JP3128973U - 自動組み付けシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的簡単な方法を用いて部品の組み付け精度を向上させることができ、且つ生産性を損なわない自動組み付けシステムを提供する。
【解決手段】組み付け対象となるワーク2を載置するパレット3と、ワーク2に対応する部品を、ワーク2に対して所定の組み付け位置で組み付ける実装装置5と、パレット3を実装装置5へと搬送する搬送装置4と、ワーク2に押接させる一対の押接部18a,18bを有し、押接部18a,18bをワーク2の対向する両側からワーク2に対して押接させることで、ワーク2を組み付け位置に対して位置決めさせるワーク位置決め装置6と、ワーク位置決め装置6を制御する制御手段とを具備する。
【選択図】図1
【解決手段】組み付け対象となるワーク2を載置するパレット3と、ワーク2に対応する部品を、ワーク2に対して所定の組み付け位置で組み付ける実装装置5と、パレット3を実装装置5へと搬送する搬送装置4と、ワーク2に押接させる一対の押接部18a,18bを有し、押接部18a,18bをワーク2の対向する両側からワーク2に対して押接させることで、ワーク2を組み付け位置に対して位置決めさせるワーク位置決め装置6と、ワーク位置決め装置6を制御する制御手段とを具備する。
【選択図】図1
Description
本考案は、自動組み付けシステムに関するものであり、特に、ワークを搬送する搬送装置を有する自動組み付けシステムに関するものである。
機械部品や電子部品を自動で組み付ける自動組み付けシステムとして、以下のものが知られている。まず、ワークを固定する冶具(パレット)を用意する。例えば、支持台上にワークを受ける受部が形成されたパレットを用意し、この受部にワークをはめ込んで固定する。次に、パレットを、ベルトコンベアのような搬送装置に載せ、所定の組立て位置まで移動させる。パレットが組立て位置で停止すると、ロボットアームなどによってワークに組み込まれるべき部品が運び込まれ、ワークに対して自動で組み付け作業が行われる。部品が組みつけられたワークはそのまま次工程へと送り込まれ、前述の組立て位置には、次のワークが運び込まれる。このようにして、複数のワークを次々と搬送ライン上に流し、部品の組立を自動化するシステムがある。
ここで、部品の組立て位置に関する誤差の精度(以下、単に「組立精度」という)は、ワークをパレットに固定させる際のワークの位置精度、パレットを搬送装置上に載せて位置決めさせる際のパレットの位置精度、及びパレットが組立て位置で停止した際の停止位置精度など、各種の精度がすべて所定範囲内であることが要求されている。これらの精度がひとつでも狂うと、部品が所望の位置に組み立てられず、不良品となる場合がある。
以上の従来技術は、当業者において当然として行われているものであり、出願人は、この従来技術が記載された文献を知見していない。
上述のシステムにおいて、部品の組み付け精度を確保するためには、夫々の位置精度に関して工夫が必要であった。例えば、パレット上のワークの位置精度を確保するためには、ワークを固定する冶具の形状やワークの取付け方法に配慮が必要であるし、搬送装置上のパレットの位置精度を確保するためには、パレットを固定する方法や、パレットの搬送速度、搬送方法(振動の無いモーターを選ぶ等)を調整する必要が生じていた。
しかも、これらの精度は互いに影響しあっているから、部品の組み付け精度が劣化して不良品率が上がった場合に、原因を切り分けて特定することが難しく、極めて手間であった。また、ワークの搬送速度を上げると、ワークが振動したり傾斜したりして位置精度が劣化しやすかったが、かといって、ワークを強固に固定して位置がずれないように配慮すると、その固定に手間がかかる上に、固定を解いて別の搬送ラインに移動させるのも大変になり、生産性の向上を阻害する要因となっていた。
そこで、本考案は、上述の問題に鑑み、比較的簡単な方法を用いて部品の組み付け精度を向上させることができ、且つ生産性を損なわない自動組み付けシステムの提供を課題とする。
本考案に係る自動組み付けシステムは、「組み付け対象となるワークを載置するパレットと、前記ワークに対応する部品を、前記ワークに対して所定の組み付け位置で組み付ける組み付け装置と、前記パレットを前記組み付け装置へと搬送する搬送装置と、前記ワークに押接させる一対の押接部を有し、前記ワークを前記組み付け位置に対して位置決めさせるワーク位置決め装置と、前記押接部を前記ワークの対向する両側から前記ワークに対して押接させるよう前記ワーク位置決め装置を制御する制御手段とを具備する」ものである。
ここで、「ワーク」とは、組み付け対象となる部品を示し、パレットに載せられた状態で搬送装置によって搬送されるものを示す。後述する「対応する部品」が組みつけられるものであれば、その機能や構成、大きさなどは特に限定されず、「対応する部品」より大きくても良く、小さくても構わない。
また、「パレット」とは、ワークを載置する受け皿となる部材であって、複数のワークを積層させたり、または別の搬送ラインへと移動させるためなどに便宜上用いられる部材である。材質としては特に限定されるものではなく、搬送方法や保管方法、またはコストなどを考慮して任意に設定される。例えば金属、樹脂、木材、またはこれらを組み合わせたものなどが例示できる。
さらに、「パレット」の構成としては、板状の部材にワークを係止する係止部を取り付けたもの、ワークの外形に対応した型枠が成型されたもの、適宜の固定金具や固定手段(電磁石を用いたり、接着剤を用いる等)を備えて構成されたもの、などが挙げられる。但し、後述する「ワーク位置決め装置」によって位置決めさせるに際して、その位置決め作業を阻害しないものでなければならない。例えば、ワークの外形と略一致するような型枠が備えられたパレットでは、ワークがパレットに対して強固に位置決めされてしまう。従って、その後ワーク位置決め装置によってワークの位置調整をすることができず、組み付け位置に対して位置決めさせることが困難となる。つまり、このような型枠を備えたパレットを用いる場合は、ワークの外形よりも大きめのはめ込み部を有する型枠を用い、ワークの前後左右方向(ワークの搬送方向を前後方向とする)の移動をある程度許容させる必要がある。同様にして、ワークを係止する係止部を有するパレットを用いる場合であっても、当該係止部は、ワークの移動を許容する程度に緩やかに係止するものを示す。
また、「搬送装置」とは、パレットに載置されたワークを所定の位置へと搬送できるものであれば良く、その構成は特に限定されない。例えば、ベルトコンベアやターンテーブル、台車、等が例示できるが、本発明は自動組み付けシステムに関するものであるから、人力などによって搬送するものは含まず、電子的または機械的に制御された搬送装置を示す。
また、「対応する部品」とは、組み付け対象となるワークに組み付ける電子部品や小型の機械部品などを示す。さらに、「組み付ける」とは、目標の機械装置や電子装置を作成するために、ワークに部品を自動的に組み込んでいく作業全般を示す。例えば、ワークに形成された被係合部に部品を係合させたり、溶接によりワークに対して部品を接合させたり、またはこれらの作業を複合的に行うものなどが挙げられる。
さらに、「押接部を前記ワークの対向する両側から前記ワークに対して押接させる」構成とは、約180度対向する両側から押接部を押し付け、ワークを挟み込むことで組み付け位置に対して位置決めする構成を示し、片腕のロボットハンドでワークを把持するような構成は含まれない。
また、「押接部」の形状としては、ワークを押接可能な形状であれば特に限定されないが、ワークの外形の一部に嵌合する形状であれば、より好適である。例えば、略直方体のワークに対して、このワークの左右端部側に略一致するような凹形状をした押接部とすると、押接部の凹形状に案内されてワークの前後左右方向の位置が決まるため、押接部を押接させる力をあまり強くしなくても、ワークの位置が動きにくくてより効果的である。
従って、本考案の自動組み付け装置によれば、ワーク位置決め装置が備えられているから、一対の押接部を両側からワークに対して押接させることで、比較的簡単にワークを位置決めさせることができる。これにより、ワークを固定する冶具の形状やワークの取付け方法、または(及び)搬送装置上のパレットの位置精度に狂いが生じてもワークが組み付け位置に位置決めされるので、部品の組み付け精度(ワークに対して部品を取り付ける位置の誤差の精度)を簡易且つ確実に向上させることができる。
また、ワーク位置決め装置によってワークを位置決めさせることにより、ワークを固定する冶具の形状やワークの取付け方法、または搬送装置上のパレットの位置精度をラフに設定できるので、これらの位置決め作業に要する手間が削減され、ラインの生産性を向上させることが容易となる。さらに、ワーク位置決め装置は、押接部によってワークを両側から押接して固定する構成である。従って、組み付け作業終了後は、押接状態を解除するのみで位置決め状態を解除することができ、すばやく別の搬送ラインに移動させることができる。これにより、従来の面倒な位置決め作業(例えば、ワークの外形に略一致する型枠が備えられた高精度なパレットを用い、これにワークをはめ込むことでワークを位置決めする従来の自動組み付けシステムを用いた場合等)に比べて、ワークの位置決め解除に係る作業が簡単であり、ラインの生産性をさらに向上させることが可能である。
さらに、本考案の自動組み付けシステムによれば、ワーク位置決め装置が備えられていることにより、パレット上のワークの位置精度をラフに設定できる。つまり、高精度なパレットを用いる必要が無くなるから、パレットの外形寸法精度(パレットの外形寸法のばらつき範囲)を粗くすることができ、パレット作成に要するコストを大幅に削減できる。また、パレット上の正確な位置にワークを取り付ける必要が無くなることから、外形の近い数種類のワークに対して共通化されたパレットを用いることも可能となる。すなわち、従来では、パレット上の正確な位置にワークを取り付ける必要があったから、専用品のパレットの作成が必須であった。しかし、本考案によれば、共通化された汎用品のパレットを用いることが可能となり、より効率的で経済的な自動組み付けシステムを提供することができる。
ところで、上記の自動組み付けシステムでは、ワークを直接押接することで組み付け位置に対して位置決めさせるので、ワークを固定する冶具の形状やワークの取付け方法、パレットを搬送装置に対して固定する方法、パレットの搬送速度や搬送方法には制限されることなくワークの位置精度を向上させることができる。しかし、ワークの外形寸法が大きくばらついた場合には、問題が生じる虞があった。
例えば、ワークの外形が凹凸のあるものであり、部品を組み付ける組み付け部位が突起しているような形状だった場合は、ワークの最外形から当該組み付け部位までの相対的な位置が、複数のワーク間でばらつく場合があった。つまり、ワークの最外形寸法がばらつくことによって、ワークの最外形を基準とした場合の組み付け部位の相対位置が変化してしまうため、仮に押接部をワークの最外形に押接させたとすると、部品を組み付ける位置がばらついてしまう虞があった。
そこで、本考案において、「前記ワークの外形は、前記部品を組み付ける組み付け部位が突起した形状であり、前記制御手段は、前記組み付け部位に前記押接部を押接させることで前記ワークを位置決めさせる」ものとすることができる。
従って、本考案の自動組み付けシステムによれば、ワーク位置決め装置は、突起している組み付け部位に押接部を押接させて位置決めをさせるものである。従って、仮にワークの最外形寸法がばらついたとしても、その影響を受けることなく、組み付け位置に対して組み付け部位を位置決めさせることができる。これにより、より高精度で効率的な自動組み付けシステムを提供することができる。
以上のように、本考案の自動組み付けシステムによれば、ワーク位置決め装置が備えられているから、ワークを固定する冶具(パレット)の形状やその取り付け位置がばらついても、高精度にワークを位置決めすることができる。また、パレットの形状を簡略化することができるので、より経済的で効率的な自動組み付けシステムが実現できる。
以下、本考案の実施形態である自動組み付けシステム1について、図1及び図2に基づき説明をする。図1は本実施形態の自動組み付けシステム1を示す平面図であり、図2は図1のA−A断面を模式的に表した断面図であり、図3は自動組み付けシステム1における制御装置の機能的構成を示すブロック図である。
図1及び図2に示すように、本考案の自動組み付けシステム1は、組み付け対象となるワーク2と、ワーク2を載置するパレット3と、パレット3及びワーク2を搬送する搬送装置4と、ワーク2に所定の部品を組み付ける実装装置5と、ワーク2を実装装置5に対して位置決めさせるワーク位置決め装置6とを有して構成されている。
ワーク2は、自動車に用いられる電装パーツの一種であり、部品を組み付ける組み付け部位7が突起した形状である。より具体的には図2に示すように、パレット3に当接する下部側に中空部8が具備されており、この中空部8にパレット3の冶具9(後述する)が嵌合されると、パレット3上に軽く位置決めされる。
パレット3は、ワーク2を載置して所定方向に搬送する受皿となる部材であり、図2に示すように、板状のプレート10と、プレート10上にボルト11で固定された冶具9とを有して構成されている。冶具9は、ワーク2の中空部8と略等しい外形をした樹脂パーツであり、中空部8のよりも一回り小さいサイズで形成されている。つまり、中空部8と冶具9との間には、嵌合させた状態で、ある程度の隙間が生じるよう構成されている。これにより、ワーク2は、平面視にて前後左右方向の移動がある程度許容された状態で搬送装置4(図1参照)上を搬送される。なお、冶具9は、ボルト11によりプレート10上に固定されているから、ボルト11を操作することによりプレート10上から取り外して他の冶具と交換することができる。
搬送装置4は、パレット3上に載置されたワーク2を直線状に搬送する搬送装置である。より具体的には図1に示すように、パレット3を直線上にガイドするガイド部材12と、図略の駆動源によって駆動され矢印Pの方向に進行する無端ベルト13とを有している。無端ベルト13には幅方向に帯状の突起が複数設けられており、この突起がパレット3を係止している(図示しない)。従って、パレット3は無端ベルト13の進行に従動してガイド部材12上を矢印Pの方向に摺動し、搬送される。そして、近接センサ50(図3参照:後述する)によって、ワーク2が実装装置5に近接する組み付け位置へと到着したことが検出されると、搬送装置4は、前述の駆動源を停止させてワーク2の搬送を停止させる。その後、実装装置5によってワーク2に部品が実装されると、駆動源によるワーク2の搬送を再開させ、次のワーク2が組み付け位置に到着するまで搬送を続行する。
実装装置5は、ワーク2に対して対応する部品を実装させる装置であり、本実施形態では、自動制御によるマニピュレーション機能を有した産業用機械(所謂“ロボットアーム”)により構成されている。実装装置5は、搭載されたプログラムに基づいて、ワーク2の所定位置に部品をはめ込んだり溶接させたり、またはこれらの作業を複合的に行うなど、様々な実装作業が可能である。ここで、実装装置5が、本考案の「組み付け装置」に該当する。
ワーク位置決め装置6は、ワーク2を両側から押接することで固定し、実装装置5に対して位置決めさせるものである。より詳細には、ガイドレール14と、ガイドレール14上を摺動する一対の被ガイド部材15a,15bとを具備するリニアガイドによって構成されている。
被ガイド部材15a,15bは、シリンダ16a,16bによって矢印Pと同方向(またはこれに対向する方向)に摺動駆動される。被ガイド部材15a,15bには、夫々支持プレート17a,17bが連結されており、支持プレート17a,17bには、ワーク2に対して押接させる押接部18a,18bが具備されている。押接部18a,18bは、ワーク2の組み付け部位7の外形の一部(外形G1)に当接する嵌合部19a,19bを有している。
被ガイド部材15a,15bには、さらに、ストッパ機能と調整機能とを兼ね備えた調整機構20a,20bが具備されている。調整機構20a,20bは、押接部8が組み付け部位7に当接する位置を調整するものであり、矢印Pと同方向(またはこれに対向する方向)を軸方向とするボルトを被ガイド部材15a,15bに取り付けることで構成されている。
例えば、被ガイド部材15aは、シリンダ16aによって矢印Pの方向に押しやられ、ガイド部材14上を摺動する。そして、調整機構20aがストッパ21aに当接してその摺動が停止し、被ガイド部材15aの停止位置が決まる。この時、シリンダ16aの伸縮量及び調整機構20aの突出量は、押接部18aが組み付け部位7の外形G1に当接する位置で停止するように調整されている。すなわち、調整機構20aのねじ込み量を変えることによって、被ガイド部材15aから突設する突設量を調整し、被ガイド部材15aの停止位置を微調整することができる。これにより、押接部18aの停止位置を細かく設定することができる。同様にして、被ガイド部材15bの停止位置を調整機構20bで調整し、押接部18bの停止位置を設定する。ワーク2は、取り付け部位7を押接部18a,18bによって両側から挟み込まれるように押接されることで位置決めされる。つまり、シリンダ16a,16bの伸縮量及び調節機構20a,20bを調整することによって押接部18a,18bの停止位置を任意に設定することができるので、これにより、組み付け部位7を押接してワーク2を固定させる位置を位置決めすることができる。
また、図3に示すように、本例の部品供給システム1には、ワーク位置決め装置6を動作させるための制御手段100が設けられている。なお、図示しないが、制御手段100は、中央演算装置としてのCPU、読み出し専用メモリとしてのROM、読み書き可能メモリとしてのRAMを備えている。制御手段100の入力ポートには、ワーク2が組み付け位置へと近接したことを検出する近接センサ50、及び、ワーク2と押接部18a,18bとが接触していることを検出する接触センサ51が接続されている。また、制御手段100の出力ポートには、制御手段100のROMに記憶されたプログラム及び近接センサ50等からの信号に基づいてワーク位置決め装置6のシリンダ16a,16bを制御するシリンダ駆動手段101と、制御手段100のROMに記憶されたプログラム及び接触センサ51等からの信号に基づいて実装装置5を制御する実装制御手段102とが接続されている。
続いて、本実施形態における自動組み付けシステム1の作用について図1乃至図3に基づき説明する。まず、搬送装置4によって、パレット3上に載置されたワーク2が矢印Pの方向に搬送される。この状態では、ワーク2は、冶具9に対して中空部8を嵌合させた状態でパレット3上に載置されている。冶具9は、中空部8のよりも一回り小さいサイズで形成されているから、ワーク2は、平面視にて前後左右方向の移動がある程度許容された状態でパレット3に載置され、搬送装置4上を搬送される。
実装装置5に近接した組み付け位置にワーク2が到着すると、近接センサ50によってワーク2の近接が検出される。すると、搬送装置4の駆動が停止し、制御手段100によってシリンダ16a,16bが駆動制御される。
シリンダ16a,16bが駆動することによって、被ガイド部材15aが矢印Pと同方向に摺動されると同時に、被ガイド部材15bが矢印Pに対向する方向に摺動される。これにより、プレート17a,17bに接続された押接部18a,18bが互いに近接し、嵌合部19a,19bが両側から挟み込むようにして組み付け部位7を押接する。嵌合部19a,19bは、間口が広く奥側が狭まった略台形の形をしており、その対向する両側壁が組み付け部位7に対して夫々当接する。従って、ワーク2は、押接部18a,18bが可動する前後方向(矢印Pの方向を前方向とする)だけではなく、これに直交する左右方向に対してもその動きが規制され、実装装置5に対して位置決めされる。
次に、接触センサ51によって、ワーク2と押接部18a,18bとが接触していることが検出されると、当該検出信号に基づいて、実装装置5が組み付け部位7に部品を実装する。この状態では、組み付け部位7が押接部18a,18bによって押接され、位置決めされているので、おおよそ数μ単位の誤差の範囲で部品をワーク2に対して実装することができる。
実装装置5によって部品がワーク2に実装されると、制御手段100によってシリンダ16a,16bが駆動制御される。より詳細には、シリンダ16aが矢印Pに対向する方向に被ガイド部材15aを摺動させ、シリンダ16bが矢印Pと同方向に被ガイド部材15bを摺動させる。これにより、押接部18a,18bが組み付け部位7より離間し、位置決め状態が解除される。位置決め状態が解除されたワーク2は、搬送装置4によって再び矢印Pの方向に搬送され、次工程へと送られる。次工程については説明を省略する。
このように、本例の自動組み付けシステム1によれば、ワーク位置決め装置6によってワーク2を押接し、位置決めさせる構成だから、パレット3の寸法精度や取り付け位置、またはパレット3上におけるワーク2の取り付け位置などに大きく左右されること無くワーク2を位置決めすることができる。これにより、ワーク2に対する部品の組み付け精度を簡単に向上させることができる。
また、本例の自動組み付けシステム1によれば、比較的簡単な構成の冶具9を有するパレット3を用いることが可能だから、例えば中空部8と略一致するような冶具を用いたり、またはワーク2の外形に略一致する嵌合部を有する従来の高精度なパレットを用いる場合に比べて、経済的である。さらに、冶具9は、中空部8のよりも一回り小さいサイズで形成されているから、冶具9と中空部8とが密着する場合に比べて、パレット3にワーク2を搭載する作業が極めて簡単である。これにより、自動組み付けシステム1を用いたラインの生産性を飛躍的に向上させることができる。
また、冶具9と中空部8とが密着していないことに加え、押接部18a,18bを組み付け部位7より離間させるだけで位置決め状態を解除できることから、次工程にワーク2を受け渡す作業も迅速且つ簡便であり、ラインの生産性をさらに向上させることができる。
また、本例によれば、押接部18a,18bは組み付け部位7に当接する構成だから、組み付け部位7より遠い外周(例えば、図1における外形G2)に当接する場合に比べて、より正確にワーク2を実装装置5に対して位置決めさせることができる。つまり、押接部18a,18bを外形G2に当接させると、ワーク2の寸法精度のばらつきの影響によって外形G1から外形G2までの長さが変化し、押接部18a,18bと組み付け部位7との相対位置がばらつく虞がある。しかし、本例によれば、押接部18a,18bを直接組み付け部位7に接触させる構成だから、部品を組み付ける部位により近い位置でワーク2を位置決めさせることができ、部品の組み付け精度をより向上させることができる。
以上、本考案について好適な実施形態を挙げて説明したが、本考案はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本考案の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記の自動組み付けシステム1では、部品を組み付ける組み付け部位7が突起した形状のワーク2に対して、組み付け部位7を押接するワーク位置決め装置6を例示したが、この構成には限定されない。組み付け部位が突起していない形状のワークに対しては、ワークの適宜な外周面に当接するように、押接部18a,18bを押接させても構わない。
また、上記の自動組み付けシステム1では、シリンダ16a,16bを有するワーク位置決め装置6を例示したが、一対の押接部18a,18bを駆動できるものであれば、この構成に限定されない。例えば、ボールネジ機構や公知のアクチュエータを採用することができる。但し、本例のように、一対のシリンダ16a,16bを有するリニアガイドを採用することで、比較的安価で耐久性に優れるワーク位置決め装置6を実現することができる。
1 自動組み付けシステム1
2 ワーク
3 パレット
4 搬送装置
5 実装装置(組み付け装置)
6 ワーク位置決め装置
7 組み付け部位
18a,18b 押接部
G1 外形
100 制御手段
2 ワーク
3 パレット
4 搬送装置
5 実装装置(組み付け装置)
6 ワーク位置決め装置
7 組み付け部位
18a,18b 押接部
G1 外形
100 制御手段
Claims (2)
- 組み付け対象となるワークを載置するパレットと、
前記ワークに対応する部品を、前記ワークに対して所定の組み付け位置で組み付ける組み付け装置と、
前記パレットを前記組み付け装置へと搬送する搬送装置と、
前記ワークに押接させる一対の押接部を有し、前記ワークを前記組み付け位置に対して位置決めさせるワーク位置決め装置と、
前記押接部を前記ワークの対向する両側から前記ワークに対して押接させるよう前記ワーク位置決め装置を制御する制御手段と
を具備することを特徴とする自動組み付けシステム。 - 前記ワークの外形は、前記部品を組み付ける組み付け部位が突起した形状であり、
前記制御手段は、前記組み付け部位に前記押接部を押接させることで前記ワークを位置決めさせる
ことを特徴とする請求項1に記載の自動組み付けシステム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006009276U JP3128973U (ja) | 2006-11-14 | 2006-11-14 | 自動組み付けシステム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006009276U JP3128973U (ja) | 2006-11-14 | 2006-11-14 | 自動組み付けシステム |
Publications (1)
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JP3128973U true JP3128973U (ja) | 2007-02-01 |
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