JP3161241B2 - 内燃機関用電源装置 - Google Patents

内燃機関用電源装置

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JP3161241B2 JP21405094A JP21405094A JP3161241B2 JP 3161241 B2 JP3161241 B2 JP 3161241B2 JP 21405094 A JP21405094 A JP 21405094A JP 21405094 A JP21405094 A JP 21405094A JP 3161241 B2 JP3161241 B2 JP 3161241B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関に取り付けら
れた磁石発電機を電源として直流出力を発生する電源装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関に搭載される発電機としては、
機関の出力軸に取り付けられる磁石回転子と、機関のケ
ースやカバーに固定される固定子とを備えた磁石発電機
が多く用いられている。磁石発電機は交流出力を発生す
るため、直流により駆動することが必要とされる電装品
がある場合には、磁石発電機の交流出力を直流出力に変
換する回路が必要になる。
【0003】内燃機関により駆動される車両や作業機等
にバッテリが搭載される場合には、該バッテリと直流負
荷とを発電機の出力端子間に並列に接続して、機関の回
転数が低く発電機の出力電圧がバッテリの端子電圧より
も低い間はバッテリから負荷に電力を供給し、機関の回
転数が上昇して発電機の出力電圧がバッテリの端子電圧
を超えた状態では発電機から負荷に電力を供給するよう
にしている。このように磁石発電機の出力端子間にバッ
テリと負荷とを並列に接続する場合、磁石発電機には図
15及び図16に示したような特性が要求される。図1
5は発電機の出力電圧Vo と出力電流Io との関係を、
回転数Nをパラメータとして示したもので、同図におい
て、VB はバッテリ電圧、Ni はアイドル回転数[rpm
]を示し、Ni <N1 <N2 の関係がある。また図1
6は、バッテリの充電電流Ichと機関の回転数Nとの関
係を示したものである。
【0004】図15に示すように、磁石発電機の出力端
子間にバッテリが接続される場合には、機関のアイドル
回転数Ni からバッテリの充電が開始されることが必要
とされ、アイドル回転数Ni における磁石発電機の無負
荷電圧がバッテリ電圧VB 以上であることが必要とされ
る。また図16に示すように、アイドル回転数を超える
領域では、回転数の上昇に伴って充電電流を増大させ
て、定常運転時にできるだけ大きな充電電流Ichを流す
ようにすることが必要とされる。
【0005】定常運転時に磁石発電機からバッテリに大
きい充電電流を流すためには、磁石発電機の発電コイル
のインピーダンスを低くすることが必要であるが、アイ
ドル回転数での無負荷電圧をバッテリ電圧以上とするた
めには、発電コイルの巻数を多くする必要がある。発電
コイルの巻数を多くするとインダクタンスが増加する上
に巻線抵抗が増加するため、発電コイルのインピーダン
スは増加する。特に発電コイルを巻回するスペースに制
約がある場合には、発電コイルの巻数を多くしようとす
ると、コイル導体として線径が細いものを使用する必要
があるため巻線抵抗の増大が顕著になる。
【0006】このように、アイドル回転数において発生
する無負荷電圧を高めるという要求と、バッテリに流す
充電電流をできるだけ大きくするという要求は、磁石発
電機にとって相反するものであるため、両者を満足する
電源装置を得ることはなかなか困難であった。
【0007】そこで、特開昭59−35538号に見ら
れるように、巻数を少なくしてインピーダンスを低くし
た発電コイルにスイッチング素子としてトランジスタを
接続して昇圧回路を構成した電源装置が提案された。こ
の電源装置では、トランジスタを導通させることにより
発電コイルに短絡電流を流して該発電コイルにエネルギ
ーを蓄積し、短絡電流が所定の値に達したときにトラン
ジスタを遮断状態にして発電コイルに蓄積されていたエ
ネルギー(Li 2 )/2[Lは巻線のインダクタンス,
iは短絡電流]を放出させることにより、発電コイルに
高い電圧を誘起させる。
【0008】この電源装置によれば、発電コイルのイン
ピーダンスを低くして中高速時に大きな充電電流を確保
しつつ、アイドル回転数付近の比較的低い回転速度領域
では、発電機の無負荷出力電圧がバッテリの電圧VB に
達しない状態でも、短絡電流を遮断した際に発生する高
い誘起電圧によってバッテリに充電電流を流すことがで
きる。
【0009】ところが、特開昭59−35538号の電
源装置では、発電コイルを短絡するトランジスタの外
に、磁石発電機の発電コイルの出力電圧が設定値を超え
たときに該発電コイルを短絡して過電圧の発生を防止す
るレギュレータを設ける必要があるため、構造が複雑に
なるのを避けられなかった。
【0010】また特開昭59−35538号の電源装置
では、昇圧回路を構成するトランジスタが発電コイルの
出力の各半波において1回だけしか短絡電流の遮断を行
わないため、機関の回転速度が低いときには、各半波に
おいて短絡電流の遮断により誘起したパルス状の電圧が
消滅した後次の半波で短絡電流の遮断が行われるまでの
間充電電流を流し得る大きさの電圧を発生させることが
できず、機関の低速時にバッテリの充電を十分に行うこ
とができないという問題があった。
【0011】そこで、特開平5−344798号及び特
開平5−344799号に示されているように、昇圧回
路を構成する発電コイル短絡用のスイッチング素子とし
てバイポーラトランジスタを用い、該トランジスタを発
電コイルの誘起電圧の位相と無関係に短い周期で繰り返
しオンオフさせて、該トランジスタのオフ時に発電コイ
ルに蓄積されたエネルギー(Li2 )/2を放出させ、
そのときに発電コイルに誘起する高い電圧をダイオード
ブリッジ全波整流回路を通して負荷に供給するようにし
た電源装置が提案された。
【0012】このような構成によれば、磁石発電機の出
力の各半波において、発電コイルの短絡及び遮断が多数
回繰り返されるため、機関の低速時にバッテリに充電電
流が流れる回数を増加させることができ、充電電流の総
量を増加させることができる。また上記の構成によれ
ば、出力電圧の上昇に伴ってトランジスタのオンデュー
ティ比を小さくするように制御することにより、高速時
に過電圧が発生するのを防止できるため、レギュレータ
を省略することが可能である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが特開平5−3
44798号及び特開平5−344799号に示された
電源装置では、図14(B)に示したように、磁石発電
機の発電コイルW1 の短絡回路が構成される際に、該短
絡回路に整流回路の1つのダイオードDo とトランジス
タTRo のコレクタエミッタ間回路とが直列に接続され
た状態で存在するため、磁石発電機の出力電圧がトラン
ジスタTRo のコレクタエミッタ間飽和電圧VCEとダイ
オードDo の順方向電圧降下VF との和VCE+VF に相
当するしきい値電圧Vt を超えないと短絡電流が流れな
いという問題があり、機関の回転速度がきわめて低い領
域で短絡電流を流すことができないという問題があっ
た。
【0014】例えば、図14(B)において、ダイオー
ドDo として株式会社東芝の製造になる20DL2C4
1Aを用い、バイポーラトランジスタTRo として同じ
く株式会社東芝の製造になる2SC3710を用いるも
のとする。この場合ダイオードDo の順方向電流と順方
向電圧との関係を示す特性曲線は図17の通りであり、
25℃の温度では、Vf >0.6[V]となる。またト
ランジスタTRo のエミッタ接地におけるコレクタエミ
ッタ間飽和電圧VCE対コレクタ電流Ic 特性を示すと、
図18の通りであり、温度が25℃のときには、VCE≧
0.04[V]となる。
【0015】ここで磁石発電機の低速時(100[rpm]
〜300[rpm])の出力電圧Vo に対する出力電流Io
の特性を見ると、例えば図13に示す通りであり、これ
に上記のトランジスタTRo 及びダイオードDo を用い
た場合の負荷線を書き込むと図13の直線ロのようにな
る。即ち、トランジスタTRo を導通させて短絡電流を
流して、昇圧動作を行わせるためには、発電機がしきい
値電圧Vt =0.64[V]を超える電圧を誘起する必
要があり、発電機の出力電圧が0.64[V]に達しな
い回転数では短絡電流を流すことができないため昇圧回
路は無効になる。
【0016】またトランジスタTRo としてダーリント
ン接続された複合トランジスタを用いることも考えられ
るが、ダーリントン接続されたトランジスタでは、図1
9に示したように、更にコレクタエミッタ間飽和電圧が
高くなるため、しきい値電圧は更に高くなる。なお図1
9は、株式会社東芝製のダーリントン接続トランジスタ
2SD1525のエミッタ接地の場合のコレクタエミッ
タ間飽和電圧VCE対コレクタ電流Ic 特性を示してい
る。
【0017】負荷側にバッテリが設けられていて、該バ
ッテリが十分に充電されている場合には、機関の回転数
が低い領域でバッテリ側から電装品負荷に電力を供給で
きるため、低速時に昇圧回路が働かない上記のような電
源装置を用いても、始動時から高速時まで機関を満足に
動作させることができる。
【0018】しかしながら上記の電源装置を用いると、
バッテリが設けられていても、該バッテリが過放電状態
になった場合(上がってしまった場合)には、機関の低
速時に負荷に満足に電力を供給することができなくなる
ため、負荷の中に機関の始動に必要不可欠な電装品、例
えば、燃料ポンプやインジェクタ(燃料噴射器)、或い
はこれらの制御装置等が含まれている場合には、機関の
始動を行うことが困難になる。
【0019】即ち、バッテリが役に立たない状態では、
人力を利用してロープスタート等により機関のクランキ
ング(機関のクランク軸を外力により回転させること)
を行う必要があるが、人力によるクランキングでは、機
関の回転数を高くすることが困難であり、始動操作時に
発電コイルに前記のしきい値電圧Vt を超える電圧を発
生させて短絡電流を流し、昇圧動作を行わせることは容
易でないため、燃料ポンプやインジェクタ等を駆動する
ために必要な電圧を発生させることが難しく、機関を始
動させることができない場合がある。
【0020】また最近、バッテリを搭載しない車両や作
業機等に用いる内燃機関において、機関に取り付けられ
た磁石発電機を電源として燃料ポンプ、インジェクタ及
びこれらを制御するマイクロコンピュータを駆動するこ
とが検討されている。この場合にも、磁石発電機の発電
コイルの巻数を少なくすることによりそのインピーダン
スを低くするとともに、該発電コイルの短絡及び遮断を
行う昇圧回路を設けることにより、アイドリング回転数
以上の領域で電源装置から取り出し得る負荷電流を大き
くすることが考えられる。ところがこの場合も、機関の
始動は人力により行う必要があるため、前述した理由と
同じ理由で機関の始動が困難になるのを避けられない。
【0021】バッテリを用いずに、磁石発電機の出力で
燃料ポンプやインジェクタ等の負荷を駆動する場合に、
発電コイルの巻数を十分に多くしておけば、人力による
機関の始動時に燃料ポンプやインジェクタを駆動するた
めに必要な電圧を得ることができるが、発電コイルの巻
数を多くすると発電コイルのインピーダンスが大きくな
るため、アイドリング回転数以上の定常運転領域で大き
な負荷電流を取り出すことが困難になり、定常運転時に
動作させる負荷が制限されるという問題が生じる。
【0022】本発明の目的は、負荷に並列に接続された
バッテリが過放電により役に立たなくなった場合、また
は負荷にバッテリが含まれていない場合であっても、機
関の極低速時から発電コイルの短絡電流のオンオフによ
る昇圧動作を行わせることができるようにして、機関の
極低速時から高速時まで負荷を満足に駆動することがで
きるようにした内燃機関用電源装置を提供することにあ
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、内燃機関によ
り駆動されてn個(nは2以上の整数)の出力端子間に
単相または多相の交流電圧を発生する磁石発電機と、該
磁石発電機のn個の出力端子間に得られる交流電圧を整
流する整流回路とを備えた内燃機関用電源装置に係わる
ものである。
【0024】本発明においては、上記整流回路が、n個
の整流用ダイオードとn個のMOSFETとを備えて、
該n個の整流用ダイオードとn個のMOSFETのそれ
ぞれのドレインソース間に存在する寄生ダイオードとに
よりダイオードブリッジ全波整流回路を構成するよう
に、該n個の整流用ダイオードとMOSFETとを、そ
れぞれを同じ側に位置させてブリッジ接続した回路から
なっている。本発明においては、上記n個のMOSFE
Tのゲートに同位相の矩形波状の駆動信号を与えるFE
T制御回路を設けて、該FET制御回路によりn個のM
OSFETを同時にオンオフさせる。
【0025】因みに、n個のMOSFETとn個の整流
用ダイオードとをブリッジ接続した回路とは、n個のM
OSFETのドレインソース間回路にそれぞれn個の整
流用ダイオードを直列に接続することによりn個のFE
T/ダイオード直列回路を構成して、該n個のFET/
ダイオード直列回路を、それぞれのMOSFET及び整
流用ダイオードを同じ側に位置させて並列に接続した回
路である。この場合、各FET/ダイオード直列回路に
おいて、整流用ダイオードの向き及びMOSFETの寄
生ダイオードの向きが同じになるように、MOSFET
及び整流用ダイオードの向きを設定する。
【0026】上記の構成において、n個のMOSFET
は磁石発電機の出力端子間をオンオフするスイッチ回路
(チョッパ回路)を構成するために設けられている。本
発明においては、このスイッチ回路をオンオフ動作させ
て磁石発電機の発電コイルを流れる電流を断続させるこ
とにより、該発電コイルに昇圧された電圧を誘起させ、
MOSFETの寄生ダイオードを整流素子の一部として
利用した全波整流回路によりこの昇圧された電圧を整流
して負荷に高い電圧を供給し得るようにしている。
【0027】本発明において、磁石発電機が2つの出力
端子1a,1bを有して単相交流出力を発生する場合、
上記整流回路は、例えば図1の実施例に見られるよう
に、カソードを共通接続(同電位部を形成するように相
互に接続することを意味する。)した第1及び第2の整
流用ダイオードD1 及びD2 と該第1及び第2の整流用
ダイオードのアノードにそれぞれドレインを接続すると
ともにソースを共通接続したNチャネル形の第1及び第
2のMOSFET F1 及びF2 とにより構成すること
ができる。この場合、第1及び第2の整流用ダイオード
D1 及びD2 と第1及び第2のMOSFETのそれぞれ
のドレインソース間に存在する寄生ダイオードDf1及び
Df2とにより単相ダイオードブリッジ全波整流回路を構
成し、第1及び第2の整流用ダイオードのアノードと第
1及び第2のMOSFETのドレインとのそれぞれの接
続点の間に磁石発電機1の単相交流出力を入力する。ま
た第1及び第2のMOSFETのゲートに同位相の矩形
波状の駆動信号を与えるFET制御回路3を設けて、こ
の制御回路3により、スイッチ回路を構成する第1及び
第2のMOSFETを同時にオンオフさせる。
【0028】上記のようにNチャネル形のMOSFET
を用いる場合、上記整流回路はまた、図8の実施例に見
られるように、アノードを共通接続した第1及び第2の
整流用ダイオードD1 及びD2 と該第1及び第2の整流
用ダイオードのカソードにそれぞれソースを接続すると
ともにドレインを共通接続したNチャネル形の第1及び
第2のMOSFET F1 及びF2 とにより構成するこ
ともできる。この場合、第1及び第2の整流用ダイオー
ドD1 及びD2 と第1及び第2のMOSFETのそれぞ
れのドレインソース間に存在する寄生ダイオードDf1及
びDf2とにより単相ダイオードブリッジ全波整流回路を
構成し、第1及び第2の整流用ダイオードのカソードと
第1及び第2のMOSFETのソースとのそれぞれの接
続点の間に磁石発電機1の単相交流出力を入力する。こ
の場合も、第1及び第2のMOSFETのゲートに同位
相の矩形波状の駆動信号を与えるFET制御回路3を設
けて、該制御回路により両MOSFETを同時にオンオ
フさせる。
【0029】上記の例ではMOSFETとしてNチャネ
ル形のものを用いているが、MOSFETとしてPチャ
ネル形のものを用いることもできる。Pチャネル形のM
OSFETを用いる場合、上記整流回路は、例えば図1
0の実施例に見られるように、アノードを共通接続した
第1及び第2の整流用ダイオードD1 及びD2 と該第1
及び第2の整流用ダイオードのカソードにそれぞれドレ
インを接続するとともにソースを共通接続したPチャネ
ル形の第1及び第2のMOSFET F1 及びF2 によ
り構成できる。この場合も、第1及び第2の整流用ダイ
オードD1 及びD2 と第1及び第2のMOSFET F
1 及びF2 のそれぞれのドレインソース間に存在する寄
生ダイオードDf1及びDf2とにより単相ダイオードブリ
ッジ全波整流回路を構成し、第1及び第2の整流用ダイ
オードのカソードと第1及び第2のMOSFETのドレ
インとのそれぞれの接続点の間に磁石発電機1の出力を
入力する。第1及び第2のMOSFETのゲートに同位
相の矩形波状の駆動信号を与えて両FETを同時にオン
オフさせるFET制御回路3を設ける点は前記と同様で
ある。
【0030】本発明において、磁石発電機が3つの出力
端子1a〜1cを有して3相交流出力を発生する場合、
上記整流回路は、例えば図5の実施例に見られるよう
に、カソードを共通接続した第1ないし第3の整流用ダ
イオードD1 ないしD3 と該第1ないし第3の整流用ダ
イオードのアノードにそれぞれドレインを接続するとと
もにソースを共通接続したNチャネル形の第1ないし第
3のMOSFET F1ないしF3 とにより構成でき
る。この場合、第1ないし第3の整流用ダイオードD1
ないしD3 と第1ないし第3のMOSFETの寄生ダイ
オードDf1ないしDf3とにより3相ダイオードブリッジ
全波整流回路を構成し、第1ないし第3の整流用ダイオ
ードのアノードと第1ないし第3のMOSFETのドレ
インとのそれぞれの接続点2u〜2wの間に磁石発電機
の出力端子1a〜1c間に得られる3相交流出力を入力
する。また第1ないし第3のMOSFETのゲートに同
位相の矩形波状の駆動信号を与えるFET制御回路3を
設けて、該FET制御回路により第1ないし第3のMO
SFETを同時にオンオフさせる。
【0031】3相の磁石発電機を用いる場合にも、図8
に示した実施例と同様に、アノードを共通接続した第1
ないし第3の整流用ダイオードと該第1ないし第3の整
流用ダイオードのアノードにそれぞれソースを接続する
とともにドレインを共通接続したNチャネル形の第1な
いし第3のMOSFETとにより整流回路を構成するこ
とができる。
【0032】Pチャネル形のMOSFETを用いる場合
には、上記整流回路が、アノードを共通接続した第1な
いし第3の整流用ダイオードと該第1ないし第3の整流
用ダイオードのカソードにそれぞれドレインを接続する
とともにソースを共通接続した第1ないし第3のMOS
FETとにより構成され、第1ないし第3の整流用ダイ
オードと第1ないし第3のMOSFETの寄生ダイオー
ドとにより3相ダイオードブリッジ全波整流回路が構成
される。
【0033】前述のように、本発明においては、MOS
FETにより磁石発電機の出力端子間をオンオフするス
イッチ回路(チョッパ回路)を構成して、該スイッチ回
路により磁石発電機の発電コイルを流れる電流を断続す
ることにより磁石発電機の出力電圧を昇圧する。上記の
構成では、3相の交流電圧を整流する整流回路を構成す
る場合に、MOSFETを3つ設けて、3相の発電コイ
ルをそれぞれ短絡するスイッチ回路を構成することによ
り、3相の誘起電圧をそれぞれ昇圧するようにしている
が、本発明においては、負荷に直流電圧を供給すればよ
く、チョッパ動作により昇圧された磁石発電機の出力電
圧は対称な波形でなくてもよいため、図7の実施例に見
られるように、3相の発電コイルの内の一部の発電コイ
ルのみを短絡するようにスイッチ回路を構成してもよ
い。図7の例では、MOSFETF1 及びF2 により、
磁石発電機1の出力端子1a,1b間をオンオフするス
イッチ回路が構成され、出力端子1b,1c間及び1
c,1a間をそれぞれオンオフするスイッチ回路は構成
されていない。
【0034】一般に多相交流電圧を出力する磁石発電機
がn個の出力端子を有している場合、該磁石発電機の少
なくとも2つの出力端子間を短絡するスイッチ回路を構
成するように、MOSFETを設ければよい。磁石発電
機の2つの発電コイル間を短絡するスイッチ回路を構成
するためには、2つのMOSFETが必要である。従っ
て、Nチャネル形のMOSFETを負の直流出力端子側
に位置させて多相の交流電圧を昇圧整流する整流回路を
構成する場合に、その構成を一般化すると下記のように
なる。
【0035】即ち、磁石発電機がn個(nは3以上の整
数)の出力端子を有している場合に用いる整流回路は、
ソースが共通接続されドレインが磁石発電機の異なる出
力端子に接続されたm個(mは2以上n以下の整数)の
MOSFETと2n−m個の整流用ダイオードとを備え
て、該m個のMOSFETのそれぞれのドレインソース
間に存在する寄生ダイオードと2n−m個の整流用ダイ
オードとにより多相交流電圧を全波整流するダイオード
ブリッジ全波整流回路を構成するように、2n−m個の
整流用ダイオードとm個のMOSFETとをブリッジ接
続した回路により構成される。この場合、FET制御回
路はm個のMOSFETのゲートに同位相の矩形波状の
駆動信号を与えて該m個のMOSFETを同時にオンオ
フさせるように構成される。
【0036】またNチャネル形のMOSFETを正の直
流出力端子側に位置させて多相の交流電圧を昇圧整流す
る整流回路を構成する場合にその構成を一般化すると、
該整流回路は、ドレインが共通接続され、ソースが磁石
発電機の異なる出力端子に接続されたm個(mは2以上
n以下の整数)のMOSFETと2n−m個の整流用ダ
イオードとを備えて、該m個のMOSFETのそれぞれ
のドレインソース間に存在する寄生ダイオードと2n−
m個の整流用ダイオードとにより多相交流電圧を全波整
流するダイオードブリッジ全波整流回路を構成するよう
に、2n−m個の整流用ダイオードとm個のMOSFE
Tとをブリッジ接続した回路により構成される。この場
合も、FET制御回路はm個のMOSFETのゲートに
同位相の矩形波状の駆動信号を与えて該m個のMOSF
ETを同時にオンオフさせるように構成される。
【0037】なお本発明においては、各MOSFETの
寄生ダイオードを全波整流回路を構成する整流素子の一
部として利用するが、電流容量を増大させるために、各
MOSFETのドレインソース間に寄生ダイオードと同
方向のダイオードを並列に接続することを何等妨げな
い。
【0038】
【作用】上記の項で挙げた構成のうち、磁石発電機が単
相交流出力を発生する場合の構成を例にとって本発明の
作用を説明する。上記のように構成された電源装置にお
いては、図14(A)に示したように、ソースが共通接
続されて直列に接続された2つのMOSFET F1 及
びF2 からなるチョッパ用のスイッチ回路が磁石発電機
の発電コイルW1 の両端に接続された状態にあり、両M
OSFET F1,F2 に同時に駆動信号が与えられた
ときに発電コイルW1 の短絡回路が構成される。2つの
MOSFET F1 ,F2 に同じ矩形波状の駆動信号を
与えることにより両FETを同時にオンオフさせるよう
にすると、両FETは駆動信号が与えられると同時に導
通して磁石発電機の発電コイルW1 を短絡し、発電コイ
ルW1 に(Li2 )/2のエネルギーを蓄積する。矩形
波状の駆動信号が消滅すると、両FETが同時に遮断状
態になるため、発電コイルW1 を流れていた短絡電流が
遮断される。このとき発電コイルW1 には今まで流れて
いた短絡電流を流し続けようとする向きの高い電圧が誘
起し、この電圧は第1及び第2のダイオードD1 及びD
2 と第1及び第2のMOSFETに存在する寄生ダイオ
ードDf1,Df2とにより構成される全波整流回路により
整流されて負荷に供給される。
【0039】本発明の電源装置においては、第1及び第
2のMOSFETに駆動信号が与えられた際に、一方の
FETではそのドレイン側からソース側に電流が流れ、
他方のFETではそのソース側からドレイン側に電流が
流れる。駆動信号が与えられている(ソースゲート間に
所定の電圧が与えられている)MOSFETは、その特
性上ソースドレイン間に電圧VSDが与えられると同時に
ドレイン電流ID (または逆ドレイン電流IDR)が流
れ、ソースドレイン間電圧がある範囲にある場合には、
該ソースドレイン間電圧VSDにほぼ比例してドレイン電
流ID (または逆ドレイン電流IDR)が流れる。従って
駆動信号が与えられているMOSFETは抵抗と同じよ
うに動作し、VSDとID とが比例する領域ではそのオン
状態でのソースドレイン間の抵抗値RDSはほぼ一定値を
示す。そのため、発電コイルの両端を駆動信号が与えら
れている2つのMOSFETの直列回路を通して接続し
た回路は、発電コイルの両端を抵抗を介して接続した回
路と等価になり、2つのMOSFETに駆動信号が与え
られている状態での発電機の負荷線は図13のイのよう
に原点を通る直線になる。従って、FETを導通させる
ために必要なしきい値電圧は実質的に零となり、磁石発
電機の発電コイルに僅かでも電圧が誘起すると2つのM
OSFETを通して短絡電流が流れることになる。その
ため、機関をロープスタートする場合のように、機関の
回転数がきわめて低い場合でも、発電コイルに僅かでも
電圧が誘起すれば該発電コイルに短絡電流が流れ、FE
Tの駆動信号が消滅して該短絡電流が遮断されたときに
発電コイルに電圧を誘起させることができる。
【0040】従って、機関の極低速時にも負荷に比較的
高い直流電圧を印加することができ、機関の極低速時か
ら負荷を駆動することが可能になるため、インジェクタ
及び燃料噴射ポンプを用いる機関においてバッテリが過
放電状態になった際に機関を手動スタートする場合や、
バッテリを用いずに磁石発電機の出力だけでインジェク
タや燃料ポンプを駆動する場合でも機関を支障なく起動
することができる。
【0041】上記の説明では、磁石発電機が単相交流出
力を発生するとしたが、多相交流出力を発生する場合も
全く同様である。
【0042】
【実施例】図1は磁石発電機が単相交流出力を発生する
場合の実施例を示したもので、同図において1は内燃機
関のクランク軸に取り付けられた磁石回転子と機関のケ
ース等に固定された固定子とからなる磁石発電機であ
る。磁石発電機1の固定子には発電コイルW1 が設けら
れ、この発電コイルW1 には機関の回転に同期して交流
電圧Ve が誘起する。本発明においては、機関の高速時
にも発電コイルから大きな電流を取り出すことができる
ようにするために、発電コイルW1 としてその巻数が少
なく、インピーダンスが低いものを用いる。
【0043】2は発電コイルW1 に誘起する交流電圧を
整流する全波整流回路で、この整流回路は、カソードが
共通接続された第1及び第2のダイオードD1 及びD2
と、該第1及び第2のダイオードD1 及びD2 のアノー
ドにそれぞれドレインが接続されるとともにソースが共
通接続されたNチャネル形の第1及び第2のMOSFE
T F1 及びF2 とを備えている。この整流回路におい
ては、ダイオードD1及びD2 のカソードの共通接続点
及びMOSFET F1 及びF2 のソースの共通接続点
がそれぞれプラス側直流出力端子2a及びマイナス側直
流出力端子2bとなっており、これらの出力端子は負荷
RL が接続される電源装置の出力端子4A及び4Bに接
続されている。また第1及び第2のダイオードD1 及び
D2 のアノードと第1及び第2のMOSFET F1 及
びF2 のドレインとのそれぞれの接続点が交流入力端子
2u及び2vとなっており、これらの交流入力端子2
u,2vにそれぞれ発電機1の発電コイルW1 の出力端
子1a及び1bが接続されている。MOSFET F1
及びF2 としては、ドレインソース間に寄生ダイオード
Df1及びDf2を有するNチャネル形のパワーMOSFE
Tが用いられ、第1及び第2のMOSFET F1 及び
F2 にそれぞれ内在する第1及び第2の寄生ダイオード
Df1及びDf2と第1及び第2のダイオードD1 及びD2
とにより単相ダイオードブリッジ全波整流回路が構成さ
れている。
【0044】この例では、MOSFET F1 及びF2
により、磁石発電機の出力端子1a,1b間をオンオフ
するチョッパ用のスイッチ回路が構成されている。この
スイッチ回路は図14(A)に示すように表すことがで
きる。
【0045】整流回路2の直流出力端子2a,2b間に
は、駆動信号VGSを出力するFET制御回路3が接続さ
れている。この制御回路は出力端子3a及び3bを有し
ていて、一方の出力端子3aにFET F1 及びF2 の
ゲートが共通接続され、他方の出力端子3bにはFET
F1 及びF2 のソースの共通接続点(マイナス側直流
出力端子)2bが接続されている。FET制御回路3は
例えば直流電源電圧が印加されたときに発振して図2
(A)に示すような矩形波信号を発生する発振器からな
っていて、該制御回路3から出力される矩形波信号が駆
動信号VGSとして第1及び第2のMOSFETのゲート
ソース間に印加されている。本実施例ではまた、MOS
FET F1 及びF2 が遮断状態になった際に発電コイ
ルW1 に生じるサージを吸収するため、及び整流回路2
の出力電圧を平滑するために、整流回路2の直流出力端
子2a,2b間にコンデンサCo が接続されている。
【0046】図1の実施例において、FET制御回路3
は、発電コイルW1 の出力周波数よりも十分に高い周波
数の矩形波信号を発生し、この矩形波信号がFET F
1 及びF2 のゲートソース間に同位相の駆動信号VGSと
して与えられて、両FETが同時に駆動される。FET
F1 及びF2 のゲートソース間にゲートがソースに対
して正電位になる極性の駆動信号が与えられると、両F
ET F1 及びF2 が導通し得る状態になり、それぞれ
のドレインソース間にドレインがソースに対して正電位
になる極性の電圧が僅かでも印加されると両FETにド
レイン電流が流れて発電コイルW1 に短絡電流が流れ
る。駆動信号VGSが零になると、FETF1 及びF2 が
遮断状態になるため、発電コイルW1 を流れていた短絡
電流が遮断され、該発電コイルW1 にそれまで流れてい
た短絡電流を流し続けようとする向きの昇圧された電圧
Vep(図2B参照)が誘起する。この電圧により発電コ
イルW1 に図2(C)に示したような電流Ie が流れ、
ダイオードD1 及びD2 と寄生ダイオードDf1及びDf2
とにより構成される全波整流回路を通して負荷RLに図
2(E)に示すような負荷電流IL が流れる。図2
(D)は負荷RL の両端の電圧VL の波形を示してい
る。
【0047】MOSFETは双方向性を有していて、駆
動信号が与えられている状態では抵抗と同じように作用
し、ソースドレイン間に僅かでも電圧VSDが与えられる
とドレイン電流ID が流れる。例えば各MOSFETと
して、株式会社日立製の2SK1911を用いるものと
すると、その導通時のドレインソース間抵抗RDS対ドレ
イン電流ID 特性は図20に示す通りであり、逆ドレイ
ン電流IDR対ソースドレイン間電圧VSD特性は図21に
示す通りである。これらより、MOSFETのゲートソ
ース間にソースがゲートに対して正電位になる極性の駆
動信号VGSが印加されている状態では、ドレインソース
間抵抗が広い範囲で一定値を示し、ドレイン電流とソー
スドレイン間電圧VSDとの間にはほぼ比例関係があるこ
と、即ち、FETをほぼ抵抗と見做し得ることが分か
る。
【0048】そのため、発電コイルW1 の両端を駆動信
号が与えられている2つのMOSFET F1 及びF2
の直列回路(スイッチ回路)を通して接続した回路は、
発電コイルの両端を抵抗を介して接続した回路と等価に
なり、2つのMOSFETに同時に駆動信号が与えられ
ている状態での発電機の負荷線は図13のイのように原
点を通る直線になる。従って、MOSFETを導通させ
るために必要なしきい値電圧は実質的に零になり、磁石
発電機の発電コイルに僅かでも電圧が誘起すると2つの
MOSFET F1 及びF2 を通して発電コイルW1 に
短絡電流が流れることになる。そのため内燃機関をロー
プスタートする場合のように、機関の回転数がきわめて
低い場合でも、発電コイルに僅かでも電圧が誘起すれば
MOSFET F1 及びF2 を導通させて該発電コイル
に短絡電流を流すことができ、MOSFET F1 及び
F2 の駆動信号が消滅して該短絡電流が遮断されたとき
に発電コイルに昇圧された電圧を誘起させることができ
る。
【0049】今磁石発電機1が図3に示すような無負荷
電圧波形を有する交流電圧Ve を発生するものとする。
図4(A)は図3の時間軸を拡大して発電機の出力電圧
の零点付近(図3のA部)の波形を示したものであり、
同図(B)はMOSFETのゲートに与えられる駆動信
号VGSの波形を示したものである。また図4(C)は発
電コイルW1 に流れる電流Ie の波形を示しており、本
発明によれば、電圧Ve がほとんど零に近くなった状態
でも電流Ie が流れる。従って、発電コイルW1 の誘起
電圧がきわめて低い状態から該発電コイルに短絡電流を
流すことができ、機関の回転速度が低い状態でも該短絡
電流の遮断により電圧を誘起させて、負荷を駆動するこ
とができる。
【0050】これに対し、図14(B)に示したよう
に、発電コイルW1 の両端にダイオードDo を介してト
ランジスタTRo のコレクタエミッタ間回路を接続して
チョッパ用のスイッチ回路を構成する従来の電源装置で
は、図4(D)に示したように、発電機の出力電圧Ve
がしきい値電圧Vt を下回ると発電コイルに電流Ie ´
を流すことができなくなるため、短絡電流を流すことが
できる期間が短くなり、機関をロープスタートする際等
の極低速時に負荷に供給できる直流電流の総量が減少す
る。
【0051】図12に示した曲線は、機関をロープスタ
ートするためにロープを引いた際の機関のクランキング
回転数Nの変化を示したものである。チョッパ用のスイ
ッチ回路が図14(B)で表される従来の電源装置を用
いた場合には、図12のT1の期間しか負荷に直流電流
を供給することができず、期間T1 におけるクランキン
グ回転数の平均値はN2 となる。即ち、バッテリが設け
られていない場合には、ロープを引くことによりクラン
キング回転数の平均値をN2 にすることができないと負
荷に電力を供給することができない。これに対し、本発
明によれば、図12のTo ,T1 及びT2 の全期間負荷
に電力を供給することができ、負荷に電力を供給するた
めに必要なクランキング回転数の平均値(To 〜T2 の
期間における平均回転数)をN1 (<N2 )に引き下げ
ることができるため、機関の始動を容易にすることがで
きる。
【0052】なお本発明においては、MOSFET F
1 及びF2 を同時にオンオフさせることが重要である。
一方のMOSFETの駆動が遅れると、駆動が遅れた方
のMOSFETの寄生ダイオードの順方向電圧降下が短
絡回路のしきい値電圧となるため、上記のような効果を
得ることができなくなる。
【0053】また上記のように発電コイルの短絡、遮断
を行うチョッパ用のスイッチング素子として電圧制御素
子であるMOSFETを用いると、発電コイルを短絡す
る際にスイッチング素子で生じる損失を少なくすること
ができるため、電源装置からの発熱を少なくすることが
でき、スイッチング素子に取り付ける放熱板の小形化を
図ることができる。
【0054】図5は磁石発電機が3相交流出力を発生す
る場合の実施例を示したもので、この実施例では、磁石
発電機1の固定子が3相の発電コイルW1 〜W3 を有
し、これらの発電コイルがスター結線されている。この
場合も発電コイルW1 ないしW3 の巻数を少なくしてそ
れぞれのインピーダンスを十分に低くしておく。整流回
路2は、カソードが共通接続された第1ないし第3のダ
イオードD1 〜D3 と、第1ないし第3のダイオードD
1 〜D3 のアノードにそれぞれドレインが接続されると
ともにソースが共通接続された第1ないし第3のMOS
FET F1 〜F3 とを備えていて、第1ないし第3の
ダイオードD1 〜D3 のカソードの共通接続点及び第1
ないし第3のMOSFET F1 〜F3 のソースの共通
接続点をそれぞれプラス側直流出力端子2a及びマイナ
ス側直流出力端子2bとした回路からなっている。また
第1ないし第3のダイオードD1 〜D3 のアノードと第
1ないし第3のMOSFET F1 〜F3 のドレインと
のそれぞれの接続点2u,2v及び2wが交流入力端子
となっており、これらの交流入力端子2u,2v及び2
wに発電コイルW1 ,W2 及びW3 の中性点と反対側の
出力端子1a,1b及び1cが接続されている。この例
では、MOSFET F1 〜F3 により、磁石発電機の
出力端子1a,1b,1c間をオンオフするチョッパ用
のスイッチ回路が構成されている。
【0055】整流回路2の出力端子2a,2b間には、
第1ないし第3のMOSFET F1 〜F3 のゲートに
同位相の矩形波状の駆動信号を与えて第1ないし第3の
MOSFETを同時にオンオフさせるFET制御回路3
が接続され、この制御回路の出力端子3a,3bにそれ
ぞれMOSFET F1 〜F3 のゲート及びソースが共
通接続されている。各MOSFETとしては、図1の実
施例と同様にドレインソース間に寄生ダイオードを有す
るNチャネル形のものが用いられ、第1ないし第3のダ
イオードD1 〜D3 と、第1ないし第3のMOSFET
F1 〜F3 の寄生ダイオードDf1〜Df3とにより、3
相ダイオードブリッジ全波整流回路が構成されている。
その他の点は図1に示した実施例と同様である。
【0056】図5に示した実施例では、第1ないし第3
のMOSFET F1 〜F3 が、図6(A)に示すよう
な矩形波状の駆動信号VGSにより同時に駆動される。こ
れにより発電コイルW1 〜W3 の短絡と遮断とが繰り返
され、MOSFET F1 〜F3 が遮断した際に発電コ
イルW1 〜W3 に昇圧された電圧が誘起させられる。こ
の電圧は、整流用ダイオードD1 〜D3 と寄生ダイオー
ドDf1〜Df3とからなる全波整流回路を通して負荷に供
給される。図6(B)は負荷RL に印加される電圧VL
の波形を示しており、図6(C)は負荷RL に流れる電
流IL の波形を示している。
【0057】上記の各実施例において、FET制御回路
3の発振周波数及び出力信号のデューティ比は一定であ
ってもよいが、機関の高速回転時に出力電圧が高くなり
すぎるのを防ぐために、出力電圧を設定値以下に抑える
ように、出力電圧に応じてFET制御回路3が出力する
駆動信号のデューティ比(=駆動信号の信号幅/駆動信
号の発生周期)及び(または)該駆動信号の周波数を制
御するようにしてもよい。また機関の高速回転時に駆動
信号を零としても出力電圧が過大になる場合には、磁石
発電機の出力を短絡して出力電圧の上昇を抑える電圧調
整器を併用することができる。
【0058】上記の実施例では、FET制御回路3が発
電機1の整流出力により駆動されるようになっている
が、バッテリが搭載される場合には、該バッテリにより
制御回路3を駆動するようにしてもよい。またバッテリ
が搭載されない場合に、乾電池等の簡単な電池を用いて
FET制御回路3を駆動するようにしてもよい。
【0059】上記の実施例では、3相交流電圧を昇圧、
整流する整流回路を構成するために、3つのMOSFE
Tを設けて、磁石発電機の3つの出力端子間をそれぞれ
オンオフするようにスイッチ回路を構成しているが、磁
石発電機の一部の出力端子間にのみをオンオフするよう
にスイッチ回路を構成することもできる。図7はその実
施例を示したもので、この例では、第1及び第2のMO
SFET F1 及びF2 と、4つの整流用ダイオードD
1 〜D3 及びD3 ´とにより整流回路2が構成されてい
る。この整流回路の構成は、図5の実施例においてMO
SFET F3をダイオードD3 ´で置き換えたものに
相当している。
【0060】図7のように構成した場合には、MOSF
ET F1 及びF2 のオンオフにより磁石発電機の一部
の発電コイルW1 及びW2 を流れる電流のみが断続させ
られるため、磁石発電機の出力電圧は非対称な波形にな
るが、この出力電圧は整流回路により整流され、コンデ
ンサCo により平滑されて負荷RL に供給されるため負
荷の駆動には支障を来さない。
【0061】上記の実施例では、MOSFETのソース
を共通接続し、ドレインを対応する整流用ダイオードの
アノードに接続して、MOSFETを整流回路の負の直
流出力端子側に位置させて整流回路を構成しているが、
MOSFETはその寄生ダイオードの向きを整流用ダイ
オードの向きと同じにするように接続すればよく、上記
実施例の接続のしかたに限定されない。例えば、図8に
示したように、第1及び第2のMOSFET F1 及び
F2 のドレインを共通接続するとともに、それぞれのソ
ースを、アノードが共通接続されたダイオードD1 及び
D2 のカソードに接続して、2つのMOSFETを整流
回路の正の直流出力端子側に位置させるようにしてもよ
い。但しこの場合、MOSFET F1 及びF2 をオン
状態にするためには、図9に示すように、MOSFET
のドレインの電位VL よりも高いゲート電圧を与える必
要がある。
【0062】図8の例では整流回路2が単相交流出力を
整流するようにしているが、3相交流出力を整流する整
流回路を構成する場合にも、MOSFETを正の直流出
力端子側に位置させる構成をとることができる。即ち、
第1ないし第3のMOSFET F1 〜F3 と第1ない
し第3の整流用ダイオードD1 〜D3 とを設けて、第1
ないし第3のMOSFETのドレインを整流回路の正の
直流出力端子に共通に接続し、これら第1ないし第3の
MOSFET F1 〜F3 のソースを、アノードが負の
直流出力端子に共通接続された第1ないし第3の整流用
ダイオードD1〜D3 のカソードにそれぞれ接続する構
成をとることもできる。
【0063】また図7に示すように、多相磁石発電機の
出力端子の数よりも少ないMOSFETにより磁石発電
機の一部の出力端子間のみをオンオフするスイッチ回路
を構成する場合にも、MOSFETを正の直流出力端子
側に設ける構成をとることができる。
【0064】一般にn個(nは3以上の整数)の出力端
子を有して多相交流電圧を出力する磁石発電機の出力を
整流して昇圧する整流回路を構成するためには、磁石発
電機の少なくとも2つの出力端子間を短絡するようにス
イッチ回路を構成すればよい。磁石発電機の2つの発電
コイル間を短絡するスイッチ回路を構成するためには、
2つのMOSFETが必要である。従って、Nチャネル
形のMOSFETを負の直流出力端子側に位置させて多
相の交流電圧を昇圧整流する整流回路は、ソースが共通
接続されドレインが磁石発電機の異なる出力端子に接続
されたm個(mは2以上n以下の整数)のMOSFET
と2n−m個の整流用ダイオードとを備えて、該m個の
MOSFETのそれぞれのドレインソース間に存在する
寄生ダイオードと2n−m個の整流用ダイオードとによ
り多相交流電圧を全波整流するダイオードブリッジ全波
整流回路を構成するように、2n−m個の整流用ダイオ
ードとm個のMOSFETとをブリッジ接続した回路に
より構成できる。この場合、FET制御回路はm個のM
OSFETのゲートに同位相の矩形波状の駆動信号を与
えて該m個のMOSFETを同時にオンオフさせるよう
に構成される。
【0065】またNチャネル形のMOSFETを正の直
流出力端子側に位置させて多相の交流電圧を昇圧整流す
る整流回路は、ドレインが共通接続されソースが磁石発
電機の異なる出力端子に接続されたm個(mは2以上n
以下の整数)のMOSFETと2n−m個の整流用ダイ
オードとを備えて、該m個のMOSFETのそれぞれの
ドレインソース間に存在する寄生ダイオードと2n−m
個の整流用ダイオードとにより多相交流電圧を全波整流
するダイオードブリッジ全波整流回路を構成するよう
に、2n−m個の整流用ダイオードとm個のMOSFE
Tとをブリッジ接続した回路により構成できる。
【0066】上記の実施例では、各MOSFETとし
て、ゲートのソースに対する電位が0ボルトのときにオ
フ状態にあり、ゲート電位をソースに対して正電位にす
る駆動信号が与えられたときにオン状態になるNチャネ
ル形のものを用いたが、ゲート電位が0ボルトのときに
オン状態にあり、ゲート電位をソースに対して正電位に
する駆動信号が与えられたときにオフ状態になるPチャ
ネル形のMOSFETを用いることもできる。
【0067】図10はPチャネル形のMOSFETを用
いる場合の実施例を示したもので、この例では、Pチャ
ネル形の第1及び第2のMOSFET F1 及びF2 の
ソースを共通接続するとともに、第1及び第2の整流用
ダイオードD1 及びD2 のアノードを共通接続し、MO
SFET F1 及びF2 のドレインをそれぞれダイオー
ドD1 及びD2 のカソードに接続する。MOSFET
F1 及びF2 の寄生ダイオードと整流用ダイオードD1
及びD2 とにより単相ダイオードブリッジ全波整流回路
が構成されている。
【0068】この実施例では、MOSFET F1 及び
F2 をオフ状態にするために、図11に示したようにM
OSFET F1 及びF2 のソース(整流回路のプラス
側出力端子)の電位VL 以上のゲート電圧を必要とす
る。
【0069】この場合も、アノードが共通接続された第
1ないし第3の整流用ダイオードD1 〜D3 と該第1な
いし第3の整流用ダイオードのカソードにそれぞれドレ
インが接続されるとともにソースが共通接続されたPチ
ャネル形の第1ないし第3のMOSFET F1 〜F3
とにより3相交流出力を昇圧、整流する整流回路を構成
できる。
【0070】Pチャネル形のMOSFETを用いて多相
交流出力電圧を整流する整流回路を構成する場合にも、
Nチャネル形のMOSFETを用いる場合と同様に、磁
石発電機の一部の出力端子間のみをオンオフするよう
に、磁石発電機の出力端子の数よりも少ないMOSFE
Tによりスイッチ回路を構成することができる。
【0071】一般に、n個(nは3以上の整数)の出力
端子間に多相交流電圧を発生する磁石発電機から得られ
る多相交流電圧を昇圧整流して直流電圧を出力する整流
回路は、ソースが共通接続され、ドレインが前記磁石発
電機の異なる出力端子に接続されたPチャネル形のm個
(mは2以上n以下の整数)のMOSFETと、2n−
m個の整流用ダイオードとを備えて、m個のMOSFE
Tのそれぞれのドレインソース間に存在する寄生ダイオ
ードと2n−m個の整流用ダイオードとにより多相交流
出力電圧を全波整流するダイオードブリッジ全波整流回
路を構成するように、m個のMOSFETと2n−m個
の整流用ダイオードとをブリッジ接続した回路により構
成することができる。
【0072】以上、本発明の好ましいと思われる実施例
につき説明したが、本明細書に開示した発明の主な態様
を挙げると下記の通りである。
【0073】(1) 内燃機関により駆動されてn個
(nは2以上の整数)の出力端子間に単相または多相の
交流電圧を発生する磁石発電機と、前記磁石発電機のn
個の出力端子間に得られる交流電圧を整流する整流回路
とを備えた内燃機関用電源装置において、前記整流回路
は、n個の整流用ダイオードとn個のMOSFETとを
備えて、該n個の整流用ダイオードとn個のMOSFE
Tのそれぞれのドレインソース間に存在する寄生ダイオ
ードとによりダイオードブリッジ全波整流回路を構成す
るように、該n個の整流用ダイオードとMOSFETと
を、それぞれを同じ側に位置させてブリッジ接続した回
路からなっていて、前記n個のMOSFETにより前記
磁石発電機のn個の出力端子間をオンオフするスイッチ
回路が構成され、前記n個のMOSFETのゲートに同
位相の矩形波状の駆動信号を与えて該n個のMOSFE
Tを同時にオンオフさせるFET制御回路が設けられて
いることを特徴とする内燃機関用電源装置。
【0074】(2) 内燃機関により駆動される磁石発
電機の単相交流出力電圧を全波整流して直流電圧を出力
する内燃機関用電源装置において、ソースが共通接続さ
れ、ドレインが前記磁石発電機の異なる出力端子に接続
されたNチャネル形の第1及び第2のMOSFETを備
えたスイッチ回路と、前記第1及び第2のMOSFET
のそれぞれのドレインソース間に存在する寄生ダイオー
ドと前記第1及び第2の整流用ダイオードとにより構成
されて前記磁石発電機の出力端子間に得られる交流電圧
を全波整流するダイオードブリッジ全波整流回路と、前
記第1及び第2のMOSFETのゲートに同位相の矩形
波状の駆動信号を与えて両MOSFETを同時にオンオ
フさせるFET制御回路とを具備したことを特徴とする
内燃機関用電源装置。
【0075】(3) 内燃機関により駆動される磁石発
電機の単相交流出力電圧を全波整流して直流電圧を出力
する内燃機関用電源装置において、ドレインが共通接続
され、ソースが前記磁石発電機の異なる出力端子にそれ
ぞれ接続された第1及び第2のMOSFETからなるス
イッチ回路と、前記第1及び第2のMOSFETのそれ
ぞれのドレインソース間に存在する寄生ダイオードと第
1及び第2の整流ダイオードとにより構成されて前記磁
石発電機の出力端子間に得られる交流電圧を全波整流す
るダイオードブリッジ全波整流回路と、前記第1及び第
2のMOSFETのゲートに同位相の矩形波状の駆動信
号を与えて両MOSFETを同時にオンオフさせるFE
T制御回路とを具備したことを特徴とする内燃機関用電
源装置。
【0076】(4) 内燃機関により駆動される磁石発
電機の単相交流出力電圧を全波整流して直流電圧を出力
する内燃機関用電源装置において、ソースが共通接続さ
れ、ドレインが前記磁石発電機の異なる出力端子にそれ
ぞれ接続されたPチャネル形の第1及び第2のMOSF
ETからなるスイッチ回路と、前記第1及び第2のMO
SFETのそれぞれのドレインソース間に存在する寄生
ダイオードと第1及び第2の整流ダイオードとにより構
成されて前記磁石発電機の出力端子間に得られる交流電
圧を全波整流するダイオードブリッジ全波整流回路と、
前記第1及び第2のMOSFETのゲートに同位相の矩
形波状の駆動信号を与えて両MOSFETを同時にオン
オフさせるFET制御回路とを具備したことを特徴とす
る内燃機関用電源装置。
【0077】(5) 内燃機関により駆動される磁石発
電機の3相交流出力電圧を全波整流して直流電圧を出力
する内燃機関用電源装置において、ソースが共通接続さ
れ、ドレインが前記磁石発電機の異なる出力端子にそれ
ぞれ接続されたNチャネル形の第1ないし第3のMOS
FETからなるスイッチ回路と、前記第1ないし第3の
MOSFETのそれぞれのドレインソース間に存在する
寄生ダイオードと第1ないし第3の整流用ダイオードと
により構成されて前記磁石発電機の出力端子間に得られ
る3相交流電圧を全波整流するダイオードブリッジ全波
整流回路と、前記第1ないし第3のMOSFETのゲー
トに同位相の矩形波状の駆動信号を与えて該第1ないし
第3のMOSFETを同時にオンオフさせるFET制御
回路とを具備したことを特徴とする内燃機関用電源装
置。
【0078】(6) 内燃機関により駆動される磁石発
電機の3相交流出力電圧を全波整流して直流電圧を出力
する内燃機関用電源装置において、ソースが共通接続さ
れ、ドレインが前記磁石発電機の異なる出力端子にそれ
ぞれ接続されたPチャネル形の第1ないし第3のMOS
FETからなるスイッチ回路と、前記第1ないし第3の
MOSFETのそれぞれのドレインソース間に存在する
寄生ダイオードと第1ないし第3の整流用ダイオードと
により構成されて前記磁石発電機から得られる3相交流
電圧を全波整流するダイオードブリッジ全波整流回路
と、前記第1ないし第3のMOSFETのゲートに同位
相の矩形波状の駆動信号を与えて該第1ないし第3のM
OSFETを同時にオンオフさせるFET制御回路が設
けられていることを特徴とする内燃機関用電源装置。
【0079】(7) 内燃機関により駆動されてn個
(nは3以上の整数)の出力端子間に多相交流電圧を発
生する磁石発電機の前記n個の出力端子間に得られる多
相交流電圧を整流して直流電圧を出力する内燃機関用電
源装置において、ソースが共通接続され、ドレインが前
記磁石発電機の異なる出力端子に接続されたNチャネル
形のm個(mは2以上n以下の整数)のMOSFETか
らなるスイッチ回路と、前記m個のMOSFETのそれ
ぞれのドレインソース間に存在する寄生ダイオードと2
n−m個の整流用ダイオードとにより構成されて前記磁
石発電機の多相交流出力電圧を全波整流するダイオード
ブリッジ全波整流回路と、前記m個のMOSFETのゲ
ートに同位相の矩形波状の駆動信号を与えて該m個のM
OSFETを同時にオンオフさせるFET制御回路とを
具備したことを特徴とする内燃機関用電源装置。
【0080】(8) 内燃機関により駆動されてn個
(nは3以上の整数)の出力端子間に多相交流電圧を発
生する磁石発電機の前記n個の出力端子間に得られる多
相交流電圧を整流して直流電圧を出力する内燃機関用電
源装置において、ドレインが共通接続され、ソースが前
記磁石発電機の異なる出力端子に接続されたNチャネル
形のm個(mは2以上n以下の整数)のMOSFETか
らなるスイッチ回路と、前記m個のMOSFETのそれ
ぞれのドレインソース間に存在する寄生ダイオードと2
n−m個の整流用ダイオードとにより構成されて前記磁
石発電機の多相交流出力電圧を全波整流するダイオード
ブリッジ全波整流回路と、前記m個のMOSFETのゲ
ートに同位相の矩形波状の駆動信号を与えて該m個のM
OSFETを同時にオンオフさせるFET制御回路とを
具備したことを特徴とする内燃機関用電源装置。
【0081】(9) 内燃機関により駆動されてn個
(nは3以上の整数)の出力端子間に多相交流電圧を発
生する磁石発電機の前記n個の出力端子間に得られる多
相交流電圧を整流して直流電圧を出力する内燃機関用電
源装置において、ソースが共通接続され、ドレインが前
記磁石発電機の異なる出力端子に接続されたPチャネル
形のm個(mは2以上n以下の整数)のMOSFETか
らなるスイッチ回路と、前記m個のMOSFETのそれ
ぞれのドレインソース間に存在する寄生ダイオードと2
n−m個の整流用ダイオードとにより構成されて前記磁
石発電機の多相交流出力電圧を全波整流するダイオード
ブリッジ全波整流回路と、前記m個のMOSFETのゲ
ートに同位相の矩形波状の駆動信号を与えて該m個のM
OSFETを同時にオンオフさせるFET制御回路とを
具備したことを特徴とする内燃機関用電源装置。
【0082】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、印加電
圧と通電電流との関係が抵抗に電圧を印加した場合と同
様の関係を有する複数のMOSFETにより磁石発電機
の少なくとも2つの出力端子間をオンオフするように構
成するとともに、該MOSFETのドレインソース間に
存在する寄生ダイオードと他の整流用ダイオードとによ
りブリッジ全波整流回路を構成し、複数のMOSFET
に同位相の駆動信号を与えて該複数のMOSFETを同
時にオンオフさせることにより磁石発電機の出力端子間
をオンオフして該磁石発電機の出力電圧を昇圧するよう
にしたので、発電機に短絡電流を流すために必要な印加
電圧のしきい値を実質的に零にして、発電機の出力電圧
がきわめて低い状態からMOSFETを通して発電コイ
ルに短絡電流を流して昇圧動作を行わせることができ、
機関の極低速時にも負荷に電力を供給できる利点があ
る。
【0083】また本発明によれば、発電コイルを短絡す
るスイッチング素子として寄生ダイオードを有するMO
SFETを用いて、該MOSFETの寄生ダイオードを
利用して全波整流回路を構成するので、回路構成を簡単
にすることができる。
【0084】更に本発明によれば、短絡用のスイッチン
グ素子として電圧制御素子であるMOSFETを用いる
ため、発電コイルを短絡する際にスイッチング素子で生
じる損失をわずかにすることができ、スイッチング素子
で生じる発熱を抑制して放熱板の小形化を図ることがで
きる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示した回路図である。
【図2】図1の各部の信号波形を示した波形図である。
【図3】磁石発電機の無負荷出力電圧波形の一例を示し
た波形図である。
【図4】発電コイルを短絡するスイッチング素子として
FETを用いた場合とバイポーラトランジスタを用いた
場合の動作の相違を説明するための波形図である。
【図5】本発明の他の実施例を示した回路図である。
【図6】図5の実施例の各部の信号波形図である。
【図7】本発明の更に他の実施例を示した回路図であ
る。
【図8】本発明の更に他の実施例を示した回路図であ
る。
【図9】図8の実施例で用いるFETの駆動信号を示し
た波形図である。
【図10】本発明の更に他の実施例を示した回路図であ
る。
【図11】図10の実施例で用いるFETの駆動信号を
示した波形図である。
【図12】機関を手動スタートさせた場合のクランキン
グ回転数の変化を示した線図である。
【図13】磁石発電機の出力電圧対出力電流特性を負荷
線とともに示した線図である。
【図14】(A)は本発明の実施例における発電コイル
の短絡回路を示した回路図である。(B)は従来の電源
装置における発電コイルの短絡回路を示した回路図であ
る。
【図15】バッテリが搭載されている内燃機関に取り付
ける磁石発電機に要求される出力電圧対出力電流特性の
一例を示した線図である。
【図16】バッテリの充電電流と機関の回転数との望ま
しい関係の一例を示した線図である。
【図17】ダイオードの順方向電流対順方向電圧特性の
例を示した線図である。
【図18】或トランジスタのコレクタエミッタ間飽和電
圧対コレクタ電流特性を示した線図である。
【図19】他のトランジスタのコレクタエミッタ間飽和
電圧対するコレクタ電流特性を示した線図である。
【図20】MOSFETの導通時のドレインソース間抵
抗対ドレイン電流特性の例を示した線図である。
【図21】図20と同じMOSFETの逆ドレイン電流
対ソースドレイン間電圧特性を示した線図である。
【符号の説明】
1 磁石発電機 1a〜1c 出力端子 W1 〜W3 発電コイル 2 整流回路 D1 〜D3 第1ないし第3の整流用ダイオード F1 〜F3 第1ないし第3のMOSFET Df1〜Df3 第1ないし第3の寄生ダイオード 3 FET制御回路 RL 負荷
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−35538(JP,A) 特開 昭62−144542(JP,A) 特開 平5−344798(JP,A) 特開 平5−344799(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02J 7/14 - 7/24 H02P 9/00 - 9/48

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関により駆動されてn個(nは2
    以上の整数)の出力端子間に単相または多相の交流電圧
    を発生する磁石発電機と、前記磁石発電機のn個の出力
    端子間に得られる交流電圧を整流する整流回路とを備え
    た内燃機関用電源装置において、 前記整流回路は、n個の整流用ダイオードとn個のMO
    SFETとを備えて、該n個の整流用ダイオードとn個
    のMOSFETのそれぞれのドレインソース間に存在す
    る寄生ダイオードとによりダイオードブリッジ全波整流
    回路を構成するように、該n個の整流用ダイオードとM
    OSFETとを、それぞれを同じ側に位置させてブリッ
    ジ接続した回路からなり、 前記n個のMOSFETのゲートに同位相の矩形波状の
    駆動信号を与えて該n個のMOSFETを同時にオンオ
    フさせるFET制御回路が設けられていることを特徴と
    する内燃機関用電源装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関により駆動される磁石発電機
    と、該磁石発電機の単相交流出力を全波整流する整流回
    路とを備えた内燃機関用電源装置において、 前記整流回路は、カソードが共通接続された第1及び第
    2の整流用ダイオードと該第1及び第2の整流用ダイオ
    ードのアノードにそれぞれドレインが接続されるととも
    にソースが共通接続されたNチャネル形の第1及び第2
    のMOSFETとを備えて第1及び第2の整流用ダイオ
    ードと第1及び第2のMOSFETのそれぞれのドレイ
    ンソース間に存在する寄生ダイオードとにより単相ダイ
    オードブリッジ全波整流回路を構成した回路からなって
    いて、第1及び第2の整流用ダイオードのアノードと第
    1及び第2のMOSFETのドレインとのそれぞれの接
    続点の間に前記磁石発電機の単相交流出力が入力され、 前記第1及び第2のMOSFETのゲートに同位相の矩
    形波状の駆動信号を与えて両MOSFETを同時にオン
    オフさせるFET制御回路が設けられていることを特徴
    とする内燃機関用電源装置。
  3. 【請求項3】 内燃機関により駆動される磁石発電機
    と、該磁石発電機の単相交流出力を全波整流する整流回
    路とを備えた内燃機関用電源装置において、 前記整流回路は、アノードが共通接続された第1及び第
    2の整流用ダイオードと該第1及び第2の整流用ダイオ
    ードのカソードにそれぞれソースが接続されるとともに
    ドレインが共通接続されたNチャネル形の第1及び第2
    のMOSFETとを備えて第1及び第2の整流用ダイオ
    ードと第1及び第2のMOSFETのそれぞれのドレイ
    ンソース間に存在する寄生ダイオードとにより単相ダイ
    オードブリッジ全波整流回路を構成した回路からなって
    いて、第1及び第2の整流用ダイオードのカソードと第
    1及び第2のMOSFETのソースとのそれぞれの接続
    点の間に前記磁石発電機の単相交流出力が入力され、 前記第1及び第2のMOSFETのゲートに同位相の矩
    形波状の駆動信号を与えて両MOSFETを同時にオン
    オフさせるFET制御回路が設けられていることを特徴
    とする内燃機関用電源装置。
  4. 【請求項4】 内燃機関により駆動される磁石発電機
    と、該磁石発電機の単相交流出力を全波整流する整流回
    路とを備えた内燃機関用電源装置において、 前記整流回路は、アノードが共通接続された第1及び第
    2の整流用ダイオードと該第1及び第2の整流用ダイオ
    ードのカソードにそれぞれドレインが接続されるととも
    にソースが共通接続されたPチャネル形の第1及び第2
    のMOSFETとを備えて第1及び第2の整流用ダイオ
    ードと第1及び第2のMOSFETのそれぞれのドレイ
    ンソース間に存在する寄生ダイオードとにより単相ダイ
    オードブリッジ全波整流回路を構成した回路からなって
    いて、前記第1及び第2の整流用ダイオードのカソード
    と第1及び第2のMOSFETのドレインとのそれぞれ
    の接続点の間に前記磁石発電機の単相交流出力が入力さ
    れ、 前記第1及び第2のMOSFETのゲートに同位相の矩
    形波状の駆動信号を与えて両FETを同時にオンオフさ
    せるFET制御回路が設けられていることを特徴とする
    内燃機関用電源装置。
  5. 【請求項5】 内燃機関により駆動される磁石発電機
    と、該磁石発電機の3相交流出力を全波整流する整流回
    路とを備えた内燃機関用電源装置において、 前記整流回路は、カソードが共通接続された第1ないし
    第3の整流用ダイオードと該第1ないし第3の整流用ダ
    イオードのアノードにそれぞれドレインが接続されると
    ともにソースが共通接続されたNチャネル形の第1ない
    し第3のMOSFETとを備えて第1ないし第3の整流
    用ダイオードと第1ないし第3のMOSFETの寄生ダ
    イオードとにより3相ダイオードブリッジ全波整流回路
    を構成した回路からなっていて、前記第1ないし第3の
    整流用ダイオードのアノードと第1ないし第3のMOS
    FETのドレインとのそれぞれの接続点の間に前記磁石
    発電機の3相交流出力が入力され、 前記第1ないし第3のMOSFETのゲートに同位相の
    矩形波状の駆動信号を与えて該第1ないし第3のMOS
    FETを同時にオンオフさせるFET制御回路が設けら
    れていることを特徴とする内燃機関用電源装置。
  6. 【請求項6】 内燃機関により駆動される磁石発電機
    と、該磁石発電機の3相交流出力を全波整流する整流回
    路とを備えた内燃機関用電源装置において、 前記整流回路は、アノードが共通接続された第1ないし
    第3の整流用ダイオードと該第1ないし第3の整流用ダ
    イオードのカソードにそれぞれドレインが接続されると
    ともにソースが共通接続されたPチャネル形の第1ない
    し第3のMOSFETとを備えて第1ないし第3の整流
    用ダイオードと第1ないし第3のMOSFETの寄生ダ
    イオードとにより3相ダイオードブリッジ全波整流回路
    を構成した回路からなっていて、第1ないし第3の整流
    用ダイオードのカソードと第1ないし第3のMOSFE
    Tのドレインとのそれぞれの接続点の間に前記磁石発電
    機の3相交流出力が入力され、 前記第1ないし第3のMOSFETのゲートに同位相の
    矩形波状の駆動信号を与えて該第1ないし第3のMOS
    FETを同時にオンオフさせるFET制御回路が設けら
    れていることを特徴とする内燃機関用電源装置。
  7. 【請求項7】 内燃機関により駆動されてn個(nは3
    以上の整数)の出力端子間に多相交流電圧を発生する磁
    石発電機と、前記磁石発電機のn個の出力端子間に得ら
    れる多相交流電圧を整流する整流回路とを備えた内燃機
    関用電源装置において、 前記整流回路は、ソースが共通接続されドレインが前記
    磁石発電機の異なる出力端子に接続されたm個(mは2
    以上n以下の整数)のMOSFETと2n−m個の整流
    用ダイオードとを備えて、該m個のMOSFETのそれ
    ぞれのドレインソース間に存在する寄生ダイオードと前
    記2n−m個の整流用ダイオードとにより前記多相交流
    電圧を全波整流するダイオードブリッジ全波整流回路を
    構成するように、前記2n−m個の整流用ダイオードと
    m個のMOSFETとをブリッジ接続した回路からな
    り、 前記m個のMOSFETのゲートに同位相の矩形波状の
    駆動信号を与えて該m個のMOSFETを同時にオンオ
    フさせるFET制御回路が設けられていることを特徴と
    する内燃機関用電源装置。
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