JP3161249B2 - 内燃機関の触媒劣化診断装置 - Google Patents

内燃機関の触媒劣化診断装置

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JP3161249B2
JP3161249B2 JP26988294A JP26988294A JP3161249B2 JP 3161249 B2 JP3161249 B2 JP 3161249B2 JP 26988294 A JP26988294 A JP 26988294A JP 26988294 A JP26988294 A JP 26988294A JP 3161249 B2 JP3161249 B2 JP 3161249B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の触媒劣化診断
装置に関し、詳しくは、排気浄化触媒の上流側及び下流
側それぞれで酸素濃度を検出し、これらの検出値に基づ
いて空燃比フィードバック制御を実行するよう構成され
た内燃機関において、機関始動時からの排気総熱量と触
媒上流側の酸素センサ及び触媒下流側の酸素センサの出
力変動数比とに基づいて触媒劣化を診断する装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、排気浄化用に排気系に設けら
れる三元触媒の上流側と下流側とにそれぞれ酸素センサ
を設け、これらの2つの酸素センサの検出値を用いて空
燃比をフィードバック制御するものが種々提案されてい
る(特開平2−33408号公報等参照)。
【0003】また、上記のようにして触媒の上流側と下
流側とにそれぞれ設けた酸素センサを用いて空燃比フィ
ードバック制御を行なっているとき、即ち、目標空燃比
に対するリッチ状態とリーン状態とを繰り返す状態のと
きには、触媒の酸素ストレージ効果によって、上流側の
酸素センサの出力変動周波数に対して下流側の酸素セン
サの出力変動周波数が小さくなる傾向を示し、触媒が劣
化して前記酸素ストレージ効果が低下すると、下流側の
酸素センサの出力変動周波数が上流側の値に近づくよう
になる。そこで、空燃比フィードバック制御中における
酸素センサの出力変動周波数を上下流間で比較すること
によって、触媒の劣化を診断することが行なわれてい
る。
【0004】そして、触媒の劣化が診断されると、例え
ば空燃比フィードバック制御における制御定数の変更を
行う等のフェールセーフがなされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、有害な排気
は触媒が充分に活性化していない状態、即ち機関の冷機
運転時に多く排出されるが、従来の触媒の劣化診断にあ
っては、触媒が充分に活性化された状態においてのみ診
断がなされる。このため触媒が劣化していても、触媒が
充分に活性化していない状態における触媒の劣化は、充
分正確には判断されない状態となり、触媒が充分に活性
化していない状態において排出される有害な排気は適切
なフェールセーフがなされること無く、排出されてしま
う惧れがあった。
【0006】例えば、図11に示すようなシステムにおい
ては、エンジン冷機始動時に、上流側触媒71の温度が徐
々に上昇し始めまず活性化していく。その後下流側触媒
72が遅れて活性化していく。即ち、エンジン冷機時の排
気エミッションは上流側触媒71がどれ程活性化している
か否かにより大きく影響を受けるものであり、暖機後の
排気エミッションは上流側触媒71及び下流側触媒72がど
れ程活性化しているか否かにより大きく影響を受けるも
のである。
【0007】一方、触媒の劣化は高い排気温度に曝され
る程進行するため、より高い排気温度に曝される上流側
触媒71の方が下流側触媒72に較べて劣化し易い。ここ
で、従来は上流側触媒71が活性化した後の診断に基づい
て間接的に冷機時の活性性能を判断していたが、その精
度は充分ではなかった。即ち、触媒が活性化した後の該
触媒の劣化診断に基づいて、冷機時等の活性以前の触媒
の劣化診断を行っていたため、その精度は充分では無
く、適切なフェールセーフがなされること無く、有害な
排気が排出されてしまう惧れがあった。
【0008】本発明は上記実情に鑑みなされたものであ
り、触媒が充分に活性化される以前に該触媒の劣化を判
断することを可能とし、より高精度な触媒の劣化診断が
行える、もって適切なフェールセーフを行うことを可能
とすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】そのため本発明にかかる
内燃機関の触媒劣化診断装置は、図1に示すように、機
関の排気通路に設けられた排気浄化触媒と、該排気浄化
触媒の上流側の排気中の酸素濃度に感応して出力値が変
化する上流側酸素センサと、該排気浄化触媒の下流側の
排気中の酸素濃度に感応して出力値が変化する下流側酸
素センサと、前記上流側酸素センサ及び下流側酸素セン
サそれぞれの出力に基づいて機関吸入混合気の空燃比を
目標空燃比に近づける方向に機関への燃料供給量をフィ
ードバック制御する空燃比フィードバック制御手段と、
を備えてなる内燃機関において、機関始動時からの排気
総熱量を演算する総熱量演算手段と、上流側酸素センサ
におけるリーン・リッチが反転してから反転するまでの
上流側経過時間と、下流側酸素センサにおけるリーン・
リッチが反転してから反転するまでの下流側経過時間と
の比率を演算する経過時間比率演算手段と、前記総熱量
演算手段で演算された機関始動時からの排気総熱量が所
定の目標排気総熱量に達した時の、前記経過時間比率演
算手段により演算されたリーン・リッチが反転してから
反転するまでの上流側経過時間と下流側経過時間との比
率に基づいて、前記排気浄化触媒の劣化を診断する触媒
劣化診断手段と、を含んで構成した。前記触媒劣化診断
手段は、前記目標排気総熱量を、機関始動時における冷
却水温度に応じて可変に設定するのが好ましい。
【0010】また、本発明にかかる内燃機関の触媒劣化
診断装置は、触媒劣化診断手段が、前記経過時間比率演
算手段により演算されたリーン・リッチが反転してから
反転するまでの上流側経過時間と下流側経過時間との比
率が所定の目標経過時間比率に達したときの、前記総熱
量演算手段で演算された機関始動時からの排気総熱量に
基づいて、前記排気浄化触媒の劣化を診断するように構
成してもよい。 ここで、該触媒劣化診断手段は、前記目
標経過時間比率を、機関始動時における冷却水温度に応
じて可変に設定するとよい。また、排気浄化触媒の上流
側の排気の温度を検出する排気温度検出手段と、機関に
吸入される吸入空気流量を検出する吸入空気流量検出手
段とを備え、前記総熱量演算手段を前記排気温度と前記
吸入空気流量とに基づいて機関始動時からの排気総熱量
を演算するようにしてもよい。
【0011】
【作用】図1において、上流側酸素センサ及び下流側酸
素センサは、機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒
の上流側及び下流側にそれぞれ設けられ、排気中の酸素
濃度に感応して出力値が変化するセンサである。空燃比
フィードバック制御手段は、前記上流側酸素センサ及び
下流側酸素センサそれぞれの出力値に基づいて機関吸入
混合気の空燃比を目標空燃比に近づける方向に機関への
燃料供給量をフィードバック制御する。
【0012】一方、経過時間比率演算手段は、上流側酸
素センサにおけるリーン・リッチが反転してから反転す
るまでの上流側経過時間と、下流側酸素センサにおける
リーン・リッチが反転してから反転するまでの下流側経
過時間との比率を演算する。ここで、触媒の酸素ストレ
ージ効果によって、上流側の酸素センサの反転に係る時
間に対して下流側の酸素センサの反転に係る時間が長く
なる傾向を示す。
【0013】ここで、触媒が劣化していない場合には、
前記酸素ストレージ効果が徐々に奏されるため、下流側
の酸素センサの反転に係る時間が上流側の反転に係る時
間に較べて徐々に長くなり、もって経過時間比率(=上
流側経過時間/下流側経過時間)がいち早く0に近い値
に近接していく。これに対し、触媒が劣化して前記酸素
ストレージ効果が低下すると、下流側の酸素センサの反
転に係る時間は上流側の反転に係る時間とそれ程変わら
なくなるため、経過時間比率が1に近い値である時間が
より長くなる。
【0014】また、総熱量演算手段が機関始動時からの
排気総熱量を演算する。なお、請求項に記載の発明で
は、排気温度検出手段が排気浄化触媒の上流側の排気の
温度を検出し、吸入空気流量検出手段が機関に吸入され
る吸入空気流量を検出し、総熱量演算手段により該排気
温度と機関に吸入される吸入空気流量とに基づいて機関
始動時からの排気総熱量が演算される。
【0015】従って、請求項1に記載の発明によれば、
図2に示すように、機関始動時からの排気総熱量ΣQが
目標排気総熱量ΣQT に達した時点における経過時間比
率HzRATEが所定経過時間比率HzRATE0 以下であれば、触
媒が劣化していないと判断でき、機関始動時からの排気
総熱量ΣQが目標排気総熱量ΣQT に達した時点におけ
る経過時間比率HzRATEが所定経過時間比率HzRATE0 より
大きければ、触媒が劣化していると判断できる。
【0016】また、請求項3に記載の発明によれば、
3に示すように、経過時間比率HzRATEが1より低下して
来て目標経過時間比率HzRATET に到達した時点における
機関始動時からの排気総熱量ΣQが所定排気総熱量ΣQ
0 以下であれば、触媒が劣化していないと判断でき、経
過時間比率HzRATEが1より低下して来て目標経過時間比
率HzRATET に到達した時点における機関始動時からの排
気総熱量ΣQが所定排気総熱量ΣQ0 より大きければ、
触媒が劣化していると判断できる。
【0017】即ち、触媒劣化診断手段は機関始動時から
の排気総熱量と、上流側経過時間と下流側経過時間の比
率とに基づいて、前記排気浄化触媒の劣化を診断する。
【0018】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。一実施例
を示す図4において、内燃機関1には、エアクリーナ2
から吸気ダクト3,スロットル弁4及び吸気マニホール
ド5を介して空気が吸入される。吸気マニホールド5の
ブランチ部には各気筒毎に燃料噴射弁6が設けられてい
る。前記燃料噴射弁6は、ソレノイドに通電されて開弁
し、通電停止されて閉弁する電磁式燃料噴射弁であっ
て、後述するコントロールユニット12からの噴射パルス
信号により通電されて開弁し、図示しない燃料ポンプか
ら圧送されプレッシャレギュレータにより所定の圧力に
調整された燃料を吸気マニホールド5内に噴射供給す
る。
【0019】機関1の燃焼室にはそれぞれ点火栓7が設
けられていて、これにより火花点火して混合気を着火燃
焼させる。そして、機関1からは、排気マニホールド
8,排気ダクト9,排気浄化用の三元触媒10(排気浄化
触媒)及びマフラー11を介して排気が排出される。前記
三元触媒10は、酸素ストレージ効果を有するものであっ
て、排気成分中のCO,HCを酸化し、また、NOx を
還元して、他の無害な物質に転換する触媒であり、機関
吸入混合気を理論空燃比で燃焼させたときに両転換効率
が最も良好なものとなる。
【0020】コントロールユニット12は、CPU,RO
M,RAM,A/D変換器及び入出力インタフェイスを
含んで構成されるマイクロコンピュータを備え、各種の
センサからの検出信号を入力して、後述の如く演算処理
して、燃料噴射弁6の作動を制御する。前記各種のセン
サとしては、吸気ダクト3中に熱線式或いはフラップ式
などのエアフローメータ13が設けられていて、機関1の
吸入空気量Aに応じた電圧信号を出力する。即ち、エア
フローメータ13は吸入空気流量検出手段の機能を奏して
いる。
【0021】また、クランク角センサ14が設けられてい
て、所定ピストン位置毎の基準角度信号REFと、単位
角度毎の単位角度信号POSとを出力する。ここで、前
記基準角度信号REFの発生周期、或いは、所定時間内
における前記単位角度信号POSの発生数を計測するこ
とより、機関回転速度Neを算出することができる。ま
た、機関1のウォータジャケットの冷却水温度Twを検
出する水温センサ15が設けられている。
【0022】更に、前記三元触媒10の上流側となる排気
マニホールド8の集合部に上流側酸素センサとしての第
1酸素センサ16が設けられており、また、前記三元触媒
10の下流側でマフラー11の上流側には下流側酸素センサ
としての第2酸素センサ17が設けられている。前記第1
酸素センサ16及び第2酸素センサ17は、排気中の酸素濃
度に感応して出力値が変化する公知のセンサ(例えばジ
ルコニアチューブ型酸素センサ)であり、理論空燃比を
境に排気中の酸素濃度が急変することを利用し、理論空
燃比に対する排気空燃比のリッチ・リーンを検出し得る
リッチ・リーンセンサである。
【0023】本実施例において、前記第1及び第2の酸
素センサ16,17は、空燃比が理論空燃比よりもリッチで
あるときには、1V付近の高い電圧(リッチ出力)を出
力し、空燃比が理論空燃比よりもリーンであるときには
0V付近の低い電圧(リーン出力)を出力するものとす
る。また、前記三元触媒10の上流側となる排気マニホー
ルド8の集合部には、三元触媒10の上流側の排気の温度
を検出する排気温度検出手段としての温度センサ19が設
けられている。
【0024】また、機関1のON・OFFを決定するイ
グニッションスイッチ20が設けられている。ここにおい
て、コントロールユニット12に内蔵されたマイクロコン
ピュータのCPUは、前記各センサによって検出される
吸入空気流量Aと機関回転速度Neとに基づいて基本燃
料噴射量Tpを演算する一方、冷却水温度Twなどに基
づいて前記基本燃料噴射量Tpを補正するための各種補
正係数COEFを演算設定する。
【0025】また、空燃比フィードバック制御手段とし
ての機能を有するコントロールユニット12は、所定のフ
ィードバック制御条件が成立しているときには、前記基
本噴射量Tpを補正するための空燃比フィードバック補
正係数LMDを、前記第1酸素センサ16及び第2酸素セ
ンサ17の出力に基づいて以下のようにして演算する。即
ち、例えば特開平4−72438号公報に開示されるよ
うに、上流側の第1酸素センサ16の出力に基づいて判別
される目標空燃比に対するリッチ・リーンに応じて比例
・積分制御により空燃比フィードバック補正係数LMD
を設定する一方、下流側の第2酸素センサ17で検出され
る目標空燃比に対するリッチ・リーンに基づき、前記比
例・積分制御における比例操作量(比例分P)を補正す
る。
【0026】但し、第1酸素センサ16及び第2酸素セン
サ17を用いた空燃比フィードバック制御を、上記の比例
操作量の補正に限定するものではなく、前記比例制御を
行なうタイミングを第2酸素センサ17の検出結果に基づ
いて修正する構成や、第1酸素センサ16の出力に基づい
てリッチ・リーン判定に用いる基準レベルを、第2酸素
センサ17の出力に基づいて修正する構成などであっても
良い。
【0027】そして、前記基本燃料噴射量Tpを前記各
種補正係数COEF,空燃比フィードバック補正係数L
MD、更には、バッテリ電圧による補正分Tsなどによ
って補正して最終的な燃料噴射量Tiを求め、該燃料噴
射量Tiに相当するパルス幅の噴射パルス信号を燃料噴
射弁6に所定タイミングで出力する。一方、前記コント
ロールユニット12には、図5〜図7及び図10のフローチ
ャートに示すように、前記三元触媒10の劣化を診断する
自己診断機能が備えられている。
【0028】尚、本実施例において、総熱量演算手段、
経過時間比率演算手段、触媒劣化診断手段としての機能
は、前記図5〜図7及び図10のフローチャートに示すよ
うに、コントロールユニット12がソフトウェア的に備え
ている。先ず自己診断の第1実施例について図5〜図7
のフローチャートに従って説明する。
【0029】図5のフローチャートにおいて、ステップ
1(図中ではS1としてある。以下同様)では、イグニ
ッションスイッチ20からのON・OF信号を読込み、電
源がONとなった場合に以下のステップに進む。ステッ
プ2では、水温センサ15により始動時の機関1の冷却水
温度TwSTを読込む。
【0030】ステップ3では、ステップ2で読込んだ冷
却水温度TwSTで機関1が始動された場合に三元触媒10
が活性化するのに必要な目標排気総熱量ΣQT を読込
む。ここで、目標排気総熱量ΣQT は実験等により予め
求められる量であり、図8に示すように、始動時の機関
1の冷却水温度TwSTが低い程三元触媒10も冷却されて
おり、より多くの排気総熱量が必要であり、始動時の機
関1の冷却水温度TwSTが高くなる程三元触媒10の温度
も高くなるので、該目標排気総熱量ΣQT は少なくな
る。
【0031】ステップ4では、イグニッションスイッチ
20から機関1が始動されたか否かを判断する。尚、機関
1が始動されたか否かをクランク角センサ14により検出
される機関回転速度Neが所定回転数となったか否かに
より判断してもよい。ステップ5では、機関始動時から
の機関1から排出された排気総熱量ΣQを、図6に示す
フローチャートにしたがって演算する。
【0032】即ち、ステップ21では、機関1が始動され
たか否かを判断する。ステップ22では、エアフローメー
タ13より機関1の吸入空気量Aを読込む。ステップ23で
は、温度センサ19により、三元触媒10に流入する排気の
温度として三元触媒10の上流側の排気の温度TEXT を読
込む。ステップ24では、三元触媒10に流入する排気の熱
量Qを以下の式に従って演算する。
【0033】Q=TEXT ×A×K1 但し、K1は熱量換算係数である。ステップ25では、機
関1が始動されてからの三元触媒10に流入した排気の総
熱量ΣQを、前記ステップ24で演算した排気熱量Qを積
分することにより演算する。
【0034】ΣQ=∫Qdt 再び、図5の説明に戻る。ステップ6では、空燃比のフ
ィードバック制御を行う運転条件であるか否かを判断す
る。例えば、冷却水温度Twが所定値以下のとき、始動
時や暖機のため燃料増量中のとき、第1酸素センサ16の
出力信号が一度も反転していないとき、燃料カット中の
ときは、何れも空燃比のフィードバック制御を行う運転
条件ではないとする。
【0035】そして、空燃比のフィードバック制御を行
う運転条件であると判断されたときには、ステップ7に
進む。ここで、空燃比のフィードバック制御が行われる
と、図9に示すように、排気空燃比の変動に応じて、酸
素センサの出力が周期的に変動し、空燃比フィードバッ
ク補正係数αnが周期的に変動する。
【0036】ステップ7では、フィードバック制御を行
っている場合の、経過時間比率HzRATEを、図7に示すフ
ローチャートにしたがって演算する。即ち、ステップ41
では、第1酸素センサ16の出力波形の周期TF を読込
む。ステップ42では、第2酸素センサ17の出力波形の周
期TR を読込む。ステップ43では、前記ステップ41で求
めた周期TF と前記ステップ42で求めた周期TR との比
を経過時間比率HzRATEとして演算する。
【0037】HzRATE=TF /TR 再び、図5の説明に戻る。ステップ8では、ステップ5
で演算した機関1が始動されてからの三元触媒10に流入
した排気の総熱量ΣQが、ステップ3で読込んだ目標排
気総熱量ΣQT 以上となったか否かを判断し、ΣQ≧Σ
T であると判断された場合には、ステップ9に進み、
判定経過時間比率HzRATE0 を読込む。
【0038】ステップ10では、ステップ7で演算した経
過時間比率HzRATEと判定経過時間比率HzRATE0 との比較
を行う。ここで、判定経過時間比率HzRATE0 は、図2に
示したように、機関始動時からの排気総熱量ΣQが目標
排気総熱量ΣQT に達した時点における経過時間比率Hz
RATEが判定経過時間比率HzRATE0 以下であれば、触媒が
劣化していないと判断でき、機関始動時からの排気総熱
量ΣQが目標排気総熱量ΣQT に達した時点における経
過時間比率HzRATEが判定経過時間比率HzRATE0 より大き
ければ、触媒が劣化していると判断できるものである。
【0039】従って、ステップ10において、HzRATE≦Hz
RATE0 と判断される場合には、三元触媒10が触媒として
の機能を充分有していることを示し、つまり三元触媒10
が正常であると判断することが可能な場合であり、もっ
てステップ11に進み三元触媒10が正常であると判断す
る。またステップ10において、HzRATE≦HzRATE0 ではな
い(HzRATE>HzRATE0 )と判断される場合には、三元触
媒10が触媒としての機能を充分有しておらず、三元触媒
10で排気の反応が行われることなく素通りし、もって第
2酸素センサ17により検出される空燃比の変化速度も低
下し、前記出力波形の周期TR も大とはならず、もって
機関始動時からの排気総熱量ΣQが目標排気総熱量ΣQ
T に達しているにもかかわらず、HzRATEが低下しないと
考えることができる。従って、ステップ12に進み、三元
触媒10が劣化していると判断し、ステップ13に進み、例
えばパイロットランプ等を点灯して三元触媒10の劣化表
示を行う。
【0040】以上説明したように、本第1実施例では、
機関始動時からの排気総熱量ΣQが目標排気総熱量ΣQ
T に達した場合には、三元触媒10が正常であればHzRATE
が低下し、三元触媒10が劣化しているとHzRATEが低下し
ないことに着目して、三元触媒10を挟んで第1酸素セン
サ16及び第2酸素センサ17を設け、さらに三元触媒10に
流入する排気の温度を検出する温度センサ19を設け、前
記排気総熱量ΣQと経過時間比率HzRATEに基づき当該三
元触媒10の劣化を診断するようにした。
【0041】従って、三元触媒10が完全に活性化するこ
とを待つことなく、当該三元触媒10の劣化診断が可能と
なり、三元触媒10の劣化をいち早く、さらにより正確に
検知することが可能となり、三元触媒10が劣化したとき
の、例えば空燃比フィードバック制御における制御定数
の変更等のフェールセーフを適切に行うことが可能とな
るという効果がある。
【0042】次に自己診断の第2実施例を図10及び図
6、7のフローチャートに従って説明する。なお、前述
の図7のフローチャートと同一機能を有するステップに
は同一ステップ番号を付して、説明を省略する。ステッ
プ23では、ステップ2で読込んだ冷却水温度TwSTで機
関1が始動された場合に三元触媒10が活性化するのに必
要な目標経過時間比率HzRATET を設定する。ここで、目
標経過時間比率HzRATET は経過時間比率HzRATEが当該目
標経過時間比率HzRATET に達した場合には、充分な排気
総熱量が三元触媒10に供給されていると見做すことがで
きる比率であり、例えば図3のように設定される。
【0043】ステップ28では、ステップ7で演算した経
過時間比率HzRATEが低下してきて、ステップ23で設定し
た目標経過時間比率HzRATET 以下となったか否かを判断
し、HzRATE≦HzRATET であると判断された場合には、ス
テップ29に進み、判定排気総熱量ΣQ0 を読込む。ステ
ップ30では、ステップ5で演算した排気総熱量ΣQと判
定排気総熱量ΣQ 0 との比較を行う。
【0044】ここで、経過時間比率HzRATEが1より低下
して来て目標経過時間比率HzRATETに到達した時点にお
ける、機関始動時からの排気総熱量ΣQが判定排気総熱
量ΣQ0 以下であれば、それ程多量の熱量が三元触媒10
に供給されなくとも、経過時間比率HzRATEが充分に低下
しており、もって触媒が劣化していないと判断できる。
また、経過時間比率HzRATEが1より低下して来て目標経
過時間比率HzRATET に到達した時点における機関始動時
からの排気総熱量ΣQが判定排気総熱量ΣQ0より大き
ければ、充分な量の排気が三元触媒10に供給されたにも
かかわらず、経過時間比率HzRATEが充分に低下しておら
ず、触媒が劣化していると判断できるものである。
【0045】従って、ステップ30において、ΣQ≦ΣQ
0 と判断される場合には、三元触媒10が触媒としての機
能を充分有していることを示し、つまり三元触媒10が正
常であると判断することが可能な場合であり、もってス
テップ11に進み三元触媒10が正常であると判断する。ま
たステップ10において、ΣQ≦ΣQ0 ではない(ΣQ>
ΣQ0 )と判断される場合には、三元触媒10が触媒とし
ての機能を充分有しておらず、三元触媒10で排気の反応
が行われることなく素通りし、もって第2酸素センサ17
により検出される空燃比の変化速度も低下しているた
め、前記出力波形の周期TR が大となるのに時間がかか
り、もって経過時間比率HzRATEが1より低下して来て目
標経過時間比率HzRATET に到達するまでに、機関始動時
からの排気総熱量ΣQが多量に必要となっていると考え
ることができる。従って、ステップ12に進み、三元触媒
10が劣化していると判断し、ステップ13に進み、例えば
パイロットランプ等を点灯して三元触媒10の劣化表示を
行う。
【0046】以上説明したように、本第2実施例では、
経過時間比率HzRATEが目標経過時間比率HzRATET に達し
た場合には、三元触媒10が正常であれば排気総熱量ΣQ
は判定排気総熱量ΣQ0 より少ない、即ちより少ない熱
量で経過時間比率HzRATEが低下し、三元触媒10が劣化し
ていると判定排気総熱量ΣQ0 より多い排気総熱量ΣQ
を供給しないと経過時間比率HzRATEが低下しないことに
着目して、三元触媒10を挟んで第1酸素センサ16及び第
2酸素センサ17を設け、さらに三元触媒10に流入する排
気の温度を検出する温度センサ19を設け、前記排気総熱
量ΣQと経過時間比率HzRATEに基づき当該三元触媒10の
劣化を診断するようにした。
【0047】従って、本第2実施例においても、第1実
施例と同様な効果を奏することとなる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、排
気浄化触媒の上流側及び下流側にそれぞれ酸素センサを
設け、排気浄化触媒の上流側の排気の温度を検出する排
気温度検出手段を設け、これらの酸素センサの出力及び
該排気温度と吸入空気流量とに基づいて機関始動時から
の排気総熱量を演算し、機関始動時からの排気総熱量が
所定排気総熱量に達した場合には、三元触媒が劣化して
いると、上流側酸素センサにおけるリーン・リッチが反
転してから反転するまでの上流側経過時間と、下流側酸
素センサにおけるリーン・リッチが反転してから反転す
るまでの下流側経過時間との比率が低下しないことに着
目して、触媒の劣化診断を行うようにしたので、三元触
媒が完全に活性化することを待つことなく、当該三元触
媒の劣化診断が可能となる。また、経過時間比率を演算
し、三元触媒が劣化していなければ、それ程多量の熱量
が供給されなくとも、経過時間比率が充分に低下するこ
とに着目して、触媒の劣化診断を行うようにしたので、
三元触媒が完全に活性化することを待つことなく、当該
三元触媒の劣化診断が可能となる。従って、本発明によ
ると、三元触媒の劣化をいち早く、さらにより正確に検
知することが可能となり、触媒劣化診断の機会をいち早
く確保して診断の信頼性を高めることが可能となると共
に、三元触媒が劣化したときの、例えば空燃比フィード
バック制御における制御定数の変更等のフェールセーフ
を適切に行うことが可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図
【図2】本発明の作用を説明する特性図
【図3】本発明の作用を説明する特性図
【図4】本発明の一実施例を示すシステム概略図
【図5】本発明の第1実施例の触媒劣化診断制御を示す
フローチャート
【図6】本発明の排気総熱量ΣQ演算ルーチンを示すフ
ローチャート
【図7】本発明の経過時間比率HzRATE演算ルーチンを示
すフローチャート
【図8】本発明の目標排気総熱量ΣQT と冷却水温度T
STとの関係を示す特性図
【図9】本発明の実施例におけるフィードバック制御の
特性を示すタイムチャート
【図10】本発明の第2実施例の触媒劣化診断制御を示す
フローチャート
【図11】従来の問題点を説明するシステム概略図
【符号の説明】
1 機関 6 燃料噴射弁 10 三元触媒(排気浄化触媒) 12 コントロールユニット 13 エアフローメータ 14 クランク角センサ 16 第1酸素センサ 17 第2酸素センサ 19 温度センサ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒
    と、 該排気浄化触媒の上流側の排気中の酸素濃度に感応して
    出力値が変化する上流側酸素センサと、 該排気浄化触媒の下流側の排気中の酸素濃度に感応して
    出力値が変化する下流側酸素センサと、 前記上流側酸素センサ及び下流側酸素センサそれぞれの
    出力に基づいて機関吸入混合気の空燃比を目標空燃比に
    近づける方向に機関への燃料供給量をフィードバック制
    御する空燃比フィードバック制御手段と、 を備えてなる内燃機関において、 機関始動時からの排気総熱量を演算する総熱量演算手段
    と、 上流側酸素センサにおけるリーン・リッチが反転してか
    ら反転するまでの上流側経過時間と、下流側酸素センサ
    におけるリーン・リッチが反転してから反転するまでの
    下流側経過時間との比率を演算する経過時間比率演算手
    段と、 前記総熱量演算手段で演算された機関始動時からの排気
    総熱量が所定の目標排気総熱量に達したときの、前記
    過時間比率演算手段により演算されたリーン・リッチが
    反転してから反転するまでの上流側経過時間と下流側経
    過時間との比率に基づいて、前記排気浄化触媒の劣化を
    診断する触媒劣化診断手段と、 を含んで構成されたことを特徴とする内燃機関の触媒劣
    化診断装置。
  2. 【請求項2】前記触媒劣化診断手段は、前記目標排気総
    熱量を、機関始動時における冷却水温度に応じて可変に
    設定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の
    触媒劣化診断装置。
  3. 【請求項3】機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒
    と、 該排気浄化触媒の上流側の排気中の酸素濃度に感応して
    出力値が変化する上流側酸素センサと、 該排気浄化触媒の下流側の排気中の酸素濃度に感応して
    出力値が変化する下流 側酸素センサと、 前記上流側酸素センサ及び下流側酸素センサそれぞれの
    出力に基づいて機関吸入混合気の空燃比を目標空燃比に
    近づける方向に機関への燃料供給量をフィードバック制
    御する空燃比フィードバック制御手段と、 を備えてなる内燃機関において、 機関始動時からの排気総熱量を演算する総熱量演算手段
    と、 上流側酸素センサにおけるリーン・リッチが反転してか
    ら反転するまでの上流側経過時間と、下流側酸素センサ
    におけるリーン・リッチが反転してから反転するまでの
    下流側経過時間との比率を演算する経過時間比率演算手
    段と、 前記経過時間比率演算手段により演算されたリーン・リ
    ッチが反転してから反転するまでの上流側経過時間と下
    流側経過時間との比率が所定の目標経過時間比率に達し
    たときの、前記総熱量演算手段で演算された機関始動時
    からの排気総熱量に基づいて、前記排気浄化触媒の劣化
    を診断する触媒劣化診断手段と、 を含んで構成されたことを特徴とする内燃機関の触媒劣
    化診断装置。
  4. 【請求項4】前記触媒劣化診断手段は、前記目標経過時
    間比率を、機関始動時における冷却水温度に応じて可変
    に設定することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関
    の触媒劣化診断装置。
  5. 【請求項5】 排気浄化触媒の上流側の排気の温度を検出
    する排気温度検出手段と、機関に吸入される吸入空気流
    量を検出する吸入空気流量検出手段とを備え、 前記総熱量演算手段が前記排気温度と前記吸入空気流量
    とに基づいて機関始動時からの排気総熱量を演算するこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の内
    燃機関の触媒劣化診断装置。
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