JP3196335B2 - 重合体微粒子の製造方法及び重合体微粒子 - Google Patents

重合体微粒子の製造方法及び重合体微粒子

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    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01FMIXING, e.g. DISSOLVING, EMULSIFYING OR DISPERSING
    • B01F23/00Mixing according to the phases to be mixed, e.g. dispersing or emulsifying
    • B01F23/40Mixing liquids with liquids; Emulsifying
    • B01F23/41Emulsifying
    • B01F23/4105Methods of emulsifying

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  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は重合体微粒子の製造方法
及び重合体微粒子に関し、さらに詳しくは、粒子径が大
きく且つ均一な重合体微粒子の製造方法及び平均粒子径
が1〜100μmで、粒子径分散指数が1以下である重
合体微粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】カラム充填剤、各種のスペーサー、診断
薬担体等に用いられる重合体粒子は、1〜100μmの
大きな粒子径を有し、しかも粒子径が均一であることが
要求される。この要求に応える一方法として、種ラテッ
クスの存在下、重合性単量体を添加してシード乳化重合
する方法が提案されている。しかし、この方法で1μm
以上の粒子径の重合体粒子を得ようとすると、重合反応
を非常に遅くする必要があるため、工業上実用的でなか
った。重合性単量体を水に混合し、強力な撹拌機、ホモ
ジナイザー、コロイドミル、超音波分散乳化機などで分
散処理したエマルジョンを重合する方法が提案されてい
る。しかし、この方法では、強力な撹拌力で長時間撹拌
しても、重合体粒子の粒子径の均一性は充分でなく、し
かも粒子径を任意の大きさに制御することは不可能であ
る。膨潤助剤をシード粒子に吸収させた後、さらに重合
性単量体を吸収させて重合を行う方法(特開昭54−1
26288号公報)が提案されている。しかし、この方
法ではシード粒子に膨潤助剤及び重合性単量体を二段階
で吸収させる必要があり、工程が複雑である。別の方法
として、分散相となるべき液体を均一な細孔径を有する
ミクロ多孔膜体を通して連続相となるべき液体中に圧入
してエマルジョンを得る方法(特開平2−95433号
公報)が提案されている。確かに、この方法によって、
当初は均一な粒子径のエマルジョンを得ることができる
が、時間の経過とともに、粒子径分布の広いエマルジョ
ンになるので、このエマルジョンを重合しても重合体粒
子の粒子径は不均一になる。また、前述の方法などで得
られた広い粒子径分布を持つ重合体粒子を、分級して粒
子径を揃える方法もあるが、この方法では工程が煩雑で
手間がかかる割に、粒子径が均一な重合体粒子の収率は
低い。そこで、粒子径が大きく且つ均一な重合体微粒子
の製法が要望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、大き
な粒子径で且つ均一な重合体微粒子の製造方法及び平均
粒子径が1〜100μmで、粒子径分散指数が1以下で
ある重合体微粒子を提供することにある。本発明者らは
この目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、特定の有
機化合物及び重合性単量体を含有する油相液を多孔性膜
を通して水相液中に押し出して得たエマルジョンを重合
することによって本目的を達成できることを見いだし、
この知見に基いて本発明を完成するに到った。
【0004】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、20℃の水に対する溶解度が0.015重量%以下
で且つ分子量が5000以下の有機化合物A及び重合性
単量体を含有する油相液を多孔性膜を通して水相液中に
押し出して得たエマルジョンを重合することを特徴とす
る重合体微粒子の製造方法及びこの製造方法で得られる
重合体微粒子であって、平均粒子径が1〜100μm
で、粒子径分散指数が1以下であることを特徴とする重
合体微粒子が提供される。
【0005】本発明に用いる油相液は、20℃の水に対
する溶解度が0.015重量%以下で且つ分子量が50
00以下の有機化合物A及び重合性単量体からなる。
【0006】本発明に用いる有機化合物Aは、重合開始
反応を起こさず且つ重合生長反応をしない有機化合物で
ある。有機化合物Aの20℃の水に対する溶解度は0.
015重量%以下、好ましくは0.01重量%以下であ
り、分子量は5000以下、好ましくは80〜4500
である。20℃の水に対する溶解度が0.015重量%
超又は分子量が5000超の有機化合物Aを用いた場合
には重合体微粒子の粒子径分布が広くなる。なお、有機
化合物Aとしてオリゴマーを用いる場合には、分子量は
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーでポリスチレ
ンを基準にして測定したオリゴマーの重量平均分子量で
ある。また、有機化合物Aの重合性単量体に対する溶解
度は特に限定されない。
【0007】有機化合物Aとしては、例えばヘキサン、
ヘプタン、オクタン等のアルカン;1−クロロドデカ
ン、2−ブロモドデカン、2−クロロウンデカン、1−
クロロデカン等のハロゲン化炭化水素;アジピン酸ジオ
クチル、メタクリル酸ステアリル等のエステル;後述の
疎水性重合性単量体を連鎖移動剤の存在下に重合して得
られる分子量5000以下のオリゴマーなどを挙げるこ
とができる。特に、1−クロロドデカン等のハロゲン化
炭化水素又は疎水性重合性単量体を重合して得られるオ
リゴマーを用いると、より均一な重合体微粒子が得られ
るので好ましい。
【0008】有機化合物Aの使用量は、重合性単量体に
対して0.2〜10重量%であり、好ましくは0.5〜
8重量%である。0.2重量%未満では、重合体微粒子
の粒子径分布が広くなり、逆に10重量%超では、重合
体微粒子の平均粒子径が小さくなるばかりか、有機化合
物Aが不純物となるので重合体微粒子を薬剤担体等に用
いることができなくなるので好ましくない。
【0009】本発明に用いる重合性単量体は、20℃の
水に対する溶解度が10重量%以下の疎水性重合性単量
体である。例えば、スチレン、アルキルスチレン、ビニ
ルナフタレン等のビニル芳香族単量体;(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)
アクリル酸テトラフルオロプロピル、マレイン酸ジブチ
ル、フマル酸ジブチル、マレイン酸エチル、(メタ)ア
クリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシ
エチル、(メタ)アクリル酸メトキシエトキシエチル、
(メタ)アクリル酸シアノメチル、(メタ)アクリル酸
2−シアノエチル、(メタ)アクリル酸1−シアノプロ
ピル、(メタ)アクリル酸2−エチル−6−シアノヘキ
シル、(メタ)アクリル酸3−シアノプロピル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
ヒドロキシプロピル、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−
スルホエチルアクリレート、2−スルホプロピルメタク
リレート等のエチレン性不飽和カルボン酸エステル単量
体;フルオロエチルビニルエーテル等のフルオロアルキ
ルビニルエーテル;ビニルピリジン;ビニルノルボーネ
ン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン等の
非共役ジエン単量体;エチレン、プロピレン等のオレフ
ィン;1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメ
チル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタ
ジエン、1,3−ペンタジエン及びクロロプレン等の共
役ジエン単量体;などを挙げることができる。これらの
疎水性重合性単量体は1種で又は2種以上を組合せて使
用することができる。
【0010】本発明に用いる重合性単量体には、必要に
応じて、親水性重合性単量体を含有させることができ
る。親水性重合性単量体とは、20℃の水に対する溶解
度が10重量%超のものをいう。その具体例としては、
(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アク
リルアミド、N,N−ジメチロール(メタ)アクリルア
ミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N
−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド等のエチレ
ン性不飽和アミド単量体;アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、フマロニトリル、α−クロロアクリロニト
リル、α−シアノエチルアクリロニトリル等のエチレン
性不飽和ニトリル単量体;アクリル酸、メタクリル酸、
イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、
無水シトラコン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸単量
体及びその塩;などが挙げられる。特に前述の疎水性重
合性単量体と混和する親水性重合性単量体が好ましく用
いられる。親水性重合性単量体の使用量は、疎水性重合
性単量体に対して10重量%未満、好ましくは8重量%
未満である。10重量%以上となると、重合体微粒子の
粒子径分布が広くなる。
【0011】また、本発明に用いる油相液には、粒子径
がより均一な重合体微粒子を得るために重合開始剤を含
有させることが好ましい。重合開始剤としては、例えば
ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイ
ド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイ
ド、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物;アゾビス
イソブチロニトリル等のアゾ系化合物;過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;などが挙げられ
る。また、過酸化物と還元剤とを組み合わせたレドック
ス系重合開始剤も使用することができる。特に、オクタ
ノイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサ
ノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の
20℃の水に対する溶解度が0.015重量%以下の重
合開始剤が好適に用いられる。油相液に含有させること
ができる重合開始剤の量は、重合性単量体に対して0.
05〜10重量%である。10重量%以上となると、重
合反応の制御が困難となるので好ましくない。
【0012】本発明に用いる油相液の調製方法は、特に
限定されず、例えば、重合性単量体に有機化合物Aを添
加攪拌して分散又は溶解する方法、有機化合物Aに重合
性単量体を添加攪拌して分散又は溶解する方法などいず
れの方法を採用しても良い。
【0013】本発明に用いる水相液は、水又は水に乳化
剤もしくは水溶性高分子を溶解した液である。特に、水
相液として水に水溶性高分子を溶解した液を用いると、
重合時に凝集物の発生が少なく、より均一な粒子径の重
合体微粒子が得られるので好ましい。
【0014】水溶性高分子は、分子量が2000以上、
好ましくは5000以上のものである。その具体例とし
ては、ポリビニルアルコール等の水酸基含有重合体;ポ
リ酢酸ビニル等のポリビニルエステル;ポリエチレンオ
キシド等のポリエーテル;ポリアクリルアミド等のアミ
ド基含有重合体;ポリアクリル酸等のカルボキシル基含
有重合体;ポリビニルピロリドン;セルロース類;多糖
類;などを挙げることができる。これらの水溶性高分子
は1種で又は2種以上を組み合わせて使用することがで
きる。特に、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミ
ド、ポリアクリル酸、ポリ酢酸ビニル等の重合において
分散剤として用いられる水溶性高分子が好ましい。水相
液として、水に水溶性高分子を溶解した液を用いる場
合、水溶性高分子の使用量は重合性単量体に対して0.
1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%である。
0.1重量%未満では、重合時に凝集物が生じる。逆に
20重量%超では、経済的でない。
【0015】乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチ
レンアルキレンエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
フェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエス
テル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル
等の非イオン性乳化剤;ミリスチミン酸、パルミチン
酸、オレイン酸、リノレン酸の如き脂肪酸及びその塩、
アルキルアリルスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エス
テル、アルキルスルホコハク酸等のアニオン系乳化剤;
トリメチルアンモニウムクロライド、ジアルキルアンモ
ニウムクロライドの如きアンモニウムクロライドや、ベ
ンジルアンモニウム塩等及び第4級アンモニウム塩等の
カチオン系乳化剤;α,β−不飽和カルボン酸のスルホ
エステル、α,β−不飽和カルボン酸のサルフェートエ
ステル、スルホアルキルアリールエーテル等の二重結合
を含む共重合性乳化剤などを挙げることができる。これ
らの乳化剤は1種で又は2種以上を組み合わせて用いる
ことができる。水相液として、水に乳化剤を溶解した液
を用いる場合、乳化剤の使用量は、重合性単量体に対し
て0.1〜10重量%である。0.1重量%未満では、
重合時に凝集物が生じる。逆に10重量%超では、重合
体微粒子の平均粒子径が小さくなる。
【0016】本発明に用いる多孔性膜は、均一な細孔径
を有する多孔性膜である。均一な細孔径とは、多孔性膜
の細孔径分布が相対累積細孔径分布曲線において、大き
い細孔径の方からの積算量が10%のときの細孔径(φ
10)を、90%のときの細孔径(φ90)で除した値が1
〜2.5の範囲内にあることをいう。この範囲外では、
重合体微粒子の粒子径が不均一になる。また、膜の機械
的強度を保ち且つ圧力損失を小さくするために、多孔性
膜の平均細孔径はメジアン径で0.1〜50μmである
ことが好ましく、また、多孔性膜の厚みは、0.3〜2
mmであることが好ましい。
【0017】多孔性膜の具体例としては、多孔性のアル
ミナ、ジルコニア、マグネシア、アラルダイト、カーボ
ランダムなどのセラミックスの膜状成型物;CaO−B
23 −SiO2 −Al23 系多孔性ガラス(特公昭
62−25618号公報)、CaO−B23 −SiO
2 −Al23 −Na2 O系多孔性ガラス、CaO−B
23 −SiO2 −Al23 −Na2 O−MgO系多
孔性ガラス(特開昭61−40841号公報)などの多
孔性ガラスの膜状成型物;等が挙げられる。特に、多孔
性ガラスの膜状成型物は、平均細孔径を任意に調整する
ことができるうえ、細孔径が均一であるので好ましく用
いられる。なお、本発明に用いる多孔性膜は、必要に応
じてシリル化剤、シランカップリング剤などで表面処理
したものであってもよい。
【0018】本発明においては、油相液を多孔性膜を通
して水相液に押し出てエマルジョン得、次に該エマルジ
ョンを重合する。
【0019】油相液を多孔性膜を通して水相液に押し出
すためには、図1及び図2に示すとおり多孔性膜で仕切
られた油相液側の圧力(PO )を、水相液側の圧力(P
W )よりも高くすることが必要である。油相液を水相液
中に押し出すための具体的方法としては、例えば油相液
側をコンプレッサーなどで加圧する方法;水相液側を真
空ポンプなどで減圧する方法;油相液側と水相液側との
圧力差を油相液及び水相液の流量の差によって調整する
方法などが挙げられる。
【0020】油相液を水相液中に押し出す際、油相液
は、重合性単量体又は有機化合物Aの相分離又は沈降を
防ぐために、攪拌、循環流通などによって流動させるこ
とが好ましい。また、水相液は、図2に示すとおり水相
液中に押し出された油相液が多孔性膜から離脱しやすく
するために、攪拌、循環流通などによって流動させるこ
とが好ましい。
【0021】油相液側と水相液側との圧力差は、油相液
と水相液を仕切る多孔性膜の圧力損失の1.1〜6倍の
値とすることが好ましい。1.1倍未満では油相液の押
しだし速度が遅くなる。逆に6倍超では、重合体微粒子
の粒子径が不均一になる。多孔性膜の圧力損失は、油相
液の界面張力、接触角、粘度、多孔性膜の細孔径、厚さ
などによって決まる値である。
【0022】油相液を水相液中に押し出す際、油相液の
温度は、特に限定されないが、重合開始剤を油相液に含
有させている場合には、この重合開始剤によって、重合
性単量体の重合反応が開始する温度未満にすることが好
ましく、通常0〜50℃である。また、水相液の温度
は、特に限定されず、油相液の温度と同じである必要も
ない。
【0023】水相液中に押し出す油相液の量は、水相液
100重量部に対して1〜100重量部、好ましくは5
〜70重量部である。1重量部未満ではエマルジョン濃
度が低いので、重合体微粒子の生産性が低い。逆に10
0重量部超では重合体微粒子の粒子径が不均一になる。
【0024】油相液を多孔性膜を通して水相液に押しだ
して得たエマルジョンの重合は、油相液を水相液中に押
し出す際に使用した容器でそのまま該エマルジョンを重
合するか、あるいは、該エマルジョンを他の重合反応器
に移して重合する。エマルジョンを他の重合反応器に移
して重合する場合、エマルジョンを重合反応器に仕込む
方法は、特に限定されず、エマルジョンを反応器に一括
して仕込む方法、エマルジョンを重合反応器に連続的に
又は間欠的に供給する方法などの方法を適宜採用するこ
とができる。
【0025】重合方法としては、通常、懸濁重合法が用
いられる。重合反応器の形式、攪拌方法は特に限定され
ない。重合温度は、使用する重合開始剤によって異なる
が、通常0〜90℃である。
【0026】重合開始剤としては、油相液に含有させる
ことができる前述の重合開始剤と同じものが用いられ
る。重合開始剤は、油相液に重合開始剤を含有させてい
ない場合には重合の際に反応器に添加し、油相液に重合
開始剤を含有させている場合は、重合の際に必要に応じ
て反応器に添加する。重合開始剤の添加方法は特に限定
されず、例えば重合開始剤を反応器に一括で仕込む方
法;重合開始剤を連続的に又は間欠的に供給して添加す
る方法;重合開始剤の一部を反応器に一括で仕込み、そ
の残部を連続的に又は間欠的に供給して添加する方法な
どのいずれの方法でもよい。重合開始剤の添加量は、油
相液に重合開始剤を含有させていない場合には重合性単
量体に対して通常0.05〜10重量%である。油相液
に重合開始剤を含有させている場合は重合開始剤の全使
用量が重合性単量体に対して10重量%以下になる範囲
で添加する。0.05重量%未満では重合反応が遅すぎ
るので実用的でない。逆に10重量%超では重合反応の
制御が困難になる。
【0027】なお、必要に応じて、水溶性高分子、乳化
剤、連鎖移動剤などを重合を開始する際に反応器に一括
して又は重合途中で連続的にもしくは間欠的に反応器に
供給して添加することができる。水溶性高分子として
は、水相液に含有させることができる水溶性高分子と同
じものが用いられる。水溶性高分子の添加量は、水相液
として水に水溶性高分子を溶解していない液を用いた場
合には、重合性単量体に対して0.1〜20重量%であ
る。水相液として水に水溶性高分子を溶解した液を用い
た場合には、水溶性高分子の全使用量が20重量%以下
になる範囲である。20重量%超では経済的でない。逆
に0.1重量%未満では重合時に凝集物が生じる。
【0028】乳化剤としては、水相液に含有させること
ができる乳化剤と同じものが用いられる。乳化剤の添加
量は、水相液として水に乳化剤を溶解していない液を用
いた場合には、重合性単量体に対して0.1〜10重量
%である。水相液として水に乳化剤を溶解した液を用い
た場合には、乳化剤の全使用量が10重量%以下になる
範囲である。0.1重量%未満では重合時に凝集物が生
じる。逆に10重量%超では重合体微粒子の粒子径が小
さくなる。
【0029】連鎖移動剤としては、ラジカル重合で通常
用いられるものであればよく、例えばt−ドデシルメル
カプタン等のメルカプタン;キサントゲンジスルフィ
ド;四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素;α−メチルス
チレンダイマー等の芳香族ビニル単量体のオリゴマー;
などを挙げることができる。その使用量は特に限定され
ない。
【0030】
【発明の効果】かくして本発明によれば、粒子径が大き
く且つ均一な重合体微粒子を得る製造方法及び平均粒子
径が1〜100μmであり、粒子径分散指数が1以下で
ある重合体微粒子が提供される。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明する。なお、実施例中の部及び%は特に断わりのな
い限り、重量基準である。
【0032】〔評価方法〕 (重合体微粒子の平均粒子径及び粒子径分布)コールタ
ーマルチサイザー(コールター社製)にて測定した。平
均粒子径はメジアン径(D50)により評価し、粒子径分
布は数1に示す粒子径分散指数により評価した。
【0033】
【数1】
【0034】但し、D10、D50及びD90はそれぞれ累積
粒子径分布曲線における積算量が10%、50%及び9
0%を示す時の粒子径である。
【0035】〔膜乳化装置〕実施例で用いる膜乳化装置
は、図3に示すとおり、円筒状の多孔性膜(3)を内管
に使用した2重管(9)、ポンプ(5)、油相液用容器
(10)、水相液用容器(11)及びバルブからなる。
水相液(2)はポンプ(5)で、水相液用容器(11)
から、水相液ライン(7)を経由して、2重管(9)の
内管を流通し、水相液用容器(11)に戻る。一方油相
液(1)は別のポンプで油相液用容器(10)から、油
相液ライン(8)を経由して、2重管(9)の外管を流
通し、油相液用容器(10)に戻る。油相液側と水相液
側との圧力差は、バルブの開度によって、油相液及び水
相液の流量を調整して、油相液側の圧力が水相液側の圧
力よりも高くなるようにする。油相液は2重管(9)の
外管内から、多孔性膜を通して内管内に押し出され、エ
マルジョンの粒子を形成する。このエマルジョンの粒子
は水相液の流れにのって流通する。エマルジョンは時間
の経過に従って濃度が高くなる。所定時間経過後、水相
液用容器(2)に所望のエマルジョンが得られる。
【0036】実施例1 スチレン100部、1−クロロドデカン(20℃の水に
対する溶解度0.01重量%以下)5部及び過酸化ベン
ゾイル2部を混合し攪拌して油相液を得た。一方、蒸留
水1000部にポリビニルアルコール5部(ゴーセノー
ルGH23:日本合成化学社製)を添加し攪拌してポリ
ビニルアルコールの溶解した水相液を得た。図3に示す
とおりの膜乳化装置の所定の容器に、油相液及び水相液
を各々投入した後、平均細孔径(メジアン径)1.1μ
m、φ10/φ90=1.1、厚さ1mmの多孔質ガラスか
らなる円筒の内部に水相液(液温20℃)を流通させ、
該円筒の外側から油相液(液温20℃)を圧力差0.5
2kg/cm2 で円筒内部に押し出しエマルジョンを得
た。次に撹拌翼、冷却コンデンサー、窒素ガス導入管及
び温度計を装着した2lの反応器の内部を窒素置換し、
その反応器に前記エマルジョンを全量仕込み、70℃に
昇温し、15時間攪拌し続けた後、ろ過乾燥して重合体
微粒子(a)を得た。この重合体微粒子の評価結果を表
1に示す。
【0037】実施例2 実施例1の多孔質ガラスからなる円筒に代えて平均細孔
径(メジアン径)2.9μm、φ10/φ90=1.2、厚
さ1mmの多孔質ガラスからなる円筒を用い、圧力差を
0.26kg/cm2 とした他は、実施例1と同様にし
て、重合体微粒子(b)を得た。この重合体微粒子の評
価結果を表1に示す。
【0038】実施例3 表1に示す配合処方の油相液及び水相液を用いた他は、
実施例1と同じ方法で重合体微粒子(c)〜(g)を得
た。これらの重合体微粒子の評価結果を表1に示す。
【0039】比較例1 表1に示す配合処方の油相液及び水相液を用いた他は、
実施例1と同じ方法で重合体微粒子(h)〜(j)を得
た。これらの重合体微粒子の評価結果を表1に示す。
【0040】比較例2 実施例1で用いた油相液及び水相液と同じ配合の油相液
及び水相液を混ぜ合わせ、マグネチックスターラーで2
0分間分散した後、超音波乳化機(UH−8−3型 超
音波工業株式会社製)で30分間分散混合して、エマル
ジョンを得た。次に、撹拌翼、冷却コンデンサー、窒素
ガス導入管及び温度計を装着した2lの反応器の内部を
窒素置換し、その反応器に前記エマルジョンを全量仕込
み、70℃に昇温し、15時間攪拌し続けて、重合体微
粒子(k)を得た。この重合体微粒子の評価結果を表1
に示す。
【0041】
【表1】
【0042】表1から、水に対する溶解度が0.015
重量%超の有機化合物を用いた場合(重合体微粒子
(i))又は分子量5000超の有機化合物を用いた場
合(重合体微粒子(j))には、重合体微粒子の粒子径
が不均一であることがわかる。超音波などの機械的分散
法(重合体微粒子(k))では、重合体微粒子の粒子径
が不均一であることがわかる。これに対して、本願発明
によれば、粒子径が大きく且つ均一な重合体微粒子が得
られることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 油相液を多孔性膜を通して水相液に押し出し
てエマルジョンが形成される機構をしめす概念図
【図2】 図1の多孔性膜付近の拡大図
【図3】 膜乳化装置の概念図
【符号の説明】
1・・油相液 2・・水相液 3・・多孔性膜 4・・エマルジョンの粒子 5・・ポンプ 6・・流量計 7・・水相液のライン 8・・油相液のライン 9・・2重管 10・・油相液用容器 11・・水相液用容器

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 20℃の水に対する溶解度が0.015
    重量%以下で且つ分子量が5000以下の有機化合物A
    及び重合性単量体を含有する油相液を多孔性膜を通して
    水相液中に押し出して得たエマルジョンを重合すること
    を特徴とする重合体微粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の製造方法で得られる重合
    体微粒子であって、平均粒子径が1〜100μmで、粒
    子径分散指数が1以下であることを特徴とする重合体微
    粒子。
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