JP3174234B2 - 熱式空気流量検出装置 - Google Patents

熱式空気流量検出装置

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JP3174234B2
JP3174234B2 JP33344494A JP33344494A JP3174234B2 JP 3174234 B2 JP3174234 B2 JP 3174234B2 JP 33344494 A JP33344494 A JP 33344494A JP 33344494 A JP33344494 A JP 33344494A JP 3174234 B2 JP3174234 B2 JP 3174234B2
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正夫 塚田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車用エンジ
ン等の吸入空気流量を検出するのに好適に用いられる熱
式空気流量検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用エンジン等では、エン
ジン本体の燃焼室内で燃料と吸入空気との混合気を燃焼
させ、その燃焼圧からエンジンの回転出力を取出すよう
にしており、燃料の噴射量を演算する上で吸入空気流量
を検出することが重要なファクターとなっている。
【0003】そこで、図8および図9に従来技術の熱式
空気流量検出装置を示す。
【0004】図において、1は吸気管2の途中に設けら
れた熱式空気流量検出装置を示し、該熱式空気流量検出
装置1は、エンジン本体の燃焼室(図示せず)に向けて
矢示A方向に流通する吸入空気の流量を検出すべく、吸
気管2の途中に取付穴2Aを介して配設されている。
【0005】3は熱式空気流量検出装置1の本体部を構
成する空気流量検出装置本体を示し、該空気流量検出装
置本体3はインサートモールド等の手段により図9に示
すように成形され、巻線状をなす後述の基準抵抗14を
巻回すべく段付き円柱状に形成された巻線部4と、該巻
線部4の基端側に位置して略円板状に形成され、後述の
端子ピン8A〜8Dが一体的に設けられた端子部5と、
巻線部4の先端側から吸気管2の径方向に延設され、吸
気管2の中心部で後述の発熱抵抗9および温度補償抵抗
11を位置決めする検出ホルダ6と、吸気管2の外側に
位置して端子部5が接続された後述の回路ケーシング7
とから大略構成されている。
【0006】7は吸気管2の取付穴2Aを閉塞するよう
に該吸気管2の外周側に設けられた回路ケーシングを示
し、該回路ケーシング7は絶縁性の樹脂材料等によって
形成され、その底部側には吸気管2の取付穴2Aに嵌合
する嵌合部7Aが一体的に設けられている。そして、該
回路ケーシング7は、例えばセラミック材料等からなる
絶縁基板上に流量調整抵抗および差動増幅器(いずれも
図示せず)等を実装した状態で、これらを内蔵するよう
になっている。
【0007】8A,8B,8C,8Dは空気流量検出装
置本体3の端子部5から軸方向に突出した4本の端子ピ
ン(全体として各端子ピン8という)を示し、該各端子
ピン8は空気流量検出装置本体3の巻線部4および検出
ホルダ6内に埋設された例えば4本の端子板(図示せ
ず)に一体化して設けられ、回路ケーシング7のコネク
タ部(図示せず)に着脱可能に接続されるものである。
【0008】9は空気流量検出装置本体3の検出ホルダ
6にターミナル10A,10Bを介して設けられたホッ
トフィルム型の発熱抵抗を示し、該発熱抵抗9は温度変
化に敏感に反応して抵抗値が変化する白金等の感温性材
料からなり、例えば酸化アルミニウム(以下、「アルミ
ナ」という)等のセラミック材料からなる絶縁性の筒体
に白金線を巻回したり、白金膜を蒸着して形成される小
径の発熱抵抗素子によって構成されている。そして、該
発熱抵抗9はバッテリ(図示せず)からの通電により、
例えば240℃前,後の温度をもって発熱した状態とな
り、吸気管2内を矢示A方向に流れる吸入空気によって
冷却されるときには、この吸入空気の流量に応じて抵抗
値が変化し流量の検出信号を出力させるものである。
【0009】11は発熱抵抗9の上流側に位置して空気
流量検出装置本体3の検出ホルダ6に設けられた温度補
償抵抗を示し、該温度補償抵抗11は例えばアルミナ等
のセラミック材料からなる絶縁基板上にスパッタリング
等の手段を用いて白金膜を着膜形成することにより形成
され、白金膜の両端は前記検出ホルダ6に立設されたタ
ーミナル12A,12B間に接続されている。
【0010】13は空気流量検出装置本体3の検出ホル
ダ6上に装着される保護カバーを示し、該保護カバー1
3は検出ホルダ6上に発熱抵抗9および温度補償抵抗1
1を実装した後に、図9中に矢印で示す如く検出ホルダ
6に被着され、発熱抵抗9および温度補償抵抗11を保
護すると共に、吸入空気の流通を許すようになってい
る。なお、図9中では発熱抵抗9および温度補償抵抗1
1を明示すべく、保護カバー13を検出ホルダ6から取
外した状態で示している。
【0011】さらに、14は空気流量検出装置本体3の
巻線部4に巻回された巻線抵抗からなる基準抵抗を示
し、該基準抵抗14はその両端が、巻線部4に立設され
たターミナル15A,15Bに接続され、前記発熱抵抗
9に直列接続されている。ここで、前記各端子ピン8の
うち、端子ピン8Aはターミナル15Aに前記端子板を
介して接続され、端子ピン8Bは他の端子板を介してタ
ーミナル15B,10Aに接続されている。また、端子
ピン8Cは別の端子板を介してターミナル10B,12
Bに接続され、端子ピン8Dはターミナル12Aにさら
に別の端子板を介して接続されている。
【0012】このように構成される従来技術の熱式空気
流量検出装置1は、自動車用エンジン等の吸入空気流量
を検出するときに、空気流量検出装置本体3の端子部5
を各端子ピン8を介して回路ケーシング7のコネクタ部
に接続した状態で、空気流量検出装置本体3の検出ホル
ダ6等を吸気管2内に取付穴2Aを介して挿入し、該取
付穴2Aに吸気管2の外周側から回路ケーシング7を取
付けることによって、検出ホルダ6に設けた発熱抵抗9
および温度補償抵抗11を吸気管2の中心部に配設す
る。
【0013】この場合、発熱抵抗9を基準抵抗14に直
列接続すると共に、温度補償抵抗11を回路ケーシング
7内の流量調整抵抗に直列接続することによって、これ
らの発熱抵抗9、基準抵抗14、温度補償抵抗11およ
び流量調整抵抗からブリッジ回路を構成し、これらに外
部から通電を行うことにより発熱抵抗9を240℃前,
後の温度をもって発熱させる。
【0014】そして、この状態で吸気管2内をエンジン
本体の燃焼室に向けて矢示A方向に吸入空気が流通する
ときには、この吸入空気の流れにより発熱抵抗9が冷却
されて該発熱抵抗9の抵抗値が変化するから、該発熱抵
抗9に直列接続された基準抵抗14の両端電圧に基づい
て吸入空気の流量に対応した検出信号を出力電圧の変化
として検出する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、吸気管2内を流れる吸入空気の流れで発熱
抵抗9が冷却されるのを利用して、該発熱抵抗9の抵抗
値変化に基づき吸入空気流量を検出する構成であるか
ら、該発熱抵抗9は図8中の矢示A方向(順方向)に流
れる吸入空気流によって冷却されると共に、矢示B方向
(逆方向)に流れる空気流によっても冷却されてしま
い、この逆方向の空気流により吸入空気流量を誤検出す
るという問題がある。
【0016】即ち、多気筒のシリンダを備えたエンジン
本体では、各シリンダ内でそれぞれピストンが往復動す
るに応じて各吸気弁(図示せず)が開弁する毎に、吸入
空気が各シリンダ内に向けて矢示A方向(順方向)に吸
込まれるから、吸気管2内を流れる空気の流速は各吸気
弁の開,閉弁に応じて図6に例示する如く増減を繰返し
脈動するようになる。
【0017】特に、エンジンの回転数が低速域から中速
域等に達して吸,排気量が増大してくると、吸気弁と排
気弁(図示せず)とがオーバラップし、排気の一部が吸
気弁の開弁に伴って吸気管2内に吹返すことがあるた
め、このときに吸気管2内では図6に示す時間t1 ,t
2 間のように流速が負(マイナス)となって、矢示B方
向(逆方向)に流れる空気流が発生し、吸入空気流量を
誤検出するという問題が生じる。
【0018】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は逆方向の空気流により吸入空気
流量を誤検出するのを防止でき、流量の検出精度を大幅
に向上できるようにした熱式空気流量検出装置を提供す
ることを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1に係る熱式空気流量検出装置は、熱伝
導性の良い金属材料をベース材とし該ベース材の少なく
とも一側面に絶縁材料からなる表面層を成膜してなるメ
タルコア基板と、該メタルコア基板の表面層側に設けら
れた発熱抵抗体とかを備えている。そして、請求項1の
発明が採用する構成の特徴は、前記発熱抵抗体が設けら
れた前記メタルコア基板の表面層には、空気の流れ方向
に対し前記発熱抵抗体を挟んで前,後に離間して第1,
第2の感温抵抗体を設け、該第1,第2の感温抵抗体は
電源に対して互いに並列に接続され、空気の流れ方向に
対応した検出信号を出力する構成としたことにある。
【0020】請求項2の発明は熱伝導性の良い金属材
料をベース材とし該ベース材の少なくとも一側面に絶縁
材料からなる表面層を成膜してなるメタルコア基板と、
該メタルコア基板の表面層側に設けられた発熱抵抗体
と、前記メタルコア基板の表面層に設けられ、空気の流
れ方向に対し該発熱抵抗体を挟んで前,後に離間した第
1,第2の感温抵抗体と、該第1の感温抵抗体と第2の
感温抵抗体が並列に接続され、該第1の感温抵抗体と第
2の感温抵抗体の抵抗値を比較して空気の流れ方向に対
応した流れ方向検出信号を出力する流れ方向検出手段
と、前記発熱抵抗体を含んブリッジ回路からなり、前
記発熱抵抗体の抵抗値の変化を流量検出信号として取出
す流量検出手段と、前記流れ方向検出手段によって検出
された流れ方向検出信号に基づいて、空気の流れ方向が
順方向のときには該流量検出手段からの流量検出信号を
そのまま出力し、逆方向のときには該流量検出手段から
の流量検出信号を反転させて出力する流量信号出力手段
とを備える構成としている。
【0021】請求項3の発明は熱伝導性の良い金属材
料をベース材とし該ベース材の少なくとも一側面に絶縁
材料からなる表面層を成膜してなるメタルコア基板と、
該メタルコア基板の表面層側に設けられた発熱抵抗体
と、前記メタルコア基板の表面層に設けられ、空気の流
れ方向に対し該発熱抵抗体を挟んで前,後に離間した第
1,第2の感温抵抗体と、前記発熱抵抗体に印加する電
流を制御して該発熱抵抗体を発熱させることにより前記
メタルコア基板を一定温度に保持する温度制御手段と、
前記第1の感温抵抗体の抵抗値変化によって第1の流量
信号を検出する第1の流量検出手段と、前記第2の感温
抵抗体の抵抗値変化によって第2の流量信号を検出する
第2の流量検出手段と、前記第1の流量検出手段から出
力される第1の流量検出信号と第2の流量検出手段から
出力される第2の流量検出信号との差を演算して流量検
出信号を出力する流量検出信号演算手段とを備える構成
としている。
【0022】
【作用】請求項1のように、メタルコア基板上に発熱抵
抗体、第1,第2の感温抵抗体を形成するようにしたか
ら、該メタルコア基板はセラミック基板に比べて温度に
対する反応が大きくかつ迅速になり、発熱抵抗体と第
1,第2の感温抵抗体の位置とでは基板の温度が異な
り、空気の流れが順方向のときには上流側の第1の感温
抵抗体が冷やされ、下流側の第2の感温抵抗体が発熱抵
抗体の熱を受けて暖められ、各感温抵抗体の抵抗値には
差が生じる。
【0023】請求項2のように、前記第1の感温抵抗体
と第2の感温抵抗体とを並列に接続して流れ方向検出手
段を形成したから、第1の感温抵抗体と第2の感温抵抗
体との抵抗値を比較し、第2の感温抵抗体の方が大きい
場合には、例えば順方向の空気流であると判定し、第1
の感温抵抗体の方が大きい場合には、逆方向の空気流で
あるとして判定できる。
【0024】また、前記発熱抵抗体を含んだブリッジ回
路からなる流量検出手段を設け、該流量検出手段中の発
熱抵抗体の抵抗値変化を流量検出信号として取出し、流
量信号出力手段では、前記流れ方向検出手段によって検
出された空気の流れ方向に基づいて、該空気の流れ方向
が順方向のときには前記流量検出信号をそのまま正の電
圧信号を出力し、逆方向のときには反転させて負の電圧
信号として出力することができる。
【0025】請求項3のように、温度制御手段によって
発熱抵抗体に印加する電流値を制御して発熱抵抗体を一
定温度に保持した状態で、例えば順方向の空気の流れが
発生したときには、発熱抵抗体の上流側に位置した第1
の感温抵抗体の冷却量は大きく、下流側に位置した第2
の感温抵抗体は発熱抵抗体からの熱を受けた空気により
冷却されるために該第2の感温抵抗体の冷却量は小さく
なる。
【0026】これにより、第1の流量検出手段から出力
される第1の流量信号と第2の流量検出手段から出力さ
れる第2の流量検出信号の各信号のうち、例えば第1の
流量信号が第2の流量信号よりも大きくなったときに
は、流量検出信号演算手段は第1の流量信号から第2の
流量信号を減算することにより、正の信号となった流量
検出信号を出力することができる。一方、空気の流れが
逆方向のときには、各流量検出手段から出力される各流
量信号のうち、例えば第1の流量信号が第2の流量信号
よりも小さくなったときには、流量検出信号演算手段は
第1の流量信号から第2の流量信号を減算することによ
り、負の信号となった流量検出信号を出力することがで
きる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図7に基
づき説明する。なお、実施例では前述した従来技術と同
一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する
ものとする。
【0028】まず、図1ないし図6に本発明による第1
の実施例を示す。
【0029】図中、21は本実施例による熱式空気流量
検出装置、22は該熱式空気流量検出装置21の本体部
を構成する流量計本体を示し、該流量計本体22は従来
技術で述べた空気流量検出装置本体3とほぼ同様に、抵
抗値R1 を有する基準抵抗23が巻回される巻線部24
と、該巻線部24の基端側に位置し、複数の端子ピン
(図示せず)が一体的に設けられた端子部25と、巻線
部24の先端側から吸気管2の径方向に延設された検出
ホルダ26と、後述する回路ケーシング27とから大略
構成されている。
【0030】しかし、前記流量計本体22には検出ホル
ダ26の基端側に後述の絶縁基板29を着脱可能に取付
けるためのスロット(図示せず)が形成され、該検出ホ
ルダ26は図1中に示す如く吸気管2の中心部に、絶縁
基板29を介して後述の感温抵抗体31,32等を位置
決めする構成となっている。なお、検出ホルダ26には
従来技術で述べた保護カバー13と同様の保護カバー
(図示せず)が取付けられるようになっている。
【0031】27は吸気管2の取付穴2Aを閉塞するよ
うに該吸気管2の外周側に設けられた回路ケーシングを
示し、該回路ケーシング27は従来技術で述べた回路ケ
ーシング7とほぼ同様に形成され、吸気管2の取付穴2
Aに嵌合する嵌合部27Aを有しているものの、該回路
ケーシング27は、例えばセラミック材料等からなる絶
縁基板(図示せず)上に後述の流量調整抵抗36および
差動増幅回路37等を実装した状態で、これらを内蔵す
るようになっている。なお、28A,28Bは前記基準
抵抗23の巻線が接続されるターミナルである。
【0032】29は検出ホルダ26に取付けられる絶縁
基板を示し、該絶縁基板29はメタルコア基板によって
形成され、図2および図3に示すように、長さ寸法が1
5〜20mm前後、幅寸法が3〜7mm前後となった長方形
の平板状に形成され、SUS材等の熱伝導性の良い金属
によって形成されたベース材29Aと、該ベース材29
Aの両側面に成膜(コーティング)され、アルミナ,ガ
ラス,窒化アルミニウム等の絶縁材料によって形成され
た表面層29B,29Cとからなっている。また、該絶
縁基板29は、基端側が検出ホルダ26のスロットに着
脱可能に取付けられる固定端となり、先端側が自由端と
なっている。
【0033】このように、前記絶縁基板29をメタルコ
ア基板として形成することにより、暖め易く冷め易い基
板とすることができ、後述の発熱抵抗体30による過熱
と吸入空気による冷却に対して大きな温度変化で迅速に
反応することができる。
【0034】30は絶縁基板29の表面層29B上に形
成された発熱抵抗を構成する発熱抵抗体を示し、該発熱
抵抗体30はプリント印刷またはスパッタリング等の手
段を用いて絶縁基板29上に白金膜を着膜させることに
より、抵抗値RH を有するように形成され、空気の流れ
方向(矢示A方向)に対して上流側に位置して形成さ
れ、該発熱抵抗体30の表面積(実装面積)を可及的に
増大させ、例えば吸気管2内を流れる吸入空気との接触
面積を大きくできるようにしている。
【0035】また、前記発熱抵抗体30は後述する電流
制御用トランジスタ42によって電流値が制御され、温
度を一定温度(例えば約240℃)に保つように発熱す
る構成となっている。
【0036】31,32は発熱抵抗体30を挟んで該発
熱抵抗体30と共に絶縁基板29の表面層29B上に形
成された第1,第2の感温抵抗体を示し、該第1の感温
抵抗体31は発熱抵抗体30の上流側に位置して抵抗値
RT1を有するように着膜形成され、第2の感温抵抗体3
2は発熱抵抗体30の下流側に位置して抵抗値RT2を有
するように着膜形成されている。そして、第1,第2の
感温抵抗体55,56、図5の示すように後述のサブ電
源VSに対して並列に接続されている。
【0037】ここで、前記絶縁基板29上の温度分布を
図4に基づいて説明する。
【0038】まず、発熱抵抗体30は後述する制御によ
って240℃前,後に保たれ、空気の流れがないときに
は、この発熱抵抗体30からの熱は絶縁基板29の幅方
向に同じように伝達され、実線で示すように等しい傾斜
で減少している。このときの第1,第2の感温抵抗体3
1,32における検出温度は等しいT0 となる。
【0039】また、矢示A方向(順方向)の空気の流れ
が発生すると、一点鎖線に示すように熱は左側に移動
し、第1の感温抵抗体31は空気によって直接冷やさ
れ、第2の感温抵抗体32は発熱抵抗体30からの熱を
受けることになり、第1の感温抵抗体31の検出温度T
A1、第2の感温抵抗体32の検出温度TA2の関係はTA1
<TA2となり、このときの感温抵抗体31,32の抵抗
RT1RT2、両者の関係がRT1RT2となる。
【0040】さらに、矢示B方向(逆方向)の空気の流
れが発生すると、二点鎖線に示すように熱は右側に移動
し、第2の感温抵抗体32は直接空気によって冷却さ
れ、第1の感温抵抗体31は発熱抵抗体30からの熱を
受けることにより、両者の検出温度の関係は、TB1>T
B2となり、各抵抗値RT1RT2の関係、RT1RT2
なる。
【0041】33,33,…は絶縁基板29の基端側に
位置して形成された例えば6個の電極を示し、該各電極
33は絶縁基板29の幅方向に所定間隔をもって列設さ
れ、絶縁基板29の基端側を前記検出ホルダ26のスロ
ット内に差込むことにより、該検出ホルダ26側の各タ
ーミナル(図示せず)に接続される。そして、該各電極
33を介して絶縁基板29上に形成された前記発熱抵抗
体30と感温抵抗体31とを回路ケーシング27内に設
けられた各電子部品に接続することにより、図5に示す
流量検出用の処理回路が構成されている。
【0042】次に、図5は本実施例による流量検出用の
処理回路を示す。
【0043】図5において、34は流量検出信号を出力
するブリッジ回路によって構成された流量検出回路を示
し、該流量検出回路34は、発熱抵抗体30、温度補償
抵抗35、基準抵抗23および抵抗値R2 を有する流量
調整抵抗36とからなり、それぞれ対向する辺の抵抗値
の積が等しくなるブリッジとして構成され、発熱抵抗体
30と温度補償抵抗35との接続点aは後述する電流制
御用トランジスタ42のエミッタ側に接続され、基準抵
抗23と流量調整抵抗36との接続点bはアースに接続
されている。
【0044】また、前記流量検出回路34は、発熱抵抗
体30と基準抵抗23、温度補償抵抗35と流量調整抵
抗36はそれぞれ直列接続され、それぞれの接続点c,
dは差動増幅回路37の入力端子に接続されると共に、
接続点cは後述する反転回路44と選択回路45に接続
されている。
【0045】そして、差動増幅回路37から出力される
信号は、流量検出回路34の印加電流を制御する電流制
御用トランジスタ42の電流制御電圧VA となる。一
方、流量検出回路34の接続点cからの出力は、基準抵
抗23の両端電圧となり出力される電圧は発熱抵抗体3
0が流量によって冷却される度合いを示す流量検出電圧
V1 (流量検出信号)となる。
【0046】ここで、前記温度補償抵抗35は、発熱抵
抗体30の近傍に位置して検出ホルダ26に設けられ、
かつ該温度補償抵抗35は吸入空気の流れによる影響を
受けず、空気の温度によってのみ抵抗値RK が変化する
ものである。
【0047】このように構成される流量検出回路34で
は、該流量検出回路34が平衡状態にあるときには、差
動増幅回路37からの電流制御電圧VA は零となると共
に、接続点cからは平衡状態にあるときの基準抵抗23
の両端電圧が反転回路44と選択回路45に出力され
る。一方、流量検出回路34の平衡が崩れたとき、即ち
吸入空気によって発熱抵抗体30が冷却されたときに
は、該発熱抵抗体30の抵抗値RH が小さくなっている
から、差動増幅回路37からは電流制御用トランジスタ
42のベースに電流制御電圧VA が出力される。これに
より、電流制御用トランジスタ42は流量検出回路34
に印加する電流を制御して冷やされた発熱抵抗体30を
一定温度にして該流量検出回路34を平衡状態に戻す。
このとき、流量検出回路34の接続点cから出力される
増加した電流値は、基準抵抗23の両端電圧として検出
され、この電圧を第1の流量検出電圧V1 として反転回
路44と選択回路45に出力する。
【0048】次に、38は後述する比較回路41と共に
流れ方向検出手段を構成する流れ方向検出回路を示し、
該流れ方向検出回路38は、第1,第2の感温抵抗体3
1,32と基準抵抗39,40からなり、それぞれ対向
する辺の抵抗値が等しくなるブリッジ回路として構成さ
れ、第1,第2の感温抵抗体31,32の接続点eはサ
ブ電源VS (例えば、3V)に接続され、基準抵抗3
9,40の接続点fはアースに接続されている。
【0049】また、前記流れ方向検出回路38は、第1
の感温抵抗体31と基準抵抗39とが直列接続されると
共に、第2の感温抵抗体32と基準抵抗40とが直列接
続され、それぞれの接続点g,hは比較回路41の入力
端子に接続され、該比較回路41は選択回路45に接続
されている。このように、当該流れ方向検出回路38が
平衡状態にあるとき、即ち吸入空気が流れていないとき
には感温抵抗体31,32の抵抗値RT1,RT2には差が
ないから、比較回路41からの出力は零となる。また、
流れ方向検出回路38の平衡が崩れたとき、即ち空気流
によってどちらか一方の感温抵抗体31,32の抵抗値
RT1,RT2が変化した場合には、流れ方向検出回路38
の接続点g−hからは抵抗値の差(RT1−RT2)が電圧
として比較回路41に入力され、この抵抗値の差に基づ
いて吸入空気の流れ方向を示す信号(以下、流れ方向
検出電圧V2 」という選択回路45に出力される。
【0050】ここで、図6に吸入空気の流速と流れ方向
検出電圧V2 の関係を示すと、吸入空気の流れの方向が
A方向(順方向)のときには、前記比較回路41からは
所定電圧値V0 となる流れ方向検出電圧V2 を出力し、
空気の流れ方向がA方向からB方向(逆方向)に変わっ
たときには、比較回路41からは電圧値零となる流れ方
向検出電圧V2 が出力される。
【0051】42は電流制御用トランジスタを示し、該
電流制御用トランジスタ42は、コレクタ側がバッテリ
電圧VB に接続され、ベース側が前記差動増幅回路37
の出力側に接続され、エミッタ側が前記流量検出回路3
4の接続点aに接続されている。そして、該電流制御用
トランジスタ42は、前記差動増幅回路37からの電流
制御電圧VA でベース電流を変化させてエミッタ電流を
制御する。これにより、電流制御用トランジスタ42は
流量検出回路34に印加される電流値を制御し、発熱抵
抗体30の温度を一定に保つフィードバック制御を行な
っている。
【0052】43は流量信号出力手段としての流量信号
出力回路を示し、該流量信号出力回路43は後述する反
転回路44と選択回路45とから構成されている。
【0053】44は流量検出回路34の接続点cと選択
回路45との間に接続された反転回路を示し、該反転回
路44は流量検出回路34からの流量検出電圧V1 を反
転させて選択回路45に出力するようになっている。
【0054】45は反転回路44と共に流量信号出力手
段を構成する選択回路を示し、該選択回路45は比較回
路41を介して出力される流れ方向検出回路38からの
流れ方向検出電圧V2 (図6、参照)に基づいて、例え
ば順方向の場合には流量検出回路34からの流量検出電
圧V1 を出力信号Vout として出力端子46から図示し
ないコントロールユニットに出力し、逆方向の場合には
反転回路44からの負(マイナス)の信号を出力信号V
out として出力端子46からコントロールユニットに出
力するようになっている。
【0055】本実施例による熱式空気流量検出装置21
は上述の如き構成を有するもので、次に吸入空気の流量
検出動作について説明する。
【0056】ここで、吸入空気の流れが、矢示A方向
(順方向)の場合には、絶縁基板29上の上流側に位置
した第1の感温抵抗体31がこの空気の流れによって冷
やされ、下流側に位置した第2の感温抵抗体32は発熱
抵抗体30からの熱を受ける。この結果、流れ方向検出
回路38の平衡は崩れ、比較回路41からは電圧値V0
となる順方向の流れ方向検出電圧V2 を出力する。
【0057】また、吸入空気の流れによって発熱抵抗体
30が冷却され、この冷却によって発熱抵抗体30の抵
抗値RH が減少するが、差動増幅回路37と電流制御用
トランジスタ42により該発熱抵抗体30を一定温度に
するために、当該流量検出回路34に印加される電流値
を増加させ、この増加した電流値を基準抵抗23でその
両端電圧として検出する。この結果、該流量検出回路3
4からは反転回路44と選択回路45に正の流量検出電
圧V1 が出力される。なお、前記反転回路44に入力さ
れた正の流量検出電圧V1 は反転した負の流量検出電圧
V1 ′として選択回路45に出力される。
【0058】そして、選択回路45では、比較回路41
からの流れ方向検出電圧V2 に基づいて流量検出回路3
4から入力された正の流量検出電圧V1 と反転回路44
から入力された負の流量検出電圧V1 ′との選択を行
い、この場合には、流れ方向検出電圧V2 が順方向であ
るから、正の流量検出電圧V1 を選択して出力端子46
からコントロールユニットに向けて正の流量検出電圧V
1 を出力信号Vout として出力する。
【0059】なお、差動増幅回路37から出力された信
号に基づいて電流制御用トランジスタ42のベース電流
は制御されているから、発熱抵抗体30を一定温度にす
るためのフィードバック制御を行っている。
【0060】一方、空気の流れが、矢示B方向(逆方
向)の場合には、絶縁基板29上の発熱抵抗体30の下
流側に位置した第2の感温抵抗体32がこの空気の流れ
によって冷却され、上流側に位置した第1の感温抵抗体
31は発熱抵抗体30からの熱を受ける。この結果、流
れ方向検出回路38の平衡は崩れ、比較回路41からは
電圧値零となる逆方向の流れ方向信号電圧V2 が出力さ
れる。
【0061】そして、前述したように、吸入空気の流れ
によって発熱抵抗体30は冷却されるから、発熱抵抗体
30の抵抗値RH は小さくなり、流量検出回路34の平
衡が崩れる。この結果、該流量検出回路34からは正の
流量検出電圧V1 が選択回路45に出力されると共に、
反転回路44を介して負の流量検出電圧V1 ′も選択回
路45に出力され、該選択回路45では、比較回路41
からの逆方向の流れ方向検出電圧V2 に基づいて負の流
量検出電圧V1 ′を選択し、この負の流量検出電圧V1
′を出力信号Vout として出力端子46からコントロ
ールユニットに出力する。
【0062】かくして、コントロールユニットでは、こ
の出力信号Vout に基づいて正確な吸入空気の流量を検
出することができ、正確な空燃比制御を行い、エンジン
性能を向上できる。
【0063】ここで、本実施例による熱式空気流量検出
装置21においては、絶縁基板29上に、発熱抵抗体3
0を形成すると共に、該発熱抵抗体30の上流側に第1
の感温抵抗体31を、下流側に第2の感温抵抗体32を
形成するようにしたから、該各感温抵抗体31,32に
よって空気の流れ方向を検出することができ、発熱抵抗
体30の抵抗値の変化から吸入空気の流量を検出するこ
とができる。これにより、吸入空気の流量を検出すると
共に、その方向も正確に検出することができる。
【0064】また、絶縁基板29上に発熱抵抗体30と
感温抵抗体31,32とを基端側から先端側に向けて延
びるように着膜形成したから、限られた表面スペースを
有効に利用して発熱抵抗体30および感温抵抗体31を
コンパクトに形成でき、発熱抵抗体30の表面積(実装
面積)を可能な限り大きくすることができる。そして、
吸気管2内の空気流に対する発熱抵抗体30および感温
抵抗体31の接触面積を大きくすることができ、これら
の抵抗値RH ,RT を空気流に敏感に反応して変化させ
ることができると共に、単一の絶縁基板29に複数の抵
抗体30,31,32を形成したから、部品点数の削減
を図ることができる。
【0065】また、本実施例においては、発熱抵抗体3
0と第1,2の感温抵抗体31,32の位置関係によっ
て、発熱抵抗体30の熱影響を受けるか否かで、空気の
流れ方向を検出することができ、正確な流量を検出する
ことができる。
【0066】さらに、本実施例の絶縁基板29を、熱伝
導性の良い金属によって形成されたベース材29Aと、
該ベース材29Aの両側面に絶縁材料によって形成され
た表面層29B,29Cを成膜(コーティング)するこ
とによって形成したから、発熱抵抗体30からの熱伝導
および空気流による冷却に対して素早く反応させること
ができ、図4に示すように発熱抵抗体30と第1,第2
の感温抵抗体31,32における温度差を大きくするこ
とができる。
【0067】この結果、第1,第2の感温抵抗体31,
32の抵抗値RT1,RT2の差による流れ方向検出を正確
に行なうことができ、吸入空気の流れ方向を正確に検出
することができる。さらに、抵抗体30,31,32の
温度に対する抵抗値変化を素早く行なわせることがで
き、流量変化に伴う出力信号Vout の反応を高めると共
に、自動車エンジン始動時における正確な流量検出を開
始するまでのヒートアップ時間を短くすることができ
る。
【0068】従って、本実施例によれば、吸気管2内を
流れる吸入空気の流量を発熱抵抗体30の抵抗値RH に
基づいて確実に検出できると共に、感温抵抗体31,3
2の抵抗値RT1,RT2の変化に基づいて空気の流れ方向
を確実に検出でき、エンジンの中速域等で吸気管2内に
排気が吹返して逆流が生じるようなときでも、吸入空気
の流量を高精度に検出することができる。
【0069】次に、図7に本発明による第2の実施例を
示すに、本実施例の特徴は、単一の絶縁基板にメタルコ
ア基板を用い、該基板上に発熱抵抗体、第1,第2の感
温抵抗体を着膜形成すると共に、吸入空気の流量および
流れ方向の検出回路に流量検出信号演算手段を用いたこ
とにある。なお、前述した第1の実施例と同一の構成要
素の同一の符号を付し、その説明を省略するものとす
る。
【0070】図7において、51は発熱抵抗体30に印
加する電流値を制御して該発熱抵抗体30の温度を一定
に保持する温度制御手段としての電流制御回路を示し、
該電流制御回路51は、前述した発熱抵抗体30、温度
補償抵抗35、基準抵抗23および流量調整抵抗36か
らなる流量検出回路34と、該流量検出回路34の接続
点c,dからの差を電流制御電圧VA として出力する差
動増幅回路37と、前記流量検出回路34の接続点a,
bに印加される電流値を制御する電流制御用トランジス
タ42とからなる。
【0071】このように構成される電流制御回路51に
おいては、流量検出回路34が平衡状態にあるときに
は、差動増幅回路37からの出力電圧(電流制御電圧V
A )は零となる。一方、流量検出回路34の平衡は崩れ
たとき、即ち吸入空気によって発熱抵抗体30が冷却さ
れたときには、該発熱抵抗体30の抵抗値RH が小さく
なっているから、接続点c,dの間には電圧差が発生し
て差動増幅回路37から電流制御用トランジスタ42の
ベースに向けて電流制御電圧VA が出力される。これに
より、電流制御用トランジスタ42は流量検出回路34
に印加する電流を制御して冷やされた発熱抵抗体30を
一定温度にして該流量検出回路34を平衡状態に戻す。
【0072】ここで、前記電流制御用トランジスタ42
は、コレクタ側がバッテリ電圧VBに接続され、ベース
側が前記差動増幅回路37の出力側に接続され、エミッ
タ側が前記流量検出回路34の接続点aの一端に接続さ
れている。そして、該電流制御用トランジスタ42は、
前記差動増幅回路37からの出力(電流制御電圧VA)
でベース電流が変化するのに応じてエミッタ電流を制御
する。そして、電流制御用トランジスタ42は流量検出
回路34に印加される電流値を制御して発熱抵抗体30
の温度を一定温度に保持するフィードバック制御を行な
っている。
【0073】52は第1の流量検出手段としての第1の
流量検出回路を示し、該第1の流量検出回路52は、抵
抗値RT1を有する第1の感温抵抗体31と基準抵抗39
とを直列に接続することにより構成され、該第1の流量
検出回路52は前記バッテリ電圧VB とアースとの間に
接続され、第1の感温抵抗体31と基準抵抗39との接
続点iは後述する流量検出信号演算回路54に接続され
ている。また、第1の流量検出回路52は、第1の感温
抵抗体31の抵抗値RT1の変化を第1の流量電圧V3 と
して出力する。
【0074】53は第2の流量検出手段としての第2の
流量検出回路を示し、該第2の流量検出回路53は、第
1の流量検出回路52とほぼ同様に構成され、抵抗値R
T2を有する第2の感温抵抗体32と基準抵抗40とを直
列に接続することにより構成され、該第2の流量検出回
路53は前記バッテリ電圧VB とアースとの間に接続さ
れ、第2の感温抵抗体32と基準抵抗40との接続点j
流量信号演算回路54に接続されている。また、第2
の流量検出回路53は、第2の感温抵抗体32の抵抗値
RT2の変化を第2の流量電圧V4 として出力する。
【0075】54は流量検出信号演算手段としての流量
検出信号演算回路を示し、該流量検出信号演算回路54
の入力側には、第1,第2の流量検出回路52,53の
接続点i,jが接続され、出力側にはコントロールユニ
ット(図示せず)が接続されている。そして、該流量検
出信号演算回路54では、下記のような演算を行なって
出力信号Vout を出力する差動増幅回路として構成され
ている。
【0076】
【数1】Vout =(V3 −V4 )×k 但し、k:定数
【0077】このように、前記流量検出信号演算回路5
4では第1,第2の流量電圧V3 ,V4 の差を演算する
ことにより、出力信号Vout は吸入空気の流量および流
れ方向を含んだ信号として出力することができる。
【0078】このように構成される本実施例の熱式流量
検出装置においても、前記第1の実施例と同様に、吸入
空気の流れ方向を含んだ流量を検出することができると
共に、絶縁基板29の構造をメタルコア基板としたか
ら、発熱抵抗体30の過熱による温度変化と、吸入空気
の冷却による温度変化に対して迅速に大きく反応させる
ことができ、流量に対する検出感度を高めることができ
る。
【0079】なお、前記各実施例では、第1,第2の感
温抵抗体31,32を発熱させるものとして述べたが、
本発明はこれに限らず、第1,第2の感温抵抗体31,
32には電圧印加せず発熱抵抗体30の発熱を利用して
第1,第2の感温抵抗体31,32で熱を検出するよう
にしてもよい。
【0080】また、前記各実施例では、流量計本体22
の巻線部24に巻回した基準抵抗23を吸気管2内に突
出させて設けるものとして述べたが、本発明はこれに限
らず、例えば吸気管2の外側に設ける回路ケーシング2
7内に基準抵抗23を流量調整抵抗36等と共に配設す
る構成としてもよい。
【0081】さらに、前記各実施例では、絶縁基板29
はベース材29Aの両側面に表面層29B,29Cを成
膜したが、本発明はこれに限らず、抵抗体30,31,
32が着膜形成された一側面にのみ成膜するものとして
もよく、さらに、絶縁基板29上に温度補償抵抗35を
着膜形成してもよい。
【0082】
【発明の効果】請求項1の発明のように、絶縁基板にメ
タルコア基板を用い、該メタルコア基板上には発熱抵抗
体と第1,第2の感温抵抗体とを、空気の流れ方向に対
し前記発熱抵抗体を挟んで前,後に離間して第1,第2
の感温抵抗体が位置するように形成し、該第1,第2の
感温抵抗体は電源に対して互いに並列に接続され、空気
の流れ方向に対応した検出信号を出力する構成としてい
るので、セラミック基板に比べて温度に対する反応が大
きくかつ迅速になるというメタルコア基板の特性を活か
し、発熱抵抗体と第1,第2の感温抵抗体の位置で基板
の温度を異ならしめることができ、空気の流れ方向を検
出することができる。そして、空気が順方向に流れてい
るときには、例えば上流側の第1の感温抵抗体が冷やさ
れ、下流側の第2の感温抵抗体が発熱抵抗体の熱を受け
て暖められることになり、各感温抵抗体の抵抗値には大
きな差が生じ、流量の検出感度を高めることができる。
さらに、メタルコア基板は暖め易く冷え易いから、エン
ジン始動時におけるヒートアップ時間の短縮化を図るこ
とができ、エンジン始動時における流量の誤検出を低減
することができる。
【0083】請求項2の発明のように、前記第1の感温
抵抗体と第2の感温抵抗体とを並列に接続して流れ方向
検出手段を形成することにより、第1の感温抵抗体と第
2のと感温抵抗体との抵抗値を比較し、第2の感温抵抗
体の方が大きい場合には、例えば順方向の空気流である
と判定し、第1の感温抵抗体の方が大きい場合には、逆
方向の空気流であるとして判定できる。
【0084】また、前記発熱抵抗体を含んだブリッジ回
路からなる流量検出手段を設け、該流量検出手段中の発
熱抵抗体の抵抗値変化を流量検出信号として取出し、流
量信号出力手段では、前記流れ方向検出手段によって検
出された空気の流れ方向に基づいて、該空気の流れ方向
が順方向のときには前記流量検出信号をそのまま正の電
圧信号を出力し、逆方向のときには反転させて負の電圧
信号として出力することができる。そして、流れ方向を
含んだ流量を正確に検出することができる。
【0085】請求項3の発明のように、温度制御手段に
よって発熱抵抗体を一定温度に保持し、第1,第2の流
量検出手段の差から流れ方向および流量を検出するよう
にしたから、例えば順方向の空気の流れが発生したとき
には、発熱抵抗体の上流側に位置した第1の感温抵抗体
の冷却量は大きく、下流側に位置した第2の感温抵抗体
は発熱抵抗体からの熱を受けた空気により冷却されるた
めに該第2の感温抵抗体の冷却量は小さくなる。
【0086】これにより、第1の流量検出手段から出力
される第1の流量信号と第2の流量検出手段から出力さ
れる第2の流量検出信号の各信号のうち、例えば第1の
流量信号が第2の流量信号よりも大きくなったときに
は、流量検出信号演算手段は第1の流量信号から第2の
流量信号を減算することにより、正の信号となった流量
検出信号を出力することができる。
【0087】一方、空気の流れが逆方向のときには、各
流量検出手段から出力される各流量信号のうち、例えば
第1の流量信号が第2の流量信号よりも小さくなったと
きには、流量検出信号演算手段は第1の流量信号から第
2の流量信号を減算することにより、負の信号となった
流量検出信号を出力することができる。そして、流れ方
向を含む流量を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例による熱式空気流量検出装置を吸
気管に取付けた状態を示す縦断面図である。
【図2】絶縁基板上に形成された発熱抵抗体および第1
の感温抵抗体,第2の感温抵抗体を示す平面図である。
【図3】図2中の矢示III −III 方向からみた断面図で
ある。
【図4】絶縁基板上における熱の輻射状態を示す説明図
である。
【図5】第1の実施例による熱式空気流量検出装置の回
路構成を示す回路図である。
【図6】吸入空気の流速と流れ方向検出電圧V2 との関
係を示す特性線図である。
【図7】第2の実施例による熱式空気流量検出装置の回
路構成を示す回路図である。
【図8】従来技術による熱式空気流量検出装置を吸気管
に取付けた状態を示す縦断面図である。
【図9】従来技術による流量計本体および発熱抵抗等を
示す斜視図である。
【符号の説明】
21 熱式空気流量検出装置 22 流量計本体 23 基準抵抗 29 絶縁基板 29A ベース材 29B,29C 表面層 30 発熱抵抗体 31 第1の感温抵抗体 32 第2の感温抵抗体 34 流量検出回路(流量検出手段) 38 流れ方向検出回路(流れ方向検出手段) 41 比較回路 43 流量信号出力回路(流量信号出力手段) 44 反転回路 45 選択回路 51 電流制御回路(温度制御手段) 52 第1の流量検出回路(第1の流量検出手段) 53 第2の流量検出回路(第2の流量検出手段) 54 流量検出信号演算回路(流量検出信号演算手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−162823(JP,A) 特開 平4−105018(JP,A) 実開 昭62−14328(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01F 1/68 - 1/699

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱伝導性の良い金属材料をベース材とし
    該ベース材の少なくとも一側面に絶縁材料からなる表面
    層を成膜してなるメタルコア基板と、該メタルコア基板
    の表面層側に設けられた発熱抵抗体とからなる熱式空気
    流量検出装置において、前記発熱抵抗体が設けられた 前記メタルコア基板の表面
    層には、空気の流れ方向に対し前記発熱抵抗体を挟んで
    前,後に離間し第1,第2の感温抵抗体を設け、該第
    1,第2の感温抵抗体は電源に対して互いに並列に接続
    され、空気の流れ方向に対応した検出信号を出力する
    成としたことを特徴とする熱式空気流量検出装置。
  2. 【請求項2】 熱伝導性の良い金属材料をベース材とし
    該ベース材の少なくとも一側面に絶縁材料からなる表面
    層を成膜してなるメタルコア基板と、 該メタルコア基板の表面層側に設けられた発熱抵抗体
    と、 前記メタルコア基板の表面層に設けられ、空気の流れ方
    向に対し該発熱抵抗体を挟んで前,後に離間した第1,
    第2の感温抵抗体と、 該第1の感温抵抗体と第2の感温抵抗体が並列に接続さ
    れ、該第1の感温抵抗体と第2の感温抵抗体の抵抗値を
    比較して空気の流れ方向に対応した流れ方向検出信号を
    出力する流れ方向検出手段と、 前記発熱抵抗体を含んだブリッジ回路からなり、前記発
    熱抵抗体の抵抗値の変化を流量検出信号として取出す流
    量検出手段と、 前記流れ方向検出手段によって検出された流れ方向検出
    信号に基づいて、空気の流れ方向が順方向のときには該
    流量検出手段からの流量検出信号をそのまま出力し、逆
    方向のときには該流量検出手段からの流量検出信号を反
    転させて出力する流量信号出力手段とを備える構成とし
    てなる熱式空気流量検出装置。
  3. 【請求項3】 熱伝導性の良い金属材料をベース材とし
    該ベース材の少なくとも一側面に絶縁材料からなる表面
    層を成膜してなるメタルコア基板と、 該メタルコア基板の表面層側に設けられた発熱抵抗体
    と、 前記メタルコア基板の表面層に設けられ、空気の流れ方
    向に対し該発熱抵抗体を挟んで前,後に離間した第1,
    第2の感温抵抗体と、 前記発熱抵抗体に印加する電流を制御して該発熱抵抗体
    を発熱させることにより前記メタルコア基板を一定温度
    に保持する温度制御手段と、 前記第1の感温抵抗体の抵抗値変化によって第1の流量
    信号を検出する第1の流量検出手段と、 前記第2の感温抵抗体の抵抗値変化によって第2の流量
    信号を検出する第2の流量検出手段と、 前記第1の流量検出手段から出力される第1の流量検出
    信号と第2の流量検出手段から出力される第2の流量検
    出信号との差を演算して流量検出信号を出力する流量検
    出信号演算手段とを備える構成としてなる熱式空気流量
    検出装置。
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