JP3205216B2 - 圧力センサ - Google Patents

圧力センサ

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車等のエンジン
における燃料系の圧力の変動を検出し得る燃料タンク内
圧計測のための圧力センサに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】図１３は特開平４−３２５３１６号公報
に示された従来の燃料タンクを表す斜視図であり、図に
おいて、１は燃料タンク、１ａは燃料タンク本体を示
し、２は配設パイプ２ａ、燃料ポンプ３、燃料レベル計
測ユニット４及び圧力センサ５等を組みつけて成るプレ
ート、６はゴムパッキンである。図１４は、燃料タンク
本体上に設けられたプレート２及びその周辺部分を示す
拡大斜視図であり、更に、図１５は例えば実公平６−２
８６６４号公報に示された圧力センサ５の内部を示す断
面図である。
【０００３】図１５において、７はケーシング本体８と
カバー９とからなる圧力センサ５のケーシング、１０は
ケーシング本体８の台座１１に設けられた基準圧として
の空気圧を導入する為の大気導入孔、１２はこの大気導
入孔１０を覆うように設けられたフッ素樹脂系フィルタ
であり、このフィルタ１２は、シール部材１３により、
台座１１に加熱硬化されている。１４はニップル、１５
は大気導入孔１０から導入した空気圧と、ニップル１４
より導入した計測対象の圧力の差圧を検出して、電気信
号に変換する半導体センサ素子で、１５ａは圧力差に応
じて変位し、変位の程度によって拡散形成された、ゲー
ジ抵抗が変化するダイアフラム、１６はこの半導体セン
サ素子１５によって出力された信号を、増幅・補正し
て、所望の出力を得る印刷基板である。
【０００４】以上のように構成された燃料タンク内圧セ
ンサは、燃料タンク１及び図示しない燃料タンクにつな
がる燃料蒸発ガス排出抑止装置の内圧を計測する為にあ
る。ここで、燃料タンク内圧力は通常微少な圧力であ
り、それを計測する為に、センサ素子１５内のダイアフ
ラム１５ａのサイズを大きく、厚みを薄くして、圧力に
対する感度を上げ、得られる信号を大きくしている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】従来の燃料タンク内圧
計測装置は以上のように構成されているので、ダイヤフ
ラム部に水分を含んだ液等が侵入し、凍結した際や、車
両が衝突等による衝撃を受けた際には、ダイアフラムが
割れる恐れがあり、ダイアフラムが割れると、万一車両
が横転したりすると、燃料が漏れ出し、爆発、炎上を誘
引させることとなる。
【０００６】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、ダイアフラムが割れたままの状
態で、車両が横転しても、燃料が漏れ出すことがなく、
人命を危険にさらすことのない燃料タンク内圧計測のた
めの圧力センサを提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項１に係
る圧力センサは、ニップル部内に圧力緩衝室を設け、圧
力緩衝室内にボールを設置したものである。
【０００８】この発明の請求項２に係る圧力センサは、
ニップル部内に圧力緩衝室を設け、圧力緩衝室内にコマ
状の逆止弁を設けたものである。
【０００９】この発明の請求項３に係る圧力センサは、
コマ状の逆止弁をゴムで製作したものである。
【００１０】この発明の請求項４に係る圧力センサは、
ニップル部内に圧力緩衝室を設け、圧力緩衝室内にほぼ
円錐形の逆止弁を設けたものである。
【００１１】この発明の請求項５に係る圧力センサは、
燃料タンク上に計測圧力導出ポートを設けると共に、こ
の計測圧力導出ポートとニップルとをチューブで結合し
たものである。
【００１２】この発明の請求項６に係る圧力センサは、
燃料蒸発ガス排出抑止装置に圧力センサを取り付けたも
のである。
【００１３】
【作用】この発明の請求項１〜４に係る圧力センサにお
いては、ニップル部内にボール形状等の逆止弁を設けた
ので、燃料タンクからの燃料がニップルを通り、ダイア
フラムの破損部から漏れ出そうとしても、逆止弁が燃料
の流出圧に押されて、通路を自動的にふさぎ、燃料が外
部へ漏れ出さない。
【００１４】又、この発明の請求項５に係る圧力センサ
においては、燃料タンクと圧力センサとをチューブによ
り接続したので、圧力センサを直接タンク上には設置せ
ず、別の位置に設置することができる。
【００１５】更に、この発明の請求項６に係る圧力セン
サにおいては、ニップル部内にボール形状等の逆止弁を
設けたので、燃料蒸発ガス排出抑止装置からのガスがニ
ップルを通り、ダイアフラムの破損部から漏れ出そうと
しても、逆止弁がガスの流出圧に押されて、通路をふさ
ぎ、ガスが外部へ漏れ出さない。
【００１６】
【実施例】実施例１． 以下、この発明の一実施例を図について説明する。図１
はこの発明に係る燃料タンク２１を表す斜視図であり、
図において、従来技術と同一部分については同一符号で
表すものとする。２１ａは燃料タンク本体、２２は本願
発明に係る燃料タンク本体上に設けられた圧力センサで
ある。図２は、圧力センサ２２を示す断面図であり、図
において、２３はケーシング本体２４とベース２５とか
らなる圧力センサのケーシング、２６はベース２５に設
けた基準圧としての空気圧を導入する為の大気導入孔、
２７はこの大気導入孔２６を覆うように熱溶着によって
設けられたフッ素樹脂系フィルタである。２８はニップ
ル、２９は大気導入孔２６から導入した空気圧と、ニッ
プル２８より導入した計測対象の圧力の差圧を検出して
電気信号に変換する半導体センサ素子で、２９ａは圧力
差に応じて変位し、変位の程度によって拡散形成された
ゲージ抵抗が変化するダイアフラムである。このダイア
フラム２９ａは微少なタンク内圧を計測する為、通常１
０数μｍの厚みで構成されている。３０はこの半導体セ
ンサ素子２９によって出力された信号を、増幅・補正し
て所望の出力を得る印刷基板、３１はコネクタ、３２は
接続端子である。
【００１７】ここで、ニップル２８内部には、圧力緩衝
室３３が設けられており、室内にはボール３４が配され
ている。図３は圧力緩衝室３３を示す平面図、図４は図
３のＡ−Ａ線断面図、図５は斜視図である。図におい
て、３３ａは受け座、３３ｂは圧力緩衝室３３の底面部
に設けられたすり鉢状の斜面、３５はニップル２８に設
けられた穴である。
【００１８】次に動作について説明する。圧力の通常計
測時にはボール３４の自重が印加される圧力に勝るた
め、ボール３４は図４に示すように、圧力緩衝室３３内
の下面にあり、下面は図３に示すように、花びら状の受
け座３３ａを形成している為、受け座３３ａの周囲から
圧力を導入することが可能である。また、半導体センサ
素子のダイアフラム２９ａが破れる等の故障が発生した
状態で、運転車両が事故に遭遇し、車両が横転するとい
った不測の事態が発生すると、燃料はダイアフラム２９
ａを通って外部へ漏れ出ようとする。この燃料の流出時
に、燃料のもつ液体の圧力によって、図６に示すよう
に、ボール３４を押し出し、圧力緩衝室３３の３３ｃ面
迄移動させる。３３ｃ面は、ボール３４が液体の圧力に
よって押し付けられると、穴が封じられるようになって
おり、封じられると、液体の流出は起こらず、燃料の外
部漏洩はない。よって、事故等によって発生する、車両
の横転等に対しても、燃料を流出させることのない圧力
センサを提供することが可能である。
【００１９】実施例２． 図７には、実施例１と比べ、圧力センサ内部の逆止弁を
形成する部材が異なった例が示されており、圧力センサ
３６の取付け形態は、図１に示されるように実施例１と
同様である。図７において、ニップル２８内部には、圧
力緩衝室３３が設けられており、室内には、ゴム製のコ
マ状の逆止弁３７が設けられている。
【００２０】圧力の通常計測時には、コマ状逆止弁３７
の自重が印加される圧力に勝る為、コマ状逆止弁３７は
圧力緩衝室３３内の下面にあり、受け座３３ａは、実施
例１と同様な形状をしているため、受け座３３ａの周辺
から圧力の導入が可能である。次に、半導体センサ素子
２９のダイアフラム２９ａが破れる等の故障が発生した
状態で、車両が横転する等の事故が発生した場合、燃料
がダイアフラム２９ａを通って、外部へ漏れ出そうとす
るが、ニップル２８通過の際に、コマ状逆止弁３７の底
面を液圧で押す為、ガイド３７ａに導かれて、コマ状逆
止弁３７は、圧力緩衝室内の上面（横転状態では横面に
なる）に押し付けられる。ここで、コマ状逆止弁の周辺
シール部３７ｂはゴム製で、半円球のリング状を有して
いる為、Ｏリングと同等なシール効果が得られ、燃料の
外部への流出が起こらない。このようにして、実施例１
と同様な効果が得られる。
【００２１】実施例３． 実施例３による圧力センサの圧力緩衝室３３部を示す断
面図を図８(a)により表す。逆止弁３８を図８(b)に示す
ようなほぼ円錐形とすることにより、実施例１，２と同
様な効果を生じさせることができる。
【００２２】実施例４． 図９には実施例１と圧力センサ３９への圧力取り出し位
置が異なった例が示されており、図１０は実施例４によ
る圧力センサ３９を示す断面図である。図において、４
０は燃料タンク２１上に設けられた計測圧力導出ポー
ト、４１は燃料タンク内の圧力を圧力センサ３９へ導入
する為のチューブで、圧力センサ３９のニップル４２と
結合している。４３はベースである。かかる圧力センサ
３９においても、内部には、逆止弁作用をもつボールを
封入することが可能である。逆止弁の作用については、
実施例１と同様である。以上のように構成することによ
り、プレート２を介さず、圧力センサ３９を取付けるこ
とができるので、圧力センサを直接タンク上には設置せ
ず、チューブ４１を介して別の位置（例えばエンジンル
ーム）に設置することができる。
【００２３】実施例５． 図１１には、実施例２と圧力センサ内部の構造は同様で
あるが、圧力取出し位置は図９に示すように実施例４と
同様にした場合の圧力センサ４７の断面図が示されてい
る。これにより、実施例４と同様な効果が得られる。
又、逆止弁の構造を実施例３と同様な構造としても同様
な効果が得られる。
【００２４】実施例６． 実施例１〜５は全て燃料タンク内圧の圧力取り出し口を
燃料タンクから直接取り出した例であるが、燃料タンク
の蒸散ガスの大気への排出を防止するよう設置された、
燃料蒸発ガス排出抑止装置より取り出しても同様であ
る。図１２は燃料蒸発ガス排出抑止装置４４より取り出
した場合を示す模式図であり、圧力センサを４５あるい
は４６に示す位置に取り付けても実施例１の場合等と同
様の効果がある。
【００２５】
【発明の効果】以上のようにこの発明の請求項１〜４に
係る圧力センサによれば、圧力導入部に逆止弁を設けた
ので、ダイアフラムが割れた状態で、走行時事故等によ
る横転が発生しても、燃料の流出のない安全な圧力セン
サが得られる効果がある。
【００２６】又、この発明の請求項５に係る圧力センサ
によれば、燃料タンクと圧力センサとをチューブにより
接続したので、圧力センサを直接タンク上には設置せ
ず、別の位置に設置することができる効果がある。
【００２７】更に、この発明の請求項６に係る圧力セン
サによれば、燃料蒸発ガス排出抑止装置からの圧力導入
部に逆止弁を設けたので、ダイヤフラムが割れた状態
で、走行時事故等による横転が発生しても、ガスの流出
のない安全な圧力センサが得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】 この発明の実施例１による燃料タンクを示す
斜視図である。
【図２】 この発明の実施例１による圧力センサを示す
断面図である。
【図３】 この発明の実施例１による圧力センサのニッ
プル部内に設けた圧力緩衝室部を示す平面図である。
【図４】 図３のＡ−Ａ線断面図である。
【図５】 この発明の実施例１による圧力センサのニッ
プル部内に設けた圧力緩衝室部を示す斜視図である。
【図６】 この発明の実施例１による圧力センサの動作
を示す部分断面図である。
【図７】 この発明の実施例２による圧力センサを示す
断面図である。
【図８】 この発明の実施例３による圧力センサの要部
を示す部分断面図(a)及び部分斜視図(b)である。
【図９】 この発明の実施例４による圧力センサを燃料
タンクに取り付ける状態を示す斜視図である。
【図１０】 この発明の実施例４による圧力センサを示
す断面図である。
【図１１】 この発明の実施例５による圧力センサを示
す断面図である。
【図１２】 この発明の実施例６を示す模式図である。
【図１３】 従来の燃料タンクを示す斜視図である。
【図１４】 従来の燃料タンク上に設けられたプレート
部分の詳細を示す拡大斜視図である。
【図１５】 従来の圧力センサを示す断面図である。
【符号の説明】
２１ 燃料タンク、２２ 圧力センサ、２６ 大気導入
孔、２８ ニップル、２９ 半導体センサ素子 ２９ａ
ダイアフラム、３３ 圧力緩衝室、３３ａ受け座、３
４ ボール、３７ コマ状の逆止弁、３７ａ ガイド部
３７ｂ シール部、３８ 逆止弁、４０ 計測圧力導
出ポート、４１ チューブ、４２ ニップル、４４ 燃
料蒸発ガス排出抑止装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) F02B 77/08 F02M 33/00 F02M 37/00 301 G01L 9/04 101

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ニップル部より燃料タンクの内圧を導入
    すると共に、大気導入孔により空気圧を導入し、上記燃
    料タンクの内圧と上記空気圧との差圧をダイアフラムに
    より検出し、電気信号に変換する圧力センサにおいて、
    上記ニップル部内に圧力緩衝室を設け、上記圧力緩衝室
    内にボールを設置し、上記圧力緩衝室の底面部をすり鉢
    状に形成すると共に、上記底面部に上記ボールの受け座
    を設けたことを特徴とする圧力センサ。
  2. 【請求項２】 ニップル部より燃料タンクの内圧を導入
    すると共に、大気導入孔により空気圧を導入し、上記燃
    料タンクの内圧と上記空気圧との差圧をダイアフラムに
    より検出し、電気信号に変換する圧力センサにおいて、
    上記ニップル部内に圧力緩衝室を設け、上記圧力緩衝室
    内にガイド部及びシール部を有するコマ状の逆止弁を設
    置し、上記圧力緩衝室の底面部をすり鉢状に形成すると
    共に、上記底面部に上記逆止弁の受け座を設けたことを
    特徴とする圧力センサ。
  3. 【請求項３】 逆止弁はゴム製であることを特徴とする
    請求項２記載の圧力センサ。
  4. 【請求項４】 ニップル部より燃料タンクの内圧を導入
    すると共に、大気導入孔により空気圧を導入し、上記燃
    料タンクの内圧と上記空気圧との差圧をダイアフラムに
    より検出し、電気信号に変換する圧力センサにおいて、
    上記ニップル部内に圧力緩衝室を設け、上記圧力緩衝室
    内に当該室の上部を封鎖するほぼ円錐形の逆止弁を設置
    し、上記圧力緩衝室の底面部をすり鉢状に形成すると共
    に、上記底面部に上記逆止弁の受け座を設けたことを特
    徴とする圧力センサ。
  5. 【請求項５】 燃料タンク上に計測圧力導出ポートを設
    けると共に、上記計測圧力導出ポートとニップルとをチ
    ューブで結合したことを特徴とする請求項１〜４のいず
    れかに記載の圧力センサ。
  6. 【請求項６】 燃料蒸発ガス排出抑止装置に圧力センサ
    を取り付けたことを特徴とする請求項１〜４のいずれか
    に記載の圧力センサ。
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