JP3136999B2 - 無段変速機用vベルト - Google Patents

無段変速機用vベルト

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JP3136999B2
JP3136999B2 JP08200449A JP20044996A JP3136999B2 JP 3136999 B2 JP3136999 B2 JP 3136999B2 JP 08200449 A JP08200449 A JP 08200449A JP 20044996 A JP20044996 A JP 20044996A JP 3136999 B2 JP3136999 B2 JP 3136999B2
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16GBELTS, CABLES, OR ROPES, PREDOMINANTLY USED FOR DRIVING PURPOSES; CHAINS; FITTINGS PREDOMINANTLY USED THEREFOR
    • F16G5/00V-belts, i.e. belts of tapered cross-section
    • F16G5/16V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16GBELTS, CABLES, OR ROPES, PREDOMINANTLY USED FOR DRIVING PURPOSES; CHAINS; FITTINGS PREDOMINANTLY USED THEREFOR
    • F16G5/00V-belts, i.e. belts of tapered cross-section
    • F16G5/16V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts
    • F16G5/18V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts in the form of links

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無段変速機の円錐
プーリに巻き掛けられて動力を伝達するVベルトの改良
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の無段変速機用のVベルトとして
は、例えば(特開昭55−100443号公報)に開示
されているようなものが知られている。
【0003】これは、図11〜図14に示すように、V
ベルト1が複数の無終端状リング3a〜3nを積層して
形成された積層リング3と、この積層リング3の長手方
向(周方向)に連接して配列される多数のV型のエレメ
ント2’から構成され、図12に示すように、エンジン
などに連結された一対の円錐状の入力プーリ12と、同
じく駆動軸に連結された出力プーリ13に巻き掛けら
れ、これら入出力プーリ12、13はV字状の溝幅を可
変に構成されており、この溝幅を変更することでVベル
ト1の走行半径、すなわち、変速比を連続的に変更する
ものである。
【0004】このような、無段変速機用Vベルトでは、
エレメント2’、2’間に、エレメント2’の板厚ピッ
チよりも小さい微小な初期隙間Csが存在する。
【0005】Vベルト1を構成するエレメント2’と積
層リング3は、図13〜図17に示すように、エレメン
ト2’には入出力プーリ12、13のV型溝に摩擦接触
する傾斜端面5、5と、前面下半部には先細り状の傾斜
面6とロッキングエッジ7’とが形成され、このロッキ
ングエッジ7’を回転ピッチとして隣接エレメント
2’、2’同士が当接して屈曲することで、Vベルト1
の円錐プーリへの巻き掛けが可能になっている。なお、
図12においてVベルト1の走行方向(図14の前方)
がエレメント2’の前面となる。以下同様。
【0006】そして、エレメント2’の前面上半部には
円筒状の突起部8、8が幅方向に所定の間隔で突設さ
れ、これに隣接して先行するエレメント2’の後面に形
成される円形断面の穴部9との嵌め合いにより、隣接エ
レメント2’、2’同士の幅方向(図13の左右方向)
の変位は互いに規制され、多数のエレメント2’は入出
力プーリ12、13間の直線部分を走行するときにも、
幅方向に整列して走行可能となる。
【0007】一方、Vベルト1の屈曲時に隣接エレメン
ト2’、2’と接触してピッチ円となるロッキングエッ
ジ7’を、エレメントの前面と後面に各々1つ以上、合
計2つ以上設けることによりVベルトの変速比に応じて
エレメントのピッチ周長、すなわちエレメント2’、
2’間に発生する隙間を可変とするVベルトが、特開平
6−129494号として開示されている。
【0008】これは、図16、図17に示すように、こ
のVベルト1は上記と同様に、複数の無終端状リング3
a〜3nを積層して形成された積層リング3と、この積
層リング3の長手方向に連接して配列される多数のV型
断面のエレメント2’から構成され、エレメント2’に
は上記と同様の入出力プーリのV型溝に摩擦接触する傾
斜端面5、5と、前面下半部には先細り状の傾斜面6と
ロッキングエッジ7’とが形成されると共に、後面下半
部にも先細り状の傾斜面10とロッキングエッジ11’
が形成される。
【0009】そして、前面の傾斜面6の傾斜角θ1は、
全変速比範囲で最も小さい半径で円錐プーリに巻き付い
たときの隣接エレメント2’、2’同士の相対屈曲角θ
3よりも大きく設定され、後面の傾斜面10の傾斜角θ
2’は、変速比=1で円錐プーリに巻き付いたときの隣
接エレメント2’、2’同士の相対屈曲角θ3よりも小
さく設定される。
【0010】なお、エレメントの後面に形成されるロッ
キングエッジ11’は、前面に形成されるロッキングエ
ッジ7’よりも上方に位置され、ロッキングエッジ1
1’でのエレメントの板厚ピッチt1は、ロッキングエ
ッジ7’でのエレメントの板厚ピッチt2よりも大きく
なる。
【0011】t1>t2 ここで、Vベルト1の取り得る変速比範囲を0.4〜
2.4とし、傾斜面10の傾斜角θ2’を変速比=1.
5で出力側の円錐プーリに巻き付いたときの隣接エレメ
ント2’、2’同士の相対屈曲角θ3に等しく設定した
場合を考えてみると、 (1)1/1.5<変速比<1.5のとき ・θ2’ < 入力プーリ12での隣接エレメント同士の
相対屈曲角θ3 <θ1 ・θ2’ < 出力プーリ13での隣接エレメント同士の
相対屈曲角θ3 <θ1 であるため、入力プーリ12及び出力プーリ13に巻き
付いた全てのエレメント2’は、ロッキングエッジ7’
で互いに接触し、当接ピッチt2で回転する。このとき
のエレメントのプーリ巻き付き状態を図18に示す。
【0012】なお、両プーリ間の直線部分においては、
図12に示したように、エレメント2’、2’の当接ピ
ッチは、t1(t1>t2)となる。
【0013】(2)0.4<変速比<1/1.5のとき ・入力プーリ12での隣接エレメント同士の相対屈曲角
θ3 < θ2’ < θ1 ・θ2’ < 出力プーリ13での隣接エレメント同士の
相対屈曲角θ3 <θ1 であるため、入力プーリ12に巻き付いた全てのエレメ
ント2’は、ロッキングエッジ11’で互いに接触し、
当接ピッチt1で回転する。
【0014】一方、出力プーリ13に巻き付いた全ての
エレメント2’は、ロッキングエッジ7’で互いに接触
し、当接ピッチt2で回転する。このときのエレメント
の巻き付き状態を図19に示す。
【0015】なお、両プーリ間の直経部分においては、
エレメント2’の当接ピッチはt1(t1>t2)とな
る。
【0016】(3)1.5 < 変速比 < 2.4の
とき ・θ2’ < 入力プーリ12での隣接エレメント同士の
相対屈曲角θ3< θ1 ・出力プーリでの隣接エレメント同士の相対屈曲角θ3
< θ2’ < θ1 であるため、入力プーリ12に巻き付いた全てのエレメ
ント2’は、ロッキングエッジ7’で互いに接触し、当
接ピッチt2で回転する。
【0017】一方、出力プーリ13に巻き付いた全ての
エレメント2’は、ロッキングエッジ11’で互いに接
触し、当接ピッチt1で回転する。このときのエレメン
トの巻き付き状態を図19に示す。なお、両プーリ間の
直経部分においては、エレメント2’の当接ピッチはt
1(t1>t2)となる。
【0018】よって、上記(1)の変速比範囲において
は、上記(2)及び(3)の場合よりも当接ピッチの小
さいエレメントの構成比率が増えるためにエレメントの
ピッチ周長は短くなり、一方、エレメント2’、2’間
に発生する隙間の量は大きくなる。つまり、エレメント
間に発生する隙間は、Vベルトの変速比に依存して増減
することになる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな上記従来の無段変速機用のVベルトにあっては、後
述するように、Vベルト1を組み立てる際に発生する初
期隙間Csと、Vベルト1を入出力プーリ12、13に
巻き掛けて運転する際に、積層リング3に張力が作用
し、この積層リング3が伸びることで発生する隙間とが
原因となり、Vベルト1と入出力プーリ12、13との
間に滑りを発生させるという間題があった。
【0020】なお、上記前者の従来例では、ロッキング
エッジ7’はエレメント2’の前面に1つだけ形成され
るので、エレメント2’、2’相互の当接ピッチはエレ
メント2’、2’が直線状態にあっても屈曲状態にあっ
てもエレメントの板厚ピッチt1に等しくなる。
【0021】つまり、Vベルト1の変速比(走行半径)
が変化してもエレメント2’のピッチ周長(=エレメン
ト個数×当接ピッチ)は変化しないので、変速比が変化
することにより、Vベルト1のエレメント2’、2’間
に発生する隙間の量が増大または低減されることはな
い。
【0022】また、上記従来の無段変速機用Vベルト1
の形状は、Vベルト1の組立時には図11に示すように
ほぼ真円状態であることから、・Vベルト真円時の隣接
エレメント同士の相対屈曲角θ3 < θ2’ < θ1と
いう関係が成り立ち、上記後者の従来例では、Vベルト
1を組み立てる際に、全てのエレメント2’がロッキン
グエッジ11’で互いに接触し、エレメント相互の当接
ピッチは全てt1となる。
【0023】つまり、Vベルト組立時のエレメント2’
のピッチ周長は、如何なる変速比におけるVベルト運転
時よりも長くなり、Vベルト1の運転時に発生するエレ
メント2’、2’間の隙間は、Vベルト組立時に発生す
る初期隙間Csよりも必ず大きくなるという問題があっ
た。
【0024】以上のように、上記前者の特開昭55−1
00443号公報に開示されているような従来の無段変
速機用のVベルトにあっては、Vベルト1を粗み立てる
際に発生する初期隙間Csと、Vベルト1の運転時に積
層リング3が伸びることで発生する隙間とが原因とな
り、Vベルト1と円錐プーリとの間に滑りを発生し、動
力伝達効率の低下やVベルトの耐久性の低下を招くとい
う問題があった。
【0025】なお、ここで仮に初期隙間Csをゼロにし
てVベルト1を組み立てることが出来たとしも、Vベル
ト運転時に張力によって積層リング3が伸びる分をゼロ
にすることは出来ないので、従来技術ではエレメント
2’、2’間の隙間に起因して発生するVベルト1と円
錐プーリとの滑りを低減することは出来ない。
【0026】また、上記後者の特開平6−129494
号公報に開示されているような無段変速機用のVベルト
にあっては、Vベルト組立時のエレメントのピッチ周長
は、如何なる変速比におけるVベルト1の運転時よりも
長くなるので、Vベルト運転時に発生するエレメント
2’、2’間の隙間は、Vベルト組立時に発生する初期
隙間Csよりも必ず大きくなるという間題があり、この
場合ではエレメント2’、2’間の隙間に起因して発生
するVベルト1と円錐プーリとの滑りを低減することは
できず、上記と同様に動力伝達効率の低下やVベルトの
耐久性の低下を招くという問題があった。
【0027】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、変速比の変化に拘わらずVベルトの滑りを
確実に抑制可能な無段変速機用Vベルトを提供すること
を目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、複数の無
終端状リングを積層して形成された積層リングと、この
積層リングの周方向で相互に当接可能に連接して配列さ
れる多数のV型のエレメントと、これら各エレメントの
前面内周側に形成されて肉厚の減少する第1の傾斜面
と、前記傾斜面の開始位置に形成されて隣接するエレメ
ントの後面側と当接可能な第1のロッキングエッジとを
備えて、隣接エレメント同士が相対的に屈曲することに
よりプーリへ巻き掛けられる無段変速機用Vベルトにお
いて、前記エレメントの後面側に形成されて、Vベルト
の内周へ向けて肉厚が減少する第2の傾斜面と、この第
2傾斜面の開始位置に形成されて隣接するエレメントの
前面側と当接可能な第2のロッキングエッジと、この第
2ロッキングエッジを前記第1のロッキングエッジより
もVベルトの外周側に形成すると共に、この第2傾斜面
の角度θ2をVベルトをほぼ真円状態にしたときの隣接
エレメント同士の相対屈曲角θ3よりも小さく設定す
る。
【0029】また、第2の発明は、複数の無終端状リン
グを積層して形成された積層リングと、この積層リング
の周方向で相互に当接可能に連接して配列される多数の
V型のエレメントと、これら各エレメントの前面内周側
に形成されて肉厚の減少する第1の傾斜面と、前記傾斜
面の開始位置に形成されて隣接するエレメントの後面側
と当接可能な第1のロッキングエッジとを備えて、隣接
エレメント同士が相対的に屈曲することによりプーリへ
巻き掛けられる無段変速機用Vベルトにおいて、前記エ
レメントの後面側に形成されて、段部を介して肉厚が減
少する第2の面と、前記段部に形成されて隣接するエレ
メントの前面側と接離可能な第2のロッキングエッジ
と、この第2ロッキングエッジを前記第1のロッキング
エッジよりもVベルトの外周側に形成すると共に、前記
段部の深さはVベルトをほぼ真円状態にしたときに隣接
するエレメントの第1ロッキングエッジが前記第2面と
当接可能に設定される。
【0030】また、第3の発明は、複数の無終端状リン
グを積層して形成された積層リングと、この積層リング
の周方向で相互に当接可能かつ相対的に屈曲可能に連接
して配列される多数のV型のエレメントとを備え、プー
リへ巻き掛け可能に構成された無段変速機用Vベルトに
おいて、これらエレメントのうち、前面内周側に形成さ
れて肉厚の減少する第1の傾斜面と、前記傾斜面の開始
位置に形成されて隣接するエレメントの後面側と当接可
能かつ相対的に屈曲可能な第1のロッキングエッジとを
備えた第1エレメントを多数配設するとともに、エレメ
ントの後面側に形成されて肉厚が減少する第2の面と、
この第2面の開始位置に形成されて隣接するエレメント
の前面側と当接可能な第2のロッキングエッジとを備え
て、この第2ロッキングエッジを前面側の第1のロッキ
ングエッジよりもVベルトの外周側に形成すると共に、
Vベルトをほぼ真円状態にしたときに、隣接エレメント
の第1ロッキングエッジとこの第2面が当接可能に形成
された第2エレメントを、前記多数の第1エレメントの
間へ所定の間隔で挿入する。
【0031】また、第4の発明は、前記第2エレメント
の第2の面は、Vベルトの内周へ向けて肉厚が減少する
傾斜面で構成されて、この傾斜面の開始位置には隣接す
るエレメントの前面側と当接可能な第2のロッキングエ
ッジを設け、この傾斜面の角度θ2をVベルトをほぼ真
円状態にしたときの隣接エレメント同士の相対屈曲角よ
りも小さく設定する。
【0032】また、第5の発明は、前記第2エレメント
の第2の面は、前記第2エレメントの後面側に形成され
て、段部を介して肉厚が減少する平面で構成され、前記
段部の深さはVベルトをほぼ真円状態にしたときに隣接
するエレメントの第1ロッキングエッジがこの第2の面
と当接可能に設定される。
【0033】
【発明の効果】したがって、第1の発明は、第2ロッキ
ングエッジを第1ロッキングエッジよりも外周側に位置
させて、第2傾斜面の角度θ2をVベルトをほぼ真円状
態としたときの隣接エレメント同士の相対屈曲角θ3よ
りも小さく設定することにより、Vベルト組立時及び如
何なる変速比におけるVベルト運転時においても、屈曲
状態でのエレメント相互の当接ピッチを直線状態でのエ
レメント相互の当接ピッチよりも小さくすることがで
き、Vベルト運転時には直線状態となるエレメントの個
数に比例してエレメントのピッチ周長は増加するので、
Vベルトを組み立てる際に発生する初期隙間と、積層リ
ングの伸びによる隙間の増大分とを低減することがで
き、これら隙間に起因するVベルトとプーリの滑りを抑
制して動力伝達効率及びVベルトの耐久性を向上させる
ことができる。
【0034】また、第2の発明は、隣接するエレメント
のなす相対的な屈曲角は、Vベルトをほぼ真円状態とし
たときの隣接エレメント同士の相対屈曲角θ3よりも小
さく設定することができ、Vベルト組立時及び如何なる
変速比におけるVベルト運転時においても、屈曲状態で
のエレメント相互の当接ピッチを直線状態でのエレメン
ト相互の当接ピッチよりも小さくすることができ、Vベ
ルトを組み立てる際に発生する初期隙間と、積層リング
の伸びによる隙間の増大分とを低減することができ、V
ベルトとプーリの滑りを抑制して動力伝達効率及びVベ
ルトの耐久性を向上させることができる。
【0035】また、第3の発明は、多数の第1エレメン
トの間へ所定の間隔で第2エレメントを挿入し、混在さ
せる第2エレメントの数を変えることにより、Vベルト
運転時に発生するエレメント間の隙間の量を容易に調整
することが出来る。
【0036】また、第4の発明は、前記第2エレメント
の第2面を、前記第1発明と同様の構成としたため、隣
接する第1エレメントとの当接ピッチを直線状態では大
きく、屈曲状態では小さくでき、混在させる第2エレメ
ントの数を変えることにより、Vベルト運転時に発生す
るエレメント間の隙間の量を容易に調整することが出来
る。
【0037】また、第5の発明は、前記第2エレメント
の第2の面を、前記第2発明と同様の構成としたため、
隣接する第1エレメントとの当接ピッチを直線状態では
大きく、屈曲状態では小さくでき、混在させる第2エレ
メントの数を変えることにより、Vベルト運転時に発生
するエレメント間の隙間の量を容易に調整することが出
来る。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0039】図1〜図4は、無段変速機用Vベルトを示
し、Vベルト1は複数の無終端状リング3a〜3nを積
層して形成された前記従来例と同様の積層リング3と、
この積層リング3の長手方向(周方向)に連接して配列
される多数のV型のエレメント2から構成される。
【0040】このエレメント2は前記従来例のエレメン
ト2’に代わって配設されたものであり、Vベルト1は
前記従来例の図12に示した入力プーリ12と出力プー
リ13に巻き掛けられて、変速比を連続的に変更しなが
ら動力の伝達を行う無段変速機を構成するものである。
なお、前記従来例と同一のものには同一の図番を付して
重複説明を省略する。
【0041】Vベルト1を構成する板状部材のエレメン
ト2には、入出力プーリ12、13のV型溝に摩擦接触
する傾斜端面5、5が幅方向の両側面に形成され、前面
2aの下半部にはVベルト内周へ向けて板厚(肉厚)の
減少する先細り状の第1の傾斜面6と、第1のロッキン
グエッジ7とが形成されると共に、後面2bの下半部に
もVベルト内周側に向けて板厚が減少して先細り状の第
2の面としての傾斜面10と第2のロッキングエッジ1
1とがそれぞれ形成される。なお、図1において、図中
左右方向がエレメント2の幅方向となり、図2〜図4に
おいて、図中右側がエレメント2の前面となっており、
Vベルト1の走行方向は図中右側となる。そして、図3
において、ロッキングエッジ7、11より上方のエレメ
ント2は平行な端面を備え、Vベルト1の進行方向(図
中前方)に面した端面を前面2a、反対側の後方に面し
た端面を後面2bとする。
【0042】そして、図3に示すように、前面2a側で
ロッキングエッジ7よりVベルト1の内周側に向けて形
成されて傾斜面6の傾斜角θ1は、前記従来例と同様に
全変速比範囲で最も小さい半径で円錐プーリに巻き付い
たときの隣接エレメント2、2同士の相対屈曲角θ3よ
りも大きく設定される。この傾斜角θ1は、前面2aの
延長線に対して後方側へ向けて傾斜する。
【0043】一方、後面2b側に形成された傾斜面10
の傾斜角θ2は、Vベルト1を図11に示したように、
ほぼ真円状態としたときの隣接エレメント2、2同士の
相対屈曲角θ3よりも小さく設定される。この傾斜角θ
2は、後面2bの延長線に対して前方側へ向けて傾斜す
る。
【0044】なお、エレメント2の後面2b側に形成さ
れるロッキングエッジ11は、前面2a側に形成される
ロッキングエッジ7よりも図中上方(Vベルト1の外周
側)に形成され、ロッキングエッジ11でのエレメント
の板厚ピッチt1は、ロッキングエッジ7でのエレメン
ト2の板厚ピッチt2よりも大きくなる。
【0045】t1>t2 次に、上記実施例の作用を説明するに当り、先ず無段変
速機用のVベルト1において、エレメント2、2間の隙
間に起因してVベルトと円錐プーリとの間で滑りが発生
する原理について説明する。
【0046】図2において、Vベルト1に組み付けられ
る積層リング3の内、最内周リング内周面30の周長を
700mm、最内周リング内周面30〜ロッキングエッジ
7間の距離を1.0mmとする。そして、図3において、
エレメント2の板厚ピッチ(t1)を2.0mm、板厚ピ
ッチ(t2)を1.99mmと設定した場合、Vベルト1
に組み付けられるエレメント2の総個数は、エレメント
2の当接ピッチがVベルト1の組み立て時にはt2にな
ることから、 (700−2×1×π(円周率))÷1.99=34
8.601 より、348個(必ず整数個)であり、このVベルト1
を組み立てると、 (700−2×1×π)−348×1.99=1.20
mm の初期隙間Csが、エレメント2間に発生する(図12
参照)。
【0047】ところで、この初期隙間Csの量は、エレ
メント2の板厚ピッチt2よりも小さいため、板厚ピッ
チの小さいエレメントを特別に作らなければこの初期隙
間Csを低減することは出来ず、また、実際に板厚ピッ
チが1.20mmのエレメントを作ったとしても、エレメ
ント2の前面2a上半部から突設される突起部8の長さ
に相当する分の隙間だけは、最後のエレメント2を積層
リング3に組み付ける際に必要となるので、初期隙間C
sをゼロにしてVベルト1を組み立てることは出来な
い。
【0048】次に、この種の無段変速機用Vベルトによ
る動力伝達の特徴を説明すると、ゴムベルトやチェーン
などに代表される張力ベルトが、張力(テンション)に
よって動力を伝達するのに対して、エレメント2と積層
リング3から構成されるこの種のVベルト1では、動力
を主にエレメント2間に作用する圧縮力で伝達する点に
特徴がある。
【0049】しかし、Vベルト1に初期隙間Csが存在
すると、隣接するエレメント2、2間に圧縮力が作用し
ない状態が発生し、エレメント2の隙間分布と圧縮力分
布は、図12に示したようになる。この、図12におい
て、入力プーリ12と出力プーリ13との間にVベルト
1が巻き掛けられて、所定のトルクを伝達しており、図
中斜線部分がエレメント2に圧縮力が作用していいる範
囲を示す。
【0050】ここで、エレメント2、2間に存在する隙
間は、圧縮力非作用範囲の入力プーリ12上におよそ均
等に分布し、この隙間の空いた状態のエレメント2a〜
2dと入力プーリ12とはほぼ一体的に回転している。
【0051】今、エレメントの当接ピッチをt、隣接エ
レメント2a〜2d間に分布する平均隙間をCmとおく
と、図12の状態から入力プーリ12がt+Cmだけ回
転すると、エレメント2a〜2dは、入力プーリ12と
同じくt+Cmだけ回転してエレメント2aの前に分布
する平均隙間Cmが詰まり、圧縮力作用範囲のエレメン
ト全体はtだけ押し回される。
【0052】よって、この圧縮力作用範囲のエレメント
は、Cm÷(t+Cm)だけ入力プーリ12に対して相
対的に滑っていることになる。
【0053】以上が、この種の無段変速機用のVベルト
1で発生する滑りの基本メカニズムであり、トルクの伝
達に必要な圧縮力の作用角をαとおくと、このαは伝達
トルクにほぼ比例するため、平均隙間Cmも伝達トルク
にほぼ比例して増加し、エレメント2、2間の隙間に起
因して発生するVベルトとプーリとの滑りは、伝達トル
クにほぼ比例して増加することになる。
【0054】以上説明してきたように、この種の無段変
速機用Vベルト1にあっては、隣接エレメント2、2間
に存在する隙間がVベルト1の滑りを発生させ、Vベル
トの許容伝達トルクと伝達効率を低下させる主な原因に
なる。
【0055】次に、上記のような構成のVベルト1の作
用を説明する。
【0056】前面2a及び後面2bに所定の傾斜角度θ
1、θ2の傾斜面6、10を形成したエレメント2から
なるVベルト1を組み立てると、上述したように、エレ
メント2、2間には初期隙間Csが約1.2mm発生する
が、図12に示すように、Vベルト1を入力プーリ12
と出力プーリ13との間に巻き掛けて動力を伝達する場
合で、Vベルト1に発生する張力により積層リング3が
約1mm伸びると仮定すると、エレメント2問には合計で
約2.2mmの隙間が発生することになる。
【0057】ここで、Vベルト組立時のエレメント2、
2相互の当接ピッチは、図4に示すように、全てのエレ
メント2でt2(t2<t1)になっているが、図12
に示すようなVベルト1の運転時では、エレメント2は
入力プーリ12と出力プーリ13とに巻き付いて屈曲状
態にあるものと、両プーリ間で直線状態にあるものとに
大別され、その構成比率は、入力プーリ12と出力プー
リ13との軸間距離が例えば、160mmで、Vベルト1
の取り得る変速比範囲が0.4(最HI)から2.4
(最LO)の場合では、 (直線状態の個数:屈曲状態の個数)=(152:196)か
ら(160:188) となる。
【0058】ところで、直線状態にあるエレメント2の
当接ピッチは図12に示すようにt1であるから、直線
状態にあるエレメント2のうち152個から160個の
当接ピッチは、t2(1.99mm)からt1(2.0m
m)に増加する。よって、当接ピッチの増加に伴うエレ
メント2のピッチ周長の増加分をVベルト1全体で計算
すると、 (t1−t2)×[152〜160]=0.01×[152〜16
0]=1.52〜1.60mm となり、エレメント2、2間の隙間はおよそ1.6mm低
減することになる(変速比により多少効果は異なる)。
【0059】一方、前記従来例の特開昭55−1004
43号公報に開示されているような無段変速機用のVベ
ルトにあっては、エレメント相互の当接ピッチを1つし
か有していないので、Vベルト組立時とVベルト運転時
でエレメントのピッチ周長は全く変化せず、初期隙間C
sと積層リング3の伸び量に相当する隙間だけは常にV
ベルト運転時にエレメント間に発生することが分かる。
【0060】このように、前記従来例のVベルト1では
約2.2mmの隙間がエレメント間に発生してしまうよう
な場合でも、本発明によれば、 2.2−1.6=0.6mm 程度まで、発生する隙間の量を低減することが出来る。
【0061】この隙間の低減量とエレメント2の板厚ピ
ッチt2の関係は、図5に示すようになり、t2の減少
に比例してエレメント2、2間の隙間低減量は増加する
ので、Vベルト1の初期隙間と運転中の積層リング3の
伸び量が分かっていれば、隙間を発生させないために必
要なt2の値をこのグラフから求めることが可能であ
る。
【0062】こうして、エレメント2の後面2b下半部
(内周側)にも傾斜面10を設けて、エレメント2の側
面形状をVベルトの内周へ向けて先細り状に形成し、こ
の傾斜面10の開始線となるロッキングエッジ11を、
エレメント前面2aのロッキングエッジ7よりも上方に
形成し、かつ、この傾斜面10の角度θ2を、図11に
示したように、Vベルト1がほぼ真円状態としたときの
隣接エレメント2、2同士の相対屈曲角θ3よりも小さ
く設定したので、Vベルト1の運転時には直線状態とな
るエレメントの個数に比例してエレメント2のピッチ周
長が増加し、Vベルト1を組み立てる際に発生する初期
隙間Csと、積層リング3の伸びによる隙間の増大分と
を低減することができ、Vベルト式無段変速機の滑りを
抑制して、動力伝達効率及びVベルトの耐久性を向上さ
せることが可能となる。
【0063】図6〜8は、第2の実施形態を示し、無段
変速機用Vベルトのエレメントの構造図である。
【0064】これは、第1実施形態の第2の面としての
傾斜面10を段差15aを備えた平面15としたもの
で、その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
【0065】エレメント2の後面2bには、ロッキング
エッジ11の位置で、前方側へ向けた所定の段差15a
が形成され、この段差15aよりもVベルト1の内周側
(図中下方)には板厚の減少した薄肉部15が形成され
る。なお、薄肉部15は後面2bと平行な面である。
【0066】上記と同様に、図7において、ロッキング
エッジ11より図中上方では、前面2aと後面2bの板
厚はt1となるが、ロッキングエッジ11より下方の前
面2aと薄肉部15の板厚t2は板厚t1より小さい所
定の値に設定される。
【0067】そして、前面2aの傾斜面6の傾斜角θ1
は、全変速比範囲で最も小さい半径でプーリに巻き付い
たときの隣接エレメント2、2同士の相対屈曲角θ3よ
りも大きく設定され、この薄肉部15の厚さは前記第1
実施形態の図2に示した板厚ピッチt2に等しく設定さ
れる。
【0068】この場合も、前記第1実施形態と同じよう
に、Vベルト組立時及び如何なる変速比におけるVベル
ト運転時においても、屈曲状態でのエレメント相互2、
2の当接ピッチは、エレメント2、2がロッキングエッ
ジ7と薄肉部15で当接するためt2となり、直線状態
でのエレメント相互の当接ピッチt1よりも小さくする
という作用を生じさせるので、Vベルト1の運転時には
直線状態となるエレメントの個数に比例してエレメント
2のピッチ周長が増加し、Vベルト1を組み立てる際に
発生する初期隙間Csと積層リング3の伸びによる隙間
の増大分とを低減することが出来る。
【0069】図9は、第3の実施形態を示し、Vベルト
1は、図13、図14に示した単一の板厚ピッチt1か
らなる前記従来のエレメント2’(第1エレメント)を
主体として、積層リング3(図示せず)の周方向(長手
方向)に、前記第1実施形態に示した2つの板厚ピッチ
t1、t2を備えたエレメント2(第2エレメント)を
ほぼ所定の間隔で混在させたものである。なお、エレメ
ント2は前記第1実施形態と、エレメント2’は前記従
来例と同一のものである。
【0070】次に、具体的なエレメント2、2’等の形
状寸法を、以下のように仮定して、作用を詳述する。
【0071】1)Vベルト1の最内周リング内周面30
の周長=700mm 2)最内周リング内周面30〜ロッキングエッジ7間距
離=1.0mm 3)エレメント2の板厚ピッチ(t1)=2.0mm 4)エレメントの板厚ピッチ(t2)=1.9mm エレメント2及びエレメント2’から成るVベルト1を
組み立てると、先に述べた通り、エレメント2、2間に
は初期隙間Csが発生するが、このVベルト1にあって
は、エレメント2の板厚ピッチはt1とt2が混在した
状態となり、図6の場合では、板厚ピッチt1のエレメ
ント2’の3個おきに板厚ピッチがt1とt2に可変な
エレメント2が1個挿入されている。
【0072】ここで、エレメント2aの投入個数を仮に
20個と仮定し、具体的にVベルト1に発生する初期隙
間Csを計算すると、Vベルト1に組み付けられるエレ
メントの総個数は、 ((700−2×1×π)−20×1.9)÷2.0+20=347.858 より、347個(必ず整数個)であり、このVベルト1
を組み立てると、 (700−2×1×π)−(347−20)×2.0−20×1.99=1.
72(mm) となる。
【0073】したがって1.72mmの初期隙間Csがエレメ
ント2間に発生するが、上記図12に示したように、こ
のVベルト1を入力プーリ12と出力プーリ13との間
に巻き掛けて動力を伝達する場合で、Vベルト1に発生
する張力により積層リング3が約1mm伸びると仮定する
と、エレメント2間には合計で約2.7mmの隙間が発生
することになる。
【0074】ここで、入力プーリ12と出力プーリ13
とに巻き付いて屈曲状態にあるエレメントと、両プーリ
間で直線状態にあるエレメントの構成比率を計算する
と、入力プーリ12と出力プーリ13との軸間距離を1
60mmとし、Vベルト1の取り得る変速比範囲が0.4
(最HI)〜2.4(最LO)と設定した場合では、 (直線状態の個数:屈曲状態の佃数)=(152:196)〜
(160:188) となるので、2つの板厚ピッチt1、t2を持つエレメ
ント2(総個数20個)分だけを考えると、 (直線状態の個数:屈曲状態の個数)≒(9:11) となる。
【0075】ところで、直線状態にあるエレメント2の
当接ピッチは、図3に示すようにt1であるから、直線
状態にある総個数9個のエレメント2の当接ピッチは、
t2(1.99mm)からt1(2.0mm)に増加する。
【0076】よって、この当接ピッチの増加に伴うエレ
メント2のピッチ周長の増加分をVベルト1全体で計算
すると、 (t1−t2)×9=0.1×9=0.9mm となり、エレメント間の隙間はおよそ0.9mm低減す
ることになる(変速比により多少効果は異なる)。
【0077】一方、 前記従来例の特開昭55−100
443号公報に開示されているような従来のVベルトに
あっては、エレメント相互の当接ピッチを1つしか有し
ていないので、Vベルト組立時とVベルト運転時でエレ
メント2’のピッチ周長は全く変化せず、初期隙間Cs
と積層リング3の伸び量に相当する隙間だけは常にVベ
ルト運転時にエレメント間に発生することが分かる。
【0078】したがって、前記従来例のようなVベルト
1で、約2.7mmの隙間がエレメント2’、2’間に発
生してしまうような場合でも、2つの板厚ピッチt1、
t2を備えたエレメント2を所定数だけ挿入することに
より、隙間を2.7−0.9=1.8mm程度まで、発生
する隙間の量を低減することができ、前記第1、第2実
施形態と同様に、無段変速機の伝達効率及び耐久性を向
上させることが可能となるのである。
【0079】図10には、エレメント2の投入個数とエ
レメント間の隙間低減量との関係を示す。
【0080】エレメント2の投入個数に比例してエレメ
ント2、2間の隙間低減量は増加するので、Vベルト1
の初期隙間Csと運転中の積層リング3の伸び量が分か
っていれば、隙間を発生させないために必要なエレメン
ト2の投入個数をこのグラフから求めることが可能であ
る。
【0081】こうして、複数の板厚ピッチt1、t2を
備えたエレメント2を、単一の板厚ピッチt1からなる
エレメント2’の周方向にほぼ均等間隔で混在させる構
成としたので、混在させるエレメント2の個数を変える
ことにより、Vベルト運転時に発生するエレメント2、
2間の隙間の量を容易にコントロールすることが出来る
のであり、Vベルト1とプーリ間の滑りを抑制する事が
可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す無段変速機用Vベル
トのエレメントの構成図。
【図2】同じく、積層ベルトとエレメントの側面図及び
穴部の断面図。
【図3】同じく、エレメントの拡大側面図。
【図4】同じく、組み立てた状態を示すVベルトの側面
図。
【図5】エレメントの板厚ピッチ(t2)とVベルトの
隙間低減量との関係を示すグラフ。
【図6】第2の実施形態を示し、積層ベルトとエレメン
トの側面図。
【図7】同じく、エレメントの側面拡大図。
【図8】同じく、組み立てた状態を示すVベルトの側面
図。
【図9】第3の実施形態を示し、組み立てた状態を示す
Vベルトの側面図。
【図10】エレメントの投入個数とVベルトの隙間低減
量との関係を示すグラフ。
【図11】従来の無段変速機用Vベルトを示し、組立状
態を示す側面図。
【図12】入出力プーリに巻き掛けられた無段変速機用
Vベルトの概念図で、動力伝達のモデルを示す。
【図13】従来の無段変速機用Vベルトのエレメントの
正面図。
【図14】同じく、積層ベルトとエレメントの側面図及
び穴部の断面図。
【図15】同じく、積層ベルトとエレメントの側面図
で、(A)は直線状態を、(B)はプーリに巻き付いた
屈曲状態を示す。
【図l6】同じく、他の従来例の無段変速機用Vベルト
のエレメントを示す側面図である。
【図17】同じく、組み立てた状態のVベルトの側面図
を示す。
【図18】同じく、変速比が1/1.5〜1.5のとき
の、プーリに巻き掛けられたエレメントの側面図を示
し、(A)は入力プーリ側、(B)は出力プーリ側を示
す。
【図19】同じく、変速比が0.4〜1/1.5のとき
の、プーリに巻き掛けられたエレメントの側面図を示
し、(A)は入力プーリ側、(B)は出力プーリ側を示
す。
【図20】同じく、変速比が1.5〜2.4のときの、
プーリに巻き掛けられたエレメントの側面図を示し、
(A)は入力プーリ側、(B)は出力プーリ側を示す。
【符号の説明】
1 Vベルト 2、2’ エレメント 2a 前面 2b 後面 3 積層リング 5 傾斜端面 6 傾斜面 7 ロッキングエッジ 8 突起部 9 穴部 10 傾斜面 11 ロッキングエッジ 12 入力プーリ 13 出力プーリ 15 平面 15a 段部

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の無終端状リングを積層して形成さ
    れた積層リングと、この積層リングの周方向で相互に当
    接可能に連接して配列される多数のV型のエレメント
    と、これら各エレメントの前面内周側に形成されて肉厚
    の減少する第1の傾斜面と、前記傾斜面の開始位置に形
    成されて隣接するエレメントの後面側と当接可能な第1
    のロッキングエッジとを備えて、隣接エレメント同士が
    相対的に屈曲することによりプーリへ巻き掛けられる無
    段変速機用Vベルトにおいて、前記エレメントの後面側
    に形成されて、Vベルトの内周へ向けて肉厚が減少する
    第2の傾斜面と、この第2傾斜面の開始位置に形成され
    て隣接するエレメントの前面側と当接可能な第2のロッ
    キングエッジと、この第2ロッキングエッジを前記第1
    のロッキングエッジよりもVベルトの外周側に形成する
    と共に、この第2傾斜面の角度θ2をVベルトをほぼ真
    円状態にしたときの隣接エレメント同士の相対屈曲角θ
    3よりも小さく設定したことを特微とする無段変速機用
    Vベルト。
  2. 【請求項2】 複数の無終端状リングを積層して形成さ
    れた積層リングと、この積層リングの周方向で相互に当
    接可能に連接して配列される多数のV型のエレメント
    と、これら各エレメントの前面内周側に形成されて肉厚
    の減少する第1の傾斜面と、前記傾斜面の開始位置に形
    成されて隣接するエレメントの後面側と当接可能な第1
    のロッキングエッジとを備えて、隣接エレメント同士が
    相対的に屈曲することによりプーリへ巻き掛けられる無
    段変速機用Vベルトにおいて、前記エレメントの後面側
    に形成されて、段部を介して肉厚が減少する第2の面
    と、前記段部に形成されて隣接するエレメントの前面側
    と接離可能な第2のロッキングエッジと、この第2ロッ
    キングエッジを前記第1のロッキングエッジよりもVベ
    ルトの外周側に形成すると共に、前記段部の深さはVベ
    ルトをほぼ真円状態にしたときに隣接するエレメントの
    第1ロッキングエッジが前記第2面と当接可能に設定さ
    れたことを特微とする無段変速機用Vベルト。
  3. 【請求項3】 複数の無終端状リングを積層して形成さ
    れた積層リングと、この積層リングの周方向で相互に当
    接可能かつ相対的に屈曲可能に連接して配列される多数
    のV型のエレメントとを備え、プーリへ巻き掛け可能に
    構成された無段変速機用Vベルトにおいて、これらエレ
    メントのうち、前面内周側に形成されて肉厚の減少する
    第1の傾斜面と、前記傾斜面の開始位置に形成されて隣
    接するエレメントの後面側と当接可能かつ相対的に屈曲
    可能な第1のロッキングエッジとを備えた第1エレメン
    トを多数配設するとともに、エレメントの後面側に形成
    されて肉厚が減少する第2の面と、この第2面の開始位
    置に形成されて隣接するエレメントの前面側と当接可能
    な第2のロッキングエッジとを備えて、この第2ロッキ
    ングエッジを前面側の第1のロッキングエッジよりもV
    ベルトの外周側に形成すると共に、Vベルトをほぼ真円
    状態にしたときに、隣接エレメントの第1ロッキングエ
    ッジとこの第2面が当接可能に形成された第2エレメン
    トを、前記多数の第1エレメントの間へ所定の間隔で挿
    入したことを特徴とする無段変速機用Vベルト。
  4. 【請求項4】 前記第2エレメントの第2の面は、Vベ
    ルトの内周へ向けて肉厚が減少する傾斜面で構成され
    て、この傾斜面の開始位置には隣接するエレメントの前
    面側と当接可能な第2のロッキングエッジを設け、この
    傾斜面の角度θ2をVベルトをほぼ真円状態にしたとき
    の隣接エレメント同士の相対屈曲角よりも小さく設定し
    たことを特徴とする請求項3に記載の無段変速機用Vベ
    ルト。
  5. 【請求項5】 前記第2エレメントの第2の面は、前記
    第2エレメントの後面側に形成されて、段部を介して肉
    厚が減少する平面で構成され、前記段部の深さはVベル
    トをほぼ真円状態にしたときに隣接するエレメントの第
    1ロッキングエッジがこの第2の面と当接可能に設定さ
    れたことを特徴とする請求項3に記載の無段変速機用V
    ベルト。
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