JP3123034B2 - 透過型多層膜 - Google Patents

透過型多層膜

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JP3123034B2
JP3123034B2 JP32618093A JP32618093A JP3123034B2 JP 3123034 B2 JP3123034 B2 JP 3123034B2 JP 32618093 A JP32618093 A JP 32618093A JP 32618093 A JP32618093 A JP 32618093A JP 3123034 B2 JP3123034 B2 JP 3123034B2
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film
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恒之 芳賀
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、波長200nm以下の
真空紫外から軟X線領域の光を対象とした透過型多層膜
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】波長200nm以下の真空紫外から軟X
線領域の光は、ほとんどの物質に対し屈折率は真空の値
である1に極めて近く、しかも、吸収が大きいため透明
な物質は存在しない。従って、可視光で用いられている
ような透過型の光学素子を作製しようとする場合、透明
基板を用いることができないために光が透過する領域に
は支持体や基板がない構造とする必要がある。以下この
ような構造をフリースタンディングという。透過型多層
膜の構造としては図12(a)〜(d)に示す構造が知
られている。図12(a)の透過型多層膜は、透過窓を
有するシリコン基板111上にシリコン窒化膜のメンブ
レン112を有し、さらにその上に多層膜113を有す
る構造の透過型多層膜であり、メンブレン112には光
透過窓はなくフリースタンディングではない。図12
(b)の透過型多層膜は、透過窓を有するシリコン基板
114上に、光透過窓を有するシリコン窒化膜のメンブ
レン115を有し、その上に多層膜116を有する構造
の透過型多層膜であり、フリースタンディングの透過型
多層膜である。図12(c)の透過型多層膜は、図12
(a)の変形で、透過窓を有するシリコン基板117上
に、シリコン窒化膜のメンブレン118を有し、シリコ
ン基板の透過窓部分のメンブレン下面に多層膜119を
有する構造の透過型多層膜であり、メンブレンには光透
過窓はなくフリースタンディングではない。図12
(d)の透過型多層膜は、透過窓を有するシリコン基板
120上に、シリコン酸化膜とSiCの2層からなるメ
ンブレン121を有し、その上に多層膜122を有する
構造の透過型多層膜であり、メンブレン121には光透
過窓はなくフリースタンディングではない。この様な従
来の透過型多層膜においては、メンブレンとしては通常
SiN等の珪化物、BN等のホウ化物、及びダイヤモン
ド等が用いられている。また、多層膜の重元素層として
はMoが、軽元素層としてはSiが通常用いられてい
る。
【0003】このような透過型多層膜を作製する方法の
一つとして図13に示す方法が知られている。この方法
は、有機薄膜上に多層膜を成膜した後に、有機溶媒によ
り下地の有機薄膜を溶解し(a)、多層膜を支持体によ
りすくい取る(b)ことにより多層膜をフリースタンデ
ィングとする方法である(H. Nomura 等, Proc. SPIEVo
l. 1720 (1992) p395 ) 。以下、すくい上げ法と略記す
る。すくい上げ法では、反射面にしわがよりやすいた
め、(c)図のようにすくい上げたあとの有機溶媒を使
ってしわをのばす。
【0004】透過型多層膜を作製する別の方法として、
図14に示す方法が知られている。この方法は、X線露
光のマスクとして用いられるメンブレン上に多層膜を成
膜する方法である(Andrew M Hawryluk 等, J. Vac. Sc
i. Technol. B, Vol.6(1988)p2153)。シリコン基板の両
面に窒化膜を形成し(a)、裏面の光が透過する部分の
窒化膜を除去する(b)。ついで、KOH等によりシリ
コンをウエットエッチングにより除去した後(c)、表
面の窒化膜上に多層膜を形成することにより多層膜を作
製する。この時、裏面の窒化膜を除去する前に多層膜を
形成する方法も知られている。この方法は、メッシュに
よるすくい上げ法に較べ、大きな開口を有する素子を作
製することが可能であり、多層膜の内部応力に対する余
裕度も大きい。以下、エッチバック法と略記する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図12(a),(c)
及び図12(d)の構造では、メンブレンの膜厚は通常
数十〜数百nm程度必要であるため、透過光の強度がメ
ンブレンによる吸収のために著しく減少し、充分な透過
率を得ることができないという問題がある。また、図1
2(b)の構造のように、単純にメンブレンを除去した
場合には、除去後に多層膜の応力のバランスが取れずに
しわができたり亀裂が入ったりする問題がある。また、
多層膜がMo/Si等のドライエッチング耐性の小さい
物質で構成されているために、メンブレンをドライエッ
チングで除去する時に多層膜がダメージを受けてしまい
反射率が低下するという問題がある。さらに、透過型多
層膜の平坦性を保持するためには多層膜自身の内部応力
を0あるいは弱い引っ張り応力に制御することが必要で
あるが、応力を制御することにより反射率の低下等を引
き起こすような場合には、多層膜自身の内部応力は制御
することができずに圧縮応力となってしまい、残留応力
によるしわにより透過型多層膜の平坦性が損なわれると
いう問題や、多層膜自身の内部応力が強い引っ張り応力
の場合、平坦性は保たれるものの透過型多層膜は亀裂等
により破損するという問題も生じる。「すくい上げ法」
で作製した透過型多層膜では、多層膜を下地層から剥離
する際に多層膜の持つ内部応力により、剥離した多層膜
にしわが入ったり、亀裂が生じたりする問題がある。さ
らに、支持体にメッシュを用いる場合には、メッシュに
よる透過率の減少やしわによる反射面の乱れ等の問題が
あり、支持体にリング開口を用いる場合には、開口面積
の制限等の問題がある。本発明は上記した従来の問題に
鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、
平坦性の低下による反射率の低下やメンブレンによる透
過率の低下を解決した反射率及び透過率の高い透過型多
層膜を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに第1の発明による透過型多層膜は、支持体と多層膜
を有する透過型多層膜において、前記多層膜の前記支持
体に接する層が白金属元素で構成され、光透過部が多層
膜だけから構成されている。また、第2の発明による透
過型多層膜は、支持体と多層膜を有する透過型多層膜に
おいて、前記多層膜の前記支持体に接する層が白金属元
素で構成され、光透過部が多層膜だけから構成され、さ
らに、光透過用の窓を有し、前記多層膜と同じ性質の残
留応力を持つ膜を、前記多層膜とは反対側の前記支持体
の表面と前記支持体とは反対側の前記多層膜の表面のい
ずれか一方に有する。さらに、第3の発明による透過型
多層膜は、支持体と多層膜を有する透過型多層膜におい
て、前記多層膜の前記支持体に接する層が白金属元素で
構成され、光透過部が多層膜だけから構成され、さら
に、光透過用の窓を有し、前記多層膜とは反対の性質の
残留応力を持つ膜を、前記多層膜と前記支持体の間に有
する。
【0007】
【作用】第1の発明では、多層膜の支持体に接する層
を、ドライエッチング耐性の高い白金属元素で構成した
ので、多層膜にダメージを与えることなくメンブレンを
除去することができる。これにより、反射光の散乱がな
く高い反射率を持ったフリースタンディングの透過型多
層膜が実現できる。これに加えて、第2の発明では、多
層膜と同じ性質の残留応力を持つ応力緩和膜を、多層膜
とは反対側の支持体の表面あるいは支持体とは反対側の
多層膜の表面に設けることにより、また、第3の発明で
は、多層膜とは反対の性質の残留応力を持つ応力緩和膜
を、前記多層膜と前記支持体の間に設けることにより、
多層膜の残留応力を緩和することができる。これによ
り、高い反射率と透過率をあわせ持つフリースタンディ
ングの透過型多層膜が実現できる。このように第2の発
明では、多層膜の内部応力による影響を緩和するため、
応力緩和膜を設けて多層膜の応力を制御し、メンブレン
除去後の多層膜のしわや亀裂を防止し、かつ優れた平坦
性を保持することを特徴とする。第2の発明ではこの応
力緩和膜をメンブレンとして構成するのではなく、透過
部分はあくまで多層膜のフリースタンディングとし、高
い透過率と高い反射率を同時に実現する点が従来技術と
は異なる。
【0008】
【実施例】図1は本発明の第1の実施例を説明する図で
ある。透過型多層膜は、多層膜6、SiNからなるメン
ブレン3、及びシリコン基板4で構成される。このう
ち、多層膜6は1のRuと2のSiで構成され、Ru/
Si/・・・/Si/RuのようにRuが多層膜6の両
側になる構成とした。この構成にすると、Ruが窒化膜
のエッチングガスであるCF4 ,CF4 +H2 ,或いは
CF4 +H2 +N2 に対するドライエッチング耐性が高
いので、メンブレンをエッチングする際に多層膜にダメ
ージが入りにくくなる。この際、両側の層をRuとすれ
ばMo/Siの多層膜としてもよい。この場合には、全
てをRuで作製した多層膜に比べて安価に作成すること
ができる。メンブレン3の構成材料はこの例ではSiN
であるが、SiC等の他の珪素化合物であってもよい。
このように、多層膜の構成材料の一つにドライエッチン
グ耐性の高いRuを用いて、Ru/Si/・・・/Si
/RuのようにRuが両側になる構成としたので、多層
膜にダメージを与えることなくメンブレンをドライエッ
チングにより除去することができる。その結果、反射光
の散乱がなく高い反射率を持つ透過型多層膜となる。
【0009】次に、このような透過型多層膜の製法を図
2を用いて詳細に説明する。Si基板4の両面にCVD
法(CVD:Chemical Vapor Deposition ) またはEC
R−CVD法(ECR:Electron Cyclotron Resonanc
e)によりSiNあるはSiC等の珪素化合物3を堆積
する(b)。次に、レジスト5を裏面に塗布し(c)、
光透過窓に対応する部分を露光現像し、レジストパタン
を形成する(d)。露光には、LSI製造工程で通常用
いられている光露光あるいはEB露光等を用いる。その
後、レジストパタン5をマスクとして、CF4 ,CF4
+H2 ,或いはCF4 +H2 +N2 等のハロゲンガスを
主エッチングガスとしたドライエッチングにより、珪素
化合物3をエッチングして除去する(e)。さらに、S
i基板4をウエットエッチングにより除去し、メンブレ
ン基板を作成する(f)。ここで、ウエットエッチング
はKOHあるいはアミン系等のエッチング液により行
う。次に、メンブレン基板上にRu1とSi2を交互に
堆積して多層膜6を形成する(g)。最後にメンブレン
7をドライエッチングにより除去して透過窓8を形成す
る(h)。このときのエッチングガスとしてはCF4
CF4 +H2 ,或いはCF4 +H2 +N2 等のハロゲン
ガスを主としたエッチングガスを用いる。
【0010】図3は透過型多層膜の別の製法を示す図で
ある。工程(a)〜(e)は図2の(a)〜(e)と同
じである。このように、窓開けした基板4をバックエッ
チする前に多層膜6を積層し(f)、その後でKOHあ
るいはアミン系のエッチャントを用いて基板4をウエッ
トエッチングにより除去し(g)、最後にメンブレン7
にドライエッチングにより透過窓8を形成する(h)プ
ロセスとしても良い。この場合、Si基板のバックエッ
チの工程を多層膜作製より先に行うので、バックエッチ
のエッチャントによる多層膜のダメージを防ぐことがで
きる外、メンブレン単体での応力制御範囲に対する余裕
度が大きいという効果がある。すなわち、メンブレン単
体でフリースタンディングにするプロセスがないため、
メンブレンが圧縮応力を持つ場合でも適用できる。多層
膜の内部応力は、従来のマグネトロンスパッタでは数M
Pa〜1GPa程度の比較的強い圧縮応力であったが、
本発明では、ガス圧,基板温度,成膜速度等の多層膜の
作製条件を最適化することにより数10MPa以下に低
減した。そのため、エッチングによりメンブレンを完全
に除去しても多層膜の内部応力によりしわがよったり、
亀裂が入ったりしないためフリースタンディングにする
ことが可能である。以上の製造プロセスは、特殊な工程
がないため安価に簡便に製作でき、さらに、半導体の製
造プロセスをそのまま用いることができるので、大量生
産にも適する。
【0011】図4は本発明の第2の実施例を示す。図の
1,2,3,4は図1で説明した材料と同様であり、基
板裏面に応力緩和膜7を持つ構造の透過型多層膜であ
る。本実施例は、多層膜6の残留応力が圧縮応力の場合
であり、多層膜6の持つ圧縮応力を応力緩和膜7の持つ
圧縮応力により打ち消すことにより応力を緩和し透過型
多層膜の平坦性を保持する。これにより透過型多層膜は
反射率及び透過率を損なうことなく高い反射率と透過率
をあわせ持つ。応力緩和膜7としてSiC,SiO2
SiN等の珪素化合物を用いる。
【0012】図5は、図4の透過型多層膜の製法を説明
する図である。Si基板4の両面にCVD法またはEC
R−CVD法によりSiNあるいはSiC等の珪素化合
物3を堆積する(b)。次に、基板4の裏面に形成した
珪素化合物3の上に圧縮応力を持つ応力緩和膜7をスパ
ッタ法あるいは蒸着法により形成する(e)。応力緩和
膜7の持つ圧縮応力により基板4は凹型に反る。その
後、応力緩和膜7上に、レジスト5を塗布し(d)、光
透過窓に対応する部分を露光現像し、レジストパタンを
形成する(c)。露光には、光露光あるいはEB露光等
のLSI製造工程で通常用いられている方法を用いる。
その後、レジストパタン5をマスクとして、CF4 ,C
4 +H2 ,或いはCF4 +H2 +N2 等のハロゲンガ
スを主エッチングガスとしたドライエッチングにより、
応力緩和膜7をエッチングして除去し(f)、続いて珪
素化合物3の一部をエッチングして除去する(g)。さ
らに、Si基板4をウエットエッチングにより除去し、
メンブレン基板を作成する(h)。ここで、ウエットエ
ッチングはKOHあるいはアミン系等のエッチング液に
より行う。次に、メンブレン基板上にRu1とSi2を
交互に堆積して多層膜6を積層する(i)。多層膜を積
層することにより多層膜自身の内部応力で基板4の反り
は元に戻る。このため、多層膜の持つ圧縮応力は緩和さ
れ、平坦な多層膜が得られる。最後にメンブレン7にド
ライエッチングにより透過窓を形成する(j)。このと
きのエッチングガスとしてはCF4 ,CF4 +H2 ,或
いはCF4 +H2 +N2 等のハロゲンガスを主としたエ
ッチングガスを用いる。本実施例においても、多層膜の
積層工程(i)を基板のバックエッチ工程(h)の前に
行ってもよい。この場合、Si基板のバックエッチの工
程を多層膜作製より先に行うので、バックエッチのエッ
チャントによる多層膜のダメージを防ぐことができる
他、メンブレン単体での応力制御範囲に対する余裕度が
大きいという効果がある。すなわち、メンブレン単体で
フリースタンディングにするプロセスがないため、メン
ブレンが圧縮応力を持つ場合でも適用できる。
【0013】図6は、本発明の第3の実施例を示す図で
ある。図の1,2,3,4は図1で説明した材料と同様
である。本実施例は多層膜6の残留応力が強い引っ張り
応力の場合である。第2の実施例では基板裏面に応力緩
和膜7を設けたが、本実施例では多層膜の上に応力緩和
膜7を持つ構造とする。多層膜6の持つ引っ張り応力を
応力緩和膜7の持つ引っ張り応力により緩和する。応力
緩和膜7としては、SiC,SiO2 ,SiN等の珪素
化合物を用いる。
【0014】図7は、図6に示す透過型多層膜の製法を
説明する図である。Si基板4の両面にCVD法または
ECR−CVD法によりSiNあるいはSiC等の珪素
化合物3を堆積する(b)。次に、基板4の裏面に形成
した珪素化合物3の上にレジスト5を塗布し(c)、光
透過窓に対応する部分を露光現像し、レジストパタンを
形成する(d)。露光には、光露光あるいはEB露光等
のLSI製造工程で通常用いられている方法を用いる。
その後、レジストパタン5をマスクとして、CF4 ,C
4 +H2 ,或いはCF4 +H2 +N2 等のハロゲンガ
スを主エッチングガスとしたドライエッチングにより、
珪素化合物3の一部を除去する(e)。次に、表面に形
成した珪素化合物3の上にRu1とSi2を交互に堆積
して多層膜6を形成する(f)。多層膜6の持つ引っ張
り応力のために基板4は凹型に反る。さらに、多層膜6
の上に引っ張り応力を持つ応力緩和膜7をスパッタ法あ
るいは蒸着法により形成する(g)。そうすると、応力
緩和膜7の持つ引っ張り応力のために基板4はさらに凹
型に反り、その結果窓部分の多層膜に関しては引っ張り
応力が緩和される。そのため、フリースタンディングに
した際の亀裂による破損が防げる。その後、応力緩和膜
7の上にレジスト5を塗布し、光透過窓に対応する部分
を露光現像し、レジストパタンを形成する(h)。その
後、レジストパタンをマスクにしてドライエッチングに
より窓部分の応力緩和膜7を除去し(i)、Si基板4
をウエットエッチングにより除去する(j)。ここで、
ウエットエッチングはKOHあるいはアミン系等のエッ
チング液により行う。最後に窓部分の珪素化合物3をド
ライエッチングにより除去する(k)。このときのエッ
チングガスとしてはCF4 ,CF4 +H2 ,或いはCF
4 +H2 +N2 等のハロゲンガスを主としたエッチング
ガスを用いる。本実施例においても、多層膜の積層工程
(i)を基板のバックエッチ工程(j)の後に行っても
よい。
【0015】図8は、本発明の第4の実施例を示す図で
ある。図の1,2,3,4は図1で説明した材料と同様
の材料を示している。本実施例は、多層膜6と窒化膜3
との間に応力緩和膜7を持つ構造とした。この構造で
は、多層膜6の残留応力が圧縮応力の場合には、応力緩
和膜7の残留応力を引っ張り応力とすることにより応力
を緩和して透過型多層膜の平坦性を保持することがで
き、一方、多層膜6の残留応力が強い引っ張り応力の場
合には、応力緩和膜7の残留応力を圧縮応力とすること
により応力を緩和して透過型多層膜の亀裂等の破損を防
止することができる。応力緩和膜7としては、SiC,
SiO2 ,SiN等の珪素化合物を用いる。
【0016】図9は図8に示す透過型多層膜の製法を説
明する図である。Si基板4の両面にCVD法またはE
CR−CVD法によりSiNあるいはSiC等の珪素化
合物3を堆積する(b)。次に、基板4の表面に形成し
た珪素化合物3の上に応力緩和膜7をスパッタ法あるい
は蒸着法により形成する(c)。その後、基板4の裏面
に形成した珪素化合物3の上にレジスト5を塗布し
(d)、光透過窓に対応する部分を露光現像し、レジス
トパタンを形成する(e)。露光には、光露光あるいは
EB露光等のLSI製造工程で通常用いられている方法
を用いる。その後、レジストパタン5をマスクとして、
CF4 ,CF4 +H2 ,或いはCF4 +H2+N2 等の
ハロゲンガスを主エッチングガスとしたドライエッチン
グにより、珪素化合物3の一部を除去する(f)。さら
に、Si基板4をウエットエッチングにより除去してメ
ンブレン基板を形成する(g)。ここで、ウエットエッ
チングはKOHあるいはアミン系等のエッチング液によ
り行う。次に、応力緩和膜7の上にRu1とSi2を交
互に堆積して多層膜6を形成する(h)。最後に窓部分
の珪素化合物3をドライエッチングにより除去し
(i)、続いて窓部分の応力緩和膜7を除去する
(j)。このときのエッチングガスとしてはCF4 ,C
4 +H2 ,或いはCF4 +H2 +N2 等のハロゲンガ
スを主としたエッチングガスを用いる。本実施例におい
ても、多層膜の積層工程(h)を基板のバックエッチ工
程(g)の前に行ってもよい。
【0017】図10は、本発明の第5の実施例を示す図
である。図の1,2,3,4は図1で説明した材料と同
様の材料を示している。本実施例は、基板4と窒化膜3
との間に応力緩和膜7を持つ。この構造は基本的には実
施例4の構造と同じ効果を持つが、比較的面粗さの少な
い窒化膜の上に多層膜を積層するため応力緩和膜の面粗
さを小さくしにくい場合に適する。応力緩和膜7として
は、SiC,SiO2,SiN等の珪素化合物を用い
る。
【0018】図11は図10に示す透過型多層膜の製法
を説明する図である。Si基板4の表面に応力緩和膜7
をスパッタ法あるいは蒸着法により形成する(b)。そ
の後、CVD法またはECR−CVD法により両面にS
iNあるいはSiC等の珪素化合物3を堆積する
(c)。次に、基板4の裏面に形成した珪素化合物3の
上にレジスト5を塗布し(d)、光透過窓に対応する部
分を露光現像し、レジストパタンを形成する(e)。露
光には、光露光あるいはEB露光等のLSI製造工程で
通常用いられている方法を用いる。その後、レジストパ
タンをマスクとして、CF4 ,CF4 +H2 ,或いはC
4 +H2 +N2 等のハロゲンガスを主エッチングガス
としたドライエッチングにより、珪素化合物3の一部を
除去する(f)。さらに、Si基板4をウエットエッチ
ングにより除去する(g)。ここで、ウエットエッチン
グはKOHあるいはアミン系等のエッチング液により行
う。さらに、ドライエッチングにより窓部分の応力緩和
膜を除去してメンブレン基板を作成する(h)。次に、
珪素化合物3の上にRu1とSi2を交互に堆積して多
層膜6を形成する(i)。最後に窓部分の珪素化合物3
をドライエッチングにより除去する(j)。このときの
エッチングガスとしてはCF4 ,CF4 +H2 ,或いは
CF4 +H2 +N2 等のハロゲンガスを主としたエッチ
ングガスを用いる。本実施例においても、多層膜の積層
工程(i)を基板のバックエッチ工程(g)の前に行っ
てもよい。
【0019】以上の実施例では多層膜の重元素としてR
uを用い、かつ、多層膜の形成手順としてRu/Si/
Ru/・・・/Si/Ruの様にRuで始まりRuで終
わる構成にした。また、両端の層だけをRuとし、中間
の重金属層にMoを用いても本発明の効果は損なわれ
ず、安価に作成することができる。このように、多層膜
の構成元素としてRuを用いたのはRuがCF4 等のハ
ロゲンガスによるエッチング耐性が高いことが実験的に
判っているためである。従って、同様にCF4 等のハロ
ゲンガスによるエッチング耐性が高いと考えられるRu
以外の白金属元素(Ru,Pd,Os,Ir,Pt)
を、多層膜の重金属元素あるいは両端の層として用いて
も同様の効果が得られることは言うまでもない。また、
多層膜の形成にはマグネトロンスパッタ、イオンビーム
スパッタ、EB蒸着、CVD、ECRスパッタ法等を用
いることができる。また、SiNあるいはSiC等の珪
素化合物の形成はCVDの他にスパッタ法等を用いるこ
とができる。特にECR−CVD法は、基板加熱なしの
低温で平滑性が良くしかも残留応力の非常に小さい膜を
形成できるので適している。
【0020】
【発明の効果】本発明の透過型多層膜は高い透過率と優
れた平坦性のため高い反射率を有する。従って、ビーム
スプリッタ、パワーフィルター等のX線光学素子として
応用可能である。さらに、本発明の透過型多層膜を偏光
子、検光子等として用いてX線偏光解析装置を構成する
ことにより原子オーダーの分析機器として応用可能であ
る。また、コヒーレントなX線のビームスプリッタとし
て用いれば干渉計、2光束干渉等によるX線ホログラフ
ィーにも応用可能である。さらに、本発明の製作プロセ
スは半導体の製造プロセスの応用であり、大量生産に適
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透過型多層膜の第1の実施例の構造を
示す図である。
【図2】第1の実施例の透過型多層膜の製造工程を説明
する図で、(a)〜(h)は各工程を示す。
【図3】第1の実施例の他の製造工程で、(a)〜
(h)は各工程を示す。
【図4】本発明の透過型多層膜の第2の実施例の構造を
示す図である。
【図5】第2の実施例の透過型多層膜の製造工程を説明
する図で、(a)〜(j)は各工程を示す。
【図6】本発明の透過型多層膜の第3の実施例の構造を
示す図である。
【図7】第3の実施例の透過型多層膜の製造工程を説明
する図で、(a)〜(k)は各工程を示す。
【図8】本発明の透過型多層膜の第4の実施例の構造を
示す図である。
【図9】第4の実施例の透過型多層膜の製造工程を説明
する図で、(a)〜(j)は各工程を示す。
【図10】本発明の透過型多層膜の第5の実施例の構造
を示す図である。
【図11】第5の実施例の透過型多層膜の製造工程を説
明する図で、(a)〜(j)は各工程を示す。
【図12】従来の透過型多層膜の構造を示す図で、
(a)〜(d)は夫々異なる構造を示す。
【図13】従来の透過型多層膜の製造工程の例を説明す
る図で、(a)〜(c)は各工程を示す。
【図14】従来の透過型多層膜の製造工程の例を示す図
で、(a)〜(d)は各工程を示す。
【符号の説明】
1 Ru等の白金属元素層 2 軽元素層 3 メンブレン 4 シリコン基板 5 レジスト 6 多層膜 7 応力緩和膜 111 シリコン基板 114 シリコン基板 117 シリコン基板 120 シリコン基板 112 メンブレン 115 メンブレン 118 メンブレン 121 メンブレン 113 多層膜 116 多層膜 119 多層膜 122 多層膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03F 1/16 INSPEC(DIALOG)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透過窓を有する支持体と前記支持体に設
    けられた多層膜を備えた透過型多層膜において、前記多
    層膜の支持体に接する下面および支持体に接しない上面
    がそれぞれ白金属元素で構成されていることを特徴とす
    る透過型多層膜。
  2. 【請求項2】 前記多層膜と同じ性質の残留応力を持つ
    応力緩和膜を、前記多層膜の上面か、前記支持体の前記
    多層膜に接しない下面のいずれかに設けたことを特徴と
    する請求項1記載の透過型多層膜。
  3. 【請求項3】 前記多層膜とは反対の性質の残留応力を
    持つ応力緩和膜を、前記多層膜と前記支持体との間に設
    けたことを特徴とする請求項1記載の透過型多層膜。
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