JP3127174B2 - エチレン系共重合体積層物 - Google Patents

エチレン系共重合体積層物

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JP3127174B2 JP04208108A JP20810892A JP3127174B2 JP 3127174 B2 JP3127174 B2 JP 3127174B2 JP 04208108 A JP04208108 A JP 04208108A JP 20810892 A JP20810892 A JP 20810892A JP 3127174 B2 JP3127174 B2 JP 3127174B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学特性と機械的特性に
優れたエチレン系共重合体とガラスからなる積層物に関
する。これら積層物は合わせガラスとして自動車用フロ
ントガラスあるいは建築物用窓ガラスにきわめて高い性
能を発揮する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
自動車の安全レベルの向上にともなって、フロントガラ
スの安全対策は搭乗者の安全を確保する上で絶対不可欠
の至上命題になっている。このような時代の要請にとも
なって、樹脂強化複層安全ガラスをフロントガラスに使
用することが、世界各国においても法的に義務づけられ
つつあるのが実状である。また、デザインの上から外面
にガラス(窓)を多用した建築物の増加にともない、地
震等の災害時の安全確保の観点等から建築用窓ガラスに
ついても安全ガラスとしての合わせガラス使用の方向に
ある。
【0003】現在、自動車のフロントガラスに使用され
る安全ガラスはきわめて厳しい規格があり、例えばわが
国においてもJISあるいはJASO規格に定められて
いるが、コスト的要請を満足させつつこの基準を満足さ
せることは、きわめて難しい命題である。
【0004】現在までのところ、自動車用合わせガラス
の中間層の材料としては、ポリビニルブチラール(以下
PVBと略す)がほとんど独占的に使用されている。こ
の合わせガラスはその優れた透明性及び常温付近での高
い耐貫通性が大きな特徴であるが、前記時代の要請には
必ずしもその性能は満足すべきものではない。このPV
Bは、常温付近では高い耐貫通性を示すものの、0℃以
下の温度領域あるいは80℃以上の温度領域では、その
耐貫通性は必ずしも満足すべきものではない。また、大
量の可塑剤の添加(通常は約40wt%)によって柔軟性
を達成しているため、そのことにともなう不都合も少な
からず抱えている。
【0005】しかもPVBはその製造プロセスからすれ
ばポリ酢酸ビニルの重合、ポリ酢酸ビニルの鹸化による
PVAの製造、PVAの部分ブチラール化によるPVB
の製造と多段の過程を経るため、その製造工程は煩雑な
ものとなる。
【0006】本発明者らは、これらPVBにおける問題
点を克服し、工業的に容易に製造し得る材料を用いた積
層物について検討を重ねた結果、本発明に到達した。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明はエチ
レンと、少なくとも(メタ)アクリルアミド誘導体との
共重合体(以下、エチレン系共重合体と略す)であっ
て、(メタ)アクリルアミド誘導体の含有量が10〜6
0重量%であるエチレン系共重合体とガラスを積層して
なることを特徴とするエチレン系共重合体積層物を提供
する。
【0008】本発明に使用されるエチレン系共重合体に
含まれる(メタ)アクリルアミド誘導体とは、(メタ)アク
リルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,
N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられ、具
体的には、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアク
リルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−i
so−プロピルアクリルアミド、N−n−ブチルアクリ
ルアミド、N−iso−ブチルアクリルアミド、N−t
−ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルア
ミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−エチルメ
タアクリルアミド、N−n−プロピルメタアクリルアミ
ド、N−t−ブチルメタアクリルアミド、N,N−ジメ
チルメタアクリルアミド、N,N−ジエチルメタアクリ
ルアミド、アクリロイルモルホリン等であり、好ましく
は、アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−エチル
アクリルアミド、N−iso−プロピルアクリルアミ
ド、N−t−ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチル
アクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N
−n−プロピルメタアクリルアミド、N−t−ブチルメ
タアクリルアミド等である。また、これらの混合物を用
いることも可能である。
【0009】また、本発明に使用されるエチレン系共重
合体には、(メタ)アクリルアミド誘導体以外に、エチレ
ン系共重合体に他の特性(例えば「接着性」とか「柔軟
性」とか)を付与する目的で他のエチレン性不飽和化合
物を共重合することも可能である。
【0010】このエチレン性不飽和化合物とは、(メ
タ)アクリルアミド誘導体を除きエチレンと共重合可能
な不飽和基を有する化合物を言い、ビニル芳香族化合
物、不飽和ニトリル化合物、ビニルエステル化合物、
(メタ)アクリル酸エステル化合物等の中から選択する
ことができる。具体的には、ビニル芳香族化合物とは、
スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等
であり、不飽和ニトリル化合物とは、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等である。ビニルエステル化合
物とは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等であり、
(メタ)アクリル酸エステル化合物とは、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタアクリ
ル酸メチル、メタアクリル酸エチル等である。これら化
合物は、エチレン系共重合体に対して前記のごとく接着
性とか柔軟性の特性を付与する目的で1ないし複数種使
用することが可能であり、その他の目的、特性に応じて
種類を選択することが可能である。
【0011】また、本発明に使用されるエチレン系共重
合体に含まれる(メタ)アクリルアミド誘導体の含有量
は10〜60重量%であり、20〜50重量%が好まし
い。10重量%未満では共重合体の材料強度が不充分で
あり好ましくない。また、60重量%を越えると、共重
合体の柔軟性が次第に失われ、合わせガラスの機械的特
性に劣ることとなる。
【0012】また、本発明に使用されるエチレン系共重
合体に含ませることのできるエチレン性不飽和化合物の
含有量については、本化合物は、エチレン系共重合体に
対して接着性とか柔軟性等の特性を付与する目的で使用
することから少量で充分であり、通常0〜30重量%、
好ましくは、0〜20重量%である。30重量%を越え
ると、エチレン系共重合体が本来持つ光学特性もしくは
機械的特性が損なわれ好ましくない。
【0013】次に、エチレン系共重合体の流動性は、M
FR(JIS K 7210:条件4)は、0.01〜
100g/10分であり、0.1〜50g/10分が好ま
しい。0.01g/10分未満では流動性が低く成形性
が不良となり好ましくない。また、100g/10分を
越えると材料強度が低くなるために合わせガラスの機械
的特性に劣り好ましくない。これらエチレン系共重合体
は、高圧ラジカル共重合法や溶液ラジカル共重合法によ
って製造することが可能であるが、高圧ラジカル共重合
法によって製造されるものが好ましく、500〜200
0kg/cm2の圧力下で製造することが好ましい。また、重
合の温度としては、100℃〜300℃が好ましく、1
50℃〜250℃がより好ましい。重合に際して使用す
る開始剤としては、通常使用される有機過酸化物のうち
から、重合温度、開始剤効率等を基準に選択して使用す
ることが可能である。
【0014】このようにして得られたエチレン系共重合
体は、その優れた諸特性を長期に亘って確保するため
に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、老化防止剤等の各種添
加剤を加えることが可能である。また、ガラスとの積層
体にした場合の装飾性の観点から染色剤等で予め着色し
ておくことも可能である。
【0015】これらエチレン系共重合体は、その光学特
性及び機械的特性として、そのままガラスと貼合して合
わせガラスとするのに充分な特性を有しているが、更に
その機械的強度を高め、かつ耐熱性を付与するために架
橋処理した上でガラスと貼合することも可能である。架
橋処理に関しては通常の過酸化物架橋等の方法も取り得
るが、シート成形した後に電離性放射線によって架橋処
理することが好ましい。
【0016】このような処理にあたっては、エチレン系
共重合体を通常の押出手段を用いてシートとした後、も
しくはシート成形と同時に電子線等の電離性放射線を照
射することが可能である。このような架橋シートを製造
する場合、該エチレン系共重合体は、架橋に先立って、
通常の押出成形手段によって、シートに加工しておくこ
とが可能である。ここで成形温度は通常は60〜150
℃であるが、80〜130℃が好ましい。該シートの厚
さは、通常は0.2〜1.0mmである。電離性放射線の
照射線量は、照射時間の関数として表現されるが、ここ
で必要な照射線量は5〜30Mradであり、10Mrad前後
が好適である。電離性放射線の照射線量を決定する客観
的な基準は、架橋シートを高速衝撃試験機にかけて貫通
時の吸収エネルギーを求めたときに、該吸収エネルギー
が極大値を示す照射線量の付近であり、その照射線量±
3Mradが好ましい範囲である。架橋に用いる装置、例え
ば電子線照射装置は、電子線の加速電圧によってほぼ特
性付けられるが、加速電圧は、50〜1000kVであ
り、シートの内部まで均質に架橋を進めるためには10
0〜800kVが好ましい。
【0017】このようにして得られたエチレン系共重合
体のシートもしくは架橋物は、通常の合わせガラスの製
造と同じオートクレーブによる貼合工程でガラスとの積
層体とすることができる。また、その際には従来のPV
Bで採用されていた温度・時間に比較して、より低い温
度、あるいはより短い時間で貼合が可能となる。また、
オートクレーブを使用せず、100〜150℃の熱プレ
スあるいは同等の条件でも貼合可能である。
【0018】このようにして得られたエチレン系共重合
体とガラスの積層体は、光学特性に優れ、耐貫通性のよ
うな機械的強度に優れ、かつ機械的強度の温度依存性が
小さく広い温度領域で使用可能であり、自動車フロント
ガラスを始めとする種々の合わせガラス用途に対して適
用可能である。
【0019】また、本発明において使用したエチレン系
共重合体は、ガラス以外の各種熱可塑性樹脂に対して高
い接着性を有しており、しかも低温で接着することが可
能であることからポリカーボネートあるいはポリメチル
メタクリレート等の透明樹脂同士の積層体の中間層、あ
るいはガラスと透明樹脂間の中間層としても適用するこ
とが可能である。以下、実施例において、より具体的に
説明する。
【0020】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例等により更
に詳しく説明する。
【0021】〔実施例1〕 (1)エチレン/N,N−ジメチルアクリルアミド共重
合体の製造 2lの撹拌機付オートクレーブに温度200℃、圧力1
200kg/cm2の条件下で、エチレンとN,N−ジメチル
アクリルアミドをt−ブチルパーオキシピバレートと同
時にフィードし、共重合体の製造を行なった。得られた
共重合体は、モノマーを分離した後、熱プレスを用いて
薄いフィルムを作成し、そのフィルムのIR測定によ
り、共重合体中のN,N−ジメチルアクリルアミド量を
定量した。その結果、N,N−ジメチルアクリルアミド
量は37.5重量%であった。また、流動性は3.7g
/10分(190℃、2.16kg荷重)であった。 (2)積層ガラスの製造と評価 上述の如くして得られたエチレン/N,N−ジメチルア
クリルアミド共重合体を、表面をテフロンでコーティン
グした金型を用いて、120℃の加熱圧縮プレスにて、
20kg/cm2の圧力下で0.76mm厚みのシートに成形し
た。このようにして、作成したシートを用いて、これを
中間層とする合わせガラス(積層ガラス)を作成し、そ
の物性を測定した。即ち、厚さ2mmの2枚のガラスの間
に上記シートを挟み、加熱圧縮プレスにて、10kg/cm2
の圧力下、120℃にて10分間加熱して貼合わせを行
ない、プレスから取り出した後自然放冷によって冷却
し、積層ガラスを作成した。このようにして作成した積
層ガラスをJIS R 3212に準拠して耐貫通試験
を行なったところ、4m高からの鋼球落下試験において
全く貫通せず、JIS規格を充分に満足していることが
確認された。また、この積層ガラスの透明性は、Haz
e値で0.5%であり、透明性についても充分満足して
いることが確認された。
【0022】〔実施例2〕実施例1で使用した、エチレ
ン/N,N−ジメチルアクリルアミド共重合体を、加熱
圧縮プレスにて0.76mm厚みのシートとした後に、電
子線照射装置(日新ハイボルテージ(株)製、スキャニ
ングタイプ、EPS750型)を用いて、750kVの加
速電圧で、10Mradの照射線量になるように空気中で電
子線を照射して架橋シートを作成した。このようにして
作成した架橋シートを用いて、実施例1の方法に従い、
これを中間層とする合わせガラス(積層ガラス)を作成
し、その物性を測定した。このようにして作成した積層
ガラスをJIS R 3212に準拠して耐貫通試験を
行なったところ、5m高からの鋼球落下試験において全
く貫通せず、JIS規格以上の性能を有していることが
確認された。また、この積層ガラスの透明性は、Haz
e値で0.5%であり、透明性についても充分満足して
いることが確認された。
【0023】〔実施例3〕実施例1−(1)の方法に従
い、エチレン及びN,N−ジメチルアクリルアミドのフ
ィード量を変えて重合を行ない、共重合体を得た。得ら
れた共重合体は、モノマーを分離した後、実施例1の方
法に従ってIRによってN,N−ジメチルアクリルアミ
ド量を定量した。その結果、N,N−ジメチルアクリル
アミド量は28.2重量%であった。また、流動性は3.
5g/10分(190℃、2.16kg荷重)であった。
このエチレン/N,N−ジメチルアクリルアミド共重合
体を用いて、実施例1に準じた方法で合わせガラス(積
層ガラス)を作成し、その物性を測定した。その結果、
この共重合体を中間層とする積層ガラスはJIS R
3212に示される耐貫通試験に対して、4m高からの
鋼球落下試験において全く貫通せず、JIS規格を満足
していることが確認された。また、この積層ガラスの透
明性は、Haze値で0.8%であり、透明性について
も充分満足していることが確認された。
【0024】〔実施例4〕実施例3で使用した、エチレ
ン/N,N−ジメチルアクリルアミド共重合体を、加熱
圧縮プレスにて0.76mm厚みのシートとした後に、実
施例2に示した条件・方法と同様の条件・方法で電子線
を照射して架橋シートを作成した。このようにして作成
した架橋シートを用いて、実施例2に準じた方法で、こ
れを中間層とする合わせガラス(積層ガラス)を作成
し、その物性を測定したところ、JIS R 3212
に示される耐貫通試験に対して、5m高からの鋼球落下
試験において全く貫通せず、JIS規格以上の性能を有
していることが確認された。また、この積層ガラスの透
明性は、Haze値で0.8%であり、透明性について
も充分満足していることが確認された。
【0025】〔実施例5〕実施例1−(1)の方法に従
い、エチレン及びN,N−ジメチルアクリルアミド、及
びエチレン性不飽和化合物として酢酸ビニルをフィード
しながら重合を行ない、共重合体を得た。得られた共重
合体は、モノマーを分離した後、実施例1の方法に従
い、IRによってN,N−ジメチルアクリルアミド量を
定量した。その結果、N,N−ジメチルアクリルアミド
量は24.1重量%であり、流動性は4.4g/10分
(190℃、2.16kg荷重)であった。また、酢酸ビ
ニル含量は3.4重量%であった。このエチレン/N,
N−ジメチルアクリルアミド/酢酸ビニル共重合体を用
いて、実施例1に準じた方法で合わせガラス(積層ガラ
ス)を作成し、その物性を測定した。その結果、この共
重合体を中間層とする積層ガラスはJIS R 321
2に示される耐貫通試験に対して、4m高からの鋼球落
下試験において全く貫通せず、JIS規格を満足してい
ることが確認された。また、この積層ガラスの透明性
は、Haze値で1.0%であり、透明性についても充
分満足していることが確認された。
【0026】〔実施例6〕実施例5で使用した、エチレ
ン/N,N−ジメチルアクリルアミド/酢酸ビニル共重
合体を、加熱圧縮プレスにて0.76mm厚みのシートと
した後に、実施例2に示した条件・方法と同様の条件・
方法で電子線を照射して架橋シートを作成した。このよ
うにして作成した架橋シートを用いて、実施例2に準じ
た方法で、これを中間層とする合わせガラス(積層ガラ
ス)を作成し、その物性を測定したところ、JIS R
3212に示される耐貫通試験に対して、5m高から
の鋼球落下試験において全く貫通せず、JIS規格以上
の性能を有していることが確認された。また、この積層
ガラスの透明性は、Haze値で1.0%であり、透明
性についても充分満足していることが確認された。
【0027】〔実施例7〕実施例1−(1)の方法に従
い、エチレン及びN−イソプロピルアクリルアミド、及
びエチレン性不飽和化合物として酢酸ビニルをフィード
しながら重合を行ない、共重合体を得た。なお、N−イ
ソプロピルアクリルアミドは融点60℃の固体であり、
酢酸ビニルに溶解した形でフィードした。得られた共重
合体は、モノマーを分離した後、実施例1の方法に従
い、IRによってN−イソプロピルアクリルアミド量を
定量した。その結果、N−イソプロピルアクリルアミド
量は15.1重量%であり、流動性は1.2g/10分
(190℃、2.16kg荷重)であった。また、酢酸ビ
ニル含量は20.4重量%であった。このエチレン/N
−イソプロピルアクリルアミド/酢酸ビニル共重合体を
用いて、実施例1に準じた方法で合わせガラス(積層ガ
ラス)を作成し、その物性を測定した。その結果、この
共重合体を中間層とする積層ガラスはJIS R 32
12に示される耐貫通試験に対して、4m高からの鋼球
落下試験において全く貫通せず、JIS規格を満足して
いることが確認された。また、この積層ガラスの透明性
は、Haze値で1.0%であり、透明性についても充
分満足していることが確認された。
【0028】〔実施例8〕実施例7で使用した、エチレ
ン/N−イソプロピルアクリルアミド/酢酸ビニル共重
合体を、加熱圧縮プレスにて0.76mm厚みのシートと
した後に、実施例2に示した条件・方法と同様の条件・
方法で電子線を照射して架橋シートを作成した。このよ
うにして作成した架橋シートを用いて、実施例2に準じ
た方法で、これを中間層とする合わせガラス(積層ガラ
ス)を作成し、その物性を測定したところ、JIS R
3212に示される耐貫通試験に対して、5m高から
の鋼球落下試験において全く貫通せず、JIS規格以上
の性能を有していることが確認された。また、この積層
ガラスの透明性は、Haze値で1.0%であり、透明
性についても充分満足していることが確認された。
【0029】[比較例] 〔比較例1〕実施例に対する比較例として、実施例1−
(1)の方法に従い、N,N−ジメチルアクリルアミド量
が8.6重量%であるようなエチレン/N,N−ジメチル
アクリルアミド共重合体を製造した。このものの流動性
は、7.0g/10分(190℃、2.16kg荷重)で
あった。このエチレン/N,N−ジメチルアクリルアミ
ド共重合体を用いて、実施例1に準じた方法で合わせガ
ラス(積層ガラス)を作成し、その物性を測定した。その
結果、その透明性はHaze値で6.2%と悪く、合わ
せガラスとしては使用不可能であった。
【0030】〔比較例2〕実施例1−(1)の方法に従
い、N,N−ジメチルアクリルアミドのフィード量を次
第に増加させ、最終的にはN,N−ジメチルアクリルア
ミド量が62.5重量%であるような共重合体を製造し
た。このものの流動性は、250g/10分(190
℃、2.16kg荷重)と非常に高く、分子量が充分上が
っていないことが確認された。また、共重合体の物性と
しても、固く脆い共重合体であり、ガラスと均質に貼合
することはできなかった。Haze値も10.2%と高
く、合わせガラスとしては使用不可能であった。
【0031】
【発明の効果】実施例に示したように、本発明に開示す
るエチレン系共重合体とガラスとの積層物は、自動車フ
ロントガラスとして充分適用可能な性能を有しており、
その展開が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−14855(JP,A) 特公 昭62−28105(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 17/10 C03C 27/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンと、少なくとも(メタ)アクリ
    ルアミド誘導体との共重合体であって、(メタ)アクリ
    ルアミド誘導体の含有量が10〜60重量%であるエチ
    レン系共重合体とガラスを積層してなることを特徴とす
    るエチレン系共重合体積層物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエチレン系共重合体積層
    物において、(メタ)アクリルアミド誘導体がN−アルキ
    ル置換アクリルアミドであることを特徴とするエチレン
    系共重合体積層物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のエチレン系共重合体積層
    物において、(メタ)アクリルアミド誘導体がN,N−ジ
    メチルアクリルアミドであることを特徴とするエチレン
    系共重合体積層物。
  4. 【請求項4】 請求項1,2,3記載のエチレン系共重
    合体積層物においてエチレン系共重合体が架橋処理をな
    されたものであることを特徴とするエチレン系共重合体
    積層物。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のエチレン系共重合体積層
    物における架橋が電離性放射線によるものであることを
    特徴とするエチレン系共重合体積層物。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のエチレン系共重合体積層
    物における電離性放射線が電子線であることを特徴とす
    るエチレン系共重合体積層物。
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