JP5278054B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気通路に配置された触媒の暖機を促進させる触媒暖機制御の診断を行うことが可能な内燃機関の制御装置に関するものである。
排出ガス中のエミッションを低減するために、点火時期遅角制御やエンジン回転数増加制御によって、エンジンの排気通路に配置された触媒の暖機を促進する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開平8−35418号公報
上記の技術では、点火時期遅角制御やエンジン回転数増加制御に異常が発生すると、触媒の暖機が適切に促進されず、排出ガス中のエミッションを十分に低減することができないおそれがあるという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、排出ガス中のエミッションの低減を図ることが可能な内燃機関の制御装置を提供することである。
本発明は、内燃機関を一定トルクで制御する場合に、吸入空気量に対する回転数の比が第1の閾値以上となった場合に、触媒暖機制御において点火時期遅角制御に異常が発生していると判定し、吸入空気量に対する回転数の比が第2の閾値以下となった場合に、触媒暖機制御において回転数増加制御に異常が発生していると判定することによって上記課題を解決する。
本発明によれば、触媒暖機制御に発生した異常時を早期に検出してエミッションの排出を抑制することができるので、排気ガス中のエミッションの低減を図ることができる。
図1は、本発明の第1実施形態におけるエンジンシステムの全体構成を示すブロック図である。 図2は、トルク一定制御における吸入空気量と点火時期との関係を示すグラフである。 図3は、トルク一定制御における吸入空気量とエンジン回転数との関係を示すグラフである。 図4は、本発明の第1実施形態における触媒暖機制御の診断処理を示すフローチャートである。 図5は、本発明の第1実施形態における第1の診断パラメータの時間推移の一例を示すグラフである。 図6は、本発明の第1実施形態における第1及び第2の閾値の設定理由を説明するためのグラフである。 図7は、本発明の第2実施形態における触媒暖機制御の診断処理を示すフローチャートである。 図8は、本発明の第2実施形態における第2の診断パラメータの時間推移の一例を示すグラフである。 図9は、本発明の第3実施形態における触媒暖機制御の診断処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、後述する第1〜第3実施形態に共通するエンジンシステムを最初に説明し、そのあとに各実施形態について説明する。
図1は本発明の実施形態におけるエンジンシステムを示す図、図2はトルク一定制御における吸入空気量と点火時期との関係を示すグラフ、図3はトルク一定制御における吸入空気量とエンジン回転数との関係を示すグラフである。
なお、本実施形態では、エンジン10としては、燃料を吸気ポート内に噴射するマルチポイント・インジェクションタイプ(MPI)のガソリンエンジンを例にとって説明するが、燃料を燃焼室内に直接噴射する筒内直接噴射型のエンジンであってもよい。また、図1は一つの気筒のみを図示しており、気筒数は特に限定されない。
エンジン10の吸気通路111には、エアフィルタ112、エアフローメータ113、スロットルバルブ114、及びコレクタ115が設けられている。
エアフローメータ113は、吸気通路111内に吸入された空気の量(吸入空気量)を検出し、その検出信号をECU(エンジンコントロールユニット)60に出力する。エアフローメータ113の具体例としては、たとえば、ホットフィルム式、ホットワイヤ式、カルマン渦式或いはベーン式のエアフローメータを例示することができる。
吸入空気量を制御するスロットルバルブ114には、当該スロットルバルブ114の開度を調整するDCモータ等のアクチュエータ116が設けられている。このスロットルバルブアクチュエータ116は、運転者のアクセルペダル操作量等に基づいて演算される要求トルクを達成するように、ECU60からの駆動信号に基づいてスロットルバルブ114の開度を電子制御する。また、スロットルバルブ114の開度を検出するスロットル開度センサ117が設けられており、その検出信号はECU60に出力される。なお、吸気通路111にスロットルバルブ114をバイパスするバイパス路を設けて、このバイパス路に、ISCV(Idle Speed Control Valve)を配置してもよい。
また、コレクタ115から各気筒に分岐した吸気ポート111aに臨むようにインジェクタ118が設けられている。インジェクタ118は、ECU60において設定される駆動パルス信号によって開弁駆動され、図外の燃料ポンプから圧送されてプレッシャレギュレータにより調圧された燃料を吸気ポート111a内に噴射する。
シリンダ119と、当該シリンダ119内を往復移動するピストン120の冠面と、吸気バルブ121及び排気バルブが設けられたシリンダヘッドと、で囲まれる空間が燃焼室123を構成している。点火プラグ124は、各気筒の燃焼室123内に臨むようにシリンダヘッドに設けられ、ECU60からの点火信号に基づいて吸入混合気に対して点火を行う。
一方、エンジン10の排気通路125には、空燃比センサ126、排気を浄化する排気浄化触媒127、及びマフラ128が設けられている。
空燃比センサ126は、排気中の特定成分、たとえば酸素濃度を検出することにより排気、ひいては吸気混合気の空燃比(A/F)を検出する。この空燃比センサ126は、ECU60に接続されており、検出信号をECU60に出力する。この空燃比センサ126は、リッチ・リーン出力する酸素センサであってもよいし、空燃比をリニアに広域に亘って検出する広域空燃比センサであってもよい。
排気浄化触媒127の具体例としては、ストイキ(理論空燃比、λ=1、空気重量/燃料重量=14.7)近傍において排気ガス中の一酸化炭素COと炭化水素HCを酸化すると共に、窒素酸化物NOの還元を行って排気ガスを浄化することのできる三元触媒や、排気ガス中の一酸化炭素COと炭化水素HCの酸化を行う酸化触媒などを例示することができる。なお、排気を効率的に浄化するために、車輌の床下に排気浄化触媒を配置すると共に、排気マニホールド又はその近傍にも排気浄化触媒を配置してもよい。
エンジン10のクランク軸130にはクランク角センサ131が設けられており、ECU60は、クランク角センサ131から機関回転と同期して出力されるクランク単位角信号を一定時間カウントすることで、又は、クランク基準角信号の周期を計測することで、エンジン回転数NRPM[rpm]を検出する。
また、エンジン10の冷却ジャケット132には水温センサ133が設けられている。この水温センサ133は、たとえばサーミスタから構成されており、冷却ジャケット132内の冷却水の水温Twを検出して、当該検出信号をECU60に出力する。
ECU60は、CPU、ROM、RAM、A/D変換器、及び入出力インタフェース等を含んだマイクロコンピュータから構成されており、上述した各種センサ類が接続されている。なお、本実施形態におけるECU60が本発明における制御手段及び診断手段の一例に相当する。
このECU60は、センサ類からの信号に基づいて検出される運転状態に応じて、燃料噴射制御(EGI:Electronic Gasoline Injection)、点火時期制御(ESA:Electronic Spark Advance)、及びアイドル回転数制御(ISC:Idle Speed Control)等を実行する。
燃料噴射制御では、吸入空気量等に基づいて空燃比が最適となるような燃料の量を設定し、その量の燃料をインジェクタ118に噴射させる制御する。また、点火時期制御では、エンジン回転数等に基づいて最適な点火時期を設定し、当該点火時期で点火プラグ124を点火させる制御を行う。
本実施形態のアイドル回転数制御では、アイドル運転時において、エンジンが回転を維持することができるような一定のトルク(自立回転のみを要求するトルク)を維持できるように目標アイドル回転数を設定し、実際のエンジン回転数が当該目標アイドル回転数に収束するように、吸入空気量と点火時期をフィードバック制御する。
このようなアイドルトルクを一定とするアイドル回転数制御においては、1サイクル当たりの吸入噴射量TPと点火時期ADVとの間に、図2に示すように、点火時期ADVが進角するほど吸入空気量TPが大きく減少するような関係が成立している。一方、エンジン回転数NRPMと吸入空気量TPとの間には、図3に示すように、エンジン回転数NRPMが高くなるほど吸入空気量TPが緩やかに増加する関係が成立している。なお、図2及び図3において、点火時期ADVの変化に伴う吸入空気量TPの変化量よりも、エンジン回転数NRPMの変化に伴う吸入空気量TPの変化量の方が小さくなっている。
また、本実施形態のECU60は、冷間始動時における排ガス中のエミッションの量を少なくするために、排気浄化触媒127の暖機を促進する触媒暖機制御を実行する。なお、エミッションとは、自動車排気ガス浄化分野では、排気ガス中に含まれるCO、HC、NOを指し、本例のような冷間始動時におけるエミッションとしては主としてHCを意味する。
具体的には、この触媒暖機制御では、点火時期をMBT(Minimum advance for Best Torque)よりもリタード(遅角)させる制御(以下、単に点火時期遅角制御と称する。)や、エンジン回転数を高くする制御(以下、単に回転数増加制御とも称する。)を実行することで、排気浄化触媒127の暖機を促進させる。点火時期をリタードさせることで、燃焼効率が低下して排気浄化触媒127への排気の温度が高くなるので、排気浄化触媒127の暖機を促進することができる。また、エンジン回転数を高めることで、エンジンの燃焼間隔が短くなり、排気浄化触媒127への排気の量が多くなるので、排気浄化触媒127の暖機を促進することができる。なお、点火時期のリタードに伴ってエンジンのトルクが低下するので、触媒暖機制御中には、このトルク低下分を補うために吸入空気量を増加し、さらにこの吸入空気量の増加に伴って燃料噴射量も増加することとなる。
なお、本実施形態の触媒暖機制御において点火時期をリタードさせる制御が、本発明の点火時期遅角制御の一例に相当し、本実施形態の触媒暖機制御においてエンジン回転数を高める制御が、本発明の回転数増加制御の一例に相当する。
さらに、本実施形態におけるECU60は、上記のアイドル回転数制御と触媒暖機制御を実行している際に、触媒暖機制御を診断する機能を有している。以下に、触媒暖機制御の診断処理に関する具体例を第1〜第3実施形態で詳述する。
<第1実施形態>
図4は本実施形態における触媒暖機制御の診断処理を示すフローチャート、図5は本実施形態における第1の診断パラメータの時間推移の一例を示すグラフ、図6は本実施形態における第1及び第2の閾値の設定理由を説明するためのグラフである。
先ず、図4のステップS100において、ECU60は診断許可条件が成立したか否かを判断する。ここで、診断許可条件の具体例としては、たとえば、(i)冷却水の温度Twが40℃以下であること(Tw≦40℃、すなわちエンジンが冷機状態であること)、(ii) アイドルトルクを一定とするアイドル速度制御を実行中であること、及び(iii)触媒暖機制御を実行中であること、を例示することができる。このステップS100において診断許可条件が成立していないと判断した場合(ステップS100にてNO)には本フローを終了する。
ステップS100において診断許可条件が成立していると判断した場合(ステップS100にてYES)には、ステップS110において診断許可継続時間の計時を開始する。
次いで、ステップS120において、ECU60は、下記の式(1)式で示す第1の診断パラメータを算出する。
[第1の診断パラメータ]=NRPM/TP … (1)式
但し、上記の(1)式において、TPは、エアフローメータ113によって検出される1サイクル当たりの吸入空気量であり、NRPMは、クランク角センサ131によって検出されるエンジン回転数である。このステップS120において、ECU60は、図5に示すように、所定時間間隔毎に第1の診断パラメータを逐次演算し、その第1の診断パラメータを時系列に従ってメモリ(不図示)に記憶する。
次いで、ステップS130において、診断許可継続時間が所定時間tを経過したか否かを判断する。ここで診断許可継続時間が所定時間tを経過していない場合(ステップS130にてNO)には、ステップS120における第1の診断パラメータの演算を継続する。所定時間tに亘って第1の診断パラメータを演算することで、触媒暖機制御の診断の精度向上を図ることができる。一方、診断許可継続時間が所定時間を経過している場合(ステップS130にてYES)には、ステップS140に移行する。なお、所定時間tは、たとえば、触媒暖機制御の継続時間に合わせて10秒である。
ステップS140では、ECU60は、第1の診断パラメータを第1の閾値TH1と比較することで、触媒暖機制御において点火時期遅角制御に異常が発生しているか否かを判定する。
ここで、点火時期遅角制御に異常が発生している場合には、図2及び図3に示すように、点火時期の進角化に伴って吸入空気量TPが大きく減少するのに対して、エンジンの回転は正常であるのでエンジン回転数NRPMの変化は小さいため、第1の診断パラメータは全体として数値が大きくなる傾向がある。また、一般的に排気ガス中のエミッションの量は排気浄化触媒127への排気の温度が低下するほど増加するが、点火時期が進角化するほど、排気浄化触媒127への排気の温度の昇温効果が弱まるため、図6の一点鎖線で示すように、点火時期遅角制御に異常が発生した場合における第1の診断パラメータと排気浄化触媒127への排気温度との間には、排気温度が低下するほど第1の診断パラメータが大きくなるという関係がある。以上の理由から、本実施形態のステップS150では、第1の診断パラメータが第1の閾値TH1以上であるか否かを判断することで、点火時期遅角制御に異常が発生しているか否かを判定する。なお、第1の閾値TH1は、図6に示すように、たとえば排気ガス中のエミッションの排出規制量に対応した排気温度Tによって規定される。
ステップS140にて第1の診断パラメータが第1の閾値TH1以上である(NRPM/TP≧TH1)と判断した場合(ステップS140にてYES)には、ECU60は、触媒暖機制御において点火時期遅角制御に異常が発生していると判定し、本フローを終了する。なお、ステップS140では、ステップS120においてメモリに記憶された第1の診断パラメータの時系列データの中で一つでも第1の閾値TH1以上となった場合には、点火時期遅角制御に異常が発生していると判定する。
一方、ステップS140にて第1の診断パラメータが第1の閾値TH1よりも小さい(NRPM/TP<TH1)と判断した場合(ステップS140にてNO)には、ステップS160において、第1の診断パラメータを第2の閾値TH2と比較することで、触媒暖機制御において回転数増加制御に異常が発生しているか否かを判定する。
ここで、回転数増加制御に異常が発生している場合には、エンジン回転数NRPMが大きく減少するのに対して、図3に示すように、吸入空気量TPはそれほど大きく減少しないので、第1の診断パラメータは全体として数値が小さくなる。また、排気ガス中のエミッションの量は排気浄化触媒127への排気の温度が低下するほど増加するが、エンジン回転数が低下するほど、排気浄化触媒127への排気の昇温効果が弱まるため、図6の二点鎖線で示すように、回転数増加制御に異常が発生した場合における第1の診断パラメータと排気浄化触媒127への排気温度との間には、排気温度が低下するほど第1の診断パラメータが小さくなるという関係がある。以上の理由から、本実施形態のステップS160では、第1の診断パラメータが第2の閾値TH2以下であるか否かを判断することで、回転数増加制御に異常が発生しているか否かを判定する。この第2の閾値TH2は、上述の第1の閾値TH1と同様に、図6に示すように、たとえば排気ガス中のエミッションの排出規制量に対応した排気温度Tによって規定される。
ステップS160において第1の診断パラメータが第2の閾値TH2以下である(NRPT/TP≦TH2)と判断した場合(ステップS160にてYES)には、ECU60は、触媒暖機制御において回転数増加制御に異常が発生していると判定し、本フローを終了する。なお、ステップS160では、ステップS120においてメモリに記憶された第1の診断パラメータの時系列データの中で一つでも第2の閾値TH2以下となった場合には、回転数増加制御に異常が発生していると判定する。
一方、ステップS160にて第1の診断パラメータが第2の閾値TH2よりも大きい(NRPT/TP>TH2)と判断した場合(ステップS160にてNO)には、ステップS180において、ECU60は、触媒暖機制御が正常であると判定する。
ステップS150又はステップS170において、触媒暖機制御に異常があると判定した場合には、たとえばインストルメントパネルのエンジンチェックランプを点灯させることで、運転者にメンテナンス等を促す。
以上のように、本実施形態では、吸入空気量TPとエンジン回転数NRPMとの比(NRPM/TP)に基づいて、触媒暖機制御が正常か否かを判定することによって、触媒暖機制御に発生した異常を早期に検出してエミッションの排出を抑制することができるので、排気ガス中のエミッションの低減を図ることができる。
また、本実施形態では、トルクを一定とするアイドル速度制御において、第1の診断パラメータNRPM/TPが第1の閾値TH1以上となった場合に、点火時期遅角制御に異常が発生していると判定し、第1の診断パラメータNRPM/TPが第2の閾値TH2以下となった場合に、回転数増加制御に異常が発生していると判定するので、触媒暖機制御の診断において点火時期遅角制御の異常と回転数増加制御の異常とを個別に検出することができ、触媒暖機制御に発生している異常の原因を特定することができる。
さらに、本実施形態では、点火時期を含まない第1の診断パラメータNRPM/TPを用いて、点火時期遅角制御の異常を検出することができる。
<第2実施形態>
図7は本実施形態における触媒暖機制御の診断処理を示すフローチャート、図8は本実施形態における第2の診断パラメータの時間推移の一例を示すグラフである。
先ず、図7のステップS200において、ECU60は診断許可条件が成立したか否かを判断する。なお、診断許可条件の具体例としては、第1実施形態で説明した(i)〜(iii)を例示することができる。このステップS200において診断許可条件が成立していないと判断した場合(ステップS200にてNO)には本フローを終了する。
ステップS200において診断許可条件が成立していると判断した場合(ステップS200にてYES)には、ステップS210において診断許可継続時間の計時を開始する。
次いで、ステップS220においてECU60は、下記の(2)式で示す第2の診断パラメータを算出する。
[第2の診断パラメータ]=Σ(TP/ADV)×REFCNT … (2)式
但し、上記の(2)式において、TPは、エアフローメータ113によって検出される1サイクル当たりの吸入空気量である。ADVは、ECU60から点火プラグ124に指示される点火時期であり、点火時期が進角化するほど大きくなる角度値[deg]である。また、REFCNTは、クランク角センサ131による検出信号から算出される単位時間当たりの点火数である。上記の(2)式では、(TP/ADV)×REFCNTの所定時間tにおける総和(すなわち、1サイクル当たりの比率TP/ADVを所定時間tにおける総点火数で積分した値)を算出している。
次いで、ステップS230において、ECU60は、診断許可継続時間が所定時間tを経過したか否かを判断する。ここで診断許可継続時間が所定時間tを経過していない場合(ステップS230にてNO)には、ステップS220における第2の診断パラメータの演算を継続する。一方、診断許可継続時間が所定時間tを経過している場合(ステップS230にてYES)には、ステップS240に移行する。なお、所定時間tは、第1実施形態と同様に、たとえば、触媒暖機制御の継続時間に合わせて10秒である。
ステップS240では、ECU60は、第2の診断パラメータを第の閾値THと比較することで、触媒暖機制御において点火時期遅角制御に異常が発生しているか否かを判定する。
ここで、点火時期遅角制御に異常が発生している場合には、図2及び図3に示すように、エンジン回転数の変化は小さいが、点火時期ADVが進角化することで大きくなると共に吸入空気量TPが減少するため、図8に示すように、第2の診断パラメータは、全体としてその数値が、回転数増加制御の異常の場合よりも小さくなる傾向がある。また、排気ガス中のエミッションの量は排気浄化触媒127への排気の供給熱量が減少するほど増加するが、吸入空気量TPは、排気浄化触媒127への排気の量に相関があり、点火時期ADVは、排気浄化触媒127への排気の温度に相関があり、結果的に第2の診断パラメータは排気浄化触媒127への供給熱量に相関がある。以上のような理由から、本実施形態のステップS240では、図8に示すように、第2の診断パラメータが第の閾値TH以下であるか否かを判断することで、点火時期遅角制御に異常が発生しているか否かを判定する。なお、第の閾値THは、たとえば排気ガス中のエミッションの排出規制量に対応するように設定される。
ステップS240にて第2のパラメータが第の閾値TH以下である(Σ(TP/ADV)×REFCNT≦TH)と判断した場合(ステップS240にてYES)には、ECU60は、触媒暖機制御において点火時期遅角制御に異常が発生していると判定し、本フローを終了する。
一方、ステップS240にて第2の診断パラメータが第の閾値THよりも大きい(Σ(TP/ADV)×REFCNT>TH)と判断した場合(ステップS240にてNO)には、ステップS260において、第2の診断パラメータを第の閾値THと比較することで、触媒暖機制御において回転数増加制御に異常が発生しているか否かを判定する。
ここで、回転数増加制御に異常が発生している場合には、エンジン回転数の低下に伴って単位時間当たりの点火数REFCNTが低下するのに対し、図2及び図3に示すように、吸入空気量TPや点火時期ADVの変化は小さいため、図8に示すように、第2の診断パラメータは全体として数値が小さくなる傾向がある。また、排気ガス中のエミッションの量は排気浄化触媒127への排気の供給熱量が減少するほど増加するが、上述のように第2の診断パラメータは排気浄化触媒127への供給熱量に相関がある。以上のような理由から、本実施形態のステップS260では、図8に示すように、第2の診断パラメータが、第3の閾値TH3以下であるか否かを判断することで、回転数増加制御に異常が発生しているか否かを判定する。なお、第の閾値THは、たとえば排気ガス中のエミッションの排出規制量に対応するように設定される。
ステップS260にて第2の診断パラメータが第の閾値TH以下である(Σ(TP/ADV)×REFCNT≦TH)と判断した場合(ステップS260にてYES)には、ECU60は、触媒暖機制御において回転数増加制御に異常が発生していると判定し、本フローを終了する。なお、第2の診断パラメータが第4の閾値TH4以下である場合、エンジン回転数の低下を含む場合もあるが、排気ガス中のエミッションに与える影響は小さいので、点火時期遅角制御にのみ異常が発生しているとみなすことができる。
一方、ステップS260にて第2の診断パラメータが第の閾値THよりも大きい(Σ(TP/ADV)×REFCNT>TH)と判断した場合(ステップS260にてNO)には、ステップS280において、触媒暖機制御は正常であると判定する。
ステップS250又はS270において、触媒暖機制御に異常があると判定した場合には、たとえばインストルメントパネルのエンジンチェックランプを点灯させることで、運転者にメンテナンス等を促す。
以上のように、本実施形態では、点火時期ADVに対する吸入空気量TPの比(TP/ADV)に基づいて、触媒暖機制御が正常か否かを判定することによって、触媒暖機制御に発生した異常を早期に検出してエミッションの排出を抑制することができるので、排気ガス中のエミッションの低減を図ることができる。
また、本実施形態では、トルクを一定とするアイドル速度制御において、点火時期ADVに対する吸入空気量TPの比(TP/ADV)の所定時間t内の積算値である第2の診断パラメータ(Σ(TP/ADV)×REFCNT)が第3の閾値TH3以下となり、且つ、前記第3の閾値よりも小さな第4の閾値より大きくなった場合に、回転数増加制御に異常が発生していると判定し、第2の診断パラメータが第4の閾値TH4以下となった場合に、点火時期遅角制御に異常が発生していると判定するので、触媒暖機制御の診断において回転数増加制御の異常と点火時期遅角制御の異常とを個別に検出することができ、触媒暖機制御に発生している異常の原因を特定することができる。
<第3実施形態>
本実施形態における診断処理は、第1実施形態の診断処理と第2実施形態の診断処理とを組み合わせたものである。図9は本実施形態における触媒暖機制御の診断処理を示すフローチャートである。
先ず、図9のステップS300においてECU60は診断許可条件が成立したか否かを判断し、次いでステップS310において診断許可継続時間の計時を開始する。なお、診断許可条件の具体例は、第1実施形態で説明した(i)〜(iii)と同様である。また、ステップS300において診断許可条件が成立していないと判断した場合(ステップS300にてNO)には本フローを終了する。
次いで、ステップS320において、ECU60は、第1実施形態のステップS120で説明した第1の診断パラメータと、第2実施形態のステップS220で説明した第2の診断パラメータと、を演算する。
次いで、ステップS330において、診断許可継続時間が所定時間tを経過したか否かを判断する。ここで診断許可継続時間が所定時間tを経過していない場合(ステップS330にてNO)には、ステップS320における第1及び第2の診断パラメータの演算を継続する。一方、診断許可継続時間が所定時間tを経過している場合(ステップS330にてYES)には、ステップS340に移行する。
ステップS340〜ステップS380では、第1実施形態のステップS140〜S180と同様に、第1の診断パラメータを第1の閾値TH1及び第2の閾値TH2とそれぞれ比較することで、触媒暖機制御において点火時期遅角制御や回転数増加制御に異常が発生しているか否か判定する。
次いで、ステップS390〜ステップS430において、第2実施形態のステップS240〜S280と同様に、第2の診断パラメータを第3の閾値TH3及び第4の閾値TH4とそれぞれ比較することで、触媒暖機制御において回転数増加制御や点火時期遅角制御に異常が発生しているか否かを判定する。
本実施形態では、ステップS350,S370,S400及びS420において、触媒暖機制御に異常があると判定した場合には、たとえば車輌のインストルメントパネルのエンジンチェックランプを点灯させることで、運転者にメンテナンス等を促す。なお、第1の診断パラメータを用いた判定結果と、第2の診断パラメータを用いた判定結果とが相違する場合には、異常であった判定結果を優先する。
以上のように、本実施形態では、第1実施形態と同様に、吸入空気量TPとエンジン回転数NRPMとの比(NRPM/TP)に基づいて、触媒暖機制御が正常か否かを判定することによって、触媒暖機制御に発生した異常を早期に検出してエミッションの排出を抑制することができるので、排気ガス中のエミッションの低減を図ることができる。
また、本実施形態では、第2実施形態と同様に、点火時期ADVに対する吸入空気量TPの比(TP/ADV)に基づいて、触媒暖機制御が正常か否かを判定することによって、触媒暖機制御に発生した異常を早期に検出してエミッションの排出を抑制することができるので、排気ガス中のエミッションの低減を図ることができる。
また、本実施形態では、第1実施形態と同様に、トルクを一定とするアイドル速度制御において、第1の診断パラメータNRPM/TPが第1の閾値TH1以上となった場合に、点火時期遅角制御に異常が発生していると判定し、第1の診断パラメータNRPM/TPが第2の閾値TH2以下となった場合に、回転数増加制御に異常が発生していると判定するので、触媒暖機制御の診断において点火時期遅角制御の異常と回転数増加制御の異常とを個別に検出することができ、触媒暖機制御に発生している異常の原因を特定することができる。
また、本実施形態では、第2実施形態と同様に、トルクを一定とするアイドル速度制御において、点火時期ADVに対する吸入空気量TPの比(TP/ADV)の所定時間t内の積算値である第2の診断パラメータ(Σ(TP/ADV)×REFCNT)が第3の閾値TH3以下となり、且つ、前記第3の閾値よりも小さな第4の閾値より大きくなった場合に、回転数増加制御に異常が発生していると判定し、第2の診断パラメータが第4の閾値TH4以下となった場合に、点火時期遅角制御に異常が発生していると判定するので、触媒暖機制御の診断において回転数増加制御の異常と点火時期遅角制御の異常とを個別に検出することができ、触媒暖機制御に発生している異常の原因を特定することができる。
また、本実施形態では、第1実施形態と同様に、点火時期を含まない第1の診断パラメータNRPM/TPを用いて、点火時期遅角制御の異常を検出することができる。
さらに、本実施形態では、第1の診断パラメータを用いた診断と、第2の診断パラメータを用いた診断と、を行うので、触媒暖機制御の診断の精度向上を図ることができる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
10…エンジン
111…吸気通路
113…エアフローメータ
125…排気通路
127…排気浄化触媒
131…クランク角センサ
133…水温センサ
60…ECU

Claims (3)

  1. 内燃機関を制御することで前記内燃機関の排気通路に配置された触媒の暖機を促進させる触媒暖機制御を行う制御手段と、
    前記触媒暖機制御の診断を行う診断手段と、を備えた内燃機関の制御装置であって、
    前記触媒暖機制御は、
    前記内燃機関の点火時期を遅角させる点火時期遅角制御と、
    前記内燃機関の回転数を増加させる回転数増加制御と、を含み、
    前記診断手段は、
    前記制御手段が前記内燃機関を一定トルクで制御する場合に、
    前記内燃機関への吸入空気量に対する前記回転数の比が第1の閾値以上となった場合に、前記触媒暖機制御において前記点火時期遅角制御に異常が発生していると判定し、
    前記吸入空気量に対する前記回転数の比が第2の閾値以下となった場合に、前記触媒暖機制御において前記回転数増加制御に異常が発生していると判定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置であって、
    前記診断手段は、前記制御手段が前記内燃機関を一定トルクで制御する場合に、前記吸入空気量と前記点火時期との比の所定期間に亘る積算値に基づいて、前記触媒暖機制御に発生している異常の原因を特定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 請求項2記載の内燃機関の制御装置であって、
    前記診断手段は、
    前記点火時期に対する前記吸入空気量の比の積算値が第3の閾値以下となり、且つ、前記第3の閾値よりも小さな第4の閾値より大きくなった場合に、前記触媒暖機制御において前記回転数増加制御に異常が発生していると判定し、
    前記点火時期に対する前記吸入空気量の比の積算値が、前記第4の閾値以下となった場合に、前記触媒暖機制御において前記点火時期遅角制御に異常が発生していると判定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
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