JP3123052B2 - 音響信号コンプレッサ装置 - Google Patents

音響信号コンプレッサ装置

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JP3123052B2
JP3123052B2 JP1453190A JP1453190A JP3123052B2 JP 3123052 B2 JP3123052 B2 JP 3123052B2 JP 1453190 A JP1453190 A JP 1453190A JP 1453190 A JP1453190 A JP 1453190A JP 3123052 B2 JP3123052 B2 JP 3123052B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、音声信号、楽音信号などの音響信号のダイ
ナミックレンジを変更する音響信号コンプレッサ装置に
関する。
【従来技術】
従来、この種の装置はアナログ信号処理を利用してお
り、入力アナログ信号を電圧制御型増幅器に入力すると
ともに、前記入力アナログ信号のエンベロープ(包絡
線)を整流回路及び積分回路によって検出して、前記増
幅器のゲインを前記検出エンベロープで制御することに
より、入力アナログ信号のダイナミックレンジを変更す
るようにしていた。
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記従来の装置にあっては、アナログ信号
処理を利用しているため、整流回路及び積分回路を構成
する各回路素子、電圧制御型増幅器などの精度を高める
ことが難しく、高精度のダイナミックレンジの変更が望
めなかった。また、従来の装置では、エンベロープ検出
には遅れがあるので、電圧制御型増幅器で実際に振幅が
制御される信号と、エンベロープ検出された信号との間
に時間的なずれが生じ、この時間的なずれも前記高精度
のダイナミックレンジの変更を難しくしていた。かかる
場合、電圧制御型増幅器の前段にBBDなどのアナログ遅
延素子を配設することも考えられるが、エンベロープ検
出における遅延時間の正確な把握が難しいとともに、ア
ナログ遅延素子の誤差も起因して、この場合も、高精度
のダイナミックレンジの変更は難しかった。 一方、近年、各種音響機器においては、ディジタル信
号処理を行うものが多くなっており、この場合には、音
響信号がディジタル表現されているので、このディジタ
ル表現された音響信号を用いて、同信号をディジタル表
現のままでダイナミックレンジを変更することが望まれ
ていた。 本発明は上記問題及び背景の基になされたもので、そ
の目的は、ディジタル的に音響信号のダイナミックレン
ジを変更するとともに、同変更を高精度で行う音響信号
コンプレッサ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の発明(上記請求項
1に係る発明)は、音響信号を表す入力ディジタル信号
をディジタル的に所定時間だけ遅延するディジタル遅延
手段と、前記入力ディジタル信号を絶対値変換して、同
絶対値変換された値が上昇するときカットオフ周波数が
高くなりかつ同絶対値変換された値が下降するときカッ
トオフ周波数が低くなるディジタルローパスフィルタ処
理により、同入力ディジタル信号のレベル値をディジタ
ル的に検出するディジタルレベル検出手段と、前記ディ
ジタル遅延手段の出力に接続され同遅延手段からのディ
ジタル信号と前記ディジタルレベル検出手段により検出
されたレベル値に対応した値とをディジタル演算して出
力するディジタル演算手段とにより、音響信号コンプレ
ッサ装置を構成したことにある。 また、第2の発明(上記請求項2に係る発明)は、音
響信号をリニア表示する入力ディジタル信号をディジタ
ル的に所定時間だけ遅延するディジタル遅延手段と、前
記入力ディジタル信号のレベル値をディジタル的に検出
して同レベル値を最大レベルを「0」とする負の対数に
変換して出力するディジタルレベル検出手段と、前記デ
ィジタル遅延手段の出力に接続され同遅延手段からのデ
ィジタル信号と前記ディジタルレベル検出手段からの対
数変換されたレベル値の絶対値に対応した値とをディジ
タル演算して出力するディジタル演算手段とにより、音
響信号コンプレッサ装置を構成したことにある。 さらに、第3の発明(上記請求項3に係る発明)は、
前記第1又は第2の発明に係る音響信号コンプレッサ装
置において、上記入力ディジタル信号のダイナミックレ
ンジの圧縮率を設定するものであって同設定した圧縮率
を表す圧縮率制御データを出力する圧縮率設定手段と、
上記ディジタルレベル検出手段と上記ディジタル演算手
段との間に介装されて同レベル検出手段からのレベル値
を前記圧縮率制御データで変更制御して同演算手段に供
給するレベル変更手段とを設けたことにある。
【発明の作用及び効果】
上記のように構成した第1の発明においては、音響信
号の瞬時値を表すディジタル信号が入力されると、ディ
ジタルレベル検出手段が該入力ディジタル信号のレベル
値をディジタル的に検出し、ディジタル演算手段がディ
ジタル遅延手段からのディジタル信号と前記検出レベル
値に対応した値とをディジタル演算して出力する。かか
る場合、入力ディジタル信号のレベル値が小さくなるに
従って、同信号に大きな値が乗算されるような演算がな
されれば、入力ディジタル信号のダイナミックレンジが
圧縮されて出力されるようになる。また、この場合、デ
ィジタルレベル検出手段がレベル検出に要する時間はデ
ィジタル信号処理のために正確に把握でき、かつディジ
タル遅延手段による信号の遅延時間も正確に管理できる
ので、ディジタル遅延手段が、ディジタルレベル検出手
段にてレベル検出に要する時間だけ、入力ディジタル信
号を遅延するようにすれば、レベル検出されたディジタ
ル信号に対して検出レベルに対応した値の演算を正確に
施すことができる。 そして、このような遅延、検出及び演算は全てディジ
タル処理されるとともに、前述のように、レベル検出さ
れたディジタル信号に対して検出レベルに対応した値の
演算を正確に施すことができるので、上記従来技術のよ
うな回路素子の精度、遅延時間の精度などに起因した誤
差がディジタル信号に含まれることがなくなり、第1の
発明によれば、高精度なディジタル音響信号のダイナミ
ックレンジの変更が実現できる。 さらに、ディジタルレベル検出手段は、入力ディジタ
ル信号を絶対値変換して、同絶対値変換された値が上昇
するときカットオフ周波数が高くなりかつ同絶対値変換
された値が下降するときカットオフ周波数が低くなるデ
ィジタルローパスフィルタ処理により、同入力ディジタ
ル信号のレベル値をディジタル的に検出する。したがっ
て、入力音響信号の絶対値が上昇するときにはカットオ
フ周波数を高くしてエンベロープ検出の追従性を速く、
また入力音響信号の絶対値が下降するときにはカットオ
フ周波数を低くてエンベロープ検出の追従性を鈍くする
ことができ、エンベロープ検出を簡単な回路構成で実現
できる。 また、第2の発明は、前記入力ディジタル信号の絶対
値変換及びディジタルローパスフィルタ処理を除き、前
記第1の発明とほぼ同様に動作するが、この第2発明に
おいては、入力ディジタル信号がリニア表示されてお
り、ディジタルレベル検出手段が入力ディジタル信号の
レベル値をディジタル的に検出して同レベル値を対数表
示して出力するとともに、ディジタル演算手段がディジ
タル遅延手段からのディジタル信号と前記対数表示され
たレベル値に対応した値とをディジタル演算するので、
ディジタル音響信号におけるダイナミックレンジの可変
制御が対数表現(デシベル表現)で行われるようにな
る。 その結果、第2の発明によれば、前記第1の発明の効
果に加えて、ディジタル音響信号のダイナミックレンジ
の可変制御が信号レベルの広範囲に渡ってなされるよう
になるとともに、人間の聴覚に対応した制御がなされる
ようになる。 また、ディジタルレベル検出手段は、入力ディジタル
信号のレベル値を最大レベルを「0」とする負の対数に
変換して出力し、ディジタル演算手段はディジタル遅延
手段からのディジタル信号と前記対数変換されたレベル
値の絶対値に対応した値とをディジタル演算して出力す
る。このことは、入力ディジタル信号の絶対レベルが小
さいために絶対値が大きくなる負のデシベル表示のレベ
ルデータを正の値としてそのまま扱うことを意味し、入
力レベルの小さな信号のレベルを増加させ、かつ入力レ
ベルの大きな信号のレベルを減少させることを簡単に実
現できるようになる。 さらに、第3の発明においては、圧縮率設定手段によ
り、入力ディジタル信号のダイナミックレンジの圧縮率
が設定されるとともに同設定された圧縮率を表す圧縮率
制御データが出力され、レベル変更手段が、レベル検出
手段からのレベル値を前記圧縮率制御データで変更制御
してディジタル演算手段に供給するので、入力ディジタ
ル信号に対する圧縮率が種々に変更される。 その結果、第3の発明によれば、前記第1及び第2の
発明の効果に加えて、ダイナミックレンジの可変制御に
自由度が増し、種々の音響機器への対応、音響信号に対
する種々の効果の付加が可能となって、当該音響信号コ
ンプレッサ装置の用途が広がる。
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明すると、
第1図は同実施例に係る音響信号コンプレッサ装置をブ
ロック図により示している。 この装置は、ディジタル遅延回路10、ディジタルレベ
ル検出回路20、圧縮率設定回路30、乗算器40及びディジ
タル演算回路50からなり、音声信号、楽音信号などの音
響信号の各瞬時値を時系列で表すディジタル音響信号を
入力するとともに、同信号のダイナミックレンジを変更
して出力する。なお、ディジタル音響信号は前記各瞬時
値を「2の補数」でリニア表示してなり、例えば16ビッ
トで構成されている。 ディジタル遅延回路10は16ビットのシフトレジスタで
構成されており、入力ディジタル音響信号を遅延してデ
ィジタル演算回路50へ出力する。かかる場合、前記シフ
トレジスタのステージ数は、同レジスタにシフト制御の
ために加えられるクロック信号(図示しない)の周波数
と、ディジタルレベル検出回路20及び乗算器40でそれら
の処理に要する時間とに応じて決められるもので、ディ
ジタル演算回路50にて入力ディジタル音響信号に同信号
の検出レベルに基づき形成したレベル制御データが演算
されるように設計される。 ディジタルレベル検出回路20は、第2図にその詳細が
示されているように、絶対値回路21を有する。絶対値回
路21は15個のエクスクルーシブオア回路EXOR1〜EXOR15
からなり、各エクスクルーシブオア回路EXOR1〜EXOR15
は各一方の入力に入力ディジタル音響信号の最上位ビッ
トMSBを入力し、かつ各他方の入力に同音響信号の最上
位ビットMSBを除く各ビットをそれぞれ入力している。
これにより、正の入力ディジタル音響信号、例えば「00
0…01」(16ビット)は最上位ビットMSBを除く「00…0
1」(15ビット)の信号として出力される。また、負の
入力ディジタル音響信号、例えば「111…10」(16ビッ
ト)は最上位ビットMSBを除くとともに、同ビットMSB以
外を反転した「00…01」(15ビット)の信号として出力
される。 この絶対値回路21にて絶対値変換(全波整流)された
入力ディジタル音響信号は、エンコーダ22、シフタ23及
びインバータ回路群24からなるリニア/対数変換回路に
より、入力ディジタル音響信号を対数(デシベル)表示
したデータに変換される。エンコーダ22は絶対値回路21
からの出力の最大値「11…11」(15ビット)を0デシベ
ルと見なし、同出力を浮動小数点表示した対数変換デー
タの指数部を3ビットで表示して出力する。すなわち、
このエンコーダ22は、前記15ビットのデータを上位から
順に見て初めて「1」が現れるビット位置をX番目とす
ると、前記15ビットのデータを「X−1」を表す3ビッ
トのデータに変換するように論理回路で構成されてい
る。なお、この3ビットのデータは、「000」,「001」
「010」・・・「111」の順に、0,−6,−12・・・−42デ
シベルを表すものとなる。これにより、前記15ビットの
データは次のように変換される。 シフタ23は浮動小数点表示した対数変換データの仮数
部を3ビットで表示して出力するもので、絶対値回路21
からの15ビットのデータをエンコーダ22からの3ビット
のデータ値分上位側へビットシフトすることによってそ
の出力の最上位ビットMSBが必ず「1」となるように
し、かつその上位2ビット目〜4ビット目の3ビットの
データを出力する。例えば、前記「111111111…1」〜
「100000000…0」はビットシフトされずに、上位2〜
4ビット目の「111」〜「000」の3ビットデータが出力
され、また前記「000111111…1」〜「000100000…0」
は3ビットシフトされて、上位2〜4ビット目の「11
1」〜「000」の3ビットデータが出力される。もちろ
ん、かかる場合、絶対値回路21からの15ビットのデータ
を、エンコーダ22からの出力値より「1」だけ大きなビ
ット数だけ上位側シフトして、上位3ビットを出力する
ようにしてもよい。 シフタ23からの3ビットの仮数部データはインバータ
回路群24を介してエンコーダ22からの3ビットの出力デ
ータと合体されて、6ビットのレベルデータとして出力
される。インバータ回路群24はインバータ回路INV1,INV
2,INV3で構成されており、シフタ23からの各ビット出力
を反転して出力する。このようにインバータ回路群24で
前記仮数部データを反転するのは次のような理由によ
る。 すなわち、前述のように、指数部データの作成にあた
っては、「1111…1」〜「1000…0」のデータ値を0デ
シベル、「0111…1」〜「0100…0」のデータ値を−6
デシベル、「0011…1」〜「0010…0」のデータ値を−
12デシベルなどとなるように変換し、シフタ23からは仮
数部データとして、最上位ビットMSBの「1」を削除し
た「111」〜「000」のデータ値が常に出力されるように
した。かかる場合、この仮数部データの表示は、第3図
の−6デシベル以下の三角形状のハッチング部分を、0
〜−6デシベルの三角形状のハッチング部分に写して見
ていることに等しい。一方、前記0〜−6デシベルの部
分を拡大した第4図に示すように、シフタ23から出力さ
れた仮数部に関し、絶対値の最も小さな値としての0デ
シベル(レベルとしては最大)は「111」により表さ
れ、また絶対値の最も大きな値としての−6デシベル
(レベルとしては最小)は「000」として表され、シフ
タ23の出力は負のデシベル表示としては反対の変化方向
を示している。そこで、インバータ回路群24により0〜
−6デシベルの値が「000」から「111」まで順に変化す
るように直線近似がなされて、指数部データとの整合を
とるようにしている。なお、このような説明からも理解
できる通り、前記指数部及び仮数部からなる6ビットの
レベルデータは、入力ディジタル音響信号の絶対レベル
が小さくなるに従って、絶対値が大きくなる負のデシベ
ル値で表されている。 この6ビットのレベルデータには「0000」からなる4
ビットのディジタルデータが下位側にて付加され、すな
わち前記6ビットのレベルデータが10ビットに拡張され
て減算器25aの一方の入力に供給される。減算器25aはデ
ィジタルフィルタ25の一部を構成するもので、1ステー
ジ10ビットのシフトレジスタからなる遅延回路25b(制
御クロックは省略)からのレベルデータを減算して乗算
器25cに供給する。ディジタルフィルタ25は、これらの
回路25a〜25cの他に、加算器25dを備えており、同加算
器25dは乗算器25cの出力と遅延回路25bの出力とを加算
して遅延回路25bの入力に供給する。このディジタルフ
ィルタ25は減算器25aの出力をハイパス出力とし、かつ
加算器25dの出力をローパス出力とするもので、乗算器2
5cに供給される利得係数gにより入力信号に対するロー
パス出力のカットオフ周波数特性が変更制御されるよう
になっている。すなわち、利得係数gが大きくなるに従
って、ディジタルフィルタ25のローパス特性におけるカ
ットオフ周波数が大きくなるようになっている。 減算器25aの出力は正負判別回路26aに接続されてい
る。この正負判別回路26aは比較器により構成され、減
算器25aによる減算結果が正であるか負であるかを判定
して出力する。利得メモリ26bは正負判別回路26aに制御
されて乗算器25cに利得係数gを供給するものであり、
前記判定結果が負のとき所定の大きな利得係数g1を乗算
器25cに供給し、かつ前記判定結果が正のとき所定の小
さな利得係数g2(g1>g2)を乗算器25cに供給する。そ
の結果、入力ディジタル音響信号の絶対レベルが上昇す
るときには、ディジタルフィルタ25のローパス特性にお
けるカットオフ周波数は第5図の実線に示すように高く
なって、エンベロープ検出の追従が速くなる。また、前
記音響信号の絶対レベルが下降するときには、前記カッ
トオフ周波数は第5図の2点鎖線に示すように低くなっ
て、エンベロープ検出の追従が鈍くなる。これは、前記
エンコーダ22、シフタ23及びインバータ回路群24により
対数表示されたレベルデータは負のデシベル値を表して
いるものの、同データの負を表すサインビットは省略さ
れているからである。 このようにして検出されたエンベロープを表す10ビッ
トのディジタルデータは、第1図に示すように、ディジ
タルレベル検出回路20からレベルデータとして出力され
て、乗算器40に供給される。なお、かかる場合、ディジ
タルレベル検出回路20内にて負のデシベル値を表すもの
として扱われていたレベルデータ(ただし、負を表すサ
インビットは省略)は、同検出回路20から出力された時
点から正の値として扱われる。これは、入力ディジタル
音響信号の絶対レベルが小さいために、絶対値が大きく
なる負のデシベル表示のレベルデータを正の値としてそ
のまま扱うことにより、入力レベルの小さな音響信号の
レベルを増加させ、かつ入力レベルの大きな音響信号の
レベルを減少させて、音響信号のダイナミックレンジを
変更する当該音響信号コンプレッサ装置を簡単に実現す
るためである。乗算器40はこの供給されたレベルデータ
に圧縮率設定回路30から供給される圧縮率制御データを
乗算してディジタル演算回路50へ出力する。圧縮率設定
回路30は、圧縮率を設定する操作子と、同操作子の操作
位置に応じた圧縮率制御データを出力するデータ出力回
路とを内蔵している。 ディジタル演算回路50はディジタル遅延回路10からの
16ビットのディジタル音響信号のレベルを乗算器40から
の10ビットのレベルデータ(デシベル表示)分だけ引き
上げて出力するもので、第6図に示すように、乗算器5
1、加算器52及びシフタ53からなる。 乗算器51及び加算器52はレベルデータの仮数部に関す
る演算を担当するもので、乗算器51は、ディジタル遅延
回路10からの16ビットのディジタル音響信号に、ディジ
タルレベル検出回路20から乗算器40を介して供給される
10ビットのレベルデータのうちの7ビットの仮数部を乗
算して出力する。加算器52は前記16ビットのディジタル
音響信号と前記乗算器40の乗算結果とを加算して出力す
る。その結果、ディジタル音響信号のレベルが、第7図
に示すように、0〜6,6〜12・・・デシベル間の各増分
値を表す仮数部分だけ、すなわちリニア表示で1〜2倍
分だけ線形近似により引き上げられる。 シフタ53はレベルデータの指数部に関する演算を担当
するもので、加算器52の加算結果を、前記10ビットのレ
ベルデータのうちの3ビットの指数部により表された値
に対応したビット数分だけ上位側へシフトして出力す
る。例えば、同指数部が「000」(0デシベル)を表し
ていれば、加算器17からのディジタル音響信号がそのま
ま出力される。また、同指数部が「011」(18デシベ
ル)を表していれば、加算器17からのディジタル音響信
号は3ビット上位側へシフトされ、すなわちリニア表示
で8倍されて出力される。すなわち、このシフト演算に
より、加算器17からのディジタル音響信号のレベルは、
前記3ビットの指数部により、0デシベルから42デシベ
ルまで6デシベルずつ、すなわちリニア表示で1,2,4・
・・128倍まで引き上げられる。 上記のように構成した実施例によれば、ディジタル音
響信号が入力されると、同音響信号はディジタル遅延回
路10及びディジタルレベル検出回路20に供給される。こ
のディジタル音響信号はディジタル遅延回路10により所
定時間遅延されるとともに、ディジタルレベル検出回路
20によりエンベロープ検出される。そして、ディジタル
演算回路50が、前記エンベロープを表すレベルデータに
応じて、前記遅延された入力ディジタル音響信号のレベ
ルを変更することにより、入力ディジタル音響信号のダ
イナミックレンジを変更制御する。この場合、これらの
信号処理は全てディジタルに行われるとともに、ディジ
タル遅延回路10の遅延時間はディジタルレベル検出回路
20及び乗算器40の演算に要する時間に設定されいるの
で、エンベロープ検出されたディジタル音響信号に対し
てレベル変更処理が正確に施されるようになる。その結
果、回路素子の精度、遅延時間の精度などに起因した誤
差がディジタル信号に含まれることがなくなり、高精度
なディジタル音響信号のダイナミックレンジの変更が実
現できる。 また、前記エンベロープの検出においては、ディジタ
ルレベル検出回路20内にて、絶対値回路21が入力ディジ
タル音響信号にアナログ信号処理の全波整流に相当する
処理を施した後、エンコーダ22,シフタ23及びインバー
タ回路群24が前記処理後の入力ディジタル音響信号をそ
の最大レベルを0デシベルとする浮動小数点を用いた対
数表示データに変換し、ディジタルフィルタ25が正負判
別回路26a及び利得メモリ26bにより制御されて、ローパ
ス特性におけるカットオフ周波数を入力音響信号の変化
方向に応じて変更制御することにより、入力ディジタル
音響信号のエンベロープを検出する。その結果、前記エ
ンベロープ検出が簡単な回路構成により実現できるとと
もに、同エンベロープ検出値はデシベル表示されている
ので、入力ディジタル音響信号のダイナミックレンジが
大きくても少ないビット数で、かつ人間の聴感に対応し
た形で表現される。 また、前記ディジタルレベル検出回路20からのエンベ
ロープを表すレベルデータは、乗算器40にて、圧縮率設
定回路30からの圧縮率制御データに基づき可変制御され
た後、ディジタル演算回路50にてディジタル遅延回路10
からのディジタル音響信号のレベル制御に利用されて、
同演算回路50からは前記圧縮率制御データに応じてダイ
ナミックレンジの圧縮されたディジタル音響信号が得ら
れる。すなわち、第8図の実線で示すようなダイナミッ
クレンジを有する入力ディジタル音響信号は、同図の破
線、一点鎖線、2点鎖線などに示すようなダイナミック
レンジに変更されて出力されるようになる。これによ
り、種々の音響機器への対応、音響信号に対する種々の
効果の付加が可能となって、当該音響信号コンプレッサ
装置の用途が広がる。 なお、上記実施例においては、ディジタルレベル検出
回路20にてリニア表示のデータを対数(デシベル)表示
に変換する場合、仮数部に関しては、インバータ回路群
24(第2図)を用いて線形近似するようにしたが、第9
図に示すように、同回路群24に代えてリニア/対数変換
テーブル24aを用いることにより、仮数部に関するデー
タに関してもリニア表示のデータを対数(デシベル)表
示に変換するようにしてもよい。また、上記実施例にお
いては、ディジタル演算回路50にて対数(デシベル)表
示のデータをリニア表示に変換する場合に、仮数部に関
しては、乗算器51(第6図)を用いて線形近似するよう
にしたが、第10図に示すように、同乗算器51の前段に対
数/リニア変換テーブル54を設けることにより、仮数部
に関しても対数(デシベル)表示のデータをリニア表示
に変換するようにしてもよい。これらにより、上記実施
例の線形近似による誤差がなくなり、当該音響信号コン
プレッサ装置の精度がより良好になる。 また、上記実施例においては、正負判別回路26a(第
2図)により入力ディジタル音響信号の上昇及び下降を
検出するようにしたが、第11図に示すように、同判別回
路26aに代えて、ディジタルフィルタ25への入力データ
と、同データを1ビットだけ遅延する遅延回路26cの出
力との大小を、比較器26dにて比較することにより前記
上昇及び下降を検出するようにしてもよい。 次に、上記実施例及びその変形例に係る音響信号コン
プレッサ装置の適用例について説明しておく。 第12図は本願発明に係る音響信号コンプレッサ装置10
0をディジタルオーディオシステムに組み込んだ例を示
すもので、同装置100はディスク、テープ等のディジタ
ル式のオーディオ信号源101からのディジタル音響信号
を入力するとともに、そのダイナミックレンジを変更し
て出力する。この音響信号コンプレッサ装置100にはD/A
変換器102が接続されており、同変換器102は前記ダイナ
ミックレンジの変更されたディジタル音響信号をアナロ
グ音響信号に変換して、アンプ103を介してスピーカ104
へ供給するとともに、テープレコーダ105に出力する。
これによれば、音響信号源の種類、場所、用途などに応
じて、オーディオ信号源101からの音響信号をそのダイ
ナミックレンジを変更してスピーカ104から発音させる
ことができるとともに、テープレコーダ105に新たに記
録できる。 また、第13図は前記音響信号コンプレッサ装置100を
電子楽器に適用した例を示すもので、同装置100は、鍵
盤などの演奏操作子111の操作に応じて楽音信号形成回
路112から発生されるディジタル楽音信号のダイナミッ
クレンジを変更して出力する。このダイナミックレンジ
の変更されたディジタル楽音信号はD/A変換器113にてア
ナログ楽音信号に変換され、アンプ114を介してスピー
カ115に供給され、同スピーカ115から楽音として発音さ
れる。これにより、楽音信号形成回路112にて形成され
た楽音信号に特異な音響効果が付加される。 さらに、第14図は前記音響信号コンプレッサ装置100
を電気楽器に適用した例を示すもので、同装置100は、
ギターなどの楽器本体121の弦振動をピックアップする
ピックアップ装置122にA/D変換器123を介して接続され
ている。A/D変換器123は前記ピックアップ信号をディジ
タル音響信号に変換して音響信号コンプレッサ装置100
へ供給する。音響信号コンプレッサ装置100は前記ディ
ジタル音響信号のダイナミックレンジを変更してD/A変
換器124に出力し、D/A変換器124は前記ダイナミックレ
ンジを変更したディジタル音響信号をアナログ音響信号
に変換して、アンプ125を介してスピーカ126に供給す
る。これにより、スピーカ126からは、前記ピックアッ
プ信号のダイナミックレンジを変更した楽器音が発音さ
れ、同ピックアップ信号に特異な音響効果が付加され
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る音響信号コンプレッサ
装置の全体ブロック図、第2図は第1図のディジタルレ
ベル検出回路の詳細ブロック図、第3図及び第4図は第
2図の回路におけるリニア/対数変換動作を説明するた
めのグラフ、第5図は第2図のディジタルフィルタのロ
ーパス特性を示すグラフ、第6図は第1図のディジタル
演算回路の詳細ブロック図、第7図は第6図の回路にお
ける対数/リニア変換動作を説明するためのグラフ、第
8図は当該音響信号コンプレッサ装置における音響信号
の圧縮特性を示すグラフ、第9図は第2図のリニア/対
数変換部の変形例を示す詳細ブロック図、第10図は第6
図の対数/リニア変換部の変形例を示す詳細ブロック
図、第11図は第2図のディジタル音響信号の変化方向検
出部の変形例を示す詳細ブロック図、第12図〜第14図は
当該音響信号コンプレッサ装置の適用例を示す全体ブロ
ック図である。 符号の説明 10……ディジタル遅延回路、20……ディジタルレベル検
出回路、21……絶対値回路、22……エンコーダ、23……
シフタ、24……インバータ回路群、24a……リニア/対
数変換テーブル、25……ディジタルフィルタ、26a……
正負判別回路、26b……利得メモリ、26c……遅延回路、
26d……比較器、30……圧縮率設定回路、40……乗算
器、50……ディジタル演算回路、51……乗算器、52……
加算器、53……シフタ、54……対数/リニア変換テーブ
ル。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】音響信号を表す入力ディジタル信号をディ
    ジタル的に所定時間だけ遅延するディジタル遅延手段
    と、 前記入力ディジタル信号を絶対値変換して、同絶対値変
    換された値が上昇するときカットオフ周波数が高くなり
    かつ同絶対値変換された値が下降するときカットオフ周
    波数が低くなるディジタルローパスフィルタ処理によ
    り、同入力ディジタル信号のレベル値をディジタル的に
    検出するディジタルレベル検出手段と、 前記ディジタル遅延手段の出力に接続され同遅延手段か
    らのディジタル信号と前記ディジタルレベル検出手段に
    より検出されたレベル値に対応した値とをディジタル演
    算して出力するディジタル演算手段と で構成したことを特徴とする音響信号コンプレッサ装
    置。
  2. 【請求項2】音響信号をリニア表示する入力ディジタル
    信号をディジタル的に所定時間だけ遅延するディジタル
    遅延手段と、 前記入力ディジタル信号のレベル値をディジタル的に検
    出して同レベル値を最大レベルを「0」とする負の対数
    に変換して出力するディジタルレベル検出手段と、 前記ディジタル遅延手段の出力に接続され同遅延手段か
    らのディジタル信号と前記ディジタルレベル検出手段か
    らの対数変換されたレベル値の絶対値に対応した値とを
    ディジタル演算して出力するディジタル演算手段と で構成したことを特徴とする音響信号コンプレッサ装
    置。
  3. 【請求項3】上記請求項1又は請求項2に記載した音響
    信号コンプレッサ装置において、 上記入力ディジタル信号のダイナミックレンジの圧縮率
    を設定するものであって同設定した圧縮率を表す圧縮率
    制御データを出力する圧縮率設定手段と、 上記ディジタルレベル検出手段と上記ディジタル演算手
    段との間に介装されて同レベル検出手段からのレベル値
    を前記圧縮率制御データで変更制御して同演算手段に供
    給するレベル変更手段とを 設けたことを特徴とする音響信号コンプレッサ装置。
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