JP3127705B2 - 酸化物超電導体を用いた電流リード - Google Patents
酸化物超電導体を用いた電流リードInfo
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- JP3127705B2 JP3127705B2 JP06041661A JP4166194A JP3127705B2 JP 3127705 B2 JP3127705 B2 JP 3127705B2 JP 06041661 A JP06041661 A JP 06041661A JP 4166194 A JP4166194 A JP 4166194A JP 3127705 B2 JP3127705 B2 JP 3127705B2
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Description
された超電導コイルに外部電源からの直流励磁電流を供
給する電流リード、ことに低温側に酸化物超電導体を用
いた電流リードに関する。
リウム等の極低温冷媒により冷却されて超電導状態を保
持するので、液体窒素を用いた輻射シールドや多層断熱
層を有する真空断熱容器に液体ヘリウムに浸漬した状態
で収納される。また、電流リードは液体ヘリウムが気化
した低温のヘリウムガスにより冷却され、常温側からの
侵入熱および電流リードで発生するジュール熱が極低温
部に侵入するのを阻止するよう構成される。従来電流リ
ードには導体として銅または銅合金等の良導電体を用い
ていたが、良導電体は電気的良導体であると同時に良熱
伝導体でもあるため極低温部への侵入熱が増し、高価な
液体ヘリウムの気化損失が大きくなる。そこで、電流リ
ードの低温側に高温超電導体である酸化物超電導体(液
体窒素温度でも超電導状態となってジュ−ル発熱を零に
できる)を用い、ジュール発熱を零にすると同時にその
低熱伝導性(銅の1/100以下)を利用して極低温部
への侵入熱を大幅に低減した電流リードが知られてい
る。
構造を模式化して示す側面図、図9は図8の要部の内部
構造を示す拡大断面図である。図において、超電導コイ
ル10は図示しない真空断熱容器内に液体ヘリウムHe
に浸漬した状態で収納され、例えば湾曲した板状の常電
導接続導体10Aにより電流リード1の低温端子9Aに
導電接続される。電流リード1は上部に常温端子2Aを
有する高温側リード2と低温端子9Aを有する低温側リ
ード5の直列接続体として構成され、低温のヘリウムガ
スGHe がリード内を通って常温端子2A側に抜けるこ
とにより冷却される。高温側リード2は図9にその一部
を示すように、筒状容器4の内部に下端部が中間接続金
具6に形成された凹溝6A内ではんだ等を用いて導電結
合された導体3を収納したものからなり、銅または銅合
金などの良導電性金属線材の束で構成される導体3が、
中間接続金具6を貫通する流通孔6Cを通って筒状容器
4内に流入する低温のヘリウムガスGHe により冷却さ
れ、常温端子2A側からの進入熱および導体3に電流が
流れることにより発生するジュ−ル熱の排熱が行われ
る。
または絶縁材からなる筒状容器7の内部に、例えばイッ
トリウム系,ビスマス系などからなる棒状の酸化物超電
導体8を、その上端部を中間接続金具6に形成された凹
溝6B内で導電結合し,下端部を低温端子金具9に同様
に導電結合した状態で収納したものからなり、低温端子
金具の流通孔9Cから筒状容器7内に流入し流通孔6C
から高温側リード2側に抜ける低温のヘリウムガスGH
e により、酸化物超電導体8の温度を液体窒素温度(約
77K)以下に冷却することにより、酸化物超電導体8
は超電導状態となってジュ−ル熱が零となり、かつ酸化
物超電導体の低熱伝導性を利用して低温端子9A側への
侵入熱が少なく液体ヘリウムの消費量が少ない超電導磁
石装置の電流リード1が得られる。
間接続金具6の凹溝6Bに棒状の酸化物超電導体8の端
部を挿入した状態ではんだ等による導電結合を行い、次
いで棒状の酸化物超電導体8の他方端に低温端子金具9
の凹溝を嵌め込んで半田等による導電結合を行い、しか
る後筒状容器7を低温端子金具側から挿入してその両端
を中間接続金具6および低温端子金具9の外周面に固定
する手順で行われ、棒状の酸化物超電導体8の両端を一
対の金具を介して筒状容器7に固定することにより、外
力に耐える剛性の高い低温側リード5を有する電流リー
ド1が形成される。
いた従来の電流リードを使用した超電導装置では、その
熱損失の大部分が電流リード側にあり、多量に発生する
低温のヘリウムガスを利用して電流リードの冷却が行わ
れていた。ところが、電流リードの低温側に酸化物超電
導体を用いることによって液体ヘリウムの消費量が減
り、これに伴って電流リードの冷却に利用できる低温の
ヘリウムガスの発生量が大幅に減少する傾向にある。し
かしながら、酸化物超電導体を用いた従来の電流リード
1において、常温端子2A側から高温側リード2に流入
する侵入熱、および高温側リード側の良導電性金属導体
3に発生するジュ−ル熱は、良導電性金属導体を用いた
従来の電流リードのそれと大差がないため、電流リード
の冷却に利用できる低温のヘリウムガス流量の減少に伴
って中間接続金具6の温度が上昇する傾向にある。ま
た、銅,銅合金などの良導電性金属を用いた中間接続金
具6でのジュ−ル発熱,あるい凹溝6B内の導電結合部
でのジュ−ル発熱によって中間接続金具6の温度がさら
に上昇し、中間接続金具の温度を液体窒素温度以下に保
持することが困難になり、凹溝6B内における酸化物超
電導体8の温度が80Kを越えることもあり、酸化物超
電導体を超電導状態に安定して維持することが困難にな
るという問題が発生する。ことに、酸化物超電導体の許
容電流密度には温度依存性があり、例えば60Kにおけ
る許容電流密度を1とした場合、77Kでは許容電流密
度が約1/2に低下する。このため、中間接続金具6の
温度が上昇することによって電流リードに流せる電流値
が制約されるという問題も発生する。
8により高温側リード2からの侵入熱が遮断されるもの
の、銅または銅合金で形成される低温端子金具9および
これに導電接続された常電導接続導体10Aに電流が流
れることによってジュ−ル熱が発生するとともに、両者
の接続部の接触抵抗による発熱があり、これが原因で温
度上昇を招くばかりか、電流リードに流せる電流値が制
約されるという問題も発生する。
温端子金具の温度上昇を抑制することにより、酸化物超
電導体を超電導状態に安定して保持し、その許容電流密
度を向上することにある。
に、この発明によれば、真空断熱容器に収納されて極低
温に保持された超電導コイルに外部電源からの励磁電流
を通流する電流リードが、良導電性金属からなる高温側
リードと、棒状の酸化物超電導体からなる低温側リード
との直列接続体からなり、中間接続金具の両面に形成さ
れた凹溝内で前記良導電性金属導体および棒状の酸化物
超電導体それぞれの一方端が中間接続金具に導電結合さ
れ、中間接続金具に形成された流通孔を高温側リード側
に向けて流通する冷媒ガスによって冷却されるものにお
いて、前記酸化物超電導体が導電結合された凹溝の外周
をその外側から覆うよう少なくとも中間接続金具に導電
結合された複数条の酸化物超電導シ−ス線を含む熱損失
の低減手段を備えてなるものとする。
窒素温度より高い酸化物超電導導体と、その外側を覆う
良導電性金属シ−スとからなるものとする。中間接続金
具から低温側リードに向けて棒状に突設されてその先端
部分に酸化物超電導体が導電結合する凹溝を有する中間
接続金具の延長部分と、この延長部分の外周を包囲する
ようその軸方向に互いに平行に導電結合された酸化物超
電導シ−ス線とからなる熱損失の低減手段を備えてなる
ものとする。
端末を棒状の酸化物超電導体の外周面に導電結合してな
るものとする。中間接続金具の延長部分がその凹溝の外
側に該当する部分に複数条のスリットを備え、酸化物超
電導シ−ス線がこのスリット内で中間接続金具および酸
化物超電導体に導電結合してなるものとする。
れた超電導コイルに外部電源からの励磁電流を通流する
電流リードが、良導電性金属からなり常温端子を有する
高温側リードと、棒状の酸化物超電導体からなり低温端
子金具を有する低温側リードとを中間接続金具を介して
接続した直列接続体からなり、低温側リード側から高温
側リード側に向けて流通する冷媒ガスによって冷却され
るとともに、前記低温端子金具に一方端が接続された常
電導接続導体を介して前記超電導コイルに導電接続され
たものにおいて、前記常電導接続導体に沿って導電結合
された酸化物超電導シ−ス線を含む熱損失の低減手段を
備えてなるものとする。
窒素温度より高い酸化物超電導導体、およびその外側を
覆う良導電性金属シ−スからなり、常電導接続導体によ
り低温端子金具に固定された酸化物超電導シ−ス線の端
末が棒状の酸化物超電導体の外周面に導電結合してなる
ものとする。
電結合された中間接続金具の凹溝の外周をその外側から
覆うよう少なくとも中間接続金具に導電結合された複数
条の酸化物超電導シ−ス線を含む熱損失の低減手段を備
えるよう構成したことにより、中間接続金具の表面に露
出して低温のヘリウムガスによる冷却効果の大きい酸化
物超電導シ−ス線が液体窒素温度以下に冷却されて超電
導状態となり、棒状の酸化物超電導体の導電結合部の外
側に並列に電流のバイパス通路を形成するので、酸化物
超電導体の導電結合部に流れる電流が減少してそのジュ
−ル発熱が減ることになり、中間接続金具の温度上昇を
抑制するとともに、酸化物超電導体の導電結合部におけ
る許容電流密度を向上する機能が得られる。
電導体シ−ス線を、臨界温度が液体窒素温度より高い酸
化物超電導導体と、その外側を覆う良導電性金属シ−ス
とで構成すれば、低温側リード側の酸化物超電導体の臨
界温度との協調により、超電導状態を安定して保持する
熱損失の低減手段が得られる。熱損失の低減手段の具体
的構造として、熱損失の低減手段を中間接続金具から低
温側リードに棒状に突設されてその先端部分に酸化物超
電導体が導電結合する凹溝を有する中間接続金具の延長
部分と、この延長部分の外周を包囲するようその軸方向
に互いに平行に導電結合された酸化物超電導シ−ス線と
で構成すれば、中間接続金具の冷却表面積が延長部によ
って拡張されて高温側リード側からの侵入熱の排熱が容
易化されるとともに、酸化物超電導シ−ス線のバイパス
作用によって延長部分の電流が減少し、そのジュ−ル発
熱および低温側リード側酸化物超電導体の導電結合部に
おけるジュ−ル発熱も減少するので、導電結合部におけ
る温度上昇をより効果的に抑制することが可能となり、
超電導状態を安定に保持し、かつ酸化物超電導体の許容
電流密度を向上させる機能が得られる。
ド側の端末を棒状の酸化物超電導体の外周面にも導電結
合するよう構成すれば、酸化物超電導シ−ス線による電
流バイパス作用をより効果的に発揮させ、低温側リード
側酸化物超電導体の超電導状態を安定に保持し、酸化物
超電導体の許容電流密度を一層向上させる機能が得られ
る。
溝の外側に軸方向に平行に形成された複数条のスリット
を備え、酸化物超電導シ−ス線をこのスリット内で中間
接続金具および酸化物超電導体に導電結合するよう構成
すれば、さらに酸化物超電導シ−ス線による電流バイパ
ス作用を効果的に発揮させ、低温側リード側酸化物超電
導体の超電導状態を安定に保持し、酸化物超電導体の許
容電流密度を一層向上させる機能が得られる。
端が接続された常電導接続導体を介して超電導コイルに
導電接続された電流リードにおいて、常電導接続導体に
沿って導電結合された酸化物超電導シ−ス線を含む熱損
失の低減手段を備えるよう構成すれば、酸化物超電導シ
−ス線による電流バイパス作用によって常電導接続導体
に流れる電流を低減しそのジュ−ル発熱を抑制できるの
で、低温側リードと超電導コイルとの導電結合部におけ
る温度上昇をより効果的に抑制することが可能となり、
超電導状態を安定に保持し、かつ酸化物超電導体の許容
電流密度を向上させる機能が得られる。
が液体窒素温度より高い酸化物超電導導体、およびその
外側を覆う良導電性金属シ−スで構成し、かつ常電導接
続導体により低温端子金具に固定された酸化物超電導シ
−ス線の端末を棒状の酸化物超電導体の外周面に導電結
合するよう構成すれば、低温のヘリウムガスによって超
電導状態となった酸化物超電導シ−ス線の電流バイパス
作用によって低温端子金具および常電導接続導体に流れ
る電流を低減し、そのジュ−ル発熱および両者の接触抵
抗による発熱を抑制できるので、電流リードと超電導コ
イルとの間の接続部での発熱が大幅に低減され、低温側
リードと超電導コイルとの導電結合部における温度上昇
をより効果的に抑制することが可能となり、低温側リー
ド側酸化物超電導体の超電導状態を安定に保持し、酸化
物超電導体の許容電流密度を一層向上させる機能が得ら
れる。
る。図1はこの発明の実施例になる酸化物超電導体を用
いた電流リードの要部を示す断面図、図2は実施例にお
ける酸化物超電導シ−ス線を示す断面図であり、従来技
術と同じ構成部分には同一参照符号を付すことにより、
重複した説明を省略する。図において、熱損失の低減手
段11は中間接続金具の延長部12と、この延長部12
の外周に導電結合された酸化物超電導シ−ス線13とで
構成される。すなわち、中間接続金具6はその低温側リ
ード5側に向けて棒状に突設された延長部12を備え、
延長部12にはその先端側が開口した凹溝6Bが形成さ
れ、この凹溝内で棒状の酸化物超電導体8がはんだなど
を用いて導電結合される。また、この延長部12の外周
を包囲するようその軸方向に互いに平行に導電結合され
た酸化物超電導シ−ス線13を備え、その中間接続金具
側の端末は凹溝6D内ではんだなどを用いて中間接続金
具6に導電結合されるとともに、延長部12の外周面に
もはんだ結合され、低温端子金具9の流通孔9Cから低
温側リード5の筒状容器7内に流入し、中間接続金具の
流通孔6Cを通って高温側リード2側に抜ける低温のヘ
リウムガスGHe によって冷却される。
化物超電導シ−ス線13は図2に示すように、臨界温度
が液体窒素温度より高い酸化物超電導導体14と、その
外側を覆う良導電性金属シ−ス(例えば銀,銅など)1
5とで構成され、液体窒素温度(77K)以下に冷却す
ることによって酸化物超電導シ−ス線15が超電導状態
となってそのジュ−ル発熱が零となり、かつ77Kにお
いて数10A/mm2 程度の許容電流密度が得られる。
て、中間接続金具6の冷却表面積が延長部12によって
拡張されて高温側リード2側からの侵入熱の排熱が容易
化されるとともに、延長部12の表面に露出して低温の
ヘリウムガスによる冷却効果の大きい酸化物超電導シ−
ス線13が液体窒素温度以下に冷却されて超電導状態と
なり、棒状の酸化物超電導体8の導電結合部の外側に並
列に電流のバイパス通路を形成するので、酸化物超電導
シ−ス線13の電流バイパス作用によって延長部13に
流れる電流が減少し、そのジュ−ル発熱および酸化物超
電導体8の導電結合部におけるジュ−ル発熱が減少す
る。したがって、低温のヘリウムガスの発生量が従来よ
り減少した場合にも導電結合部における温度上昇をより
効果的に抑制することが可能となり、超電導状態を安定
に保持し、酸化物超電導体の許容電流密度を向上させ、
定常運転電流に対する余裕を増大する効果が得られる。
損失の低減手段を示す断面図であり、中間接続金具の延
長部12および酸化物超電導シ−ス線13からなる熱損
失の低減手段21が、その酸化物超電導シ−ス線13の
端末を棒状の酸化物超電導体8側に延長し、棒状の酸化
物超電導体8との間にも導電結合部22を形成するよう
構成した点が前述の実施例と異なっており、酸化物超電
導シ−ス線13による電流バイパス作用をより効果的に
発揮させ、凹溝6B内における酸化物超電導体8の温度
を液体窒素温度以下に保持できるので、低温の液体ヘリ
ウムの発生量が減少した場合にも超電導状態を安定して
保持できるとともに、酸化物超電導体の許容電流密度を
一層向上できる利点が得られる。
る熱損失の低減手段を示す断面図、図5は図4のA−A
位置における断面図であり、熱損失の低減手段31が中
間接続金具の延長部12の凹溝6Bの外周部分に酸化物
超電導シ−ス線13を収納するスリット32を備え、酸
化物超電導シ−ス線13をスリット32内で延長部12
および棒状の酸化物超電導体8に導電結合するよう構成
した点が前述の各実施例と異なっている。このように構
成することにより、酸化物超電導シ−ス線13と酸化物
超電導体8との導電結合部の抵抗値を低減できることに
なり、酸化物超電導体8の超電導状態を安定に保持し、
その許容電流密度を一層向上できる利点が得られる。
の低減手段を示す断面図、図7は図6をP方向から見た
要部の側面図であり、棒状の酸化物超電導体8の延長部
分8Aを低温端子金具9の凹溝に嵌め込んで半田等によ
り導電結合し、その外周を筒状容器7で覆った低温側リ
ード5は、その低温端子49と図示しない超電導コイル
10(図8参照)とを導電接続する常電導接続導体10
Aが、その一方の面に沿って例えばはんだ等によって導
電結合された酸化物超電導シ−ス線40を含む熱損失の
低減手段41を備え、酸化物超電導シ−ス線40が低温
端子49の表面に接触するよう板状の常電導接続導体1
0Aをボルト42で低温端子49に取り付けるよう構成
される。このように構成された熱損失の低減手段41を
低温側リード5の低温端子49側に備えた超電導装置の
電流リードにおいて、酸化物超電導シ−ス線40が低温
のヘリウムガスGHe によってその臨界温度以下に冷却
されたとき、酸化物超電導シ−ス線40の酸化物超電導
体が超電導状態となって常電導接続導体10Aに流れる
電流を酸化物超電導シ−ス線40側にバイパスするよう
機能するので、常電導接続導体10Aに流れる電流を低
減してそのジュ−ル発熱を抑制することになり、かつ熱
容量の大きい常電導接続導体10Aが冷却板として機能
して酸化物超電導シ−ス線40の温度を液体窒素温度以
下に保持して超電導状態を安定して保持するので、電流
リードからの侵入熱が低減されて液体ヘリウムの気化量
が減少した場合にも電流リードと超電導コイルとの接続
部の発熱を抑制し、酸化物超電導体の許容電流密度を向
上する効果が得られる。
具9の凹溝に嵌め込んで半田等により導電結合された棒
状の酸化物超電導体8の延長部分8Aが、その外周面の
一部を低温端子49の導電接続面に露出するよう構成さ
れ、常電導接続導体10Aをボルト42で低温端子49
に取り付けた状態で、酸化物超電導シ−ス線40の端末
40Aを低温端子49の一方の面に露出した棒状の酸化
物超電導体8の延長部分8Aの外周面にはんだ等を用い
て導電結合して導電結合部43を形成するよう構成され
ている。このように構成された熱損失の低減手段41を
低温側リード5の低温端子49側に備えた超電導装置の
電流リードにおいて、酸化物超電導シ−ス線40が低温
のヘリウムガスGHe によってその臨界温度以下に冷却
されたとき、酸化物超電導シ−ス線40の酸化物超電導
体が超電導状態となって低温端子金具9および常電導接
続導体10Aに流れる電流を酸化物超電導シ−ス線40
側にバイパスするよう機能するので、そのジュ−ル発熱
および両者の接触抵抗による発熱が抑制され、電流リー
ドと超電導コイルとの間の接続部での温度上昇を効果的
に抑制できるので、電流リードの侵入熱の低減により液
体ヘリウムの気化量が減少した場合にも、低温側リード
の酸化物超電導体の超電導状態を安定に保持し、酸化物
超電導体の許容電流密度を一層向上させる効果が得られ
る。
の棒状の酸化物超電導体と中間接続金具との導電接続部
に、中間接続金具の延長部と酸化物超電導シ−ス線とか
らなる熱損失の低減手段を設けるよう構成した。その結
果、延長部による冷却効果の向上作用と、酸化物超電導
シ−ス線による電流バイパス作用とにより、酸化物超電
導体と中間接続金具との導電接続部におけるジュ−ル発
熱および温度上昇の抑制が可能となり、電流リードの低
温側に酸化物超電導体を用いることによって低温のヘリ
ウムガスの発生量が減少し、これが原因で中間接続金具
の温度を液体窒素温度以下に保持することが困難になる
という従来技術の問題点が排除され、液体ヘリウムの気
化損失の低減効果が高く、かつこれが原因で冷却媒体と
しての低温のヘリウムガスの供給量が減少しても酸化物
超電導体を安定して超電導状態に保持できるとともに、
その許容電流密度を向上させて定常運転電流に対する裕
度を増大できるので、低損失で信頼性の高い酸化物超電
導体を用いた電流リードを提供することができる。
イルとを接続する常電導接続導体に並列結合した酸化物
超電導シ−ス線を含む熱損失の低減手段を設けるよう構
成した。その結果、酸化物超電導シ−ス線の電流バイパ
ス作用により従来技術で問題となった常電導接続導体の
ジュ−ル発熱を低減できる。さらに、酸化物超電導シ−
ス線の端末を棒状の酸化物超電導体の延長部分に導電結
合するよう構成したことにより、低温端子金具を含む低
温側リードと超電導コイルとの接続部の発熱を低減する
ことが可能になり、液体ヘリウムの気化損失の低減効果
が高く、かつこれが原因で冷却媒体としての低温のヘリ
ウムガスの供給量が減少しても酸化物超電導体を安定し
て超電導状態に保持できるとともに、その許容電流密度
を向上させて定常運転電流に対する裕度を増大できる低
損失で信頼性の高い酸化物超電導体を用いた電流リード
を提供することができる。
た電流リードの要部を示す断面図
面図
手段を示す断面図
低減手段を示す断面図
を示す断面図
化して示す側面図
Claims (7)
- 【請求項1】真空断熱容器に収納されて極低温に保持さ
れた超電導コイルに外部電源からの励磁電流を通流する
電流リードが、良導電性金属からなる高温側リードと、
棒状の酸化物超電導体からなる低温側リードとの直列接
続体からなり、中間接続金具の両面に形成された凹溝内
で前記良導電性金属導体および棒状の酸化物超電導体そ
れぞれの一方端が中間接続金具に導電結合され、中間接
続金具に形成された流通孔を高温側リード側に向けて流
通する冷媒ガスによって冷却されるものにおいて、前記
酸化物超電導体が導電結合された凹溝の外周をその外側
から覆うよう少なくとも中間接続金具に導電結合された
複数条の酸化物超電導シ−ス線を含む熱損失の低減手段
を備えてなることを特徴とする酸化物超電導体を用いた
電流リード。 - 【請求項2】酸化物超電導体シ−ス線が臨界温度が液体
窒素温度より高い酸化物超電導導体と、その外側を覆う
良導電性金属シ−スとからなることを特徴とする請求項
1記載の酸化物超電導体を用いた電流リード。 - 【請求項3】中間接続金具から低温側リードに向けて棒
状に突設されてその先端部分に酸化物超電導体が導電結
合する凹溝を有する中間接続金具の延長部分と、この延
長部分の外周を包囲するようその軸方向に互いに平行に
導電結合された酸化物超電導シ−ス線とからなる熱損失
の低減手段を備えてなることを特徴とする請求項1記載
の酸化物超電導体を用いた電流リード。 - 【請求項4】酸化物超電導シ−ス線の低温側リード側の
端末が棒状の酸化物超電導体の外周面に導電結合してな
ることを特徴とする請求項2記載の酸化物超電導体を用
いた電流リード。 - 【請求項5】中間接続金具の延長部分がその凹溝の外側
に該当する部分に複数条のスリットを備え、酸化物超電
導シ−ス線がこのスリット内で中間接続金具および酸化
物超電導体に導電結合してなることを特徴とする請求項
2記載の酸化物超電導体を用いた電流リード。 - 【請求項6】真空断熱容器に収納されて極低温に保持さ
れた超電導コイルに外部電源からの励磁電流を通流する
電流リードが、良導電性金属からなり常温端子を有する
高温側リードと、棒状の酸化物超電導体からなり低温端
子金具を有する低温側リードとを中間接続金具を介して
接続した直列接続体からなり、低温側リード側から高温
側リード側に向けて流通する冷媒ガスによって冷却され
るとともに、前記低温端子金具に一方端が接続された常
電導接続導体を介して前記超電導コイルに導電接続され
たものにおいて、前記常電導接続導体に沿って導電結合
された酸化物超電導シ−ス線を含む熱損失の低減手段を
備えてなることを特徴とする酸化物超電導体を用いた電
流リード。 - 【請求項7】酸化物超電導体シ−ス線が臨界温度が液体
窒素温度より高い酸化物超電導導体、およびその外側を
覆う良導電性金属シ−スからなり、常電導接続導体によ
り低温端子金具に固定された酸化物超電導シ−ス線の端
末が棒状の酸化物超電導体の外周面に導電結合してなる
ことを特徴とする請求項6記載の酸化物超電導体を用い
た電流リード。
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JP06041661A JP3127705B2 (ja) | 1993-08-23 | 1994-03-14 | 酸化物超電導体を用いた電流リード |
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JP5-206758 | 1993-08-23 | ||
JP20675893 | 1993-08-23 | ||
JP06041661A JP3127705B2 (ja) | 1993-08-23 | 1994-03-14 | 酸化物超電導体を用いた電流リード |
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JPH07115017A JPH07115017A (ja) | 1995-05-02 |
JP3127705B2 true JP3127705B2 (ja) | 2001-01-29 |
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JPH07115017A (ja) | 1995-05-02 |
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