JP3177758B2 - スピーカおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
するスピーカ、詳しくは、スピーカフレームが耐熱性の
プラスチックで成形されたフレームを使用し、接着剤を
使用することなく磁気回路を組み立てることのできるス
ピーカに関するものである。
強度、耐磨耗性などに優れたポリカーボネートなどのエ
ンジニアリングプラスチックによって形成することは、
たとえば、特開昭58−1711197号や実公昭63
−4999号公報、さらには特開昭60−180300
号公報などにおいて既に知られている。なかでも、実開
平2−21998号公報に開示されたスピーカ用磁気回
路の組立構造は、プラスチックマグネットの上面に上部
プレートとフレームとを接合用突起をそれぞれの孔に挿
通した状態で載置して加熱し、下部プレートとプラスチ
ックフレーム底部を固定することによって接着剤等従来
から慣用されている組立手段を使用せずに容易かつ簡単
にスピーカ用フレームに磁気回路を取付けるものであ
る。
98号公報に開示されている考案は、接着剤を使用する
ことなくプラスチック製フレームを有するスピーカを提
供することができる点において優れたものである。しか
しながら、この公報に開示されたスピーカ用磁気回路の
組立構造は、リング状のプラスチックマグネットの上下
面の複数の部位に係合用突起を形成し、かつ、該プラス
チックマグネットの上下に配置するプレートにもそれぞ
れ前記係合用突起に対応する係合用の孔を設けなければ
ならないので、磁気回路を構成する部品の加工工程が増
える共に、係合用突起や孔の芯出しに誤差が生ずると磁
気回路の組立が難しくなる。また、カシメやねじ等によ
る固定や接着剤などが不要となる反面、高周波加熱手段
による熱融着が不可欠なものであるため、製造工程に大
型の装置を必要とするなどスピーカのコストを必ずしも
引き下げることができないなど実用上解決すべき多くの
課題を有している。
要とすることなく、しかも、簡単かつ容易に組立作業を
行うことのできるスピーカを提供することを目的とする
ものである。
め、この発明のスピーカは、有底円筒状の磁気回路保持
部と該磁気回路保持部の上方に振動板の外周縁を固定す
るための取付部とスピーカの取付面とを一体的に形成
し、前記磁気回路保持部の底面上の中央部に位置決め用
の係合突起を設けると共に、前記磁気回路保持部の開口
部の内周面に裏面部が一端から他端に底面方向に傾斜す
る傾斜面を有する係合片を所定の間隔を存して複数突出
させて設けたプラスチック製のフレームと、裏面の中央
部に前記位置決め用の係合突起と係合する係合凹部を有
し、かつ上面中央部にセンターポールを有するボトムプ
レートと、前記ボトムプレートの上面部に形成された突
条体からなるマグネットガイドにその内周縁が接するリ
ング状のマグネットと、外周部に前記フレームの係合片
と係合する複数の係合部を水平方向に一体的に設けたト
ッププレートとから構成したものである。
有底円筒状の磁気回路保持部の上方に振動板の外周縁を
固定するための取付部とスピーカの取付面とを一体的に
形成したプラスチックフレームを使用し、該プラスチッ
クフレームの前記円筒状の磁気回路保持部の底面上の中
心部に形成された位置決め用の係合突起に、裏面の中心
部に形成された係合用凹部を嵌合してセンターポールを
有するボトムプレートを同軸上に固定し、ついで、前記
ボトムプレートの上面部に形成されたマグネットガイド
を利用してリング状のマグネットをボトムプレート上に
固定したのち、外周部に複数の係合片を水平方向に突出
させたトッププレートをセンターポールをガイドとして
マグネット上に載置し、前記磁気回路保持部の上端部の
内周面に突設された複数の係合片に前記トッププレート
の係合部を係合させ、しかるのちトッププレートを所定
の方向に回転させ、係合片の下面に形成した傾斜面に沿
ってトッププレートの係合部をスライドさせトッププレ
ートを締め込むことによって磁気回路保持部に磁気回路
を固定することを特徴としたものである。
レームは、ポリアセタールやポリアミド、ボリカーボネ
ートなど耐熱性に優れたエンジニアリングプラスチック
をもって一体的に成形したものである。また、有底円筒
状の磁気回路保持部は、使用せんとするボトムプレート
とマグネットおよびトッププレートの厚さを合計した厚
さよりもやゝ深くして形成したもので、その内径はトッ
ププレートを固定したとき、トッププレートの外周縁と
の間に所望の間隔を有するよう設定したものである。ま
た、この磁気回路保持部の開口部上端の内周面に軸心方
向に向けて突設する係合片は、その下面に一端から他端
に向けて底面方向に傾斜する傾斜面を形成したもので、
該傾斜面の最大傾斜面とトッププレートの外周縁上に突
設した係合部の上面が当接状態において磁気回路が確実
に固定できる高さの内周面に設けるものである。
形された磁気回路保持部内にボトムプレートとリング状
のマグネットおよびトッププレートを順次装着し、トッ
ププレートを所定の方向に回動させて磁気回路をフレー
ムに固定したので、接着剤を使用することなく磁気回路
を構成することができ、不良部品が発見された場合にも
簡単かつ容易に分解することができる。一方、この発明
のスピーカの製造方法は、プラスチック材料で成形され
た磁気回路保持部内にボトムプレートとリング状のマグ
ネットおよびトッププレートを順次装着し、トッププレ
ートを所定の方向に回動させることによって、トッププ
レートに設けた係合部が磁気回路保持部の開口部の内周
面に設けた係合片と接しながら、係合片の下面に形成さ
れた傾斜面に沿って底面方向に押圧され固定されるの
で、接着剤を使用することなく磁気回路をフレームに確
実に固定することができる。
方法を添付の図面に基づいて具体的に説明する。この発
明のスピーカ1は、有底円筒状の磁気回路保持部2を有
するプラスチック製のフレーム3と、該フレーム3の磁
気回路保持部2内に順次装着して固定されるボトムプレ
ート9と、該ボトムプレート9上に載置されるリング状
のマグネット13および該マグネット13の上面に載置
されるトッププレート14とから構成されるものであ
る。
ように有底の円筒状の磁気回路保持部2の開口部の上方
に外方に拡径する段部を介して振動板17の外周縁を固
定するための取付部4およびスピーカ1を自動車のドア
等に取付けるための取付面5を一体的に連設すると共
に、該磁気回路保持部2の底面2a上の中央部に位置決
め用の係合突起6を突設し、かつ開口部の内周面に所定
の間隔を存して裏面部が一方から他方に底面方向に傾斜
する傾斜面7を有する係合片8を所定の間隔を存して複
数設けたもので、フレーム3全体はエンジニアプラスチ
ックなど耐熱性を有するプラスチック材料によって一体
成形したものである。
で、上面部の中央に円柱状のセンターポール10を一体
的に突設すると共に、該センターポール10と同心円上
となるよう突条体からなるマグネットガイド11設け、
裏面の中央部には前記フレーム3の磁気回路保持部2の
底面2a上に設けた位置決め用の係合突起6と係合する
係合凹部12を設けたものである。
が前記ボトムプレート9の上面に形成したマグネットガ
イド11と接し、かつその外周部が前記円筒状の磁気回
路保持部2の内周面と所定の間隔を存して対峙する大き
さに形成されたフェライト系永久磁石である。
ので、実施例においては中心部にセンターポール10を
挿通させるための透孔15を形成した円盤状のもので、
その外周縁上にフレーム3に形成した係合片8と係合す
る3つの係合部16を水平方向に一体的に突設したもの
で、前記フレーム3に形成した係合片8とこのトッププ
レート14の外周縁上に設けた係合部16とによってい
わゆるバヨネット機構を構成しているものである。な
お、実施例においては外形が円盤状のトッププレートを
使用しているが、このトッププレートを中心部にセンタ
ーポールを挿通するための透孔を有する全体が方形のも
で構成して各コーナー部を係合部として使用することも
できる。
1の製造方法を説明する。まず、フレーム3を構成する
円筒状の磁気回路保持部2の底面2a上に、ボトムプレ
ート9の底面に設けた係合凹部12とフレーム3の係合
突起6とを係合させて同軸度を得る。ついで、磁気回路
保持部2上に載置したボトムプレート9のマグネットガ
イド11を利用してリング状のマグネット13をボトム
プレート9上に取り付けたのち、センターポール10に
沿ってトッププレート14の透孔15を係合させて磁気
回路保持部2内にトッププレート14を装着する。その
際、トッププレート14に形成した係合部16が磁気回
路保持部2の開口部の内周面に所定の間隔を存して突設
した係合片8と接触しない状態で装着するもので、しか
るのちトッププレート14を下方に押圧しながら図4に
示す矢印方向に回動させると、いわゆるバヨネット結合
によってトッププレート14の係合部16が磁気回路保
持部2に形成された係合片8の裏面の傾斜面7に沿って
スライドし、その移動ができなくなる範囲までトッププ
レート14を回動させれば、各構成部材のガタを吸収し
ながらボトムプレート9とマグネット13およびトップ
プレート14からなる磁気回路が接着剤を使用すること
なくフレーム3に固定することができる。なお、図3は
前記の製造方法によって得られたスピーカ1で、図中1
7は振動板、18はダンパー、19はボイスコイルを外
装したコイルボビン、20はダストキャップを示す。
一体成形された有底円筒状の磁気回路保持部内にボトム
プレート、リング状のマグネットおよびトッププレート
を順次積層し、トッププレートの外周縁上に設けた係合
部を磁気回路保持部の開口部の内周面に突設した係合片
とバヨネット方式で結合させ固定したもので、磁気回路
を接着剤を使用することなくフレームに固定することが
でき、磁気回路を構成する部材に不良が発見された場合
でも不良部材を簡単かつ容易に取り替えることができる
ものである。
プラスチックで一体成形された有底円筒状の磁気回路保
持部内にボトムプレート、リング状のマグネットおよび
トッププレートを順次積層し、トッププレートの外周縁
上に設けた係合部を磁気回路保持部の開口部の内周面に
突設した係合片とバヨネット方式で結合させるというき
わめて簡単な手段によって接着剤を使用することなく、
フレームに磁気回路を確実に装着することができるた
め、スピーカの生産能率を大幅に引き上げることができ
る。特に、この発明のスピーカの製造方法は、磁気回路
のフレームへの装着を接着剤を使用せずに実施すること
ができるため、接着剤の保管のための貯蔵庫を不要とす
ることができると共に、むずかしい接着剤の管理もスピ
ーカの製造工程から外すことができるため、スピーカの
製造をより一層簡易化することができ、接着剤を使用し
た場合における乾燥工程もなくなるなどスピーカ生産を
大幅に合理化することができるものである。また、円筒
状の磁気回路保持部内への磁気回路の固定に際しては、
磁気回路保持部の底面上に設けた位置決め用の係合突起
にトッププレートの裏面に形成した係合凹部を係合さ
せ、かつトッププレートの上面に設けたマグネットガイ
ドに沿ってマグネットを設けるだけで各部材の同軸度を
得ることができなど実用上多大の利点を有するものであ
る。
解側面図である。
を示す平面図である。
示す断面図である。
図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 有底円筒状の磁気回路保持部と該磁気回
路保持部の上方に振動板の外周縁を固定するための取付
部とスピーカの取付面とを一体的に形成し、前記磁気回
路保持部の底面上の中央部に位置決め用の係合突起を設
けると共に、前記磁気回路保持部の開口部の内周面に裏
面部が一端から他端に底面方向に傾斜する傾斜面を有す
る係合片を所定の間隔を存して複数突出させて設けたプ
ラスチック製のフレームと、裏面の中央部に前記位置決
め用の係合突起と係合する係合凹部を有し、かつ上面中
央部にセンターポールを有するボトムプレートと、前記
ボトムプレートの上面部に形成された突条体からなるマ
グネットガイドにその内周縁が接するリング状のマグネ
ットと、外周部に前記フレームの係合片と係合する複数
の係合部を水平方向に一体的に設けたトッププレートと
から構成されることを特徴とするスピーカ。 - 【請求項2】 有底円筒状の磁気回路保持部の上方に振
動板の外周縁を固定するための取付部とスピーカの取付
面とを一体的に形成したプラスチックフレームを使用
し、該プラスチックフレームの前記円筒状の磁気回路保
持部の底面上の中心部に形成された位置決め用の係合突
起に、裏面の中心部に形成された係合用凹部を嵌合して
センターポールを有するボトムプレートを同軸上に固定
し、ついで、前記ボトムプレートの上面部に形成された
マグネットガイドを利用してリング状のマグネットをボ
トムプレート上に固定したのち、外周部に複数の係合片
を水平方向に突出させたトッププレートをセンターポー
ルをガイドとしてマグネット上に載置し、前記磁気回路
保持部の上端部の内周面に突設された複数の係合片に前
記トッププレートの係合部を係合させ、しかるのちトッ
ププレートを所定の方向に回転させ、係合片の下面に形
成した傾斜面に沿ってトッププレートの係合部をスライ
ドさせトッププレートを締め込むことによって磁気回路
保持部に磁気回路を固定することを特徴とするスピーカ
の製造方法。
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