JP3171301B2 - 埋込ゲート型半導体装置 - Google Patents

埋込ゲート型半導体装置

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JP3171301B2 JP32882094A JP32882094A JP3171301B2 JP 3171301 B2 JP3171301 B2 JP 3171301B2 JP 32882094 A JP32882094 A JP 32882094A JP 32882094 A JP32882094 A JP 32882094A JP 3171301 B2 JP3171301 B2 JP 3171301B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、埋込ゲート型半導体装
置に関し、特に電力用半導体スイッチとして好適な埋込
ゲート型静電誘導サイリスタまたは静電誘導トランジス
タ等の高耐圧埋込ゲート型半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置の高耐圧化のため、ア
ノード領域やゲート領域を外側から囲むガードリング
(フィールド・リミッティング・リングとも呼ばれる)
を形成し、電界集中を緩和して高耐圧化を図ることが開
発され、これをさらに改善する多くの提案がなされてい
る。これについては、例えば、特公昭52−3277号
公報、特開平4−206574号公報等に開示されてい
る。
【0003】図9は従来の高耐圧半導体装置の第1の例
の断面図である。
【0004】これは上記特公昭52−3277号公報に
開示されたもので、ダイオードにガードリングを適用し
て高耐圧化を図った例である。N型シリコン基板61の
上面にP型アノード領域62を設け、N型シリコン基板
61をカソード領域とする。アノード領域62の外側を
間隔をおいて囲むように二つのP型ガードリング63,
64を設ける。アノード領域62にアノード電極65、
シリコン基板61の下面にカソード電極66を設ける。
シリコン基板61の表面を高抵抗多結晶シリコン層67
で覆い、その表面をSiO2 膜68で覆う。
【0005】このように、ガードリング63,64を設
けると、空乏層の広がりの曲線が緩やかになり、電界集
中が緩和され、耐圧が向上する。しかし、ガードリング
を設けても耐圧が十分に向上しない場合がある。例え
ば、半導体基板表面に直接にSiO2 膜が形成されてお
り、SiO2 膜中にNa+ などの正イオンが含まれてい
るとすると、使用中に正イオンが徐々に半導体基板表面
とSiO2 膜との界面に集まってきて、半導体基板表面
に正の表面準位Qssが生じ、これによって低濃度のP
型領域がN型に反転して反転層を形成し、反転層が生じ
ることによってPN接合の表面が大きな曲率で以て屈折
するので、局部的に強い電界が生じて耐圧が下がる。表
面に高抵抗多結晶シリコン層57を設けると、高抵抗多
結晶シリコン層に微弱電流が流れるため高抵抗多結晶シ
リコン層中に正電荷が存在しなくなり、表面準位Qss
が生ずるのを回避することができるので、反転層が生ぜ
ず、強い電界が局部的に発生することがなく、電界集中
が緩和され、耐圧が向上する。
【0006】図10は従来の高耐圧半導体装置の第2の
例の断面図である。
【0007】これは、上記特開平4−206574号公
報に開示されたもので、埋込ゲート型静電誘導サイリス
タにガードリングを適用した例である。N- 型ベース領
域71の下面にP+ 型アノード領域72を設け、上面に
+ 型カソード領域73を設ける。アノード領域72と
カソード領域73との中間のN- 型ベース領域71にP
+ 型ゲート領域74と複数個のP+ 型埋込ゲート領域7
5と少なくとも一つのP+ 型ガードリング76を設け
る。ガードリング76は、ゲート領域74の隣に間隔を
おいてかつ前記ゲート領域74の外側を囲むように設け
る。カソード領域73の表面を選択的にマスクしてお
き、カソード領域76側から選択エッチしてゲート領域
74の一部およびガードリング76を露出させる。熱酸
化によるSiO2 膜77、化学的気相成長(CVD)法
によるSiO2 膜78を形成し、選択エッチングして電
極形成領域を窓あけした後、アノード電極79、カソー
ド電極80、ゲート電極81を形成する。しかる後、パ
ッシベーション膜としてCVD法によるSiO2 膜82
を形成する。
【0008】この埋込ゲート型静電誘導サイリスタにお
いて、ゲート領域74の外側にガードリング76を設け
ると、ゲート電極81に近い側のガードリング76から
順にピンチオフされることによって、ゲート領域74の
外側の表面の電界集中が緩和され、耐圧が向上する。
【0009】図11は埋込ゲート型静電誘導サイリスタ
のガードリングとパッシベーション膜と電界緩和との関
係を説明するための断面図および電圧分布図である。た
だし、図11には図10の右半分に相当する部分のみ示
している。
【0010】静電誘導サイリスタのアノード電極79に
正の電圧、カソード電極80に負の電圧を印加し、ゲー
ト電極81を接地すると逆バイアスがかかり、空乏層8
4は図示するように広がる。ガードリング76a〜76
cは電気的に浮遊状態であり、ガードリングとガードリ
ングとの間のフィールド領域には空乏層が広がり、電圧
がかかっている。この電圧は実線85で示したような分
布になり、ゲート領域74から離れるに従って段々電圧
は低くなるように電圧を分担させて、どの点においても
電界がシリコンの降伏点以下になるようにして高耐圧を
得ている。
【0011】パッシベーション膜83にSiO2 膜を用
い、SiO2 膜中に正電荷が含まれている場合、使用中
に正電荷が半導体基板表面とSiO2 膜との界面に集ま
り、半導体基板表面付近に正の電圧がかかり、逆バイア
ス時の空乏層84の伸びが表面付近で悪くなる。そのた
め、表面付近の電界が上昇し、遂にはシリコンのブレー
クダウン限界を越えて降伏してしまう。また、SiO2
は、Na+ などの正の可動イオン以外に元々界面に固定
電荷を持っており、表面付近で電界集中を起こし易い傾
向があるので、SiO2 膜をパッシベーション膜に用い
て耐圧を上げるのには限界がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】埋込ゲート型静電誘導
サイリスタの耐圧を上げる目的で、パッシベーション膜
83としてSiO2 膜の代わりに高抵抗多結晶シリコン
膜を用いた場合、矢印87で示す方向に微弱電流が流れ
るため高抵抗多結晶シリコン膜中に正電荷が存在せず、
基板表面に負電圧がかかり、空乏層は伸ばされ、電界は
緩和される。しかし、フィールド領域の電圧分布は、図
11に破線86で示すように、ゲート領域74から離れ
るに従って段々電圧は高くなり、期待していた高耐圧が
得られないという問題がある。このことは、パッシベー
ション膜83としてSiO2 膜を用いた場合のガードリ
ングの配置をした埋込ゲート型半導体装置において、パ
ッシベーション膜だけを高抵抗多結晶シリコン膜に置換
えても耐圧を上げることはできないことを示している。
このように、埋込ゲート型半導体装置の高耐圧化には未
解決の問題があり、所望の高い耐圧を有する埋込ゲート
型半導体装置を得るのは難しいという問題があった。ま
た、パッシベーション膜にSiO2 膜を用いると使用中
に耐圧の劣化が起こるので長寿命の埋込ゲート型半導体
装置を得るのが難しいという問題があった。
【0013】本発明の目的は、複雑な構造や製造方法を
必要とせずに製造することのできる高耐圧で長寿命の埋
込ゲート型半導体装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明は、一導電型の
半導体基板と、この半導体基板の下面に設けられた逆導
電型のアノード領域と、この半導体基板の上面に設けら
れた一導電型のカソード領域と、前記アノード領域とカ
ソード領域との中間に設けられた逆導電型のゲート領域
および埋込型ゲート領域と、前記ゲート領域の外側を間
隔をおいて囲む複数本の逆導電型ガードリングと、前記
ゲート領域の一部と前記ガードリングを露出せしめる凹
部と、前記ゲート領域の一部と前記ガードリングの露出
表面を覆うパッシベーション膜とを有する埋込型半導体
素子において、前記パッシベーション膜が比抵抗10 6
〜10 9 Ω・cmの高抵抗多結晶シリコン膜を少なくと
も含む膜からなり、前記ゲート領域とこれに最も近いガ
ードリングとの間隔をa、前記ゲート領域に近い順に付
したガードリングの番号をn、定数をcとするとき、ガ
ードリングとガードリングとの間隔が a+(n−1)c となるように配置され、且つ、前記間隔aはガードリン
グ本数が増えるに従って小さい値になることを特徴とす
【0015】
【0016】本発明は、前記aが a=A0 exp(−αn) A0 =91.4〜94.2 α=0.201〜0.150 で与えられることを特徴とする。
【0017】本発明は、前記cの値が5〜7μmである
ことを特徴とする。
【0018】本発明は、前記パッシベーション膜が酸素
を含有する高抵抗多結晶シリコン膜とその上に設けられ
た耐湿性絶縁膜とからなることを特徴とする。
【0019】本発明は、前記耐湿性絶縁膜が窒化シリコ
ン膜であることを特徴とする。
【0020】
【作用】ガードリングを有する埋込ゲート型半導体装置
においては、SiO2 をパッシベーション膜に用いたと
きと同じ寸法の設計でパッシベーション膜を高抵抗多結
晶シリコンに変えても高耐圧は得られない。高抵抗多結
晶シリコンを用いるときは高抵抗多結晶シリコンに合っ
たガードリング間隔にしなければ耐圧が上がらないこと
が実験で確かめられた。ガードリング間隔をゲート領域
から離れるに従って段々広くするようにすると高耐圧埋
込ゲート型半導体装置が得られる。
【0021】ゲート領域からこれに最も近いガードリン
グとの間隔aは、ガードリングの本数に依存し、ガード
リングの本数が多くなるに従ってaは小さくなる。この
ようにすると、高耐圧埋込ゲート型半導体装置が得られ
る。
【0022】前述のaは指数関数に従って小さくなる。
これを a=A0 exp(−αn) と表すと、定数A0 とαは、実験から、 A0 =91.4〜94.2 α=0.201〜0.150 で与えられる。
【0023】ガードリング間隔をゲート領域から離れる
に従って段々広くするときの差cは、5〜7μmが適当
である。
【0024】本発明は、パッシベーション膜を酸素を含
有する高抵抗多結晶シリコン膜とその上に設けられた耐
湿性絶縁膜とで構成すると、水分の侵入を防ぎ、高耐圧
で劣化のない埋込ゲート型半導体装置が得られる。
【0025】耐湿性絶縁膜として窒化シリコン膜が適当
である。
【0026】
【実施例】
(予備実験)最初に、本発明に関係する予備実験につい
て説明する。先に図11で説明したように、同じ寸法の
半導体装置でパッシベーション膜だけ高抵抗多結晶シリ
コンに変えても高耐圧は得られない。耐圧は、パッシベ
ーション膜を変えたとき、ガードリング間隔の影響を大
きく受けることが実験の結果明らかになった。
【0027】図3は耐圧とガードリング間隔との関係を
示す図である。
【0028】図11と同様な埋込ゲート型静電誘導サイ
リスタについて、N- 型シリコン基板の比抵抗を200
〜400Ω・cm、幅b=20μm,接合深さXj =1
6.5μmのガードリングを3本とし、パッシベーショ
ン膜として高抵抗多結晶シリコンおよびSiO2 を用
い、ガードリング間隔を変えたときの耐圧の変化を調べ
た。高抵抗多結晶シリコンは、微弱電流を流し、電荷を
溜めないから表面付近の空乏層が伸ばされ、電界緩和効
果が大きく、SiO2 に比べて最高耐圧が700V程度
高くなっており、ガードリング間隔が同じ40μmのと
きでも200V程度高くなっている。また、SiO2
最適間隔(最高耐圧が得られるガードリング間隔)が4
0μmであるのに対して、高抵抗多結晶シリコンの最適
間隔は60μmであり、高抵抗多結晶シリコンの方がS
iO2 に比べガードリングの最適間隔が20μm程度広
くなっている。高抵抗多結晶シリコンを用いたときの最
高耐圧2300〜2400VをSiO2 を用いて得よう
とすると、ガードリングは2倍の6本必要となり、30
〜40%程度フィールド領域の幅が余分に必要になり、
チップ面積が広くなり、高密度集積化に逆行する。
【0029】図4は半導体装置における電圧分布の測定
に使用される光ビーム誘起電流測定法を説明する図であ
る。
【0030】本発明の実施例に使用する光ビーム誘起電
流測定法について先に説明しておく。被測定試料40と
して、例えば、N型シリコン基板41にアノード領域4
2、カソード領域43、ガードリング44、アノード電
極45、カソード電極46を設けた半導体装置を用意す
る。試料40のアノード電極45とカソード電極46に
プローバ47を接続して逆バイアスを印加して空乏層5
0を広げておき、レーザ装置48からレーザビーム49
を走査させ、発生した電流を測定する。この方法は、光
ビームを試料に照射して誘起される電流を測定するの
で、光ビーム誘起電流(Optcal Beam In
duced Current、以下OBICと略記す
る)測定法と呼ばれる。OBIC測定法は、電流値が高
い程その場所にかかっている電圧が高いことを示す。電
圧、電流値は、相対値を測定しているので任意単位とな
る。この測定方法を用いると、半導体装置における電圧
分布の測定が容易にできるので便利である。
【0031】パッシベーション膜に高抵抗多結晶シリコ
ンを用いたとき、図11に示したように、ゲート領域か
ら離れるに従って電圧が高くなっている。このことは、
ゲート領域から離れるに従って電圧を低くして電界を緩
和するためには、ガードリング間隔が一定では不十分
で、ゲート領域から離れるに従ってガードリング間隔を
広くしなければならないことを予想させる。
【0032】比抵抗200〜400Ω・cmのN- 型シ
リコン基板とパッシベーション膜として高抵抗多結晶シ
リコンを用い、ゲート領域とこれに最も近いガードリン
グとの間隔をa、ゲート領域に近い順に付したガードリ
ングの番号をn、定数をcとするとき、ガードリングと
ガードリングとの間隔を a+(n−1)c となるように配置した埋込ゲート型静電誘導サイリスタ
を用意する。つまり、ゲート領域から離れるに従ってガ
ードリング間隔を広くなるようにした試料を用意する。
【0033】図5は本発明の実施例のガードリング間隔
と電圧分布との関係を示す電圧分布図である。
【0034】図5(a)はゲート領域とガードリングと
の間隔a=30μm,ガードリングの幅b=108m,
定数c=5μmとして7本のガードリング6a〜6gを
設けた埋込ゲート型静電誘導サイリスタについて、図5
(b)はゲート領域とガードリングとの間隔a=20μ
m,ガードリングの幅b=128m,定数c=5μmと
して7本のガードリング6a〜6gを設けた埋込ゲート
型静電誘導サイリスタについて、前述のOBIC法で電
圧分布を測定した結果を示した図である。
【0035】図5(a)に示されるように、間隔a=3
0μmにした場合、ゲート領域から離れるに従って段々
電圧値は下がり、電界集中が緩和され、耐圧が上昇する
ことが示され、好ましい形の電圧分布が得られているこ
とが分かる。これに対して、図5(b)に示されるよう
に、間隔a=20μmにした場合、ゲート領域から離れ
るに従って段々電圧値が上がり、電界集中は緩和され
ず、耐圧が上昇しないことが示され、好ましくない形の
電圧分布となっていること、間隔a=20μmは不適当
値であることが分かる。この二つの例から、ゲート領域
から離れるに従ってガードリング間隔を広くなるように
した場合、間隔aが異なればフィールド領域の電圧分布
が変わり、常に好ましい電圧分布が得られるとは限らな
いこと、好ましい形の電圧分布が得られる最適な間隔a
を求めなければならないことが分かる。実験によれば、
最適間隔aは、ガードリング本数に依存すること、ガー
ドリング本数が7本の場合、最適間隔aは30μmであ
ることが分かった。
【0036】図6は本発明の実施例におけるゲートとガ
ードリングとの間隔aとガードリング本数との関係を示
す図である。
【0037】比抵抗200〜400Ω・cmのN- 型シ
リコン基板、パッシベーション膜として高抵抗多結晶シ
リコンを用いた埋込ゲート型静電誘導サイリスタについ
て、種々のガードリング本数nに対して耐圧が高くなる
間隔aを求めた。その結果、図6に示すように、間隔a
はある幅をもって分布するが、全体をみると指数関数に
従うことが分かった。図6で、最も下の直線33は、 a=91.4exp(−0.201n) 最も上の直線35は、 a=94.2exp(−0.150n) で表され、最適の中央の直線34は、 a=91.8exp(−0.171n) で表される。これらの結果を総合すると、指数関数を a=A0 exp(−αn) で表すとき、 A0 =91.4〜94.2 α=0.201〜0.150 で表される。このようにA0 とαには幅があり、一つの
値に決めることはできない。これは、A0 とαが実験値
であるからである。一般的に、aの値には±5μm程度
の幅がある。種々のガードリング本数について最適間隔
aを求め、その時の耐圧を求めた結果を表1に示す。表
1に示されるように、最適間隔aを用いると、5000
Vまでの高い耐圧を得ることができる。
【0038】
【表1】
【0039】(実施例)次に、本発明の一実施例につい
て説明する。
【0040】図1は本発明の一実施例の断面図である。
【0041】比抵抗200〜400Ω・cmのN- 型シ
リコン基板1の下面にP+ 型アノード領域2を設け、上
面にN+ 型のカソード領域3を設け、アノード領域2と
カソード領域3との中間にP+ 型ゲート領域4、埋込ゲ
ート領域5およびゲート領域の外側を間隔をおいて囲む
複数本(この実施例では3本)のP+ 型ガードリング6
a〜6cを設ける。選択エッチングを行ってゲート領域
4の一部とガードリング6a〜6cを露出せしめる。こ
の露出表面を高抵抗多結晶シリコン膜7と窒化シリコン
膜8とからなるパッシベーション膜で覆う。
【0042】高抵抗多結晶シリコン膜7は、ゲート領域
4の一部とガードリング6a〜6cの露出表面に直接接
触して微弱電流を流し、パッシベーション膜中に正電荷
が依存しないようにするためのもであるから、酸素を含
有させて抵抗値を10 6 〜10 9 Ω・cmに調整する。高
抵抗多結晶シリコン膜7の厚さは、100nmもあれば
十分である。高抵抗多結晶シリコン膜7の耐湿性を高め
るために高抵抗多結晶シリコン膜7の上に耐湿性絶縁膜
として窒化シリコン膜8を設ける。耐湿性絶縁膜は窒化
シリコン膜に限定されないが、高抵抗多結晶シリコン膜
7の耐湿性、絶縁性に優れ、容易に形成できるので最も
適当である。
【0043】先に説明した予備実験の結果から、ゲート
領域4とこれに最も近いガードリング6aとの間隔を
a、ゲート領域4に近い順に付したガードリングの番号
をn、定数をcとするとき、ガードリングとガードリン
グとの間隔を a+(n−1)c となるように設定する。間隔aは、図6および表1で求
めたように、 a=A0 exp(−αn) A0 =91.4〜94.2 α=0.201〜0.150 で与えられる。
【0044】実験によれば、cの値を5〜7μmにする
と好結果が得られる。ガードリングの幅bは60μm以
上あればよい。図1で説明すると、ゲート領域4とガー
ドリング6aとの間隔をaとすると、ガードリング6a
とガードリング6bとの間隔をa+c、ガードリング6
bとガードリング6cとの間隔をa+2cにするという
ように、ガードリングの本数が増えるに従ってガードリ
ングの間隔を広くしていく。
【0045】図2は本発明の実施例のガードリングと電
圧分布との関係を説明する電圧分布図および断面図であ
る。
【0046】パッシベーション膜に高抵抗多結晶シリコ
ン膜を用い、ゲート領域とガードリングとの間隔a=3
4μm,ガードリングの幅b=88μm,定数c=5μ
mとして6本のガードリング6a〜6fを設けた埋込ゲ
ート型静電誘導サイリスタについて、電圧分布を測定し
た。測定は、前述のOBIC測定法で行った。本発明に
従った設計をすると、ゲート領域から離れるに従って段
々電圧値は下がり、電界集中が緩和され、耐圧が上昇す
ることが確認される。
【0047】図7は高温電圧印加試験における耐圧の時
間変化を示す図である。
【0048】図1に示した構造で、パッシベーション膜
に高抵抗多結晶シリコン膜を用いたものとSiO2 膜を
用いた埋込ゲート型静電誘導サイリスタについて高温電
圧印加試験を行った。この試験は、サイリスタのアノー
ドとカソード間に直流800Vを印加した状態で温度8
5℃の恒温槽中に長時間保持する試験である。高抵抗多
結晶シリコン膜を用いたサイリスタでは3000時間を
経過しても劣化が見られないのに対してSiO2 膜を用
いたサイリスタでは500時間経過後から劣化が始ま
り、1000時間では不良になってしまう。このよう
に、高抵抗多結晶シリコン膜とガードリング間隔の選定
をうまく組み合わせると、長時間使用しても劣化を起こ
さず、かつ高耐圧で長寿命の埋込ゲート型静電誘導サイ
リスタを得ることができる。
【0049】図8は多結晶シリコンの屈折率と比抵抗と
の関係を示す図である。
【0050】上記実施例に用いた高抵抗多結晶シリコン
は、温度600〜800℃、圧力10〜100PaでS
iH4 ガスとNO2 ガス(またはO2 ガス)とを反応さ
せる減圧CVD法で作成される。酸素を多量に含む多結
晶シリコンは半絶縁性を示すので、SIPOS(Sem
i−Insulatng PolycrystalSi
liconの略)と呼ばれることもある。シリコン中の
酸素濃度を増加させるとシリコンの比抵抗が増加し、屈
折率が下がる。シリコン中の酸素濃度の測定は難しいの
で屈折率で評価する。多結晶シリコンの比抵抗と屈折率
との間には図8に示す関係がある。多結晶シリコンの比
抵抗が高過ぎると膜中を流れる電流が小さくなり過ぎて
電界緩和硬化が得られなくなり、比抵抗が低過ぎると膜
中を流れる電流が大きくなり過ぎてリーク電流が増大
し、耐圧が下がってしまう。比抵抗106 〜109 Ω・
cmが高抵抗多結晶シリコンの効果が最も発揮される範
囲である。屈折率に換算すると2.3〜3.0となる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、ガー
ドリングを有する埋込ゲート型半導体装置のパッシベー
ション膜に高抵抗多結晶シリコン膜を用い、ガードリン
グ間隔の最適条件を求めたので、高耐圧で長寿命の埋込
ゲート型半導体装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の断面図である。
【図2】本発明の実施例のガードリングと電圧分布との
関係を説明する電圧分布図および断面図である。
【図3】耐圧とガードリング間隔との関係を示す図であ
る。
【図4】半導体装置における電圧分布の測定に使用され
る光ビーム誘起電流測定法を説明する図である。
【図5】本発明の実施例のガードリング間隔と電圧分布
との関係を示す電圧分布図である。
【図6】本発明の実施例におけるゲートとガードリング
の間隔aとガードリング本数との関係を示す図である。
【図7】高温電圧印加試験における耐圧の時間変化を示
す図である。
【図8】多結晶シリコンの屈折率と比抵抗との関係を示
す図である。
【図9】従来の高耐圧半導体装置の第1の例の断面図で
ある。
【図10】従来の高耐圧半導体装置の第2の例の断面図
である。
【図11】埋込ゲート型静電誘導サイリスタのガードリ
ングとパッシベーション膜と電界緩和との関係を説明す
るための断面図および電圧分布図である。
【符号の説明】
1 N- 型シリコン基板 2 P+ 型アノード領域 3 N+ 型カソード領域 4 P+ 型ゲート領域 5 P+ 型埋込ゲート領域 6a〜6g P+ 型ガードリング 7 高抵抗多結晶シリコン膜 8 窒化シリコン膜 9 アノード電極 10 カソード電極 11 ゲート電極 12 空乏層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−206574(JP,A) 特開 昭64−72564(JP,A) 特開 昭59−105362(JP,A) 特開 平5−211156(JP,A) 特開 平8−88346(JP,A) 特開 平8−78661(JP,A) 特開 平7−130983(JP,A) 特開 平6−97469(JP,A) 特開 平1−272152(JP,A) 特開 平1−272151(JP,A) 特開 昭62−88333(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/74

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一導電型の半導体基板と、この半導体基
    板の下面に設けられた逆導電型のアノード領域と、この
    半導体基板の上面に設けられた一導電型のカソード領域
    と、前記アノード領域とカソード領域との中間に設けら
    れた逆導電型のゲート領域および埋込型ゲート領域と、
    前記ゲート領域の外側を間隔をおいて囲む複数本の逆導
    電型ガードリングと、前記ゲート領域の一部と前記ガー
    ドリングを露出せしめる凹部と、前記ゲート領域の一部
    と前記ガードリングの露出表面を覆うパッシベーション
    膜とを有する埋込型半導体素子において、 前記パッシベーション膜が比抵抗10 6 〜10 9 Ω・cm
    の高抵抗多結晶シリコン膜を少なくとも含む膜からな
    り、 前記ゲート領域とこれに最も近いガードリングとの間隔
    をa、前記ゲート領域に近い順に付したガードリングの
    番号をn、定数をcとするとき、ガードリングとガード
    リングとの間隔が a+(n−1)c となるように配置され、且つ、前記間隔aはガードリン
    グ本数が増えるに従って小さい値になることを特徴とす
    る埋込型ゲート型半導体素子。
  2. 【請求項2】 前記間隔aが a =A 0 exp(−αn 0 =91.4〜94.2 α =0.201〜0.150 で与えられ ることを特徴とする請求項1記載の埋込型ゲ
    ート型半導体素子。
  3. 【請求項3】 前記cの値が5〜7μmであることを特
    徴とする請求項記載の埋込型ゲート型半導体素子。
  4. 【請求項4】 前記パッシベーション膜が酸素を含有す
    る高抵抗多結晶シリコン膜とその上に設けられた耐湿性
    製絶縁膜とからなることを特徴とする請求項記載の埋
    込型ゲート型半導体素子。
  5. 【請求項5】 前記耐湿性絶縁膜が窒化シリコン膜であ
    ることを特徴とする請求項記載の埋込型ゲート型半導
    体素子。
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