JP3186508B2 - スパン糸のような毛羽を有するフィラメント加工糸およびその製造方法 - Google Patents

スパン糸のような毛羽を有するフィラメント加工糸およびその製造方法

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JP3186508B2
JP3186508B2 JP14083695A JP14083695A JP3186508B2 JP 3186508 B2 JP3186508 B2 JP 3186508B2 JP 14083695 A JP14083695 A JP 14083695A JP 14083695 A JP14083695 A JP 14083695A JP 3186508 B2 JP3186508 B2 JP 3186508B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スパン糸が有するよう
な毛羽や嵩高性を有し、織物にしたとき柔らかでしっと
りした高級な手触り感を有する合成繊維マルチフィラメ
ント糸条からなる加工糸およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スパン糸が有するような毛羽や嵩
高性を合成繊維マルチフィラメント糸条に付与すること
を試み、フィラメント糸を毛羽加工した糸の提案が多数
ある。従来の毛羽加工したフィラメント糸は、マルチフ
ィラメント糸条をブレードで擦過しながら、仮ヨリ加工
または撚糸する方法により得られるものがあるが、この
方法はブレードが経時的に摩耗するため、糸長手方向に
おける毛羽数や糸強力が経時的に変化して糸筋が不均一
になるという欠点があった。
【0003】このような不均一性を解決する毛羽加工し
たフィラメント糸として、特開平3−64546号公報
は、下ヨリと上ヨリを施したマルチフィラメント糸条を
ガイドに巻きかけ、このガイドに向かう往路側の糸条と
復路側の糸条を交錯させて両糸条に捩りとしごきとを与
えることにより毛羽加工する方法を提案している。しか
し、この方法によって得られた毛羽糸は、上述した糸長
手方向における毛羽数および糸強力の経時的変化を改善
できるものの、毛羽長さが1mm以下と短いため嵩高性が
十分でなく、織物にしたときに柔らかでしっとりした高
級な手触り感を得ることはできなかった。また、下ヨリ
と上ヨリを施した後のマルチフィラメント糸条に対して
交錯処理を行っているため、十分に高い糸強度を得るこ
とができなかった。
【0004】また、上述した従来の毛羽加工したフィラ
メント糸を縫糸として用いた場合には、次のような問題
があった。従来より、木綿縫糸は可縫性に優れ、家庭用
縫糸ばかりでなく、工業用縫糸としても広く使用されて
いる。しかし、強力が弱く、染色堅牢度も十分でない。
さらには、寸法変化を受けやすく縫い目の仕立て映えが
悪いなどの欠点を有する。一方、縫糸市場の半分以上の
シェアを占めるポリエステルスパン縫糸は木綿に近い可
縫性を有し、強力、染色堅牢度や寸法安定性も良好であ
るが、紡績糸から製造されるため、太さのバラツキが大
きく、ノットが存在するなど品質上の問題がある。さら
には、高級衣料の縫製には外観不良のため使用されてい
ないのが現実である。
【0005】一方、絹やポリエステル、ポリアミドのフ
ィラメント糸から製造される縫糸は、木綿やポリエステ
ルスパン縫糸の欠点をカバーする縫糸として広く使用さ
れている。従来のフィラメント縫糸は下ヨリを施した単
糸を複数本引き揃えて上ヨリを施すことで製造され、そ
の単糸の繊度と縫糸の総繊維繊度に応じた物理特性が得
られ、安定した品質を有する。
【0006】しかし、従来のフィラメント縫糸は、通常
の縫製すなわち本縫いミシンでの前進縫いでは問題なく
縫製できるが、後進縫いでは縫糸の上ヨリが解撚される
方向の力が加わるため、ヨリ割れが起こり糸切れし、後
進縫いの比率が高い自動機縫製には適用できないという
致命的欠点がある。また、工業用ミシンで高速縫製した
場合には、フィラメント縫糸の側面の摩耗抵抗が大きい
ことに起因するミシン針の熱と生地に対する貫通抵抗の
ため、糸切れを生じやすい。
【0007】そこで、これら従来のスパン縫糸やフィラ
メント縫糸の欠点を改良した縫糸がいくつか提案されて
いる。フィラメントとスパンの芯鞘構造によりコア−縫
糸が特公昭63−3977号公報で提案され、スパンと
フィラメントの交撚による可縫性を改良した縫糸が特開
平2−33341号公報で提案されている。しかしなが
ら、これらの縫糸は紡績工程を経るためノットや太さム
ラのある縫糸になり、縫製中に糸切れしやすいという欠
点を有する。
【0008】フィラメントに流体加工を施しループを付
与させたスパン糸の様なフィラメント加工糸とすること
により可縫性を改良することが、特開平2−10473
3号公報、特開平5−106134号公報で提案されて
いる。しかし、これらフィラメントの加工糸からなる縫
糸はスパンまたはスパンとフィラメントの混合縫糸に比
較し、均質ではあるが高速可縫性が不十分であり、仕立
て映えが悪いという問題があった。
【0009】また、従来の毛羽加工したフィラメント加
工糸の欠点を改善すべく、糸−糸自己擦過処理を用いた
毛羽加工により、スパン糸のようなフィラメント加工糸
を提供することを、本出願人は、先に特開平1−272
840号公報、特開平2−91236号公報、特開平2
−216233号公報、特開平3−27144号公報、
特開平3−64546号公報、特開平4−91245号
公報で提案した。
【0010】しかし、これらフィラメント加工糸は、糸
長て方向における毛羽の均一性を改善することができた
ものの、スパン糸のような毛羽や嵩高性を有するフィラ
メント加工糸としては十分満足できるものではなかっ
た。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、スパ
ン糸が有するような毛羽や嵩高性を有し、織物にしたと
きに柔らかでしっとりした高級な手触りを与えることが
できるスパン糸のような毛羽を有するフィラメント加工
糸およびその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のスパンライク毛羽糸は、次の構成を有する。すなわ
ち、下ヨリを有する複数本のマルチフィラメント糸条が
引き揃えられて上ヨリが施され、前記マルチフィラメン
ト糸条を構成する単フィラメントの一部が短繊維化さ
れ、その短繊維の少なくとも一端が下ヨリまたは上ヨリ
により拘束されて糸条表面に毛羽として突出した毛羽糸
であって、前記毛羽が長さ1〜5mmの毛羽が100〜4
00個/mであると共に、そのうち長さ1.5〜5mmの
毛羽が30個/m以上からなり、かつ糸条強度が4.7
〜6g/dであるスパン糸のような毛羽を有するフィラ
メント加工糸である。
【0013】このような毛羽の長さが1〜5mmであり、
かつそのうち長さ1.5〜5mmの毛羽を多数有するので
スパン糸が有するような毛羽や嵩高性を有し、織物にし
たときに柔らかでしっとりした高級な手触り感を与える
ことができる。また上記スパンライク毛羽糸の製造方法
は、次の構成を有する。すなわち、下ヨリ工程で下ヨリ
を与えたマルチフィラメント糸条を複数本引き揃えてガ
イドに往復巻き掛け、その往路側の糸条と復路側の糸条
とを互いに交錯させることにより捩りとしごきとを与え
て毛羽加工し、次いでこの毛羽加工されたマルチフィラ
メント糸条を上ヨリ工程において上ヨリを掛けることを
特徴とするスパン糸のような毛羽を有するフィラメント
加工糸の製造方法である。
【0014】このように下ヨリを施した段階のマルチフ
ィラメント糸条を2糸条以上引き揃えた状態で交錯処理
し、その後で上ヨリを施すようにしているので、比較的
長い毛羽を与えやすくなると共に、高い糸条強度を得る
ことができる。本発明によるフィラメント加工糸は、長
さ1〜5mmの毛羽が100〜400個/mであると共
に、そのうち長さ1.5〜5mmの毛羽が30個/m以上
と極めて多数であり、かつ糸強度が4.7〜6g/dと
高く、図2の比較例3に示したように、通常のスパン糸
が有するような毛羽や風合いに極めて近いものとなる。
そのため衣料用に供した場合には、柔らかくしっとりし
た手触りの高級な風合いを呈することができる。
【0015】また、スパン糸に比較して糸強度が高く、
糸筋が均一であることから、縫糸またはミシン糸用に供
した場合には、縫い目の強力が向上し、縫い目が破れに
くくなるという利点を有する。さらにまた、このミシン
糸はフィラメント糸からなる縫糸にもかかわらず、自動
機縫製すなわち前進縫いだけでなく後進縫いも問題なく
でき、その上高速可縫性にも優れた可縫性を有する縫糸
である。
【0016】以下、図を参照して本発明のフィラメント
加工糸について説明する。図1は本発明に係るスパン糸
のような毛羽を有するフィラメント加工糸の一例を示
す。YK はスパン糸のような毛羽を有するフィラメント
加工糸を示し、Yは下ヨリが施されたマルチフィラメン
ト糸条を示し、A, Bはそれぞれ毛羽を示す。
【0017】図1において、スパン糸のような毛羽を有
するフィラメント加工糸YK は、下ヨリを有するマルチ
フィラメント糸Yが、複数本引き揃えられて上ヨリが施
され撚り合わされた構成になっている。各マルチフィラ
メント糸Yは、複数本の単フィラメントから構成される
マルチフィラメントであり、その単フィラメントの一部
が長手方向にランダムに切断されて短繊維化されてい
る。それら短繊維の端部は下ヨリや上ヨリに拘束され、
一端が糸条表面に開放されて突出して毛羽Aとなってい
るものや、ループ状に糸条表面に突出して毛羽Bとなっ
ているものもある。これら毛羽A,Bは、いずれもクリ
ンプをもたず、実質的にストレートな形状になっている
ことが好ましい。
【0018】毛羽糸YK の表面に突出する毛羽A,B
は、1〜5mmの長さを有する毛羽の数が100〜400
個/mであり、かつ1.5〜5mmの長さを有する毛羽の
数が30個/m以上となっている。このように毛羽糸Y
K が、1〜5mmの毛羽長の毛羽が100個/m以上であ
り、かつ長さ1.5〜5mmの比較的長い毛羽が30個/
m以上というように多数存在していることにより、先に
特開平3−64546号公報で提案された従来の毛羽加
工したフィラメント加工糸では得られなかった、一層ス
パン糸に近い極めて柔らかな手触り感のスパンライク風
合いを呈するものになる。
【0019】本発明に係るフィラメント加工糸の毛羽に
関する特徴を、図2を用いて詳細に説明する。図2は、
本発明に係るスパン糸のような毛羽を有するフィラメン
ト加工糸の一例である実施例1(後述する実施例1で得
られるフィラメント加工糸)、従来の毛羽加工したフィ
ラメント加工糸である比較例1(後述する比較例1で得
られるフィラメント加工糸)、従来の毛羽加工したフィ
ラメント加工糸の他の例である比較例2(後述する比較
例2で得られたフィラメント加工糸)、およびスパン糸
(比較例3、東洋紡株式会社製のスパン縫糸、C100 #6
0)について、毛羽長と毛羽数の関係を示したものであ
る。
【0020】なお、図2は、東レエンジニアリング社製
のHAIRNESS COUNTER MODEL DT-104を用いて糸走行速度
60m/分にて測定して得たものである。図2は、横軸
に示された数値以上の長さを有する毛羽の総数が、縦軸
における毛羽数と表されている。図2からわかるよう
に、毛羽長1mm以上の毛羽数は、比較例3のスパン糸が
160個/m、本発明のフィラメント加工糸の一例(実
施例1)が140個/m、比較例1および比較例2は3
0個/m以下のレベルである。さらに、毛羽長1.5mm
以上の毛羽数は、比較例3のスパン糸、および本発明例
(実施例1)が50個/mであるのに対し、比較例1お
よび比較例2は5個/m以下となる。
【0021】すなわち、本発明に係るフィラメント加工
糸の毛羽の存在分布は、図2に示されるように、毛羽長
1mm以上の毛羽数がスパン糸に極めて近いものであるた
め、フィラメント糸からなる加工糸でありながらスパン
糸の有する風合いを呈するものと考えられる。なお、こ
こでいう毛羽数とは、前記したような端部が切断されて
糸表面上に開放されて突出している毛羽(毛羽Aのよう
なもの)、端部が糸表面上に現れないでループ状を形成
している毛羽(毛羽Bのようなもの)、およびタルミを
全て含む数を総計したものをいう。より具体的に言え
ば、毛羽総数は東レエンジニアリング社製のHAIRNESS C
OUNTER MODEL DT-104 を用いて糸走行速度60m/分に
て測定して得ることができるものである。
【0022】毛羽長1〜5mmの毛羽の毛羽数が100個
/m未満、長さ1.5〜5mmの毛羽が30個/m未満に
なるとスパン糸のような風合いが得られなくなる。ま
た、毛羽数が400個/mよりも多くなると、織物また
は編物に用いた場合にはピリングの発生原因になった
り、縫糸として用いた場合には針の通りが不良になるな
どの問題を発生するようになる。
【0023】このスパン糸のような毛羽を有するフィラ
メント加工糸YK は、その毛羽が後述する製造方法で説
明するように、マルチフィラメント糸条に下ヨリ工程で
付与されているので糸強力が高く、切断強度にして4.
7〜6g/dを有している。このように高い糸強力を有
するため、特にミシン糸に用いたとき高速可縫性や自動
縫製性を極めて良好にすることができる。
【0024】一般に、毛羽加工してない高強力タイプの
フィラメント糸(下ヨリ、上ヨリを施したヨリ糸)では
切断強度にして6〜7g/dを有するが、特にミシン糸
に使用したとき高速可縫性や自動縫製性は極めて不良に
なる。この理由は、毛羽を有していないため糸−針間の
摩擦抵抗が高く、そのことによって針の発熱が高くな
り、その熱で溶融が起こり糸切れが多発するからであ
る。なお、本発明でいう強度とは、JIS L-1073の規定に
より測定したものである。
【0025】本発明のスパン糸のような毛羽を有するフ
ィラメント加工糸を構成する複数本のマルチフィラメン
ト糸は、それぞれ単繊維繊度の同一のフィラメント群か
ら構成されている場合と、単繊維繊度が異なる少なくと
も2種類のフィラメント群が組み合わされて構成される
場合とがある。前記のマルチフィラメント糸の場合は、
毛羽加工によってフィラメント群が均等に短繊維化され
るのに対し、後者のマルチフィラメント糸の場合は、単
繊維繊度の小さいフィラメント群の方が選択的に短繊維
化され、単繊維繊度の大きいフィラメント群はほとんど
短繊維化されないという特徴がある。そのため、後者の
マルチフィラメント糸の場合は、単繊維繊度の小さいフ
ィラメント群が主に短繊維化されて毛羽数に、単繊維繊
度の大きいフィラメント群が強力にそれぞれ作用し、毛
羽数を多くかつ高い強力を保持することができる。
【0026】マルチフィラメント糸を、単繊維繊度が異
なる2種類のフィラメント群で構成する場合の例として
は、単繊維繊度の小さいフィラメント群の単繊維繊度を
0.1〜1.5デニール、単繊維繊度の大きいフィラメ
ント群の単繊維繊度を3.5〜10デニールの範囲にし
て組み合わせるとよく、かつそれらのデニール差として
2デニール以上とすることが好ましい。
【0027】マルチフィラメント糸を構成するフィラメ
ントの本数は、十分な毛羽を発現せしめることにより柔
らかいしっとりとした手触りの風合いの織物または編物
を得る観点から、マルチフィラメント糸1本当たり30
本以上とすることが好ましく、糸条表面においてネップ
の発生や糸面の乱れを防ぐ観点からマルチフィラメント
糸1本当たり300本以下とすることが好ましい。
【0028】本発明のスパン糸のような毛羽を有するフ
ィラメント加工糸を構成するフィラメント糸の素材とし
ては、合成繊維であれば特に限定されるものではない
が、好ましくはポリエステル、ナイロンなどの熱可塑性
合成繊維フィラメント糸であって、かつ低伸度の高強力
タイプを使用するのがよい。また、マルチフィラメント
糸の総繊維繊度としては50〜500デニールが好まし
い。ミシン糸用の場合は、マルチフィラメント糸の総繊
維繊度として100〜300デニール、フィラメントの
構成本数を50〜250本にすることが好ましい。
【0029】単フィラメントの断面形状は円形が一般的
であるが、衣料用として用いる場合には、三角形、Y
形、五角形、中空、扁平などの異形断面であってもよ
い。また、高光沢、低光沢などの特殊な品種も用いるこ
とができる。また、マルチフィラメント糸の構成におい
て、少なくとも2種類の単繊維繊度の異なるフィラメン
ト群からなる場合は、短繊維化されるものと短繊維化さ
れないものとの糸強力差を、前述のように単繊維繊度の
差を設けて得るようにしてもよいが、単繊維繊度は同じ
で単フィラメントの素材や加工方法等により強力差ある
いは伸度差を設けたりして得るようにしてもよい。
【0030】単繊維繊度の異なるフィラメント群は2種
または3種が好ましいが、4種以上であっても差し支え
ない。この単繊維繊度が異なる2種以上のフィラメント
群は、生産性の観点から、紡糸工程において、同一ポリ
マーから同一口金で溶融紡糸されることが好ましいが、
単繊維繊度の小さいフィラメント群と単繊維繊度の大き
いフィラメント群とが別々に紡糸された後、合糸されて
なるものでも差し支えない。
【0031】次に、本発明のスパン糸のような毛羽を有
するフィラメント加工糸の製造方法について説明する。
下ヨリを施したマルチフィラメント糸を複数本引き揃え
ガイドに往復巻き掛けるようにし、そのガイドに向かう
往路側の糸条と戻る復路側の糸条とを互いに交錯せしめ
毛羽加工を施し、さらにこれらマルチフィラメント糸条
に上ヨリを施すようにする。特に、下ヨリを施した糸条
を複数本引き備えた状態で強い捩りとしごきとを同時に
与えて毛羽加工することが重要である。
【0032】下ヨリ工程で下ヨリを与えるための撚糸機
として、アップツイスタ、カバーリング機、イタリ式撚
糸機、ダウンツイスタ、ダブルツイスタなどと呼ばれる
撚糸機を使用することができる。また、これらの撚糸機
を用いて毛羽加工する場合は、下ヨリを施した糸条をタ
テ取りあるいはヨコ取りにより解除した糸条を複数本引
き出し、それらを引き揃え中あるいは巻き取り前などの
糸が走行する部分で実施することである。
【0033】図3は、アップツイスタによって下ヨリを
施した糸条を3糸条引き揃えて連続的に毛羽加工する工
程の一例を示す。図3において、1a,1b,1cはボ
ビンを、2a,2b,2cはスピンドルを、3はベルト
を、4a,4b,4cはフィードローラを、5はガイド
ローラを、6はフィードローラを、7はチーズを、8は
テイクアップローラを、9はガイドローラを、10はピ
ンを、11はガイドローラを、Ya,Yb,Ycは下ヨ
リが施されたマルチフィラメント糸条を示す。
【0034】ボビンに巻き上げられたマルチフィラメン
ト糸条Ya,Yb,Ycは、ボビン1a,1b,1cに
巻かれてスピンドル2a,2b,2cに仕掛けられ、ベ
ルト3により回転駆動されるようになっている。スピン
ドルを回転させながらマルチフィラメント糸条Ya,Y
b,Ycがボビン1a,1b,1cの軸方向に引き出さ
れると、そのマルチフィラメント糸条Ya,Yb,Yc
にフィードローラ4a,4b,4cとの間でS方向また
はZ方向に下ヨリが加えられ、次いで下ヨリが挿入され
たマルチフィラメント3本のマルチフィラメント糸条Y
a,Yb,Ycは引き揃えながら上方のフィードロヒラ
6との間で緊張された状態で、ガイドローラ5とピン1
0で構成された糸−糸自己擦過装置により毛羽加工され
る。
【0035】図4は、本発明のスパン糸のような毛羽を
有するフィラメント加工糸の製造方法に用いられる糸−
糸自己擦過装置の一例を示す外観図である。YO は往路
側の糸条を、YO' は復路側の糸条を、Pは糸条の交錯
点を示す。この毛羽加工は、図4に示すようにマルチフ
ィラメント糸条Ya,Yb,Ycをガイドローラ5に往
復巻き掛けるに当たり、そのガイドローラ5に向かう往
路側の糸条YO と戻る復路側の糸条YO' とをピン10
において交錯せしめ、その交錯点Pで両糸条YO , YO'
に強い捩りとしごきとを与えるとき、マルチフィラメ
ント糸条Ya,Yb,Ycを構成する単フィラメント群
の一部を短繊維化して毛羽を発生させるようにしてい
る。
【0036】このようにして毛羽を発生したマルチフィ
ラメント糸条Ya,Yb,Ycはフィードローラ6から
テイクアップローラ8を介してチーズ7に巻き上げられ
る(図3参照)。このチーズ7は、次いで上ヨリ機に掛
けられ上ヨリを施す。毛羽加工は、図4に示すように、
糸自身が自ら擦過されるものである。図4に示す例で
は、往路側の糸条YO は復路側の糸条YO' と図4のよ
うに交錯することにより約90°の捩りが与えられ、ま
た復路側の糸条YO' にも往路側の糸条YO と交錯する
ことにより約90°の捩りが与えられる。したがって、
マルチフィラメント糸条が交錯点Pを往復して通過する
ことにより、合計して約180°の捩りが与えられるこ
とになる。
【0037】また、この毛羽加工において、交錯点Pで
の捩りとしごき作用を安定化させるには、交錯点Pの内
側に図4に示すようなピン10またはローラを配置する
ことが好ましく採用できる。さらに好ましくは、交錯点
Pの供給側に図4に示すような案内用のローラ9または
ピン、および出側に案内用のローラ11またはピンを配
置する。出側のローラ11またはピンを糸道を横切るよ
うに矢印方向に移動させて、糸の入り側と出側とのなす
入出角θを調整するようにすれば、捩りとしごきの程度
を変えることができ、それによって毛羽数を調整するこ
とができる。
【0038】この交錯による擦過処理をするときの張力
としては、復路側、往路側とも0.3g/d以上である
ことが好ましい。また、交錯によって付与する捩りは、
θが180°以上、好ましくは360°以上にすること
である。θが180°以上の捩りを与えることによっ
て、糸条外周の半周以上を相手側の糸条と接触させて擦
過処理することができる。
【0039】交錯の捩り方向はS,Zいずれの方向であ
ってもよいが、毛羽数を多くする観点から、下ヨリ方向
と同じ方向に捩りながら交錯することが好ましい。ま
た、毛羽長は下ヨリ数を多く挿入すると短くなり、少な
く挿入すると長くすることができる。このような調整に
より毛羽長さを1〜5mmの範囲になるようにする。この
ような擦過処理をするに当たり、擦過による摩擦熱が大
きく発生することによるフィラメントの脆化、削れ等に
よる糸強力低下、擦過部分の淡染化、あるいは白粉発生
を防ぎつつ、生産性を向上させるという観点から、糸走
行速度は3〜100m/分にする
【0040】図5は、ダウンツイスタを用いた場合の本
発明に係る製造方法の一例を示す工程図である。図5に
おいて、12はフィードローラを、13は毛羽加工処理
装置を、14はフィードローラを、15はボビンを、1
6はスピンドルを示す。図5において、下ヨリが施され
た巻取ボビンにいったん巻かれたマルチフィラメント糸
条Ya,Yb,Ycは、ヨコ取り方法により解除され引
き揃えられながらフィードローラ12に引き取られる。
次いで、連続するフィードローラ12,14間で、緊張
状態下、糸−糸自己擦過装置13により毛羽加工を行う
のである。次いで、この毛羽加工されたマルチフィラメ
ント糸条Ya,Yb,Ycは、フィードローラ14から
ボビン15にスピンドル16を回転させながら巻き取る
ことにより、本発明に係るスパン糸のような毛羽を有す
るフィラメント加工糸が得られる。
【0041】図6は、下ヨリと上ヨリを同一撚糸機上で
連続的に実施する場合の本発明に係る製造方法の一例を
示す工程図である。図6において、17a,17b,1
7cはスピンドルを、18はベルトを、19はガイド
を、20はガイドを、21はフィードローラを、22は
糸−糸自己擦過装置を、23はフィードローラを、24
はボビンを、25はベルトを、26をスピンドルを示
す。
【0042】図6において、ボビンに巻かれたマルチフ
ィラメント糸条Ya,Yb,Ycは、ベルト10に駆動
されたスピンドル17a,17b,17cにより下ヨリ
が施され、糸条Ya,Yb,Ycが引き揃えられなが
ら、ガイド19、20を介してフィードローラ21に引
き取られる。連続するフィードローラ21、23間で緊
張状態下、糸−糸自己擦過装置22により毛羽加工を行
うのである。この毛羽加工されたマルチフィラメント糸
条Ya,Yb,Ycを、フィードローラ23からボビン
24にスピンドル26をベルト25の駆動により回転さ
せながら巻き取ることにより、本発明に係るスパン糸の
ような毛羽を有するフィラメント加工糸を得ることがで
きる。
【0043】本発明の製造方法において、上ヨリを与え
る前の下ヨリ工程で引き揃えられる本数は2本以上であ
ればよいが、2〜7本とすることが好ましく、バランス
をよくする観点から、衣料用では2本、ミシン糸用には
3本あるいは7本とすることがさらに好ましい。また、
引き揃えるマルチフィラメント糸条の下ヨリ数は互いに
異なっていてもよく、また下ヨリ方向が互いに異なって
いてもよい。
【0044】上ヨリ数と下ヨリ数との関係は、本発明の
スパン糸のような毛羽を有するフィラメント加工糸にし
たときのヨリトルクのバランスを保つようにヨリ方向と
ヨリ数を設定することが好ましく、下ヨリ方向と上ヨリ
方向とは互いに相反する方向であって、上ヨリ数は下ヨ
リ数の60%〜90%にすることが好ましい。本発明に
係るフィラメント加工糸を縫糸またはミシン糸に用いる
場合には、縫糸またはミシン糸としての収束性を良好と
して十分な可縫性を得る観点から、下ヨリ数をヨリ係数
として表すならばヨリ係数kが4000以上を付与する
ことが好ましく、一方、縫糸またはミシン糸が硬くなる
ことを防止するとともに撚加工費を低減する観点から、
下ヨリはヨリ係数kが12000以下となるよう付与す
ることが好ましい。ここで、ヨリ係数kはT・D
1/2 (T:1m当たりより数,D:繊度)である。下ヨ
リのヨリ係数kが7000〜11000の範囲であるこ
とはより好ましい。そして、上ヨリはZ方向に下ヨリ数
の60〜90%とすることが好ましい。通常、縫糸また
はミシン糸は原糸を施撚後、必要に応じてヨリ止めセッ
トされ、その後、染色・仕上加工される。染色は、一般
的には、かせ巻きまたはチーズ形状で行われる。
【0045】本発明のフィラメント加工糸を用いてなる
縫糸またはミシン糸は、番手すなわち縫糸の太さが限定
されるものではないが、衣料用としては、#80(40
デニールの三子ヨリ),#60(50デニールの三子ヨ
リ),#50(70デニールの三子ヨリ)などが汎用縫
糸またはミシン糸として使用でき、産業資材用途にこれ
より太いものが使用できる。縫糸またはミシン糸を構成
する原糸のフィラメント数は単繊維の太さに応じて適宜
設定すればよい。
【0046】
【実施例】実施例においてフィラメント加工糸の繊維長
および本数の測定(図7、図8)は、以下のようにして
求めたものである。すなわち、長さ300mmの縫糸の中
央一点を把持し、縫糸のヨリを解撚・分解する。続い
て、把持されていない単繊維を引き抜き除去した。一点
を把持して残った単繊維を繊維の太さ別に1本づつ並べ
測長し25mmごとに単繊維の長さと本数のヒストグラム
を作成した。
【0047】また、実施例における縫糸の可縫性の評価
(表1)は、次の評価結果を示すものである。なお、表
1において比較例3はスパン糸の縫糸(東洋紡株式会社
製の縫糸 C100 #60)、比較例4は毛羽加工されていない
フィラメント糸の縫糸(東レ株式会社製の縫糸 PET70D/
3-48f)を評価したものである。 (a)バック縫性(%)対スパン糸 本縫いミシン機を用いて木綿ブロード4枚重ねを400
0spm でバック縫いし、縫糸が切れるまでの長さ(m)
についてスパン糸を100としたとの比率(%)で表し
た。なお、ここで使用したミシン機は JUKI DLU-491-5
、ミシン針はオルガン DB-1 #11 である。 (b)高速可縫性(%)対スパン糸 本縫いミシン機を用いて木綿ブロード8枚重ねを400
0spm で縫い上げ、縫糸が切れるまでの長さ(m)につ
いてスパン糸を100としたときの比率(%)で表し
た。なお、ここで使用したミシン機は JUKI DLU-491-5
、ミシン針はオルガン DB-1 #11 である。 (c)縫製後の糸強力保持率(%) 縫製後の縫糸を解きほぐし、元糸に対する強力保持率を
表した。 実施例1 図3に示すようなアップツイスタを使用する下ヨリ工程
に従って、7.5g/dを有する高強力タイプのポリエ
ステルマルチフィラメント糸(70デニール−48フィ
ラメント、単繊維繊度1.46デニール)に、S方向9
66T/mの下ヨリを施し、この糸を3糸条引き揃え
(210デニール−144フィラメント)、糸走行速度
10m/分、往路側160〜175g、復路側400〜
425gの張力下でガイドローラ5に巻き掛け、その往
路側の糸条と復路側の糸条とを下ヨリと同じ方向のS方
向に交錯させることにより、約360°の捩りとしごき
とを与え毛羽加工した。
【0048】次いで、得られた引き揃え状態にある3糸
条の毛羽糸をダウンツイスタにてZ方向に709T/m
の上ヨリを施してフィラメント加工糸を作製した。この
フィラメント加工糸の特性は次の通りであった。 毛羽長1〜5mmの毛羽数 185個/m 毛羽長1.5〜5mmの毛羽数 60個/m 強 力 1120g(強度4.9g/d) 上記した毛羽加工において、フィラメントは、図7に示
す繊維長および本数のように、48本とも短繊維化され
ていたが、各短繊維の繊維長のフィラメント数は比較的
揃っていた。
【0049】得られたスパン糸のような毛羽を有するフ
ィラメント加工糸を用いて平織物としたところ、柔らか
くしっとりとした高級な手触りの風合いを有する織物を
得た。一方、このスパン糸のような毛羽を有するフィラ
メント加工糸をミシン糸用に加工するため、180℃の
乾熱処理を行った後、ソフトワインドしたチーズを高圧
チーズ染色しミシン糸用のボビンに巻き返し仕上げた。
その結果、ミシン糸用のボビンにおける染め差は肉眼で
は認められなく、さらに高速自動ミシン機による縫製性
を評価したところ、高速可縫性および自動縫製性は良好
であり、かつ縫い上がりの縫い目の見栄えが良好であっ
た。表1に可縫性の評価結果を示した。
【0050】
【表1】 実施例2 毛羽数と強力の関係について、実施例1と同様のフィラ
メント糸を用いて、下ヨリ数、上ヨリ数および糸走行速
度を同一としフィードローラの緊張度合いのみを変更し
て往路側の張力を210〜238g、134〜141g
にそれぞれ設定して毛羽加工を行い、スパン糸のような
毛羽を有するフィラメント加工糸を作製した。このフィ
ラメント加工糸の特性は次の通りであった。
【0051】往路側の張力が210〜238gのスパン
ライク毛羽糸 毛羽長1〜5mmの毛羽数 395個/m 毛羽長1.5〜5mmの毛羽数 82個/m 強 力 990g(強度4.7g/d) 往路側の張力が134〜141gのスパンライク毛羽糸 毛羽長1〜5mmの毛羽数 105個/m 毛羽長1.5〜5mmの毛羽数 31個/m 強 力 1269g(強度5.4g/d) このスパン糸のような毛羽を有するフィラメント加工糸
を実施例1と同様にミシン糸として評価したところ、い
ずれも高速可縫性および自動縫製性は良好でありかつ縫
い上がりの縫い目の見栄えが良好であった。 実施例3 実施例1と同様に、図3に示すようなアップツイスタを
使用する下ヨリ工程に従って、単繊維繊度の異なるフィ
ラメント群からなるポリエステルマルチフィラメント糸
70デニール−42フィラメント(単繊維繊度6デニー
ルのフィラメントが6本、単繊維繊度1デニールのフィ
ラメントが36本)にS方向966T/mの下ヨリを施
し、この糸を3糸条に引き揃えながら糸走行速度10m
/分、往路側163〜172g、復路側410〜436
gの張力下でガイドローラに巻き掛け、その往路側の糸
条と復路側の糸条とをS方向に交錯させることにより約
360度の捩りとしごきとを与え毛羽加工した。
【0052】次いで、得られた毛羽糸をアップツイスタ
にてZ方向に709T/mの上ヨリを施してスパン糸の
ような毛羽を有するフィラメント加工糸を作製した。こ
のフィラメント加工糸の特性は次の通りであった。 毛羽長1〜5mmの毛羽数 212個/m 毛羽長1.5〜5mmの毛羽数 48個/m 強 力 1240g(強度5.5g/d) 上記した毛羽加工において、フィラメントは図8に示す
ように、分解した1糸条あたり、単繊維繊度6デニール
のフィラメントは6本とも短繊維化されていなかった
が、短繊維繊度1デニールのフィラメントは36本とも
短繊維化されていた。
【0053】得られたスパン糸のような毛羽を有するフ
ィラメント加工糸を用いて平織物としたところ、柔らか
くしっとりとした手触りと張り・腰のある風合いを有す
る織物を得た。また、このスパン糸のような毛羽を有す
るフィラメント加工糸をミシン糸として評価したとこ
ろ、高速可縫性および自動縫製性は良好でありかつ縫い
上がりの縫い目の見栄えが良好であった。なお、実施例
2は実施例1に比較して、同一の毛羽加工条件において
は毛羽数が多く強力も高いものであった。 比較例1 図3に示すようなアップツイスタを使用する下ヨリ工程
に従って、70デニール−48フィラメントのポリエス
テルマルチフィラメント糸に、S方向966T/mの下
ヨリを施し、その糸を3本引き揃え、Z方向に709T
/mの上ヨリを施し、糸走行速度10m/分、往路側1
12〜124g、復路側290〜320gの張力下でガ
イドローラに巻き掛け、その往路側の糸条と復路側の糸
条とをS方向に交錯させることにより、約360度の捩
りとしごきとを与え毛羽加工してフィラメント加工糸を
製造した。このフィラメント加工糸の特性は、図2の比
較例1に示す毛羽存在分布を有し、次の通りであった。
【0054】 毛羽長1〜5mmの毛羽数 5個/m 毛羽長1.5〜5mmの毛羽数 0個/m 強 力 1000g(強度4.5g/d) 上記毛羽加工において、フィラメントは48本とも短繊
維化されていたが、各繊維長のフィラメント糸本数は不
揃いで長い繊維長のフィラメント糸が多かった。
【0055】得られた毛羽糸を用いて平織物にしたとこ
ろ、手触りは生糸のフィラメント糸のようなヌメリ感の
強い風合いを有していた。また、このフィラメント加工
糸をミシン糸として評価したところ、実施例1〜3に比
べて可縫性は低いものであった。表1に可縫性の評価結
果を示した。 比較例2 図3に示すようなアップツイスタを使用する下ヨリ工程
に従って、70デニール−48フィラメントの1本のポ
リエステルマルチフィラメント糸に、S方向966T/
mの下ヨリを施し、糸走行速度10m/分、往路側34
〜38g、復路側120〜143gの高張力下でガイド
ローラに巻き掛け、その往路側の糸条と復路側の糸条と
をS方向に交錯させることにより、約360度の捩りと
しごきとを与え毛羽加工した。
【0056】次いで、得られたフィラメント加工糸を3
本引き揃え、Z方向に709T/mの上ヨリを施してフ
ィラメント加工糸を作製した。このフィラメント加工糸
の特性は、図2の比較例2に示す毛羽存在分布を有し、
次の通りであった。 毛羽長1〜5mmの毛羽数 45個/m 毛羽長1.5〜5mmの毛羽数 4個/m 強 力 1015g(強度4.6g/d) 上記毛羽加工において、フィラメントは48本とも短繊
維化されていたが、各繊維長のフィラメント糸本数は不
揃いで長い繊維長のフィラメント糸が多かった。
【0057】得られたフィラメント加工糸を用いて平織
物にしたところ、手触りは生糸のフィラメント糸のよう
なヌメリ感の強い風合いを有していた。また、このフィ
ラメント加工糸をミシン糸として評価したところ、実施
例1〜3に比べて可縫性は低いものであった。表1に可
縫性の評価結果を示した。
【0058】
【発明の効果】本発明のスパン糸のような毛羽を有する
フィラメント加工糸は、スパン糸が有するような毛羽や
嵩高性を有し、織物または編物にしたときに柔らかでし
っとりした高級な手触り感を与えることができる。ま
た、従来のスパン糸または毛羽加工したフィラメント加
工糸に比べて高い糸強力を有し、かつスパン糸のような
風合いを有するので、高速可縫性に優れた縫糸として用
いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスパン糸のような毛羽を有するフ
ィラメント加工糸の一例を示す模式図である。
【図2】本発明および比較例からなる各糸について、毛
羽長と毛羽数の関係を示したグラフである。
【図3】本発明に係る製造方法において、アップツイス
タを用いた場合の一例を示す工程図である。
【図4】本発明に係る製造方法において、糸−糸自己擦
過装置を用いた一例を示す工程図である。
【図5】本発明に係る製造方法において、ダウンツイス
タを用いた場合の一例を示す工程図である。
【図6】本発明に係る製造方法において、下ヨリと上ヨ
リを同一撚糸機上で連続的に実施する場合の一例を示す
工程図である。
【図7】本発明に係るスパン糸のような毛羽を有するフ
ィラメント加工糸の一例の繊維長分布を示すグラフであ
る。
【図8】本発明に係るスパン糸のような毛羽を有するフ
ィラメント加工糸の他の例の繊維長分布を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
K :スパン糸のような毛羽を有するフィラメント加工
糸 Y,Ya,Yb,Yc:下ヨリが施されたマルチフィラ
メント糸条 A,B:毛羽 1a,1b,1c:ボビン 2a,2b,2c:スピンドル 3:ベルト 4a,4b,4c:フィードローラ 5:ガイドローラ 6:フィードローラ 7:チーズ 8:テイクアップローラ 9:ガイドローラ 10:ピン 11:ガイドローラ 12:フィードローラ 13:糸−糸自己擦過装置 14:フィードローラ 15:ボビン 16:スピンドル 17a,17b,17c:スピンドル 18:ベルト 19,20:ガイド 21:フィードローラ 22:糸−糸自己擦過装置 23:フィードローラ 24:ボビン 25:ベルト 26:スピンドル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D02J 1/16 D02J 1/16 3/02 3/02 Z (72)発明者 小島 眞壽士 滋賀県大津市大江一丁目1番1号 東レ 株式会社瀬田工場内 (72)発明者 辻 良和 滋賀県大津市大江一丁目1番1号 東レ 株式会社瀬田工場内 (56)参考文献 特開 平3−64546(JP,A) 特開 平4−91245(JP,A) 特開 平3−27144(JP,A) 特開 平6−306720(JP,A) 特開 平4−185731(JP,A) 特開 昭48−44547(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 1/00 - 3/48 D02J 1/00 - 13/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下ヨリを有する複数本のマルチフィラメ
    ント糸条が引き揃えられて上ヨリが施され、前記マルチ
    フィラメント糸条を構成する単フィラメントの一部が短
    繊維化され、その短繊維の少なくとも一端が下ヨリまた
    は上ヨリにより拘束されて糸条表面に毛羽として突出し
    た毛羽糸であり、前記毛羽が長さ1〜5mmの毛羽が10
    0〜400個/mであると共に、そのうち長さ1.5〜
    5mmの毛羽が30個/m以上からなり、かつ糸条強度が
    4.7〜6g/dであるスパン糸のような毛羽を有する
    フィラメント加工糸。
  2. 【請求項2】 前記マルチフィラメント糸条が30〜3
    00本の単フィラメントから構成されると共に、単繊維
    繊度の異なる少なくとも2種の単フィラメント群からな
    り、そのうち単繊維繊度が小さい方の単フィラメント群
    が主として短繊維化されている請求項1記載のスパン
    糸のような毛羽を有するフィラメント加工糸。
  3. 【請求項3】 下ヨリ工程で下ヨリを与えたマルチフィ
    ラメント糸を複数本引き揃えたのちガイドに往復巻き掛
    け、その往路側の糸条と復路側の糸条とを加工速度3〜
    100m/min で互いに交錯させることにより捩りとし
    ごきを与えて毛羽加工し、次いでこの毛羽加工されたマ
    ルチフィラメント糸条を上ヨリ工程において上ヨリを掛
    けるスパン糸のような毛羽を有するフィラメント加工糸
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記交錯の捩り方向をマルチフィラメン
    ト糸の下ヨリ方向と同じ方向にする請求項3記載のスパ
    ン糸のような毛羽を有するフィラメント加工糸の製造方
    法。
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