JPS5831211B2 - 水性懸濁液の急速分散方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は例えば炭酸カルシウムスラリーのような高濃度
固体懸濁液を速やかに分散する改良方法に関する。

紙は本質的には木材バルブより製造されるものではある
けれど印刷適性や不透明度の加良のような目的のために
種々の不活性無機物質を添加する。

例えば最終製品の色の改善のために通常には顔料を添加
する。

これら紙添加剤は製品の品質向上および（または）コス
トの低下の目的に使用する。

炭酸カルシウムは不活性ではないけれど上述の紙添加剤
として単独で、またはその他の添加剤と共に最も広く使
用されるものの一つである。

紙の顔料としての炭酸カルシウムの使用は当業者に周知
である。

しかしながら炭酸カルシウムのような顔料の使用に若干
の問題がある。

経済上および時間の節約のために炭酸カルシウムの高濃
度固体懸濁液を使用しなければならないが、高濃度固体
懸濁液は通常には高い粘度を有する。

低粘度を有する高濃度固体懸濁液を完成する方法が必要
であった。

分散は通常には化学作用と機械的せん断との糺合せによ
って得られる。

分散剤は顔料粒子の表面力に作用してそれを低下させ、
顔料自体の自由粒子運動を生ずるような状態にする。

炭酸カルシウムのような紙添加剤に対して無機ポＩＪ
ＩＪン酸塩化合物が一般的に最も効果的な分散剤である
ことが分っている。

その他の、ケイ酸塩のような無機化合物は効果が非常に
劣る。

最良の分散剤ならびに最適の濃度は種々の紙添加剤の間
で異るであろう。

これらの無機分散剤のほかに過去において有機ポリアク
リレートもまた使用された。

それでもなお更に効果的な分散剤に対する要求が存在す
るのである。

一般的な分散剤は、例えばセメント、鉱物スラリーおよ
びその他のスラリーにおけるような高濃度固体懸濁液の
存在するその他の工業的応用に用途をもつことができる
。

本発明はメチルアクリレートとアクリル酸との共重合に
より形成する分散剤の小量の添加により高濃度固体懸濁
液を速やかに分散する方法を包含する。

該高濃度固体懸濁液は炭酸カルシウム、粘土、二酸化チ
タンのような紙コーテイング用顔料や、セメントや、鉱
業において使用される鉱物スラリ−や、工業上普通に使
用されるその他の高濃度固体懸濁液であり得る。

これらのスラリーは種棒の固体濃度で調製されるけれど
典型的には固形分５０〜８０重量％の範囲内である。

これらのメチルアクリレートとアクリル酸との共重合体
は高濃度固体懸濁液において、しかも乾燥顔料の重量基
準で０．２重量％のような低い添加量において分散性を
示すのである。

分散剤は一般的に乾燥顔料の重量を基準として０．２な
いし１．４重量％の範囲の濃度で添加される。

しかしながらこの濃度範囲は紙の填料および包含される
それぞれの方式の条件により増加または減少することが
できる。

該分散剤は通常には共重合体を約３３重量ヤ含有し、残
りは溶剤である。

したがって分散剤の０．２重量％とは実際には共重合体
３３％を含有する分散剤溶液のことである。

すなわち分散剤０．２重量％は共重合体０．０６７重量
％および溶剤０．１３３重量％を意味する。

本発明によりメチルアクリレートとアクリル酸との共重
合体が高濃度固体懸濁液の分散にすぐれた性質を示すこ
とが発見されたのである、これら共重合体は典型的には
低い分子量、すなわち一般的には５，０００ないし１５
，０００の範囲内の分子量を有し、好ましい分子量範囲
は１０，０００ないし１５，０００である。

該共重合体におけるメチルアクリレート対アクリル酸の
重量比は１５：８５ないし３０ニア０であり、好ましく
は２５ニア５である。

該メチルアクリレートとアクリル酸との共重合体はメチ
ルアクリレートとアクリル酸（一般的には氷状アクリル
酸）とを、過剰量の水中において、しかも該共重合体に
対して５〜２０重量％、好ましくは１０〜１５重量％の
濃度のチオグリコール酸の担体の存在において反応させ
ることにより形成する。

次いでこの混合物を２５〜３０℃の温度に冷却し、次い
で遊離基開始剤の水溶液により反応を開始する。

本発明に有用な好適な遊離基開始剤は過硫酸アンモニウ
ムである。

該遊離基開始剤の濃度は該共重合体の重量に対して２な
いし１５重量％である。

一般的に該触媒溶液は１分間以内に速やかに反応物に添
加する。

触媒の添加後に強い発熱が認められる。

温度が１００〜１１０℃に上昇した後該重合体溶液を４
５〜５５°Ｃの範囲内に冷起しなけれはならない。

該重合体溶液は３〜５の範囲のｐＨを有するが、アルカ
リ金属水酸化物、一般的には水酸化すｌ−ＩＪウムまた
は水酸化カリウムによりｐＨを約７に調整する。

該重合体の温度は４５〜５５℃の範囲内に保つＱ 該メチルアクリレートとアクリル酸との共重合体はポＩ
Ｊ ＩＪン酸ナトリウムと組合せて使用し、高濃度固体
懸濁液に対して大きな分散性をさえももたらすことがで
きることも分った。

重合体の重量を基準にして０．０．５ないし０．５重量
％のポリリン酸を使用する。

好適なポＩＪ ＩＪン酸塩はへキサメタリン酸ナトリウ
ムである。

下記は分散剤の製造方法およびその後の高濃度固体懸濁
液における該分散剤の使用についての実施例である。

製造例 １ かくはん機、温度計および逆流コンデンサーをそなえた
１０００ｒＩＬｌ（ミリリットル）の三頚フラスコに氷
状アクリル酸３０８ｇおよび水２５０ＴＬｌを仕込み、
この混合物にメチルアクリレート５５ｇを添加し、次い
で更に水２００ＴＬｌを添加し、全仕込物を十分にかき
まぜた。

次いでチオグリコール酸２０．８ｇをかきまぜながら該
反応仕込物に注意深く添加し、次いで該反応器仕込物を
２０〜２５℃の温度に冷却した。

水３０ＴＬｌ中における過硫酸アンモニウム１４ｇの触
媒溶液を該反応器に３０秒以内の時間で仕込んだ。

該反応容器の内容物の温度は１０９℃に上昇した。

該反応容器には水浴を設けて８０℃以下の温度に保ち、
次いで５０℃の温度に冷却した。

該反応容器に５０％水酸化ナトリウム溶液１３８．４９
を劇しくかきまぜながら速やかに添加した。

反応容器を再び５０°Ｃの温度に冷却し、次いでメタノ
ール１００ｇを添加し、得られた混合物を３０分間かき
まぜた。

製造例 ２ 三ドラムパイロット反応器に氷状アクリル酸１８８．７
ｋｇおよび水２２７１１を仕込んだ。

次いでメチルアクリレート６８．０ｋｇおよび水２２．
７−をかきまぜながら添加した。

チオグリコール酸１８．９ｋｇを該反応器にかきませな
がら添加し、次いで該反応器を２０℃の温度に冷却した
。

次いで３０％過硫酸アンモニウムの触媒溶液４０．８ｋ
ｇを該反応器に１分以内に添加した。

反応器内容物の温度を１０８°Ｃに上げ、次いで５０’
Ｃに冷却した。

次いで５０％タンク車苛性（ｔａｎｋ ｃａｒ ｃａｕ
ｓｔｉｃ）１２７．０ｋｇを該反応器に、温度を７０〜
８０℃に保ちながら速やかに添加した。

該苛性の添加後に温度を５０℃に下げた。

メタノール９０．７ｋｇを添加し、該重合体溶液を１時
間にわたってかきませた。

実施例 前記製造例１および２において製造した重合体溶液を天
然産炭酸カルシウムのスラリー中において試験し、ポリ
アクリル酸およびヘキサメタリン＊＊酸ナトリウムのよ
うな他の周知の分散剤と比較した。

前記製造例１および２の重合体の１重量％溶液ならひに
ポリアクリル酸およびヘキサメタリン酸ナトリウムの１
重量％溶液を調製した。

スラリーは固形分６０％であった。

これらの分散剤を種棒の濃度でスラリーの試料に添加し
、１ｏ分間かきまぜた。

次いで１１００ｒｐにおける／１６６スピンドルで粘度
を測定した。

結果を下記第１表に示す。これらの結果はポリアクリル
酸およびヘキサメタリン酸ナトリウムと比較した場合に
おりる本発明の共重合体の粘度の減少を例証する。

したがって本表は該共重合体の改良された分散性を容易
に例証するものである。

次表は市場より入手される別の炭酸カルシウムスラリー
を使用するもう一つの試験を説明するものである。

異った炭酸カルシウム顔料の物理的性質か変動するので
本表の結果を第１表の結果と直接に比較することはでき
ない。

本表の重要性は同一スラリーを使用しての異種薬品間の
比較である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 重量で５０〜８０％の紙コーテイング顔料用炭酸カ
   ルシウムを含む水性懸濁液を急速に分散させる方法にお
   いて、メチルアクリレートとアクリル酸とを共重合し、
   続いてアルカリ金属水酸化物で中和することによって形
   成される分散剤を該水性懸濁液に加えることを特徴とす
   る改良方法。