JP3177616B2 - 炭酸カルシウム用分散剤 - Google Patents

炭酸カルシウム用分散剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は炭酸カルシウム用の分散
剤に関するものである。より詳しくは、高濃度の炭酸カ
ルシウム水性スラリーを製造する際、炭酸カルシウムに
分散性及び分散安定性を付与する分散剤に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】炭酸カルシウムは水に分散させた水性ス
ラリーとして、紙、塗料等の分野において利用されてい
る。炭酸カルシウムの水性スラリーは、良質の製品原料
とするために、また取り扱いの容易さの上から分散性の
良いもの、すなわち高濃度において粘度の低いものであ
ること、さらに経日安定性に優れたものであることが必
要である。例えば、白色顔料として紙などに塗工する
際、塗工後の乾燥行程での効率を上げるために、できる
だけ水分の少ない、即ち高濃度でありかつ低粘度の水性
スラリーであることが好ましい。さらに、塗工の作業性
や塗膜特性上の観点からも分散性及び分散安定性の優れ
た水性スラリーが要求されている。また、輸送及び貯蔵
面においても、コストを安くするためには高濃度であり
かつ低粘度であり、同時に輸送及び貯槽中に沈降してハ
ードケーキを形成しない分散安定性の優れた水性スラリ
ーが必要とされている。そのため少量の添加で分散性及
び分散安定性の優れた高濃度水性スラリーの調製が可能
な分散剤の提供が期待されている。
【0003】また、炭酸カルシウムは大別して、例えば
生石灰に水を加えて石灰乳とし、これに炭酸ガスを反応
させて得られる粒子径の小さい(0.01〜1μ程度)軽
質炭酸カルシウムと天然の炭酸カルシウムの粉砕により
製造される比較的粒子径の大きい(1〜10μ程度)重
質炭酸カルシウムがある。近年、製品の良質化に伴い粒
子径の小さい炭酸カルシウムの需要が大きくなり軽質炭
酸カルシウムの使用量が増大している。しかし、粒子径
が小さいほど分散性及び分散安定性が悪くなるため、よ
り優れた分散剤が要求されている。
【0004】従来、この目的の分散剤には、無機系では
ピロリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩などの縮合リン酸
塩、その他に亜鉛塩、珪酸塩などがある。一方、有機系
の分散剤ではポリアクリル酸塩やマレイン酸/イソブテ
ン共重合体塩(例えば特開昭60−99334号、特開
昭62−132730号公報)などのポリカルボン酸塩
などが公知である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の分散剤のなかで無機系分散剤は得られた水性スラリー
の分散安定性に問題があり、また多量の添加を必要とす
る。その結果コストの上昇及び塗膜の性能の低下という
重大な欠点があった。また、有機系分散剤は上記の無機
系分散剤よりも比較的良好な性能を持つ。しかし、特に
平均粒径が1μ以下の軽質炭酸カルシウムの分散に用い
た場合、分散性及び分散安定性はともに、改善の余地が
ある。
【0006】そこで、本発明の目的は、少量の添加で高
濃度スラリーにおいても低粘度が得られ、かつ分散安定
性に優れた炭酸カルシウム用の分散剤を提供することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、無水マレイン
酸、脂肪族共役ジエン及びこれらと共重合可能な不飽和
単量体の共重合体の加水分解物の塩からなる炭酸カルシ
ウム用分散剤に関するものである。
【0008】本発明の共重合体を構成する脂肪族共役ジ
エンは、例えば炭素数4〜7、好ましくは4〜5の脂肪
族共役ジエンである。具体的には1,3−ブタジエン、
1,3−ペンタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジ
エン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エ
チル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなど
が挙げられる。特に、1,3−ブタジエン及びイソプレ
ンが、無水マレイン酸との反応性が高く、工業的に入手
が容易であり、かつ安価であることから、好ましい。ま
た、1,3−ブタジエンは、後述のナフサの熱分解物の
炭素数4の炭化水素留分であることからも好ましい。こ
れらの脂肪族共役ジエンは、1種を用いるか、または2
種以上を併用することもできる。
【0009】無水マレイン酸及び脂肪族共役ジエンと共
重合可能な不飽和単量体としては、例えばエチレン、プ
ロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、1
−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテ
ン、1−オクテン等の炭素数2〜8のα−オレフィン、
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−
メチルスチレン等の芳香族不飽和炭化水素、アクリル
酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸
エステル、アクリルアミド、酢酸ビニル等を挙げること
ができる。これらの単量体は、1種を用いるか、または
2種以上を併用することもできる。共重合可能な不飽和
単量体としては、無水マレイン酸との反応性が高く、工
業的に入手が容易であり、かつ安価であることから、特
に、イソブテンを用いることが好ましい。また、イソブ
テンは後述のナフサの熱分解物の炭素数4の炭化水素留
分であることからも好ましい。
【0010】特に、炭素数2〜8のα−オレフィンを用
いる場合は、脂肪族共役ジエンと炭素数2〜8のα−オ
レフィンの両方を含有するものとして、ナフサの熱分解
物のうちの炭素数4の炭化水素留分を用いることが、工
業的に入手し易く、かつ安価であることから好ましい。
ナフサの熱分解物の炭素数4の炭化水素留分には、一般
に1,3−ブタジエン、イソブテン及び1−ブテン等が
含まれる。
【0011】本発明の共重合体は、無水マレイン酸単位
の含有量を30〜90モル%、好ましくは40〜80モ
ル%、より好ましくは45〜75モル%とすることが、
優れた分散効果を得る上で適当である。尚、共重合体中
の無水マレイン酸単位の含有量は、CHN元素分析法又
はCHN元素分析法とNMR分析法とを用いて求めるこ
とができる。また、本発明の共重合体は、脂肪族共役ジ
エン単位の含有量を5〜60モル%、好ましくは10〜
50モル%とし、共重合可能な不飽和単量体単位の含有
量を5〜60モル%、好ましくは10〜50モル%とす
ることが、優れた分散効果を得る上で適当である。
【0012】さらに、共重合体の重量平均分子量は10
00〜50000、好ましくは2000〜30000で
あることが優れた分散効果を得る上で適当である。ここ
で、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー(GPC)による測定により求めることができ
る。
【0013】本発明の分散剤は、上記共重合体の加水分
解物の塩である。共重合体の加水分解物は、通常完全加
水分解物であるが、場合により部分加水分解物であって
もよい。共重合体の加水分解物の塩を調製するために使
用される化合物は、加水分解物を水溶性の塩にするもの
であればよく、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属
化合物、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属化
合物、アンモニア、アルキルアミン等の塩基性物質が挙
げられる。中でも水酸化ナトリウムまたはアンモニアが
好ましい。
【0014】以下、本発明の分散剤の製造方法について
説明する。本発明の分散剤に用いる共重合体は、共重合
体中における所望のモル比率にほぼ相当する比率で、無
水マレイン酸、脂肪族共役ジエン及びこれらと共重合可
能な不飽和単量体をラジカル発生剤の存在下、溶媒中で
ラジカル共重合反応させることにより得られる。
【0015】重合に際して、脂肪族共役ジエンは無水マ
レイン酸と溶媒との混合物に連続的に添加することが好
ましい。これは、脂肪族共役ジエンを無水マレイン酸及
び反応溶媒とともに予め仕込むと、昇温中あるいは重合
反応の初期においてディールス・アルダー反応が進み収
率が低下することがあるからである。脂肪族共役ジエン
を連続的に供給することで重合反応をディールス・アル
ダー反応に優先させることができる。また、共重合可能
な不飽和単量体とラジカル発生剤は、無水マレイン酸と
反応溶媒との混合物に予め添加しておいても良いし、あ
るいは脂肪族共役ジエンと同様に連続的に添加してもよ
い。
【0016】使用するラジカル発生剤は、その半減期を
考慮して決定される。例えば開始剤を連続供給する場合
においては、反応温度領域において半減期が1時間以下
のラジカル発生剤を使用することが好ましい。半減期が
長すぎると単位時間当りのラジカル発生量が少なくな
り、重合反応よりディールス・アルダー反応が優先して
進行し、収率の低下を招く恐れがある。
【0017】ラジカル発生剤としては、例えばt−ブチ
ルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、t−ブチ
ルパーオキシベンゾエートなどのパーオキシエステル、
ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ドなどのジアルキルパーオキサイド、1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサンなどのパーオキシケタール等を挙げることがで
きる。
【0018】ラジカル発生剤の使用量は、無水マレイン
酸に対して0.05〜15重量%、好ましくは0.5 〜10
重量%とすることが適当である。使用量が少なすぎると
重合反応が有効に進行しないし、多すぎると分子量が低
下し過ぎたり、また安全および経済的な見地からも好ま
しくない。
【0019】溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレ
ン、シクロヘキサン等の炭化水素類、アセトン、シクロ
ヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エ
チル、酢酸イソプロピル等のエステル類、ジブチルエー
テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル
類、あるいはジメチルスルホキシド、ジメチルホルムア
ミド、ガンマブチロラクトン等が使用できる。これらの
溶媒は無水マレイン酸は溶解するが共重合体は溶解しな
いものと、無水マレイン酸および共重合体の両者ともに
溶解するものとに分類できる。前者の種類の溶媒を用い
た場合、重合は沈澱重合もしくは適当な分散剤の存在下
では懸濁重合として進行する。一方、後者の種類の溶媒
を用いた場合は溶液重合として進行する。アミンおよび
アルコールなどの溶媒は、無水マレイン酸または生成し
た共重合体と反応するために適当ではない。
【0020】用いる溶媒の量は特に制限されるものでは
ないが、無水マレイン酸、脂肪族共役ジエン、共重合可
能な単量体及びラジカル発生剤を溶解して均一系となる
ような量が好ましい。
【0021】反応温度は、ラジカル発生剤を連続供給す
る場合は、90℃以上とすることが好ましい。この温度
未満では、共重合体の平均分子量が所望の値より高くな
りすぎるか、あるいは3次元架橋が生じやすくなり、水
溶性の共重合体として使用できなくなるからである。一
方、反応温度の上限には特に限定はないが、ただし得ら
れる共重合体の平均分子量を所望の値とするためには1
80℃未満とすることが好ましい。共重合体の平均分子
量および反応時間を考慮すると、反応温度は100〜1
60℃の範囲であることがより好ましい。
【0022】脂肪族共役ジエン、共重合可能な単量体お
よびラジカル発生剤の添加終了後に重合反応はほぼ終了
しているため、添加終了とともに重合反応を終了しても
よいが、未反応のモノマーおよびラジカル発生剤を完全
に消費するため、さらに一定時間反応を続けることが好
ましい。
【0023】反応終了後得られた共重合体は加水分解さ
れ、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、ア
ンモニアまたはアルキルアミン等の塩基性物質で中和し
て水溶性塩とする。この際、沈澱または懸濁重合におい
て析出した共重合体は濾過分離または上澄み液のデカン
テーションにより回収される。必要があれば、さらに貧
溶媒で洗浄することもできる。一方、溶液重合において
は反応液を多量の貧溶媒中に添加することにより共重合
体を析出させ、濾過分離または上澄み液のデカンテーシ
ョンにより回収される。
【0024】このようにして回収された共重合体は、水
またはアルカリ金属化合物等の塩基性物質を添加した水
とともに加熱還流するか、あるいは反応終了後に水蒸気
を導入し、水蒸気蒸留により残留溶媒を留去するととも
に加水分解を行い水溶液とすることができる。さらに、
この加水分解物の水溶液はアルカリ金属化合物等の塩基
性物質により中和度を調整し、最終的に水溶性塩とす
る。この際、水溶液は中性から弱アルカリ性領域となる
ようにすることが好ましい。
【0025】本発明の分散剤の添加量は、炭酸カルシウ
ムに対して0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量
%の範囲で優れた分散効果を発揮する。
【0026】本発明の分散剤は、軽質炭酸カルシウム及
び重質炭酸カルシウムに用いることができ、特に軽質炭
酸カルシウムに対して従来の分散剤に比べて優れた分散
性及び分散安定性を付与できる。
【0027】なお、本発明の分散剤を用いて炭酸カルシ
ウムの水性スラリーを製造するに際しては、他の無機ま
たは有機顔料、ラテックス、エマルジョンを添加するこ
とができる。また場合によっては、その他の分散剤また
は界面活性剤を併用することもできる。
【0028】
【発明の効果】本発明の分散剤を用いることにより、炭
酸カルシウムに対する添加量が従来より少量で分散性に
優れた高濃度の炭酸カルシウム水性スラリーを得ること
ができる。得られた炭酸カルシウム水性スラリーは、低
粘度、高流動性であり、かつそれらの経日安定性にも優
れている。さらに本発明の分散剤を用いることにより従
来よりもより高濃度のスラリーを提供することも可能で
ある。本発明の分散剤を含有する炭酸カルシウム水性ス
ラリーは、紙、塗料等の種々の分野の用途に有効に使用
できる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに説明す
る。
【0030】製造例1 無水マレイン酸20重量部とトルエン30重量部をオー
トクレーブに仕込み、窒素雰囲気で150℃まで加熱し
た。これにジ−t−ブチルパーオキサイド1重量部とト
ルエン40重量部の混合液及び1,3−ブタジエン5.5
重量部、イソブテン11.4重量部及びトルエン10重量
部の混合液をそれぞれ別々に2時間かけて添加した。そ
の後、150℃で1時間熟成し、反応を終了させた。冷
却後、上澄み溶媒を除去し、洗浄及び乾燥を行い共重合
体25重量部を得た。次に、水酸化ナトリウム水溶液で
加水分解を行い、pHを9に調整し、固形分濃度30重量
%の共重合体水溶液を得た。共重合体の無水マレイン酸
単位の含有量はCHN元素分析法により、また分子量は
GPCの測定により求めた。結果を表2に示す。
【0031】製造例2 無水マレイン酸20重量部とトルエン30重量部をオー
トクレーブに仕込み、窒素雰囲気で120℃まで加熱し
た。これに1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン1重量部とトル
エン40重量部の混合液及び1,3−ブタジエン2.8重
量部、イソブテン14.3重量部及びトルエン10重量部
の混合液をそれぞれ別々に2時間かけて添加した。その
後、120℃で1時間熟成し、反応を終了させた。冷却
後、上澄み溶媒を除去し、洗浄及び乾燥を行い共重合体
25重量部を得た。次に、水酸化ナトリウム水溶液で加
水分解を行い、pHを9に調整し、固形分濃度30重量%
の共重合体水溶液を得た。共重合体の無水マレイン酸単
位の含有量はCHN元素分析法により、また分子量はG
PCの測定により求めた。結果を表2に示す。
【0032】製造例3 無水マレイン酸100重量部とシクロヘキサノン296
重量部をオートクレーブに仕込み、窒素雰囲気で100
℃まで加熱した。これにt−ブチルパーオシ(2−エチ
ルヘキサノエート)10重量部とシクロヘキサノン92
重量部の混合液及びイソプレン41.7重量部、イソブテ
ン22.9重量部及びシクロヘキサノン12重量部の混合
液をそれぞれ別々に3時間かけて添加した。その後、1
00℃で1時間熟成し、反応を終了させた。冷却後、反
応溶液を過剰のトルエン中へ注ぎ、共重合体を沈澱さ
せ、濾過分離した後、洗浄及び乾燥を行い共重合体13
6重量部を得た。次に、水酸化ナトリウム水溶液で加水
分解を行い、pHを9に調整し、固形分濃度30重量%の
共重合体水溶液を得た。共重合体の無水マレイン酸単位
の含有量はCHN元素分析法とNMR分析法とにより、
また分子量はGPCの測定により求めた。結果を表2に
示す。
【0033】製造例4 無水マレイン酸2000重量部とトルエン15000重
量部をオートクレーブに仕込み、窒素雰囲気で135℃
まで加熱した。これにt−ブチルパーオキシベンゾエー
ト100重量部とトルエン3000重量部の混合液、及
び表1に示す1,3−ブタジエンを43%含有するナフ
サを分解して得た炭素数4の炭化水素留分1300重量
部及びトルエン6000重量部の混合液をそれぞれ別々
に3時間かけて添加した。その後、135℃で1時間熟
成し、反応を終了させた。冷却後、上澄み溶媒を除去
し、水蒸気を吹き込み、残留溶媒を除去すると同時に加
水分解を行い、固形分量として1890重量部の加水分
解物を得た。次に、水酸化ナトリウム水溶液でpHを9に
調整し、固形分濃度30重量%の共重合体水溶液を得
た。共重合体の無水マレイン酸単位の含有量はCHN元
素分析法により、また分子量はGPCの測定により求め
た。結果を表2に示す。尚、上記炭素数4の炭化水素留
分中のブタジエンとその他の共重合可能な単量体のモル
比は22:30である。
【0034】
【表1】
【0035】製造例5 無水マレイン酸2000重量部とトルエン15000重
量部をオートクレーブに仕込み、窒素雰囲気で135℃
まで加熱した。これにt−ブチルパーオキシベンゾエー
ト100重量部とトルエン3000重量部の混合液、及
び表1に示す1,3−ブタジエンを43%含有するナフ
サを分解して得た炭素数4の炭化水素留分1830重量
部及びトルエン6000重量部の混合液をそれぞれ別々
に3時間かけて添加した。その後、135℃で1時間熟
成し、反応を終了させた。冷却後、上澄み溶媒を除去
し、水蒸気を吹き込み、残留溶媒を除去すると同時に加
水分解を行い、固形分量として2360重量部の加水分
解物を得た。次に、水酸化ナトリウム水溶液でpHを9に
調整し、固形分濃度30重量%の共重合体水溶液を得
た。共重合体の無水マレイン酸単位の含有量はCHN元
素分析法により、また分子量はGPCの測定により求め
た。結果を表2に示す。尚、上記炭素数4の炭化水素留
分中のブタジエンとその他の共重合可能な単量体のモル
比は26:34である。
【0036】製造例6 無水マレイン酸20重量部とトルエン40重量部をオー
トクレーブに仕込み、窒素雰囲気で130℃まで加熱し
た。これにt−ブチルパーオキシベンゾエート2重量部
とトルエン23重量部の混合液、及び1,3−ブタジエ
ン6.6重量部、スチレン8.5重量部及びトルエン17重
量部の混合液をそれぞれ別々に3時間かけて添加した。
その後、130℃で1時間熟成し、反応を終了させた。
冷却後、上澄み溶媒を除去し、洗浄及び乾燥を行い共重
合体26重量部を得た。次に、水酸化ナトリウム水溶液
で加水分解を行い、pHを9に調整し、固形分濃度30重
量%の共重合体水溶液を得た。共重合体の無水マレイン
酸単位の含有量はCHN元素分析法とNMR分析法とに
より、また分子量はGPCの測定により求めた。結果を
表2に示す。
【0037】製造例7 無水マレイン酸25重量部とトルエン40重量部をオー
トクレーブに仕込み、窒素雰囲気で150℃まで加熱
し、これにジ−t−ブチルパーオキサイド0.25重量部
とトルエン33重量部の混合液及びイソブテン14.3重
量部とトルエン27重量部の混合液をそれぞれ別々に4
時間かけて添加した。その後、150℃で1時間熟成
し、反応を終了させた。冷却後、上澄み溶媒を除去し、
洗浄及び乾燥を行い共重合体38重量部を得た。次に、
水酸化ナトリウム水溶液で加水分解を行い、pHを9に調
整し、固形分濃度30重量%の共重合体水溶液を得た。
共重合体の無水マレイン酸単位の含有量はCHN元素分
析法により、また分子量はGPCの測定により求めた。
結果を表2に示す。
【0038】製造例8 無水マレイン酸100重量部とトルエン310重量部を
オートクレーブに仕込み、窒素雰囲気で130℃まで加
熱した。これにジ−t−ブチルパーオキサイド1重量部
とトルエン83重量部の混合液及びイソブテン57.1重
量部とトルエン7重量部の混合液をそれぞれ別々に4時
間かけて添加した。その後、130℃で1時間熟成し、
反応を終了させた。冷却後、上澄み溶媒を除去し、洗浄
及び乾燥を行い共重合体155重量部を得た。次に、水
酸化ナトリウム水溶液で加水分解を行い、pHを9に調整
し、固形分濃度30重量%の共重合体水溶液を得た。共
重合体の無水マレイン酸単位の含有量はCHN元素分析
法により、また分子量はGPCの測定により求めた。結
果を表2に示す。
【0039】製造例9 無水マレイン酸100重量部とトルエン200重量部を
オートクレーブに仕込み、窒素雰囲気で140℃まで加
熱した。これにジ−t−ブチルパーオキサイド5重量部
とトルエン100重量部の混合液及びスチレン70.8重
量部とトルエン100重量部の混合液をそれぞれ別々に
3時間かけて添加した。その後、140℃で1時間熟成
し、反応を終了させた。冷却後、上澄み溶媒を除去し、
洗浄及び乾燥を行い共重合体158重量部を得た。次
に、水酸化ナトリウム水溶液で加水分解を行い、pHを9
に調整し、固形分濃度30重量%の共重合体水溶液を得
た。共重合体の無水マレイン酸単位の含有量はCHN元
素分析法により、また分子量はGPCの測定により求め
た。結果を表2に示す。
【0040】実施例1〜6 容量200mlのビーカーに軽質炭酸カルシウム(平均粒
径0.15μ)120重量部をとり、そこへ水(炭酸カル
シウムの固形分濃度が60重量%となる量)及び製造例
1〜6で得た共重合体の水溶性塩(炭酸カルシウムに対
して0.6 重量%)を加えた。次に、ホモミキサー(特殊
機化工業(株)製)により回転数3000rpm で10分
間攪拌し、固形分濃度60重量%の炭酸カルシウム水性
スラリーを調製した。このスラリーの粘度を25℃でB
型粘度計(東京計器(株)製DLV−B型)を用いて6
0rpm (ローターNo. 4)で測定した。得られた結果を
表2に示す。
【0041】比較例1〜4 比較例1は製造例7で得た共重合体の水溶性塩、比較例
2は製造例8で得た共重合体の水溶性塩、比較例3は製
造例9で得た共重合体の水溶性塩、比較例4は市販ポリ
アクリル酸塩をそれぞれ分散剤として使用し、実施例1
〜6と同様にして炭酸カルシウム水性スラリーを調製
し、それらの粘度を測定した。尚、比較例1及び2で用
いた分散剤は特開昭60−99334号に記載の分散剤
に相当するものである。また、比較例3は、特開昭62
−132730号に記載の分散剤に相当するものであ
る。得られた結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】表2の結果から、本願発明の分散剤は、低
粘度の軽質炭酸カルシウム高濃度スラリーを提供でき、
かつこのスラリーは1週間後にも、依然低い粘度であっ
た。一方、比較例のスラリーは、比較的低粘度ではある
が、本願発明の分散剤を用いたスラリーに比べて高い粘
度を有していた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D21H 19/38 D21H 19/38 (72)発明者 加納 芳明 三重県四日市市みゆきケ丘二丁目1504− 67 (56)参考文献 特開 昭60−99334(JP,A) 特開 昭62−258732(JP,A) 特開 昭56−47412(JP,A) 特開 昭48−73488(JP,A) 特開 昭55−3850(JP,A) 特開 昭61−44960(JP,A) 特開 昭63−162766(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01F 17/52 C01F 11/18 C08F 236/04 D21H 19/38 C09C 3/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無水マレイン酸、脂肪族共役ジエン及び
    これらと共重合可能な不飽和単量体の共重合体の加水分
    解物の塩からなる炭酸カルシウム用分散剤。
  2. 【請求項2】 無水マレイン酸単位の含有量が30〜9
    0モル%である請求項1記載の分散剤。
  3. 【請求項3】 無水マレイン酸及び脂肪族共役ジエンと
    共重合可能な不飽和単量体が炭素数2〜8のα−オレフ
    ィン及び芳香族不飽和炭化水素からなる群から選ばれる
    1種又は2種以上の単量体である請求項1記載の分散
    剤。
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