JP3166094B2 - クマリン誘導体及びそれらの用途 - Google Patents

クマリン誘導体及びそれらの用途

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JP3166094B2 JP24737993A JP24737993A JP3166094B2 JP 3166094 B2 JP3166094 B2 JP 3166094B2 JP 24737993 A JP24737993 A JP 24737993A JP 24737993 A JP24737993 A JP 24737993A JP 3166094 B2 JP3166094 B2 JP 3166094B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、12−リポキシゲナー
ゼを選択的に阻害する新規なクマリン誘導体及びこれら
の化合物を有効成分として含有する医薬に関するもので
あり、更に詳しくは、本発明は、12−リポキシゲナー
ゼ経路における12−リポキシゲナーゼの活性を選択的
に阻害する作用を有する新規なクマリン誘導体、及び当
該化合物を有効成分として含有する動脈硬化、血管攣縮
等の循環器系各種疾患の予防、治療、ある種の癌(ルイ
ス肺癌等)の転移の予防等を目的とした薬剤として有用
な12−リポキシゲナーゼを選択的に阻害する医薬、に
関するものである。本明細書において、IC50値は、あ
る物質が5−リポキシゲナーゼ又は12−リポキシゲナ
ーゼ活性を50%阻害するのに必要なモル濃度である。
【0002】
【従来の技術】アラキドン酸カスケードには、5−リポ
キシゲナーゼ経路と呼ばれる代謝経路が存在し、アラキ
ドン酸は、5−リポキシゲナーゼの作用により5−ヒド
ロペルオキシエイコサテトラエン酸(以下5−HPET
Eと記載することがある)に変換されること等が知られ
ている(室田誠逸編,「プロスタグランディンと病
態」,東京化学同人,1984年)。
【0003】この化合物を中間体として、各種ロイコト
リエン類が生合成されることが知られており(室田誠逸
編,「プロスタグランディンと病態」,東京化学同人,
1984年)、それらのロイコトリエン類のうち、例え
ば、ロイコトリエンB4 は、強力な白血球遊走作用を有
し、炎症のメディエーターであること、また、ロイコト
リエンC4 及びD4 は、喘息のメディエーターであるこ
と等が知られている(室田誠逸編,「プロスタグランデ
ィンと病態」,東京化学同人,1984年)。
【0004】従って、これらのロイコトリエン類の生合
成系の初発酵素である5−リポキシゲナーゼを有効に阻
害し得る薬剤があれば、ロイコトリエン類の過剰産生に
起因する種々の疾患(例えば、アレルギー性疾患、気管
支喘息、浮腫、各種炎症性疾患等)の予防、治療効果を
期待し得るとの観点から、5−リポキシゲナーゼに対し
て阻害作用を有する薬物の探索が広範に行われている。
【0005】一方、アラキドン酸カスケードには、12
−リポキシゲナーゼ経路と呼ばれる代謝経路が存在す
る。12−リポキシゲナーゼは、血小板等に多く存在す
る酵素であり、アラキドン酸に作用して12−ヒドロペ
ルオキシエイコサテトラエン酸(以下12−HPETE
と記載することがある)を生成させ、この化合物は、還
元されて12−ヒドロキシエイコサテトラエン酸(以下
12−HETEと記載することがある)となる。
【0006】この12−リポキシゲナーゼ経路における
代謝産物の生理的意義については、5−リポキシゲナー
ゼ経路におけるそれと比較して、従来、明確にされてい
なかったが、最近、その主要代謝産物である12−HP
ETE及び12−HETEを中心として、当該代謝産物
の種々の生理活性が明らかにされている。
【0007】それらの生理活性を例示すれば、次のとお
りである。すなわち、12−リポキシゲナーゼの代謝産
物は、血小板の凝集、粘着等の機能調節、及び血管平滑
筋細胞の遊走を促進して動脈硬化に関与している可能性
が指摘されており(現代医療,第21巻,第11号,第
3109〜3113頁,1989年)、また、くも膜下
出血後の血管攣縮の発生に12−HPETEが何らかの
イニシエーターとなっている可能性が示唆されており
(現代医療,第21巻,第11号,第3127〜313
0頁,1989年)、更に、12−HETEがある種の
癌細胞の血管内皮細胞への粘着、転移を促進することが
示されている(現代医療,第22巻,増刊,第56〜5
7頁,1990年)。
【0008】以上のような事実から、12−リポキシゲ
ナーゼを阻害する物質が、動脈硬化、血管攣縮等の循環
器系各種疾患の予防、治療、又はある種の癌の転移の予
防を目的とした薬物として有効に使用し得るものと期待
されている。
【0009】12−リポキシゲナーゼに対して阻害作用
を有する物質としては、天然フラボノイドの1種である
バイカレンが知られている[バイオケミカル・アンド・
バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(B
iochemical and BiophysicalResearch Communication
s),第105巻,第3号,第1090〜1095頁,1
982年]。その他、ヒドロキサム酸誘導体(特開平1
−216961号公報、特開平2−752号公報、特開
平2−196767号公報等)、コーヒー酸誘導体(特
開平1−275552号公報、特開平2−235852
号公報等)等が知られている。
【0010】一方、クマリン誘導体に関しては、一般
に、当該化合物は、化学的に合成又は天然界から分離、
精製されているが、リポキシゲナーゼ阻害作用に言及し
た従来技術としては、例えば、次の1)の事項が知られ
ている。 1)エスクレチン(6,7−ジヒドロキシクマリン)
[ビオキミカ・エト・ビオフィジカ・アクタ(Biochimi
ca et Biophysica Acta),第753巻,第1号,第13
0〜132頁,1983年]に関する知見が知られてお
り、肥満細胞腫細胞の5−リポキシゲナーゼ及び12−
リポキシゲナーゼに対する当該化合物のIC 50値は、各
々4×10-6M及び2.5×10-6Mであることが報告
されている。
【0011】しかしながら、後述するように、当該化合
物の示すこのIC50値は、本発明の化合物のそれに比べ
てかなり大きい値であり、12−リポキシゲナーゼに対
する選択性もあるとは言い難い。実際、本発明者らが行
った比較実験においても、エスクレチンの12−リポキ
シゲナーゼ阻害作用は、本発明の化合物に比べてかなり
弱く、また5−リポキシゲナーゼ阻害作用との選択性も
みられないことが判明した。
【0012】また、本発明の化合物に近似したクマリン
誘導体として、例えば、次の2)〜10)の化合物が知
られている。 2)6,7−ジヒドロキシ−3−フェニルクマリン[ジ
ャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサイエティー・シー
・オーガニック・ケミストリー(Journal of theChemic
al Society. C. Organic Chemistry),第16巻,第2
069〜2070頁,1969年、及びツァーナル・プ
リクラドノイ・スペクトロスコピイ(Zhurnal Prikladn
oi Spektroskopii),第8巻,第6号,第1063〜1
066頁,1968年]
【0013】3)7,8−ジヒドロキシ−3−フェニル
クマリン[カレント・サイエンス(Current Science),
第35巻,第22号,第557〜559頁,1966
年、ツァーナル・プリクラドノイ・スペクトロスコピイ
(Zhurnal Prikladnoi Spektroskopii),第8巻,第6
号,第1063〜1066頁,1968年、プロシーデ
ィングス・オブ・ザ・インディアン・アカデミー・オブ
・サイエンシズ・セクションA(Proceedings of the I
ndian Academy of Sciences. Section A),第56巻,
第71〜85頁,1962年、プロシーディングス・オ
ブ・ザ・インディアン・アカデミー・オブ・サイエンシ
ズ・セクション・エー(Proceedings of theIndian Aca
demy of Sciences. Section A),第59巻,第3号,
第185〜189頁,1964年、及びジャーナル・オ
ブ・オーガニック・ケミストリー(Journal of Organic
Chemistry),第19巻,第1548〜1552頁,1
954年]
【0014】4)6,7−ジヒドロキシ−3−(フラン
−2−イル)クマリン、及び7,8−ジヒドロキシ−3
−(フラン−2−イル)クマリン[ツァーナル・プリク
ラドノイ・スペクトロスコピイ(Zhurnal Prikladnoi S
pektroskopii),第8巻,第6号,第1063〜106
6頁,1968年]
【0015】5)6,7−ジヒドロキシ−3−(3−ニ
トロフェニル)クマリン[ジャーナル・オブ・ザ・ケミ
カル・ソサイエティー・シー・オーガニック・ケミスト
リー(Journal of the Chemical Society. C. Organic
Chemistry),第16巻,第2069〜2070頁,19
69年]
【0016】6)7,8−ジヒドロキシ−4−メチル−
3−(4−ニトロフェニル)クマリン[アナレス・デ・
ラ・ソシエテ・サイエンティフィケ・デ・ブルクセレス
・シリーズ1(Annales de la Societe Scientifique d
e Bruxelles. Series 1),第84巻,第3号,第383
〜388頁,1971年]
【0017】7)6,7−ジヒドロキシ−4−メチル−
3−フェニルクマリン[ファーマコ・イル・パヴィア・
エディツィオーネ・サイエンティフィカ(Farmaco,Il(P
avia),Edizione Scientifica),第12巻,第691〜
694頁,1957年、及びアッティ・デラ・アカデミ
ア・ナツィオナレ・デイ・リンセイ・レンディコンティ
・クラッセ・ディ・サイエンツェ・フィッシェ・マテマ
ティケ・エ・ナツラリ(Atti della accademia naziona
le dei Lincei. Rendiconti, Classe di scienzefisich
e, matematiche e naturali),第10巻,第230〜
235頁,1951年]
【0018】8)6,7−ジヒドロキシ−3,4−ジフ
ェニルクマリン[パブリカツィオーニ・デル・セントロ
・ディ・スツディオ・パー・ラ・シトゲネティカ・ベゲ
タレ・デル・コンシグリオ・ナツィオナーレ・デレ・リ
サーチ(Pubblicazioni del centro di studio per la
citogenetica vegetale del consiglio nazionale dell
e ricerche),第182号,第350〜387頁,19
55年、及びアッティ・デラ・アカデミア・ナツィオナ
レ・デイ・リンセイ・レンディコンティ・クラッセ・デ
ィ・サイエンツェ・フィッシェ・マテマティケ・エ・ナ
ツラリ(Atti della accademia nazionale dei Lincei.
Rendiconti, Classe di scienze fisiche, matematich
e e naturali),第16巻,第645〜649頁,19
54年]
【0019】9)6,7−ジヒドロキシ−3−(ピリジ
ン−3−イル)クマリン[ジャーナル・オブ・ザ・ケミ
カル・ソサイエティー・シー・オーガニック・ケミスト
リー(Journal of the Chemical Society. C. Organic
Chemistry),第16巻,第2069〜2070頁,19
69年]
【0020】10)7,8−ジヒドロキシ−4−フェニ
ルクマリン(米国特許第2,809,201号明細書)
【0021】しかしながら、これらの化合物が12−リ
ポキシゲナーゼ阻害活性を有することのみならず、5−
リポキシゲナーゼ阻害活性を有することは、従来全く知
られていない。
【0022】また、クマリン誘導体ではないが、本発明
の化合物に比較的近似しており、かつ12−リポキシゲ
ナーゼ又は5−リポキシゲナーゼ阻害活性に言及されて
いるものとして、前述のバイカレンを含めて次の11)
〜13)のような化合物が知られている。 11)バイカレン(5,6,7−トリヒドロキシフラボ
ン)[バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リ
サーチ・コミュニケーションズ(Biochemical andBiophy
sical Research Communications),第105巻,第3
号,第1090〜095頁,1982年]
【0023】12)4′,6,7−トリヒドロキシイソ
フラバン[プロスタグランジンズ(Prostaglandins),
第28巻,第6号,第783〜804頁,1984年]
【0024】13)4′,7,8−トリヒドロキシイソ
フラバン、及び6,7−ジヒドロキシ−3′,4′−ジ
メトキシイソフラバン[インターナショナル・ジャーナ
ル・オブ・ティッシュー・リアクションズ(Internatio
nal Journal of Tissue Reactions),第11巻,第3
号,第107〜112頁,1989年]
【0025】このうち、前記12)に記載の化合物につ
いては、当該化合物がヒト末梢血白血球において5−リ
ポキシゲナーゼ代謝産物の生成を10μMの濃度で完全
に抑制したが、一方血小板においては、12−リポキシ
ゲナーゼ代謝産物の生成を、同一濃度でわずかに25%
しか抑制しなかったことから、当該化合物は5−リポキ
シゲナーゼに選択的であることが知られている[プロス
タグランジンズ(Prostaglandins)第28巻,第6号,
第783〜804頁,1984年]。また、前記13)
記載の化合物については、当該化合物のヒト腹膜マクロ
ファージにおける5−リポキシゲナーゼ阻害作用がIC
50値で1〜2μMであったのに対し、当該化合物の12
−リポキシゲナーゼ阻害作用はIC50値で16〜20μ
Mであったことが報告されている[インターナショナル
・ジャーナル・オブ・ティッシュー・リアクションズ
(International Journal of Tissue Reactions),第1
1巻,第3号,第107〜112頁,1989年]。
【0026】本発明の化合物は、後述するようにIC50
値で10-9乃至10-8モルのオーダーと、極めて強力な
12−リポキシゲナーゼ阻害作用を有する。一方、5−
リポキシゲナーゼに対するIC50値は12−リポキシゲ
ナーゼに対するそれに比べて7〜20倍大きく、12−
リポキシゲナーゼ選択的な阻害作用を有している。本発
明の化合物がこのような作用を有していることは、従来
の知見からは到底想到し得ないことである。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】ところで、12−リポ
キシゲナーゼは、5−リポキシゲナーゼの近縁酵素であ
り、いずれかの酵素を阻害する物質は、他方も阻害する
可能性がある。事実、5−リポキシゲナーゼ阻害活性を
有することが報告されている物質であって、12−リポ
キシゲナーゼに対しても阻害活性を示すものが知られて
おり、大部分のヒドロキサム酸誘導体がその例である。
【0028】このような阻害活性の選択性に関しては、
その利用目的にもよるが、前記循環器系疾患、癌の転移
等のように主として12−リポキシゲナーゼ代謝産物に
起因すると考えられている疾病の予防、治療には、12
−リポキシゲナーゼを強力、かつ選択的に阻害するよう
な物質が望ましい。
【0029】このような状況から、本発明者らは、天然
フラボノイドの1種であるバイカレンが比較的強い12
−リポキシゲナーゼ阻害活性、及び比較的高い選択性を
有していることに着目し、この化合物を先導化合物とし
て使用し、その部分構造の改変又は修飾を行うことによ
り、強力、かつ高い選択性を有する12−リポキシゲナ
ーゼ阻害化合物を創出することに成功し、既に特許出願
した(特願平5−108766号。以下先願と記載する
ことがある)。
【0030】先願の発明は、次のとおりである。次の化
7の一般式
【0031】
【化7】
【0032】[ただし、式中R1 は、水素原子又は低級
アルキル基を示し、R2 及びR3 は、水素原子又は水酸
基を示し(ただしR2 とR3 とが同時に水素原子である
ことはない)、Arは次の化8、化9又は化10の一般
【0033】
【化8】
【0034】
【化9】
【0035】
【化10】
【0036】で示される基であり、式中R4 は、水素原
子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原
子、トリフルオロメチル基、シアノ基又はニトロ基を示
す。]で示されるクマリン誘導体。
【0037】先願出願後、本発明者らは、他の化合物に
ついても鋭意検討を行った結果、先願とは異なるクマリ
ン誘導体が、公知のバイカレンと同等又はそれ以上の阻
害活性を有し、かつ選択性に優れていることを見出し、
本発明を完成した。
【0038】本発明の目的は、12−リポキシゲナーゼ
を強力、かつ高い選択性をもって阻害し得る化合物を提
供することである。
【0039】本発明の他の目的は、12−リポキシゲナ
ーゼの代謝産物によってもたらされる動脈硬化、血管攣
縮等の循環器系各種疾患の予防、治療、及びある種の癌
の転移の予防等を目的とした薬剤として有用であり、ま
た、低毒性であり、かつ副作用の少ない12−リポキシ
ゲナーゼを選択的に阻害する医薬を提供することであ
る。
【0040】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の第1の発明は、次の化11の一般式
【0041】
【化11】
【0042】[ただし、式中R2 及びR3 は、水素原子
又は水酸基を示し(ただし、R2 とR3 とが同時に水素
原子であることはない)、Arは、次の化12又は化1
3の一般式
【0043】
【化12】
【0044】
【化13】
【0045】で示される基であり、式中Xは、酸素原
子、硫黄原子を示す。]で示されるクマリン誘導体、で
ある。
【0046】前記課題を解決する本発明の第2の発明
は、次の化14の一般式
【0047】
【化14】 [ただし、式中R2 及びR3 は、水素原子又は水酸基を
示し(ただし、R2 とR3 とが同時に水素原子であるこ
とはない)、Arは、次の化15又は化16の一般式
【0048】
【化15】
【0049】
【化16】
【0050】で示される基であり、式中Xは、酸素原
子、硫黄原子を示す。]で示されるクマリン誘導体から
なる群より選択される化合物、又はそれらの混合物を有
効成分として含有する医薬、である。
【0051】次に本発明について詳述する。本発明の化
合物の製造法を例示すれば、次のとおりである。すなわ
ち、本発明の化合物は、化17の化学式に示される工程
により合成することができる。
【0052】
【化17】
【0053】(前記化学式において、R5 及びR6 は、
水素原子又はメトキシ基を示し、R7及びR8 は水素原
子又は水酸基を示す)。すなわち、サリチルアルデヒド
誘導体のメチルエーテル(ア)と、所望のアリールアセ
トニトリル(イ)とをクネーベナーゲル縮合させること
により、α,β−ジアリールアクリロニトリル誘導体
(ウ)を得た後、これを例えば塩化ピリジニウム等を用
いて脱メチル化し、中間に生成しているイミン(エ)を
塩酸等の酸で処理し、加水分解し、本発明の化合物
(オ)を得ることができる(工程A)。
【0054】また、次の化18及び化19の化学式
【0055】
【化18】
【0056】
【化19】
【0057】(前記化学式において、R7 及びR8 は水
素原子又は水酸基を示し、R9 及びR10は、水素原子又
はアセトキシ基を示す)に示される工程により製造する
こともできる。
【0058】アセチルサリチルアルデヒド誘導体(キ)
と所望のアリール酢酸(ク)とを、パーキン反応として
知られている反応条件下で縮合させる。すなわち、無水
酢酸中でトリエチルアミン等の塩基の存在下に通常12
0℃前後で、1時間乃至数時間穏やかに加熱還流させる
ことにより、化合物(ケ)を得ることができる(工程
B)。
【0059】アセチルサリチルアルデヒド誘導体(キ)
は、対応するサリチルアルデヒド誘導体(カ)を、無水
酢酸、又は塩化アセチル等のアセチル化剤を用いてアセ
チル化することによって得ることができるが、サリチル
アルデヒド誘導体(カ)を氷冷、又は室温下に、無水酢
酸中でトリエチルアミン等の塩基存在下にアセチル化
し、生成したアセチルサリチルアルデヒド誘導体(キ)
を単離することなく、そのまま前記のパーキン反応条件
へ移行させることにより、化合物(カ)から化合物
(ケ)へ直接導くこともできる。この場合、もう一方の
原料であるアリール酢酸(ク)は、パーキン反応条件へ
の移行時に添加してもよいが、化合物(カ)のアセチル
化の段階、すなわち最初から共存させておいてもよい。
また、前記の反応は、トリエチルアミン等の塩基の代わ
りに、アリール酢酸のアルカリ金属塩等を用いることも
できる。
【0060】このようにして得た化合物(ケ)は、酸性
条件下に加水分解(あるいはエステル交換)して、本発
明の化合物(オ)へ導くことができる。例えば、エタノ
ールと塩酸との混合液中で、30分間乃至数時間加熱還
流することにより目的が達成される(工程C)。
【0061】以上のようにして得られた本発明の化合物
を、再結晶、クロマトグラフィー等の公知の精製方法に
より精製することができる。
【0062】本発明の化合物は、12−リポキシゲナー
ゼ活性の選択的な阻害作用を有しているので、生体内に
おける12−HPETE、12−HETE等の12−リ
ポキシゲナーゼ代謝産物の生成を抑制する作用を有し、
当該化合物を有効成分として代謝産物に起因する動脈硬
化、血管攣縮等の循環器系各種疾患の治療薬、又は予防
薬として、更に、ある種の癌(ルイス肺癌等)の転移の
予防等を目的とした薬剤として有効に利用することがで
きる。
【0063】本発明の化合物は、そのまま、又は薬学的
に許容される公知の担体、賦形剤等と混合し、錠剤、カ
プセル剤、注射剤、顆粒剤、坐剤等の適宜の形態の医薬
として用いることができる。本発明の化合物を有効成分
とする医薬は、経口的に、又は注射、吸入、塗布等によ
り非経口的に投与することができる。本発明の化合物を
有効成分とする医薬の投与量は、治療対象、症状、年
齢、治療期間等により異なるが、好適には、通常1回に
つき約0.1mgから50mgを1日1〜3回程度投与
する。
【0064】次に試験例を示して本発明を更に詳述す
る。 試験例 この試験は、本発明の化合物の12−リポキシゲナーゼ
及び5−リポキシゲナーゼの阻害作用を調べるために行
った。 1.試料の調製 1)被検試料 実施例1〜4と同一の方法により被検試料を調製した。
尚、対照として次の化20の化学式
【0065】
【化20】
【0066】で示される公知のバイカレン(和光純薬工
業社製)及び次の化21の化学式
【0067】
【化21】
【0068】で示される公知のエスクレチン(東京化成
社製)を用いた。
【0069】2)12−リポキシゲナーゼ酵素液の調製 エーテル麻酔下で、Sprague Dawley雄性
ラットの腹大動脈から、約10分の1容の3.8%(重
量。以下同じ)クエン酸ソーダ溶液の入った注射筒にて
採血し、室温、180gで15分間遠心し、多血小板血
漿を分離し、4℃、1,800gで10分間遠心し、得
られた沈渣を洗浄用緩衝液(154mM塩化ナトリウ
ム、2mMEDTAを含む50mMトリス塩酸バッファ
ー:pH7.4)で洗浄し、血小板を得た。得られた血
小板を、採血量の20分の1容の再浮遊緩衝液(154
mM塩化ナトリウム、5.5mMグルコースを含む50
mMトリス塩酸バッファー:pH7.4)に懸濁し、超
音波破砕し、100,000gで30分間遠心し、上清
を分離し、酵素液を調製した。
【0070】3)5−リポキシゲナーゼ酵素液の調製 ラット好塩基性白血病細胞(Rat Basophil
ic Leukemia Cell:RBL−1.AT
CC CRL1378)を、10%牛新生仔血清を含む
ダルベッコ改変イーグル培地で常法により培養し、15
4mM塩化ナトリウムを含む50mMトリス塩酸緩衝液
(pH7.4、以下TBSと記載する)で2回洗浄し、
細胞を1ml当たり4×107 個の割合で同一の緩衝液
に浮遊させ、超音波で細胞を破砕し、10,000gで
10分間遠心して上清を分離し、酵素液を調製した。
【0071】2.試験方法 1)12−リポキシゲナーゼ酵素活性の測定方法 前記再浮遊緩衝液で酵素活性を約2mU/mlに調製し
た酵素液300μlに、3mMインドメタシンエタノー
ル溶液1μl、300mM還元型グルタチオン溶液1μ
l及び各種濃度の被検物質エタノール溶液3μlを添加
し、37℃で5分間保持し、次いで2.5mMアラキド
ン酸エタノール溶液3μlを添加し、37℃で5分間保
持して反応させた後、600μlのメタノールを添加し
て反応を停止させた。反応液を10,000gで5分間
遠心し、上清の12−ヒドロキシエイコサテトラエン酸
をC−18カラムを用いた逆相高速液体クロマトグラフ
ィーで分離し、ジエンを234nmの吸収で定量し、酵
素活性を測定した。
【0072】2)5−リポキシゲナーゼ酵素活性の測定
方法 前記酵素液(40mU/ml相当)15μlに、TBS
185μl、2mMアデノシン三リン酸TBS50μ
l、12mM塩化カルシウムTBS50μl、3mMイ
ンドメタン1μl、300mM還元型グルタチオン水溶
液1μl及び各種濃度の被検物質のエタノール溶液3μ
lを添加し、37℃で5分間保持し、次いで2.5mM
アラキドン酸エタノール溶液3μlを添加し、37℃で
2分間保持して反応させた後、600μlのメタノール
を添加して反応を停止させた。反応液を10,000g
で5分間遠心し、上清の5−ヒドロキシエイコサテトラ
エン酸をC−18カラムを用いた逆相高速液体クロマト
グラフィーで分離し、234nmの吸収で定量し、酵素
活性を測定した。
【0073】3)酵素活性の測定 被検物質として、実施例1〜4と同一の方法で製造した
本発明の化合物、バイカレン及びエスクレチンの各種濃
度における酵素活性を前記の方法により測定し、各被検
物質の測定値から、12−リポキシゲナーゼ及び5−リ
ポキシゲナーゼに対するIC50値を求めた。
【0074】3.試験結果 この試験の結果は、表1に示すとおりである。表1から
明らかなように、本発明の化合物は、12−リポキシゲ
ナーゼに対して極めて強力な阻害作用が認められ、IC
50値は、ほぼ10-9モル乃至10-8モル前半のオーダー
であり、公知のバイカレンのそれ(4.2×10-8
ル)に比して小さい値を示した。一方、本発明の化合物
は、5−リポキシゲナーゼに対しても阻害作用を有する
が、そのIC50値は、12−リポキシゲナーゼに対する
それよりも約7〜20倍の値であった。従って、本発明
の化合物は、12−リポキシゲナーゼに対して選択的に
阻害作用を有することが判明した。
【0075】
【表1】
【0076】次に本発明の化合物の製造例について実施
例を示して本発明を更に詳述するが、本発明は、以下の
実施例に限定されるものではない。尚、以下の実施例に
おいて製造した本発明の化合物の核磁気共鳴スペクトル
及び赤外線吸収スペクトルの測定値を表2に示した。ま
た、核磁気共鳴スペクトル[ 1H−NMR(500MH
z)]は、テトラメチルシランを内部標準として重メチ
ルスルホキシド(DMSO−d6 )溶媒中で、赤外線吸
収スペクトルは、KBr錠剤法で、それぞれ測定した。
【0077】
【表2】
【0078】
【実施例】
実施例1 ナフタレン−2−酢酸(東京化成社製)931mg
(5.00mmol)及び2,3,4−トリヒドロキシ
ベンズアルデヒド(アルドリッチ社製)771mg
(5.00mmol)を無水酢酸(和光純薬工業社製)
10mlに懸濁し、氷冷下でトリエチルアミン(国産化
学社製)5mlを添加し、氷冷下で1時間攪拌した。次
いでこの反応混合物を120℃の油浴上で5時間加熱環
流し、のち空冷し、反応混合物を100mlの1N塩酸
中に添加して攪拌し、析出物を瀘取し、十分水洗し、エ
タノール(国産化学社製)で3回、のちヘキサン(国産
化学社製)で2回洗浄し、乾燥し、クリーム色の結晶化
合物7,8−ジアセトキシ−3−(ナフタレン−2−イ
ル)クマリン1.52g(収率78.4%)を得た。
【0079】前記7,8−ジアセトキシ−3−(ナフタ
レン−2−イル)クマリン388mg(1.00mmo
l)、エタノール(国産化学社製)8ml、濃塩酸1m
l及び水1mlの混合物を4時間加熱環流し、のち空冷
し、反応混合物を100mlの水に添加し、析出物を瀘
取し、十分水洗し、乾燥した。得られた反応生成物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー[溶出液は酢酸エチ
ル(国産化学社製):ヘキサン(国産化学社製)の比が
1:5〜3:1を用いた]により精製し、次の化22の
化学式
【0080】
【化22】
【0081】で示される黄色結晶化合物1045mg
(収率86.2%)を得た。得られた化合物の融点は、
255〜256℃であった。
【0082】実施例2 ナフタレン−2−アセトニトリル(アルドリッチ社製)
836mg(5.00mmol)と2,4,5−トリメ
トキシベンズアルデヒド(ランカスター社製)981m
g(5.00mmol)のエタノール(国産化学社製)
15ml混合物を加熱溶解し、20%水酸化ナトリウム
水溶液2滴を添加し、放冷下で1夜攪拌し、析出した結
晶を瀘取し、エタノール(国産化学社製)、ヘキサン
(国産化学社製)で順次洗浄し、乾燥し、黄色結晶化合
物α−(ナフタレン−2−イル)−β−(2,4,5−
トリメトキシフェニル)アクリロニトリル1.48g
(収率85.9%)を得た。
【0083】前記α−(ナフタレン−2−イル)−β−
(2,4,5−トリメトキシフェニル)アクリロニトリ
ル691mg(2.00mmol)及び塩化ピリジニウ
ム(和光純薬工業社製)3.5g(30mmol)の混
合物を、予め220℃に加熱した油浴上で溶融混合し、
1時間攪拌し、のち空冷し、固化した反応混合物に10
%塩酸20mlを添加して粉砕し、30分間攪拌し、析
出物を瀘取し、十分水洗し、乾燥した。得られた反応生
成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶出液は
酢酸エチル(国産化学社製)を用いた]により精製し、
次の化23の化学式
【0084】
【化23】
【0085】で示される黄色結晶化合物431mg(収
率70.8%)を得た。得られた化合物の融点は、28
8〜289℃であった。
【0086】実施例3 チアナフテン−3−アセトニトリル(ランカスター社
製)693mg(4.00mmol)と2,3,4−ト
リメトキシベンズアルデヒド(東京化成社製)785m
g(4.00mmol)のエタノール(国産化学社製)
5ml混合物を加熱溶解し、20%水酸化ナトリウム水
溶液2滴を添加し、放冷下で1夜攪拌し、反応混合物を
100mlの1N塩酸中に添加し、酢酸エチルで2回抽
出し、重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、のち無水硫酸
ナトリウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去し、褐色油状
化合物α−(チアナフテン−3−イル)−β−(2,
3,4−トリメトキシフェニル)アクリロニトリル1.
41g(収率定量的)を得た。
【0087】α−(ナフタレン−2−イル)−β−
(2,4,5−トリメトキシフェニル)アクリロニトリ
ルの代わりに、前記α−(チアナフテン−3−イル)−
β−(2,3,4−トリメトキシフェニル)アクリロニ
トリル703mg(2.00mmol)を用いたことを
除き、実施例2と同一の方法により、次の化24の化学
【0088】
【化24】
【0089】で示される黄土色結晶化合物343mg
(収率55.3%)を得た。得られた化合物は、明瞭な
融点を示さず、140℃近辺で黒色化して分解した
(尚、本化合物の核磁気共鳴スペクトル及び赤外線吸収
スペクトルの測定値を表2に示した。)。
【0090】実施例4 2,3,4−トリメトキシベンズアルデヒドの代りに、
2,4,5−トリメトキシベンズアルデヒド(ランカス
ター社製)785mg(4.00mmol)を用いたこ
とを除き、実施例3と同一の方法により、黄色結晶化合
物α−(チアナフテン−3−イル)−β−(2,4,5
−トリメトキシフェニル)アクリロニトリル579mg
(収率41.2%)を得た。ただし、実施例3の場合と
異なり、反応系の中に目的物が結晶として析出したの
で、以下の処理は、実施例2と同一の方法によった。
【0091】α−(ナフタレン−2−イル)−β−
(2,4,5−トリメトキシフェニル)アクリロニトリ
ルの代りに、前記α−(チアナフテン−3−イル)−β
−(2,4,5−トリメトキシフェニル)アクリロニト
リル422mg(1.20mmol)を用いたこと及び
塩化ピリジニウム(和光純薬工業社製)2.1g(18
mmol)を用いたことを除き、実施例2と同一の方法
により、次の化25の化学式
【0092】
【化25】
【0093】で示される緑黄色結晶化合物127mg
(収率34.1%)を得た。得られた化合物は、明瞭な
融点を示さず、220℃近辺で着色して分解した(尚、
本化合物の核磁気共鳴スペクトル及び赤外線吸収スペク
トルの測定値を表2に示した。)。
【0094】実施例5 1錠当たり次の割合の組成からなる混合物を調製し、常
法により錠剤機で打錠し、本発明の12−リポキシゲナ
ーゼを選択的に阻害する医薬を製造した。 実施例2で得た化合物 20.0(mg) 乳糖(岩城製薬社製) 40.0 トウモロコシ澱粉(吉田製薬社製) 15.0 ステアリン酸マグネシウム(太平化学社製) 0.4 カルボキシメチルセルロースカルシウム (ニチリン化学工業社製) 20.0
【0095】実施例6 1カプセル当たり次の割合の組成からなる混合物を調製
し、常法によりゼラチン・カプセルに充填し、本発明の
12−リポキシゲナーゼを選択的に阻害する医薬を製造
した。 実施例2で得た化合物 20.0(mg) 乳糖(岩城製薬社製) 40.0 微粉末セルロース(日本ソーダ社製) 30.0 ステアリン酸マグネシウム(太平化学社製) 3.0
【0096】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明は、クマリ
ン誘導体、及びこれらの化合物を有効成分として含有す
る医薬に係るものであり、本発明によって奏せられる効
果は、次のとおりである。 1)本発明の化合物は、12−リポキシゲナーゼを強
力、かつ高い選択性をもって阻害する作用を有する。 2)本発明の前記化合物を有効成分とする医薬は、動脈
硬化、血管攣縮等の循環器系各種疾患の予防、治療、及
びある種の癌の転移の予防に有効である。 3)本発明の化合物は、低毒性であり、副作用が少な
く、12−リポキシゲナーゼを選択的に阻害する医薬の
有効成分として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 35/04 A61P 35/04 43/00 111 43/00 111 C07D 407/04 C07D 407/04 409/04 409/04 (72)発明者 森 繁広 神奈川県座間市東原5丁目1番15号407 さがみ野さくら (72)発明者 森内 尚子 神奈川県横浜市港南区日野南1丁目20番 7号 (56)参考文献 特開 昭61−15834(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 311/06 - 311/20 A61K 31/00 - 31/80 C07D 407/04 C07D 409/04 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の化1の一般式 【化1】 [ただし、式中R2 及びR3 は、水素原子又は水酸基を
    示し(ただし、R2 とR3 とが同時に水素原子であるこ
    とはない)、Arは、次の化2又は化3の一般式 【化2】 【化3】 で示される基であり、式中Xは、酸素原子又は硫黄原子
    を示す。]で示されるクマリン誘導体。
  2. 【請求項2】 次の化4の一般式 【化4】 [ただし、式中R2 及びR3 は、水素原子又は水酸基を
    示し(ただし、R2 とR3 とが同時に水素原子であるこ
    とはない)、Arは、次の化5又は化6の一般式 【化5】 【化6】 で示される基であり、式中Xは、酸素原子又は硫黄原子
    を示す。]で示されるクマリン誘導体からなる群より選
    択される化合物又はそれらの混合物を有効成分として含
    有する12−リポキシゲナーゼ阻害剤。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の化4の一般式[ただし、
    式中R 2 及びR 3 は、水素原子又は水酸基を示し(ただ
    し、R 2 とR 3 とが同時に水素原子であるこ とはな
    い)、Arは、請求項2記載の化5又は化6の一般式で
    示される基であり、式中Xは、酸素原子又は硫黄原子を
    示す。]で示されるクマリン誘導体からなる群より選択
    される化合物又はそれらの混合物を有効成分として含有
    し、12−リポキシゲナーゼ活性の選択的阻害作用を有
    する、12−リポキシゲナーゼ阻害用医薬。
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