JP3199792U - 熱交換器およびこれに用いるマニホールド部材 - Google Patents

熱交換器およびこれに用いるマニホールド部材 Download PDF

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Abstract

【課題】熱交換媒体の流出入用流路の周囲に形成されたマニホールドの変形を抑制する。【解決手段】アルミニウムの板材の両面にロウ材が接合されてなるチューブ部材40を複数積層する際に、アルミニウムの板材により厚みがマニホールドと同一で櫛歯52を有する櫛形形状に形成されたマニホールド部材50を櫛歯52が連通流路36a〜36d側に向くようにマニホールド形成部48に配置し、積層体を加圧した状態で加熱処理により、ロウ材でロウ付けして熱交換器を構成する。マニホールド形成部48にマニホールド部材50を配置するから、加熱処理の際の加圧によりマニホールドが押し潰されて変形するのを抑制することができる。また、マニホールド部材50をマニホールドにロウ付けするから、熱交換媒体に高圧が作用することによりマニホールド内に高圧が作用してもマニホールドの変形を抑制することができる。【選択図】図2

Description

本考案は、熱交換器およびこれに用いるマニホールド部材に関し、詳しくは、扁平に形成された熱交換用チューブを複数積層することにより構成された熱交換器およびこれに用いるマニホールド部材に関する。
従来、この種の熱交換器としては、ステンレスやアルミニウムの薄板に折り曲げ加工や孔開け加工などを施して形成したチューブ部材を向かい合うように配置してロウ付けにより接合することにより構成される熱交換用チューブを複数積層したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この熱交換器のチューブ部材には、熱交換器を構成したときに熱交換用チューブを貫通する熱交換媒体の流入用流路および流出用流路を形成する2つの貫通孔と、この2つ貫通孔を連絡する熱交換媒体の流路を形成するために内側に凸のリブと、が形成されている。
特開2014−020672号公報
こうした扁平なチューブ部材を積層してなる熱交換器では、代替フロン等の冷媒を使用した空調機器への応用のために、薄板を用いて形成されたチューブ部材の熱交換媒体の流路に流通する熱交換媒体に高圧を作用させることが考えられている。この場合、チューブ部材の熱交換媒体の流路を高圧に耐えられるように流路幅を狭くする必要が生じる。また、こうした熱交換媒体の流路に熱交換媒体を安定して供給するために熱交換媒体の流入用流路および流出用流路の周りにマニホールドを形成することも行なわれる。一方、こうした熱交換器は、ステンレスやアルミニウムなどの金属による中心材にこの中心材より融点の低いロウ材(金属)を両面に接合して板材としたクラッド板材を用いてチューブ部材を形成し、チューブ部材を複数の熱交換用チューブが積層されるように組み付けて炉に入れてロウ付けすることにより製造することも行なわれる。こうしたクラッド板材により形成したチューブ部材を用いて熱交換器を構成する場合、チューブ部材を組み付けて加圧した状態で炉に入れるため、薄板により形成されたチューブ部材のマニホールド形成部が押し潰されて変形する場合が生じる。また、マニホールド内に高圧が作用することによりマニホールドが変形する場合も生じる。
本考案の熱交換器では、薄板のクラッド板材を用いて熱交換媒体に高圧を作用させるために熱交換媒体の流路の幅が小さくなるよう形成されたチューブ部材を複数積層して炉に入れてロウ付けすることにより構成される熱交換器において、熱交換媒体の流入用流路および流出用流路の周囲に形成されたマニホールドの変形を抑制することを主目的とする。
本考案の熱交換器は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本考案の熱交換器は、
第1金属による中心材に前記第1金属より融点の低い第2金属が両面に接合され厚みが0.3mm以下としたクラッド板材を用いて、向かい合わせに接合することにより熱交換媒体の少なくとも2つの流出入口と前記2つの流出入口を連通する少なくとも1つの連通流路とを有する扁平な熱交換用チューブを構成するよう形成されたチューブ部材を、隣接する熱交換用チューブの前記流出入口が整合するように複数積層して加熱処理により前記第2金属をロウ材としてロウ付けすることにより構成される熱交換器であって、
前記チューブ部材は、前記熱交換用チューブを形成したときに前記2つの流出入口の周囲にマニホールドを形成するマニホールド形成部が形成されており、
前記第1金属の融点と同一以上の融点の材料により厚みが前記マニホールドと同一で櫛歯を有する櫛形形状に形成され、前記櫛歯が前記連通流路側に向くように前記マニホールドに配置されたマニホールド部材を備える、
ことを特徴とする。
この本考案の熱交換器では、第1金属による中心材にこの第1金属より融点の低い第2金属が両面に接合され厚みが0.3mm以下としたクラッド板材を用いて、向かい合わせに接合することにより熱交換媒体の少なくとも2つの流出入口とこの2つの流出入口を連通する少なくとも1つの連通流路とを有する扁平な熱交換用チューブを構成するように、且つ、熱交換用チューブを形成したときに2つの流出入口の周囲にマニホールドを形成するマニホールド形成部が形成されるようにチューブ部材を形成する。そして、チューブ部材を、隣接する熱交換用チューブの流出入口が整合するように複数積層する際に、第1金属の融点と同一以上の融点の材料により厚みがマニホールドと同一で櫛歯を有する櫛形形状に形成されたマニホールド部材を櫛歯が連通流路側に向くように各マニホールド形成部に配置し、積層体を加圧した状態で加熱処理により第2金属をロウ材としてロウ付けして熱交換器を構成する。マニホールド部材は、加熱処理によりチューブ部材の各マニホールド形成部(熱交換用チューブの各マニホールド)にロウ付けされる。このため、加熱処理の際に加圧されてもマニホールドが押し潰されて変形するのを抑制することができる。また、マニホールド内に高圧が作用してもマニホールドの変形を抑制することができる。ここで、「クラッド板材」としては、アルミニウムの板材の両面にアルミシリコン合金などのロウ材を接合したりメッキしたものや、ステンレスの板材の両面に銅やニッケルなどのロウ材を接合したりメッキしたもの、銅の板材の両面にロウ材を接合したりメッキしたものなどが含まれる。「隣接する熱交換用チューブと流出入口が整合するように」とは熱交換用チューブを積層したときに全ての熱交換用チューブの流出入口の位置が一致することを意味している。従って、熱交換器(積層体)としたときに、熱交換器を積層方向に貫通する2つの流出入流路が形成される。この2つの流出入流路が熱交換媒体の流入流路および流出流路となる。「厚みがマニホールドと同一」とは、厚みがマニホールドと完全に同一であることだけでなく、マニホールド部材をマニホールド形成部にロウ付けする際にロウ材(第2金属)の溶融によってマニホールド形成部の厚みが変化する場合には厚みがマニホールドより若干薄いことや厚みがマニホールドより若干厚いこと、即ち、ロウ付け後にマニホールド部材がマニホールド内に嵌まっていることが可能な厚みであることを意味している。
こうした本考案の熱交換器において、前記マニホールド部材は、前記マニホールドに前記櫛歯が前記連通流路側に向くように配置したときに前後左右に移動不能に且つ回転不能に前記マニホールドに嵌まり込むように形成されているものとすることもできる。こうすれば、マニホールド部材がマニホールド内で前後左右のいずれかの方向に移動したり回転するのを抑止することができ、熱交換媒体の連通流路への流出入を阻害することがない。
また、本考案の熱交換器において、前記マニホールド部材は、前記マニホールドに前記櫛歯が前記連通流路側に向くように配置したときに前記櫛歯の内歯が前記流出入口を差し渡す長さで前記櫛歯の外歯より短くなるように形成されているものとすることもできる。こうすれば、マニホールド部材をマニホールドに配置したことによるマニホールドとしての機能低下を抑制することができる。ここで、「外歯」とはマニホールド部材の外周の枠を形成する櫛歯のことを意味しており、「内歯」とは外歯より内側に配置された櫛歯のことを意味している。
本考案の熱交換器において、前記チューブ部材は、前記マニホールド形成部の外周の一部に前記マニホールド部材を嵌め込む際の位置決め用の位置決め部が形成されており、前記マニホールド部材は、前記マニホールドに前記櫛歯が前記連通流路側に向くように配置したときに、前記位置決め部に整合する部分に前記位置決め部に整合する被位置決め部が形成されている、ものとすることもできる。こうすれば、チューブ部材を複数積層する際に、櫛歯が連通流路と反対側に向くようにマニホールド部材が配置されるのを抑止することができる。
本考案のマニホールド部材は、
第1金属による中心材に前記第1金属より融点の低い第2金属が両面に接合され厚みが0.3mm以下としたクラッド板材を用いて、向かい合わせに接合することにより熱交換媒体の少なくとも2つの流出入口と前記2つの流出入口を連通する少なくとも1つの連通流路とを有する扁平な熱交換用チューブを構成するよう形成されたチューブ部材であって前記熱交換用チューブを形成したときに前記2つの流出入口の周囲にマニホールドを形成するマニホールド形成部が形成されたチューブ部材を、隣接する熱交換用チューブの前記流出入口が整合するように複数積層して加熱処理により前記第2金属をロウ材としてロウ付けすることにより熱交換器を構成する際に前記マニホールドに配置されるマニホールド部材であって、
前記第1金属の融点と同一以上の融点の材料により、厚みが前記マニホールドと同一で櫛歯を有する櫛形形状に、更に、前記マニホールドに前記櫛歯が前記連通流路側に向くように配置したときに前後左右に移動不能に且つ回転不能に嵌まり込むように、形成されている、
ことを特徴とする。
この本考案のマニホールド部材は、第1金属による中心材にこの第1金属より融点の低い第2金属が両面に接合され厚みが0.3mm以下としたクラッド板材における第1金属の融点と同一以上の融点の材料により厚みがマニホールドと同一で櫛歯を有する櫛形形状に形成されている。上述のクラッド板材を用いて、向かい合わせに接合することにより熱交換媒体の少なくとも2つの流出入口とこの2つの流出入口を連通する少なくとも1つの連通流路とを有する扁平な熱交換用チューブを構成するように、且つ、熱交換用チューブを形成したときに2つの流出入口の周囲にマニホールドを形成するマニホールド形成部が形成されるように形成されたチューブ部材を、隣接する熱交換用チューブの流出入口が整合するように複数積層する際に、チューブ部材の各マニホールド形成部に本考案のマニホールド部材を櫛歯が連通流路側に向くように配置する。こうして形成された積層体は、加圧された状態で加熱処理が施されて第2金属をロウ材としてロウ付けし、熱交換器を構成する。この際、マニホールド部材は、チューブ部材の各マニホールド形成部(熱交換用チューブの各マニホールド)にロウ付けされる。このため、加熱処理の際に加圧されてもマニホールドが押し潰されて変形するのを抑制することができる。また、マニホールド内に高圧が作用してもマニホールドの変形を抑制することができる。「厚みがマニホールドと同一」とは、厚みがマニホールドと完全に同一であることだけでなく、マニホールド部材をマニホールド形成部にロウ付けする際にロウ材(第2金属)の溶融によってマニホールド形成部の厚みが変化する場合には厚みがマニホールドより若干薄いことや厚みがマニホールドより若干厚いこと、即ち、ロウ付け後にマニホールド部材がマニホールド内に嵌まっていることが可能な厚みであることを意味している。
実施例の熱交換器20の構成の概略を示す構成図である。 熱交換用チューブ30Aの構成の概略を示す構成図である。 熱交換用チューブ30Bの構成の概略を示す構成図である。 図1〜図3におけるA−A面の断面図である。 図1,図2におけるB−B面の断面図である。 チューブ部材40に形成されたマニホールド形成部48の構成の概略を示す構成図である。 マニホールド部材50の構成の概略を示す構成図である。 マニホールド形成部48とマニホールド部材50との配置を説明するための説明図である。 変形例のマニホールド部材150の構成を説明するための説明図である。 変形例のマニホールド形成部248とマニホールド部材250との構成を説明するための説明図である。
次に、本考案を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例の熱交換器20の構成の概略を示す構成図であり、図2は、熱交換用チューブ30Aの構成の概略を示す構成図であり、図3は、熱交換用チューブ30Bの構成の概略を示す構成図である。図4は、図1〜図3におけるA−A面の断面図であり、図5は、図1〜図3におけるB−B面の断面図である。図6は、チューブ部材40に形成されたマニホールド形成部48の構成の概略を示す構成図であり、図7は、マニホールド部材50の構成の概略を示す構成図であり、図8は、マニホールド形成部48とマニホールド部材50との配置を説明するための説明図である。実施例の熱交換器20は、空調装置や冷凍装置などの冷凍サイクルや発熱を伴って作動する機器の冷却装置などに用いられ、図1〜図5に示すように、2つのチューブ部材40とマニホールド部材50とにより構成される熱交換用チューブ30A,30Bを交互に複数積層して構成される積層体22と、熱交換用チューブ30A,30Bの積層方向(積層体22の配列方向、図1における上下方向)の両側に配置されるプレート23と、各熱交換用チューブ30A,30Bの長手方向(図1における左右方向)の両側に配置されるプレート24と、積層体22およびプレート23に形成される熱交換媒体の流入用流路25および流出用流路26に取り付けられる流入管27および流出管28と、を備える。この熱交換器20は、各熱交換用チューブ30A,30Bの後述する連通流路36a〜36dを流れるハイドロフルオロカーボンや水などの熱交換媒体と隣接する熱交換用チューブ30A,30B間を流れる空気などの被熱交換媒体との熱交換により、熱交換媒体を加熱または冷却する又は被熱交換媒体を冷却または加熱する。
熱交換用チューブ30Bは、図2および図3に示すように、熱交換用チューブ30Aの扁平面を水平にしたときに熱交換用チューブ30Aを鉛直軸回りに180度回転させたものと同一である。すなわち、熱交換用チューブ30Bは、熱交換用チューブ30Aを180度回転させただけで、熱交換用チューブ30Aと同一である。
熱交換用チューブ30A,30Bは、アルミニウムの板材の両面にアルミシリコン合金などのロウ材を配置して一体に圧延することによって板材とロウ材とを接合した厚さが0.2mmのいわゆるクラッド板材に対してプレス加工や孔開け加工などを施して向かい合わせに接合したチューブ部材40と、アルミニウムの板材に対して打ち抜き加工などを施して形成され向かい合わせに接合したチューブ部材40の後述するマニホールド形成部48に配置されたマニホールド部材50とから構成されている。
チューブ部材40には、図2および図3に示すように、長手方向(図中左右方向)の両端部近傍の2つの流出入口用貫通孔42や2つの流出入口用貫通孔42の周囲のフランジ部44,熱交換媒体の4つの連通流路36a〜36dを形成する4つの連絡溝46a〜46d,2つの流出入口用貫通孔42の周囲にマニホールド38を形成するマニホールド形成部48などが形成されている。
フランジ部44は、図4に示すように、熱交換用チューブ30A,30Bを積層したときに隣接するフランジ部44と接合するように、例えば、高さが0.5mmとなるように形成されている。これにより、隣接する熱交換用チューブ30A,30Bを所定間隔(例えば、1.0mm)に保持すると共に、熱交換用チューブ30A,30Bの両端部近傍の流出入口用貫通孔42が積層方向に接続されて熱交換媒体の流入用流路25および流出用流路26を形成する。
4つの連絡溝46a〜46dは、直線状の4つの溝が所定間隔をもって配置されるように、全体として両端部近傍の流出入口用貫通孔42の中心を結ぶ図2,図3における左右方向の中心線から一方側に偏心するように形成されている。例えば、4つの連絡溝46a〜46dは、深さが0.25mm、幅が1.0mmで3.5mmの間隔をもって配置される。従って、熱交換用チューブ30A,30Bには、全体として図2,図3における左右方向の中心線から一方側に偏心した熱交換媒体の4つの連通流路36a〜36dが形成される。このように熱交換媒体の4つの連通流路36a〜36dを全体として一方側に偏心させるのは、図2の熱交換用チューブ30Aと図3の熱交換用チューブ30Bとを交互に積層したときに、隣接する熱交換用チューブのうちの一方の熱交換用チューブ30Aに形成された4つの連通流路36a〜36dと他方の熱交換用チューブ30Bに形成された4つの連通流路36a〜36dとが整合(対向)しないようにするためである。これにより、被熱交換媒体の流路の幅を確保し風損を小さくすることができる。
マニホールド形成部48は、2つの流出入口用貫通孔42と4つの連絡溝46a〜46dとを連通し積層方向(図2,図3における紙面に垂直な方向)から視て全体として略矩形形状の凹部として形成され、4つの連絡溝46a〜46dと同一の深さ(実施例では0.25mm)となるように形成されている。これにより、チューブ部材40を向かい合わせに接合したときに2つの流出入口用貫通孔42の周囲に、4つの連通流路36a〜36dと同じ厚み(実施例では0.5mm)で積層方向から視て全体として略矩形形状のマニホールド38が形成される。マニホールド38は、4つの連通流路36a〜36dに熱交換媒体を流入出させる際の圧損を小さくしつつ、4つの連通流路36a〜36dに熱交換媒体を略均等に流出入させる。マニホールド形成部48には、図6に示すように、右上角に、面取りした形状の位置決め部48aが形成されている。
マニホールド部材50は、図2〜図5,図7,図8に示すように、複数の櫛歯52を有する櫛形形状に形成されている。マニホールド部材50は、積層方向(図2,図3,図7における紙面に垂直な方向)から視た形状が全体としてマニホールド38に整合する略矩形となり、マニホールド38と同じ厚み(実施例では0.5mm)になるように形成されている。従って、マニホールド部材50を、櫛歯52を4つの連通流路36a〜36d側に向けてマニホールド38内に嵌め込むことができる。これにより、マニホールド部材50がマニホールド38内で前後左右のいずれかの方向に移動したり回転したりするのが抑止されるから、マニホールド部材50が移動したり回転したりすることにより熱交換媒体の4つの連通流路36a〜36dへの流出入が阻害されることを抑止できる。マニホールド部材50には、図7,図8に示すように、マニホールド形成部48の位置決め部48aに整合する位置、すなわち、右上角に、位置決め部48aに整合するように面取りした形状の被位置決め部54が形成されている。位置決め部48aと被位置決め部54とを整合させることにより、櫛歯52が4つの連通流路36a〜36dと反対側に向くようにマニホールド部材50が配置されることを抑止することができる。櫛歯52は、熱交換媒体を4つの連通流路36a〜36dに流通させる際の圧損が充分に小さくなるように流出入口用貫通孔42の開口径や熱交換媒体の圧力などに応じて櫛歯52の長さや間隔などが調整されている。複数の櫛歯52のうち、マニホールド部材50の外周の枠を形成する外歯52aより内側に配置された内歯52bは、図8に示すように、流出入口用貫通孔42を差し渡してフランジ部44の4つの連絡溝46a〜46d(連通流路36a〜36d)側の端に達する長さで、外歯52aより短くなるように形成されている。これにより、流出入口用貫通孔42から4つの連通流路36a〜36dへの熱交換媒体の流出入が内歯52bにより妨げられることが抑制され、マニホールド部材50をマニホールド38に配置したことによるマニホールドとしての機能低下を抑制することができる。
実施例では、マニホールド38内にマニホールド部材50を配置して熱交換用チューブ30A,30Bとし、図2の熱交換用チューブ30Aと図3の熱交換用チューブ30Bとが交互に積層されるように積層配置して積層体22とし、積層体22を積層方向の両側から加圧した状態で、積層体22をロウ材の融点より高くチューブ部材40やマニホールド部材50を形成する板材の融点より低い温度(例えば610℃や620℃など)で加熱することによって当接部を接合(ロウ付け)して構成する。すなわち、熱交換用チューブ30A、30Bを構成するチューブ部材40の向かい合わせの接触部やチューブ部材40のマニホールド形成部48とマニホールド部材50との接触部、隣接する熱交換用チューブ30A,30Bのフランジ部44の接触部を接合する。こうした加熱処理により、実施例では、熱交換用チューブ30A,30Bの構成および積層体22の構成を同時に行なうことができる。この際の加圧により、熱交換用チューブ30A,30Bのマニホールド38が押し潰されて変形しようとするが、マニホールド38内にマニホールド部材50を嵌め込んでいるから、こうした変形を抑制することができる。また、チューブ部材40を形成する板材と同じアルミニウムによりマニホールド部材50を形成するから、チューブ部材40とマニホールド部材50とをアルミシリコン合金をロウ材として良好にロウ付けすることができる。さらに、こうして構成された熱交換器20では、熱交換媒体に高圧を作用させると、マニホールド38内に高圧が作用してマニホールド38が変形しようとするが、マニホールド部材50は、加熱処理によりチューブ部材40のマニホールド形成部48(熱交換用チューブ30A,30Bのマニホールド38)にロウ付けされているから、こうした変形を抑制することができる。
以上説明した実施例の熱交換器20では、アルミニウムの板材の両面にアルミシリコン合金などのロウ材が接合されてなるクラッド板材を用いて、向かい合わせに接合することにより熱交換媒体の2つの流出入口としての流出入口用貫通孔42と流出入口用貫通孔42を連通する4つの連通流路36a〜36dとを有する扁平な熱交換用チューブ30A,30Bを構成するように、且つ、熱交換用チューブ30A,30Bを形成したときに流出入口用貫通孔42の周囲にマニホールド38を形成するマニホールド形成部48が形成されるようにチューブ部材40を形成する。そして、チューブ部材40を、隣接する熱交換用チューブ30A,30Bの流出入口用貫通孔42が整合するように複数積層する際に、アルミニウムの板材により厚みがマニホールド38と同一で櫛歯52を有する櫛形形状に形成されたマニホールド部材50を櫛歯52が連通流路36a〜36d側に向くようにマニホールド形成部48に配置し、積層体22を加圧した状態で加熱処理により、アルミシリコン合金をロウ材としてロウ付けして熱交換器20を構成する。この際に、マニホールド部材50は、加熱処理によりチューブ部材40のマニホールド38にロウ付けされる。これにより、加熱処理の際に加圧されてもマニホールド38が押し潰されて変形するのを抑制することができる。また、マニホールド38内に高圧が作用してもマニホールド38の変形を抑制することができる。
また、実施例の熱交換器20では、マニホールド形成部48,マニホールド部材50を、積層方向から視た形状が全体として略矩形となるように形成するから、接合の際にマニホールド38内でマニホールド部材50が前後左右のいずれか方向に移動したり、回転したりすることを抑止できる。これにより、マニホールド部材50で熱交換媒体の4つの連通流路36a〜36dの流出入が阻害されることが抑制される。
さらに、実施例の熱交換器20では、内歯52bを、流出入口用貫通孔42を差し渡す長さでフランジ部44の4つの連絡溝46a〜46d(連通流路36a〜36d)側の端に達する長さで、外歯52aより短くなるように形成することにより、マニホールド部材50をマニホールド38に配置したことによるマニホールドとしての機能低下を抑制することができる。
そして、実施例の熱交換器20では、マニホールド形成部48の位置決め部48aに整合する位置に、位置決め部48aに整合するように面取りした形状の被位置決め部54を形成することにより、チューブ部材40を複数積層する際に、櫛歯52が4つの連通流路36a〜36dと反対側に向くようにマニホールド部材50が配置されることを抑止することができる。
実施例の熱交換器20では、内歯52bを、流出入口用貫通孔42を差し渡してフランジ部44の4つの連絡溝46a〜46d(連通流路36a〜36d)側の端に達する長さに形成するものとしたが、図9の変形例のマニホールド部材150に例示するよう、内歯152bを、流出入口用貫通孔42を差し渡す長さより短い長さに形成するものとしてもよいし、流出入口用貫通孔42を丁度差し渡す長さに形成するものとしてもよいし、内歯152bの先端と外歯52aの先端とが揃う長さに形成するものとしてもよい。
実施例の熱交換器20では、マニホールド部材50を、マニホールド38と同じ厚みになるように形成するものとしたが、ロウ付け後にマニホールド部材50がマニホールド38内に嵌まっていることが可能な厚みであればよく、例えば、ロウ付けの際のロウ材(第2金属)の溶融によってマニホールド形成部48の厚みが変化する場合には、マニホールド部材50をマニホールド38より若干薄く形成するものとしたり、マニホールド38より若干厚く形成するものとしてもよい。
実施例の熱交換器20では、マニホールド形成部48に、面取りした形状の位置決め部48aを形成するものとしたが、マニホールド形成部48の外周の一部にマニホールド部材50を嵌め込む際の位置決め用の位置決め部が形成されていればよいから、図10に例示するように、マニホールド形成部248の外周の一部に外側に凹となる位置決め部248aが形成されているものとしてもよい。この場合、マニホールド部材250には、位置決め部248aに整合する部分に位置決め部248aに整合する外側に凸となる被位置決め部254を形成すればよい。また、実施例の熱交換器20では、マニホールド形成部48に位置決め部48aを形成し、マニホールド部材50に被位置決め部54を形成するものとしたが、こうした位置決め部48aや被位置決め部54が形成されないものとしてもよい。
実施例の熱交換器20では、マニホールド形成部48,マニホールド部材50の積層方向から視た形状を共に略矩形形状であるものとしたが、マニホールド形成部48,マニホールド部材50の積層方向から視た形状は略矩形形状に限定されるものではなく、例えば、マニホールド形成部48,マニホールド部材50の一方を全体として略矩形形状にし、他方を全体として略円形形状にしてもよい。
実施例の熱交換器20では、流出入口用貫通孔42の周囲にフランジ部44を形成するものとしたが、フランジ部44に代えてバーリング加工によりバーリング加工部を形成するものとしてもよい。この場合、チューブ部材の2つのバーリング加工部うちの一方のバーリング加工部が他方のバーリング加工部に嵌合するよう一方のバーリング加工部の径を他方のバーリング加工部の径より若干小さく或いは若干大きく形成するのが好ましい。こうしたバーリング加工部を有するチューブ部材を、実施例の熱交換用チューブ30Aと熱交換用チューブ30Bとが交互に重なるように積層すれば、向かい合うチューブ部材のバーリング加工部が嵌まり合うようにすることができる。
実施例の熱交換器20では、アルミニウムの板材の両面にアルミシリコン合金などのロウ材を接合した厚さが0.2mmのクラッド板材を用いてチューブ部材40を形成するものとしたが、0.2mmより薄いアルミニウムとアルミニウム合金によるクラッド板材や0.2mmより厚いアルミニウムとアルミニウム合金によるクラッド板材を用いてチューブ部材40を形成するものとしてもよい。また、ステンレスの板材の両面に銅やニッケルなどのロウ材を接合したクラッド板材やステンレスの板材の両面にメッキを施した板材を用いてチューブ部材を形成するものとしてもよい。さらに、銅の板材の両面にロウ材を接合したりメッキした板材を用いてチューブ部材を形成するものとしてもよい。
実施例の熱交換器20では、アルミウムの板材を用いてマニホールド部材50を形成するものとしたが、マニホールド部材50は、チューブ部材40を形成する板材の材料の融点と同一以上の材料により形成すればよく、例えば、チューブ部材40を形成する板材がアルミニウムを材料とする場合には銅により形成するものとしてもよい。
以上、本考案を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本考案はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本考案は、熱交換器やマニホールド部材の製造産業などに利用可能である。
20 熱交換器、22 積層体、23,24 プレート、25 流入用流路、26 流出用流路、27 流入管、28 流出管、30A,30B 熱交換用チューブ、36a,36b,36c,36d 連通流路、38 マニホールド、40 チューブ部材、42 流出入口用貫通孔、44 フランジ部、46a,46b,46c,46d 連絡溝、48,248 マニホールド形成部、48a,248a 位置決め部、50,150,250 マニホールド部材、52 櫛歯、52a 外歯、52b,152b 内歯、54,254 被位置決め部。

Claims (5)

  1. 第1金属による中心材に前記第1金属より融点の低い第2金属が両面に接合され厚みが0.3mm以下としたクラッド板材を用いて、向かい合わせに接合することにより熱交換媒体の少なくとも2つの流出入口と前記2つの流出入口を連通する少なくとも1つの連通流路とを有する扁平な熱交換用チューブを構成するよう形成されたチューブ部材を、隣接する熱交換用チューブの前記流出入口が整合するように複数積層して加熱処理により前記第2金属をロウ材としてロウ付けすることにより構成される熱交換器であって、
    前記チューブ部材は、前記熱交換用チューブを形成したときに前記2つの流出入口の周囲にマニホールドを形成するマニホールド形成部が形成されており、
    前記第1金属の融点と同一以上の融点の材料により厚みが前記マニホールドと同一で櫛歯を有する櫛形形状に形成され、前記櫛歯が前記連通流路側に向くように前記マニホールドに配置されたマニホールド部材を備える、
    ことを特徴とする熱交換器。
  2. 請求項1記載の熱交換器であって、
    前記マニホールド部材は、前記マニホールドに前記櫛歯が前記連通流路側に向くように配置したときに前後左右に移動不能に且つ回転不能に前記マニホールドに嵌まり込むように形成されている、
    熱交換器。
  3. 請求項1または2記載の熱交換器であって、
    前記マニホールド部材は、前記マニホールドに前記櫛歯が前記連通流路側に向くように配置したときに前記櫛歯の内歯が前記流出入口を差し渡す長さで前記櫛歯の外歯より短くなるように形成されている、
    熱交換器。
  4. 請求項1ないし3のうちのいずれか1つの請求項に記載の熱交換器であって、
    前記チューブ部材は、前記マニホールド形成部の外周の一部に前記マニホールド部材を嵌め込む際の位置決め用の位置決め部が形成されており、
    前記マニホールド部材は、前記マニホールドに前記櫛歯が前記連通流路側に向くように配置したときに、前記位置決め部に整合する部分に前記位置決め部に整合する被位置決め部が形成されいる、
    熱交換器。
  5. 第1金属による中心材に前記第1金属より融点の低い第2金属が両面に接合され厚みが0.3mm以下としたクラッド板材を用いて、向かい合わせに接合することにより熱交換媒体の少なくとも2つの流出入口と前記2つの流出入口を連通する少なくとも1つの連通流路とを有する扁平な熱交換用チューブを構成するよう形成されたチューブ部材であって前記熱交換用チューブを形成したときに前記2つの流出入口の周囲にマニホールドを形成するマニホールド形成部が形成されたチューブ部材を、隣接する熱交換用チューブの前記流出入口が整合するように複数積層して加熱処理により前記第2金属をロウ材としてロウ付けすることにより熱交換器を構成する際に前記マニホールドに配置されるマニホールド部材であって、
    前記第1金属の融点と同一以上の融点の材料により、厚みが前記マニホールドと同一で櫛歯を有する櫛形形状に、更に、前記マニホールドに前記櫛歯が前記連通流路側に向くように配置したときに前後左右に移動不能に且つ回転不能に嵌まり込むように、形成されている、
    ことを特徴とするマニホールド部材。
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JP2017072331A (ja) * 2015-10-09 2017-04-13 有限会社和氣製作所 熱交換器およびその製造方法
JP2019045045A (ja) * 2017-08-31 2019-03-22 有限会社和氣製作所 熱交換器およびその製造方法
JP2020190370A (ja) * 2019-05-22 2020-11-26 有限会社和氣製作所 マイクロ熱交換器およびその製造方法
JP7443630B1 (ja) 2023-03-15 2024-03-05 三菱電機株式会社 熱交換器およびそれを備えた空気調和装置

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