JPH0551243A - 合わせガラス用中間膜 - Google Patents

合わせガラス用中間膜

Info

Publication number
JPH0551243A
JPH0551243A JP20959491A JP20959491A JPH0551243A JP H0551243 A JPH0551243 A JP H0551243A JP 20959491 A JP20959491 A JP 20959491A JP 20959491 A JP20959491 A JP 20959491A JP H0551243 A JPH0551243 A JP H0551243A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
polyvinyl acetal
elastomer
penetration resistance
glass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20959491A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Asahina
研一 朝比奈
Naoki Ueda
直樹 植田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP20959491A priority Critical patent/JPH0551243A/ja
Publication of JPH0551243A publication Critical patent/JPH0551243A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリビニルアセタール樹脂を主成分とする層
(A)と、エチレンプロピレンジエンターポリマーおよ
び/またはエチレンプロピレンコポリマーからなる透明
なエラストマーを主成分とする層(B)とがそれぞれ少
なくとも1層以上積層されてなることを特徴とする合わ
せガラス用中間膜である。 【効果】 透明性、耐候性等の合わせガラスとして必要
な基本性能を損なうことなく、広い温度領域で、耐貫通
性と遮音性能が共に優れた合わせガラスの中間膜を提供
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、耐貫通性と遮音性と
が共に優れた合わせガラスに関し、特にこれを構成する
中間膜の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、可塑剤を添加することにより可塑
化したポリビニルブチラール膜に代表される中間膜が一
対のガラス板にサンドイッチされた合わせガラスはよく
知られている。この合わせガラスはガラス破損時の耐貫
通性に優れているため、例えば、自動車等の交通車両の
窓ガラス、建築物の窓ガラス等の用途に広く用いられて
いる。
【0003】最近、窓ガラスとしては、さらに広い温度
領域での耐貫通性に優れたものが要望されるばかりでな
く、遮音性についても優れていることが要望されてきて
いる。
【0004】ところで、従来の合わせガラスは、20℃
付近では、高い耐貫通性を有するが、−20℃付近およ
び40℃付近での環境では、十分な耐貫通性を有してい
ない。
【0005】また、遮音性に関しては、ガラス板は20
00Hzを中心とする周波数領域でコインシデンス効果
により遮音性能が低下する。コインシデンス効果とは、
ガラスに音波が入射したとき、ガラスの剛性と慣性によ
って、ガラス面上を横波が伝導して横波と入射音とが共
鳴し、その結果として、音の透過が起こる現象である。
そして、遮音性能は、周波数に対する透過損失量として
示され、JISによれば、その透過損失量は、500H
z以上では遮音等級に応じてそれぞれ一定値で規定され
ている。
【0006】遮音性の面からみると、2000Hzを中
心とする周波数領域において、前述のコインシデンス効
果による遮音性の低下は避けられず、十分な遮音性能を
確保できない。すなわち、コインシデンス効果による遮
音性能の低下が問題となるのは、このコインシデンス効
果によって生ずる透過損失量の極小部(以下、この極小
透過損失量をTL値という。)である。したがって、コ
インシデンス効果を緩和して遮音性能を向上させるため
には、このTL値の低下を防ぐ必要がある。
【0007】従来、このような広い温度領域における耐
貫通性の確保手段としては、ポリビニルアセタール樹脂
の架橋が提案されている。例えば、特公昭56−239
34号公報の提案がそれである。さらに他の提案として
は、低温で樹脂の柔軟性を確保できる可塑剤を選択する
ことによって、低温で優れた耐貫通性を有する安全ガラ
スも提案されている。この例としては、特公昭57−5
4458号公報の提案がある。
【0008】その他、広い温度領域を対象とした耐貫通
性の改善を目的とした提案として、特開昭57−200
250号公報に記載のものが挙げられる。それは、ポリ
ビニルブチラール樹脂の分子構造と可塑剤種を特定する
ことによって、樹脂の耐貫通性を改善せんとするもので
ある。
【0009】もう一つの本発明の目的である遮音性能の
低下を防ぐ手段としては、合わせガラスの質量の増大、
ガラス面積の細分化等、種々の方法が提案されている
が、未だ十分に満足できる結果が得られず、コスト面か
らも実用的に採用されるに至っていない。例えば、特開
昭62−37148号公報には、剛性板(ガラス板)の
コインシデンス領域における遮音性能の低下を防止する
ことを目的として、音響抵抗の異なる2種以上の粘弾性
材料を張合わせた剛性板(ガラス板)構成体が提案され
ている。さらに、特開平2−229742号公報には、
可塑化ポリビニルアセタール層と、高分子物質を主成分
とするガラス転移温度15℃以下の層とが積層されてな
る遮音性合わせガラスが提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記の特公昭56−2
3934号公報記載の、ポリビニルアセタール樹脂の架
橋による高温における耐貫通性の確保については、40
〜60℃では耐貫通性において確かに改善効果が認めら
れる。しかし、−20℃付近での耐貫通性の改善がなさ
れず、本発明が目的とする広い温度領域における耐貫通
性の確保手段としては、この方法は十分でない。
【0011】低温で樹脂の柔軟性を確保できる可塑剤の
使用によって、低温で優れた耐貫通性を持つ安全ガラス
が提案されている特公昭57−54458号では、本発
明の一つの目的である高温での耐貫通性確保ができな
い。
【0012】特開昭57−200250号公報で提案さ
れているポリビニルブチラール樹脂の分子構造と可塑剤
種の特定による、広い温度領域における耐貫通性の確保
については、低温(−20℃付近)と、高温(40℃付
近)で、実用上必要とされる耐貫通性の水準を確保でき
ない。
【0013】本発明の第二の目的である遮音性能につい
ては、前記特開昭62−37148号の剛性板(ガラス
板)の合わせ構成体においては、粘着弾性材料の界面で
の物質移動が生じて遮音性能が低下する恐れがあるな
ど、長期間の耐久性に問題があった。
【0014】特開平2−229742号公報記載の合わ
せガラスでは、ガラス転移温度が15℃以下の高分子物
質として、塩化ビニル−エチレン−メタクリル酸グリシ
ジルの3元共重合体を可塑化したものが提案されている
が、同様に遮音性において長期安定性が劣る。
【0015】また、近年、特に低温(−20〜0℃付
近)での遮音性を重視する傾向があり、これに対して
は、従来多用されているポリビニルブチラール系の合わ
せガラスは、全く対応できなかった。
【0016】この発明は、上記の点に鑑み、透明性、耐
候性等の合わせガラスとして必要な基本性能を損なうこ
となく、広い温度領域で、耐貫通性と遮音性能が共に優
れた合わせガラスの中間膜を提供しようとするものであ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明は、合わせガラ
ス用中間膜として用いられている、可塑剤により可塑化
されたポリビニルアセタール樹脂からなる膜が、透明
性、耐候性において優れているという実用上の実績をベ
ースに、このポリビニルアセタールを主成分とする膜
と、他の耐貫通性と遮音性能に優れた素材との積層化に
ついて鋭意検討した結果、完成したものである。
【0018】この発明によれば、ポリビニルアセタール
樹脂を主成分とする層(A)と、エチレンプロピレンジ
エンターポリマーおよび/またはエチレンプロピレンコ
ポリマーからなる透明なエラストマーを主成分とする層
(B)とがそれぞれ少なくとも1層以上積層されてなる
ことを特徴とする合わせガラス用中間膜が提供せられ
る。
【0019】ここで、ポリビニルアセタールを主成分と
する層(A)として総称するものについては、既に述べ
たように、合わせガラスとして耐貫通性が優れているこ
とは公知である。しかし、特定の透明なエラストマーを
選定し、ポリビニルアセタール層と積層することについ
ては、これまで検討がなされたことがなかった。その理
由は、ポリビニルアセタール層が既に持っている優れた
耐貫通性、透明性、耐候性、遮音性によって、単独で合
わせガラス用の中間膜素材として知られていたからであ
る。本発明者らは、これらふたつの素材の積層により得
られる耐貫通性と遮音性能における著しい効果を以下に
説明する技術的知見から鋭意研究し、この発明を完成し
た。
【0020】透明なエラストマーとしては、特表昭62
−500457号公報に記載されているものが代表的な
素材である。この提案の素材は、特定のエチレンプロピ
レンジエンターポリマーに煙霧状シリカを大量に配合す
ることによって、透明性を損なうことなく、力学強度を
高めた透明素材である。しかしながら、このエラストマ
ーは、シリカをこれほど大量に配合したものであるにも
拘らず、力学強度は十分でない。その理由は、合わせガ
ラス用素材として必須の耐貫通性の確保において、破断
エネルギーが十分でないからである。特に、常温(20
℃付近)における破断エネルギーが小さく、この素材は
実用上使用できない。
【0021】本発明者らは、ポリビニルブチラール樹脂
に代表されるポリビニルアセタール系素材は、20℃で
は非常に高い破断エネルギーを持っているが、−20℃
付近と40℃付近においては、破断エネルギーが低いと
いう技術的知見、およびこのエチレンプロピレンコポリ
マーまたはエチレンプロピレンジエンターポリマーが2
0℃では、力学強度の点ではめざましい力学強度はもっ
ていないものの、−20℃〜40℃の領域で安定した破
断エネルギーを示し、特に−20℃付近と40℃付近で
は、ポリビニルアセタールのそれより高い破断エネルギ
ーを持っているということに着目し、この発明の完成に
至った。即ち、破断エネルギーにおいて補完しあう2種
の素材を積層することにより、広い温度領域での耐貫通
性を確保する素材を提案するに至った。この2つの素材
の積層は、同時に、遮音性能において著しい効果をも付
与した。即ち、積層する界面における音の反射と吸収が
なされることに起因すると考えられる遮音効果を得た。
【0022】この発明において、ポリビニルアセタール
樹脂を主成分とする層(A)のためのポリビニルアルコ
ールの重合度は、好ましくは800〜3000である。
重合度が800より小さいと、引張り強度が弱く、耐貫
通性が低く、好ましくない。重合度が3000を超える
と耐貫通性は優れるが、樹脂の溶融時の粘度が高いた
め、合わせガラス製造時の溶融が十分でなく、好ましく
ない。さらに、好ましい重合度の範囲は、1000〜2
200である。この範囲では、必要且つ十分な耐貫通性
の水準を確保できる。
【0023】使用するポリビニルアルコールのケン化度
は、好ましくは95モル%以上である。95モル%未満
では、合わせガラスとしての耐候性等の長期耐久性に問
題がある。より好ましいケン化度の範囲は、98.5モ
ル%以上である。
【0024】ポリビニルアセタール樹脂を主成分とする
層(A)のための樹脂において、アセタール化のための
アルデヒドとしては、炭素数1〜10のものが好まし
い。例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プ
ロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチ
ルアルデヒド、バレルアルデヒド、2−エチルブチルア
ルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアル
デヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、n−デシルア
ルデヒド、シンナムアルデヒド、ベンズアルデヒド、フ
ェニルアセトアルデヒド等が好ましい。特に、好ましい
アルデヒドは炭素数3〜8のものである。炭素数が10
を超えると、樹脂の剛性が低下し、合わせガラスの耐貫
通性が十分でない。
【0025】好ましいアセタール化度は、アセタール化
が55〜80モル%である。55モル%より低いと水酸
基が多いため、合わせガラスの低温(0℃付近)におけ
る耐貫通性確保に必要な低温での柔軟性が十分でない。
逆に、アセタール化が80モル%を超えると、合わせガ
ラスの耐貫通性に必要な高温(40℃付近)における剛
性が著しく低下するため、好ましくない。より好ましい
アセタール化度の範囲は、60〜75モル%である。
【0026】この発明において、ポリビニルアセタール
層は、ポリビニルブチラール樹脂を主成分とする層(A
1)と、ポリビニルアルコールを炭素数6〜10、好ま
しくは炭素数6〜8のアルデヒドでアセタール化して得
たポリビニルアセタール樹脂を主成分とする層(A2)
の少なくとも1層とを直接積層したものであってもよ
い。
【0027】ポリビニルアセタール層が上記層(A1)
と上記層(A2)との積層体からなる場合には、これら
の層(A1)(A2)のためのポリビニルアルコールの
重合度、ケン化度およびアセタール化度は、ポリビニル
アセタール樹脂を主成分とする層(A)のためのポリビ
ニルアルコールのそれらと同じである。
【0028】ポリビニルブチラール樹脂を主成分とする
層(A1)のための樹脂においては、アセタール化のた
めのアルデヒドとして、特にn−ブチルアルデヒドおよ
びイソブチルアルデヒドが例示できる。
【0029】ポリビニルアルコールを炭素数6〜10の
アルデヒドでアセタール化して得たポリビニルアセター
ル樹脂を主成分とする層(A2)のための樹脂において
は、アセタール化のためのアルデヒドとして、次のもの
が例示できる。即ち、炭素数6〜10のアルデヒドとし
ては、例えば、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキ
シルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、n−オクチルア
ルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、ベンズアル
デヒド、フェニルアセトアルデヒド、n−デシルアルデ
ヒド、シンナムアルデヒド等が好ましい。特に、好まし
いアルデヒドとしては、炭素数6〜8のアルデヒドであ
る。炭素数が10を超えると樹脂の剛性が低下し、合わ
せガラスの耐貫通性が十分でない。また、炭素数6〜8
のアルデヒドが特に好ましいのは、もう一つの積層され
るべき層であるエラストマー層(B)との粘弾性的性質
の相対関係からである。炭素数9〜10のアルデヒドに
よってアセタール化されたポリビニルアセタール樹脂を
主成分とする層(A2)は、エラストマー層(B)と積
層される場合、ガラス転移温度で代表される粘弾性的性
質が相対的に接近するため、拘束層的効果が減少し、遮
音性が弱まることになる。炭素数8以下のアルデヒドを
使用することによるその他の効果は、20〜40℃にお
ける耐貫通性の確保である。層(A2)のためのアルデ
ヒドとして炭素数6以上のものが好ましいのは、それぞ
れのアルデヒドによってアセタール化した層(A1)と
層(A2)間の粘弾性の差により良好な拘束層的遮音効
果が得られるからである。このような効果は、剛性が相
異なる2種以上の板が積層されている場合に、積層界面
に生じる応力発生を利用した、音エネルギーの熱エネル
ギーへの効率的な変換作用を技術的根拠としている。
【0030】ポリビニルアセタールには、通常、可塑剤
が配合される。
【0031】可塑剤の種類としては、例えば、一塩基酸
エステルおよび多塩基酸エステルが使用できる。一塩基
酸エステルの中では、トリエレチングリコールと、酪
酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプタン
酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴ
ン酸(n−ノニル酸)、デシル酸等の有機酸とのエステ
ル化反応によって得られたグリコール系エステルが好ま
しい。その他、テトラエチレングリコール、トリプロピ
レングリコールと上記のごとき有機酸とのエステルも用
いられる。
【0032】多塩基酸エステルとしては、アジピン酸、
セバチン酸、アゼライン酸等の有機酸と炭素数4〜8の
直鎖状または分子状アルコールとのエステルが好まし
い。その他、有機リン酸系、有機亜リン酸系等の可塑剤
も用いられる。より好適な例としては、一塩基酸エステ
ルでは、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチ
レート、トリエチレングリコール−ジ−n−ヘキソエー
ト、トリエチレングリコールジ2−エチルヘキソエー
ト、トリエチレングリコール−ジ−カプロエート等が挙
げられ、2塩基酸エステルとしては、ジブチルフタレー
ト、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブ
チルカルビトールアジペート等が挙げられる。また、リ
ン酸系エステルとしては、トリブトキシエチルフォスフ
ェート、イソデシルフェニルホスフェート等が好まし
い。
【0033】可塑剤の配合割合は、ポリビニルアセター
ル樹脂100重量部に対して、20重量部〜60重量部
が好ましい。20重量部より少ないと、低温にける柔軟
性が乏しくなり、ポリビニルアセタール層(A)と透明
なエラストマー層(B)との剥離が発生し易いため、耐
貫通性が十分でない。
【0034】接着力調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤
を必要に応じて添加することもある。
【0035】接着力調整剤は、通常ガラスとの接着力を
多少弱めることによるガラスとの剥離エネルギーの上昇
により、合わせガラスの耐貫通性を確保するものであ
る。接着力調整剤としては、カルボン酸の金属塩、例え
ば、オクチル酸、ヘキシル酸、酪酸、酢酸、蟻酸等のカ
リウム、ナトリウム等のアルカリ金属塩、カルシウム、
マグネシウム等のアルカル土類金属塩、亜鉛、コバルト
塩等が用いられる。
【0036】酸化防止剤としては、多用されるターシャ
リーブチルヒドロキシトルエン(BHT)のほか、イル
ガノックス1010(チバガイギー社製)に代表される
フェノール系が用いられる。
【0037】紫外線吸収剤としては、ヘンゾトリアゾー
ル系、ヒンダードアミン系のものが挙げられる。ベンゾ
トリアゾール系では、例えば、チバガイギー社製の「チ
ヌビンP」、「チヌビン326」等が好適に用いられ
る。ヒンダードアミン系では、アデカアーガス社製の
「LA−57」が好ましい。
【0038】ポリビニルアセタール樹脂を得る方法とし
ては、例えば、ポリビニルアルコールを熱水に溶解して
ポリビニルアルコール水溶液とし、この溶液を所定温度
に保持した後、ここに上記のアルデヒドと触媒を加え、
アセタール化反応を進行させ、その後、反応液を所定温
度で高温保持した後に、中和、水洗、乾燥の諸工程を経
て樹脂粉末を得る方法がある。
【0039】樹脂と可塑剤の混合方法としては、通常、
ニーダー等の混合容器中で40℃〜100℃の範囲で、
ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤の各所定量を混合し
たのち、必要ならば接着力調整剤、酸化防止剤、紫外線
防止剤を添加する方法が行なわれる。このようにして得
られた配合物を、プレス製膜機を用いて成形し、シート
とする。
【0040】つぎに、透明なエラストマーを主成分とす
る層(B)について説明する。
【0041】透明なエラストマーを主成分とする層
(B)にはエラストマーに対して2〜8重量部のシリカ
が分散されていてもよい。
【0042】透明なエラストマーは、エチレンプロピレ
ンジエンターポリマーおよび/またはエチレンプロピレ
ンコポリマーに限定される。そして、エチレンプロピレ
ンジエンターポリマーの場合、好ましいジエン成分とし
ては、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエ
ン、1,4−ヘキサンジエン等の一般に知られているジ
エンが例示できる。これらエラストマーについては、シ
リカの分散性に関係するムーニー粘度と、透明性に関係
するエチレン/プロピレン比とが規定される。ムーニー
粘度としては、ML1+4 (10℃)で、30〜70の範
囲が好ましい。ムーニー粘度が30より低いと、混練
時、シリカの分散のために必要な剪断力が得られず、好
ましくない。粘度が70を超えると、混練時に粘度が高
すぎるためシリカが十分に分散せず、いずれもヘイズの
悪化を引き起こす。さらに、エチレン/プロピレン比は
20/80〜70/30の範囲にあることが好ましい。
この比率がこの範囲より低すぎると、強度が著しく悪化
し好ましくない。逆にこの比率が上記範囲より高すぎる
場合は、透明性が低下し、好ましくない。具体的には、
日本合成ゴム社製のJSR EP21、同EP33、デ
ュポン社製のNordel−1320、同1440等が好まし
い例である。その他、エクソンケミカル社製のVistalon
−457、同503が好ましい。
【0043】ここで、素材をエチレンプロピレンジエン
ターポリマーとエチレンプロピレンコポリマーに限るの
は、その屈折率が、ポリビニルアセタール系樹脂のそれ
に非常に近いことによる。もちろん、ポリエチレンブチ
ラール樹脂を主成分とする層(A1)の屈折率と、ポリ
ビニルアルコールを炭素数6〜10のアルデヒドでアセ
タール化して得たポリビニルアセタール樹脂を主成分と
する層(A2)の屈折率は、非常に近いが故に、光学的
にも成形および積層技術的にも有利である。その他のエ
ラストマーは、いずれもポリビニルアセタールの屈折率
と差が大きく、ポリビニルアセタール層(A)とエラス
トマー層(B)の界面における平滑性を高度に達成しな
ければ、光学的に歪みが生じることになり、実用上、困
難が大きい。それに対して、この発明では、平滑性にお
いては、通常達成できる成形技術の水準で十分、光学的
な歪みのない合わせガラスを得ることができる。
【0044】エラストマーには、架橋剤、強度補強剤と
してシリカを適宜添加することができる。
【0045】架橋剤としては、一般的に使用されるパー
オキサイド、硫黄等が例示できる。例えば、パーオキサ
イドでは、特表昭62−500457号公報に記載され
ているように、ジターシャリーブチルパーオキサイド、
キュメンハイドロパーオキサイド等が好適である。
【0046】強度補強剤としては、透明性確保のために
シリカが好適である。そのシリカの粒子径は、光の波長
より十分小さい径である10nm〜30nmの範囲の一
次粒子径が好ましい。10nmより小さいと、シリカ粒
子の凝集力が強すぎて、分散が悪くなり、ヘイズが発生
し、合わせガラスとして必要な透明性を損なう。また、
粒子径が40nmを超えると、絶対的な粒子径が大きす
ぎて、同様にヘイズが著しく悪化する。具体的には、例
えば、日本アエロジル社製のAEROSIL(アエロジ
ル)130、同200、同200Vが好適である。その
他、特表昭62−500457号公報に記載のシリカで
あるキャボット社製のキャボシルMS−7も使用でき
る。
【0047】シリカをエラストマーマトリックス中で安
定化させるためにシランカップリング剤が使用されても
よい。シランカップリング剤の配合量はせいぜい8重量
部にとどまるが、例えば、日本ユニカー社製のシランカ
ップリング剤であるA−174(γ−メタクリルオキシ
プロピルトリメトキシシラン)、同A−152(ビニル
トリエトキシシラン)が使用できる。
【0048】シリカの添加量については、特表昭62−
500457号公報では、エラストマー100重量部に
対して10〜80重量部が好ましいとあるが、本発明で
は、破断強度を保つべく多量に添加する必要がある特表
昭62−500457号のものとは違い、2〜8重量部
が好ましい。シリカが2重量部未満であれば、エラスト
マー層として必要な最低限の強度が得られず、合わせガ
ラスとした場合に、エラストマー層の積層効果が見られ
ない。シリカが8重量部を超えると、エラストマーとし
ての破断強度は増すが、無機材料が多くなり過ぎるた
め、引き裂き強度が弱くなり、耐貫通性は向上しない。
むしろ、透明性は穏やかにではあるが悪化の傾向を示
し、好ましくない。
【0049】エラストマーには酸化防止剤、紫外線吸収
剤が配合されることもある。これらの化学剤としては、
ポリビニルアセタールの場合と同様のものが用いられて
よい。
【0050】エラストマー層の成形方法は、例えば次の
ように行なう:2本ロール等で素練りしたエラストマー
にシリカを2〜8重量部配合し、そこに常温で、架橋剤
としての過酸化物を配合する。このようにしてできた配
合物を、155〜160℃に加熱されたプレス機で成形
シートとする。
【0051】ポリビニルアセタール層(A)とエラスト
マー層(B)の関係については、ポリビニルアセタール
層(A)の合計の厚みの範囲の下限は0.3mm、上限
は0.9mmが好ましい。0.3mm未満では、20℃
付近における耐貫通性をエラストマー層(B)で補完で
きない。また、20℃における耐貫通性を考慮すると、
上記上限は0.9mmで十分である。
【0052】エラストマー層(B)の合計厚みの範囲の
下限は0.3mm、上限は1.5mmが好ましい。0.
3mm未満では、−20℃付近と40℃付近での耐貫通
性が十分でない。上限を1.5mmとした理由は、耐貫
通性の観点からではなく、遮音性能として十分な実用特
性を考慮したためである。この厚みを超しても、遮音性
能は飽和状態である。
【0053】積層枚数、積層順序は、任意に選べる。ポ
リビニルアセタール層(A)とエラストマー層(B)の
層数はそれぞれ少なくとも1層である。ポリビニルアセ
タール層(A)が層(A1)と層(A2)との積層体か
らなる場合も上記と同じである。
【0054】耐貫通性は、各層の枚数と関係せず、合計
厚みのみに関係する。しかし、遮音性能については、層
(A)と層(B)の界面の数が多くなればなるほど、音
の反射と吸収が大きくなることが、遮音に対する好まし
い効果である。
【0055】ポリビニルアセタール層(A)が層(A
1)と層(A2)との積層体からなる場合は、層(A
1)と層(A2)の界面数が多い積層構成の方が、遮音
性能に好ましいことはいうまでもない。即ち、例えば、
層(B)/層(A1)/層(A2)/層(B)より、層
(B)/層(A1)/層(A2)/層(A1)/層
(B)の方が遮音性について好ましい組合せである。
【0056】さらに、ポリビニルアセタール層(A)と
エラストマー層(B)というガラス転移温度の異なる2
層が交互に積層されることによる拘束層的効果によっ
て、音エネルギーが熱エネルギーへより効率的に変換さ
れることも好ましい効果である。
【0057】以下に積層構成を例示するが、この場合、
層(A)として表現されているものの好ましい組合せ
は、2層の場合、層(A1)/層(A2)、または、層
(A2)/層(A1)であり、3層の場合、例えば、層
(A1)/層(A2)/層(A1)でも、(A1)と
(A2)とを入れ換えた構成でもよく、より多層の構成
でもよい。
【0058】以上を前提として、最も単純な例として
は、層(A)/層(B)が挙げられる。
【0059】その他、層(A)/層(B)/層(A)、
層(B)/層(A)/層(B)、層(B)/層(A)/
層(B)/層(A)等が例示できる。各層の厚みは、積
層の構成枚数によって決定されるが、一枚の層としての
最低の厚みは層(A1)、層(A2)、層(B)共、そ
れぞれ、0.05mmが好ましい。これ以下の厚みでの
層構成は、それによる遮音性能の向上は図れるものの、
層の成形と積層工程の煩雑化等、作業性の点から好まし
くないばかりか、多層積層時の界面における歪みが加算
されることになる点で問題がある。
【0060】ポリビニルアセタール層(A)とエラスト
マー層(B)の界面の接着性については、特別の処理を
施さなくても、合わせガラスとして必要な最少限の接着
力が得られる。合わせガラスの使用条件上、必要とされ
る場合には、ポリビニルアセタール層(A)とエラスト
マー層(B)の接着力をさらに向上させる目的で、ポリ
ビニルアセタール層(A)またはエラストマー層(B)
の表面に、チタネート系カップリング剤やシランカップ
リング剤によるエラストマー表面のプライマー処理を施
すことが好ましい。例えば、チタネート系カップリング
剤としては、日本曹達社製のC−151、同S−152
等が通常使用される。シランカップリング剤としては、
前述の日本ユニカー社製のA−174、A−151が好
ましい。
【0061】エラストマーとガラスの接着については、
エラストマー層の表面を前述のシランカップリング剤に
よるプライマー処理等の方法で接着性を高める方法の
他、ガラスとの接着が本質的に公知であるポリビニルア
セタール層で挾み込む積層構成も好ましい方法である。
【0062】ポリビニルブチラール層(A1)とポリビ
ニルアルコールを炭素数6〜10のアルデヒドによって
アセタール化して得たポリビニルアセタール層(A2)
の積層方法は、共押し出し法による多層成形法や、一層
づつ別々に押し出ししたのち、一枚ずつ重ね合わせて積
層する方式等、多くの方法が採用できる。層(A1)お
よび層(A2)はいずれもポリビニルアセタール樹脂と
して総称される樹脂を主成分とする層であり、特別のプ
ライマー処理等がなくとも十分接着性がよい。
【0063】ポリビニルアセタール層(A)とエラスト
マー層(B)の積層方法については、それぞれ別々の複
数の押し出し成形機で連続シートを製造し、連続的に積
層する方式が最も一般的である。その他の方式として
は、それぞれの素材について別々に複数の押し出し成形
機等で連続的に製造したものを、所定の形に切断し、所
定の積層構成に重ね合わせた後、熱圧着プレス機で、溶
融圧着する方式がある。後者の方式は、特に複雑な多層
構成のシートを製造する場合に適している。
【0064】ガラス板間に積層して合わせガラスを製造
するには、通常の合わせガラスの製造に用いられる方法
が採用される。例えば、上記の種々の方法で積層され
た、ポリビニルアセタール層とエラストマー層からなる
層をガラス板で挾み込み、熱圧着プレスで合わせガラス
を製造する方法が行なわれる。
【0065】
【実施例】以下、この発明の合わせガラスの実施例を説
明する。尚、合わせガラスの耐貫通性および遮音性能に
ついては、次の方法により試験を行なった。
【0066】合わせガラスの作成 得られた中間膜を両側から30cm角、厚み3mmのフ
ロートガラスで挾み、これらを熱圧着プレスにて圧着さ
せ、合わせガラスを得た。
【0067】耐貫通性試験 試験片として上記合わせガラスを支持枠に水平に保持
し、−20℃、20℃、40℃の温度条件で、上方から
2.26kgの鋼球を試験片の中央部に自由落下させ
る。鋼球を落下させる高さを漸次上下させながら、同じ
高さで繰り返し行なった。試験数の50%に相当する回
数において鋼球の貫通が妨げられる高さを求め、この時
の鋼球とガラス面の距離をもって「平均貫通高さ」と称
する。従って、平均貫通高さの数値が大であるほど、耐
貫通性能が大であることを示す。
【0068】遮音性試験 上記合わせガラスから3cm×30cmの試験片を切り
出し、試験片を通常用いられているダンピング装置にて
加振し、そこから得られる損失係数と、ガラスとの強震
周波数の比とから、透過損失を算出した(測定温度/−
20℃〜+40℃)。
【0069】この結果に基づき、周波数2000Hz付
近における極小の透過損失をもってTL値とした。
【0070】実施例1 純水2910gに、重合度1700、ケン化度99.2
モル%のポリビニルアルコール190gを加えて加温溶
解した。この反応系を温度調節し、35%塩酸201g
と、n−ブチルアルデヒド124gを添加し、ポリビニ
ルブチラールを析出させた後、反応系を50℃で4時間
保って反応を完了させてポリビニルブチラールの樹脂粉
末を得た(アセタール化度=66.3モル%)。
【0071】このポリビニルブチラールを50g採取
し、この樹脂100重量部に対して40重量部に相当す
る量の可塑剤(トリエチレングリコール−ジ−2−エチ
ルブチレート=「3GH」と略す。)を20g加えてミ
キシングロールで十分に混練し、そこに接着力調整剤と
して、酢酸カリウムを0.05g、酸化防止剤としてB
HTを0.2重量部、紫外線吸収剤としてチヌビンPを
0.15重量部それぞれ添加した。得られた混練物の所
定量をプレス成形機で150℃、30分間保持すること
によって、厚さ0.4mmのポリビニルブチラール膜を
得た。
【0072】一方、エチレンプロピレンジエンターポリ
マーとして市販されている日本合成ゴム社製のJSR
EP21を100g用いた。このエラストマーをミキシ
ングロールで十分素練りした後、エラストマー100重
量部に対して6重量部のシリカ(日本アエロジル社製=
アエロジル−200)を添加し十分に分散させた。その
後、架橋剤として、ジターシャリーブチルパーオキサイ
ドを1.5重量部添加した。このようにして得られたエ
ラストマー組成物を155℃で15分間加熱プレスする
ことによって、0.5mmのエラストマーシートとし
た。
【0073】このようにして成形されたポリビニルブチ
ラールを主成分とする層(A)とエラストマー層(B)
とを各1層づつ重ね合わせ、得られた中間膜を両側から
3mmのガラスで挾み込み、熱圧プレスにより、透明な
合わせガラスを製造した。
【0074】尚、エラストマー層(B)としては、次の
方法でプライマー処理したものを熱圧プレス工程に用い
た。即ち、シート成形ののち、ガラスとの接着面に、予
めエチルアルコール中にチタネート系カップリング剤、
C−151(日本曹達社性)の10%希釈液をコーター
等で5μmの厚み(乾燥時)相当量に塗布し、約120
℃で10分間溶剤を揮発させた。
【0075】得られた合わせガラスを前述の耐貫通性試
験および遮音性試験に供した。
【0076】その結果を表3に示す。
【0077】実施例2〜4 エラストマーの種類、シリカの配合割合、積層構成およ
び膜厚を表1に示すものに変え、実施例1と同じ操作で
合わせガラスを得た。これらについても耐貫通性試験お
よび遮音性試験を行なった。その結果を表1に示す。
【0078】実施例5 ポリビニルアセタール樹脂を主成分とする層として、実
施例1で形成したポリビニルブチラールを主成分とする
層(A)と、下記方法により合成したポリビニルヘキシ
ルアセタールを用いて実施例1と同じ操作で形成したポ
リビニルヘキシルアセタールを主成分とする層(A´)
との2層を用い、エラストマーの種類、シリカの配合割
合、積層構成および膜厚を表1に示すものに変え、実施
例1と同じ操作で合わせガラスを得た。これらについて
も耐貫通性試験および遮音性試験を行なった。その結果
を表1に示す。
【0079】ポリビニルヘキシルアセタールの合成:純
水2900gに、重合度1700、ケン化度99.2モ
ル%のポリビニルアルコール190gを加えて加温溶解
した。この反応系を温度調節し、35%塩酸201g
と、n−ヘキシルアルデヒド155gを添加し、ポリビ
ニルヘキシルアセタールを析出させた後、反応系を40
℃で3時間保って反応を完了させ、ポリビニルヘキシル
アセタールの樹脂粉末を得た(アセタール化度=65.
1モル%)。
【0080】比較例1〜3 ポリビニルアセタール、可塑剤、エラストマーおよびシ
リカのうちいずれかを使用せず、積層構成および膜厚を
表2に示すものに変え、実施例1と同じ操作で合わせガ
ラスを得た。これらについても耐貫通性試験および遮音
性試験を行なった。その結果を表2に示す。
【0081】実施例6 実施例1と同じ操作で厚さ0.2mmのポリビニルブチ
ラール膜を得た。
【0082】さらに、ポリビニルアルコールをn−オク
チルアルデヒドでアセタール化したポリビニルアセター
ルは次の方法で製造した。
【0083】純水2900gに、重合度1700、ケン
化度99.2モル%のポリビニルアルコール190gを
加えて加温溶解した。この反応系を温度調節し、35%
塩酸201gと、n−オクチルアルデヒド202gを添
加し、ポリビニルアセタールを析出させた後、反応系を
40℃で6時間保って反応を完了させてポリビニルアセ
タールの樹脂粉末を得た(アセタール化度=68.8モ
ル%)。
【0084】このポリビニルアセタールを実施例1と同
じ操作で膜化し、厚さ0.2mmのポリビニルアセター
ル膜を得た。
【0085】一方、実施例1と同じ操作で厚さ0.5m
mのエラストマーシートを得た。
【0086】このようにして成形されたポリビニルブチ
ラールを主成分とする層(A)、ポリビニルアルコール
をn−オクチルアルデヒドでアセタール化したポリビニ
ルアセタールを主成分とする層(A2)、およびエラス
トマー層(B)とを各1層づつ重ね合わせ、得られた中
間膜を両側から3mmのガラスで挾み込み、熱圧プレス
により、透明な合わせガラスを製造した。
【0087】尚、エラストマー層(B)は実施例1と同
様にプライマー処理した。
【0088】得られた合わせガラスを前述の耐貫通性試
験および遮音性試験に供した。
【0089】その結果を表3に示す。
【0090】実施例7 積層構成および膜厚を表3に示すものに変えた以外、実
施例6と同じ操作で合わせガラスを得た。これについて
も耐貫通性試験および遮音性試験を行なった。その結果
を表3に示す。
【0091】実施例8 実施例5で合成したポリビニルヘキシルアセタールを用
いて層(A2)を形成した以外、実施例6と同様にして
合わせガラスを得た。これについても耐貫通性試験およ
び遮音性試験を行なった。その結果を表3に示す。
【0092】実施例9 純水2900gに、重合度1700、ケン化度99.2
モル%のポリビニルアルコール190gを加えて加温溶
解した。この反応系を温度調節し、35%塩酸201g
と、イソブチルアルデヒド120gを添加し、ポリビニ
ルアセタールを析出させた後、反応系を50℃で4時間
保って反応を完了させ、層(A2)用の樹脂としてポリ
ビニルアセタールの樹脂粉末を得た(アセタール化度=
65.6モル%)。
【0093】このポリビニルアセタール樹脂を用いて層
(A2)を形成し、エラストマーの種類、シリカの配合
割合、積層構成および膜厚を表3に示すものに変え、実
施例6と同じ操作で合わせガラスを得た。これについて
も耐貫通性試験および遮音性試験を行なった。その結果
を表3に示す。
【0094】比較例4〜6 ポリビニルブチラール(A1)、ポリビニルアセタール
(A2)およびエラストマーのうちいずれかを使用せ
ず、積層構成および膜厚を表4に示すものに変え、実施
例6と同じ操作で合わせガラスを得た。これらについて
も耐貫通性試験および遮音性試験を行なった。その結果
を表4に示す。
【0095】
【表1】
【0096】
【表2】
【0097】
【表3】
【0098】
【表4】
【0099】表1〜表4中、 Ald :アルデヒド 3GH:可塑剤(トリエチレングリコール−ジ−2−エ
チルブチレート) JSR EP21:日本合成ゴム社製のエラストマー
(エチレンプロピレンジエンターポリマー) Nordel−1320:デュポン社製のエラストマー(エチ
レンプロピレンジエンターポリマー) アエロジル−200:日本アエロジル社製のシリカ
【0100】
【発明の効果】この発明は、以上のごとく構成されてい
るので、透明性、耐候性等の合わせガラスとして必要な
基本性能を損なうことなく、広い温度領域で、耐貫通性
と遮音性能が共に優れた合わせガラスの中間膜を提供す
ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアセタール樹脂を主成分とす
    る層(A)と、エチレンプロピレンジエンターポリマー
    および/またはエチレンプロピレンコポリマーからなる
    透明なエラストマーを主成分とする層(B)とがそれぞ
    れ少なくとも1層以上積層されてなることを特徴とする
    合わせガラス用中間膜。
JP20959491A 1991-08-21 1991-08-21 合わせガラス用中間膜 Pending JPH0551243A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20959491A JPH0551243A (ja) 1991-08-21 1991-08-21 合わせガラス用中間膜

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20959491A JPH0551243A (ja) 1991-08-21 1991-08-21 合わせガラス用中間膜

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0551243A true JPH0551243A (ja) 1993-03-02

Family

ID=16575412

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20959491A Pending JPH0551243A (ja) 1991-08-21 1991-08-21 合わせガラス用中間膜

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0551243A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007298982A (ja) * 1996-11-26 2007-11-15 Saint Gobain Vitrage 車両用の防音効果を有する積層グレイジングアッセンブリー
JP2013023434A (ja) * 2011-07-22 2013-02-04 Kuraray Europe Gmbh 可塑剤含有ポリビニル(イソ)アセタールからの部分層を含有する減衰特性を有する薄膜積層体
JP2016069279A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
WO2016076336A1 (ja) * 2014-11-10 2016-05-19 株式会社クラレ 合わせガラス用中間膜および合わせガラス
WO2019131520A1 (ja) * 2017-12-28 2019-07-04 株式会社アドマテックス 可塑剤組成物、その製造方法、透明フィルム、及び合わせガラス
US10538063B2 (en) 2016-05-09 2020-01-21 Kuraray America, Inc. Multilayer interlayer and glass laminate
US20200399576A1 (en) * 2017-12-27 2020-12-24 Sekisui Chemical Co., Ltd. Scaffolding material for cell cultures and cell culture method using same

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007298982A (ja) * 1996-11-26 2007-11-15 Saint Gobain Vitrage 車両用の防音効果を有する積層グレイジングアッセンブリー
JP2013023434A (ja) * 2011-07-22 2013-02-04 Kuraray Europe Gmbh 可塑剤含有ポリビニル(イソ)アセタールからの部分層を含有する減衰特性を有する薄膜積層体
JP2016069279A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
CN107108352A (zh) * 2014-11-10 2017-08-29 株式会社可乐丽 夹层玻璃用中间膜和夹层玻璃
JPWO2016076336A1 (ja) * 2014-11-10 2017-07-20 株式会社クラレ 合わせガラス用中間膜および合わせガラス
JP2017124971A (ja) * 2014-11-10 2017-07-20 株式会社クラレ 合わせガラス用中間膜および合わせガラス
WO2016076336A1 (ja) * 2014-11-10 2016-05-19 株式会社クラレ 合わせガラス用中間膜および合わせガラス
CN107108352B (zh) * 2014-11-10 2021-01-05 株式会社可乐丽 夹层玻璃用中间膜和夹层玻璃
US10899112B2 (en) 2014-11-10 2021-01-26 Kuraray Co., Ltd. Interlayer film for laminated glass and laminated glass
US10538063B2 (en) 2016-05-09 2020-01-21 Kuraray America, Inc. Multilayer interlayer and glass laminate
US20200399576A1 (en) * 2017-12-27 2020-12-24 Sekisui Chemical Co., Ltd. Scaffolding material for cell cultures and cell culture method using same
WO2019131520A1 (ja) * 2017-12-28 2019-07-04 株式会社アドマテックス 可塑剤組成物、その製造方法、透明フィルム、及び合わせガラス
US11732109B2 (en) 2017-12-28 2023-08-22 Admatechs Co., Ltd. Plasticizer composition, method for producing same, transparent film, and laminated glass

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3050967B2 (ja) 遮音性中間膜
US10611126B2 (en) Polymer interlayers having improved sound insulation properties
KR100458923B1 (ko) 합판 유리용 중간막 및 합판 유리
JPH05138840A (ja) 遮音性中間膜
KR20140138860A (ko) 결함 억제 차음 중합체 중간층
JP3204890B2 (ja) 遮音性合わせガラス用中間膜及び遮音性合わせガラス
CN109130391B (zh) 夹层玻璃用树脂膜,以及夹层玻璃及其制造方法
JP4555855B2 (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP5177364B2 (ja) 合わせガラス用中間膜の製造方法
KR20150128929A (ko) 폴리(비닐 부티랄)의 반응성 압출 첨가제로서의 과산화수소
JP2001316140A (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JPH05310449A (ja) 合わせガラス用中間膜及びそれを用いた合わせガラス
JP6244306B2 (ja) 合わせガラス用中間膜、合わせガラス用中間膜の製造方法及び合わせガラス
JP2562237B2 (ja) 遮音性合わせガラス用中間膜
JP3377848B2 (ja) 合わせガラス用中間膜及びそれを用いた合わせガラス
JPH1036146A (ja) 遮音性合わせガラス
JPH0551243A (ja) 合わせガラス用中間膜
JP2000191348A (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP6222521B2 (ja) 合わせガラス用中間膜および合わせガラス
JPH06115981A (ja) 合わせガラス用中間膜
JPH10316454A (ja) 異種合わせガラス
JPH10338556A (ja) 異種合わせガラス
JP3036916B2 (ja) 積層安全ガラス
JPH07309990A (ja) 合わせガラス用中間膜
US10553193B2 (en) Polymer interlayers having improved sound insulation properties