JP3125510B2 - 誘導加熱装置 - Google Patents

誘導加熱装置

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JP3125510B2
JP3125510B2 JP05081026A JP8102693A JP3125510B2 JP 3125510 B2 JP3125510 B2 JP 3125510B2 JP 05081026 A JP05081026 A JP 05081026A JP 8102693 A JP8102693 A JP 8102693A JP 3125510 B2 JP3125510 B2 JP 3125510B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鍛造用の誘導加熱装
置に係り、特に後工程のプレス装置が停止している間の
捨て材を少なくすることができる誘導加熱装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図5は例えば「工業加熱」第27巻第4
号(平成2年・社団法人・日本工業炉協会発行)に記載
された従来の誘導加熱装置の構成を示すブロック図、図
6は図5に示す従来の誘導加熱装置の昇温特性を示す曲
線図である。図において、1は低温領域用の第1の加熱
コイル、2は高温領域用の第2の加熱コイル、3は第1
の加熱コイル1に高周波電力を供給する低温領域用の第
1の高周波インバータ装置、4は第2の加熱コイル2に
高周波電力を供給する高温領域用の第2の高周波インバ
ータ装置、5は第1および第2の加熱コイル1、2内を
ピンチローラ6を介して搬送される鋼材等の被加熱材、
7はピンチローラ6を駆動回転させるモータ、8はこの
モータ7の回転速度を制御する速度制御装置、9はこの
速度制御装置8および両高周波インバータ装置3、4を
それぞれ制御する制御装置である。
【0003】以下、上記のように構成された従来の誘導
加熱装置の動作について説明する。まず、定常運転時の
場合、被加熱材5はピンチローラ6によって連続的に第
1の加熱コイル1、第2の加熱コイル2内を搬送され
て、所定の温度(通常は1200℃前後)に昇温させら
れた後装置外に排出され、図示しない後工程(プレス装
置)に送られる。そして、この定常運転時における第1
および第2の加熱コイル1、2内の被加熱材5の昇温過
程は、図6中の曲線aで示すように常温から所定の温度
に漸次上昇して行く。又、この間、第1および第2のイ
ンバータ装置3、4から出力される電力は、制御装置9
により曲線aに沿うように制御されている。
【0004】次に、保温運転の場合について説明する。
まず、誘導加熱装置が連続運転中に、後工程であるプレ
ス装置が例えば故障等で停止した場合、速度制御装置8
から停止指令が出されてモータ7が停止し、ピンチロー
ラ6が回転を停止することにより被加熱材5の搬送も停
止する。そして、これと同時に制御装置9の制御により
第1および第2の高周波インバータ装置3、4が停止
し、第1および第2の加熱コイル1、2への電力供給も
停止する。
【0005】次いでプレス装置が運転を再開する時に
は、両加熱コイル1、2内の被加熱材5の昇温過程は、
定常運転時の昇温過程を示す図6中の曲線aと比較し全
体に低下している。この低下の度合いは停止時間が長い
程大きくなる。したがって、誘導加熱装置の運転を再開
しても、第2の加熱コイル2の出口に位置する被加熱材
5、すなわち誘導加熱装置より排出される被加熱材5の
温度は、正規の昇温過程を経たものではないため所定の
温度には到達していない。このような状態には、誘導加
熱装置の停止時に両加熱コイル1、2内に存在する全て
の被加熱材5がなっており、これらの被加熱材5はプレ
ス装置で正規のプレスができないため、プレス装置の手
前でバイパス装置(図示せず)によりライン外に排出さ
れる。
【0006】保温運転は、このようにバイパス装置によ
ってライン外に排出される被加熱材5の数量を低減する
ためになされるもので、プレス装置が停止すると、制御
装置9から速度制御装置8へ保温速度指令が出され、速
度制御装置8はモータ7の回転速度を制御し、ピンチロ
ーラ6を介して被加熱材5の搬送速度を定常時の搬送速
度の約1/2に低下するとともに、制御装置9から両高
周波インバータ装置3、4へも保温速度に応じて、両高
周波インバータ装置3、4から両加熱コイル1、2に供
給される電力の値を、定常運転時の供給電力値の1/2
に低下させるよう指令が出される。なお、電力を1/2
に低下させた場合に、両高周波インバータ装置3、4か
ら出力される電圧値は、定常運転時に出力される電圧値
の約√1/2倍(約0.7倍)になる。
【0007】このように、従来装置では保温運転時にお
ける搬送速度を、定常運転時の搬送速度の1/2に低下
させることにより、ライン外に排出される被加熱材5の
数量を減少させ、又、両加熱コイル1、2に供給される
電力を完全に0にするのではなく、定常運転時の1/2
の電力を供給することにより、定常運転復帰後、比較的
速く所定の温度に到達できるようにしている。なお、プ
レス装置が運転を再開すると、搬送速度および両高周波
インバータ装置3、4から供給される電力を、それぞれ
定常運転時の値に復帰させ、誘導加熱装置は定常運転を
再開する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の誘導加熱装置は
以上のように構成され、保温運転中にも加熱された被加
熱材5が捨て材としてライン外に排出されるので、被加
熱材5を再使用するためには一旦冷却する手間を要する
とともに、捨て材のためのスペース、その熱気等の対策
に大きな手間を要する等という問題点があった。したが
って、従来装置ではこの捨て材を少なくするために、保
温運転中の搬送速度を1/2に低下させているわけであ
るが、搬送速度を低下させると、図6中曲線bに示すよ
うに高温側で逆に低下する現象がある。
【0009】これは、搬送速度を1/Nに低下させる場
合、両加熱コイル3、4に供給する電力も1/Nに低下
させて、図6中曲線cに示すような昇温過程を得るが、
被加熱材5から放出される放熱損失は被加熱材温度によ
ってほぼ一定のため、供給電力値の低い高温領域におい
ては放熱損失が供給電力を上回るのが原因である。この
ように高温側で温度が低下する現象を防止するために
は、供給電力を1/Nより大きくすればよいが、供給電
力が大きくなり過ぎると第2の加熱コイル4の途中で過
昇温となり、被加熱材5が溶融する恐れも生じる。な
お、搬送速度を定常運転時の搬送速度より低下できる限
界は、一般的に定常搬送速度の40%程度である。
【0010】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、保温運転中における捨て材を最
小限に抑えることが可能な誘導加熱装置を提供すること
を目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係る請求項1
の誘導加熱装置は、複数の被加熱材を定常速度S0で連
続して搬送させる搬送手段と、連続して搬送される各被
加熱材を常温より所定の高温に誘導加熱する少なくとも
2以上のセクションに分割された加熱コイルと、これら
分割された各加熱コイルにそれぞれ高周波電力を供給す
る複数のインバータ装置と、保温指令により搬送手段の
搬送速度を定常速度S0より小さい値の第1の搬送速度
1にするとともに第1の所定時間経過後に第1の搬送
速度S1より小さい値の第2の搬送速度S2に制御し、保
温指令解除により搬送手段の搬送速度を定常速度S0
り小さく且つ第2の搬送速度S2より大きい値の第3の
搬送速度S3にするとともに第2の所定時間経過後に定
常速度S0に復帰させるように制御する搬送速度制御手
段と、各インバータ装置の各供給高周波電力の電圧を各
搬送速度S0、S1、S2、S3に応じた値の電圧V0
1、V2、V3にそれぞれ制御する電圧制御手段とを備
えたものである。
【0012】又、この発明に係る請求項2の誘導加熱装
置は、請求項1における電圧制御手段が、定常運転時の
電圧V0に対する保温運転時の各電圧V1、V2、V3の電
圧低下割合を高温領域のインバータ装置の方が低温領域
のインバータ装置より少なく制御するようにしたもので
ある。
【0013】
【作用】この発明における請求項1の誘導加熱装置の搬
送速度制御手段は、保温運転指令により被加熱材の搬送
速度を、定常運転速度から保温運転速度へ段階的に下降
させるとともに、保温運転指令解除により被加熱材の搬
送速度を、保温運転速度から定常運転速度へ段階的に上
昇させるように制御し、又、電圧制御手段は、搬送速度
制御手段により段階的に制御される各搬送速度に応じ
て、各高周波インバータ装置から各加熱コイルにそれぞ
れ供給される各高周波電力の電圧をそれぞれ制御する。
【0014】この発明における請求項2の誘導加熱装置
の電圧制御手段は、定常運転時の電圧V0に対する保温
運転時の各電圧V1、V2、V3の電圧低下割合を高温領
域のインバータ装置の方が低温領域のインバータ装置よ
り少なく制御する。
【0015】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の実施例を図について説明す
る。図1はこの発明の実施例1における誘導加熱装置の
構成を示すブロック図、図2は図1に示す誘導加熱装置
の昇温特性を示す曲線図、図3は図1に示す誘導加熱装
置の各運転状態における搬送速度の変化を示す図、図4
は一般的な誘導加熱装置の各運転状態における各供給電
力の大きさと放熱損失との関係を示す図である。図1に
おいて、第1および第2の加熱コイル1、2、第1およ
び第2の高周波インバータ装置3、4、被加熱材5、ピ
ンチローラ6、モータ7および速度制御装置8は図5に
示す従来装置のものと同様である。9はピンチローラ6
の回転数を検出するピンチローラ回転数検出器、10は
保温運転指令が出されると速度制御装置8を介してモー
タ7の回転数を変化させ、被加熱材5の搬送速度を図3
に示すように制御する搬送速度制御手段、11はこの搬
送速度制御手段10によって制御される各搬送速度に応
じた電力を、各加熱コイル1、2に供給すべく両高周波
インバータ装置3、4の電圧を制御する電圧制御手段で
ある。
【0016】次に、上記のように構成される実施例1に
おける誘導加熱装置の動作について説明する。まず、定
常運転時における昇温過程は、図2中の曲線aで示すよ
うに図6中の曲線aの従来装置の場合と同様である。次
いで、後工程であるプレス装置が例えば故障等で停止し
て保温指令が出されると、搬送速度制御手段10は速度
制御装置8を介してモータ7の回転速度を変化させ、図
3に示すように被加熱材5の搬送速度を定常速度から移
行速度に移るように制御する。一方、電圧制御手段11
は両高周波インバータ装置3、4を制御して、両加熱コ
イル1、2に移行速度に応じた電力を供給する。
【0017】この移行速度を持続する期間、すなわち、
移行期間の長さはピンチローラ回転数検出器9によって
検出され、所定の長さの移行期間が終了すると、搬送速
度制御手段10および電圧制御手段11は、それぞれ移
行速度から保温速度へ、又、移行速度に対応する供給電
力から保温速度に対応する供給電力へそれぞれ移るよう
に、速度制御装置8および両高周波インバータ装置3、
4を制御し保温運転を開始する。そして、この保温運転
期間がある程度継続された後、プレス装置が再稼働して
保温指令解除が出されると、速度制御手段10および電
圧制御手段11は、搬送速度を保温速度から移行速度
に、又、供給電力を保温速度に対応する値から移行速度
に対応する値に復帰するようにそれぞれ制御を行って再
び移行運転に戻り、上記同様所定の長さの移行期間を経
た後、定常運転に復帰する。
【0018】ここで、上記のように所定の長さの移行期
間を経た後、保温運転期間に入らなければならない理由
を説明する。すなわち、移行期間を設けずに定常運転か
ら保温運転に入る場合、昇温過程は図2に示す曲線aの
状態から曲線bの状態に短時間で変わることになるが、
第1および第2の加熱コイル1、2内に存在する各被加
熱材5の温度は、定常運転における場合と保温運転にお
ける場合とでは異なっており、短時間に変化することは
できない。特に両運転の速度比が大きい場合には、昇温
過程の差も大きく瞬時の移行は困難である。そこで、定
常運転速度と保温運転速度との中間の速度で一旦運転
し、昇温過程も中間の値で調整することにより、定常運
転から保温運転にスムーズに移行することが可能になる
わけである。
【0019】又、図2に示す両加熱コイル1、2内の昇
温過程と搬送速度および供給電力との関係は以下のよう
になる。すなわち、加熱に必要な電力は単位時間当たり
に、両加熱コイル1、2内を通過する被加熱材5の総重
量に一般的に比例するので、換言すると電力は搬送速度
に比例する。従って、両高周波インバータ装置3、4は
電圧制御手段11によって制御され、電圧を変化させる
ことによってそれぞれの搬送速度に応じた電力を、両加
熱コイル1、2に供給している。
【0020】一方、被加熱材5の放熱損失は、ステファ
ン・ボルツマンの法則により被加熱材5の温度の4乗に
比例するので、図4に示すように高温領域になるほど放
熱損失は増大して供給電力に対する割合は大きくなり、
また、この放熱損失は搬送速度に関係しないため、搬送
速度の低下に伴って供給電力が減少すると、放熱損失の
供給電力に対する割合は大きくなるので、高温領域では
放熱損失が保温運転時の供給電力を越えることがある。
この場合は、従来の技術の項でも述べたように、高温領
域においては第2の加熱コイル2の出口側の温度が逆に
低下することになるので、高温領域における供給電力
は、搬送速度の低下に応じた低減率に比例した値よりも
大きな値が要求される。
【0021】一例として、定格電力1,000kWの誘
導加熱装置を考えると、φ50の径の被加熱材5を1,
200℃に昇温させる場合、加熱コイルの全長は約3,
000mmとなるが、高温領域、すなわち、第2の加熱
コイル2(約1,100℃以上とする)の長さは約1,
000mmとなる。この場合の低温領域、すなわち、第
1の加熱コイル1内での放熱損失(加熱コイル電力に換
算)は約10kWにすぎないが、高温領域での放熱損失
は約50kWになる。定格電力を使用する搬送速度で
は、低温領域に供給される電力は約800kWなので、
たとえ搬送速度が1/5に低下しても供給電力は約16
0kWもあり、放熱損失よりはるかに大きいので、放熱
損失は無視してよい。一方、高温領域では供給電力は約
200kWなので、定格電力を使用する搬送速度では放
熱損失より大きいが、搬送速度が1/5に低下した場合
にそれに比例して供給電力を低下させると約40kWに
低下し、放熱損失より少なくなる。
【0022】以上のような観点から、移行期間および保
温運転期間の搬送速度は以下の式で決定される。 保温移行期間の搬送速度 S1=K1×S0 保温運転期間の搬送速度 S2=K2×S0 定常復帰移行期間の搬送速度 S3=K3×S0 但し、上記各式中、S0は定常運転期間の搬送速度、
1、K2、K3は速度低減係数をそれぞれ示す。
【0023】そして、これら各速度低減係数K1、K2
3は、保温運転期間の搬送速度を定常運転期間の搬送
速度の10%として設定(K2=0.1)する。また、
保温移行期間の搬送速度は定常運転期間の搬送速度と保
温運転期間の搬送速度とのほぼ中間に設定(K1=0.
5)するとともに、定常復帰移行期間の搬送速度はこれ
と同様に設定(K3=0.5)する。
【0024】又、移行期間および保温運転期間の供給電
力、すなわち、各高周波インバータ装置3、4の出力電
圧は以下の式で決定される。 (1)第1の高周波インバータ装置3(低温域用) 保温移行期間の出力電圧 VA1=√K1×VA0 保温運転期間の出力電圧 VA2=√K2×VA0 定常復帰移行期間の出力電圧 VA3=√K3×VA0 但し、上記各式中、VA0は定常運転期間の出力電圧を示
す。 (2)第2の高周波インバータ装置4(高温域用) 保温移行期間の出力電圧 VB1=√K1×VB0
×KB1 保温運転期間の出力電圧 VB2=√K2×VB0
×KB2 定常復帰移行期間の出力電圧 VB3=√K3×VB0
×KB3 但し、上記各式中、VB0は定常運転期間の出力電圧、K
B1、KB2、KB3は補正係数をそれぞれ示す。
【0025】そして、上記のように低温域用としての第
1の高周波インバータ装置3の出力電圧は、速度の低減
率の平方根で設定されるのに対して、高温域用としての
第2の高周波インバータ装置4の出力電圧は、前述した
ように被加熱材5の放熱損失を補償するために、速度の
低減率の平方根より大きめの値に設定しなければならな
い。すなわち、速度が小さいほど供給電力に対する放熱
損失の割合が大きくなるので、補正係数はそれぞれほぼ
B1=1.2、KB2=1.5、KB3=1.2に設定され
る。
【0026】このように、上記実施例1によれば、加熱
コイルを低温領域用の第1の加熱コイル1および高温領
域用の第2の加熱コイル2に分割するとともに、両高周
波インバータ装置3、4からそれぞれ異なる電力を供給
するようにしているので、搬送速度の低い範囲での保温
運転が可能となり、また、保温運転に移行するときに、
一旦搬送速度を定常運転の搬送速度と保温運転の搬送速
度との中間の値で運転させる移行期間を設けるととも
に、保温運転が解除されて定常運転に復帰するときに
も、同様の移行期間を設けるようにしたので、両加熱コ
イル1、2内の昇温過程を正常に維持することができ、
第2の加熱コイル2から被加熱材5を常に安定した温度
で排出することが可能になる。
【0027】さらに又、定常運転時における両高周波イ
ンバータ装置3、4の出力電圧VA0、VB0に対する、保
温運転時における各出力電圧VA2、VB2の電圧低下の割
合を、高温領域用としての第2の高周波インバータ装置
の出力電圧VB2の方が、低温領域用としての第1の高周
波インバータ装置の出力電圧VA2より少なくしているの
で、高温領域においても被加熱材5にその放熱損失を上
回る電力を常に供給することができるようになり、低速
の保温運転時にも適正な昇温過程を維持することがで
き、プレス装置が運転を再開した時にもただちに所定の
温度に昇温した被加熱材5をプレス装置に供給すること
ができる。
【0028】実施例2.尚、上記実施例1によれば、加
熱コイルを第1および第2の加熱コイル1、2に分割
し、この両コイル1、2に2台の第1および第2の高周
波インバータ3、4からそれぞれ電力を供給する場合に
ついて説明したが、大電力を要する誘導加熱装置ではこ
れを3台もしくはそれ以上の台数の高周波インバータ装
置により電力を供給するようにしても、上記実施例1と
同様の効果を得ることは言うまでもない。この場合は、
当然のことながら高温領域の高周波インバータ装置ほ
ど、低速運転時における電圧低下割合を少なくして放熱
損失を補償するように制御される。
【0029】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1によ
れば、複数の被加熱材を定常速度S0で連続して搬送さ
せる搬送手段と、連続して搬送される各被加熱材を常温
より所定の高温に誘導加熱する少なくとも2以上のセク
ションに分割された加熱コイルと、これら分割された各
加熱コイルにそれぞれ高周波電力を供給する複数のイン
バータ装置と、保温指令により搬送手段の搬送速度を定
常速度S0より小さい値の第1の搬送速度S1にするとと
もに第1の所定時間経過後に第1の搬送速度S1より小
さい値の第2の搬送速度S2に制御し、保温指令解除に
より搬送手段の搬送速度を定常速度S0より小さく且つ
第2の搬送速度S2より大きい値の第3の搬送速度S3
するとともに第2の所定時間経過後に定常速度S0に復
帰させるように制御する搬送速度制御手段と、各インバ
ータ装置の各供給高周波電力の電圧を各搬送速度S0
1、S2、S3に応じた値の電圧V0、V1、V2、V3
それぞれ制御する電圧制御手段とを備え、
【0030】又、この発明の請求項2によれば、請求項
1における電圧制御手段が、定常運転時の電圧V0に対
する保温運転時の各電圧V1、V2、V3の電圧低下割合
を高温領域のインバータ装置の方が低温領域のインバー
タ装置より少なく制御するようにしたので、後工程とし
てのプレス装置が停止した場合にも、きわめて低い搬送
速度で保温運転ができ、保温運転中における捨て材を最
小限に抑えることが可能な誘導加熱装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1における誘導加熱装置の構
成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す誘導加熱装置の昇温特性を示す曲線
図である。
【図3】図1に示す誘導加熱装置の各運転状態における
搬送速度の変化を示す図である。
【図4】一般的な誘導加熱装置の各運転状態における各
供給電力の大きさと放熱損失との関係を示す図である。
【図5】従来の誘導加熱装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図6】図5に示す誘導加熱装置の昇温特性を示す曲線
図である。
【符号の説明】
1、2 第1および第2の加熱コイル 3、4 第1および第2の高周波インバータ装置 5 被加熱材 6 ピンチローラ 7 モータ 8 速度制御装置 9 ピンチローラ回転数検出器 10 搬送速度制御手段 11 電圧制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21J 17/02 B21K 27/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の被加熱材を定常速度S0で連続し
    て搬送させる搬送手段と、連続して搬送される上記各被
    加熱材を常温より所定の高温に誘導加熱する少なくとも
    2以上のセクションに分割された加熱コイルと、これら
    分割された各加熱コイルにそれぞれ高周波電力を供給す
    る複数のインバータ装置と、保温指令により上記搬送手
    段の搬送速度を上記定常速度S0より小さい値の第1の
    搬送速度S1にするとともに第1の所定時間経過後に上
    記第1の搬送速度S1より小さい値の第2の搬送速度S2
    に制御し、保温指令解除により上記搬送手段の搬送速度
    を上記定常速度S0より小さく且つ上記第2の搬送速度
    2より大きい値の第3の搬送速度S3にするとともに第
    2の所定時間経過後に上記定常速度S0に復帰させるよ
    うに制御する搬送速度制御手段と、上記各インバータ装
    置の各供給高周波電力の電圧を上記各搬送速度S0
    1、S2、S3に応じた値の電圧V0、V1、V2、V3
    それぞれ制御する電圧制御手段とを備えたことを特徴と
    する誘導加熱装置。
  2. 【請求項2】 電圧制御手段は、定常運転時の電圧V0
    に対する保温運転時の各電圧V1、V2、V3の電圧低下
    割合を高温領域のインバータ装置の方が低温領域のイン
    バータ装置より少なく制御することを特徴とする請求項
    1記載の誘導加熱装置。
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