JP3201790B2 - エンジンの吸気装置及び吸気供給方法 - Google Patents

エンジンの吸気装置及び吸気供給方法

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JP3201790B2
JP3201790B2 JP26607191A JP26607191A JP3201790B2 JP 3201790 B2 JP3201790 B2 JP 3201790B2 JP 26607191 A JP26607191 A JP 26607191A JP 26607191 A JP26607191 A JP 26607191A JP 3201790 B2 JP3201790 B2 JP 3201790B2
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intake
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忠孝 中角
史彦 斉藤
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    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
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    • F02B2275/48Tumble motion in gas movement in cylinder
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの吸気装置及
び吸気供給方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、エミッション性能あるいは燃費性
能の向上を図るために、それほど高出力が要求されない
運転領域、例えば低負荷領域等では、混合気をリーンに
するようにした、いわゆるリーンバーンエンジンが多用
されている。しかしながら、かかるリーンバーンエンジ
ンでは、混合気をリーンにしたときに、混合気の着火性
ないし燃焼性が悪くなるといった問題がある。
【0003】そこで、シリンダボア外周を指向して燃焼
室に開口し常時エアを通す第1吸気ポート(以下、これ
をPポートという)と、中・高負荷領域で開かれるポー
ト開閉弁を備えた第2吸気ポート(以下、これをSポー
トという)とを設け、低負荷時にはPポートのみから燃
焼室にエアを供給する一方、中・高負荷時にはポート開
閉弁を開いて両ポートから燃焼室にエアを供給するよう
にしたエンジンが提案されている(例えば、特開昭61
−218726号公報、特公平2−20828号公報等
参照)。このようにP,S両ポートが設けられたエンジン
においては、Pポートのみが開かれる低負荷時には、燃
焼室内にシリンダ円周方向の渦流いわゆるスワールが生
成され、このスワールによって混合気の成層化が図ら
れ、点火プラグ回りに比較的リッチな混合気が形成さ
れ、混合気の着火性・燃焼性が高められる。また、ポー
ト開閉弁が開かれる中・高負荷時には両ポートを用いて
燃焼室に十分な混合気が供給され、吸気充填効率が高め
られ、エンジン出力が高められる。なお、上記の特公平
2−20828号公報に開示されたエンジンでは、吸気
ポートの横断面を左右非対称な形状(いわゆる異形形状)
とした上で、燃料噴射弁を吸気ポート軸線からオフセッ
トした位置に配置し、燃料の気化率を高めてさらに排気
ガス中のHC(炭化水素)を低減するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにスワールを生成するためのPポートと、吸気充填効
率を確保するためのSポートとが設けられた従来のエン
ジンにおいては、Pポートのみから燃焼室にエアが供給
されるときには、燃焼室内に安定したスワールが生成さ
れ、燃焼性が高められるものの、ポート開閉弁が開かれ
両ポートから燃焼室にエアが供給される場合において
は、P,S両ポートから燃焼室内に流入するエア同士が
複雑に干渉し合い、エアの流れが不安定となって混合気
の燃焼性が悪くなるといった問題がある。本発明は、上
記従来の問題点を解決するためになされたものであっ
て、P,S両ポートを備えたエンジンの吸気装置におい
て、P,S両ポートが開かれているときに、P,S両ポー
トから燃焼室内に流入するエアの不具合な相互干渉を防
止することができ、混合気の燃焼性を高めることができ
るエンジンの吸気装置ないし吸気供給方法を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、第1の発明は、燃焼室内にシリンダ円周方向の渦流
を生成させるスワール生成用のPポートと、所定の高吸
入空気量域で開かれるポート開閉弁を備え該ポート開閉
弁が開かれたときには燃焼室内に吸気を流入させるSポ
ートとが設けられたエンジンの吸気装置において、上記
Sポートが、燃焼室内にシリンダ軸線方向の渦流を生成
させるタンブル生成用ポートに設定されているととも
に、シリンダ軸線方向からみて、シリンダヘッド下面部
とピストン上面部の少なくとも一方において、隣り合う
Pポート開口部と排気ポート開口部との間の燃焼室周部
と、隣り合うSポート開口部と排気ポート開口部との間
の燃焼室周部とに、夫々燃焼室の一部をなしシリンダ軸
線方向に延びる縦壁部が設けられ、上記Pポート側縦壁
部の内周がシリンダ内周面に沿うような略円弧状に形成
され、上記Sポート側縦壁部の内周がSポート軸線とほ
ぼ平行となるような略直線状に形成されていることを特
徴とするエンジンの吸気装置を提供する。
【0006】第2の発明は、第1の発明にかかるエンジ
ンの吸気装置において、隣り合うP,Sポートと対向す
る位置に夫々隣り合う第1,第2排気ポートが設けられ
ており、かつ該Pポート開口部と該第1排気ポート開口
部とが隣り合って設けられており、シリンダ軸線方向か
らみて、シリンダヘッド下面部とピストン上面部の少な
くとも一方において、第1排気ポート開口部と第2排気
ポート開口部との間の燃焼室周部に燃焼室の一部をなし
シリンダ軸線方向に延びる縦壁部が設けられ、該縦壁部
の内周が、両排気ポート開口部間ではシリンダ中心部側
に突出する一方、第1排気ポート開口部付近では該開口
部の周縁に沿うように形成されていることを特徴とする
エンジンの吸気装置を提供する。
【0007】第3の発明は、第1または第2の発明にか
かるエンジンの吸気装置において、P,S両ポートの上
流部に夫々略直線状に伸長するストレート部が形成さ
れ、該ストレート部では、P,S両ポートが、シリンダ
軸線方向からみて、これらのポート軸線がともにスワー
ル流れ方向に傾斜するようにして形成されており、かつ
Pポートが、その下流端近傍の部分では上記傾斜が強め
られてシリンダボア外周部を指向するように形成されて
いることを特徴とするエンジンの吸気装置を提供する。
【0008】第4の発明は、第2または第3の発明にか
かるエンジンの吸気装置において、Pポートが、吸気流
れ方向下流側ほどPポート横断面形状の重心がシリンダ
外周側に偏るようにして形成されていることを特徴とす
るエンジンの吸気装置を提供する。
【0009】第5の発明は、第3または第4の発明にか
かるエンジンの吸気装置において、Pポートに燃料噴射
弁が設けられ、該燃料噴射弁が、その噴射口がシリンダ
中心部付近を指向するようにして配置されていることを
特徴とするエンジンの吸気装置を提供する。
【0010】第6の発明は、燃焼室内にシリンダ円周方
向の渦流を生成させるスワール生成用のPポートと、所
定の高吸入空気量域で開かれるポート開閉弁を備え該ポ
ート開閉弁が開かれたときには燃焼室内に吸気を流入さ
せるSポートと、夫々隣り合うP,Sポートと対向する
位置に配置される第1,第2排気ポートとが設けられた
エンジンの吸気装置において、上記Sポートが、燃焼室
内にシリンダ軸線方向の渦流を生成させるタンブル生成
用ポートに設定されているとともに、シリンダ軸線方向
からみて、シリンダヘッド下面部とピストン上面部の少
なくとも一方において、隣り合う第1排気ポート開口部
と第2排気ポート開口部との間の燃焼室周部に燃焼室の
一部をなしシリンダ軸線方向に延びる縦壁部が設けら
れ、該縦壁部の内周が、両排気ポート開口部間ではシリ
ンダ中心部側に突出する一方、第1排気ポート開口部付
近では該開口部の周縁に沿うように形成されていること
を特徴とするエンジンの吸気装置を提供する。
【0011】第7の発明は、第6の発明にかかるエンジ
ンの吸気装置において、シリンダ軸線方向からみて、シ
リンダヘッド下面部とピストン上面部の少なくとも一方
において、隣り合うPポート開口部と第1排気ポート開
口部との間の燃焼室周部と、隣り合うSポート開口部と
第2排気ポート開口部との間の燃焼室周部とに、夫々燃
焼室の一部をなしシリンダ軸線方向に延びる縦壁部が設
けられ、上記Pポート側縦壁部の内周がシリンダ内周面
に沿うような略円弧状に形成され、上記Sポート側縦壁
部の内周がSポート軸線とほぼ平行となるような略直線
状に形成されていることを特徴とするエンジンの吸気装
置を提供する。
【0012】第8の発明は、燃焼室内にシリンダ円周方
向の渦流を生成させるスワール生成用のPポートと、所
定の高吸入空気量域で開かれるポート開閉弁を備え該ポ
ート開閉弁が開かれたときには燃焼室内に吸気を流入さ
せるSポートとが設けられたエンジンの吸気装置におい
て、上記Sポートが、燃焼室内にシリンダ軸方向の渦流
を生成させるタンブル生成用ポートに設定されていると
ともに、Pポートが、吸気流れ方向下流側ほどPポート
横断面形状の重心がシリンダ外周側に偏るようにして形
成されていることを特徴とするエンジンの吸気装置を提
供する。
【0013】第9の発明は、第8の発明にかかるエンジ
ンの吸気装置において、Pポートに燃料噴射弁が設けら
れ、該燃料噴射弁が、その噴射口がシリンダ中心部付近
を指向するようにして配置されていることを特徴とする
エンジンの吸気装置を提供する。
【0014】第10の発明は、燃焼室内にスワールを生
成させるPポートと、燃焼室内にタンブルを生成させる
Sポートとを設け、吸入空気量が少ない領域では燃焼室
内にスワールを生成させる一方、吸入空気量が多い領域
では燃焼室内にタンブルを生成させ、中間領域では燃焼
室内にスワールとタンブルとを共存させつつ吸入空気量
の増加に伴って徐々にタンブルの割合を増加させるよう
にしたことを特徴とするエンジンの吸気供給方法を提供
する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
まず、エンジンとその吸気装置の概要を説明する。図2
〜図4に示すように、エンジンEの各シリンダ1(気筒)
においては、基本的には、第1,第2吸気バルブ2,3が
開かれたときに、第1,第2吸気ポート4,5から燃焼室
6内に混合気が吸入され、この混合気がピストン7で圧
縮された後点火プラグ8によって着火・燃焼させられ、
第1,第2排気バルブ9,10が開かれたときに燃焼ガス
が第1,第2排気ポート11,12から排出されるように
なっている。そして、第1吸気ポート4(以下、これを
Pポート4という)に臨んで燃料噴射弁15が設けられ
ている。また、第2吸気ポート5(以下、これをSポー
ト5という)には吸入空気量(エンジン負荷)に応じてこ
れを開閉するSポート開閉弁16(以下、これをS弁1
6という)が設けられている。なお、P,Sポート4,5
の燃焼室6への開口部4a,5aには夫々バルブシート2
1,22が配設され、第1,第2排気ポート11,12の
燃焼室6への開口部11a,12aにも夫々バルブシート
23,24が配設されている。
【0016】燃焼室6の天井面(シリンダヘッド下面部)
には、夫々第1,第2吸気バルブ2,3によって開閉され
るP,Sポート4,5と、夫々第1,第2排気バルブ9,1
0によって開閉される第1,第2排気ポート11,12と
が開口している。ここで、P,Sポート4,5の開口部4
a,5aは夫々シリンダ1の吸気側半部(図2〜図4では左
半部)に配置され、第1,第2排気ポート11,12の開
口部11a,12aは夫々シリンダ1の排気側半部(図2〜
図4では右半部)に配置されている。また、シリンダ1
の中心部より若干排気側となる位置に点火プラグ8が配
置されている。なお、後で説明するようにPポート4は
燃焼室6内にスワールを生成するスワールポートであ
り、Sポート5は燃焼室6内にタンブルを生成するタン
ブルポートである。
【0017】以下、吸気装置の具体的な構成及び作用を
説明する。図1(b)と図2とに示すように、カムシャフ
ト軸線L0(図3参照)方向からみて、すなわち正面立面
図でみれば、Pポート4に、吸気流れ方向上流部におい
て略直線状に伸長するストレート部4bと、下流端近傍
において下方に湾曲する湾曲部4cとが設けられてい
る。同様に、Sポート5にも、ストレート部5bと湾曲
部5cとが設けられている。ここで、Pポートストレー
ト部4bは、その軸線L1と、シリンダ軸線L2に直交す
る平面A1(すなわちシリンダ横断面A1)とが挟む角度
(Pポート傾斜角)が所定値αとなるように配設されてい
る。また、Sポートストレート部5bは、その軸線L3
シリンダ横断面A1とが挟む角度(Sポート傾斜角)が所
定値α'となるように配設されている。
【0018】第1吸気バルブ2は、弁軸部2aと傘部2b
とからなり、その弁軸部2aの軸線L4とシリンダ軸線L
2とが挟む角度(吸気側バルブ挟み角)が所定値θとな
り、かつ傘部2bの下面が燃焼室6の天井面(ペントルー
フ)と平行となるように配置されている。また傘部2b
は、その上面と下面とが挟む角度(バルブ傘角)が所定値
βとなるように形成されている。第1排気バルブ9は、
弁軸部9aと傘部9bとからなり、弁軸部9aの軸線L5
シリンダ軸線L2とが挟む角度(排気側バルブ挟み角)が
所定値θ'となり、かつ傘部9bの下面が燃焼室6の天井
面(ペントルーフ)と平行になるように配置されている。
なお、以下では便宜上、L1とL4とが挟む角度γをポー
ト入射角γ、α'−αをポート角度差ωということがあ
る。
【0019】図5と図6とに示すように、燃焼室6はペ
ントルーフ型に形成され、燃焼室6の天井面37は、排
気側ではシリンダ横断面A1と角度θ"をなすように形成
されている。図5において天井面37は等高線で示され
ている。ここで、第1排気バルブ9の傘部9bの下面も
シリンダ横断面A1と角度θ"をなす。したがって、θ'
とθ"とは等しくなる。なお、かかるペントルーフ型の
燃焼室6では、θ"が比較的小さくなる。また吸気側で
も天井面とシリンダ横断面A1とがなす角度が比較的小
さくなる。このため、吸気弁2,3と排気弁9,10と
は、夫々弁軸部が立つように配置される。
【0020】上記のα,θ,θ'(θ"),βは次の3つの不
等式をすべて満たす範囲内において、所定の好ましい値
に設定されている。 β>θ………………………………………………………………式1 α<θ'(=θ")……………………………………………………式2 α≦θ………………………………………………………………式3 ここで、β>θとするのは、βがθ以下になると、Pポ
ート4から燃焼室6に流入するエアが傘部2bの上面に
衝突して流れ方向を変え、さらに燃焼室6の天井面に衝
突するなどして、エアの流れが乱され、燃焼室6内への
エアの流入速度が低下して、スワールの生成が妨げられ
るからである。しかしながら、βをあまり大きくするの
もまた好ましくない。βを大きくするとPポート4と傘
部2bとの間の空間部すなわちエアの通路断面積が小さ
くなって通気抵抗が増加するからである。スワール比及
び通気抵抗のβに対する特性の一例を、夫々図19(a),
(b)に示す。なお、上記スワール比は、次の式4によっ
て定義される数値である。 RS=ωc/ωe………………………………………………………式4 ただし、 RS;スワール比 ωc;吸気行程終期(BDC)におけるスワール速度 ωe;クランク角速度 このスワール比RSは、単位クランク角当たりのスワー
ル速度である。したがって、例えばエンジン回転数が上
昇したときには、吸気充填量が増加するので絶対的なス
ワール強度は高まるものの、クランク角速度の増加によ
ってスワール比RSは小さくなる。
【0021】α<θ'(=θ")かつα≦θとするのは、α
をできるだけ小さくして、Pポート4から燃焼室6内に
流入するエアの水平方向の速度成分(シリンダ横断面A1
と平行な方向の成分)を増やし、スワールの生成を促進
させるためである。つまり、不等式1〜3を満たすこと
によって、Pポート4から燃焼室6に流入するエアがピ
ストン下降時に天井面と干渉し合わず、かつ水平方向の
速度成分が十分に確保され、燃焼室6内でのスワールの
生成が促進されることになる。
【0022】他方、Sポート5においては、Sポート傾
斜角α'が比較的大きく設定され、S弁16の開弁時に
おいて、Sポート5から燃焼室6内に流入するエアは、
比較的大きな下向きの速度成分をもつ。このため、Sポ
ート5から燃焼室6内に流入するエアによって、燃焼室
6内には縦渦いわゆるタンブルが生成されることにな
る。かかるタンブルは、ノッキングの発生を抑制する効
果がある。中・高負荷領域ではS弁16が開かれるが、
かかる中・高負荷領域では一般的にはノッキングが発生
しやすくなる。しかしながら、本実施例ではタンブルに
よってノッキングの発生が有効に防止される。なお、タ
ンブルの強さは、次の式5で定義されるタンブル比RT
であらわされる。 RT=ωc'/ωe…………………………………………………………式5 ただし、 ωc';吸気行程終期(BDC)におけるタンブ
ル速度 ωe;クランク角速度 このようにして、燃焼室6内には、基本的には図7中の
矢印X1で示すようなスワールと、矢印X2で示すような
タンブルとが生成される。
【0023】図1(a)と図3と図4とに示すように、シ
リンダ軸線L2(図2参照)方向から見て、すなわち平面
図でみれば、Pポートストレート部4bは、その軸線L1
と、カムシャフト軸線L0に直交する直線L8とが挟む角
度が所定値bとなるように配設され、Sポートストレー
ト部5bは、その軸線L3と、カムシャフト軸線L0に直
交する直線L9とが挟む角度が所定値cとなるように配設
されている。ここで、bとcとは、b<cとなるように設定
されている。すなわち、P,Sポート4,5は、ともにカ
ムシャフト軸線L0の一方側に傾斜して配置され、かつ
ストレート部4b,5bにおいては、Pポート軸線L1とS
ポート軸線L3との間隔が下流側ほど小さくなるように
して配置されている。また、P,Sポート4,5間の距離
ないしポート隔壁の厚みは、下流側の方が(例えばt2)上
流側よりも(例えばt1)より小さくなるように設定されて
いる。なお、P,Sポート4,5のポート間距離(隔壁厚
み)の変化状態は、図16中に立体的に示されている。
このため、Pポート4の開口部4aがシリンダ1の外周
を指向する一方、Sポート5の開口部5aがシリンダ1
の比較的中心部付近を指向することになる。これによっ
て、基本的には、Pポート4によってスワールの生成が
促進される一方、Sポート5によってタンブルの生成が
促進される。なお、Sポート5側での逆スワールの生成
が抑制される。
【0024】さらにPポート4の開口部4a近傍部分の
湾曲部4cは、ポート径が所定値dに設定され、シリンダ
1の外周側に向かって曲率半径ρ、ベンド角ψで湾曲し
ている。このため、Pポート4が一層シリンダ外周方向
に向かって開口しており、このためPポート4から燃焼
室6内に流入するエアが燃焼室6の内周面沿って流れ、
スワールの生成が促進される。しかしながら、かかる湾
曲部4cによって通気抵抗が増加することになる。ここ
で、湾曲部4cにおける損失係数ζすなわち通気抵抗
は、上記のdとρとψとによって決定されることにな
る。損失係数ζのdとψとρに対する特性を図19(c)に
示す。図19(c)からわかるように、ζはψの増加に伴
って増加する一方、ρの増加に伴って減少する。したが
って、ζを低減するといった観点からはできるだけψを
小さくし、ρを大きくするのが好ましい。しかしなが
ら、ψが小さいとPポート4を十分にシリンダ外周方向
に向けることができないので、スワール生成作用が小さ
くなる。したがって、d,ρ,ψは、必要なスワール強度
が得られ、かつ通気抵抗が許容できるような所定の値に
設定すればよい。なお、ρ/dが2に近付くと、ζの低
減効果が飽和するので、ρ/dは1.5〜2.0程度とす
るのが好ましい。
【0025】Pポート4の横断面(軸線と直交する断面)
形状は、上流部(ほぼストレート部4b)では円形である
が、図4からわかるように、湾曲部4c付近では、Sポ
ート側半部は円形(半円)であり、これと反対側(シリン
ダ外周側)の半部は矩形となっている。つまり、湾曲部
4c付近では、Pポート4の横断面ははいわゆる異形形
状をなしている。このため、横断面形状の重心すなわち
エアの流れの中心は、横断面が円形である場合に比べて
シリンダ外周側(Sポートと反対側)に偏る。なお、図4
において、横断面が円形である場合の軸線がL'1で示さ
れている。したがって、Pポート4内のエアは、よりシ
リンダ外周側から燃焼室6内に流入することになり、燃
焼室6内でのスワールの生成が促進される。
【0026】開口部5aにおけるSポート軸線L3と、S
ポート開口部5aの中心部と第1排気ポート開口部11a
の中心部とを結ぶ直線L12とが挟む角度(ポート設置角)
は所定値λに設定されている。このポート設置角λが小
さいとSポート開口部5aがPポート開口部4aとは逆の
シリンダ外周方向に向いてしまい、Pポート4と逆方向
のスワールいわゆる逆スワールを生成する。このため、
λは逆スワールが大きくならないような範囲内に設定さ
れる。なお、逆スワール比のλに対する特性を図20
(a)に示す。
【0027】S弁16は、図4からもわかるように、シ
リンダ軸線L2とほぼ平行な方向すなわちほぼ上下方向
に伸長する弁軸16aまわりに回動することによってS
ポート5を開閉するようになっている。そして、S弁1
6は、Pポート側の周縁部を上流側に変位させるように
回動して開かれるようになっている。図17に示すよう
に、S弁16は、弁構造としては、Sポート軸線L3
置で全開され、L3と直交する直線L11に対して所定の
角度A1(例えば20°)となる位置で全閉されるように
なっている。しかしながら、本実施例ではS弁16は、
上記A1よりは所定値A2(例えば5〜8°)だけ開弁側の
位置よりは閉じられないようになっている。したがっ
て、Sポート5を閉じるべき低負荷領域等においても、
S弁16が若干開かれるので、Sポート5から燃焼室6
に若干のエアが供給される。このエアによって、燃焼室
6内の残留ガスのSポート5への吹き返しが抑制され、
筒内残留ガスの掃気、ポンピングロスの低減等が図られ
る。
【0028】そして、S弁16の開度変化に伴って、ス
ワール比RS及びタンブル比RTが変化する。図21
に、RS及びRTの、S弁開度に対する特性を示す。図
21におけるRS(曲線H1)とRT(曲線H2)とは、夫々
燃焼室6内に生成されるスワールとタンブルとに基づく
ものである。なお、S弁16がほぼ閉弁されているとき
でも、ピストン7の下降によってタンブルが生成され
る。図21からわかるように、S弁16の開度がS2
下であるような領域P1においては、ピストン7の下降
によるタンブル成分よりもPポート4からのスワール成
分の方が強く、この場合、燃焼室6内にはほぼ水平方向
の旋回流(スワール)が生成される。他方、S弁16の開
度がS2を超えるような領域P2では、スワール成分が弱
くなる反面、ピストン7の下降とSポート5からの流入
エアとによって生成されるタンブル成分が強くなり、こ
の場合燃焼室6内にほぼ垂直方向の旋回流(タンブル)が
生成される。
【0029】図21において、S弁開度の増加に対す
る、タンブル比RTの減少率が急に小さくなる点S
1と、スワール比RSの減少率が急に小さくなる点S3
を比べれば、S3>S1となっている。これによって、高
負荷領域(ないし高回転領域)までスワール成分が存在し
ていることがわかる。これは、前記のα,θ,θ',θ",
β,a,b,c,t1,t2,ψ等が好ましく設定されているので、
かかる高負荷領域まで、十分にスワールが生成されるか
らである。
【0030】したがって、S弁全開域では強いタンブル
が生成され、耐ノック性の向上、冷損の低減等が図ら
れ、S弁閉弁域からS3近傍まではスワール成分が残留
して混合気の成層化が図られ燃焼性が高められるので、
リーンバーンは可能となる。なお、このようにスワール
成分を増やすと、冷損が増えることになるが、タンブル
成分も十分にあるので、かかる冷損はそれほど大きくな
いと考えられる。要するに、S3>S1であるということ
は、低負荷・低回転領域から高負荷・高回転領域にわた
って、例えば図18に示すように、S弁開度に応じてエ
アの旋回状態をスワール状態からタンブル状態に徐々に
変化させることができるということを意味する。このた
め、中負荷時あるいは高負荷時においても、スワールに
よる成層化により、燃焼性が高められる。なお、S弁開
時におけるスワール強度は、Sポート軸線L3と直線L9
とが挟む角c及びポート角度差ωによっても変化する
が、S弁全開時におけるスワール比(全開スワール比)の
c及びωに対する特性を、夫々図20(b),(c)に示す。
【0031】図8と図9とに示すように、カムシャフト
軸線方向からみて、Pポート4の湾曲部4cの曲率R
は、ポート直径Dに対して比較的大きい値に設定されて
いる。具体的には、湾曲部4cのポート軸線の曲率終端
位置が、バルブシート21の上流側端面よりも下流側に
設定され、これによって曲率Rが大きくなっている。な
お、従来の吸気ポートでは、通常、湾曲部のポート軸線
の曲率終端に続いて軸心がストレートな部分が形成さ
れ、このストレートな部分の終端にバルブシートが接続
されている。このため、従来の吸気ポートでは湾曲部の
曲率をそれほど大きく設定することができない。本実施
例では、R/Dは1.0に設定されているが、このR/
Dは図22中のQ1で示す領域すなわち0.9以上1.2
以下の範囲内に設定するのが好ましい。けだし、一般に
エンジンの吸気装置においては、吸気弁のリフト量が2
/3以上のときの通気抵抗が問題となるが、図22から
明らかなように、リフト量が2/3以上の場合には、R
/Dが0.9未満では通気抵抗が大きくなり、またR/
Dが1.2を超えると通気抵抗低減効果が飽和するから
である。なお、湾曲部4cのシリンダ軸線方向からみた
ポート軸線の曲率ρの終端は、湾曲部4cのカムシャフ
ト軸線方向からみたポート軸線の曲率Rの始端よりは下
流側に設定されている。このようにして、湾曲部4cに
おける通気抵抗が低減され、エアの燃焼室6への流入速
度が高められ、スワールの生成が促進されるとともに、
吸気充填効率が高められる。なお、Pポート4とSポー
ト5とは、夫々、上流側開口部38,39で、吸気マニ
ホールド(図示せず)に接続される。そして、Pポート4
の開口部4aには略円柱形のバルブシート21が配設さ
れている。このバルブシート21には、これを厚み方向
に貫通する貫通孔21aが設けられ、この貫通孔21a内
をエアが通るようになっている。ここで、貫通孔21a
は、Pポート開口部4aにおけるPポート軸線L1の接線
6に対して、上流側でPポート軸線L1に接近するよう
にして所定の角度aだけ傾斜する直線L7方向に、カッタ
ー26で研削加工することによって形成されている。こ
のときPポート4も若干研削され、貫通孔21aとPポ
ート4とは滑らかにつながっている。そして、エッジ部
27が形成されている。なお、tはオフセットである。
このように.貫通孔21aが傾斜して形成されているの
で、Pポート4から燃焼室6内に流入するエアの水平速
度成分が増え、スワールの生成が一層促進される。ま
た、Pポート4の内壁とバルブシート貫通孔21aの内
周面とが滑らかに接続されるので、通気抵抗が低減され
る。
【0032】図10に示すように、シリンダ軸線L2
向(図2参照)からみて、燃焼室6の内周部において、P
ポート開口部4aと第1排気ポート開口部11aとの間に
はスワールアシストマスク31が設けられ、Sポート開
口部5aと第2排気ポート開口部12aとの間にはタンブ
ルアシストマスク32が設けられ、第1排気ポート開口
部11aと第2排気ポート開口部12aとの間にはスワー
ルブレイクマスク33が設けられ、Pポート開口部4a
とSポート開口部5aとの間にはタンブルスワール強制
マスク34が設けられている。ここで、スワールアシス
トマスク31は、その内周面31aがシリンダ1内周面
にほぼ沿うような略円弧状に形成され、Pポート4から
燃焼室6内に流入するエアによるスワールの生成を促進
するようになっている。タンブルアシストマスク32
は、その内周面がSポート5の軸線L3とほぼ平行な略
直線状に形成され、Sポート5から燃焼室6内に流入す
るエアによるタンブルの生成を促進するようになってい
る。また、スワールブレイクマスク33は、その内周面
33aが、第1,第2排気ポート開口部11a,12a付近
では該開口部周縁に沿い、両開口部11a,12aの中間
部ではシリンダ中心側に膨出するように形成されてい
る。また、タンブルスワール強制マスク34は、その内
周面34aが、P,S両ポート開口部4a,5a近傍では開
口部周縁に沿い、両開口部4a,5aの中央部でシリンダ
中心側に略三角状に突出するように形成されている。
【0033】ここで、S弁開時においては基本的には、
Pポート4によってスワールが生成され、Sポート5に
よってタンブルが生成される。しかしながら、スワール
とタンブルとが互いに干渉し合うと両者ともに弱められ
てしまうので、スワールとタンブルとの相互干渉を防止
するために、スワールブレイクマスク33とタンブルス
ワール強制マスク34とが設けられている。すなわち、
スワールブレイクマスク33とタンブルスワール強制マ
スク34とによって、スワール及びタンブルの流れ方向
を規制し、燃焼室6の周部にスワールを生成させるとと
もに、燃焼室6の中央部にスワールと干渉し合わないタ
ンブルを生成させ、両者を共存させ混合気の燃焼性を高
めるようにしている。また、とくに圧縮上死点付近で
は、燃焼室6のPポート4側の部分に矢印Y1で示すよ
うなスワールが生成される一方、燃焼室6の高さが低く
なるのでSポート5側の部分でもタンブルが消滅して矢
印Y2で示すような逆スワールが生成される。そして、
これらのスワールと逆スワールとは、夫々スワールブレ
イクマスク33によって、点火プラグ8方向に向きを変
えられ、点火プラグ8まわりで合流する。このため、点
火プラグ8まわりに強い乱れ(乱流)が発生し、燃焼速度
が高められ、着火性・燃焼性が高められる。
【0034】前記したとおり、エンジンEにおいては、
Pポート4の軸線L1とシリンダ横断面A1とがなす角α
(Pポート傾斜角α)が小さく設定される。したがって、
Pポート4の下側においては、十分なスペースがないの
でシリンダヘッドHに独立したウオータジャケットを設
けるのはむずかしい。そこで、本実施例では、シリンダ
ヘッドHのウォータジャケット36とシリンダブロック
Bのウォータジャケット37とをオープンデッキ方式で
結合させている。なお、図示していないがシリンダヘッ
ドHとシリンダブロックBとの間にはガスケットが介設
されている。このようにウオータジャケット36,37
をオープンデッキ式で結合しているので、シリンダヘッ
ドHでのウォータジャケット36の配置が容易となり、
また逆にPポート傾斜角αを一層小さく設定することが
可能となる。
【0035】図12〜図16に示すように、燃料噴射弁
15は、平面図でみれば、Pポート4のストレート部4
bの、軸線L1よりシリンダ外周側(Sポート5と反対側)
にオフセットした位置に配置され、その噴射口は、Pポ
ート軸線L1を斜めに横切る直線L10方向を指向してい
る。すなわち、点火プラグ8付近を指向している。そし
て、燃料噴射弁15の噴霧角J1は比較的小さく設定さ
れている(例えば10°)。ここで、Pポート4の開口部
付近における燃料の通過範囲は、図13中のR1あるい
は図15中のR2のようになり、燃料はポート壁面に接
触しない。このため、燃料噴射弁15から噴射された燃
料は、Pポート4の内周面に衝突することなく燃焼室6
内に到達し、燃料が点火プラグ8まわりに集まりやすく
なり、燃焼性が高められる。また、Pポート4の湾曲部
4cでの遠心力によっても燃料が若干シリンダ中心側に
向きを変えられるので、一層点火プラグ8まわりに燃料
が集中しやすくなる。なお、Pポート4の曲がり形状あ
るいは断面形状をわかりやすくするために、図12〜図
14ではPポート4の同じ位置の部分に○付きの番号を
付している。また、図15及び図16では、P,Sポー
ト4,5の曲がり形状ないし横断面形状の変化を立体図
で示している。
【0036】以上、本発明によれば、低負荷時には強い
スワールによって混合気が成層化され、混合気の着火性
・燃焼性の向上が図られる。中負荷時にはスワールとタ
ンブルの共存により燃焼性の向上と耐ノッキング性の向
上とが図られる。高負荷時には強いタンブルによって耐
ノッキング性が大幅に高められ、エンジン出力の向上が
図られる。
【0037】
【発明の作用・効果】第1の発明によれば、開閉弁開時
には、Pポートから燃焼室内に流入するエアが、Pポー
ト側縦壁部によって円周方向に案内ないし整流され、こ
れによってスワールの生成が促進される。また、Sポー
トから燃焼室内に流入するエアが、Sポート側縦壁部に
よって上下方向に案内ないし整流され、これによってタ
ンブルの生成が促進される。ここで、スワールは燃焼室
の周縁部に形成され、タンブルはスワールの内側に形成
され、両者は互いにそれほど干渉し合わず燃焼室内で共
存する。したがって、スワールによって混合気の燃焼性
を高めつつ、タンブルによって耐ノッキング性を高める
ことができる。
【0038】第2の発明によれば、基本的には第1の発
明と同様の作用・効果が得られる。そして、圧縮上死点
付近では、Pポート側のスワールに加えて、Sポート側
にPポート側とは逆まわりのスワールが生成されるが、
ここでPポート側のスワールと、Sポート側の逆スワー
ルとは、夫々隣り合う第1,第2排気ポート間の縦壁部
によって流れを規制され、シリンダ中心付近すなわち点
火プラグ付近で合流する。この両スワールの合流によっ
て、点火プラグまわりには強い乱れ(乱流)が生じ、この
乱流によって火炎の伝播速度が高められる。このため、
混合気の着火性・燃焼性が高められる。
【0039】第3の発明によれば、基本的には第1また
は第2の発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、
Pポートが燃焼室への開口部付近で、シリンダ外周側に
曲げられることになるので、Pポートから燃焼室内に流
入するエアが燃焼室内周面に沿って流れ、スワールの生
成が強化される。
【0040】第4の発明によれば、基本的には第2また
は第3の発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、
Pポートの横断面形状の重心がシリンダ外周側に偏って
いるので、Pポートから燃焼室内に流入するエアもシリ
ンダ外周側に偏り、これによって混合気の円周方向の流
れが強められ、スワールの生成が促進される。
【0041】第5の発明によれば、基本的には第3また
は第4の発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、
燃料噴射弁がシリンダ中心付近すなわち点火プラグ付近
を指向しているので、点火プラグまわりにリッチな混合
気が形成され、混合気の着火性・燃焼性が高められる。
【0042】第6の発明によれば、圧縮上死点付近で
は、Pポート側のスワールに加えて、Sポート側に逆ま
わりのスワールが生成され、両スワールは、隣り合う第
1,第2排気ポート間の縦壁部によって流れを規制さ
れ、シリンダ中心付近すなわち点火プラグ付近で合流す
る。この両スワールの合流によって、点火プラグまわり
には強い乱れ(乱流)が生じ、この乱流によって火炎の伝
播速度が高められる。このため、混合気の着火性・燃焼
性が高められる。
【0043】第7の発明によれば、基本的には第6の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、開閉弁開時
には、Pポートから燃焼室内に流入するエアが、Pポー
ト側縦壁部によって円周方向に案内ないし整流され、こ
れによってスワールの生成が促進される。また、Sポー
トから燃焼室内に流入するエアが、Sポート側縦壁部に
よって上下方向に案内ないし整流され、これによってタ
ンブルの生成が促進される。ここで、スワールは燃焼室
の周縁部に形成され、タンブルはスワールの内側に形成
され、両者は互いにそれほど干渉し合わず燃焼室内で共
存する。したがって、スワールによって混合気の燃焼性
を高めつつ、タンブルによって耐ノッキング性を高める
ことができる。
【0044】第8の発明によれば、Pポートの横断面形
状の重心がシリンダ外周側に偏っているので、Pポート
から燃焼室内に流入するエアもシリンダ外周側に偏り、
これによって円周方向の流れが強められ、スワールの生
成が促進される。
【0045】第9の発明によれば、基本的には第8の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、燃料噴射弁
がシリンダ中心付近すなわち点火プラグ付近を指向して
いるので、点火プラグまわりにリッチな混合気が形成さ
れ、混合気の着火性・燃焼性が高められる。
【0046】第10の発明によれば、燃焼室内にスワー
ルとタンブルとが共存する混合気流れが形成され、エン
ジン負荷の増加に伴ってタンブル成分が多くなる。した
がってエンジン負荷に応じてスワールとタンブルとが形
成され、着火性・燃焼性が高められるとともに、ノッキ
ングの発生が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a),(b)は、夫々本発明にかかる吸気装置を
備えたエンジンのシリンダまわりの平面説明図と一部断
面立面説明図とである。
【図2】 エンジンのシリンダまわりの一部断面立面説
明図である。
【図3】 エンジンのシリンダまわりの平面説明図であ
る。
【図4】 エンジンのシリンダまわりの平面説明図であ
り、併せて吸気ポートの横断面形状をも示している。。
【図5】 エンジンのシリンダまわりの平面説明図であ
り、併せて燃焼室の天井面をも示している。。
【図6】 エンジンのシリンダまわりの一部断面立面説
明図である。
【図7】 エンジンのシリンダまわりの立体説明図であ
る。
【図8】 エンジンのポートの形状と配置とを示す図で
ある。
【図9】 Pポートの開口部まわりの立面説明図であ
る。
【図10】 エンジンのシリンダまわりの一部断面平面
説明図であって、併せて各マスクの形状をも示してい
る。
【図11】 (a),(b)は、夫々、エンジンのシリンダま
わりの立面断面説明図と平面断面説明図とである。
【図12】 エンジンのシリンダまわりの平面説明図で
ある。
【図13】 吸気ポート及び排気ポートの立面説明図で
ある。
【図14】 Pポートの立面説明図である。
【図15】 Pポート及びSポートの曲がり状態と横断
面形状とを立体的に示す図である。
【図16】 Pポート及びSポートの曲がり状態と横断
面形状とを立体的に示す図である。
【図17】 S弁の開閉状態を示す模式図である。
【図18】 スワールの生成状態を示す模式図である。
【図19】 (a)はスワール比のバルブ傘角に対する特
性を示す図であり、(b)は通気抵抗のバルブ傘角に対す
る特性を示す図であり、(c)は損失係数のベンド角に対
する特性を示す図である。
【図20】 (a)はスワール比のポート設置角に対する
特性を示す図であり、(b),(c)は夫々、全開スワール比
のc及びωに対する特性を示す図である。
【図21】 スワール比及びタンブル比のS弁開度に対
する特性を示す図である。
【図22】 エアの質量流量(通気抵抗)のR/Dに対
する特性を示す図である。
【符号の説明】
E…エンジン 1…シリンダ 2,3…第1,第2吸気バルブ 4,5…P,Sポート 4a,5a…開口部 4b,5b…ストレート部 4c,5c…湾曲部 6…燃焼室 8…点火プラグ 9,10…第1,第2排気バルブ 11,12…第1,第2排気ポート 15…燃料噴射弁 16…S弁 31…スワールアシストマスク 32…タンブルアシストマスク 33…スワールブレイクマスク 34…タンブルスワール強制マスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02B 31/00 331 F02B 31/00 331E F02M 69/04 F02M 69/04 R (72)発明者 中角 忠孝 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 斉藤 史彦 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 実開 昭63−82032(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02B 31/02 F02B 17/00 F02B 23/08 F02B 31/00 331 F02M 69/04

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室内にシリンダ円周方向の渦流を生
    成させるスワール生成用のPポートと、所定の高吸入空
    気量域で開かれるポート開閉弁を備え該ポート開閉弁が
    開かれたときには燃焼室内に吸気を流入させるSポート
    とが設けられたエンジンの吸気装置において、 上記Sポートが、燃焼室内にシリンダ軸線方向の渦流を
    生成させるタンブル生成用ポートに設定されているとと
    もに、シリンダ軸線方向からみて、シリンダヘッド下面
    部とピストン上面部の少なくとも一方において、隣り合
    うPポート開口部と排気ポート開口部との間の燃焼室周
    部と、隣り合うSポート開口部と排気ポート開口部との
    間の燃焼室周部とに、夫々燃焼室の一部をなしシリンダ
    軸線方向に延びる縦壁部が設けられ、上記Pポート側縦
    壁部の内周がシリンダ内周面に沿うような略円弧状に形
    成され、上記Sポート側縦壁部の内周がSポート軸線と
    ほぼ平行となるような略直線状に形成されていることを
    特徴とするエンジンの吸気装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたエンジンの吸気装
    置において、 隣り合うP,Sポートと対向する位置に夫々隣り合う第
    1,第2排気ポートが設けられており、かつ該Pポート
    開口部と該第1排気ポート開口部とが隣り合って設けら
    れており、シリンダ軸線方向からみて、シリンダヘッド
    下面部とピストン上面部の少なくとも一方において、第
    1排気ポート開口部と第2排気ポート開口部との間の燃
    焼室周部に燃焼室の一部をなしシリンダ軸線方向に延び
    る縦壁部が設けられ、該縦壁部の内周が、両排気ポート
    開口部間ではシリンダ中心部側に突出する一方、第1排
    気ポート開口部付近では該開口部の周縁に沿うように形
    成されていることを特徴とするエンジンの吸気装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載されたエ
    ンジンの吸気装置において、 P,S両ポートの上流部に夫々略直線状に伸長するスト
    レート部が形成され、該ストレート部では、P,S両ポ
    ートが、シリンダ軸線方向からみて、これらのポート軸
    線がともにスワール流れ方向に傾斜するようにして形成
    されており、かつPポートが、その下流端近傍の部分で
    は上記傾斜が強められてシリンダボア外周部を指向する
    ように形成されていることを特徴とするエンジンの吸気
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載されたエ
    ンジンの吸気装置において、 Pポートが、吸気流れ方向下流側ほどPポート横断面形
    状の重心がシリンダ外周側に偏るようにして形成されて
    いることを特徴とするエンジンの吸気装置。
  5. 【請求項5】 請求項3または請求項4に記載されたエ
    ンジンの吸気装置において、 Pポートに燃料噴射弁が設けられ、該燃料噴射弁が、そ
    の噴射口がシリンダ中心部付近を指向するようにして配
    置されていることを特徴とするエンジンの吸気装置。
  6. 【請求項6】 燃焼室内にシリンダ円周方向の渦流を生
    成させるスワール生成用のPポートと、所定の高吸入空
    気量域で開かれるポート開閉弁を備え該ポート開閉弁が
    開かれたときには燃焼室内に吸気を流入させるSポート
    と、夫々隣り合うP,Sポートと対向する位置に配置さ
    れる第1,第2排気ポートとが設けられたエンジンの吸
    気装置において、 上記Sポートが、燃焼室内にシリンダ軸線方向の渦流を
    生成させるタンブル生成用ポートに設定されているとと
    もに、シリンダ軸線方向からみて、シリンダヘッド下面
    部とピストン上面部の少なくとも一方において、隣り合
    う第1排気ポート開口部と第2排気ポート開口部との間
    の燃焼室周部に燃焼室の一部をなしシリンダ軸線方向に
    延びる縦壁部が設けられ、該縦壁部の内周が、両排気ポ
    ート開口部間ではシリンダ中心部側に突出する一方、第
    1排気ポート開口部付近では該開口部の周縁に沿うよう
    に形成されていることを特徴とするエンジンの吸気装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載されたエンジンの吸気装
    置において、 シリンダ軸線方向からみて、シリンダヘッド下面部とピ
    ストン上面部の少なくとも一方において、隣り合うPポ
    ート開口部と第1排気ポート開口部との間の燃焼室周部
    と、隣り合うSポート開口部と第2排気ポート開口部と
    の間の燃焼室周部とに、夫々燃焼室の一部をなしシリン
    ダ軸線方向に延びる縦壁部が設けられ、上記Pポート側
    縦壁部の内周がシリンダ内周面に沿うような略円弧状に
    形成され、上記Sポート側縦壁部の内周がSポート軸線
    とほぼ平行となるような略直線状に形成されていること
    を特徴とするエンジンの吸気装置。
  8. 【請求項8】 燃焼室内にシリンダ円周方向の渦流を生
    成させるスワール生成用のPポートと、所定の高吸入空
    気量域で開かれるポート開閉弁を備え該ポート開閉弁が
    開かれたときには燃焼室内に吸気を流入させるSポート
    とが設けられたエンジンの吸気装置において、 上記Sポートが、燃焼室内にシリンダ軸方向の渦流を生
    成させるタンブル生成用ポートに設定されているととも
    に、Pポートが、吸気流れ方向下流側ほどPポート横断
    面形状の重心がシリンダ外周側に偏るようにして形成さ
    れていることを特徴とするエンジンの吸気装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載されたエンジンの吸気装
    置において、 Pポートに燃料噴射弁が設けられ、該燃料噴射弁が、そ
    の噴射口がシリンダ中心部付近を指向するようにして配
    置されていることを特徴とするエンジンの吸気装置。
  10. 【請求項10】 燃焼室内にスワールを生成させるPポ
    ートと、燃焼室内にタンブルを生成させるSポートとを
    設け、吸入空気量が少ない領域では燃焼室内にスワール
    を生成させる一方、吸入空気量が多い領域では燃焼室内
    にタンブルを生成させ、中間領域では燃焼室内にスワー
    ルとタンブルとを共存させつつ吸入空気量の増加に伴っ
    て徐々にタンブルの割合を増加させるようにしたことを
    特徴とするエンジンの吸気供給方法。
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