JP3134944B2 - ディスプレイ撮影装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えばテレビジョン受
像機の輝度を測定する場合等に用いて好適なディスプレ
イ撮影装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】コンシューマ向けのテレビジョン受像機
の垂直走査周波数は、６０Ｈｚ（ＮＴＳＣ方式）または
５０Ｈｚ（ＰＡＬ方式）である。従って、これらに対応
するラスタースキャン型のビデオカメラも、その垂直走
査周波数は６０Ｈｚまたは５０Ｈｚに設定されている。

【０００３】ところでコンピュータ用のディスプレイに
おいては、その垂直走査周波数が６０Ｈｚ以上の高い領
域に設定されていることが多い。このような、コンピュ
ータ用ディスプレイに表示されている画像を、ＮＴＳＣ
方式あるいはＰＡＬ方式のビデオカメラで撮影すると、
垂直走査周波数が同期されていないため画像にちらつき
が発生し画像処理が困難になる。

【０００４】この、ちらつきについて図３を参照して説
明すると、いま、ビデオカメラの垂直走査周波数が６０
Ｈｚ、コンピュータディスプレイ用の垂直走査周波数が
８０Ｈｚとすると、それぞれの垂直走査周期は図３
（ａ）と（ｂ）に示すようになる。即ち、ビデオカメラ
による１フィールド分の画像の取り込みが完了しないう
ちに、ディスプレイには次のフィールドの画像が表示さ
れることになる。図３（ｂ）のＡ乃至Ｇの各フィールド
に対応して、図３（ｃ）に示すようなＡ乃至Ｇの画像が
ディスプレイに表示されるとすると、ビデオカメラによ
り撮像される画像は、図３（ｄ）に示すようになる。

【０００５】即ち、ビデオカメラの第１フィールド（図
３（ａ））において、ディスプレイのＡフィールドの画
像Ａが取り込まれた後、ディスプレイのＢフィールドの
画像Ｂのうち、ビデオカメラの第１フィールドの終端部
までの画像Ｂ１が画像Ａに続いてディスプレイに表示さ
れる。従ってビデオカメラの第１フィールドにおいて
は、画像Ａに続いて画像Ｂ１が撮像されることになる。

【０００６】また、ビデオカメラの第２フィールドにお
いては、画像Ｂ１の表示は既に終了しているため、Ｂフ
ィールドにおける残りの画像Ｂ２が最初に撮像される。
そして、引き続いてＣフィールドの画像Ｃのうち第２フ
ィールドの終端部までの画像Ｃ１が撮像されることにな
る。

【０００７】以下、第３フィールド乃至第５フィールド
においても、同様に画像が撮影されることになる。

【０００８】その結果、ビデオカメラの出力は図３
（ｅ）に示すように二重に露光した部分の出力が大きく
なり、この二重に露光する位置が各フィールドにおいて
周期的に順次変化して移動することになる。これが、ち
らつきとなって観察されるのである。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】従来の装置は、このよ
うにディスプレイに表示されている画像をビデオカメラ
で撮影する場合、ディスプレイとビデオカメラの垂直走
査周波数を同期させていないため、ディスプレイの測定
に支障をきたす恐れがあった。

【００１０】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たものであり、ディスプレイとビデオカメラの垂直走査
周波数が異なる場合においても、ディスプレイの輝度な
どを正しく測定することが出来るようにするものであ
る。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明のディスプレイ撮
影装置は、所定の水平および垂直走査周期で画像を表示
するディスプレイと、水平および垂直走査周期のうち、
少なくとも垂直走査周期が、ディスプレイの垂直走査周
期とは異なる周期で、ビデオカメラの垂直走査周期のう
ちの、ディスプレイに表示されている画像を撮像するビ
デオカメラと、ディスプレイとビデオカメラの垂直走査
周期の差の期間に、ディスプレイにおける画像の表示を
禁止するか、または、ビデオカメラによる撮像を禁止す
るコントローラとを備えることを特徴とする。

【００１２】

【作用】上記構成のディスプレイ撮影装置においては、
ビデオカメラの垂直走査周期のうちの、ディスプレイと
ビデオカメラの垂直走査周期の差の期間に、ディスプレ
イにおける画像の表示あるいはビデオカメラによる撮像
が禁止される。従ってディスプレイにおける輝度等を正
しく撮影することが出来る。

【００１３】

【実施例】図１は本発明のディスプレイ撮影装置の一実
施例の構成を示すブロック図である。本実施例のディス
プレイ撮影装置は、撮影される画像を表示するディスプ
レイ１、このディスプレイ１に表示される画像を撮影す
るビデオカメラ２、ビデオカメラ２により撮影された映
像を処理する測定装置３、および、このディスプレイ１
とビデオカメラ２を制御するコントローラ４とにより構
成されている。

【００１４】ディスプレイ１は映像信号発生回路１２よ
り出力される映像信号を、ＣＲＴ１３に出力表示するよ
うになっている。映像信号発生回路１２は、外部同期信
号入力端子１１より入力される同期信号に対応して、映
像信号を発生できるようになっている。

【００１５】ビデオカメラ２は、外部同期信号入力端子
２１より入力される同期信号に同期して、ディスプレイ
１に表示されている画像を撮影し、その出力を測定装置
３に出力するようになっている。

【００１６】測定装置３は、ビデオカメラ２より入力さ
れた映像データを記憶するメモリ３１と、メモリ３１に
記憶されたデータを演算処理する演算装置３２とにより
構成されている。

【００１７】一方、コントローラ４はビデオカメラ２に
供給する同期信号を発生する同期発生回路４０と、同期
発生回路４０が出力する水平同期信号をカウントするア
ドレスカウンタ４１と、アドレスカウンタ４１より入力
されるアドレスに対応するデータを出力するメモリ（Ｒ
ＡＭ）４２と、アドレスカウンタ４１に所定のカウント
値を設定するとともに、メモリ４２に所定のデータを記
憶させるＣＰＵ４３と、ディスプレイ１に供給する複合
同期信号（コンポジットブランキング信号）を発生する
同期発生回路４５と、メモリ４２および同期発生回路４
５より入力される信号を、ディスプレイ１の外部同期信
号入力端子１１に供給するノアゲート４４とにより構成
されている。

【００１８】次に図２のタイミングチャートを参照して
その動作を説明する。同期発生回路４５より出力された
水平および垂直ブランキングパルスは、ノアゲート４４
を介してディスプレイ１の映像信号発生回路１２に入力
される。映像信号発生回路１２は、この水平および垂直
ブランキングパルスに同期して所定の映像信号を発生し
ＣＲＴ１３に出力する。これによりＣＲＴ１３に所定の
画像が表示されることになる。

【００１９】一方、同期発生回路４０が出力する水平お
よび垂直同期信号がビデオカメラ２に供給され、ビデオ
カメラ２はこの同期信号に同期してＣＲＴ１３に表示さ
れている画像を撮影する。ビデオカメラ２により撮影さ
れた画像は、測定装置３に供給され、そのメモリ３１に
記憶される。演算装置３２はメモリ３１に記憶されたデ
ータを処理し、ＣＲＴ１３の特性を測定する。

【００２０】一方ＣＰＵ４３は同期発生回路４０がビデ
オカメラ２に供給する垂直走査周波数と、同期発生回路
４５がディスプレイ１に供給する垂直走査周波数の差に
対応するデータをメモリ４２に記憶させている。即ち、
メモリ４２には図２（ｃ）に示すように、ビデオカメラ
２の垂直走査周期（図２（ａ））と、ディスプレイ１の
垂直走査周期（図２（ｂ））とが、同時に開始されたと
してディスプレイ１の垂直走査周期が継続している期
間、論理Ｈ、ディスプレイ１の垂直走査周期が終了した
後、ビデオカメラ２の垂直走査周期が終了するまでの期
間、論理Ｌとなるデータが記憶されている。

【００２１】アドレスカウンタ４１は同期発生回路４０
より入力される水平同期信号をカウントし、そのカウン
ト値に対応するアドレスをメモリ４２に出力する。そし
て、このアドレスカウンタ４１のカウント値は同期発生
回路４０より、垂直同期信号が入力される度にリセット
される。その結果メモリ４２は図２（ｃ）に示すよう
に、ディスプレイ１の垂直走査周期の期間、論理Ｈ、デ
ィスプレイ１とビデオカメラ２の垂直走査周期の差に対
応する期間、論理Ｌとなる信号を、ノアゲート４４に出
力する。

【００２２】ノアゲート４４の出力は、ディスプレイ１
の外部同期信号入力端子１１を介して映像信号発生回路
１２にブランキング信号として入力される。従って映像
信号発生回路１２は、メモリ４２から論理Ｌの信号が入
力されているときＣＲＴ１３に画像を表示しないように
する。その結果ＣＲＴ１３に表示される画像は、図２
（ｄ）に示すようになる。

【００２３】即ち、例えば図２（ｂ）に示すＡフィール
ド乃至Ｇフィールドのうち、例えばＡフィールドにおい
ては、その間にメモリ４２から二重露光を禁止する信号
（図２（ｃ））が発生されない。従ってＡフィールドに
対応する画像ＡはＣＲＴ１３にそのまま表示される。

【００２４】それに対してＢフィールドにおいては、そ
の初めの区間に二重露光禁止信号（図２（ｃ））が発生
されるので、Ｂフィールドにおける画像Ｂのうち、この
二重露光禁止信号の区間に対応する画像Ｂ１がＣＲＴ１
３には表示されない。そして、残りの区間における画像
Ｂ２がＣＲＴ１３に表示される。

【００２５】以下同様にして図２（ｃ）において、論理
Ｌで示す期間の画像はＣＲＴ１３には表示されないこと
になる（図２（ｄ））。

【００２６】その結果、ビデオカメラ２が実際に撮像す
る画像は図２（ｅ）に示すようになる。例えば第１フィ
ールドにおいては、画像Ａがそのまま撮像される。しか
しながら画像Ｂ１はＣＲＴ１３に表示されていないので
撮像されない。次に第２フィールドにおいてはＢフィー
ルドにおける画像Ｂ２が最初に撮像され、続いてＣフィ
ールドにおける画像のうち、二重露光禁止信号が発生す
るまでの期間における画像Ｃ１が撮像されることにな
る。

【００２７】以下同様にしてビデオカメラ２により実際
に撮像される画像の範囲は、実質的にディスプレイ１に
おける１フィールドの期間の画像のみとなる。従って、
ビデオカメラ２の出力は図２（ｆ）に示すように、第１
フィールド乃至第５フィールドの各フィールドにおいて
一定となる。その結果、測定装置３における例えば輝度
の測定が誤って行なわれるようなことが防止される。

【００２８】尚、以上においては二重露光禁止信号によ
りディスプレイ１を制御するようにしたが、ビデオカメ
ラ２を制御するようにすることもできる。

【００２９】

【発明の効果】以上の如く本発明のディスプレイ撮影装
置によれば、ビデオカメラの垂直走査周期のうちの、デ
ィスプレイとビデオカメラの垂直走査周期の差の期間
に、ディスプレイにおける画像の表示を禁止するか、あ
るいはビデオカメラによる撮像を禁止するようにしたの
で、ビデオカメラの出力を用いてディスプレイの特性を
正しく測定することが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のディスプレイ撮影装置の一実施例の構
成を示すブロック図

【図２】図１の実施例の動作を説明するタイミングチャ
ート

【図３】従来のディスプレイ撮影装置における課題を説
明するタイミングチャート

【符号の説明】

１ ディスプレイ ２ ビデオカメラ ３ 測定装置 ４ コントローラ １２ 映像信号発生回路 １３ ＣＲＴ ４０ 同期発生回路 ４１ アドレスカウンタ ４２ メモリ ４３ ＣＰＵ ４４ ノアゲート ４５ 同期発生回路

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定の水平および垂直走査周期で画像を
   表示するディスプレイと、 水平および垂直走査周期のうち、少なくとも垂直走査周
   期が、前記ディスプレイの垂直走査周期とは異なる周期
   で、前記ディスプレイに表示されている画像を撮像する
   ビデオカメラと、前記ビデオカメラの垂直走査周期のうちの、 前記ディス
   プレイとビデオカメラの垂直走査周期の差の期間に、前
   記ディスプレイにおける画像の表示を禁止するか、また
   は、前記ビデオカメラによる撮像を禁止するコントロー
   ラとを備えることを特徴とするディスプレイ撮影装置。