JP3173447B2 - 産業車両における油圧回路の電磁弁制御装置 - Google Patents

産業車両における油圧回路の電磁弁制御装置

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JP3173447B2
JP3173447B2 JP34663597A JP34663597A JP3173447B2 JP 3173447 B2 JP3173447 B2 JP 3173447B2 JP 34663597 A JP34663597 A JP 34663597A JP 34663597 A JP34663597 A JP 34663597A JP 3173447 B2 JP3173447 B2 JP 3173447B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は産業車両に設けられ
るフォーク等の荷役機器を動作させるための油圧シリン
ダを駆動させるためにその油路に設けられた電磁弁を、
荷役レバー等の操作部が操作されたことを検知する検知
器からの信号に基づいて制御する産業車両における油圧
回路の電磁弁制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、フォークリフト等の産業車両で
は、フォークを昇降させるためのリフトシリンダ、マス
トを傾動させるためのティルトシリンダ等の油圧シリン
ダが設けられている。車両に設けられた油圧回路には油
圧シリンダの油路を開閉する制御弁(コントロールバル
ブ)が備えられ、この制御弁が荷役レバーの操作に応じ
て開閉制御されることで油圧シリンダは駆動される。例
えばバッテリ式フォークリフト車では、荷役レバーを操
作したことを検知する検知器が設けられ、この検知器か
ら荷役レバーを操作したときの検知信号を入力したとき
にコントローラが電磁弁(制御弁)を開閉制御すること
で油圧シリンダが駆動制御される(例えば特開平7−6
1792号公報等)。荷役レバーの操作を検知する検知
器には、例えばリミットスイッチ等の接触式検知器が使
用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、荷役レ
バーの操作中に検知器からコントローラに入力される信
号が、検知器のスイッチ接点や信号線(ハーネス)の接
続部分(コネクタ等)における接触不良などが原因で瞬
間的にオフする場合があった。
【0004】コントローラは、検知器からのオン信号が
オフ信号に切り換わると、それが接触不良等によるもの
であっても、荷役レバーの操作が停止されたものとし
て、電磁弁を閉じる制御をする。そのため、電磁弁が瞬
間的に閉弁することで、油圧シリンダがその動作中に微
小時間ではあるが間欠的に停止しようとし、これが原因
でフォークの昇降動作やマストのティルト動作にがたつ
きが生じるという問題があった。
【0005】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その第1の目的は、操作部の操作中に接触
不良等の原因で検知器からの操作信号が瞬間的に切れて
も、荷役機器をがたつかせず動作させることができる産
業車両における油圧回路の電磁弁制御装置を提供するこ
とにある。第2の目的は、操作部の操作を停止したとき
に荷役機器を遅れなく停止させることにある。第3の目
的は、荷役機器を所定状態に精度良く停止させることに
ある。第4の目的は、インチング操作による荷役機器の
微調整のし易さを損なわないことにある。第5の目的
は、操作部の操作中に検知器からの操作信号が接触不良
等の原因で瞬間的に切れても、マストの傾動動作のがた
つきを防止することにある。第6の目的は、検知器から
の操作信号が接触不良等が原因で瞬間的に切れてもマス
トの動作をがたつかせず、しかもマストを最大許容前傾
角で確実に停止させることにある。第7の目的は、検知
器からの操作信号が接触不良等の原因で瞬間的に切れて
もマストの動作をがたつかせず、しかも荷役機器を精度
良く水平姿勢で停止させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記第1及び第4の目的
を達成するため請求項1に記載の発明では、操作部が操
作されたことを検知する検知器と、荷役機器を駆動する
ための油圧シリンダの油路を開閉するめの電磁弁と、
前記検知器からの前記操作部が操作されたときの操作信
号の入力時に前記電磁弁を開弁させるとともに、前記操
作信号の非入力時に前記電磁弁を閉弁させる制御手段と
を備え、前記制御手段は、前記検知器から入力していた
前記操作信号が切れ、この切れた状態が、前記荷役機器
の微調整をするために行う前記操作部のインチング操作
時に前記検知器からの操作信号が切れる間欠時間よりも
長く設定されている所定時間継続したときに限り、前記
電磁弁を閉弁させることをその要旨とする。
【0007】前記第1,第2及び第4の目的を達成する
ため請求項2に記載の発明では、操作部が操作されたこ
とを検知する検知器と、荷役機器を駆動するための油圧
シリンダの油路を開閉するための電磁弁と、前記検知器
からの前記操作部が操作されたときの操作信号の入力時
に前記電磁弁を開弁させるとともに、前記操作信号の非
入力時に前記電磁弁を閉弁させる制御手段とを備え、前
記制御手段は、前記検知器から入力していた前記操作信
号が切れ、この切れた状態が予め設定した所定時間継続
したときに限り、前記電磁弁を閉弁させる産業車両にお
ける油圧回路の電磁弁制御装置にあって、前記電磁弁
は、前記油圧シリンダの油路上に、前記操作部を操作す
ることにより切換駆動される手動切換弁と直列に設けら
、前記所定時間は、前記荷役機器を微動させるために
行う前記操作部のインチング操作時に前記検知器からの
操作信号が切れる間欠時間よりも長く設定されているこ
とをその要旨とする。
【0008】第1及び第2の目的を達成するため請求項
3に記載の発明では、荷役機器を駆動するための油圧シ
リンダの油路上に、操作部を操作することにより切換駆
動される手動切換弁と電磁弁とを直列に設け、操作部が
操作されたことを検知する検知器と、該検知器から前記
操作部が操作されたときの操作信号を入力すると、前記
電磁弁を前記操作信号の非入力時の開度から、前記荷役
機器の動作を制御するうえで必要な開度にする制御手段
とを備え、前記制御手段は、前記検知器から入力してい
た操作信号が切れても、この切れた状態が予め設定した
所定時間継続したときに限り、前記電磁弁を操作信号の
非入力時の開度にすることをその要旨とする。
【0009】第の目的を達成するため請求項4に記載
の発明では、請求項3に記載の発明において、前記所定
時間は、前記荷役機器を微動させるために行う前記操作
部のインチング操作時に前記検知器からの操作信号が切
れる間欠時間よりも長く設定されている
【0010】第3の目的を達成するため請求項5に記載
の発明では、請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載
の発明において、前記制御手段は、前記荷役機器を所定
状態に停止させる際に予めその手前で減速させるべく前
記電磁弁の開度を徐々に絞る停止制御を行い、この停止
制御の実行中は、前記検知器からの操作信号が切れて
も、当該停止制御を継続するように設定されている。
【0011】求項6に記載の発明では、請求項2〜請
求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記制御
手段は、前記荷役機器を所定状態に停止させる際に予め
その手前で前記電磁弁の開度を徐々に絞る停止制御を行
い、この停止制御の実行中は、前記検知器からの操作信
号が切れても、この切れた状態が前記所定時間を経過す
るまでは、当該停止制御を継続するように設定されてい
る。
【0012】第5の目的を達成するため請求項7に記載
の発明では、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載
の発明において、前記油圧シリンダは、前記荷役機器を
昇降可能に支持するマストを前後に傾動させるためのも
のである。
【0013】第6の目的を達成するため請求項8に記載
の発明では、請求項又は請求項に記載の発明におい
て、前記油圧シリンダは、前記荷役機器を昇降可能に支
持するマストを前後に傾動させるためのものであり、該
荷役機器を前記所定状態に停止させるためのマストの停
止角は、車両の前後方向の重心移動に起因する不安定状
態を検出する車両状態検出手段からの検出信号に基づい
て前記制御手段が算出するマストの最大許容前傾角であ
る。
【0014】第7の目的を達成するため請求項9に記載
の発明では、請求項又は請求項に記載の発明におい
て、前記油圧シリンダは、前記荷役機器を昇降可能に支
持するマストを前後に傾動させるためのものであり、該
荷役機器を前記所定状態に停止させるためのマストの停
止角は、前記荷役機器を水平姿勢にするマストの水平設
定角である。
【0015】(作用) 従って、 請求項1に記載の発明によれば、操作部が操
作されたことが検知器により検知されると、制御手段は
その操作信号に基づき電磁弁を開弁させる。その結果、
油路が開かれて油圧シリンダが駆動し、荷役機器が作動
される。また、操作部の操作が停止されて検知器からの
操作信号が入力されなくなる(切れる)と、制御手段は
電磁弁を閉弁させる。その結果、油路が閉じて油圧シリ
ンダの駆動が停止し、荷役機器の作動が停止する。制御
手段による電磁弁の閉弁は、操作信号が切れた状態が所
定時間継続したときに限り行われる。そのため、操作部
が操作されているにも拘わらず、電気的な接触不良等が
原因で検知器の操作信号が瞬間的に切れても、その切れ
た時間が所定時間に達する前に再び操作信号が入力され
るため、電磁弁は閉弁されない。従って、操作部の操作
中に検知器の操作信号が接触不良等が原因で瞬間的に切
れても、荷役機器の動作ががたつくことがない。また、
操作部がインチング操作されたために、検知器からの操
作信号が切れても、このとき信号が切れる時間(間欠時
間)より所定時間が長く設定されているため、電磁弁は
開弁状態のまま保持される。仮に所定時間がインチング
操作時に操作信号が切れる間欠時間よりも短く設定して
あると、電磁弁がインチング操作時に所定時間の遅れを
伴って閉弁することになり、手動切換弁の開閉タイミン
グと電磁弁の開閉タイミングの間にずれが生じ、これが
原因でインチング操作したときの荷役機器の微調整が巧
くいかなくなる。しかし、インチング操作のときには電
磁弁が開弁状態に保持されるため、荷役機器の微調整の
し易さが損なわれない。
【0016】請求項2に記載の発明によれば、操作部が
操作されたことが検知器により検知されると、制御手段
はその操作信号に基づき電磁弁を開弁させる。その結
果、油路が開かれて油圧シリンダが駆動し、荷役機器が
作動される。また、操作部の操作が停止されて検知器か
らの操作信号が入力されなくなる(切れる)と、制御手
段は電磁弁を閉弁させる。その結果、油路が閉じて油圧
シリンダの駆動が停止し、荷役機器の作動が停止する。
制御手段による電磁弁の閉弁は、操作信号が切れた状態
が所定時間継続したときに限り行われる。そのため、操
作部が操作されているにも拘わらず、電気的な接触不良
等が原因で検知器の操作信号が瞬間的に切れても、その
切れた時間が所定時間に達する前に再び操作信号が入力
されるため、電磁弁は閉弁されない。従って、操作部の
操作中に検知器の操作信号が接触不良等が原因で瞬間的
に切れても、荷役機器の動作ががたつくことがない。ま
た、操作部の操作を実際に停止したときには、検知器か
らの操作信号が切れてから所定時間経過後に電磁弁が遅
れて閉弁することになるが、操作部の操作が停止された
ことにより手動切換弁が閉弁して油路が閉じられるの
で、操作部の操作停止後、直ちに油圧シリンダの駆動が
停止されて、荷役機器の動作が停止する。さらに、操作
部がインチング操作されたために、検知器からの操作信
号が切れても、このとき信号が切れる時間(間欠時間)
より所定時間が長く設定されているため、電磁弁は開弁
状態のまま保持される。仮に所定時間がインチング操作
時に操作信号が切れる間欠時間よりも短く設定してある
と、電磁弁がインチング操作時に所定時間の遅れを伴っ
て閉弁することになり、手動切換弁の開閉タイミングと
電磁弁の開閉タイミングの間にずれが生じ、これが原因
でインチング操作したときの荷役機器の微調整が巧くい
かなくなる。しかし、インチング操作のときには電磁弁
が開弁状態に保持されるため、荷役機器の微調整のし易
さが損なわれない。
【0017】請求項3に記載の発明によれば、制御手段
は操作部が操作されたことを検知する検知器から操作信
号を入力すると、電磁弁を操作信号の非入力(切れた)
時の開度から、荷役機器の動作を制御するうえで必要な
開度に開度制御する。検知器からの操作信号が接触不良
等が原因で瞬間的に切れても、この切れた状態が所定時
間に達する前に再び操作信号が入力されることになるの
で、電磁弁の開度は保持される。そのため、この種の原
因で操作信号が瞬間的に切れることがあっても、荷役機
器の動作ががたつかない。また、操作部の操作が停止さ
れたときには、電磁弁の開度が操作信号の非入力(切れ
た)時の開度に切換わる時期が所定時間だけ遅れること
になるが、操作部の操作が停止された時点で手動切換弁
が閉弁されるため、荷役機器はその時点で停止する。
【0018】請求項4に記載の発明によれば、操作部が
インチング操作されたために、検知器からの操作信号が
切れても、このとき信号が切れる時間(間欠時間)より
所定時間が長く設定されているため、電磁弁は開弁状態
のまま保持される。仮に所定時間がインチング操作時に
操作信号が切れる間欠時間よりも短く設定してあると、
電磁弁がインチング操作時に所定時間の遅れを伴って閉
弁することになり、手動切換弁の開閉タイミングと電磁
弁の開閉タイミングの間にずれが生じ、これが原因でイ
ンチング操作したときの荷役機器の微調整が巧くいかな
くなる。しかし、インチング操作のときには電磁弁が開
弁状態に保持されるため、荷役機器の微調整のし易さが
損なわれない。
【0019】請求項5に記載の発明によれば、制御手段
は、荷役機器を所定状態に停止させる際に予めその手前
で減速させるべく電磁弁の開度を徐々に絞る停止制御を
行う。この停止制御の実行中は、検知器からの操作信号
が切れても停止制御はそのまま継続される。従って、荷
役機器が所定状態に精度良く停止することになる。停止
制御の実行中に、操作部の操作が実際に停止されたとき
は、電磁弁が開弁したままとなるが、手動切換弁が閉弁
されることで、荷役機器は操作部の操作を止めた時に直
ぐに停止する。
【0020】請求項6に記載の発明によれば、制御手段
は、荷役機器を所定状態に停止させる際に予めその手前
で減速させるべく電磁弁の開度を徐々に絞る停止制御を
行う。この停止制御の実行中は、検知器からの操作信号
が切れても、この切れた状態が所定時間を経過するまで
は、停止制御をそのまま継続する。そのため、検知器の
操作信号が接触不良等が原因で瞬間的に切れたときに
は、電磁弁の開度を徐々に絞る制御は続けられる。従っ
て、荷役機器が所定状態に精度良く停止することにな
る。
【0021】請求項7に記載の発明によれば、操作部が
操作されたことを検知する検知器からの操作信号に基づ
いて制御手段により電磁弁が開かれると、油圧シリンダ
が駆動し、荷役機器を昇降可能に支持するマストが前後
に傾動する。検知器からの操作信号が接触不良等が原因
で操作部の操作中に瞬間的に切れても、マストの傾動動
作ががたつかない。
【0022】請求項8に記載の発明によれば、車両の前
後方向の重心移動による車両の不安定状態が車両状態検
出手段により検出される。そして、車両状態検出手段か
らの検出信号に基づいて最大許容前傾角が算出され、マ
ストが最大許容前傾角で停止するように電磁弁の停止制
御が行われる。この停止制御中に検知器からの操作信号
が接触不良等の原因で瞬間的に切れても、停止制御は継
続されるので、マストは最大許容前傾規制角で確実に停
止する。従って、マストが最大許容前傾角を超えてしま
うことがない。
【0023】請求項9に記載の発明によれば、荷役機器
を水平姿勢にする水平設定角でマストが停止するように
電磁弁の停止制御が行われる。この停止制御中に検知器
からの操作信号が接触不良等の原因で瞬間的に切れて
も、停止制御は継続されるので、マストは水平設定角で
精度良く停止する。従って、荷役機器を水平な姿勢で精
度良く停止させることが可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明を
具体化した第1実施形態を図1〜図8に基づいて説明す
る。
【0025】図5に示すように、産業車両としてのフォ
ークリフト1には、荷役機器としてのフォーク2を昇降
させるためのリフトシリンダ3と、マスト4を傾動させ
るための油圧シリンダとしてのティルトシリンダ5が設
けられている。運転室6にはリフトシリンダ3を伸縮駆
動させるために操作するリフトレバー7と、ティルトシ
リンダ5を伸縮駆動させるために操作する操作部として
のティルトレバー8が装備されている(但し、図5では
両レバー7,8が重なった状態で示されている)。フォ
ークリフト1の車体1aには、リフトシリンダ3及びテ
ィルトシリンダ5を駆動するための図3に示す油圧回路
が設けられている。
【0026】油圧回路は次のように構成されている。図
3に示すように、オイルタンク10から作動油を汲み上
げて吐出する油圧ポンプ11は、エンジンE(図5に示
す)により駆動される。油圧ポンプ11から管路12を
通って吐出された作動油は、フローディバイダ13で所
定圧以上に昇圧されてから、荷役系の油圧回路と、ステ
アリング系の油圧回路とに分流される。フローディバイ
ダ13からステアリング系に分流された圧油は、管路1
4を介してステアリングバルブ15に供給される。
【0027】フローディバイダ13から荷役系に分流さ
れた圧油が通る作動油供給用管路16は、オイルタンク
10に戻る戻り管路17に接続されており、リフト用手
動切換弁18と、手動切換弁としてのティルト用手動切
換弁19は、この作動油供給用管路16上に直列に配設
されている。
【0028】リフト用手動切換弁18は3位置切換弁で
あり、そのスプールはリフトレバー7に機械的に作動連
結されている。リフトレバー7を上昇・中立・下降操作
することによりリフト用手動切換弁18がa,b,cの
3つの状態に切換可能となっている。
【0029】リフト用手動切換弁18がb状態(中立位
置)にあるときには、ボトム室3bに繋がる管路20
が、分岐管路16aと戻り管路17とのいずれとも遮断
される。リフト用手動切換弁18がa状態(上昇位置)
に切換えられると、分岐管路16aと管路20とが連通
してボトム室3bに作動油が供給されてリフトシリンダ
3のピストンロッド3aが伸長する。また、リフト用手
動切換弁18がc状態(下降位置)に切換えられると、
管路20と戻り管路17とが連通してボトム室3bの作
動油がオイルタンク10に排出され、リフトシリンダ3
のピストンロッド3aが収縮するようになっている。
【0030】油圧ポンプ11の吐出圧は圧力伝達管路2
1に伝達される。圧力伝達管路21上に設けられた減圧
弁22は、必要なパイロット設定圧に調整するためのも
のである。
【0031】ティルト用手動切換弁19は6ポート3位
置切換弁であり、そのスプールはティルトレバー8に機
械的に作動連結されている。ティルトレバー8を後傾・
中立・前傾操作することによりティルト用手動切換弁1
9がa,b,cの3つの状態に切換可能となっている。
【0032】ティルト用手動切換弁19がb状態(中立
位置)にあるときには、ロッド室5bに繋がる管路23
aとボトム室5cに繋がる管路23bが、分岐管路16
bと排出管路24とのいずれとも遮断される。ティルト
用手動切換弁19がa状態(後傾位置)に切換えられる
と、管路16bと管路23a、及び管路23bと管路2
4がそれぞれ連通する。そのため、後述する制御弁25
が開弁された状態では、ロッド室5bに作動油が送られ
るとともに、ボトム室5cの作動油がオイルタンク10
に排出され、ティルトシリンダ5のピストンロッド5a
が収縮する。また、ティルト用手動切換弁19がc状態
(前傾位置)に切換えられると、管路16bと管路23
b、及び管路23aと管路24がそれぞれ連通する。そ
のため、制御弁25が開弁された状態では、ボトム室5
cに作動油が送られるとともに、ロッド室5bの作動油
がオイルタンク10に排出され、ティルトシリンダ5の
ピストンロッド5aが伸長するようになっている。
【0033】制御弁25は、管路23a上に設けられて
管路23aを流れる作動油の油路を開閉するためのもの
であり、比例ソレノイド弁26の開度で決まるパイロッ
ト圧で開閉駆動される。制御弁25は、パイロット圧が
所定値未満ではバネ28の付勢力で閉弁するノーマルク
ローズ弁である。比例ソレノイド弁26は、ソレノイド
26aを流れる電流が所定値Io未満のときにバネ29
の付勢力により閉弁するノーマルクローズ弁である。比
例ソレノイド弁26はそのソレノイド26aを流れる電
流値により開度が制御される。つまり、電磁弁27は、
ソレノイド26aを流れる電流の電流値制御により、管
路23aを流れる作動油の油路を開閉する開度を調整す
るように開度制御される。なお、ティルト用手動切換弁
19のc状態(前傾位置)では、オリフィス30により
流路が絞られているため、マスト4の前傾速度が後傾速
度よりも相対的に低速となるように設定されている。
【0034】リリーフ弁31は、リフト用手動切換弁1
8がa状態(上昇位置)に切換えられた際に、リフト系
の油路の圧油がリフト設定圧となるように作動油を管路
32を介して逃がすためのものである。また、リリーフ
弁33は、ティルト用手動切換弁19がa状態(後傾位
置)またはc状態(前傾位置)のいずれかに切換えられ
た際に、ティルト系の油路の圧油がティルト設定圧とな
るように作動油を管路34を介して逃がすためのもので
ある。また、チェック弁35,36,37は作動油の逆
流を阻止するためのものである。フィルタ38は、比例
ソレノイド弁26が精密であるため油中のゴミを除去す
るために設けたものである。なお、管路16b,23
a,23b,24がティルト系の油路を構成している。
【0035】本実施形態では、後述する制御手段として
のコントローラ39が電磁弁27(つまり制御弁25)
の開度を電流値制御することで、マスト4の速度制御や
停止制御などの各種制御を行う。フォークリフト1に
は、これらの各種制御を行うために必要な検出値を得る
ためにセンサ類が設けられている。
【0036】図4に示すように、ティルトレバー8の操
作力伝達機構40の近傍には、ティルトレバー8が前傾
操作されたことを検知するための検知器としての前傾ス
イッチ41と、ティルトレバー8が後傾操作されたこと
を検知するための検知器としての後傾スイッチ42とが
設けられている。両スイッチ41,42は接触式スイッ
チで例えばマイクロスイッチからなる。前傾スイッチ4
1はティルトレバー8を前傾操作したときにオンし、後
傾スイッチ42はティルトレバー8を後傾操作したとき
にオンする。また、ティルトレバー8が中立位置にある
ときには両スイッチ41,42は共にオフする。
【0037】本実施形態では、ティルトレバー8の操作
に独立してティルトシリンダ5を駆動制御してマスト4
の停止制御や速度制御を行うため、制御弁25と比例ソ
レノイド弁26とからなる電磁弁27が管路23a上に
設けられている。
【0038】また、ティルトレバー8のノブ8aには操
作スイッチ43が設けられている。この操作スイッチ4
3はティルトレバー8を操作する際にフォーク2を水平
姿勢で自動停止させたいときに操作者が操作するための
ものである。
【0039】図6に示すように、アウタマスト4aの上
部には、車両状態検出手段を構成する揚高センサ44が
設けられている。揚高センサ44は例えば近接センサか
らなる。揚高センサ44はフォーク2が所定高さ以上に
ある高揚高のときにオンし、フォーク2が所定高さ未満
の低揚高のときにオフするようになっている。また、テ
ィルトシリンダ5の姿勢角を検出してマスト4の傾斜角
(ティルト角)を間接的に検出する回転式のポテンショ
メータ45が車体フレーム2に設けられている。ポテン
ショメータ45からはマスト4の傾斜角に応じた検出信
号が出力されるようになっている。また、リフトシリン
ダ3の下部にはそのボトム室3bの油圧を検出する車両
状態検出手段を構成する圧力センサ46が設けられてい
る。圧力センサ46はフォーク2の積載荷重に応じた検
出信号を出力する。
【0040】次に、この油圧制御装置の電気的構成を説
明する。図6に示すように、電磁弁27(つまり比例ソ
レノイド弁26)を電流値制御する制御手段としてのコ
ントローラ39は、マイクロコンピュータ50、アナロ
グデジタル変換回路(A/D変換回路)51、ソレノイ
ド駆動回路52及び電流検出回路53を備えている。マ
イクロコンピュータ50は、中央処理装置(以下CPU
という)54、読み出し専用メモリ(ROM)55、E
EPROM(ElectoricalErasable Programmable R
OM)56、読出し及び書替え可能なメモリ(RAM)
57、カウンタ58、入力インタフェイス59及び出力
インタフェイス60を備える。
【0041】前傾スイッチ41、後傾スイッチ42、操
作スイッチ43及び揚高センサ44は、入力インタフェ
イス59を介してCPU54に接続されている。ポテン
ショメータ18及び圧力センサ46は、A/D変換回路
51及び入力インタフェイス59を介してCPU54に
接続されている。
【0042】ソレノイド駆動回路52は、出力インタフ
ェイス60を介してCPU54に接続されている。CP
U54はPWM波を生成して出力するPWMポート(図
示せず)を備え、PWMポートからソレノイド駆動回路
52にPWM信号を出力する。ソレノイド駆動回路52
はPWM信号に基づきオン・オフ動作するトランジスタ
(図示せず)を内蔵している。このトランジスタのコレ
クタはバッテリ(+B)に接続され、そのエミッタがソ
レノイド26aの第1端子に接続されている。CPU5
4はPWMポートから出力されるPWM信号のデューテ
ィ比を指令値により制御し、ソレノイド26aに流す電
流の電流値制御を行う。この電流値制御は、ソレノイド
26aを流れる電流が約100Hzで微小振幅するよう
な指令値とするディザ制御で行われる。比例ソレノイド
弁26のスプールを所定周波数(約100Hz)で微小
振動させ、その静止摩擦を低減してその動作をスムーズ
にするためにディザ制御を採用している。
【0043】ソレノイド26aの第2端子は電流検出回
路53に接続されている。つまり、ソレノイド26aを
流れた電流は電流検出回路53に入力される。電流検出
回路53はソレノイド電流値を検出するための回路であ
り、ソレノイド26aと直列に接続して内蔵された抵抗
(図示せず)の両端に印加される電圧を増幅器(図示せ
ず)を介して増幅し、これを検出信号として出力する。
この検出信号はA/D変換回路51を介してCPU54
に入力される。CPU54は、電流検出回路53からの
検出信号に基づいてソレノイド26aを流れる電流が必
要な電流値になるように指令値を変更するフィードバッ
ク制御を行う。これはバッテリ電圧の変動などに対応す
るためである。
【0044】ROM55には各種制御プログラム及びプ
ログラムを実行する際に必要な各種データが記憶(格
納)されている。例えば電磁弁27を電流値制御するこ
とで行われるマスト4のティルト制御である前傾角規制
制御、自動水平停止制御、後傾速度制御、衝撃緩和制御
(ショックレス制御)等のための各種プログラムデータ
がROM55には記憶されている。
【0045】前傾角規制制御とは、揚高と荷重から決ま
るマスト4の最大許容前傾規制角(以下、単に前傾規制
角という)をマップを用いて求め、ティルトレバー8が
前傾操作されていても、マスト4を揚高と荷重から決ま
る前傾規制角で強制的に停止させる制御である。
【0046】自動水平停止制御とは、操作スイッチ43
を押しながらティルトレバー8が操作されたときに、フ
ォーク2が水平姿勢となった時点でマスト4を自動停止
させる制御である。
【0047】後傾速度制御とは、マスト4の後傾速度を
揚高に応じて段階的(本実施形態では例えば2段階)に
制御するものであり、高揚高のときにマスト4の後傾速
度を制限する制御である。
【0048】ショックレス制御とは、マスト4を所定停
止角で停止させる際にその停止角の手前の減速開始角か
ら一定の減速度(時間に対して一定の傾き)で減速させ
ることにより、マスト4の停止時の衝撃を緩和するため
の制御である。このショックレス制御は、前傾角規制制
御,自動水平停止制御,後傾マニュアル操作時において
マスト4が停止する際に実行される。
【0049】EEPROM56には前傾角規制制御を実
行するために必要なデータとして、揚高と積載荷重とか
ら最大許容前傾角度(前傾規制角)を求めるためのマッ
プが記憶されている。マップは例えば図7に示すよう
に、高揚高用(実線)と低揚高用(鎖線)との2種類が
用意され、各揚高毎に積載荷重に応じた前傾規制角が設
定されている。
【0050】また、EEPROM56には自動水平停止
制御を実行するために必要なデータとして水平設定角が
記憶されている。水平設定角はフォーク2が水平姿勢に
なったときのポテンショメータ45の検出値に相当する
値(図8のティルト角θs=0°に相当する値)であ
る。
【0051】CPU54は、ティルト制御のために現在
どのような制御をすべきであるかを判断し、これをティ
ルトモードとして管理している。ティルトモードには前
傾マニュアル,後傾マニュアル,前傾自動水平,後傾自
動水平,前傾規制ショックレス,前傾ショックレス,後
傾ショックレス,後傾エンドショックレス,ティルトオ
フ等の各モードがある。各ティルトモードは、マスト4
が一定速度で前傾する前傾定速モード、一定速度で後傾
する後傾定速モード、一定の減速度で減速するショック
レスモードと、マスト停止中のティルトオフモードとに
大きく分けられる。後傾定速モードは、高速で後傾する
低揚高時の後傾定速モードと、低速で後傾する高揚高時
の後傾定速モードとに分かれる。
【0052】EEPROM56にはショックレス制御を
実行するために必要なデータとして減速開始角が設定さ
れている。本実施形態では、マスト4を定速から一定の
減速度で減速させたときに目標停止角で速度「0」とな
るように減速開始角が設定されている。図8に示すよう
に、後傾定速モードでは、停止角θs(水平設定角(例
えばθs=0°)または後傾エンド角(例えばθs=−1
2°))に対し、前傾角側に、低揚高時用の減速開始角
θ1と、高揚高時用の減速開始角θ2がそれぞれ設定さ
れている。また、前傾定速モードでは、停止角θs(水
平設定角(例えばθs=0°)または前傾規制角(例え
ばθs=2〜6°の範囲))に対し、後傾角側に減速開
始角θ3が設定されている。各定速モード(後傾定速モ
ード(低揚高,高揚高),前傾定速モード)に対してそ
れぞれの減速開始角θ1,θ2,θ3と停止角θsとの
間でショックレスモードが設定される。
【0053】さらにEEPROM56には、各ティルト
モードに応じた電流指令値(ソレノイド電流値)を得る
ために図9(a),(b)に示す電流値データが記憶さ
れている。図9(a)は、後傾速度制御の電流値データ
を示し、本実施形態では、後傾定速モードに対し、低揚
高時に電流値In、高揚高時に電流値Im(但し、In>
Im)が設定されており、マスト4の後傾速度は揚高に
応じて2段階に切換わる。後傾ショックレスモードで
は、低揚高時は減速開始角θ1を通過した時点から電流
値Inが時間に対して一定の傾きで減少するようにソレ
ノイド電流値が決まり、高揚高時は減速開始角θ1を通
過した時点から電流値Imが時間に対して一定の傾きで
減少するようにソレノイド電流値が決まる。また、図8
(b)は、前傾速度制御の電流値データを示し、前傾定
速モードでは電流値Inが設定されている。前傾ショッ
クレスモードでは、減速開始角θ3を通過した時点から
電流値Inが時間に対して一定の傾きで減少するように
ソレノイド電流値が決まる。電磁弁27は電流値Iclos
e以下で閉弁する。
【0054】また、ティルトオフモードでのソレノイド
電流値を、本実施形態では0アンペアにしている。但
し、ティルトオフモードでのソレノイド電流値は、閉弁
状態の電流値であれば0アンペア以外の値を設定するこ
ともできる。なお、EEPROM56のデータは、車両
機種別、車両用途別、機器精度のばらつき等を考慮し
て、設定操作部(図示せず)を操作することで機台毎に
個々に設定できるようになっている。
【0055】ROM55には、図1にフローチャートで
示す電流値制御処理のプログラムデータが記憶されてい
る。電流値制御処理は、フラグ制御・ティルトモード遷
移制御・電磁弁開度決定制御の3つがそろって1つの制
御となっており、この中に瞬断対策用の処理が盛り込ま
れている。瞬断対策処理とは、スイッチ41,42が接
点や信号線(ハーネス)の接続部分(コネクタ等)の接
触不良などが原因で、ティルトレバー8の操作中に瞬間
的にオフする瞬断に起因するマスト4のがたつきなどの
不具合を解消するための処理である。CPU54は電流
値制御処理を例えば数10ミリ秒毎に実行する。また、
カウンタ58は瞬断時間の計時に使用する瞬断計測用の
ものである。
【0056】CPU54は、今回モードフラグと実行モ
ードフラグの2つのモードフラグと、瞬断フラグとを備
える。今回モードフラグ(以下、第1フラグという)
は、今回のティルトモード(以下、今回モードという)
を記録するためのもので、実行モードフラグ(以下、第
2フラグという)は、実行中のティルトモード(以下、
実行モードという)を記録するためのものである。瞬断
フラグは、瞬断対策処理において今回モードがティルト
オフモードに切り換わったことを記録するためのフラグ
である。
【0057】CPU54は各スイッチ41〜43及びセ
ンサ44〜46からの検出値を、それぞれの変数(例え
ばx1,x2,〜x6)に記録(記憶)する。これらセンサ・ス
イッチ変数(x1,x2,〜x6)と、実行モードとから、車両
状態を検知し、今回モードを決定する。電磁弁27を制
御するための開弁指令値(ソレノイド電流指令値)は第
1フラグの今回モードに基づき決定される。すなわち、
図9(a),(b)に示すように今回のティルトモード
に応じたソレノイド電流値となるように開弁指令値が決
定される。
【0058】実行モードがショックレスモードの場合
は、電磁弁27が閉弁し終わったことを条件に今回モー
ドにティルトオフモードがセットされる。このため、シ
ョックレスモード中はセンサ44〜46、スイッチ41
〜43の信号に関係なく停止処理を続け、電磁弁27が
閉じ終わって初めて今回モードにティルトオフモードが
セットされる。
【0059】第2フラグは、今回モードにより電流指令
値が指令された後に今回モードの内容をセット(コピ
ー)するためのフラグであり、第2フラグにセットされ
た実行モードは次回処理時に今回モードを決定するため
と、瞬断対策処理を行うためとに用いられる。第2フラ
グには、現在実行されているティルトモードが常に記録
されていることになる。
【0060】センサ45からの検出値が減速開始角に相
当する値に達して、かつ、他のセンサ44,46、スイ
ッチ41〜43の検知状態と実行モードとから、水平停
止、前傾規制角停止あるいは後傾規制角停止制御が必要
と判断されたときに、ショックレスモードへの変更が行
われる。
【0061】次に、上記のように構成された油圧制御装
置の動作を説明する。キ−オンされると、エンジンEが
始動され、油圧ポンプ11の駆動が開始される。エンジ
ン始動後、圧力伝達管路21の油圧はパイロット設定圧
に達する。油圧ポンプ11から吐出された作動油はフロ
ーディバイダ13において所定圧に昇圧された後、荷役
系とステアリング系に分流される。各レバー7,8が中
立位置に配置された図3の状態では、荷役系に分流され
た作動油は、作動油供給用管路16上に設けられた各制
御弁18,19を通り抜けた後、戻り管路17を通って
オイルタンク10に還流される。この状態でリフトレバ
ー7を操作してリフト用手動切換弁18がa状態または
c状態に切換えられると、リフトシリンダ3が伸長また
は収縮駆動し、フォーク2が上昇または下降する。
【0062】ティルトレバー8を操作するときのマスト
4のティルト動作は、コントローラ39による電磁弁2
7の開閉制御(開度制御)により制御される。キーオン
中は、CPU54が例えば数10ミリ秒毎に電磁弁27
(比例ソレノイド弁26)の電流値制御を実行する。
【0063】以下、CPU54が電流値制御処理実行の
際、優先して実行する瞬断対策処理について図1に従っ
て説明する。次にCPU54による電流値制御処理につ
いて図1に従って説明する。
【0064】ステップ10において、各スイッチ41〜
43及びセンサ44〜46からの検出値を、それぞれの
変数(例えばx1,x2,〜x6)に記録(記憶)する。ステッ
プ20において、実行モードと、センサ・スイッチ変数
(x1,x2,〜x6)とから、車両状態を検知し、今回モード
を決定する。今回モードは第1フラグにセットされる。
【0065】ステップ30では、今回モードを判定す
る。今回モードがティルトオフモード以外のときは、ス
テップ40において瞬断フラグをクリアした後、ステッ
プ70に進む。一方、今回モードがティルトオフモード
のときは、ステップ50において、実行モードの判定を
する。実行モードがティルトオフモード以外のときは、
ステップ60において瞬断フラグをオンした後、ステッ
プ70に進む。一方、実行モードがティルトオフモード
のときは、ステップ70に進む。
【0066】ステップ70においては、瞬断フラグがオ
ンであるか否かを判断する。瞬断フラグがオンのとき
は、ステップ80において、瞬断時間がΔTに達したか
否かを判断する。つまり、カウンタ58の計数値が所定
時間ΔTに相当する値を計数し終わったか否かを判断す
る。
【0067】所定時間ΔTは、スイッチ41,42から
の信号が接触不良等の原因で瞬断する極めて微小な時間
(例えば1ミリ秒〜100ミリ秒)より長く設定された
値である。本実施形態では、特に所定時間ΔTをティル
トレバー8をインチング操作(寸動操作)するときの操
作間隔(間欠時間)よりも長く設定しており、例えばΔ
Tを0.4〜2秒の範囲内の値に設定している。0.4
秒以上としたのはインチング操作時の間欠時間よりもほ
ぼ確実に長くするためであり、2秒以下としたのは電磁
弁27を不要な開度に長く放置しなくて済み、節電面や
発熱を考慮したためである。なお、所定時間ΔTは、ス
イッチ41,42の信号の瞬断時間より長ければよく、
例えば0.1秒以上であれば一応の効果は期待できる。
0.2〜5秒の範囲の値にすれば、信号の瞬断対策にさ
らに効果があり、しかも電磁弁27を不要な開度に長く
放置しなくて済むので節電面からも好ましい。
【0068】瞬断時間が所定時間ΔTに達していないと
きは、ステップ90において、瞬断計測用のカウンタ5
8を「1」加算(インクリメント)する。そして、次の
ステップ100において、電磁弁27の開弁指令値(ソ
レノイド電流指令値)を保持する。このため、定速モー
ド中におけるスイッチ41,42の信号瞬断時は、瞬断
時間が所定時間ΔTに達することがないので、瞬断前の
開弁指令値に保持される。一方、瞬断時間が所定時間Δ
Tに達したときは、ステップ110において瞬断フラグ
をクリアする。なお、ショックレスモード中は、ショッ
クレスモードの終了により電磁弁27が閉弁して初めて
今回モードがティルトオフモードとなるので、信号瞬断
があっても何ら影響されない。
【0069】ステップ70において瞬断フラグがオンで
ないときと、ステップ110において瞬断フラグをクリ
アした後は、ステップ120に進む。ステップ120に
おいては、瞬断計測用のカウンタ58をクリアする。
【0070】次のステップ130において、今回モード
に応じた開弁指令値(ソレノイド電流値)を指令する。
つまり、定速モード中に所定時間ΔTの間、今回モード
がティルトオフモードとなる状態が継続したとき、すな
わちセンサ41,42の信号の瞬断ではなく、オペレー
タがティルトレバー8の操作を実際に止めたときに、テ
ィルトオフモードに応じた開弁指令値、つまり「0アン
ペア」が指令されることになる。また、定速モードおよ
びショックレスモードのときは、図9(a),(b)に
示すようにその時のモードに応じたソレノイド電流値が
指令される。また、ティルトオフモード中(今回モード
と実行モードが共にティルトオフモード)は「0アンペ
ア」に保持される。
【0071】ステップ140においては、今回モードフ
ラグ(第1フラグ)の内容を実行モードフラグ(第2フ
ラグ)にセットする。例えば、スイッチ接点部やハーネ
スの接続部での接触不良等が原因でスイッチ41(4
2)からの信号が瞬断した場合には、図2(a)に示す
ように、カウンタ58の計数値がΔTに相当する値に達
する前に、スイッチ41(42)からの入力信号が再び
オンになる。そのため、次回のステップ10の処理にお
いて、今回のティルトモードがティルトオフモードでな
くなるため、瞬断フラグがクリア(S40)されてカウ
ンタ58がクリアされる(S120)。従って、瞬断時
には電磁弁27が閉弁されることがない。
【0072】また、オペレータがティルトレバー8の操
作を実際に止めたときには、その時点からΔT経過後に
電磁弁27が閉弁される。電磁弁27の閉弁時期がこの
ようにティルトレバー8の操作停止時からΔT遅れるこ
とになるが、ティルトレバー8の操作を停止したこと
で、ティルト用手動切換弁19が中立位置に切換えられ
て油路が遮断されるので、マスト4はティルトレバー8
の操作を止めれば遅れなく停止する。
【0073】また、ショックレスモード中は、図2
(a)に示すように、スイッチ41(42)からの入力
信号が瞬断しても、時間に対して一定の傾きで減少する
電流値が指令される。よって、マスト4は所定の停止角
で位置精度良く停止する。また、オペレータがティルト
レバー8の操作を実際に止めても、図2(b)に示すよ
うに、時間に対して一定の傾きで減少する電流値を指令
し続けることになる。しかし、この場合も、ティルト用
手動切換弁19が中立位置に切換えられることで油路が
遮断されるので、マスト4はティルトレバー8の操作を
止めた位置(角度)で直ぐに停止する。
【0074】さらに、フォーク2の姿勢角を微調整する
ためティルトレバー8をインチング操作した場合は、今
回モードが間欠的にティルトオフモードになって、カウ
ンタ58による計時が開始される。しかし、所定時間Δ
Tがその際の間欠時間よりも長く設定されており、計時
時間がΔTに達する前にカウンタ58がクリアされるこ
とになるので、電磁弁27が閉弁することはない。
【0075】仮に所定時間ΔTをインチング操作時の間
欠時間よりも短く設定すると、インチング操作によるテ
ィルト用手動切換弁19の開閉タイミングに対して所定
時間ΔTずつずれたタイミングで電磁弁27(制御弁2
5)が開閉することになる。そのため、インチング操作
してもマスト4がスムーズに動き難かったり、インチン
グ操作による微調整が難しくなることが起こり得る。
【0076】しかし、本実施形態では、インチング操作
時に余程の間欠時間(例えば1〜2秒以上)をとらない
限り、電磁弁27が開弁状態に保持されるので、インチ
ング操作によるフォーク2の姿勢角の微調整のし易さを
損なうことがない。なお、ティルトレバー8の操作を反
対方向に切り換えたときには、その反対側のスイッチ4
2(41)からのオン信号を入力する。このとき、今回
モードがティルトオフモードとはならず、スイッチ42
(41)のオン信号から決まるティルトモードが採用さ
れるため、マスト4の傾動方向の切換わり動作も安定す
る。
【0077】以上詳述した第1実施形態によれば、以下
の効果が得られる。 (1)ティルトレバー8が操作されているにも拘わら
ず、スイッチ41(42)からの信号が瞬断しても、そ
の瞬断時間が所定時間ΔTに達したときに限り、電磁弁
27(制御弁25)を閉弁するようにしたので、スイッ
チ41(42)からの入力信号の瞬断によるマスト4の
がたつきをなくすことができる。
【0078】(2)ティルト用手動切換弁19と電磁弁
27とをティルトシリンダ5の油路上に直列に設けた油
圧回路構成を採用したため、電磁弁27の閉弁時期を所
定時間ΔT遅らせても、オペレータが実際にティルトレ
バー8の操作を停止した場合は、ティルト用手動切換弁
19が閉弁することでマスト4を直ぐに停止できる。ま
た、マスト4の停止遅れの心配がないことから、所定時
間ΔTを入力信号が瞬断する時間よりも十分長く設定す
ることができる。
【0079】(3)スイッチ41(42)からの入力信
号が瞬断した際には、その瞬断時間が所定時間ΔTに達
するまでの間、CPU54が指令値を保持するようにし
たが、ショックレス中においては、スイッチ41(4
2)からの入力信号がたとえ瞬断しても、電流指令値を
時間に対して一定の傾きで減少させる制御を継続するの
で、マスト4を停止すべき所定停止角に精度良く停止さ
せることができる。例えば、マスト4をその際の揚高と
荷重から決まる前傾規制角で確実に停止させることがで
き、前傾規制角を超えるような不具合を回避できる。従
って、車両の後輪が浮き上がるなどの不安定状態を確実
に回避できる。また、操作スイッチ43を押しながら自
動水平停止操作を行った際に、フォーク2を精度良く水
平な姿勢で自動停止させることができ、その後の荷役作
業をし易くできる。
【0080】(4)瞬断対策のために設定した所定時間
ΔTを、ティルトレバー8のインチング操作時の間欠時
間よりも長くし、インチング操作時に電磁弁27が開弁
状態に保持されるようにしたので、インチング操作に支
障を来さない。つまり、フォーク2の姿勢を微調整する
ために行うインチング操作のし易さを損なわずに済む。
【0081】(第2実施形態)次に、本発明を具体化し
た第2実施形態を図10,図11に従って説明する。本
実施形態ではCPU54による電流値制御処理が異なる
のみで、他の構成及び制御については前記第1実施形態
と同じである。
【0082】第1実施形態では、入力信号の瞬断のとき
に電磁弁27の開度指令値を保持する弁開度保持型とし
たが、本実施形態は、入力信号の瞬断のときに今回ティ
ルトモードを保持するモード保持型である。
【0083】以下、CPU54による電流値制御処理を
図9に従って説明する。ステップ210において、各ス
イッチ41〜43及びセンサ44〜46からの信号を検
出し、各検出値をそれぞれの変数(例えばx1,x2,〜x6)
に記録(記憶)する。
【0084】ステップ220においては、前傾スイッチ
41の信号変数(例えばx1)と後傾スイッチ42の信号
変数(例えばx2)の両方がオフであるか否かを判断す
る。両信号変数のいずれか一方でもオンしていれば、ス
テップ250に進む。一方、両信号変数が両方共にオフ
であれば、ステップ230において、瞬断フラグをオン
にする。
【0085】ステップ240においては、瞬断時間がΔ
Tに達したか否かを判断する。つまり、カウンタ58の
計数値が所定時間ΔTに相当する値を計数し終わったか
否かを判断する。ここで、所定時間ΔTは、前記第1実
施形態と同じ理由により、スイッチ41,42の信号の
瞬断時間より長く、かつ、ティルトレバー8をインチン
グ操作(寸動操作)するときの操作間隔(間欠時間)よ
りも長く、例えば0.4〜2秒の範囲内の値に設定され
ている。
【0086】瞬断時間が所定時間ΔTに達したときと、
信号変数(例えばx1,x2)のいずれか一方がオンのとき
は、ステップ250において、瞬断フラグをクリアす
る。そして、次のステップ260において、瞬断計測用
のカウンタ58をクリアする。
【0087】一方、瞬断時間が所定時間ΔTに達してい
ないときは、ステップ270において、瞬断計測用のカ
ウンタ58を「1」加算(インクリメント)する。そし
て、次のステップ280において、実行中のティルトモ
ードを判定する。実行モードが定速モード以外のとき
は、瞬断フラグをクリアし(S250)、カウンタ58
をクリアする(S260)。一方、実行モードが前傾定
速モードのときは、ステップ290において、前傾スイ
ッチ41の信号変数(例えばx1)を「オン」に書き換え
る。また、実行モードが後傾定速モードのときは、ステ
ップ300において、後傾スイッチ42の信号変数(例
えばx2)を「オン」に書き換える。
【0088】ステップ310においては、実行モード
と、センサ・スイッチ変数(x1,x2,〜x6)とから、車両
状態を検知し、今回モードを決定する。今回モードは第
1フラグにセットされる。このため、定速モード中にお
けるスイッチ41,42の信号瞬断時は、信号オフとな
ってもその信号変数がオンに書き換えらえるので、瞬断
前の今回モードが保持される。
【0089】次のステップ320において、今回モード
に応じた開弁指令値(ソレノイド電流指令値)を指令す
る。定速モードまたはショックレスモード中にオペレー
タがティルトレバー8の操作を実際に止めたときは、瞬
断時間が所定時間ΔTに達するまでの間、今回モードが
瞬断前のティルトモードに保持され、その後、ティルト
オフモードに切り換わって初めて「0アンペア」が指令
される。また、定速モードまたはショックレスモード中
にセンサ41,42の信号が接触不良などの原因により
瞬断したときは、その瞬断中、今回モードが瞬断前のテ
ィルトモードに保持され続けるため、「0アンペア」が
指令されることはない。なお、定速モードおよびショッ
クレスモードのときは、図8に示すようにその時のモー
ドに応じた電流指令値が指令される。また、ティルトオ
フモード中(今回モードと実行モードが共にティルトオ
フモード)は「0アンペア」に保持される。
【0090】ステップ330においては、今回モードフ
ラグ(第1フラグ)の内容を実行モードフラグ(第2フ
ラグ)にセットする。第2フラグにセットされた実行モ
ードは、次回処理時に、今回モードを決定するため(S
310)と、瞬断対策処理を行うためのS280におい
て用いられる。
【0091】例えば、スイッチ接点部やハーネスの接続
部での接触不良等が原因でスイッチ41(42)からの
信号が瞬断した場合には、図11(a)に示すように、
その瞬断時間が所定時間ΔTに満たないため、定速モー
ドあるいはショックレスモード時の電流値が指令され続
けることになる。そのため、電磁弁27は閉弁されな
い。よって、スイッチ41(42)からの入力信号の瞬
断によるマスト4の傾動動作のがたつきを防止できる。
【0092】また、図11(b)に示すように、オペレ
ータがティルトレバー8の操作を実際に止めたときに
は、その時点からΔT経過後に、第2フラグのセット内
容が定速モードあるいはショックレスモードからティル
トオフモードに変更され、この時に電磁弁27が閉弁さ
れる。このように電磁弁27がティルトレバー8の操作
停止時期から遅れて閉弁するが、ティルトレバー8の操
作を止めることでティルト用手動切換弁19が中立位置
に切換えられて油路が遮断される。そのため、ティルト
レバー8の操作を止めた時にマスト4を直ぐに停止させ
ることができる。
【0093】さらに、ティルトレバー8をインチング操
作するときには所定時間ΔTより短い間欠時間で操作さ
れるため、電磁弁27が開弁状態に保持される。従っ
て、インチング操作によるフォーク2の姿勢角の微調整
のし易さを損なうことがない。
【0094】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、例えば次のように具体化してもよい。 ○ 前記各実施形態では、レバー操作で切換えられる手
動切換弁と直列に電磁弁を設けた構成に実施したが、例
えば特開平7−61792号公報等に開示された油圧制
御装置において、荷役レバーの操作を検知した検知信号
に基づいて油圧シリンダの油路を切換えるため切換制御
される電磁切換弁の制御に対し、瞬断対策処理を採用し
た構成で実施してもよい。この構成では、レバー操作の
停止に所定時間ΔT遅れて荷役機器の動作が停止するこ
とになるが、ΔTの設定時間を瞬断によるオフ時間(例
えば1〜100ミリ秒)よりも長い範囲でなるべく短か
めの値(例えば0.1〜0.3秒)に設定すれば、操作
上支障を来すことはない。そして、レバーの操作を検知
するスイッチからの入力信号が瞬断したことに起因する
荷役機器の動作のがたつきを減らすことができる。ま
た、インチング操作時の微調整のし易さをできるだけ損
なわないように、信号の瞬断時間よりも長い範囲ででき
るだけ短めにすることが好ましい。
【0095】○ 前記各実施形態では、ティルトレバー
8の操作中にオンしているスイッチ41(42)からの
信号がオフしたときに、ノーマルクローズ弁である電磁
弁27を閉弁させる制御としたが、電磁弁をノーマルオ
ープン弁とし、ティルトレバー8の操作中にオンしてい
るスイッチ41(42)からの信号がオフしたときに電
磁弁を開弁させる制御としてもよい。この構成であって
も、例えばマスト4の高揚高時の後傾動作のときにスイ
ッチ41(42)からの信号が瞬断によりオフしても、
電磁弁の開度が半開から全開になることが瞬断対策処理
により避けられるので、マスト4の後傾動作ががたつく
ことがない。
【0096】○ リフトシリンダの油路に電磁弁を設
け、この電磁弁によりフォークの速度制御や停止制御を
行う構成において、瞬断対策処理を実施してもよい。こ
の構成によっても、リフトレバーを操作中にあるにも拘
わらず、リフトレバーの操作を検知するスイッチからの
入力信号が瞬断しても、この種の瞬断に起因するフォー
クの動作のがたつきを防止することができる。また、電
磁弁をリフト系の油路上にリフト用手動切換弁と直列に
設ければ(例えば図3における管路20上に設けれ
る)、電磁弁の閉弁時期の遅れを考慮する必要がなくな
るので、ΔTを長く設定できる。そのため、インチング
操作の操作間隔(間欠時間)よりもΔTを長く設定する
ことで、インチング操作によるフォークの高さ方向の位
置調整のし易さを損なわずに済む。もちろん、リーチ式
フォークリフトにおけるリーチシリンダの油路に電磁弁
を設けた構成において、この電磁弁の制御に瞬断対策処
理を実施してもよい。さらに、フォークを車幅方向にス
ライドさせるために設けられたサイドシリンダの油路に
電磁弁を設けた構成において、この電磁弁の制御に瞬断
対策処理を実施してもよい。
【0097】○ エンジンフォークリフトに限らず、バ
ッテリフォークリフトにおいて実施してもよい。 ○ フォークリフト以外の産業車両において実施しても
よい。例えば、パワーショベルや高所作業車の油圧制御
装置において実施することもできる。
【0098】前記各実施形態及び変更例から把握できる
請求項に係る発明以外の技術的思想(発明)を、その効
果とともに以下に記載する。 (イ)請求項2、請求項乃至請求項のいずれか一項
に記載の発明において、前記制御手段は、前記検知器か
らの操作信号が切れても、その操作信号が切れた状態が
前記所定時間経過するまでの間は、操作部が操作されて
いるものとみなすように設定されている。この構成によ
れば、検知器からの操作信号が切れても、その操作信号
が切れた状態が所定時間経過するまでの間は、操作部が
操作されているものとみなされる。従って、請求項2、
請求項乃至請求項のいずれか一項と同様の効果が得
られる。なお、操作部が操作されているとみなすとは、
第2実施形態での第2モードフラグのセット内容(実行
モード)が、操作信号が切れても所定時間が経過するま
での間は、ティルトオフモードにしないことを指す。
【0099】(ロ)請求項1又は請求項2に記載の発明
において、前記電磁弁は、前記操作部が操作されたとき
に前記油圧シリンダを駆動させるべく前記油路を切換え
るための電磁切換弁であり、前記所定時間は、前記検知
器からの操作信号が接触不良等の原因で瞬間的に切れる
時間よりも長い微小時間である。この構成によれば、操
作部が操作されたことを検知した検知器からの操作信号
に基づいて電磁切換弁が油路を開くように切換えられる
ことで油圧シリンダが駆動する。検知器からの操作信号
が接触不良等の原因で瞬間的に切れても、電磁切換弁が
開弁状態に保持されるので、操作信号の瞬断に起因する
荷役機器のがたつきを防止できる。また、操作部の操作
が実際に停止されたときに、電磁切換弁が微小時間遅れ
て閉弁状態に切換えられるが、荷役機器の停止の遅れは
微小時間であるためほとんど支障がない。なお、微小時
間は、例えば0.1〜0.3秒が好ましい。
【0100】(ハ)請求項1〜請求項7のいずれか一項
に記載の発明において、前記油圧シリンダは、荷役機器
を昇降させるリフトシリンダである。この構成によれ
ば、操作部を検知する検知器からの操作信号が接触不良
等の原因で瞬間的に切れても、荷役機器の昇降動作のが
たつきを防止できる。その他、請求項2〜請求項7の発
明と同様の効果を得ることができる。
【0101】(ニ)請求項1〜請求項9のいずれか一項
に記載の発明において、前記所定時間は、前記検知器か
らの操作信号が接触不良等の原因で瞬間的に切れる時間
よりも長く設定されている。
【0102】(ホ)請求項1〜請求項9のいずれか一項
に記載の発明において、前記制御手段は、操作信号が切
れた時間を計時する計時手段と、該計時手段により計時
された時間が前記所定時間に達したか否かを判断するた
めの判断手段とを備えている。この構成によれば、所定
時間が微小時間であっても計時手段により精度良く計時
されるので、信頼性が高まる。なお、前記各実施形態に
おいて、カウンタ58が計時手段を、CPU54が判断
手段を構成する。
【0103】(ヘ)請求項1〜請求項9のいずれか一項
に記載の発明において、前記検知器は接触式検知器であ
る。この構成によれば、接点の接触不良の原因で出力信
号の瞬断が比較的起こり易い接触式検知器を使用した場
合に、荷役機器の動作のがたつきを防止するうえで特に
有効である。
【0104】(ト)請求項1〜請求項9のいずれか一項
に記載の油圧回路の電磁弁制御装置を備えている産業車
両。この構成によれば、請求項1〜請求項9のいずれか
一項に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0105】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1に記載の発
明によれば、操作部が操作されたことを検知する検知器
からの操作信号が切れても、この切れた状態が所定時間
継続したときに限り、電磁弁を閉弁するようにしたの
で、操作部の操作中に接触不良等が原因で検知器からの
操作信号が瞬間的に切れたことに起因する荷役機器のが
たつきを防止することができる。また、所定時間を、イ
ンチング操作時に検知器からの操作信号が切れる間欠時
間よりも長く設定したので、インチング操作時に電磁弁
を開弁状態に保持でき、荷役機器の微調整のし易さを損
なわずに済む。
【0106】請求項2に記載の発明によれば、操作部が
操作されたことを検知する検知器からの操作信号が切れ
ても、この切れた状態が所定時間継続したときに限り、
電磁弁を閉弁するようにしたので、操作部の操作中に接
触不良等が原因で検知器からの操作信号が瞬間的に切れ
たことに起因する荷役機器のがたつきを防止することが
できる。また、油圧シリンダの油路上に手動切換弁と直
列に電磁弁を設けたので、操作部の操作を実際に停止し
たときに電磁弁が所定時間遅れて閉弁しても、手動切換
弁が閉弁するため、操作部の操作停止後直ちに荷役機器
を停止することができる。さらに、所定時間を、インチ
ング操作時に検知器からの操作信号が切れる間欠時間よ
りも長く設定したので、インチング操作時に電磁弁を開
弁状態に保持でき、荷役機器の微調整のし易さを損なわ
ずに済む。
【0107】請求項3に記載の発明によれば、検知器か
らの操作信号が切れた状態が所定時間継続したときに限
り、油圧シリンダの油路上に手動切換弁と直列に設けら
れた電磁弁を操作信号の非入力時の開度にするようにし
たので、検知器からの操作信号が接触不良等の原因で瞬
間的に切れても、荷役機器のがたつきを防止できる。ま
た、操作部の操作が実際に停止されたときには、手動切
換弁が閉弁されることで、操作部の操作を停止した時点
で荷役機器の動作を直ちに停止できる。
【0108】請求項4に記載の発明によれば、所定時間
を、インチング操作時に検知器からの操作信号が切れる
間欠時間よりも長く設定したので、インチング操作時に
電磁弁を開弁状態に保持でき、荷役機器の微調整のし易
さを損なわずに済む。
【0109】請求項5に記載の発明によれば、電磁弁の
開度を徐々に絞る停止制御の実行中は、検知器からの操
作信号が切れても、停止制御を継続させるようにしたの
で、荷役機器を所定状態に精度良く停止させることがで
き、しかも操作部の操作を実際に停止したときに荷役機
器を直ぐに停止できる。
【0110】請求項6に記載の発明によれば、電磁弁の
開度を徐々に絞る停止制御中は、検知器からの操作信号
が切れても、この切れた状態が所定時間を経過するまで
は、停止制御を継続させるようにしたので、検知器の操
作信号が接触不良等が原因で瞬間的に切れても、荷役機
器を所定状態に精度良く停止させることができる。
【0111】請求項7に記載の発明によれば、油圧シリ
ンダは、荷役機器を昇降可能に支持するマストを前後に
傾動させるためのものであるので、操作部の操作中に検
知器からの操作信号が接触不良等の原因で瞬間的に切れ
たことに起因するマストの傾動動作のがたつきを防止す
ることができる。
【0112】請求項8に記載の発明によれば、車両の前
後方向の重心移動による不安定状態を検出する車両状態
検出手段からの検出信号に基づいて算出された最大許容
前傾角でマストを停止させる停止制御中において、検知
器からの操作信号が接触不良等の原因で瞬間的に切れて
も、停止制御が継続されるようにしたので、マストを最
大許容前傾角で確実に停止させることができる。
【0113】請求項9に記載の発明によれば、マストを
水平設定角で停止させる停止制御中において、検知器か
らの操作信号が接触不良等の原因で瞬間的に切れても、
停止制御が継続されるようにしたので、荷役機器を精度
良く水平な姿勢に停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における電流値制御処理のフロー
チャート。
【図2】(a)は瞬断時、(b)は操作停止時における
電流指令値を示すタイムチャート。
【図3】フォークリフトの荷役系の油圧回路図。
【図4】ティルトレバーの一部破断側面図。
【図5】フォークリフトの側面図。
【図6】電磁弁制御装置の電気構成ブロック図。
【図7】前傾規制角を求めるためのマップ図。
【図8】ティルト角とティルトモードとの関係を示すグ
ラフ。
【図9】ティルトモードと電流指令値との関係を示すグ
ラフ。
【図10】第2実施形態における電流値制御処理のフロ
ーチャート。
【図11】(a)は瞬断時、(b)は操作停止時におけ
る電流指令値を示すタイムチャート。
【符号の説明】
1…産業車両としてのフォークリフト、2…荷役機器と
してのフォーク、4…マスト、5…油圧シリンダとして
のティルトシリンダ、8…操作部としてのティルトレバ
ー、19…手動切換弁としてのティルト用手動切換弁、
25…電磁弁を構成する制御弁、26…電磁弁を構成す
る比例ソレノイド弁、27…電磁弁、39…制御手段と
してのコントローラ、41…検知器としての前傾スイッ
チ、42…検知器としての後傾スイッチ、44…車両状
態検出手段を構成する揚高センサ、46…車両状態検出
手段を構成する圧力センサ、54…制御手段及び車両状
態検出手段を構成するCPU、58…カウンタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66F 9/22,9/24

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操作部が操作されたことを検知する検知
    器と、 荷役機器を駆動するための油圧シリンダの油路を開閉す
    めの電磁弁と、 前記検知器からの前記操作部が操作されたときの操作信
    号の入力時に前記電磁弁を開弁させるとともに、前記操
    作信号の非入力時に前記電磁弁を閉弁させる制御手段と
    を備え、 前記制御手段は、前記検知器から入力していた前記操作
    信号が切れ、この切れた状態が、前記荷役機器の微調整
    をするために行う前記操作部のインチング操作時に前記
    検知器からの操作信号が切れる間欠時間よりも長く設定
    されている所定時間継続したときに限り、前記電磁弁を
    閉弁させる産業車両における油圧回路の電磁弁制御装
    置。
  2. 【請求項2】 操作部が操作されたことを検知する検知
    器と、 荷役機器を駆動するための油圧シリンダの油路を開閉す
    るための電磁弁と、 前記検知器からの前記操作部が操作されたときの操作信
    号の入力時に前記電磁弁を開弁させるとともに、前記操
    作信号の非入力時に前記電磁弁を閉弁させる制御手段と
    を備え、 前記制御手段は、前記検知器から入力していた前記操作
    信号が切れ、この切れた状態が予め設定した所定時間継
    続したときに限り、前記電磁弁を閉弁させる産業車両に
    おける油圧回路の電磁弁制御装置にあって、 前記電磁弁は、前記油圧シリンダの油路上に、前記操作
    部を操作することにより切換駆動される手動切換弁と直
    列に設けられ 前記所定時間は、前記荷役機器を微動させるために行う
    前記操作部のインチング操作時に前記検知器からの操作
    信号が切れる間欠時間よりも長く設定されている産業車
    両における油圧回路の電磁弁制御装置。
  3. 【請求項3】 荷役機器を駆動するための油圧シリンダ
    の油路上に、操作部を操作することにより切換駆動され
    る手動切換弁と電磁弁とを直列に設け、操作部が操作さ
    れたことを検知する検知器と、該検知器から前記操作部
    が操作されたときの操作信号を入力すると、前記電磁弁
    を前記操作信号の非入力時の開度から、前記荷役機器の
    動作を制御するうえで必要な開度にする制御手段とを備
    え、 前記制御手段は、前記検知器から入力していた操作信号
    が切れても、この切れた状態が予め設定した所定時間継
    続したときに限り、前記電磁弁を操作信号の非入力時の
    開度にする産業車両における油圧回路の電磁弁制御装
    置。
  4. 【請求項4】 前記所定時間は、前記荷役機器を微動さ
    せるために行う前記操作部のインチング操作時に前記検
    知器からの操作信号が切れる間欠時間よりも長く設定さ
    れている請求項3に記載の産業車両における油圧回路の
    電磁弁制御装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記荷役機器を所定状
    態に停止させる際に予めその手前で減速させるべく前記
    電磁弁の開度を徐々に絞る停止制御を行い、この停止制
    御の実行中は、前記検知器からの操作信号が切れても、
    当該停止制御を継続するように設定されている請求項2
    〜請求項4のいずれか一項に記載の産業車両における油
    圧回路の電磁弁制御装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、前記荷役機器を所定状
    態に停止させる際に予めその手前で前記電磁弁の開度を
    徐々に絞る停止制御を行い、この停止制御の実行中は、
    前記検知器からの操作信号が切れても、この切れた状態
    が前記所定時間を経過するまでは、当該停止制御を継続
    するように設定されている請求項2〜請求項4のいずれ
    か一項に記載の産業車両における油圧回路の電磁弁制御
    装置。
  7. 【請求項7】 前記油圧シリンダは、前記荷役機器を昇
    降可能に支持するマストを前後に傾動させるためのもの
    である請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の産業
    車両における油圧回路の電磁弁制御装置。
  8. 【請求項8】 前記油圧シリンダは、前記荷役機器を昇
    降可能に支持するマストを前後に傾動させるためのもの
    であり、該荷役機器を前記所定状態に停止させるための
    マストの停止角は、車両の前後方向の重心移動に起因す
    る不安定状態を検出する車両状態検出手段からの検出信
    号に基づいて前記制御手段が算出するマストの最大許容
    前傾角である請求項又は請求項に記載の産業車両に
    おける油圧回路の電磁弁制御装置。
  9. 【請求項9】 前記油圧シリンダは、前記荷役機器を昇
    降可能に支持するマストを前後に傾動させるためのもの
    であり、該荷役機器を前記所定状態に停止させるための
    マストの停止角は、前記荷役機器を水平姿勢にするマス
    トの水平設定角である請求項又は請求項に記載の産
    業車両における油圧回路の電磁弁制御装置。
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