JP3174267U - 異なる厚さの層を有するパイプまたはケーブル貫通部 - Google Patents

Abstract

【課題】各々のケーブル、ワイヤまたはパイプの周囲に２つ以上の圧縮性基部を有する、ケーブル、ワイヤまたはパイプのための圧縮性の封止部または貫通部を提供する。
【解決手段】前記封止部または貫通部は、壁または壁もしくは他の区画を形成する他の構造的区画を貫通する開口部、あるいはフレームのいずれかに直接配置され、それによって、障壁が前記開口部または前記フレームのいずれかにおける２つ以上の前記基部１および少なくとも１つの圧縮ユニットから形成される。各々の前記基部１は、ケーブル、ワイヤまたはパイプの直径に適合するための剥離可能なシート５、４等を有し、少なくとも２つの異なる質のシートが各々の前記基部１に配置され、前記質は、異なる厚さおよび異なる剛性、またはそれらの組み合わせからなる群から選択して封止部または貫通部を構成する。
【選択図】図２

Description

本考案は、ケーブルまたはパイプのための封止部、貫通部または遷移部に関する。本考案は特に、受容されるケーブルまたはパイプの直径に適合させるための剥離可能なシートを有する、封止部または遷移部の部品に関する。

従来技術において、フレームを有するケーブル遷移部などが存在し、そのフレームの内側に、ケーブル、ワイヤまたはパイプを受容する複数のモジュールが配置される。そのモジュールは、弾性材料（例えばゴムまたはプラスチック）から製造されるので圧縮可能である。フレームの内側に、通常、複数のモジュールが、圧縮性ユニットの一部の種類と共に１つ以上の列に並んで受容される。圧縮ユニットが拡張される場合、圧縮性モジュールがケーブル、ワイヤまたはパイプの周囲を圧縮するように、圧縮ユニットはフレームとモジュールとの間に配置される。説明を簡潔にするために、用語「ケーブル」を本明細書において主に使用するが、この用語は広範囲に解釈されるべきであり、当業者は、通常、パイプまたはワイヤも包含することを理解する。

フレームを含む代替のシステムは、本出願の出願人によって出願された、「Ｓｅａｌｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ」という名称の同時出願された出願に記載されている。この出願は本明細書に参照として組み込まれる。

別の種類の封止部、ケーブル遷移部、パイプ導入部などは、一般に、円筒形状を有し、壁内のスリーブまたは壁内の開口部に受容される。所望の方法で機能させるために、封止部は、受容される壁のスリーブまたは開口部に嵌合すべきであり、また、封止部は、実際の取り付け寸法に適合可能であるべきである。取り付け寸法は、スリーブまたは開口部の内径により決定される。封止部は円筒形の圧縮性本体を有し、その圧縮性本体は、その圧縮性本体の両端部における接続部の間に軸方向に圧縮される。軸方向の圧縮によって、円筒形の本体は、内側および外側の両方の半径方向に拡張する。

さらに、受容されるパイプ、ワイヤまたはケーブルは、異なる外径を有するので、モジュールは、異なる外径を有するケーブルまたはパイプに適合されなければならない。

上記の種類の封止部または遷移部の両方は、キャビネット、技術的シェルター、接続箱および機械などの多くの異なる環境において封止するために使用される。それらは、自動車、電気通信、発電および配電、ならびに船舶および海洋などの異なる工業環境において使用される。封止部または遷移部は、流体、ガス、火、齧歯動物、シロアリ、ダスト、湿気などに対して封止しなければならず、電気、通信、コンピュータなどのためのケーブルまたはワイヤ、水、圧縮空気、油圧油および料理用ガスなどの異なるガスもしくは液体のためのワイヤ、あるいは負荷保持のためのワイヤを受容することができる。

上記の種類の両方の単一のケーブルなどを受容する部品は、多くの場合、内側に剥離可能な層またはシートのパックを有する。層またはシートは、部品の内径が該部品に受容されるケーブルの外径に適合するまで一つずつ剥がされる。シートは、一緒になるように互いに十分強く接着し、同時に、シートがスタックから、一つずつまたは一緒に複数のシートのいずれかで剥がれるように十分緩い。一部の実施形態において、外側に剥離可能な層またはシートが存在し、例えば環状のシールの外径を特定の開口部またはスリーブに適合することも可能である。

当業者は、層を含む、異なる部品の正確な構造および形状が、本考案の趣旨から逸脱せずに変更されてもよいことを理解する。例えば、層のパックは、円形以外の別の断面を有してもよい。

上記のモジュールおよびシステムの基本的機能は、例えば本出願人によって出願された多くの公開された特許出願から当業者に周知であると考えられる。

本考案は、特定の用途に好ましい性質を有する、新規かつ改良された封止部または遷移部を提供する。

本考案の圧縮性の封止部または貫通部、ならびにモジュールの形態で封止部を含む封止システムは独立請求項によって定義される。好ましい実施形態は従属請求項によって定義される。特定の例示的な実施形態は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明に記載される。

この目的を達成するために、本考案は、各々のケーブル、ワイヤ、またはパイプを囲む２つ以上の圧縮性基部を有する、ケーブル、ワイヤまたはパイプのための圧縮性の封止部または貫通部であって、前記封止部または前記貫通部は、壁または壁もしくは他の区画を形成する他の構造的区画を貫通する開口部、あるいはフレームのいずれかに直接配置される、封止部または貫通部を提供する。障壁は、開口部またはフレームのいずれかにおける２つ以上の基部および少なくとも１つの圧縮ユニットから形成され、各々の基部は、ケーブル、ワイヤまたはパイプの直径に適合するための剥離可能なシートを有する。少なくとも２つの異なる質の剥離可能なシートが各々の基部に配置される。異なる質は、異なる厚さまたは異なる剛性のいずれかである。本考案の利点は詳細な説明に記載される。

１つ以上の実施形態において、少なくとも１つの剥離可能な層は、ゲル、外皮を有するゲル、ＥＰＤＭ、ＮＢＲ、ＰＵＲ、ＴＰＥの気泡ゴム、シリコンの軟質ゴム、また、ゼラチン、コルクレザー、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される材料から構成される。これらの材料は、剥離可能な層のために選択され得る可能な材料の例である。全ての剥離可能な層は同じ特性を有することを必要とされないことに留意されたい。むしろ、１つ以上の実施形態において、少なくとも１つの支持層は、前記少なくとも１つの剥離可能な層より、薄い厚さおよび硬い剛性を有し、前記少なくとも１つの剥離可能な層に隣接して配置される。

圧縮性モジュールが、フレームに受容される各々のケーブルまたはパイプを囲む圧縮性モジュールを受容するケーブル導入部またはパイプ侵入部のためのフレームを備える封止システムにおいて有利に使用され得、前記フレームは、壁または他の区画を貫通する開口部を形成する壁または他の構造的区画に配置され、それによって、モジュールの障壁は、フレームの一端において少なくとも１つの圧縮ユニットとともに配置され、前記圧縮性モジュールは以前または以下の記載によるモジュールである。

図１は、本考案の第１の実施形態による、圧縮性モジュールの部分的斜視図である。 図２は、本考案の第２の実施形態による、圧縮性モジュールの部分的斜視図である。 図３は、本考案の第３の実施形態による、圧縮性モジュールの部分的斜視図である。 図４は、本考案の第４の実施形態による、圧縮性モジュールの部分的斜視図である。 図５は、円筒形貫通部の部分的斜視図である。

図１は、本考案の圧縮性モジュールの半体、すなわち基部１の第１の実施形態を示す。このモジュールの半体、すなわち基部１は、剥離可能なシートまたは層３が配置される半円筒形の溝２を有する。基部１は、圧縮を可能にするようにゴム材料または他の弾性ポリマーから構成される。この実施形態において、剥離可能なシート３は、ＥＰＤＭの気泡ゴムなどの発泡ポリマーから構成される。剥離可能なシートは、特定の度合いの封止、圧縮性、および弾性を提供できる特性を有する別の材料から構成されてもよい。例としては、限定されないが、ＥＰＤＭ、ＮＢＲ、ＰＵＲ、ＴＰＥの気泡ゴム、シリコンの軟質ゴム、また、ゼラチン、コルクレザーなどが挙げられる。

図１は、１つのモジュールの半体、すなわち基部１のみを示し、使用の際に、同一の半体が、第１の上部に配置され、それらの間にサービス（ケーブル、パイプ、ワイヤなど）を締め付ける。剥離可能なシート３は、基部１の高さの約１／５、またはモジュール全体の高さの約１／１０に対応する厚さを有する。これは、現在の剥離可能なシートよりかなり厚く、組み立てを簡単にするので、より短い設置時間にするという利点を与える。この主な理由は、取り除かれるシートの数の決定は、より薄い剥離可能なシートを有する従来技術の圧縮性モジュールほど難しくないからである。従って、最も明らかな利点は、圧縮性モジュール１００が、少数の剥離可能なシート３を有して、より広範なケーブル寸法に適合できるということである。

別の利点は、モジュールが、引張荷重、振動、熱膨張などによって引き起こされ得る、より大きな軸方向および半径方向の動きを緩和できることである。少数の剥離可能な層はまた、間違った数の層を引き離すという危険性を減少させ、より短い設置時間を生じる有益な効果を与える。剥離可能な層は従来技術の層より軟質であってもよく、その中に受容されるケーブルに、より低い圧力をもたらす。これは、傷つきやすいケーブルで作業する場合、利点がある。製造プロセスにおける精密さも、あまり考慮しなくてよく、生産速度にとって有益となる。ほとんどの場合、本考案の剥離可能な層に使用される材料は、既存の剥離可能な層より低い密度を有し、モジュールの全重量を低減させる。これは、エネルギーがあまり使用されないので、製品を輸送する場合に利点がある。

これらの実施形態において、剥離可能な層に発泡材料を使用することは、断熱を改良する。

図２の実施形態において、モジュールの半体、すなわち基部１自体は、図１の基部と同一である。この実施形態において、異なる厚さのシートが半円筒形の溝２に受容される。従って、厚いシート４および薄いシート５が半円筒形の溝２に交互に配置される。

図３の実施形態は、厚いシート６および薄いシート７の位置が異なる順序で配置されることのみが図２の実施形態と異なる。当業者は、薄い層および厚い層の順序を変更させてもよいことを理解する。

図４は、本考案のさらなる実施形態による、圧縮性モジュールについてのモジュールの半体、すなわち基部８を示す。図４に示した実施形態は、基部８が半円筒形の溝の代わりに矩形の溝９を有することを除いて、以前の図に記載したものと同様である。剥離可能なシート１０はまた、図４から明らかなように、角のある経路に沿う。シートの弾性のために、モジュールは、圧縮性モジュールの半体、またはその中の溝の設計を変更せずに、楕円形、矩形、三角形などの複数の異なるケーブル断面に適合可能である。これは、異なる断面を有するケーブルを適合するためにモジュール設計の変更が必要とされる、従来技術（例えば欧州特許Ａ−１ ６３４３５４号を参照のこと）のモジュールと比べて明らかに改良される。また、溝は、半円の断面を有するケーブル部分を受容できるようにするために、半円形でなくてもよい。代わりに、三角形、矩形などであってもよい。

モジュールの代替の実施形態は、本出願の出願人によって出願された、「Ｅｃｃｅｎｔｒｉｃ Ｐａｒｔ ｏｆ ａ Ｐｉｐｅ ｏｒ Ｃａｂｌｅ Ｌｅａｄ−Ｔｈｒｏｕｇｈ」、「Ａ Ｐｉｐｅ ｏｒ Ｃａｂｌｅ Ｌｅａｄ−Ｔｈｒｏｕｇｈ ｈａｖｉｎｇ ａ Ｐａｒｔ Ｉｎｄｉｃａｔｉｎｇ Ｃｏｍｐｒｅｓｓｉｏｎ」、「Ａ Ｍｏｄｕｌｅ ｏｆ ａ Ｐｉｐｅ ｏｒ Ｃａｂｌｅ Ｌｅａｄ−Ｔｈｒｏｕｇｈ ｈａｖｉｎｇ Ｇｒｏｏｖｅｓ ｏｎ Ｏｐｐｏｓｉｔｅ Ｓｉｄｅｓ」、「Ｐｉｐｅ ｏｒ Ｃａｂｌｅ Ｌｅａｄ−Ｔｈｒｏｕｇｈ Ｂｌｏｃｋｓ」、「Ｍｏｄｕｌｅｓ ｏｆ ａ Ｐｉｐｅ ｏｒ Ｃａｂｌｅ Ｌｅａｄ−Ｔｈｒｏｕｇｈ ｈａｖｉｎｇ Ａｌｔｅｒｎａｔｉｎｇ Ｇｅｏｍｅｔｒｙ」、「Ａ Ｐｉｐｅ ｏｒ Ｃａｂｌｅ Ｌｅａｄ−Ｔｈｒｏｕｇｈ ｈａｖｉｎｇ Ｍｏｄｕｌａｒｉｚｅｄ Ｍｏｄｕｌｅｓ」、「Ａ Ｐｉｐｅ ｏｒ Ｃａｂｌｅ Ｌｅａｄ−Ｔｈｒｏｕｇｈ ｈａｖｉｎｇ Ｐｅｎｅｔｒａｔｅａｂｌｅ Ｍｏｄｕｌｅｓ」、「Ａ Ｐｉｐｅ ｏｒ Ｃａｂｌｅ Ｌｅａｄ−Ｔｈｒｏｕｇｈ ｈａｖｉｎｇ Ｍｏｄｕｌｅｓ ｗｉｔｈ ａ Ｄｉｍｅｎｓｉｏｎｉｎｇ Ｆｕｎｃｔｉｏｎ」および「Ａ Ｐｉｐｅ ｏｒ Ｃａｂｌｅ Ｌｅａｄ−Ｔｈｒｏｕｇｈ ｈａｖｉｎｇ Ｌａｙｅｒｓ ｏｆ Ａｌｔｅｒｎａｔｉｎｇ Ｇｅｏｍｅｔｒｙ」という名称の同時出願された出願に記載されている。一実施形態において、本出願の出願人によって出願された、「Ｍｏｄｕｌｅｓ ｏｆ Ｐｉｐｅ ｏｒ Ｃａｂｌｅ Ｌｅａｄ−Ｔｈｒｏｕｇｈ Ｓｔｉｃｋｉｎｇ Ｔｏｇｅｔｈｅｒ」という名称の同時出願された出願に記載されているように、モジュールは、一緒に結合しているモジュールの半体のスタックから分離されている。これらの出願は本明細書に参照として組み込まれる。

図５において、円筒形の封止部または貫通部の１つの半体の一般的な例を示す。円筒形の封止部の各々の半体は、複数の剥離可能なシート１２を有する圧縮性の基部１１を備える。基部１１のそれぞれの端部において、接続部１３、１４が配置される。接続部１３、１４および基部１１の開口にネジ１５が貫通する。ネジ１５および接続部１３、１４によって、基部１１は圧縮され得る。図５の実施形態において、基部１１の外側も剥離可能なシートが存在する。また、図５に例示するように円筒形の封止部において、シートは、上記と同じように異なる厚さを有してもよい。使用の際に、２つの基部は、各々の他方の上面に配置されて、ケーブル、ワイヤまたはパイプを受容するための円筒形の開口部を形成する。

別の実施形態において、より弾性の層の間の中間層に、より剛性の材料の付加的な支持層が存在する。一例は、一つおきの層が、より強い剛性を有する支持層（従って薄くなり得る）である場合である。このような構成を利用することによって、特定のサイズ領域のケーブルまたはパイプを適合し、これらの層を支持層に隣接して配置し、適切な方法で（すなわち、支持層を有さない場合よりも広い表面積にわたって）上部の層から負荷を分散させる目的で、より大きな幅およびより高い弾性力を有する１つ以上の層を配置することが可能となり得る。支持層の下（例えば半径方向外側）に、より広い幅および弾性を有する追加の層が続いてもよく、次いで別の支持層などによって支持されてもよい。

シートは、本出願の出願人によって出願された、「Ａ Ｐｉｐｅ ｏｒ Ｃａｂｌｅ Ｌｅａｄ−Ｔｈｒｏｕｇｈ ｈａｖｉｎｇ Ｉｎｔｅｒｃｏｎｎｅｃｔｅｄ Ｌａｙｅｒｓ」、「Ｃｏｈｅｒｉｎｇ Ｂｅｔｗｅｅｎ Ｌａｙｅｒｓ ｏｆ ａ Ｐｉｐｅ ｏｒ Ｃａｂｌｅ Ｌｅａｄ−Ｔｈｒｏｕｇｈ」および「Ｉｄｅｎｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ ｏｆ Ｌａｙｅｒｓ ｏｆ ａ Ｐｉｐｅ ｏｒ Ｃａｂｌｅ Ｌｅａｄ−Ｔｈｒｏｕｇｈ」という名称の同時出願された出願に記載されているように、多くの異なる方法で配置されてもよく、異なる特徴を有してもよい。これらの出願は本明細書に参照として組み込まれる。

上記から理解され得るように、全体的な本考案の概念は、少数かつ十分な弾性力のある剥離可能な層を使用することである。少数の層は、サービス（ケーブル、パイプ、ワイヤなど）の直径と同じ間隔を覆うために使用されるので、圧縮性モジュールの寸法に対する剥離可能な層の厚さに関して、圧縮性モジュールを特徴付けることに関する。従って、好ましい間隔は、剥離可能なシートの厚さが、圧縮性モジュールの１／２０〜１／４のサイズの間隔で存在することである。本出願に記載した実施形態において、「圧縮性モジュールのサイズ」は、圧縮性モジュールの高さまたは幅に対応する。他の実施形態において、各サブ部分には、いくつかの溝が設けられ、そのような実施形態において、「圧縮性モジュールのサイズ」は、最も小さい高さまたは幅に対応する。

代替の実施形態において、本考案の封止部、貫通部または遷移部には、本出願の出願人によって出願された、「Ｌｕｂｒｉｃａｔｉｏｎ ｏｆ ａ Ｐｉｐｅ ｏｒ Ｃａｂｌｅ Ｌｅａｄ−Ｔｈｒｏｕｇｈ」という名称の同時出願された出願に示されているように、潤滑するための手段が備えられる。この出願は本明細書に参照として組み込まれる。

Claims (5)

1. 各々のケーブル、ワイヤまたはパイプの周囲に２つ以上の圧縮性基部（１、８、１１）を有する、ケーブル、ワイヤまたはパイプのための圧縮性の封止部または貫通部であって、前記封止部または貫通部は、壁または壁もしくは他の区画を形成する他の構造的区画を貫通する開口部、あるいはフレームのいずれかに直接配置され、それによって、障壁が、前記開口部または前記フレームのいずれかにおける２つ以上の前記基部（１、８、１１）および少なくとも１つの圧縮ユニットから形成され、各々の前記基部（１、８、１１）は、ケーブル、ワイヤまたはパイプの直径に適合するための剥離可能なシート（３〜７、１０、１２）を有し、少なくとも２つの異なる質のシートが各々の前記基部（１、８、１１）に配置され、前記質は、異なる厚さおよび異なる剛性、またはそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、封止部または貫通部。
2. 少なくとも１つの前記剥離可能なシートは、ゲル、外皮を有するゲル、ＥＰＤＭ、ＮＢＲ、ＰＵＲ、ＴＰＥの気泡ゴム、シリコンの軟質ゴム、また、ゼラチン、コルクレザー、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される材料から製造される、請求項１に記載の封止部または貫通部。
3. ２つの前記基部（１、８）から形成され、矩形の外形を有するモジュールであって、それによって、溝（２、９）が、各々の前記基部（１、８）において形成され、前記溝（２、９）は、複数の剥離可能なシート（２〜７、１０）を受容する、請求項１または２に記載の封止部または貫通部。
4. 少なくとも１つの前記剥離可能なシート（２〜７、１０、１１）は、対応する方向において圧縮性モジュールの約１／２０〜１／４のサイズの間隔で存在する厚さを有する、請求項３に記載の封止部または貫通部。
5. フレーム内に受容される各々のケーブルまたはパイプを囲む圧縮性モジュールを受容するケーブル導入部またはパイプ侵入部のためのフレームを備える封止システムであって、前記フレームは、壁または他の区画を貫通する開口部を形成する壁または他の構造的区画に配置され、それによって、前記モジュールの障壁が、前記フレームの一端における少なくとも１つの圧縮ユニットと共に配置され、前記圧縮性モジュールは請求項３または４に記載のモジュールである、封止システム。

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