JP3153809U - 火葬炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】火葬対象の種類や大きさに応じて適切な燃焼状態を得ることで、煙の発生を大幅に低減可能な火葬炉を提供する。【解決手段】投入口12及び排気口24を備えた炉12の外側には、炉12の外壁の周囲に上下に分割された空気層34A,34Bを形成するエアジャケット30が設けられている。前記投入口12には、窓と扉を備えた開閉可能な扉40が設けられ、排気口24には煙突36が接続されている。エアジャケット30の背面側には、送風機110とバーナー130が設けられている。送風機110は、ダンパ120,122を備えた空気供給管116,118に接続されており、該空気供給管116、118は、空気層34Aと34Bに接続される。空気層34A,34Bに供給する空気量を調節することで、火葬対象150に応じた適切な燃焼状態が得られ、煙の発生が大幅に低減できる。【選択図】図2

Description

本考案は、例えばペット(愛玩動物)や家畜,人などを火葬するための火葬炉に関するものである。
ペットについても、最近は人間と同じように火葬されるケースが増えており、火葬場や移動式火葬車などによって行われている。例えば、下記特許文献1には、後方に扉を有する箱型の荷台の中程に、後方に扉を有する焼却炉を設置し、この炉内より上記荷台の後部にわたって軌条を設けて、この軌条上に上記炉の炉底を構成する台車を移動可能に支持させ、上記炉の後方部分と上記荷台の天井及び側壁との間に仕切を設けて上記荷台のこの仕切から後方の部分を祭祀室とした動物火葬車が開示されている。
実用新案登録第3084360号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載の背景技術には、次のような不都合がある。まず、小型動物と大型動物でバーナーの火焔の当たる向きを調節できるように、バーナーの取付角度を調節する構造となっているが、燃焼を助けるための空気の取り込みが、燃焼室の下端に沿って埋め込まれた送風管からとなっている。すなわち、空気が焼却対象のある位置に供給されるため、前記焼却対象の熱分解を促進させる一方、燃焼反応に必要な上層の空気が足りなくなり、不完全燃焼を起こして煙が発生しやすくなるという不都合がある。また、炉内の燃焼ガスが完全燃焼せずに激しい臭気を発するため、2次燃焼室に導き、2次バーナーによって完全燃焼させてから、その排気を煙突より放出するため、構造が複雑になるという不都合もある。
本考案は、以上のような点に着目したもので、火葬対象の種類や大きさに応じて適切な燃焼状態を得ることで、煙の発生を大幅に低減することができる火葬炉を提供することを、その目的とする。
本考案は、台車に載置した火葬対象を内部に出し入れするための投入口と、燃焼ガスを排出する排気口を有するとともに、耐火材によって構成された炉,前記投入口を開閉するための第1の扉,前記炉内を加熱する加熱手段,前記炉の外壁を前記投入口及び排気口を除いて覆い、前記外壁との間に空気層を形成するとともに、該空気層が高さ方向に複数の段に分割されたエアジャケット,送風機と、該送風機と前記エアジャケットの複数の空気層の各段を接続する空気供給管と、該複数の空気供給管にそれぞれ設けられたダンパとを含む空気供給手段,前記炉の少なくとも一つの壁面に形成されており、前記壁面を貫通して前記炉の内部と前記空気層を接続する空気噴射口,を備えたことを特徴とする。
主要な形態の一つは、前記空気噴射口は、前記壁面に1m当たり10カ所以上形成されるとともに、直径が1〜20mmであることを特徴とする。他の形態は、前記加熱手段の位置,又は、該加熱手段から噴射される火焔の向きを変更するための調節手段,を備えたことを特徴とする。更に他の形態は、前記第1の扉を閉じたときに前記投入口が密閉可能となるように、前記第1の扉を開閉する第1の開閉機構,を備えたことを特徴とする。更に他の形態は、前記第1の扉に設けられており、前記炉内を点検するための窓,該窓に対して開閉可能な第2の扉,該第2の扉を開閉するための第2の開閉機構,を備えたことを特徴とする。本考案の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
本考案によれば、外壁の周囲に複数段の空気層を形成するためのエアジャケットが設けられた耐火性の炉の少なくとも一つの壁面に、該壁面を貫通して炉内部と前記空気層を接続する空気噴射口を設けることとした。そして、空気供給手段により、複数段の空気層毎に調節された量の空気を供給し、火葬対象の種類や大きさに応じて適切な燃焼状態を得ることで、煙の発生を大幅に低減可能な火葬炉を得ることができる。
本考案の実施例1を示す図であり、(A)は外観斜視図,(B)は窓を示す斜視図,(C)は炉の内部を示す斜視図,(D)は変形例を示す図である。 前記図1(A)を#A−#A線に沿って切断し矢印方向に見た断面図であり、(A)は扉を開いた状態を示す図,(B)は火葬中の様子を示す図である。
以下、本考案を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
最初に、図1及び図2を参照しながら、本考案の実施例1を説明する。図1(A)は、本実施例の火葬炉の外観斜視図,図1(B)は窓を示す斜視図,図1(C)は炉の内部を示す斜視図,(D)は変形例を示す図である。図2は、前記図1(A)を#A−#A線に沿って切断し矢印方向に見た断面図であり、(A)は扉を開いた状態を示す図,(B)は火葬中の様子を示す図である。本実施例の火葬炉は、例えば、ペットなどの火葬対象を火葬するためのものであって、図1(A),図2(A)及び(B)に示すように据置型となっている。本実施例の火葬炉10は、炉12と、その外側を覆って空気層を形成するエアジャケット30,扉40,送風機110,バーナー130などによって構成されている。
前記炉12は、例えば、耐火コンクリートなどの耐火材(不定形耐火材)によって構成されており、一対の側面12A及び12B,上面12C,背面12Dを有しており、底面部分は、火葬対象150を載せるための台車14となっている。また、前記炉12の正面側は、前記台車14に載置された火葬対象150を出し入れするための投入口22として開放形成されており、前記上面12Cには、燃焼ガスを排気するための排気口24が形成され、前記背面12Dには、後述するバーナー130のノズル132が挿入される略長円状の開口部26が形成されている。なお、炉12の外面に、前記投入口22,排気口24,開口部26を除いて、金属被覆を設けるようにしてもよい。該金属被覆には、後述する空気噴射口28に対応する穴を形成する。
前記台車14は、図1(C)に示すように、炉12の底面側に形成された枠18に収納可能であって、後述するエアジャケット30の底面30Eに形成されたレール20に沿ってスライドさせることで、前記投入口22から火葬対象150の出し入れが可能となっている。該台車14の正面側には、該台車14を炉12から引き出すときに使用する治具(例えば、図1(D)の治具166参照)の先端を掛けるための凹部16が形成されている。また、前記排気口24には、燃焼ガスを排気するための煙突36が接続されている。該煙突36は、耐火コンクリートなどの耐火材38Aの外側を、鉄板などの金属板38Bで覆った構造となっており、使用しないときには開口部に図示しないカバーが被せられる。また、使用時には、前記カバーを外してそのまま使用するか、場合によっては、図2(A)に示すようにダクト39に接続して使用する。
以上のような構造の炉12の外壁の周囲は、前記投入口22,排気口24を除いて、エアジャケット30により覆われており、前記外壁との間に空気層が形成される。前記エアジャケット30は、側面30A及び30B,上面30C,背面30D,底面30Eを有しており、例えば、鉄板などの金属板により構成されている。また、図示の例では、仕切り32によって、前記空気層が上部の空気層34Aと下部の空気層34Bに分割されている。ここで、前記炉12の側面12A及び12Bと、上面12C,背面12Dには、複数の空気噴射口28が貫通形成されており、前記上下の空気層34A,34Bと、前記炉12の内側を接続している。前記空気噴射口28を通じて、前記空気層34A,34Bの空気を炉12内部に噴射することで、燃焼に必要な空気を炉12の内部に供給するとともに、該炉12の温度上昇を抑制することができる。前記空気噴射口28は、直径が1〜20mmの範囲内に設定されており、それぞれの壁面において、壁面1m当たりに10カ所以上設けられている。
前記炉12の投入口22を開閉するための扉40は、扉本体42と、その表面に設けられた一対の横フレーム48A及び48B,縦フレーム48C及び48D,取手76などを含んでいる。前記扉本体42は、図2(A)及び(B)に示すように、耐火コンクリートなどの耐火材44の表面に、鉄板などの金属板46を設けた構造となっており、略中央部には、炉12の内部の様子の確認などに利用される点検用の窓78が形成されている。前記横フレーム48A,48Bは、前記扉本体42の上縁及び下縁近傍に略平行に取り付けられており、これら横フレーム48A,48Bと略直交する一対の縦フレーム48C,48Dによって連結されている。また、前記横フレーム48A,48Bは、それぞれの両端部が扉本体42から外側に突出するとともに、端部に溝50を有している。
更に、上側の横フレーム48Aの略中央部には、連結部材52Aが取り付けられており、該連結部材52Aは、扉本体42の上縁に設けられた他の連結部材52Bを介して、略水平に支持された支持部材54に連結されている。該支持部材54の略中央部には、軸受け56が設けられており、該軸受け56によって軸58が回転可能に支持されている。一方、前記エアジャケット上面30Cの正面側の一側端には、固定部材60が設けられており、該固定部材60には、軸62を介して略三角形のアーム64が回動可能に取り付けられている。更に、前記アーム64の先端には軸受け66が設けられており、該軸受け66によって前記軸58が回動可能に支持されている。すなわち、前記軸58及び62を支点とする回動によって、扉40が炉12の投入口22に対して開閉可能となっている。
また、前記エアジャケット30の側面30A,30Bの正面側の上方及び下方には、前記横フレーム48A,48Bと対応する位置に、それぞれロック具70が設けられている。該ロック具70は、前記側面30A,30Bに対して回動可能なバー72を含んでおり、該バー72を図1(A)に矢印で示すように回動させ、該バー72の適宜位置に設けられたフランジ部74を、前記横フレーム48A,48Bの両端部の溝50に係合することにより、扉40を閉めた状態でロックすることが可能となっている。このような機構で扉40を開閉すると、扉の一端側をヒンジなどで開閉する場合と比べて隙間が減り、空気の漏れを低減して密閉性を高めることができる。また、必要に応じて、パッキンなどを設けることで、更に密閉性を向上させるようにしてもよい。
前記扉40には、上述したように点検用の窓78が設けられ、扉86によって開閉可能となっている。前記窓78には、図1(B)に示すように、正面側に突出した縁部80が設けられており、該縁部80の一方の短辺(図示の例で右縁)には固定部82が設けられ、他方の短辺(図示の例では左縁)にはピン83が設けられている。前記扉86は、前記縁部80の内側に納まる耐火材88と、前記縁部80の外側に被さるカバー90と、該カバー90の表面に設けられた一対のフレーム92A及び92Bと、操作用の略L字状のレバー94により構成されている。前記一対のフレーム92A,92Bの一端側(図示の例では右側)は、前記固定部82に対して、軸84を介して回動可能に取り付けられており、他端側(図示の例では左側)には、軸96を介して前記レバー94の屈折部が回動可能に取り付けられている。前記レバー94は、長手側の端部98が把持部となっており、短手側の端部100が、前記ピン83に係る係合部となっている。図1(A)の状態にある扉86を開くときは、まず、前記レバー94を操作して、前記端部100をピン83から外し、更に、図1(B)に示す状態に開くまでレバー94を引く。
次に、空気供給機構について説明する。空気供給機構は、エアジャケット30の背面30D側に設けられた送風機110と、該送風機110に接続するダクト112,該ダクト112から送られた空気を分配する分配フード114,該分配フード114と上部の空気層34Aを接続する空気供給管116,前記分配フード114と下部の空気層34Bを接続する空気供給管118,これら空気供給管116A及び118に設けられたダンパ120及び122により構成されている。前記ダンパ120,122によって空気層34A,34Bに供給する空気量を調整することによって、炉12の内部に噴射する空気量を高さ別に調整し、燃焼状態を最適に調節することができる。
また、前記エアジャケット30の背面30Dには、加熱手段であるバーナー130が設けられている。該バーナー130は、前記炉12内を加熱するとともに、内部に収納した火葬対象150を最初に燃焼させるときの点火源としても利用される。前記エアジャケット背面30Dには、該背面30Dを貫通し、一端側が前記炉12の背面12Dに設けられた開口部26と連結する断面略長円状の筒部128が設けられている。該筒部128の他端側には、固定板134Aが固定されており、該固定板134Aには、その主面に沿ってスライド可能なスライド板134Bが設けられている。前記固定板134Aには、前記筒部128に対応する開口部が形成されており、前記スライド板134Bには、前記バーナー130が取り付けられている。前記固定板134Aに対するスライド板134Bのスライドは、公知の図示しないガイド手段(例えば、溝と該溝に沿ってスライドするピンなど)によってガイドされる。また、前記スライド板134Bの上端側には、固定部材135が設けられており、該固定部材135に対して、軸138Aを支点として回動可能なリンク136の一端側が取り付けられている。該リンク136の他端側には、操作用のレバー140の端部が、軸138Bを支点として回動可能に取り付けられている。
前記レバー140の屈折部には、軸142を介してガイドフレーム144が取り付けられている。該ガイドフレーム144は、前記レバー140の操作の有無にかかわらず、前記固定板134Aの上端側に係合しており、前記固定板134Aからの軸142の間隔を一定に保っている。このため、前記レバー140を、前記軸142を支点として、図2(B)に実線で示す位置から点線で示す位置まで回動させると、リンク136の回動に伴って前記スライド板134Bが引き上げられ、結果として、前記バーナー130が位置PAから位置PBまで上昇する。レバー140を実線に示す位置に戻すと、バーナー130は、位置PBから位置PAに戻る。すなわち、本実施例では、バーナー130の高さを、位置PAから位置PBの間で調整可能となっている。なお、図示しないストッパ手段などにより、前記バーナー130を、位置PAから位置PBの間の任意の位置で固定するようにしてもよい。
<基本的な火葬手順>・・・次に、本実施例の火葬炉10による基本的な火葬手順の一例を示す。なお、上述したように、前記バーナー130は、高さの調節が可能であるが、ここでは、ある一定の高さに維持したまま処理を行うものとして説明する。まず、扉40を開き、前記投入口22の底部にレール(例えば、図1(D)のレール162参照)をセットし、台車14を引き出す。次に、動物遺体などの火葬対象150を台車14の中央に載置し、台車14を炉12内に戻す。そして、レールを外して扉40を閉め、ロック具70でロックしてセッティングを完了する。次に、煙突36の図示しないカバーを開け、必要に応じてダクト39に接続する。そして、図示しないタイマースイッチを所定時間(例えば、2時間)に合わせて、送風機110の運転を開始し、更に、バーナー130の送風スイッチを入れ、次いで、バーナー130の燃焼スイッチを入れて火葬を開始する。
送風機110から、ダクト112,分配フード114,空気供給管116及び118を経て空気層34A及び34Bに導入された空気は、炉12の壁面(図示の例では、側面12A及び12Bと、上面12C及び背面12D)に形成された空気噴射口28を介して炉12内に噴射される。このとき、前記空気供給管116,118に設けられたダンパ120,122によって、空気層34A,34Bに供給する空気量を調節することによって、炉12内の上層と下層に供給する空気量を調節することができる。このため、火葬対象150の大きさに応じて燃焼に必要な量の空気を供給し、完全燃焼させて煙の発生を大幅に低減できる。例えば、火葬対象150の固体差によっては熱分解速度が速すぎるものがあり、不完全燃焼を起こす場合があるが、その場合は、熱分解速度を遅くする(下部燃焼空気調節用のダンパ122を絞る)か、又は、熱分解ガスと酸素の反応帯の空気量を多くする(上部燃焼空気調節用のダンパ120を開く)ことにより、不完全燃焼により発煙した場合にも対処可能である。なお、燃焼用の空気を入れ過ぎると、逆に炉12内の温度を下げてしまい燃焼不良を招くおそれもあるため、急激なダンパ調節は控える。
火葬は、設置したタイマー時間で終了となる。あるいは、以上のような処理中、扉86を開いて窓78から火葬状態を確認して、火葬が終了しているようであれば、タイマーのダイヤルを0に戻して終了する。冷却運転を行う場合は、バーナー130の燃焼スイッチだけを切り、その時点からタイマー時間までの間が冷却時間となる。いずれかの経過を経て火葬が終了したら、バーナー130の送風と燃焼のスイッチを「切」の状態に戻し、煙突36の図示しないカバーを戻す。ダクト39に接続していた場合には、ダクト39を外してからカバーを付ける。なお、上述した火葬途中では、火葬対象150の燃焼熱が逆流してバーナー130の破損原因になるのを防止するために、バーナー130の送風スイッチを切らないようにする必要がある。
このように、実施例1によれば、次のような効果が得られる。
(1)外壁の周囲に上下の空気層34A及び34Bを形成するためのエアジャケット30が設けられた耐火性の炉12の壁面に、該壁面を貫通して炉12内部と空気層34A及び34Bを接続するとともに、前記壁面1m当たり10カ所以上,かつ、直径1〜20mmの空気噴射口28を設けることとした。そして、送風機110から送られる空気を、空気層34A,34B毎に調節した量で供給することとしたので、火葬対象150の種類や大きさに応じて適切な燃焼状態が得られ、煙の発生を大幅に低減することができる
(2)送風機110からエアジャケット30の空気層34A,34Bに常に外気が送られるため、前記空気層34A,34Bが断熱層となり、炉12の外壁の温度上昇を抑制することができる。
<変形例>・・・本実施例の火葬炉10は、上述したように無煙性能が高いため、据置型のみでなく、車載式にも適用可能である。図1(D)には、車載式の一例が示されている。同図に示すように、火葬炉10は、車160の後部に設置されており、煙突36に接続したダクト39を車160の天井に接続することで、燃焼ガスを外に排出する。また、台車14を炉12から引き出すときには、車160の高さに合わせた台164にレール162をセットし、前記台車14の凹部16に治具166を掛けて前記レール162に沿って引き出す。前記台車14に火葬対象150を設置して火葬炉10にセッティングした後の操作については、上述した基本の火葬手順と同様である。
<応用例>・・・次に、本実施例の応用例について説明する。上述した基本の火葬の手順では、バーナー130を一定の高さに維持したまま処理を行い、燃焼空気の供給量を上部と下部でそれぞれ調整することによって、良好な燃焼状態を維持することとしたが、バーナー130の高さを処理中に調節したり、バーナー130の燃焼を止めたりしながら火葬を行うようにしてもよい。例えば、火葬対象150が小さいときや、火葬対象150自身の発熱量が低い場合などでは、それを補う意味で、当然バーナー130が必要になるが、逆に、火葬対象150が大きすぎたり、油成分が多すぎたりした場合には、前記バーナー130を使用することが逆効果になり、かえって黒煙発生につながる場合がある。この場合は、過剰発生した熱分解ガスに対応させるべく上層の燃焼用空気量を多くするか、あるいは、熱分解を抑える意味で下層の空気量を絞る,あるいは、バーナー130の燃焼を止めたり、位置を調節したりするなどの抑制操作を行うことで、上述した基本的な火葬手順に従って火葬を行った場合と同等以上の効果が得られる。
例えば、燃焼ステップ毎に必要となる操作の一例を挙げると、次のようになる。
(a)着火・・・着火時点においてバーナー130のノズル132が、図2(B)に位置PBで示す最も高い位置にあり、該バーナー130の位置よりも高い所に火葬対象150がある場合には煙が発生しやすくなるため、上層の空気を多く、下層が少なくなるように、前記ダンパ120,122を調節する。
(b)燃焼継続・・・揮発成分が主に発生するこの段階では、バーナー130の燃焼を停止し、送風運転のみにしても、燃焼用空気の拡散到達効果により、煙の発生の少ない燃焼が継続する。
(c)燃焼中盤・・・バーナー130の位置を、位置PBと位置PAの間に下げる。この段階では、揮発成分の発生が徐々に少なくなるため、前記バーナー130による燃焼を再開する。
(d)燃焼後半・・・バーナー130の位置を、一番下の位置PAに下げるとともに、上層と下層の燃焼空気の噴射量を逆転させる。この段階では、揮発成分の発生が少なくなり、自然性(自動的な燃焼の継続)は低下している。
(e)燃焼最後半・・・揮発成分は少なくなり、主に固定炭素の表面燃焼になる。表面燃焼の燃焼速度は非常に遅い。この段階では、燃焼用空気の供給量を、上層・下層ともに少なくして雰囲気温度を上げる。
(f)燃焼終了及び冷却運転・・・バーナー130の燃焼を停止し、送風運転のみとする。燃焼用空気の供給量を、上層・下層ともに最大にする。冷却が終了したら、バーナー130による送風と、空気噴射口28からの送風をともに停止する。
なお、本考案は、上述した実施例に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例1における各部の形状,大きさ,材質は一例であり、必要に応じて適宜変更可能である。
(2)前記実施例1では、エアジャケット30の内側を、仕切り32によって上下2段に分割することとしたが、これも一例であり、3段以上に仕切るなど、分割数は必要に応じて適宜変更してよい。また、高さ方向の分割に加え、幅方向や奥行き方向に分割することを妨げるものではない。
(3)前記実施例1で示したバーナー130の位置調節機構も一例であり、同様の効果を奏するものであれば、公知の各種の機構を適用してよい。また、前記実施例では、バーナー130の高さそのものを変えることとしたが、ノズル132から噴射される火焔の向きを調節できる機構としてもよい。
(4)扉40及び86の開閉機構も一例であり、同様の効果を奏するものであれば、公知の各種の開閉機構を適用してよい。また、これらの扉40,86を自動で開閉可能な構成にしてもよい。
(5)前記実施例1では、炉12の側面12A及び12B,上面12C,背面12Dに空気噴射口28を設けることとしたが、これも一例であり、側面の一つ以上に設けられていればよい。また、前記空気噴射口28の個数及び直径は、上述した範囲内であれば、必要に応じて適宜変更可能である。
(7)前記実施例1では、ペット(愛玩動物)の火葬を例に挙げて説明したが、本考案の火葬炉は、鶏や豚などの家畜,野生動物,人間の火葬にも適用可能である。
本考案によれば、外壁の周囲に複数段の空気層を形成するためのエアジャケットが設けられた耐火性の炉の少なくとも一つの壁面に、該壁面を貫通して炉内部と空気層を接続する空気噴射口を設けることとした。そして、空気供給手段により、複数の空気層毎に調節された量の空気を供給し、火葬対象の種類や大きさに応じて適切な燃焼状態を得ることで、煙の発生を大幅に低減可能としたので、火葬炉の用途に適用できる。特に、ペット用などの車載式の火葬炉の用途に好適である。
10:火葬炉
12:炉
12A,12B:側面
12C:上面
12D:背面
14:台車
16:凹部
18:枠
20:レール
22:投入口
24:排気口
26:開口部
28:空気噴射口
30:エアジャケット
30A,30B:側面
30C:上面
30D:背面
30E:底面
32:仕切り
34A,34B:空気層
36:煙突
38A:耐火材
38B:金属板
39:ダクト
40:扉
42:扉本体
44:耐火材
46:金属板
48A,48B:横フレーム
48C,48D:縦フレーム
50:溝
52A,52B:連結部材
54:支持部材
56,66:軸受け
58,62:軸
60:固定部材
64:アーム
70:ロック具
72:バー
74:フランジ部
76:取手
78:窓
80:縁部
82:固定部
83:ピン
84:軸
86:扉
88:耐火材
90:カバー
92A,92B:フレーム
94:レバー
96:軸
98,100:端部
110:送風機
112:ダクト
114:分配フード
116,118:空気供給管
120,122:ダンパ
128:筒部
130:バーナー
132:ノズル
134A:固定板
134B:スライド板
135:固定部材
136:リンク
138A,138B:軸
140:レバー
142:軸
144:ガイドフレーム
150:火葬対象
160:車
162:レール
164:台
166:治具

Claims (5)

  1. 台車に載置した火葬対象を内部に出し入れするための投入口と、燃焼ガスを排出する排気口を有するとともに、耐火材によって構成された炉,
    前記投入口を開閉するための第1の扉,
    前記炉内を加熱する加熱手段,
    前記炉の外壁を前記投入口及び排気口を除いて覆い、前記外壁との間に空気層を形成するとともに、該空気層が高さ方向に複数の段に分割されたエアジャケット,
    送風機と、該送風機と前記エアジャケットの複数の空気層の各段を接続する空気供給管と、該複数の空気供給管にそれぞれ設けられたダンパとを含む空気供給手段,
    前記炉の少なくとも一つの壁面に形成されており、前記壁面を貫通して前記炉の内部と前記空気層を接続する空気噴射口,
    を備えたことを特徴とする火葬炉。
  2. 前記空気噴射口は、前記壁面に1m当たり10カ所以上形成されるとともに、直径が1〜20mmであることを特徴とする請求項1記載の火葬炉。
  3. 前記加熱手段の位置,又は、該加熱手段から噴射される火焔の向きを変更するための調節手段,
    を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の火葬炉。
  4. 前記第1の扉を閉じたときに前記投入口が密閉可能となるように、前記第1の扉を開閉する第1の開閉機構,
    を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の火葬炉。
  5. 前記第1の扉に設けられており、前記炉内を点検するための窓,
    該窓に対して開閉可能な第2の扉,
    該第2の扉を開閉するための第2の開閉機構,
    を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の火葬炉。
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