けても良い。アジマス角10の形成によりギャップ
6はヘッドと媒体との相対移動の方向に対して傾斜した
方向に形成される。従って、アジマス角は、VTRにお
ける回転ヘッドの磁気テープ長さ方向に対する走査角と
同様に、リング型磁気ヘッドのリーディングエッジ近傍
の記録磁界の傾斜方向と斜め異方性媒体の磁化容易軸の
傾斜方向とを厳密には一致させない要因となる。しかし
ながら、実用的な範囲内でアジマス角を設けても、概
略、リーディングエッジ近傍の記録磁界の傾斜方向が媒
体の磁化容易軸の傾斜方向に近く、逆にトレイリングエ
ッジ近傍の記録磁界の傾斜方向が媒体の困難軸方向に近
い構成であれば、十分に本発明の記録機構を実現して記
録再生特性を改善することができる。
【0049】図2および図3は、図1と同様に強磁性フ
ェライト表面に金属軟磁性膜を被着して形成された第1
の磁気コア半体と第2の磁気コア半体を対向せしめてギ
ャップを有する磁気回路を構成するMIGタイプのリン
グ型磁気ヘッドで、第2の磁気コア半体のギャップ形成
面に被着した金属軟磁性膜の平均膜厚が、第1の磁気コ
ア半体のギャップ形成面に被着した金属軟磁性膜の平均
膜厚よりも大きいリング型磁気ヘッドについて、図1と
は異なる構成例を示したものである。各々(a)は、リ
ング型磁気ヘッドの媒体摺動面、(b)はギャップ長さ
方向7におけるコア断面の構成例を示す。金属軟磁性膜
3a、3bとフェライト4との界面を図2あるいは図3
の様にギャップ6非平行に形成することにより、同界面
に存在する非磁性部により形成される疑似ギャップから
の再生信号によるノイズを低減できることが知られてい
る。図2および図3に示す構成においても、第1の磁気
コア半体に被着した金属軟磁性膜3aの平均膜厚を1.5
μm以上とし、かつ第2の磁気コア半体に被着した金属
軟磁性膜3bの平均膜厚を第1の磁気コア半体に被着し
た金属軟磁性膜3aの平均膜厚の2倍よりも大きくする
ことにより、図1の構成と同様に本発明の効果が得られ
る。また、BsbをBsaの1.2倍以上に大きくすることに
よる記録磁界の非対称性を増す効果も、図1の構成と同
様に得ることができる。
【0050】(リング型磁気ヘッドの第2の構成例)次
に第2の構成として、強磁性材料よりなる第1の磁気コ
ア半体と第2の磁気コア半体を対向せしめてギャップを
有する磁気回路を構成するリング型磁気ヘッドで、第1
の磁気コア半体のギャップ形成面およびその近傍を構成
する磁性材料の飽和磁束密度が第2の磁気コア半体のギ
ャップ形成面およびその近傍を構成する磁性材料の飽和
磁束密度よりも小さく、かつ第1の磁気コア半体のギャ
ップ形成面の磁路断面積が第2の磁気コア半体のギャッ
プ形成面の磁路断面積よりも小さいリング型磁気ヘッド
について詳述する。
【0051】上記第2の構成を有する積層タイプのリン
グ型磁気ヘッドの一例を図4および図5に示す。図4お
よび図5は、各々(a)図がリング型磁気ヘッドの媒体
摺動面、(b)図がヘッドと媒体の相対移動方向14に
おけるコア断面の構成例を示す図である。本発明の構成
に従えば、記録過程において第1の磁気コア半体をリー
ディング側、第2の磁気コア半体をトレイリング側とし
て使用することになる。ここで、図2および図3の
(b)図にはギャップ深さdgが示されている。一般に
リング型磁気ヘッドは、第1の磁気コア半体のギャップ
形成面のギャップ幅方向8の長さと、第2の磁気コア半
体のギャップ形成面のギャップ幅方向8の長さはほぼ同
等となるよう作製される。このような場合、第1の磁気
コア半体のギャップ形成面の磁路断面積が第2の磁気コ
ア半体のギャップ形成面の磁路断面積よりも小さいとい
うことは、ギャップ深さdgが第1の磁気コア半体1の
ギャップ形成面における磁路断面形状によって決定され
るものと理解してよい。
【0052】このような構成は、図4に示すように第1
の磁気コア半体にのみ巻線窓11を設ける構成とすれば
最も単純に実現される。また巻線窓11が両磁気コア半
体に設けられる構成においても、図5に示すように第1
の磁気コア半体のギャップ形成面の磁路断面積が第2の
磁気コア半体のギャップ形成面の磁路断面積よりも小さ
い構成を実現できる。
【0053】作用の項に既述したように、第1の磁気コ
ア半体のギャップ形成面の磁路断面積が第2の磁気コア
半体のギャップ形成面の磁路断面積よりも小さいという
特徴だけでは、ギャップ中心線に対してトレイリング側
でより急峻な非対称磁界を得る効果が十分ではない。本
発明の第2の構成のリング型磁気ヘッドは、第2の磁気
コア半体のギャップ形成面およびその近傍を構成する磁
性材料の飽和磁束密度Bsbを第1の磁気コア半体のギャ
ップ形成面およびその近傍を構成する磁性材料の飽和磁
束密度Bsaよりも大きくする構成に、第1の磁気コア半
体のギャップ形成面の磁路断面積が第2の磁気コア半体
のギャップ形成面の磁路断面積よりも小さい構成を同時
に実現することにより、本発明の記録機構による記録再
生特性向上効果を高めたものである。
【0054】これにより、BsbをBsaよりも大きくした
だけの構成のヘッドと比べて、特に高線記録密度領域の
再生出力が増加するほか、最適記録電流を低減する効果
も得られ、磁気記録再生装置の低消費電力化に寄与する
ことができる。例えば、既述の斜め異方性蒸着テープに
記録再生を行った結果によれば、記録波長0.5μmにおい
て最大出力を得る最適起磁力は、BsbをBsaよりも大き
くしただけの構成のMIGタイプヘッドでは約0.4ATp-p
であったのに対し、第2のヘッド構成を同時に実現した
ヘッドでは、図6および図7に示す磁気コア構成によ
り、0.3から0.35ATp-p程度以下という小さい値が得られ
ている。
【0055】第1のヘッド構成と同様に第2のヘッド構
成においても、リーディング側ヘッド磁界による磁化反
転能力を十分に得るためには、Bsaは0.8T以上を必要と
する。またBsbとBsaに差を設ける際にも、記録磁界の
非対称性を十分に得るためには、第1のヘッド構成に応
用した場合と同様に、BsbをBsaの1.2倍以上に大きく
し、ギャップ長は0.22μm以下とすることが好ましい。
【0056】第1の磁気コア半体および第2の磁気コア
半体のギャップ形成面およびその近傍を構成する磁性材
料については、第1のヘッド構成と同様にCo系非晶質
膜、センダスト膜、Co系超構造窒化合金膜、Fe系微
結晶膜などの金属軟磁性膜を用いればよい。
【0057】第2のヘッド構成は、積層タイプのリング
型磁気ヘッドだけでなく、例えば図6および図7に示す
ように、MIGタイプのリング型磁気ヘッドにおいても
同様に実現することができる。この場合には第1のヘッ
ド構成における、第2の磁気コア半体のギャップ形成面
に被着した金属軟磁性膜の平均膜厚が第1の磁気コア半
体のギャップ形成面に被着した金属軟磁性膜の平均膜厚
よりも大きい構成をも同時に実現することにより、記録
磁界が非対称性を増し、トレイリングエッジ側磁界勾配
が大きくなるためさらに好ましい記録再生特性が得られ
る。
【0058】(リング型磁気ヘッドの第3の構成例)次
に第3の構成として、強磁性材料よりなる第1の磁気コ
ア半体と第2の磁気コア半体を対向せしめてギャップを
有する磁気回路を構成するリング型磁気ヘッドで、第1
の磁気コア半体のギャップ形成面およびその近傍を構成
する磁性材料と第2の磁気コア半体のギャップ形成面お
よびその近傍を構成する磁性材料とが複数の同じ元素を
主成分として構成されるか、あるいは第1の磁気コア半
体のギャップ形成面およびその近傍を形成する磁性材料
が第2の磁気コア半体のギャップ形成面およびその近傍
を形成する磁性材料を構成する元素にB、C、N、Oよ
り選ばれる少なくとも1つの元素を付加した組成で構成
され、かつ第1の磁気コア半体のギャップ形成面および
その近傍を構成する磁性材料の飽和磁束密度が第2の磁
気コア半体のギャップ形成面およびその近傍を構成する
磁性材料の飽和磁束密度よりも小さいリング型磁気ヘッ
ドについて詳述する。
【0059】本発明では、トレイリングエッジ側におけ
る磁界勾配が大きい、ギャップ中心線に対して非対称な
記録磁界を発生する磁気ヘッドを実現する一手法とし
て、第2の磁気コア半体のギャップ形成面およびその近
傍を構成する磁性材料の飽和磁束密度Bsbが第1の磁気
コア半体のギャップ形成面およびその近傍を構成する磁
性材料の飽和磁束密度Bsaよりも大きい構成を提案して
いる。しかしながら、上記構成を実現するために、第1
の磁気コア半体のギャップ形成面およびその近傍を構成
する磁性材料と第2の磁気コア半体のギャップ形成面お
よびその近傍を構成する磁性材料とを異種の金属軟磁性
膜で構成する場合には、生産性の観点から不利益を生じ
る場合が多い。例えば、第1の磁気コア半体における金
属軟磁性膜3aと第2の磁気コア半体における金属軟磁
性膜3bが異種元素を主成分とするものである場合に
は、まったく異なる製造装置あるいは製造条件を必要と
する場合がある。さらに、異種の金属軟磁性膜同じ装置
で製造すると、互いの構成元素が不純物として混入し、
磁気特性の劣化を生じる原因にもなり得る。
【0060】第3のヘッド構成は上記の生産性低下を防
ぐ構成として、第1の磁気コア側の金属軟磁性膜と第2
のコア側の金属軟磁性膜を同じ種類の元素を主成分とし
て構成し、かつ両者の組成比を異ならしめることによっ
て、両者の飽和磁束密度に差を設けることを提案するも
のである。
【0061】このような構成に適した金属軟磁性膜とし
ては、例えば反応スパッタ法により作製されるFe系お
よびCo系の窒化膜あるいは酸化膜などがある。代表的
なものとして例えばFe系の窒化物微結晶膜では、スパ
ッタ時の窒素分厚を良好な軟磁気特性の得られる領域で
変化させるといった簡単な操作により、飽和磁束密度を
およそ1Tから1.6Tの範囲に変化させることが可能であ
る。この範囲から、飽和磁束密度の高い膜を第2の磁気
コア側に、飽和磁束密度の低い膜を第1の磁気コア側に
それぞれ配して構成すればよい。この場合、主成分とな
る元素が同じで組成比のみが異なる。従って第1の磁気
コア半体と第2の磁気コア半体を同一の装置で製造した
場合においても、不純物等の混入による磁気特性への悪
影響なども少ない。例えばセンダストおよびFe系窒化
物微結晶膜という異種膜を、各々第1および第2の磁気
コアに配した構成に比べて、非常に単純で、再現性およ
び生産性に優れた製造プロセスを提供できる。
【0062】また、第1の磁気コア半体のギャップ形成
面およびその近傍を形成する磁性材料を、第2の磁気コ
ア半体のギャップ形成面およびその近傍を形成する磁性
材料を構成する元素にB、C、N、Oより選ばれる少な
くとも1つの元素を付加した組成で構成して、第1の磁
気コア半体のギャップ形成面およびその近傍を構成する
磁性材料の飽和磁束密度が第2の磁気コア半体のギャッ
プ形成面およびその近傍を構成する磁性材料の飽和磁束
密度よりも小さくしてもよい。
【0063】これらの元素はスパッタ法において、第1
の磁気コア側の金属軟磁性膜に容易に添加することがで
き、良好な軟磁気特性を維持したまま、飽和磁束密度を
第2の磁気コア側の金属軟磁性膜の飽和磁束密度よりも
小さくすることができる。またこれらの元素の添加量は
微量でよいので、第1の磁気コア側の金属軟磁性膜と第
2のコア側の金属軟磁性膜の主成分を大きく異ならしめ
る必要はない。従って、第1の磁気コア半体と第2の磁
気コア半体を同一の装置で製造した場合においても不純
物等の混入は比較的少なく、単純で、再現性および生産
性に優れた製造プロセスを提供できる。
【0064】上記の構成は、磁気ヘッド用材料に適した
軟磁気特性を有する様々なFe系、Co系の金属軟磁性
膜に幅広く適用することができる。例えば、既にB、
C、N、Oより選ばれる少なくとも1つの元素を含有す
る金属軟磁性膜を基にしてもよい。このような場合に
は、この金属軟磁性膜によって第2の磁気コア側のギャ
ップ近傍を構成する。さらにこの金属軟磁性膜に含有さ
れない元素をB、C、N、Oより選んで添加した組成を
有する金属軟磁性膜により、第1の磁気コア側のギャッ
プ近傍を構成すればよい。
【0065】第3のヘッド構成を実現するためには、第
1の磁気コア側の金属軟磁性膜、第2の磁気コア側の金
属軟磁性膜ともに飽和磁束密度の異なる複数種類の膜よ
りなる多層膜により構成し、両磁気コアにおける構成比
を異ならしめることにより、両磁気コアにおける金属軟
磁性膜の飽和磁束密度に差異を設ける方法もある。この
ようなヘッドの構成例を図8および図9に示す。図8お
よび図9はリング型磁気ヘッドの媒体摺動面の構成例を
示す図であり、図1から図7と同様にギャップ6より右
側を第1の磁気コア半体、左側を第2の磁気コア半体と
して示している。図8が積層タイプヘッドの構成例を、
図9がMIGタイプヘッドの構成例を示したものであ
る。
【0066】例えば図8、図9に示す例では、第1の磁
気コア半体および第2の磁気コア半体ともにギャップ形
成面およびその近傍が、3層の金属軟磁性膜3bおよび
2層の金属軟磁性膜3aの計5層よりなる積層膜により
構成されている。ここで、金属軟磁性膜3bの飽和磁束
密度Bsbが、金属軟磁性膜3aの飽和磁束密度Bsaより
も大きいものとする。この場合、第2の磁気コア側にお
ける金属軟磁性膜3bの金属軟磁性膜3aに対する層厚
比を、第1の磁気コア側における層厚比よりも大きくす
ることにより、第2の磁気コア側における金属軟磁性膜
の飽和磁束密度を第1の磁気コア側における金属軟磁性
膜の飽和磁束密度よりも大きくすることができる。
【0067】図8および図9の構成における金属軟磁性
膜にも、例えば反応スパッタ法により作製されるFe系
およびCo系の窒化膜あるいは酸化膜などが適してい
る。これらの膜では、製膜中の窒素あるいは酸素分厚を
一定周期で変化させることにより、飽和磁束密度の異な
る金属軟磁性膜3a、3bの積層膜を容易に作製するこ
とができる。
【0068】金属軟磁性膜3aおよび3bはまったく異
なる組成を有するものでもよいが、生産性の観点から
は、上記のように同一の元素を主成分とした方が好まし
い。
【0069】また、特に金属軟磁性膜3aおよび3bは
まったく異なる組成を有する場合には、金属軟磁性膜3
aおよび3b間に仕事関数の差異に起因する電池効果を
生じ、十分な耐食性を確保できない場合がある。このよ
うな場合には、製膜後の加熱処理などにより、金属軟磁
性膜3aおよび3b間の界面を不明瞭にする、あるいは
金属軟磁性膜3aおよび3b間の組成比を均一化せしめ
るという手法をとることもできる。
【0070】図8、図9には、金属軟磁性膜が2種類の
膜を積層した構成を有する場合を示したが、金属軟磁性
膜が3種類以上の膜を積層した構成であってもよい。ま
た、積層数についても図8、図9に示した5層に限られ
たものではない。例えば、第1のコア側と第2のコア側
で異なる積層数を有する構成でも、同様に本発明の効果
を得ることができる。
【0071】さらに第3のヘッド構成は、第1の磁気コ
ア側の金属軟磁性膜、第2の磁気コア側の金属軟磁性膜
ともに金属軟磁性膜と非磁性絶縁膜との積層構造により
構成し、両磁気コアにおける金属軟磁性膜と非磁性絶縁
膜との構成比を異ならしめることにより、両磁気コアに
おける金属軟磁性膜の飽和磁束密度に差異を設ける構成
によっても実現できる。このようなヘッドの構成例を図
10および図11に示す。図10および図11はリング
型磁気ヘッドの媒体摺動面の構成例を示す図であり、図
1から図7と同様にギャップ6より右側を第1の磁気コ
ア半体、左側を第2の磁気コア半体として示している。
図10が積層タイプヘッドの構成例を、図11がMIG
タイプヘッドの構成例を示したものである。
【0072】例えば図10に示す例では、第1の磁気コ
ア側に非磁性絶縁膜13が5層であるのに対し、第2の
磁気コア側には2層しか存在しない。同様に図11に示
す例では、第1の磁気コア側に非磁性絶縁膜13が4層
であるのに対し、第2の磁気コア側には2層しか存在し
ない。すなわち第2の磁気コア側における金属軟磁性膜
3の非磁性絶縁膜13に対する構成比を、第1の磁気コ
ア側における構成比よりも大きくすることにより、第2
の磁気コア側のギャップ形成面およびその近傍における
飽和磁束密度を第1の磁気コア側における飽和磁束密度
よりも大きくすることができる。
【0073】上記の構成では、例えばスパッタ中のガス
分圧を一定周期で変化させるといった単純な製造方法を
用いることはできない。しかし例えば、真空容器内に金
属軟磁性膜と非磁性絶縁膜の2種類のターゲットを準備
し、これを交互にスパッタするという手法を用いれば、
金属軟磁性膜3aおよび3bがまったく異なる組成を有
する構成と比べれば、はるかに単純で再現性および生産
性に優れる。
【0074】また非磁性絶縁膜13の存在は、金属軟磁
性膜3における渦電流損失を低減するのにも有効であ
る。例えば既述した第1のヘッド構成では、第2の磁気
コア側の金属軟磁性膜3bの平均膜厚を第1の磁気コア
側の金属軟磁性膜3aの平均膜厚の2倍よりも大きくす
る必要があるが、金属軟磁性膜3bの平均膜厚を大きく
し過ぎると渦電流による高周波損失を生じてしまう。し
かしながら、図1に示したような第1のヘッド構成に図
11の構成を同時に実現すれば、金属軟磁性膜3bの平
均膜厚を十分に大きくしても渦電流による高周波損失を
小さくすることができるので、非対称な記録磁界を得る
余地が大きい。さらに図11の構成では、第2の磁気コ
ア側のギャップ形成面およびその近傍における飽和磁束
密度を第1の磁気コア側における飽和磁束密度よりも大
きくすることにより、記録磁界の非対称性を増す効果も
得られるのでさらに好ましい。
【0075】一方、非磁性絶縁膜13の構成比を大きく
する程、ギャップ形成面およびその近傍における飽和磁
束密度が低下する。特に、第1の磁気コア側のギャップ
形成面およびその近傍における飽和磁束密度は、0.8Tよ
りも小さくならないよう注意する必要がある。また図1
0に示した積層タイプのヘッドでは、非磁性絶縁膜13
の膜厚が大きい場合、トラック幅方向において非磁性絶
縁膜13の存在する位置に信号の記録抜けを生じる場合
がある。これを防止するためにも非磁性絶縁膜13の膜
厚は、第1の磁気コア側と第2の磁気コア側に飽和磁束
密度の差異を生じ得る範囲において十分に小さくするこ
とが必要である。好ましくは数100nm程度以下とした方
がよい。あるいは製膜後の加熱処理などにより、金属軟
磁性膜3および非磁性絶縁膜13間の界面を不明瞭にす
る、さらには組成を均一化せしめるという手法をとって
もよい。ただしこの場合には、渦電流低減の効果は失わ
れてしまう可能性が高いので、ヘッドの搭載される磁気
記録再生装置の使用周波数帯域を考慮して、最適構成を
得ることが重要である。
【0076】(磁気記録再生装置の構成例)本実施例に
おける磁気記録再生装置は、上記3つの構成の少なくと
も1つの構成を有するリング型磁気ヘッドを、第1の磁
気コア半体をリーディング側として市販のVTRの回転
シリンダに搭載することにより構成され、その基本構成
は、図12に示したとうりである。
【0077】本来、本発明の効果を得るためには、記録
過程において第1の磁気コア半体をリーディング側とす
ることが必要となることは明かであり、再生過程におい
ては第2の磁気コア半体をリーディング側としても差し
支えない。しかし本実施例の磁気記録再生装置では、改
造を加えた市販VTRの元々の構成により、記録過程お
よび再生過程ともに第1の磁気コア半体をリーディング
側とする構成で用いている。
【0078】また、市販VTRの規格を越える高線記録
密度領域で記録再生実験を行うため、記録アンプ、再生
アンプ等にも若干の改造を加えている。
【0079】なお、本磁気記録再生装置におけるリング
型磁気ヘッドと磁気記録媒体の相対移動の向きは、既述
した蒸着テープを市販のカセットに挿入する際のテープ
の向きにより設定することが出来る。蒸着テープは、記
録時におけるリング型磁気ヘッドと蒸着テープの相対移
動方向を含む蒸着テープ磁性層の法面内において、リン
グ型磁気ヘッドのリーディングエッジ近傍の記録磁界と
蒸着テープの磁化容易軸とが蒸着テープ磁性層の膜法線
に対して同じ側に傾斜している本発明の構成となるよう
にカセットに挿入した。
【0080】上記の磁気記録再生装置により、本実施例
に既述した斜め異方性蒸着テープの記録再生特性の測定
を行ったところ、上述した本発明の構成を有するリング
型磁気ヘッドを用いて優れた特性を得ることが確認され
た。
【0081】例えば、市販VTRに搭載されていたセン
ダストを金属軟磁性膜として用いたMIGタイプヘッド
と比較すると、これと同等のギャップ長0.2μmを有する
本発明の第1から第3の構成を有する磁気ヘッドを搭載
した場合には、記録波長0.5μmにおいて1.5dBから3dB、
記録波長0.25μmにおいては2.5dBから6dB程度も高い規
格化再生出力が得られた。一方ノイズに関しては、従来
構成のヘッドと同等以下の値が得られた。本発明の構成
は、磁化転移幅の減少に起因する記録過程における特性
改善である。従って、基本的には再生出力は増加しても
媒体ノイズを増加させるとは考えにくい。むしろ、媒体
ノイズが磁化転移領域における磁壁形状の不均一性に起
因しているような場合には、磁化転移幅の減少によりノ
イズを低下させる効果があるものと考えられる。従っ
て、本発明において再生出力を増加させる効果は、その
まま磁気記録再生装置におけるS/N向上に反映される
ものである。
【0082】以上に述べた本実施例では、磁気記録媒体
としてCoとOを主成分とする磁性層を有する蒸着テー
プを用いたが、本発明の効果は、磁性層の組成によって
制限を受けるものではなく、高配向な斜め異方性媒体が
実現される限り、種々の組成で構成された磁気記録媒体
を用いることができる。
【0083】また本実施例では、VTR形態の磁気記録
再生装置について例を示したが、本発明はこれに限られ
たものでなく、磁気カード、磁気ディスクなど種々の形
態の磁気記録媒体を用いる磁気記録再生装置に対して有
用である。
【0084】また、搭載されるヘッドの構成材料につい
ても、本実施例において示した材料に限られるものでは
なく、本発明のリング型磁気ヘッドの構成を実現する限
りにおいて多種多様の材料を応用することができる。
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、斜め異方性磁気記録媒
体の記録に適した記録磁界分布を有するリング型磁気ヘ
ッドを提供することができる。これにより、特に高線記
録密度領域における記録再生特性を顕著に向上すること
ができ、従来よりも高密度記録の可能な磁気記録再生装
置を実現することができる。すなわち本発明の構成によ
り、従来よりもさらに小型で大容量の磁気記録再生装置
を提供することができる。
【0086】また本発明によれば、最適記録電流の低減
により、磁気記録再生装置の低消費電力化を図ることも
できる。
【0087】さらに本発明によれば、非常に単純かつ再
現性および生産性に優れた製造プロセスによって製造さ
れるリング型磁気ヘッドにおいて、上記斜め異方性磁気
記録媒体の記録に適した記録磁界分布を実現することが
できる。すなわち、本発明のリング型磁気ヘッドは、そ
の効果を得るために生産性を犠牲にするものではなく、
従来のリング型磁気ヘッドと同等に、安価に提供するこ
とも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気ヘッドの構成例を示す図 (a)は磁気ヘッドの媒体摺動面を示す図 (b)はギャップ長さ方向におけるコア断面を示す図
【図2】本発明の磁気ヘッドの構成例を示す図 (a)は磁気ヘッドの媒体摺動面を示す図 (b)はギャップ長さ方向におけるコア断面を示す図
【図3】本発明の磁気ヘッドの構成例を示す図 (a)は磁気ヘッドの媒体摺動面を示す図 (b)はギャップ長さ方向におけるコア断面を示す図
【図4】本発明の磁気ヘッドの構成例を示す図 (a)は磁気ヘッドの媒体摺動面を示す図 (b)は媒体との相対移動方向におけるコア断面を示す
【図5】本発明の磁気ヘッドの構成例を示す図 (a)は磁気ヘッドの媒体摺動面を示す図 (b)は媒体との相対移動方向におけるコア断面を示す
【図6】本発明の磁気ヘッドの構成例を示す図 (a)は磁気ヘッドの媒体摺動面を示す図 (b)は媒体との相対移動方向におけるコア断面を示す
【図7】本発明の磁気ヘッドの構成例を示す図 (a)は磁気ヘッドの媒体摺動面を示す図 (b)は媒体との相対移動方向におけるコア断面を示す
【図8】本発明の磁気ヘッドの媒体摺動面の構成例を示
す図
【図9】本発明の磁気ヘッドの媒体摺動面の構成例を示
す図
【図10】本発明の磁気ヘッドの媒体摺動面の構成例を
示す図
【図11】本発明の磁気ヘッドの媒体摺動面の構成例を
示す図
【図12】本発明の磁気記録再生装置の構成例を示す図
【図13】斜め異方性を有する蒸着テープを製造するた
めの真空蒸着装置内部の構成例を示す図
【符号の説明】
1 第1の磁気コア半体 2 第2の磁気コア半体 3、3a、3b 金属軟磁性膜 4 フェライト 5 ガラス材 6 ギャップ 7 ギャップ長さ方向 8 ギャップ幅方向 9 トラック幅方向 10 アジマス角 11 巻線窓 12 非磁性基板 13 非磁性絶縁膜 14 ヘッドと媒体の相対移動方向 15 リーディングエッジ 16 トレイリングエッジ 17 ギャップ中心線 18 記録磁界 19 ヘッドの媒体に対する相対移動の向き 20 磁性層 21 基板 22 磁化容易軸 23 膜法線 24 記録磁化 25 磁化転移領域 26 磁化転移間領域 27 円筒状キャン 28 基板走行方向 29 供給ロール 30 巻き取りロール 31A、31B 遮蔽板 32 酸素導入口 33 蒸発源 34 蒸発原子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 越後 紀康 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−89806(JP,A) 特開 昭63−271703(JP,A) 特開 平2−193307(JP,A) 特開 平6−195628(JP,A) 特開 平2−223006(JP,A) 特開 昭63−81609(JP,A) 特開 昭60−201512(JP,A) 特開 昭60−57512(JP,A) 特開 平5−20603(JP,A) 特開 昭62−36702(JP,A) 特開 平4−351701(JP,A) 特開 平3−288301(JP,A) 特開 平4−251406(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/00 - 5/02 G11B 5/127 - 5/255 G11B 5/62 - 5/82

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強磁性フェライト表面に金属軟磁性膜を
    被着して形成された第1の磁気コア半体と第2の磁気コ
    ア半体を対向せしめてギャップを有する磁気回路を構成
    するメタルインギャップタイプのリング型磁気ヘッド
    で、第1の磁気コア半体のギャップ形成面に被着した金
    属軟磁性膜の平均膜厚が1.5μm以上であり、かつ第2の
    磁気コア半体のギャップ形成面に被着した金属軟磁性膜
    の平均膜厚が、第1の磁気コア半体のギャップ形成面に
    被着した金属軟磁性膜の平均膜厚の2倍よりも大きく、
    かつ、前記第1の磁気コア半体のギャップ形成面に被着
    した金属軟磁性膜の飽和磁束密度が前記第2の磁気コア
    半体のギャップ形成面に被着した金属軟磁性膜の飽和磁
    束密度よりも小さいことを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 強磁性材料よりなる第1の磁気コア半体
    と第2の磁気コア半体を対向せしめてギャップを有する
    磁気回路を構成するリング型磁気ヘッドで、第1の磁気
    コア半体のギャップ形成面およびその近傍を構成する磁
    性材料と第2の磁気コア半体のギャップ形成面およびそ
    の近傍を構成する磁性材料とが複数の同じ元素を主成分
    として構成され、かつ第1の磁気コア半体のギャップ形
    成面およびその近傍を構成する磁性材料の飽和磁束密度
    が第2の磁気コア半体のギャップ形成面およびその近傍
    を構成する磁性材料の飽和磁束密度よりも小さく、か
    つ、前記第1の磁気コア半体および前記第2の磁気コア
    半体のギャップ形成面およびその近傍を形成する磁性材
    料が軟磁性膜と非磁性絶縁膜とを積層した構成を有し、
    かつ第1の磁気コア半体のギャップ形成面およびその近
    傍を形成する磁性材料における軟磁性膜の総積層厚に対
    する非磁性絶縁膜の総積層厚の比が第2の磁気コア半体
    のギャップ形成面およびその近傍を形成する磁性材料に
    おける軟磁性膜の総積層厚に対する非磁性絶縁膜の総積
    層厚の比よりも小さいことを特徴とする磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 強磁性材料よりなる第1の磁気コア半体
    と第2の磁気コア半体を対向せしめてギャップを有する
    磁気回路を構成するリング型磁気ヘッドで、第1の磁気
    コア半体のギャップ形成面およびその近傍を形成する磁
    性材料が第2の磁気コア半体のギャップ形成面およびそ
    の近傍を形成する磁性材料を構成する元素にB、C、
    N、Oより選ばれる少なくとも1つの元素を付加した組
    成で構成され、かつ第1の磁気コア半体のギャップ形成
    面およびその近傍を形成する磁性材料の飽和磁束密度が
    第2の磁気コア半体のギャップ形成面およびその近傍を
    形成する磁性材料の飽和磁束密度よりも小さいことを特
    徴とする磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 磁化容易軸が磁性層の膜法線に対して傾
    斜している磁気記録媒体に、 強磁性フェライト表面に金属軟磁性膜を被着して形成さ
    れた第1の磁気コア半体と第2の磁気コア半体を対向せ
    しめてギャップを有する磁気回路を構成するメタルイン
    ギャップタイプのリング型磁気ヘッドで、第1の磁気コ
    ア半体のギャップ形成面に被着した金属軟磁性膜の平均
    膜厚が1.5μm以上であり、かつ第2の磁気コア半体のギ
    ャップ形成面に被着した金属軟磁性膜の平均膜厚が、第
    1の磁気コア半体のギャップ形成面に被着した金属軟磁
    性膜の平均膜厚の2倍よりも大きい 磁気ヘッドを用いて
    信号を記録する磁気記録再生装置であって、 記録過程における前記磁気ヘッドと前記磁気記録媒体の
    相対移動方向を含む磁気記録媒体磁性層の法面内におい
    て、磁気ヘッドのリーディングエッジ近傍の記録磁界と
    前記磁気記録媒体の磁化容易軸とが磁気記録媒体磁性層
    の膜法線に対して同じ側に傾斜しており、かつ記録過程
    における前記磁気ヘッドと前記磁気記録媒体の相対移動
    方向において、前記磁気ヘッドの第1の磁気コア半体が
    リーディング側、前記第2の磁気コア半体がトレイリン
    グ側となる構成を有することを特徴とする磁気記録再生
    装置。
  5. 【請求項5】 磁化容易軸が磁性層の膜法線に対して傾
    斜している磁気記録媒体に、 強磁性材料よりなる第1の磁気コア半体と第2の磁気コ
    ア半体を対向せしめてギャップを有する磁気回路を構成
    するリング型磁気ヘッドで、第1の磁気コア半体のギャ
    ップ形成面およびその近傍を構成する磁性材料の飽和磁
    束密度が第2の磁気コア半体のギャップ形成面およびそ
    の近傍を構成する磁性材料の飽和磁束密度よりも小さ
    く、かつ第1の磁気コア半体のギャップ形成面の磁路断
    面積が第2の磁気コア半体のギャップ形成面の磁路断面
    積よりも小さい 磁気ヘッドを用いて信号を記録する磁気
    記録再生装置であって、 記録過程における前記磁気ヘッドと前記磁気記録媒体の
    相対移動方向を含む磁気記録媒体磁性層の法面内におい
    て、磁気ヘッドのリーディングエッジ近傍の記録磁界と
    前記磁気記録媒体の磁化容易軸とが磁気記録媒体磁性層
    の膜法線に対して同じ側に傾斜しており、かつ記録過程
    における前記磁気ヘッドと前記磁気記録媒体の相対移動
    方向において、前記磁気ヘッドの第1の磁気コア半体が
    リーディング側、前記第2の磁気コア半体がトレイリン
    グ側となる構成を有することを特徴とする磁気記録再生
    装置。
  6. 【請求項6】 磁化容易軸が磁性層の膜法線に対して傾
    斜している磁気記録媒体に、 強磁性材料よりなる第1の磁気コア半体と第2の磁気コ
    ア半体を対向せしめてギャップを有する磁気回路を構成
    するリング型磁気ヘッドで、第1の磁気コア半体のギャ
    ップ形成面およびその近傍を構成する磁性材料と第2の
    磁気コア半体のギャップ形成面およびその近傍を構成す
    る磁性材料とが複数の同じ元素を主成分として構成さ
    れ、かつ第1の磁気コア半体のギャップ形成面およびそ
    の近傍を構成する磁性材料の飽和磁束密度が第2の磁気
    コア半体のギャップ形成面およびその近傍を構成する磁
    性材料の飽和磁束密度よりも小さい 磁気ヘッドを用いて
    信号を記録する磁気記録再生装置であって、 記録過程における前記磁気ヘッドと前記磁気記録媒体の
    相対移動方向を含む磁気記録媒体磁性層の法面内におい
    て、磁気ヘッドのリーディングエッジ近傍の記録磁界と
    前記磁気記録媒体の磁化容易軸とが磁気記録媒体磁性層
    の膜法線に対して同じ側に傾斜しており、かつ記録過程
    における前記磁気ヘッドと前記磁気記録媒体の相対移動
    方向において、前記磁気ヘッドの第1の磁気コア半体が
    リーディング側、前記第2の磁気コア半体がトレイリン
    グ側となる構成を有することを特徴とする磁気記録再生
    装置。
  7. 【請求項7】 磁化容易軸が磁性層の膜法線に対して傾
    斜している磁気記録媒体に、 強磁性材料よりなる第1の磁気コア半体と第2の磁気コ
    ア半体を対向せしめてギャップを有する磁気回路を構成
    するリング型磁気ヘッドで、第1の磁気コア半体のギャ
    ップ形成面およびその近傍を形成する磁性材料が第2の
    磁気コア半体のギャップ形成面およびその近傍を形成す
    る磁性材料を構成する元素にB、C、N 、Oより選ばれ
    る少なくとも1つの元素を付加した組成で構成され、か
    つ第1の磁気コア半体のギャップ形成面およびその近傍
    を形成する磁性材料の飽和磁束密度が第2の磁気コア半
    体のギャップ形成面およびその近傍を形成する磁性材料
    の飽和磁束密度よりも小さい磁気ヘッド を用いて信号を
    記録する磁気記録再生装置であって、 記録過程における前記磁気ヘッドと前記磁気記録媒体の
    相対移動方向を含む磁気記録媒体磁性層の法面内におい
    て、磁気ヘッドのリーディングエッジ近傍の記録磁界と
    前記磁気記録媒体の磁化容易軸とが磁気記録媒体磁性層
    の膜法線に対して同じ側に傾斜しており、かつ記録過程
    における前記磁気ヘッドと前記磁気記録媒体の相対移動
    方向において、前記磁気ヘッドの第1の磁気コア半体が
    リーディング側、前記第2の磁気コア半体がトレイリン
    グ側となる構成を有することを特徴とする磁気記録再生
    装置。
  8. 【請求項8】 磁気記録媒体における磁化容易軸方向と
    磁性層の膜法線とのなす角が50°以上85°以下であり、
    かつ磁化容易軸方向の保磁力が80kA/m以上であり、かつ
    一軸異方性定数が105J/m3以上であることを特徴とする
    請求項4〜7のいずれかに記載の磁気記録再生装置。
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