JP2678067B2 - 親水性重合体の製造方法 - Google Patents

親水性重合体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は親水性重合体、特に水膨潤性である吸水性重
合体の製造方法に関するものである。更に詳しくは、親
水性重合体を製造する際に反応容器内に親水性重合体の
含水ゲル状物が付着しにくく、従って親水性重合体を安
定に生産性良く製造できる方法に関する。
〔従来の技術および本発明が解決しようとする問題点〕
従来、アクリル酸又はその塩などを主成分とする架橋
重合体は、紙おむつ、衛生用品、農園芸用土壌改良剤、
脱水剤などの広い用途に利用されている。
これらの架橋重合体の製法の1つとして、単量体水溶
液を疎水性有機溶剤中に懸濁又は乳化して行なう、いわ
ゆる逆相懸濁重合や逆相乳化重合が知られている。
しかしながら、従来の製造方法においては、重合の過
程において、付着性のある含水ゲル状物が反応容器側壁
に付着して収率が低下すると共に反応容器から親水性重
合体を取り出す時の作業性の低下を招いている。更に、
反応回数を重ねるに従ってこの様な重合体付着物が成長
して行き、定期的な洗浄作業を必要とし、これが親水性
重合体の生産性を著しく低下させている。そしてこの様
なトラブルは、反応容器の内壁のうちの懸濁(乳化)液
と主として不活性ガスである気体によって反復してくり
返し接触される面において特に顕著である。
上記問題を解決するために、逆相懸濁重合又は逆相乳
化重合により親水性重合体を得る際に特定の分散剤を用
いる方法が多数提案されている。(特開昭57−74309号
公報、特開昭61−231003号公報、特開昭61−231004号公
報等)しかしこのような分散剤の選択による方法は、含
水ゲル状物の付着はある程度改善されるものの、同じ反
応容器を連続使用するにつれやはり側壁での付着物の成
長がおこり、その結果反応容器内の液の流動状態が変化
し、粒径分布や粒子の2次凝集量に変化を与える等、連
続生産を行なう上でまだまだ満足すべき結果は得られな
いのが実情である。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、上記
問題点は本発明の提供する親水性重合体の製造方法によ
って一挙に解決されるに至った。
すなわち、本発明は、 回転攪拌翼を備えた反応容器中、単量体成分の水溶液
を、分散剤の存在下重合不活性な疎水性有機溶剤中に分
散し、逆相懸濁重合又は逆相乳化重合により親水性重合
体を製造するに際し、該反応容器の内壁のうち少なくと
も懸濁(乳化)液と気体とによる反復くり返し接触面
(以下、単に反復くり返し接触面という。)をRmaxで表
わされる表面粗さを3μm以下に調整し、且つ少なくと
も当該くり返し接触面を裏面から60℃以下の温度の冷却
水によって常に冷却しておくことを特徴とする親水性重
合体の製造方法に関するものである。尚、上記懸濁(乳
化)液とは単量体成分の水溶液又はその重合反応生成物
が疎水性有機溶剤中に懸濁状(又は乳化状)に分散して
なる液状物を指すものである。該液状物を以下懸濁液と
総称する。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる反応容器は回転攪拌翼を有するも
のであればその形状は特に制限なく、且つ内壁のうちの
少なくとも反復くり返し接触面が、Rmaxで表わされる表
面粗さが3μm以下に調整され、且つ少なくとも当該反
復くり返し接触面の裏面に冷却装置を備えてなるもので
ある。本発明における反復くり返し接触面とは、重合時
の攪拌操作に伴う懸濁液の上下運動に起因して、該懸濁
液と、主として不活性ガスである気体とにより、交互に
くり返して接触される面であり、攪拌機による褶動等に
よる付着物除去の為の物理的力の及ばない面を指すもの
であり、通常付着物が最も多量に発生する場所をさす。
この様な反復くり返し接触面は一般的には懸濁液と気体
との界面近傍部分であるが、反応物の性状及び形態や攪
拌条件によって異なり、場合によっては反応容器の全内
壁のうちの過半に及ぶ事もある。従って反復くり返し接
触面は、反応物の性状、形態及び攪拌条件等を考慮して
決定されるべきものである。
しかして、本発明の製造方法に用いる反応容器は該反
応容器の内壁のうちの少なくとも懸濁液と気体とによる
反復くり返し接触面が前記規定の表面粗さに調整され、
且つ少なくとも当該接触面の裏面が冷却できる様な構造
(以下、冷却構造という。)を有してなる事を必須の要
件とするものであり、場合によっては、該表面粗さの調
整は懸濁液による接触面全面であってもよく、更に反応
容器の内壁の全面であってもよい。一方、親水性重合体
を製造する過程において懸濁液には加熱操作を必要とす
るので、当該接触面より下部には重合反応の進行に充分
な熱量を供給しうる加熱装置を設置しなければならず、
従って冷却構造は最大であっても加熱装置の設置面を除
く全面としなければならない。
反応容器の裏面に冷却構造を具備せしめるには種々の
方法によることができ、例えば水の散布装置、一定流量
で注排水できるジャケット及びラセン状管を挙げること
ができる。更に懸濁物の付着性が大きく攪拌機への付着
も顕著な場合は回転攪拌翼の表面も冷却水によって内部
から冷却できる様に、該回転攪拌翼の内部に冷却水用通
路を設置して回転攪拌翼自体も冷却構造を具備せしめて
もよい。
本発明において反応容器の内壁のうちの少なくとも反
復くり返し接触面はRmaxで表わされる表面粗さが3μm
以下であることが必要である。ここで言う表面粗さRmax
とはJIS B 0601で規定されたRmaxを指すものである。R
maxが3μmを超える場合は顕著な付着物の防止効果が
得られない。特に顕著な付着物防止効果はRmaxを0.5μ
m以下、より好ましくは0.1μm以下とすることにより
達成できる。Rmaxを3μm以下に調整するのは、バフ研
磨法によって可能であり、さらにRmaxを小さくして平滑
な表面にするためにバフ研磨後、浸漬電解研磨又は電解
複合研磨することが好ましい。この様な表面粗さの調整
は反応容器のうちの少なくとも反復くり返し接触面に対
してなされていなければならないが、必要であれば該反
復くり返し接触面以外の面や回転攪拌翼の表面も前記規
定の表面粗さに調整するか又はフッ素樹脂コーティング
する等の適当な調整が施されていても良い。但し耐久性
の面からは前記規定の表面粗さの調整が反応容器の全内
壁への付着を防止するために内壁の全面になされている
のが好ましく、付着性の顕著な反応物にあっては更に回
転攪拌翼の表面もなされているのがより好ましい。
本発明に用いる反応容器は前記で詳述した如き表面粗
さと裏面の冷却構造を有してなるものであり、該表面粗
さと該裏面冷却構造とが重合過程における含水ゲル状物
の壁面への付着防止に著しい相乗効果を発揮するもので
あり、該表面粗さと該裏面冷却構造のいずれか一方でも
欠く場合は満足な結果は得られない。
本発明に用いる反応容器の具体的態様は第1図に示し
た如くである。
かくして本発明の製造方法は、逆相懸濁重合又は逆相
乳化重合により親水性重合体となる単量体を上記で詳細
に説明した反応容器を用いて重合するに当たり、反応容
器のうちの少なくとも前記規定の反復くり返し接触面を
裏面から60℃以下の温度の冷却水により冷却しながら周
知の手順で重合反応して親水性重合体とすることによっ
て達成される。付着物の防止効果をより効果的に発現さ
せるためには、裏面からの冷却を当該反復くり返し接触
面を含めて反応容器の上方部全域とするのが好ましい。
更に回転攪拌翼への付着も認められる場合は該回転攪拌
翼の内部に設置した冷却水用通路に60℃以下の冷却水を
通して、該回転攪拌翼の表面を内部から冷却してもよ
い。
冷却水の温度が60℃を超えると付着物の充分な防止効
果が得られなくなる。冷却水の温度は低い程効果が大き
く、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下、更
に好ましくは30℃以下である。冷却水による冷却は重合
反応開始から重合反応終了に至る間のうち付着性が最も
顕著になる時期としなければならない。この時期は単量
体成分の組成により異なる。但し、より高い効果と作業
のはん雑性を考慮すれば反応開始から重合反応終了に至
る全期間とするのが好ましく、重合反応終了後の親水性
重合体の懸濁液を取り出す作業時も尚冷却されている事
が好ましい。
本発明で用いられる反応容器は、重合中ラジカル重合
反応に対して不活性な雰囲気に保つ様に不活性ガス導入
装置が設置されている事が好ましい。重合中、重合反応
熱のために蒸発する水分を凝縮するため還流冷却器を反
応容器上部に設けてもよく、あるいは不活性ガスを重合
容器内に導入して水分を系外に放出する様にしてもよ
い。
本発明で用いられる単量体成分は、逆相懸濁重合又は
逆相乳化重合により水溶性もしくは水膨潤性重合体とな
るものであるが、特に水膨潤性重合体となるものが好適
である。水膨潤性重合体は架橋構造を有するものであ
り、架橋構造としては水溶性単量体(A)と分子内に重
合性二重結合を2個以上有する架橋性単量体(B)との
共重合による架橋構造や単量体のもつ官能基と反応しう
る反応性官能基を2個以上有する反応性架橋剤(C)と
の反応による架橋構造が挙げられ、デンプン、セルロー
ス、ポリビニルアルコール等の親水性高分子の存在下で
水溶性単量体を水溶液重合することによって重合と同時
にグラフト結合やコンプレックスを形成することによる
架橋構造でもよい。
本発明における水溶性単量体(A)としては、たとえ
ば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、(無水)マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、2−(メタ)アクリロイル
エタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパン
スルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスル
ホン酸等の如きアニオン性単量体やその塩;N,N−ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル
アミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル
アミノプロピル(メタ)アクリルアミドの如きカチオン
性単量体やその4級化物;(メタ)アクリルアミド、N
−置換(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート等の如きノニオン性親水基含有単
量体等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上
を用いることができる。
本発明に用いる分子内に重合性二重結合を2個以上有
する架橋性単量体(B)の例としては、たとえばエチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロール
プロパン、ペンタエリスリトール等のジ(メタ)アクリ
レート;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタ
エリスリトール等のトリ(メタ)アクリレート、N,N′
−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、トリアリルア
ミン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌ
レート、トリアリルホスフェート、多価金属のポリ(メ
タ)アクリル酸塩等が例示され、これらのうちの1種又
は2種以上を用いることができる。また、単量体のもつ
官能基と反応しうる2個以上の反応性官能基をもつ反応
性架橋剤(C)としては、例えば水溶性単量体(A)が
カルボキシル(カルボキシレート)基を有する場合に
は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、プ
ロピレングリコール、ジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレンオ
キシプロピレンブロック共重合体、ペンタエリスリトー
ル、ソルビトール等の如き多価アルコール類;エチレン
グリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジ
ルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、
ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトー
ルポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリ
グリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジ
ルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエ
ーテル等の如き多価グリシジル化合物類;2,2−ビスヒド
ロキシメチルブタノール−トリス〔3−(1−アジリジ
ニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンジエチ
レンウレア、ジフェニルメタン−ビス−4,4′−N,N′−
ジエチレンウレア等の如き多価アジリジン類;エピクロ
ルヒドリン、α−メチルクロルヒドリン等の如きハロエ
ポキシ化合物類;グルタルアルデヒド、グリオキサール
等の如き多価アルデヒド類;エチレンジアミン、ジエチ
レントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチ
レンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチ
レンイミン等の如き多価アミン類;2,4−トルイレンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の如
き多価イソシアネート類;塩化アルミニウム、塩化マグ
ネシウム、塩化カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸マ
グネシウム、硫酸カルシウム等の如き多価金属塩類など
が好適である。
上記単量体成分のなかでも水膨潤性重合体を得るため
には、水溶性単量体(A)としては(メタ)アクリル
酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−
(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、これら不飽和酸の塩、N,N−ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレートおよびその4級化物、メトキシポ
リエチレングリコール(メタ)アクリレート、及び(メ
タ)アクリルアミドを用いるのが好ましく、これらのう
ちから選ばれる1種又は2種以上の水溶性単量体(A)
と分子内に重合性二重結合を2個以上有する架橋性単量
体(B)とを該水溶性単量体(A)に対して架橋性単量
体(B)が0.001〜50モル%となる比率で用いた単量体
成分が特に好ましいものである。架橋性単量体(B)と
しては前記架橋性単量体の中から1種又は2種を用いる
ことができる。この際架橋性単量体(B)の使用量が水
溶性単量体(A)に対して0.001モル%未満であれば得
られる水膨潤性重合体が柔らかく粘着性を有するため、
機械的な剪断力を受けても粘着しあって塊状となり細分
化されにくい。また50モル%を超える場合には得られる
水膨潤性重合体の吸水性やイオン交換能が低くなる。
本発明の逆相懸濁重合又は逆相乳化重合を行なう際に
使用される分散剤は特に制限されず、例えばソルビタン
脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂
肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル等の非イオン系界面活性剤、セルロー
スエステル、セルロースエーテル等の繊維素誘導体、α
−オレフィンと無水マレイン酸の共重合体又はそれらの
誘導体等のカルボキシル基含有高分子等をあげることが
できる。
これらのうち、好ましくはHLB2〜14の非イオン系界面
活性剤さらに好ましくはHLB2〜14のソルビタン脂肪酸エ
ステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリール
エーテルであり、これらの1種又は2種以上を併用して
用いてもよい。その使用量は重合条件によっても異なる
が、一般に単量体成分に対し0.05〜30重量%、好ましく
は0.5〜10重量%である。
本発明に使用する疎水性有機溶剤としては、例えばn
−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタ
ン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロヘ
キサン、デカリン、ベンゼン、エチルベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ジクロロベンゼン、ジブロモベンゼン、
テトラクロロエチレン、パークロロエチレン、四塩化炭
素、メチレンクロライド、流動パラフィン、ケロシン、
鉱油、動植物油等があげられ、これらの1種又は2種以
上の混合物を使用できる。特に好ましくはn−ヘキサ
ン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、流動パラフ
ィン、ケロシンである。疎水性有機溶剤と単量体水溶液
の比率は重合熱の除去、温度のコントロール又は分散液
の安定性の点から一般に1:1〜4:1が適当である。
本発明で単量体成分を逆相懸濁重合又は逆相乳化重合
するための重合開始剤は、公知のものが使用できる。例
えば逆相懸濁重合を行なう場合の重合開始剤は水溶性の
ものであり、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウ
ム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;過酸化水素、t
−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパー
オキサイド等のハイドロパーオキサイド;2,2′−アゾビ
ス−2−アミジノプロパン二塩酸塩等のアゾ化合物等が
挙げられる。これらの重合開始剤は2種以上混合して使
用することも可能であり、更には亜硫酸塩、l−アスコ
ルビン酸、第2鉄塩等の還元剤との組み合わせによるレ
ドックス系開始剤を用いてもよい。
又は逆相乳化重合を行なう場合の重合開始剤は油溶性
のものであり、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロ
イル、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチル
パーオキシピバレート等の過酸化物;アゾビスイソブチ
ロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)等のアゾ化合物等が挙げられる。
これらの重合開始剤は通常単量体に対して0.001〜5
モル%程度であり、開始剤の種類、重合条件によりその
最適量が決定される。
かくして得られる親水性重合体の懸濁液又は乳化液
は、このままで吸収剤、保水剤、凝集剤、分散剤、増粘
剤、吸着剤などとして用いることもできるが、分離・乾
燥工程を経て大部分の疎水性有機溶剤および水を除去す
るのが好ましい。この分離・乾燥工程の具体的方法とし
ては、水と疎水性有機溶剤とを共沸で留去する方法や、
親水性重合体が水膨潤性重合体の場合は、その含水ゲル
状重合体を濾過した後、通常の熱風乾燥器、減圧乾燥器
や流動床乾燥器等により乾燥する方法等がある。このよ
うに乾燥して得られた親水性重合体は紙おむつ等衛生材
料等の吸収剤、農園芸用等の保水剤、イオン交換樹脂、
乾燥剤、止水剤、凝集剤、分散剤、増粘剤等に有効なも
のである。
〔発明の効果〕
本発明の製造方法によれば、重合反応に用いる反応容
器の内壁が特定の表面状態に調整されていると共に裏面
から冷却されている為に、表面状態の調整と裏面からの
冷却とが反応容器内壁への反応物の付着防止に著しい相
乗効果を発揮する。従って、反応回数を重ねても反応容
器の実質有効容積の低下がほとんど無く、定期的な洗浄
作業を著しく低減することができる。よって、本発明の
製造方法によれば、逆相懸濁重合や逆相乳化重合による
親水性重合体の生産性を大幅に向上させる事ができる。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本
発明は以下の実施例によって制限されるものではない。
実施例1 外側に冷却構造としての冷却水用ジャケットとその下
部に位置する加熱用ジャケットを有し、攪拌翼、還流冷
却器、温度計、窒素ガス導入管および滴下ロートを備え
た内径280mm、内容積20のステンレス製鋼製反応容器
の内壁の全面を日立造船式電解複合研磨により、表面粗
さRmaxを0.1μmに調整した。(第1図参照) この反応容器にシクロヘキサン10および分散剤とし
てのソルビタンモノステアレート(HLB=4.7)30gを仕
込み、窒素ガスを吹きこんで溶存酸素を除去した。一
方、別のフラスコ中でアクリル酸ナトリウム846g、アク
リル酸216gおよびN,N′−メチレンビスアクリルアミド
0.555gをイオン交換水1970gに溶解し、単量体濃度35重
量%の単量体成分の水溶液を調整した。
この単量体成分の水溶液に過硫酸カリウム1.5gを加え
て溶解させた後、窒素ガスを吹きこんで水溶液内に溶存
する酸素を除去した。次いで、このフラスコ内の単量体
成分の水溶液を上記反応容器に加えて、攪拌することに
より分散させた。次いで、冷却水用ジャケットには20℃
の冷水を、加熱用ジャケットには65℃の温水を流して重
合反応を開始させ、更に、2時間この状態を保持して重
合を完了し、親水性重合体の懸濁液を得、この懸濁液を
反応容器から排出して1回の重合操作を終了した。以
後、上記と同じ重合操作を連続して繰り返し、合計20回
の重合を行なった。20回の重合終了後、反応容器の内壁
のうちの反復くり返し接触面に相当する所には、付着物
が全く認められなかった。
比較例1 実施例1において、冷却水用ジャケットに20℃の冷却
水を流さなかった以外は、実施例1と同様の操作を繰り
返した。20回の重合終了後、反応容器の内壁のうちの反
復くり返し接触面に相当する所には、多量の付着物が認
められた。(第2図参照) 実施例2 実施例1において、反応容器の内壁を#200バフ仕上
げによる表面粗さRmax0.7μmに調整する以外は、実施
例1と同様の操作をくり返した。20回の重合終了後、反
応容器の内壁のうちの反復繰り返し接触面に相当する所
には、付着物がほとんど認められなかった。
実施例3 実施例1において、冷却水用ジャケットに40℃の冷水
を流した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返した。
20回の重合終了後、反応容器の内壁のうちの反復くり返
し接触面に相当する所には、付着物が全く認められなか
った。
比較例2 実施例1において、内壁の表面粗さがRmax3.5μmの
反応容器を用いた他は、実施例1と同様の操作をくり返
した。20回の重合終了後、反応容器の内壁のうちの反復
くり返し接触面に相当する所に、多量の付着物が認めら
れた。
実施例4 実施例1において、冷却水用ジャケットに50℃の冷却
水を流した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し
た。20回の重合終了後、反応容器の内壁のうちの反復く
り返し接触面に相当する所には、付着物がわずかに認め
られた。
比較例3 実施例1において、冷却水用ジャケットに流した20℃
の冷却水を、65℃の温水に代える以外は、実施例1と同
様の操作を繰り返した。20回の重合終了後、反応容器の
内壁のうちの反復くり返し接触面に相当する所には、多
量の付着物が認められた。
実施例5 実施例4において、内壁を#200バフ仕上げによる表
面粗さRmax0.7μmに調整した反応容器を用いた他は、
実施例4と同様の操作をくり返した。20回の重合終了
後、反応容器の内壁のうちの反復くり返し接触面に相当
する所には、付着物が少量認められた。(第3図参照) 実施例6 実施例1で用いた反応容器中にキシレン10および乳
化剤としてのソルビタンモノオレート(HLB=4.3)85g
を仕込み窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を除去した。
一方、別のフラスコ中でアクリルアミド1500gをイオ
ン交換水2250gに溶解し、単量体濃度40重量%の単量体
水溶液を調整した後、窒素ガスを吹きこんで水溶液内に
溶存あする酸素を除去した。次いでこのフラスコ内の単
量体水溶液を上記反応容器に加えて、攪拌下乳化させ重
合開始剤である過酸化ベンゾイル2.2gをキシレン溶液と
して加えた。次いで冷却水用ジャケットには30℃の冷却
水を、加熱用ジャケットには55℃の温水を流して重合反
応を開始させ、更に12時間この状態を保持して重合を完
了し、親水性重合体の乳化液を得、この乳化液を反応容
器から排出して1回の重合操作を終了した。以後、上記
と同じ重合操作を連続して繰り返し、合計20回の重合を
行なった。20回の重合終了後、反応容器の内壁のうちの
反復くり返し接触面に相当する所には、付着物が全く認
められなかった。
比較例4 実施例6において、冷却水用ジャケットに65℃の温水
を流した以外は、実施例5と同様の操作を繰り返した。
20回の重合終了後、反応容器の内壁のうちの反復くり返
し接触面に相当する所には、多量の付着物が認められ
た。
以上、実施例1〜6、比較例1〜4の結果を第1表に
まとめた。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1における反応容器の正面図である。 第2図は比較例1において重合反応を20回くり返し行な
った後の反応容器内壁の付着物の付着状態を示す図であ
る。 第3図は実施例5において重合反応を20回くり返し行な
った後の反応容器内壁の付着物の付着状態を示す図であ
る。 1……攪拌翼 2……還流冷却器 3……温度計 4……滴下ろうと 5……窒素ガス導入管 6……冷却水用ジャケット 7……加熱水用ジャケット 8……ゲル付着物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 220/58 C08F 220/58 299/02 299/02 審査官 杉原 進 (56)参考文献 特開 昭59−58001(JP,A) 特開 昭61−51001(JP,A)

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転攪拌翼を備えた反応容器中、単量体成
    分の水溶液を、分散剤の存在下重合不活性な疎水性有機
    溶剤中に分散し、逆相懸濁重合又は逆相乳化重合により
    親水性重合体を製造するに際し、該反応容器の内壁のう
    ち、少なくとも懸濁(乳化)液と気体とによる反復くり
    返し接触面を、Rmaxで表わされる表面粗さを3μm以下
    に調整し、且つ少なくとも当該反復くり返し接触面を裏
    面から60℃以下の温度の冷却水によって冷却しておくこ
    とを特徴とする親水性重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】回転攪拌翼の表面及び反応容器の内壁がス
    テンレス鋼又はステンレス鋳物で形成されたものである
    請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】表面粗さが0.5μm以下に調整された請求
    項1又は2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】表面粗さが0.1μm以下に調整された請求
    項1又は2に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】表面粗さの調整が浸漬電解研磨によって行
    なわれたものである請求項3又は4に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】表面粗さの調整が電解複合研磨によって行
    なわれたものである請求項3又は4に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】表面粗さの調整が反応容器内壁の全面にほ
    どこされてなる請求項1〜6のいずれか1項に記載の製
    造方法。
  8. 【請求項8】表面粗さの調整が更に回転攪拌翼の全表面
    にほどこされてなる請求項1〜7のいずれか1項に記載
    の製造方法。
  9. 【請求項9】単量体成分が、(メタ)アクリル酸、2−
    (メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)
    アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、これ
    ら不飽和酸の塩、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)
    アクリレートおよびその4級化物、メトキシポリエチレ
    ングリコール(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリ
    ルアミドからなる群より選ばれる1種又は2種以上の単
    量体(A)と分子内に重合性二重結合を2個以上有する
    架橋性単量体(B)とからなり、該単量体(A)に対し
    て該単量体(B)が0.001〜50モル%の比率である請求
    項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 【請求項10】重合初期における単量体成分の水溶液の
    濃度が10重量%〜飽和濃度である請求項1〜9のいずれ
    か1項に記載の製造方法。
  11. 【請求項11】冷却水温が50℃以下である請求項1〜10
    のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 【請求項12】冷却水温が40℃以下である請求項11に記
    載の製造方法。
  13. 【請求項13】分散剤がHLB2〜14の非イオン系界面活性
    剤である請求項1〜13のいずれか1項に記載の製造方
    法。
  14. 【請求項14】分散剤がソルビタン脂肪酸エステル、シ
    ョ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエー
    テル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルか
    らなる群から選ばれる1種又は2種以上のものである請
    求項14に記載の製造方法。
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