JP3184745B2 - ビスウレア化合物およびその製造方法 - Google Patents
ビスウレア化合物およびその製造方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なビスウレア
化合物およびその製造方法に関する。詳しくは、1,3
−ジアルキル−2−イミダゾリジノン類の製造に有用な
新規なビスウレア化合物およびその製造方法に関する。
化合物およびその製造方法に関する。詳しくは、1,3
−ジアルキル−2−イミダゾリジノン類の製造に有用な
新規なビスウレア化合物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】式(2)
【化4】 〔式中、Rはアルキル基を示す。〕で表わされる非プロ
トン性極性物質、1,3−ジアルキル−2−イミダゾリ
ジノン類は、非プロトン性極性溶媒や医薬、農薬の中間
体として有用な物質である。特にポリアミド類、ポリ塩
化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリ
ウレタン、フェノール樹脂などの高分子化合物に優れた
溶媒であり,また多くの無機化合物を容易に溶解し、各
種の特徴ある有機反応の溶媒として用いられる。
トン性極性物質、1,3−ジアルキル−2−イミダゾリ
ジノン類は、非プロトン性極性溶媒や医薬、農薬の中間
体として有用な物質である。特にポリアミド類、ポリ塩
化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリ
ウレタン、フェノール樹脂などの高分子化合物に優れた
溶媒であり,また多くの無機化合物を容易に溶解し、各
種の特徴ある有機反応の溶媒として用いられる。
【0003】この1,3−ジアルキル−2−イミダゾリ
ジノン類の製造方法はいくつか提案されている。例え
ば、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンについて
はエチレンジアミンと尿素を反応させて2−イミダゾリ
ジノンを得、これにホルムアルデヒドを付加させた反応
生成物をトリクロロ酢酸、蟻酸などで還元してN,N’
−ジメチル化させる方法、またこの還元方法を改良して
貴金属触媒を使用し、酸性下に水素化分解する方法、さ
らにN,N’−ジメチルエチレンジアミンを、ホスゲン
ともしくはトリクロロホーメートをホスゲンに分解しな
がら反応させる方法などが知られている。
ジノン類の製造方法はいくつか提案されている。例え
ば、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンについて
はエチレンジアミンと尿素を反応させて2−イミダゾリ
ジノンを得、これにホルムアルデヒドを付加させた反応
生成物をトリクロロ酢酸、蟻酸などで還元してN,N’
−ジメチル化させる方法、またこの還元方法を改良して
貴金属触媒を使用し、酸性下に水素化分解する方法、さ
らにN,N’−ジメチルエチレンジアミンを、ホスゲン
ともしくはトリクロロホーメートをホスゲンに分解しな
がら反応させる方法などが知られている。
【0004】また、N,N’−ジアルキルエチレンジア
ミン類と尿素を反応させ収率よく1,3−ジアルキル−
2−イミダゾリジノン類が得られる工業的製法を本発明
者らは先に提案した(USP 4,731,453)。
しかしながら、原料であるN,N’−ジアルキルエチレ
ンジアミン類をジクロロエタンとアルキルアミンより製
造するに際し、副生成物であるN,N’,N”−トリア
ルキルジエチレントリアミン類が生成するため、ジクロ
ロエタン基準での1,3−ジアルキル−2−イミダゾリ
ジノン類の収率は1,3−ジメチル−2−イミダゾリジ
ノンの場合でも68%、1,3−ジエチル−2−イミダ
ゾリジノンの場合でも70%、1,3−ジプロピル−2
−イミダゾリジノンの場合でも82%、1,3−ジブチ
ル−2−イミダゾリジノンの場合で85%と工業的に満
足できるものではない。この副生成物であるN,N’,
N”−トリアルキルジエチレントリアミン類は主たる用
途が開発されておらず、その有用な用途の開発が望まれ
ていた。
ミン類と尿素を反応させ収率よく1,3−ジアルキル−
2−イミダゾリジノン類が得られる工業的製法を本発明
者らは先に提案した(USP 4,731,453)。
しかしながら、原料であるN,N’−ジアルキルエチレ
ンジアミン類をジクロロエタンとアルキルアミンより製
造するに際し、副生成物であるN,N’,N”−トリア
ルキルジエチレントリアミン類が生成するため、ジクロ
ロエタン基準での1,3−ジアルキル−2−イミダゾリ
ジノン類の収率は1,3−ジメチル−2−イミダゾリジ
ノンの場合でも68%、1,3−ジエチル−2−イミダ
ゾリジノンの場合でも70%、1,3−ジプロピル−2
−イミダゾリジノンの場合でも82%、1,3−ジブチ
ル−2−イミダゾリジノンの場合で85%と工業的に満
足できるものではない。この副生成物であるN,N’,
N”−トリアルキルジエチレントリアミン類は主たる用
途が開発されておらず、その有用な用途の開発が望まれ
ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は1,3−ジア
ルキル−2−イミダゾリジノン類を製造するために有用
な中間体及びその中間体の製造方法を提供することを目
的とする。さらに、本発明は1,3−ジアルキル−2−
イミダゾリジノン類の製造に際し副生するN,N’,
N”−トリアルキルジエチレントリアミン類を有効利用
できる方法を提供することをも目的とする。
ルキル−2−イミダゾリジノン類を製造するために有用
な中間体及びその中間体の製造方法を提供することを目
的とする。さらに、本発明は1,3−ジアルキル−2−
イミダゾリジノン類の製造に際し副生するN,N’,
N”−トリアルキルジエチレントリアミン類を有効利用
できる方法を提供することをも目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン類の合成に
有用な原料化合物を創製すべくを検討した結果、N,
N’,N”−トリアルキルジエチレントリアミン類を原
料とし合成しうるビスウレア化合物およびその製造方法
を見出した。
1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン類の合成に
有用な原料化合物を創製すべくを検討した結果、N,
N’,N”−トリアルキルジエチレントリアミン類を原
料とし合成しうるビスウレア化合物およびその製造方法
を見出した。
【0007】すなわち、本願発明は 1.式(3)
【化5】 〔式中、Rはアルキル基を示す。〕で表されるビスウレ
ア化合物、
ア化合物、
【0008】2.式(1)
【化6】 〔式中、Rはアルキル基を示す。〕で表されるN,
N’,N”−トリアルキルジエチレントリアミンに尿素
を反応させることよりなる式(3)で表されるビスウレ
ア化合物の製造方法、に関する。
N’,N”−トリアルキルジエチレントリアミンに尿素
を反応させることよりなる式(3)で表されるビスウレ
ア化合物の製造方法、に関する。
【0009】本発明によれば、その主たる用途がなくそ
の開発が望まれていたN,N’,N”−トリアルキルジ
エチレントリアミンを有効に利用すること可能となり、
本発明の意義は大きい。
の開発が望まれていたN,N’,N”−トリアルキルジ
エチレントリアミンを有効に利用すること可能となり、
本発明の意義は大きい。
【0010】
【発明の実施の形態】本願発明に使用するN,N’,
N”−トリアルキルジエチレントリアミン類は前記式
(1)で表される。また、これを原料として式(3)で
表されるビスウレア化合物が得られる。さらに、これを
原料として対応する式(2)で表される1,3−ジアル
キル−2−イミダゾリジノンが得られる。
N”−トリアルキルジエチレントリアミン類は前記式
(1)で表される。また、これを原料として式(3)で
表されるビスウレア化合物が得られる。さらに、これを
原料として対応する式(2)で表される1,3−ジアル
キル−2−イミダゾリジノンが得られる。
【0011】式(1)、(2)および(3)において、
Rはアルキル基を表わす。好ましくは炭素数1〜8のア
ルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキ
ル基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル
基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i
−ペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、i−
ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等
が挙げられる。
Rはアルキル基を表わす。好ましくは炭素数1〜8のア
ルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキ
ル基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル
基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i
−ペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、i−
ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等
が挙げられる。
【0012】本発明方法において使用されるN,N’,
N”−トリアルキルジエチレントリアミン類は、好まし
くは反応式(A)
N”−トリアルキルジエチレントリアミン類は、好まし
くは反応式(A)
【化7】 に示した反応により製造できる。また、必要であれば
N,N’−ジアルキルエチレンジアミン類よりアルキル
アミンの共存下にジクロロエタンと反応させて製造する
ことも出来る。
N,N’−ジアルキルエチレンジアミン類よりアルキル
アミンの共存下にジクロロエタンと反応させて製造する
ことも出来る。
【0013】原料であるN,N’,N”−トリアルキル
ジエチレントリアミン類の好ましい製造においては、
1,2−ジクロロエタンとアルキルアミンのモル比は
1,2−ジクロロエタンに対してアルキルアミンは4か
ら6倍量が好ましく、アルキルアミンのモル比が高いと
N,N’−ジアルキルエチレンジアミンの生成量が増加
する傾向にある。
ジエチレントリアミン類の好ましい製造においては、
1,2−ジクロロエタンとアルキルアミンのモル比は
1,2−ジクロロエタンに対してアルキルアミンは4か
ら6倍量が好ましく、アルキルアミンのモル比が高いと
N,N’−ジアルキルエチレンジアミンの生成量が増加
する傾向にある。
【0014】アミノ化反応の温度は適当な反応速度を与
える範囲内であれば制限はないが、好ましくは80〜1
50℃である。アミノ化反応の反応圧力は反応温度に従
い加圧の必要がある。
える範囲内であれば制限はないが、好ましくは80〜1
50℃である。アミノ化反応の反応圧力は反応温度に従
い加圧の必要がある。
【0015】生成したN,N’,N”−トリアルキルジ
エチレントリアミン類はアミノ化反応マスを苛性ソーダ
等の適当な塩基を用いて中和を行った後、未反応のアル
キルアミンを留去、回収し蒸留により精製される。この
ようにして得られたN,N’,N”−トリアルキルジエ
チレントリアミン類を本発明の製造方法に使用すること
ができる。
エチレントリアミン類はアミノ化反応マスを苛性ソーダ
等の適当な塩基を用いて中和を行った後、未反応のアル
キルアミンを留去、回収し蒸留により精製される。この
ようにして得られたN,N’,N”−トリアルキルジエ
チレントリアミン類を本発明の製造方法に使用すること
ができる。
【0016】本発明の式(3)で表される化合物は式
(1)で表される化合物に尿素を反応させることにより
製造することができる。
(1)で表される化合物に尿素を反応させることにより
製造することができる。
【0017】反応温度は好ましくは100〜155℃、
さらに好ましくは120〜145℃である。155℃よ
り反応温度が高いと尿素が分解し、100℃より反応温
度が低いと反応速度が小さくなる傾向がある。N,
N’,N”−トリアルキルジエチレントリアミン類と尿
素の使用量はN,N’,N”−トリアルキルジエチレン
トリアミン類に対して尿素が好ましくは1.5〜2.5
モル比となるようにする。過度の尿素の使用は尿素の熱
分解生成物であるシアヌル酸等の固体不純物が反応系に
残り、1.5モル比未満だと副生成物の生成量が増す。
この反応は定量的に進み、その際反応とともに放出され
るアンモニアガスを定量することにより終点を知ること
ができる。
さらに好ましくは120〜145℃である。155℃よ
り反応温度が高いと尿素が分解し、100℃より反応温
度が低いと反応速度が小さくなる傾向がある。N,
N’,N”−トリアルキルジエチレントリアミン類と尿
素の使用量はN,N’,N”−トリアルキルジエチレン
トリアミン類に対して尿素が好ましくは1.5〜2.5
モル比となるようにする。過度の尿素の使用は尿素の熱
分解生成物であるシアヌル酸等の固体不純物が反応系に
残り、1.5モル比未満だと副生成物の生成量が増す。
この反応は定量的に進み、その際反応とともに放出され
るアンモニアガスを定量することにより終点を知ること
ができる。
【0018】式(2)の化合物は式(3)の化合物を加
熱分解することにより製造できる。この分解反応におけ
る温度は、好ましくは180℃以上、より好ましくは2
00〜260℃、最も好ましくは210〜240℃であ
る。180℃より反応温度が低いと反応速度が小さくな
る傾向がある。また、300℃付近では加熱方法の点で
問題がある。
熱分解することにより製造できる。この分解反応におけ
る温度は、好ましくは180℃以上、より好ましくは2
00〜260℃、最も好ましくは210〜240℃であ
る。180℃より反応温度が低いと反応速度が小さくな
る傾向がある。また、300℃付近では加熱方法の点で
問題がある。
【0019】化合物(1)と尿素を反応させ、得られる
化合物(3)を分離することなく得られたビスウレア化
合物を熱分解することにより化合物(2)を製造するこ
ともできる。化合物(1)から化合物(2)を経て化合
物(3)を製造する一連の反応を示したものを反応式
(B)に示す。
化合物(3)を分離することなく得られたビスウレア化
合物を熱分解することにより化合物(2)を製造するこ
ともできる。化合物(1)から化合物(2)を経て化合
物(3)を製造する一連の反応を示したものを反応式
(B)に示す。
【0020】反応式(B)
【化8】 この反応においては化合物(3)、(2)を製造する前
述の方法の反応温度、条件で段階的に反応を行う。
述の方法の反応温度、条件で段階的に反応を行う。
【0021】化合物(1)から化合物(3)を製造する
方法、化合物(3)から化合物(2)を製造する方法、
および化合物(1)から化合物(3)を取り出すことな
く化合物(2)を製造するいずれの方法においても反応
溶媒としてエタノール、メチルイソブチルケトン、N−
メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノン、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等が使用
できるが、本発明方法では溶媒の留去等の工程の煩雑さ
を避ける意味からも無溶媒で反応を行うことが望まし
い。生成した1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノ
ン類は蒸留により精製される。
方法、化合物(3)から化合物(2)を製造する方法、
および化合物(1)から化合物(3)を取り出すことな
く化合物(2)を製造するいずれの方法においても反応
溶媒としてエタノール、メチルイソブチルケトン、N−
メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノン、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等が使用
できるが、本発明方法では溶媒の留去等の工程の煩雑さ
を避ける意味からも無溶媒で反応を行うことが望まし
い。生成した1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノ
ン類は蒸留により精製される。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
する。
【0023】製造例1〔化合物(1)の合成〕 温度計及び撹拌装置を備えた5.0リットルの加圧反応
装置に1,2−ジクロロエタン1286.5g(13モ
ル)、メチルアミン2018.9g(65モル)を装入
し、反応器内を撹拌しながら100℃まで昇温し、その
温度に保ったまま2時間アミノ化反応を続けた。次いで
反応液を室温まで冷却し、ガスクロマトグラフィーを用
いて分析したところ1,2−ジクロロエタンの転化率は
100.0%であった。次にフレーク苛性ソーダを10
72.2g装入し中和した後、蒸留により残存するメチ
ルアミンを回収した。このメチルアミンは再利用でき
る。蒸留後の反応マスに析出した塩化ナトリウムを濾別
し、濾液を蒸留することでN,N’,N”−トリメチル
ジエチレントリアミン229.4gを取り出した。
装置に1,2−ジクロロエタン1286.5g(13モ
ル)、メチルアミン2018.9g(65モル)を装入
し、反応器内を撹拌しながら100℃まで昇温し、その
温度に保ったまま2時間アミノ化反応を続けた。次いで
反応液を室温まで冷却し、ガスクロマトグラフィーを用
いて分析したところ1,2−ジクロロエタンの転化率は
100.0%であった。次にフレーク苛性ソーダを10
72.2g装入し中和した後、蒸留により残存するメチ
ルアミンを回収した。このメチルアミンは再利用でき
る。蒸留後の反応マスに析出した塩化ナトリウムを濾別
し、濾液を蒸留することでN,N’,N”−トリメチル
ジエチレントリアミン229.4gを取り出した。
【0024】実施例1〔化合物(3)の合成〕 製造例1で得られたN,N’,N”−トリメチルジエチ
レントリアミン171.3g(1.0モル)と尿素12
0.1g(2.0モル)を還流冷却器、温度計および撹
拌装置を備えた0.5リットルのフラスコに装入し、反
応器内を撹拌しながら昇温し、反応温度を125〜14
0℃に保ったまま3時間反応させた。その後、冷却する
と90℃付近で反応マスは固化した。この固化した反応
マスを粉砕し60℃のエタノールに溶解させ、ヘキサン
を用いて晶析、濾過、洗浄、乾燥を行うとビスウレア化
合物が186.1g(収率80.2%)得られた。この
ビスウレア化合物の融点は145〜147℃であり、そ
の構造は1H NMR,13C NMR,IR,および
FAB−MS(NH+/Z=232) で確認した。以
下に1H NMR,13C NMR,IRの分析結果を
示す。 1H NMR;(DMSO−d6,ppm) δ=2.2(s,3H),2.4(t,4H),2.8
(s,6H),3.2(t,4H),5.8(s,b
r,4H) 13C NMR;(DMSO−d6,ppm) δ=34(q),42(q),46(t),55
(t),159(s) IR;(KBr錠剤)1657cm-1(C=O)
レントリアミン171.3g(1.0モル)と尿素12
0.1g(2.0モル)を還流冷却器、温度計および撹
拌装置を備えた0.5リットルのフラスコに装入し、反
応器内を撹拌しながら昇温し、反応温度を125〜14
0℃に保ったまま3時間反応させた。その後、冷却する
と90℃付近で反応マスは固化した。この固化した反応
マスを粉砕し60℃のエタノールに溶解させ、ヘキサン
を用いて晶析、濾過、洗浄、乾燥を行うとビスウレア化
合物が186.1g(収率80.2%)得られた。この
ビスウレア化合物の融点は145〜147℃であり、そ
の構造は1H NMR,13C NMR,IR,および
FAB−MS(NH+/Z=232) で確認した。以
下に1H NMR,13C NMR,IRの分析結果を
示す。 1H NMR;(DMSO−d6,ppm) δ=2.2(s,3H),2.4(t,4H),2.8
(s,6H),3.2(t,4H),5.8(s,b
r,4H) 13C NMR;(DMSO−d6,ppm) δ=34(q),42(q),46(t),55
(t),159(s) IR;(KBr錠剤)1657cm-1(C=O)
【0025】製造例2〔化合物(3)から化合物(2)
の合成〕 実施例1で得られたビスウレア化合物115.7g
(0.5モル)を還流冷却器、温度計および撹拌装置を
備えた0.5リットルのフラスコに装入し、反応器内を
撹拌しながら昇温するとビスウレア化合物は145℃付
近から融解しはじめ160℃で完全に液体となった。そ
のまま昇温を続け215〜225℃で4時間撹拌を続け
た。その後冷却してガスクロマトグラフィーにより分析
すると1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノンの反
応収率は87.5%であった。
の合成〕 実施例1で得られたビスウレア化合物115.7g
(0.5モル)を還流冷却器、温度計および撹拌装置を
備えた0.5リットルのフラスコに装入し、反応器内を
撹拌しながら昇温するとビスウレア化合物は145℃付
近から融解しはじめ160℃で完全に液体となった。そ
のまま昇温を続け215〜225℃で4時間撹拌を続け
た。その後冷却してガスクロマトグラフィーにより分析
すると1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノンの反
応収率は87.5%であった。
【0026】製造例3〔化合物(2)の合成〕 製造例1で得たN,N’,N”−トリメチルエチレント
リアミン217.9g(1.5モル)と尿素180.2
g(3.0モル)を還流冷却器、温度計及び撹拌装置を
備えた0.5リットルのフラスコに装入し、反応器内を
撹拌しながら125〜140℃に保ったまま4時間反応
させた後、引き続いて215〜225℃に昇温し、同温
度で4時間ビスウレア化合物の分解反応を行った。反応
終了後ガスクロマトグラフィーにより1,3−ジメチル
−2−イミダゾリジノンを定量したところN,N’,
N”−トリメチルジエチレントリアミン基準での生成収
率は88.0%であった。その後反応液を蒸留すると1
5mmHgの減圧下、沸点105℃を有する純度99.
3%の1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが13
7.0g得られた。
リアミン217.9g(1.5モル)と尿素180.2
g(3.0モル)を還流冷却器、温度計及び撹拌装置を
備えた0.5リットルのフラスコに装入し、反応器内を
撹拌しながら125〜140℃に保ったまま4時間反応
させた後、引き続いて215〜225℃に昇温し、同温
度で4時間ビスウレア化合物の分解反応を行った。反応
終了後ガスクロマトグラフィーにより1,3−ジメチル
−2−イミダゾリジノンを定量したところN,N’,
N”−トリメチルジエチレントリアミン基準での生成収
率は88.0%であった。その後反応液を蒸留すると1
5mmHgの減圧下、沸点105℃を有する純度99.
3%の1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが13
7.0g得られた。
【0027】製造例4〔化合物(2)の合成〕 N,N’,N”−トリメチルジエチレントリアミンの代
わりにN,N’,N”−トリエチルジエチレントリアミ
ンを使用した以外は製造例3と同様に反応、分析を行っ
た。その結果、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノ
ンのN,N’,N”−トリエチルジエチレントリアミン
基準での生成収率は85.4%であった。この反応液を
蒸留すると15mmHgの減圧下、沸点109℃を有す
る純度99.4%の1,3−ジエチル−2−イミダゾリ
ジノンが163.5g得られた。
わりにN,N’,N”−トリエチルジエチレントリアミ
ンを使用した以外は製造例3と同様に反応、分析を行っ
た。その結果、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノ
ンのN,N’,N”−トリエチルジエチレントリアミン
基準での生成収率は85.4%であった。この反応液を
蒸留すると15mmHgの減圧下、沸点109℃を有す
る純度99.4%の1,3−ジエチル−2−イミダゾリ
ジノンが163.5g得られた。
【0028】製造例5〔化合物(2)の合成〕 N,N’,N”−トリメチルジエチレントリアミンの代
わりにN,N’,N”−トリプロピルジエチレントリア
ミンを使用した以外は製造例3と同様に反応、分析を行
った。その結果、1,3−ジプロピル−2−イミダゾリ
ジノンの生成率は81.2%であった。この反応液を蒸
留すると5mmHgの減圧下、沸点110℃を有する純
度99.6%の1,3−ジプロピル−2−イミダゾリジ
ノンが134.6g得られた。
わりにN,N’,N”−トリプロピルジエチレントリア
ミンを使用した以外は製造例3と同様に反応、分析を行
った。その結果、1,3−ジプロピル−2−イミダゾリ
ジノンの生成率は81.2%であった。この反応液を蒸
留すると5mmHgの減圧下、沸点110℃を有する純
度99.6%の1,3−ジプロピル−2−イミダゾリジ
ノンが134.6g得られた。
【0029】製造例6〔化合物(2)の合成〕 N,N’,N”−トリメチルジエチレントリアミンの代
わりにN,N’,N”−トリブチルジエチレントリアミ
ンを使用した以外は製造例3と同様に反応、分析を行っ
た。その結果、1,3−ジブチル−2−イミダゾリジノ
ンのN,N’,N”−トリブチルジエチレントリアミン
基準での生成収率は80.3%であった。この反応液を
蒸留すると10mmHgの減圧下、沸点127℃を有す
る純度99.6%の1,3−ジブチル−2−イミダゾリ
ジノンが210.1g得られた。
わりにN,N’,N”−トリブチルジエチレントリアミ
ンを使用した以外は製造例3と同様に反応、分析を行っ
た。その結果、1,3−ジブチル−2−イミダゾリジノ
ンのN,N’,N”−トリブチルジエチレントリアミン
基準での生成収率は80.3%であった。この反応液を
蒸留すると10mmHgの減圧下、沸点127℃を有す
る純度99.6%の1,3−ジブチル−2−イミダゾリ
ジノンが210.1g得られた。
【0030】
【発明の効果】本発明は新規なビスウレア化合物および
その製造方法を提供するものである。これにより1,3
−ジアルキル−2−イミダゾリジノンの新規な製造方法
を提供することができると共に、主たる用途も無く、そ
の用途の開発が望まれていたN,N’,N”−トリアル
キルジエチレントリアミンの有効利用が可能となる。
その製造方法を提供するものである。これにより1,3
−ジアルキル−2−イミダゾリジノンの新規な製造方法
を提供することができると共に、主たる用途も無く、そ
の用途の開発が望まれていたN,N’,N”−トリアル
キルジエチレントリアミンの有効利用が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−119087(JP,A) 特公 昭44−934(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 275/14 C07D 273/18 C07D 233/32 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (8)
- 【請求項1】 式(3) 【化1】 〔式中、Rはアルキル基を示す。〕で表されるビスウレ
ア化合物。 - 【請求項2】 式(3)においてRが炭素数1〜8のア
ルキル基である請求項1記載の化合物。 - 【請求項3】 式(3)においてRがメチル基である請
求項1記載の化合物。 - 【請求項4】 式(1) 【化2】 〔式中、Rはアルキル基を示す。〕で表されるN,
N’,N”−トリアルキルジエチレントリアミン類に尿
素を反応させることよりなる、式(3) 【化3】 〔式中、Rはアルキル基を示す。〕で表される化合物の
製造方法。 - 【請求項5】 反応温度が100〜155℃である請求
項4記載の方法。 - 【請求項6】 無溶媒で反応をおこなう請求項4記載の
方法。 - 【請求項7】 式(1)および式(3)においてRが炭
素数1〜8のアルキル基である請求項4記載の方法。 - 【請求項8】 式(1)および式(3)においてRがメ
チル基である請求項4記載の方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16875895A JP3184745B2 (ja) | 1994-07-07 | 1995-07-04 | ビスウレア化合物およびその製造方法 |
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JP6-155763 | 1994-07-07 | ||
JP16875895A JP3184745B2 (ja) | 1994-07-07 | 1995-07-04 | ビスウレア化合物およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0873420A JPH0873420A (ja) | 1996-03-19 |
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ID=26483685
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16875895A Expired - Fee Related JP3184745B2 (ja) | 1994-07-07 | 1995-07-04 | ビスウレア化合物およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3184745B2 (ja) |
-
1995
- 1995-07-04 JP JP16875895A patent/JP3184745B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0873420A (ja) | 1996-03-19 |
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