JP3135065B2 - 磁気泳動を利用した表示方法及び表示装置 - Google Patents

磁気泳動を利用した表示方法及び表示装置

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JP3135065B2 JP02331168A JP33116890A JP3135065B2 JP 3135065 B2 JP3135065 B2 JP 3135065B2 JP 02331168 A JP02331168 A JP 02331168A JP 33116890 A JP33116890 A JP 33116890A JP 3135065 B2 JP3135065 B2 JP 3135065B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁気泳動を利用した表示方法及び表示装置に
関する。
〔従来の技術〕 表示方法の代表的なものとして電子黒板を用いるもの
があり、これはホワイトボード等のパネル上にボードマ
ーカのような筆記具をX、Y方向に移動させながら、入
力情報に応じて所定の文字・図形などを記録表示するも
のである。ところが、この表示方法には筆記具等の消耗
品を使うこと、消去するとボードマーカの乾燥粉がでる
などの問題があることから、筆記具を使わず比較的大画
面にて手軽に表示及び消去ができるものとして磁性を用
いた表示方法が注目されている。そしてこのような磁性
を用いた表示方法としては、例えば以下のようなものが
提案されている。
磁気記録シートと透明シートとの間に表示用セルを形
成し、セル内に磁性粒子を分散した分散液を封入し、磁
気ヘッドを用いて磁気記録シートに磁気潜像を形成し、
この磁気潜像によって磁性粒子を磁気泳動で吸引し、着
磁されなかった部分との間にコントラストを生じさせて
表示を行う方法(特公昭56−852号公報)。
磁気記録シートと透明シートとの間に表示用セルを形
成し、セル内に箔片状の反射性磁性粒子を分散した分散
液を封入し、磁気ヘッドを用いて磁気記録シートに磁気
潜像を形成し、この磁気潜像によって反射性磁性粒子を
配向させ、液晶の場合の如くコントラストを生じさせて
表示を行う方法(特開昭61−233425号公報)。
少なくとも表示面が透明な2枚のシートの間に表示用
セルを形成し、セル内に黒色磁性粒子を白色の媒体に分
散した分散液を封入した磁気パネルを用い、先ず消磁用
均一磁界によって表示面とは反対側(裏面)に磁性粒子
を集合させて表示面は白色分散媒体により磁性粒子を隠
蔽した状態を保持し、次いで表示面側から磁石製磁気ペ
ンで表示磁界を印加することで裏面側に集合していた磁
性粒子を表面に磁気泳動させて白色分散媒体と黒色磁性
粒子とのコントラストで表示を行う方法(特開昭59−21
4700号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、磁性を用いた上記従来の表示方法には
以下のような問題点があった。
上記及びの表示方法は磁気記録シートと磁気ヘッ
ドを用いることから大画面化は困難で、適用がカードの
ような小さなものに限られる。その上、及びの表示
方法で用いている磁性粒子は比重が大きいため、沈降分
離しやすく、表示が不安定となり、また磁性粒子が茶褐
色ないし黒色を呈するため白/黒表示に限られる。
上記の表示方法は磁気記録シートや磁気ヘッドを用
いることなく、単なる磁石で構成される磁気ペンによっ
て表示を行うものであり、ここでは表示パネルとして透
明プラスチックの全面に一辺及び深さが約2mm程度のハ
ニカム状セルを形成し、このセル内に白色顔料と磁性粒
子との分散液を封入したものを用い、先ず裏面からの消
去用均一磁界によって磁性粒子全体を裏面側に吸引移動
させて表面側は白色顔料で隠蔽された状態を形成し、次
いで表示面側から磁石製磁気ペンで表示又は記録用磁界
を印加することで、裏面側から磁性粒子を泳動させて表
示するもので、比較的大画面化も可能なものである。
しかしこのにおいても以下のような欠点を有してい
る。
(i)通常の磁性粒子は比重が大きいため表示パネルを
垂直にしておくとハニカム状セルの底部に沈降分離して
しまう。
(ii)磁性粒子が黒ないし黒褐色を呈しているため、黒
/白表示に限られてしまう。
(iii)ハニカム状セル内に封入されている磁性粒子の
全量が磁界によって裏面から表面側に団塊状に吸引移動
するため、表示の最小単位がセルの大きさで決定され、
それ以上の解像度が得られない。
本発明はこのような従来技術の欠点を解消し、表示の
大画面化が可能で、上記のような沈降分離による表示の
不安定さがなく、しかもカラー表示も可能にした。磁性
を用いた表示方法及び表示装置を提供することを目的と
する。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明によれば、少なくと
も表示面が透明な2枚のシート状支持体の間に表示用セ
ルを形成し、このセル内に磁性流体を内包したマイクロ
カプセルの分散液を封入し、磁界印加によりマイクロカ
プセルを磁気泳動させることにより、マイクロカプセル
と分散液とのコントラストでもって表示を行うことを特
徴とする表示方法が提供される。
また、本発明によれば、少なくとも表示面が透明な2
枚のシート状支持体の間に形成した表示用セル内に封入
した磁性流体を内包するマイクロカプセルを、裏面に配
置した消去用磁石によって裏面側に吸引移動した後、表
面側から記録用磁石を作用させることによって画像様に
吸引移動させることにより表示を行うことを特徴とする
表示方法が提供される。
また、本発明によれば、記録用磁界を印加する記録手
段と、少なくとも表示面が透明な2枚のシート状支持体
の間に形成した表示用セル内に磁性液体を内包するマイ
クロカプセルの分散液を封入してなる表示パネルと、こ
の表示パネルに裏面から消去用磁界を印加する消去手段
を有することを特徴とする表示装置が提供される。
さらに、本発明によれば、上記において、セル内に封
入するマイクロカプセルの内包物が有色性磁性流体であ
る表示方法あるいは表示装置が提供される。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明は、電子黒板等比較的大画面に適する表示方法
及び表示装置であって、表示用セル内に封入する磁性材
料を従来の磁性粒子に代えてマイクロカプセル化した磁
性流体を用いることによって達成されるものである。
この磁性流体には、200Å以下のマグネタイト、マン
ガンフェライト、ニッケルフェライト、コバルトフェラ
イト、バリウムフェライト、ニッケル亜鉛フェライト、
マンガン亜鉛フェライト、マグネシウム亜鉛フェライト
等の強磁性体微粒子表面をオレイン酸やリノール酸等長
鎖不飽和脂肪酸で被覆、疎水化して脂肪族炭化水素、芳
香族炭化水素等に分散させた油性ベースのコロイド溶液
と、上記のように疎水化したものを更に陰イオン型ある
いは非イオン型界面活性剤で親水化処理して水に分散し
た水性ベースのコロイド状溶液がある。これらコロイド
溶液は通常の懸濁液と異なり、重力や磁場などによって
沈降や凝集など固・液分離を起こすことのない優れた分
散性を有し、液自体が均質で強い磁性体の挙動を呈する
特徴を有する。
本発明は、前記したように従来の磁気パネルに用いて
いた磁性粒子の代りに上記磁性流体を内包するマイクロ
カプセルを用いたもので、具体的には、少なくとも表示
面が透明な2枚のシート状支持体間に表示用セルを形成
し、このセル内に白色分散媒体に磁性流体を内包するマ
イクロカプセルを分散した分散液を封入して磁気表示パ
ネルを形成する。
この磁気表示パネルを用いた表示方法は、先ず裏面側
から消去用磁石で均一磁界を印加することで磁性流体内
包のマイクロカプセル全体を裏面側に吸引集合させて表
示面側は白色分散媒体で隠蔽された状態を作り、次いで
磁石製磁気ペンで表面から表示用磁界を印加して裏面側
に集合しているマイクロカプセルを表面側に磁気泳動さ
せて白色分散媒体とマイクロカプセルとのコントラスト
でもって表示を行うものである。
この表示用セル内に封入する分散液の具体例について
述べる。
(a) 先ず磁気泳動を示すマイクロカプセルは、磁性
流体が油性ベースの場合にはゼラチン・アラビアゴム水
溶液からのシンプル又はコンプレックスコアセルベーシ
ョン法等にてカプセル皮膜用樹脂水溶液中に乳化分散し
た磁性流体液滴のまわりに樹脂皮膜を形成する方法、又
水性ベースの場合にはカプセル皮膜用樹脂の有機溶液か
らの相分離法あるいは油性・水性両者に適用できる界面
重合法など周知のマイクロカプセル化法によって作成さ
れる。また、マイクロカプセルに内包する有色性磁性流
体としては、黄や赤等暖色系の場合には磁性体自身が赤
褐色を呈するマグネシウム亜鉛フェライトと黄・赤系染
料溶液とで形成されたもの、黒や青等の寒色系の場合に
はマンガン亜鉛フェライトと黒・青系染料溶液(黒の場
合は染料なしでも可)とで形成されたものを好適に用い
ることができる。
(b) また、マイクロカプセルを磁気泳動させ、表示
パネルの背景を形成する白色分散媒体としては、酸化亜
鉛や酸化チタン等の白色顔料を分散剤の存在下で、ボー
ルミル等の分散機によって水系又は脂肪族炭化水素、芳
香族炭化水素等油系溶媒に微細分散したものが用いられ
る。
(c) 表示用セル内に封入する分散液は、上記(a)
で得たマイクロカプセルと(b)で得た白色分散媒との
混合によって得られるが、(a)のマイクロカプセル内
包物が油性の場合にはカプセルスラリーは水系であるた
め(b)の分散液には水系のものを組み合わせ、また
(a)の内包物が水系の場合には(b)の分散液に油系
のものを組み合せると、カプセルスラリー液と白色分散
媒とは簡単に攪拌混合するのみで作製することができ
る。勿論(a)で得られるカプセルスラリー液をスプレ
ードライ等で乾燥してカプセル粉体として取り出す場合
には(b)としては水系・油系を問わずいずれのものも
分散して用いることができるが、カプセル皮膜の透過性
を考慮すると油性磁性流体内包カプセルは水系白色分散
媒に、逆に水性磁性流体内包カプセルは油系白色分散媒
に分散した方が安定性に優れて好ましい。
こうして得た磁性流体を内包するマイクロカプセルを
分散した表示用分散液は、表示用セル内に封入されて用
いられる。
〔実施例〕
第1図は本発明の実施例に係る表示装置の構成を示す
断面図である。図中、1は磁気表示パネルで、表示側が
透明なシート状(板状も含む)支持体11と12との間に適
当なスペーサ13を介して表示用セル(例えばハニカム)
14を形成し、このセル14内に白色分散媒体141中に磁性
流体を内包するマイクロカプセル142を分散した液を封
入して構成されている。
このマイクロカプセル142は、第2図に示すように、
内包物として粒径200Å以下の超微粒磁性粉143がコロイ
ド状に分散した磁性流体144が、カプセル皮膜145に被覆
されている。
この磁気表示パネル1を用いた表示方法は、先ず裏面
側から消去用磁石2を矢印方向Aのように移動させ消去
用磁界を印加することで表示用セル14中のマイクロカプ
セル142の全体を裏面に吸引・集合させ、次いでペン先3
1に磁石32を保持する磁気ペン3を表示面から文字・図
形情報に応じて例えば矢印Bのように移動させることで
裏面側に集合しているマイクロカプセル142を表面側に
磁気泳動させて有色性磁性流体を内包するマイクロカプ
セル142と白色分散媒体141との呈するコントラストでも
って任意のカラー表示を行うものである。
第3図は比較のために示した従来の表示装置の断面図
であり、表示側が透明なシート状支持体11及び12の間に
スペーサ13を介して表示用セル14が形成され、このセル
14内に、白色分散媒体1410中に磁性粒子1420を分散した
液1400を封入して磁気表示パネル1が構成される。ここ
で磁性粒子1420としては茶褐色ないし黒色のものが用い
られる。
この磁気表示パネル1を用いた表示法は、磁気表示パ
ネル1の裏面から消去用磁石2を矢印Aのように移動さ
せて先ず磁性粒子全体に表示用磁石32を保持する磁気ペ
ン3を矢印Bのように移動させることにより、その部分
の磁性粒子を表面側に磁気泳動させて1色のみの表示を
行うものである。
〔発明の効果〕
本発明によれば、磁気表示パネルを用いることでマー
カ等の消耗品が不要となると同時に消去粉害が解消でき
る。そして磁気泳動する磁性粒子として通常の磁性粒子
より比重の小さい磁性流体とすることで沈降・分離等の
問題が解消し、安定でしかも応答速度の速い表示が達成
できる。
また、磁気泳動粒子を磁性流体と内包したマイクロカ
プセルとすることで、通常の磁性粒子のように磁界によ
って団塊化して挙動することがなく、マイクロカプセル
粒子単位で磁気泳動するため、表示セルの大きさにかか
わらず常に高解像な表示が達成できる。
さらに、有色性磁性流体をカプセル化して用いること
で、通常表示が黒/白に限られたものを任意のカラー表
示とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に係る表示装置の構成を示す断
面図、第2図はマイクロカプセルの構造を示す断面図、
第3図は従来の表示装置の構成を示す断面図である。 1……磁気表示パネル 2……消去用磁石 3……磁気ペン 11,12……シート支持体 13……スペーサ 14……表示用セル 141……白色分散媒体 142……マイクロカプセル 143……超微粒磁性粉 144……磁性流体 145……カプセル皮膜
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G09F 9/30 - 9/46 G02F 1/167 G02F 1/19 B43L 1/00 G11B 5/62 - 5/82

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも表示面が透明な2枚のシート状
    支持体の間に表示用セルを形成し、このセル内に磁性流
    体を内包したマイクロカプセルの分散液を封入し、磁界
    印加によりマイクロカプセルを磁気泳動させることによ
    り、マイクロカプセルと分散液とのコントラストでもっ
    て表示を行うことを特徴とする表示方法。
  2. 【請求項2】少なくとも表示面が透明な2枚のシート状
    支持体の間に形成した表示用セル内に封入した磁性流体
    を内包するマイクロカプセルを、裏面に配置した消去用
    磁石によって裏面側に吸引移動した後、表面側から記録
    用磁石を作用させることによって画像様に吸引移動させ
    ることにより表示を行うことを特徴とする表示方法。
  3. 【請求項3】セル内に封入するマイクロカプセルの内包
    物が有色性磁性流体であることを特徴とする請求項
    (1)又は(2)に記載の表示方法。
  4. 【請求項4】記録用磁界を印加する記録手段と、少なく
    とも表示面が透明な2枚のシート状支持体の間に形成し
    た表示用セル内に磁性流体を内包するマイクロカプセル
    の分散液を封入してなる表示パネルと、この表示パネル
    に裏面から消去用磁界を印加する消去手段を有すること
    を特徴とする表示装置。
  5. 【請求項5】セル内に封入するマイクロカプセルの内包
    物が有色性磁性流体であることを特徴とする請求項
    (4)に記載の表示装置。
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