JP3120969B2 - 記録担体 - Google Patents

記録担体

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JP3120969B2
JP3120969B2 JP08258137A JP25813796A JP3120969B2 JP 3120969 B2 JP3120969 B2 JP 3120969B2 JP 08258137 A JP08258137 A JP 08258137A JP 25813796 A JP25813796 A JP 25813796A JP 3120969 B2 JP3120969 B2 JP 3120969B2
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充 原田
寿樹 宮本
和則 面屋
孝志 大林
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Panasonic Holdings Corp
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録保持層を有す
る2枚の基板を貼合わせてなる記録担体に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、記録担体である音声用CDの
製造工程では、音声信号が記録されたスタンパを用い
て、射出成型法により片面に音声信号の設けられた厚さ
1.2mmの基板を作製する。その音声信号上にアルミ
などの反射膜をスパッタ法で形成し、硬化性樹脂からな
る接着剤を塗布し、この接着剤に紫外線を照射して保護
膜を形成し、CDの完成品としている。この保護膜に用
いられる紫外線硬化樹脂は、記録保持層を保護する目的
のものであり、特開昭62−245540号公報に開示
されているように、通常弾性率の高い樹脂を用いてい
る。
【0003】ところで、近年、光ディスクなどの記録担
体に記録される情報の高密度化が進んでおり、このよう
な高密度化を実現するためには、記録保持層自体の高密
度化だけでなく、記録保持層が形成される基板の形状精
度も問題となる。すなわち、情報の記録密度を高くする
には、それを取り出し、あるいは書き込む手段の感度も
高くする必要があるが、さらに、そのためには、センサ
や記録手段と記録保持層中の各セルとの間の幾何学的な
距離をできるだけ短くかつ一定に保つ必要があるからで
ある。例えば光ディスク等の高密度化のためには、再生
レーザーの波長を短くし、かつ、対物レンズの開口数
(NA)を高くする必要があるが、このような高NA対
物レンズでは許容できるディスクの傾き(チルト)が非
常に小さい。例えば、従来の音声用CDに用いられる
1.2mmの厚さの基板を用いれば、NA0.6の対物
レンズで許容できるチルトは約0.25度であり、これ
は、光ヘッドをプレーヤに取り付ける誤差に匹敵し、デ
ィスクの形状変化によるチルトが許容できないことを意
味し、非現実的である。
【0004】そこで、基板の厚みを薄くすることで、許
容できるチルトの範囲を緩和することが考えられる。そ
して、チルトの許容範囲が緩和されると、高NA対物レ
ンズを現実に使用できるようになり、光ディスクの高密
度化が実現できるはずである。例えば、基板の厚さをC
Dの半分の0.6mmにすれば、NA0.6の対物レン
ズに許容できるチルトは約0.55度に拡大し、光ヘッ
ドの取り付け誤差を0.25度としても、ディスクの形
状変化によるチルトの許容範囲が0.3度まで緩和され
る。
【0005】このような理由から、最近では薄型基板の
光ディスク等が提案されている。しかも、記録保持層が
形成された薄型基板を2枚貼合わせて使用することで、
機械的強度を高めるとともに、情報の記録容量を倍増さ
せるようにしたものが提案されている。
【0006】図3は、このような2枚貼合わせ薄型基板
からなる光ディスクの一般的な構造を示す断面図であ
る。図3において、符号1は第1基板を示し、その片面
に第1情報信号面が設けられている。その第1情報信号
面2上には、アルミニウムを主成分とする金属などの第
1反射膜3が形成され、その上に第1保護膜4が形成さ
れている。また、符号5は第2基板を示し、その片面に
第2情報信号面6が設けられていて、その第2情報信号
面6上に、第2反射膜7と第2保護膜8とが形成されて
いる。上記各保護膜4,8には、30℃における硬化物
の弾性率が1400MPa程度であるラジカル重合硬化
樹脂が一般的に用いられている。そして、両者の互いに
対向する各保護膜4,8の間にホットメルト接着剤層9
が設けられ、これにより第1,第2の基板1,5が一体
化されている。この貼合わせディスクは、レーザーディ
スクと同様の構成である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な最近提案されている高密度記録を目的とした薄型基板
の貼合わせ型記録担体において、記録担体の製造工程に
おけるラベル印刷の際や、ユーザが使用時に誤って記録
担体を床に落としたりすることを想定して行う落下試験
等の際に、貼合わせ基板に衝撃力や曲げ応力がかかると
薄型基板が破損するという現象がみられた。これを防止
するためには、本来薄型基板の靱性等の機械的特性を向
上させる必要があると考えるのが技術常識と思われる。
【0008】ところが、本発明者がこの現象について検
討を加えた結果、薄型基板の破損は貼合わせ樹脂および
保護膜樹脂が破損の起点となっていることを見出した。
すなわち、薄型基板に靱性の高いつまり弾性率が比較的
低い材料を用いても、その上に硬化物の弾性率が高い貼
合わせ樹脂および保護膜樹脂を積層すると、簡単に薄型
基板を破損してしまうことを確認したのである。単一基
板の記録担体であっても、薄型基板貼合わせ型の記録担
体であっても同じ結果が得られる。そして、貼合わせ樹
脂および保護膜樹脂に30℃での硬化物の弾性率が10
00MPa以下の樹脂を用いれば、薄型基板の破損が生
じないことを見出した。
【0009】また、この弾性率とガラス転移点との関係
に基づき、貼合わせ樹脂及び保護樹脂の破損とガラス転
移点との関係についても確認し、一般的な樹脂ではガラ
ス転移点が80℃以下のものを使用することにより、薄
型基板の破損を有効に防止できることを見出した。
【0010】すなわち、本発明の目的は、薄型基板を用
いた新たな記録担体において、貼合わせ樹脂として、3
0℃での硬化物の弾性率が1000MPa以下である
か、ガラス転移点が80℃以下のラジカル重合硬化樹脂
又はカチオン重合硬化樹脂を用いることにより、衝撃や
応力に対して強い、高信頼性の薄型基板貼合わせ記録担
体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の記録担体は、光
ディスクとして使用される記録担体であって、片面上に
第1の記録保持層を有し厚みが1mm以下の第1の基板
と、片面上に第2の記録保持層を有し厚みが1mm以下
第2の基板と、上記第1の基板の第1の記録保持層と
上記第2の基板の第2の記録保持層との間に介設され、
ラジカル重合硬化樹脂及びカチオン重合硬化樹脂のうち
少なくともいずれか一方の樹脂からなり、30℃におけ
る弾性率が6MPa以上で1000MPa以下であり、
かつ、ガラス転移点が80℃以下である接着剤層のみを
有し、上記第1の基板と第2の基板とを接続するための
中間層とを備え、上記中間層は上記第1及び第2の記録
保持層に直接接触している。
【0012】 これにより、2つの記録保持層を利用して
情報の記録能力を2倍に増大させた記録担体について、
第1の基板と第2の基板とを接続する中間層である接着
剤層 、ラジカル重合硬化樹脂又はカチオン重合硬化樹
脂で構成されているので、温度,湿度の変化に対する記
録担体の変形が小さくなる。加えて、中間層が接着剤層
のみからなり保護膜がないことにより、2つの基板の面
上に保護膜を形成する手間が省けるので、製造コストを
低減することができる。
【0013】しかも、接着剤層のみからなる中間層の3
0℃における弾性率が6MPa以上で1000MPa以
下であり、かつ、ガラス転移点が80℃以下であって、
ある程度の靱性を有しているので、2つの基板を貼合わ
せて構成される記録担体に衝撃力や曲げ応力が作用した
ときにも、記録担体の破損が有効に防止されることにな
る。
【0014】
【0015】
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態につい
てそれぞれ図面を参照しながら説明する。
【0017】(第1の実施形態) 図1は、本実施形態に係る薄型基板の貼合わせ光ディス
クの断面図である。第1基板1の片面に第1情報信号面
2が設けられ、その第1情報信号面2上にアルミニウム
などの金属からなる第1反射膜3が形成されている。ま
た、第2基板5の片面に第2情報信号面6が設けられ、
その第2情報信号面6上にアルミニウムなどの金属から
なる第2反射膜7が形成されている。さらに、互いに対
向する反射膜3,7の間にラジカル重合硬化樹脂又はカ
チオン重合硬化樹脂からなる接着剤層10が設けられて
おり、第1,第2基板1,5を一体的に貼合わせてい
る。すなわち、本実施形態では、中間層が接着剤層10
のみにより構成されている。ここで、本実施形態では、
この接着剤層10を構成するラジカル重合硬化樹脂又は
カチオン重合硬化樹脂は、30℃での硬化物の弾性率が
1000MPa以下であるか、ガラス転移点が80℃以
下であるかのいずれかである。
【0018】本実施形態に係る記録担体によると、中間
層である接着剤層10としてホットメルト接着剤を使用
せずにラジカル重合硬化樹脂又はカチオン重合硬化樹脂
を使用しているので、車載時においても高温,高湿等の
厳しい条件下で記録情報の入出力に悪影響を与えるよう
な変形を生じない。加えて、本実施形態で使用した樹脂
は、30℃での硬化物の弾性率が1000MPa以下で
あるか、ガラス転移点が80℃以下であるかであって、
適度に靱性が付与されているので、製造工程でのラベル
印刷等の際に記録担体に曲げ応力が作用したり、使用者
が記録担体を誤って床に落として衝撃力が作用するよう
なことがあっても、記録担体を構成する薄膜基板の破損
を招くことがない。したがって、記録担体の読み出し等
の精度を高く維持しながら、信頼性を向上させることが
できる。
【0019】(第2の実施形態) 次に、第2の実施形態について説明する。
【0020】図2は、反射膜上に予めラジカル重合硬化
樹脂又はカチオン重合硬化樹脂からなる保護膜が形成さ
れ、かつラジカル重合硬化樹脂又はカチオン重合硬化樹
脂からなる接着剤層が形成されている場合の薄型基板の
貼合わせ光ディスクの断面図である。第1情報信号面2
を有する第1基板1においては、第1反射膜3上に第1
保護膜4が形成されている。また、第2情報信号面6を
有する第2基板5においては、第2反射膜7上に第2保
護膜8が形成されている。そして、互いに対向する保護
膜4,8の間に接着剤層10が設けられて、第1,第2
基板1,5が一体的に貼合わされている。そして、上記
各保護膜4,8及び接着剤層10は、いずれもラジカル
重合硬化樹脂又はカチオン重合硬化樹脂により構成され
ており、これらの樹脂は、いずれも30℃での硬化物の
弾性率が1000MPa以下であるか、ガラス転移点が
80℃以下であるかのいずれかである。すなわち、本実
施形態は、中間層が各保護膜4,8と接着剤層10とに
より構成されている。
【0021】本実施形態に係る記録担体(光ディスク)
によると、上記第1の実施形態の効果に加え、製造工程
において情報信号面へのパーティクルの付着を有効に防
止できる効果が得られる。
【0022】(第3の実施形態) 次に、第3の実施形態について説明する。
【0023】図3は、反射膜上に予めラジカル重合硬化
樹脂又はカチオン重合硬化樹脂からなる保護膜が形成さ
れている場合の薄型基板の貼合わせ光ディスクの断面図
である。第1情報信号面2を有する第1基板1において
は、第1反射膜3上に第1保護膜4が形成されている。
また、第2情報信号面6を有する第2基板5において
は、第2反射膜7上に第2保護膜8が形成されている。
そして、互いに対向する保護膜4,8の間に軟化点温度
が75℃のホットメルト接着剤からなる接着剤層9が設
けられて、第1,第2基板1,5が一体的に貼合わされ
ている。そして、上記各保護膜4,8は、いずれもラジ
カル重合硬化樹脂又はカチオン重合硬化樹脂により構成
されており、これらの樹脂は、30℃での硬化物の弾性
率が1000MPa以下であるか、ガラス転移点が80
℃以下であるかのいずれかである。すなわち、本実施形
態は、中間層が、ラジカル重合硬化樹脂又はカチオン重
合硬化樹脂からなる保護膜4,8と、ホットメルト接着
剤からなる接着剤層9とにより構成されている。
【0024】本実施形態に係る記録担体によると、接着
剤層10がホットメルト接着剤により構成されているの
で、温度,湿度の変化に対する変形抵抗性は上記第1,
第2の実施形態に比べて劣るが、保護膜4,8が靱性を
付与されたラジカル重合硬化樹脂又はカチオン重合硬化
樹脂で構成されているので、上記各実施形態と同様に、
薄型基板の破損は防止することができる。
【0025】(第4の実施形態) 次に、第4の実施形態について説明する。
【0026】図4は、第2情報信号面を持たない薄型基
板の貼合わせ光ディスクの断面図である。第1基板1の
片面に第1情報信号面2が設けられ、その第1情報信号
面2上にアルミニウムなどの金属からなる第1反射膜3
が形成されている。ただし、第2基板5には情報信号面
が設けられていない。そして、第1基板1の第1反射膜
3と第2基板5との間にラジカル重合硬化樹脂又はカチ
オン重合硬化樹脂からなる接着剤層10が設けられてお
り、第1,第2基板1,5が一体的に貼合わされてい
る。すなわち、本実施形態は、第2情報信号面を持た
ず、中間層が接着剤層10のみにより構成されている。
そして、上記接着剤層10を構成するラジカル重合硬化
樹脂又はカチオン重合硬化樹脂は、30℃での硬化物の
弾性率が1000MPa以下であるか、ガラス転移点が
80℃以下であるかのいずれかである。
【0027】本実施形態に係る記録担体によると、情報
信号面が片面にしか形成されていないので、同じ面積で
比較すると上記第1〜第3の実施形態に係る記録担体に
比べて情報の記録量が劣るものの、接着剤層10が靱性
を付与されたラジカル重合硬化樹脂又はカチオン重合硬
化樹脂で構成されているので、高い温度,湿度の変化に
対する変形抵抗性を維持しながら、上記各実施形態と同
様に、薄型基板の破損を防止することができる。
【0028】(第5の実施形態) 次に、第5の実施形態について説明する。
【0029】図5は、反射膜上に予め嫌気型のラジカル
重合硬化樹脂で保護膜が形成されている場合の薄型基板
の貼合わせ光ディスクの断面図である。第1情報信号面
2を有する第1基板1においては、第1反射膜3上に第
1保護膜4と第1プライマー膜11とが形成されてい
る。また、第2情報信号面6を有する第2基板5におい
ては、第2反射膜7上に第2保護膜8と第2プライマー
膜12とが形成されている。そして、互いに対向するプ
ライマー膜11,12にラジカル重合硬化樹脂からなる
接着剤層10が設けられて、第1,第2基板1,5が一
体的に貼合わされている。すなわち、本実施形態は、中
間層が、各保護膜4,8と各プライマー膜11,12と
接着剤層10とにより構成されている。接着剤10は、
(メタ)アクリル型樹脂を主成分とし、ハイドロパーオ
キサイド、アミン化合物を重合開始剤とする樹脂(嫌気
硬化型のラジカル重合硬化型樹脂)である。また、上記
プライマーは接着剤の嫌気硬化を促進させるもので、主
に遷移金属化合物を含んでいるものである。そして、こ
のラジカル重合硬化樹脂は、30℃での硬化物の弾性率
が1000MPa以下であるか、ガラス転移点が80℃
以下であるかのいずれかである。
【0030】本実施形態によると、嫌気硬化型のラジカ
ル重合硬化樹脂を用いているので、紫外線の照射処理や
加熱処理を行う必要がない。したがって、上記第2の実
施形態と同じ効果に加えて、記録担体の製造コストを低
減できる利点がある。
【0031】次に、本発明において使用される樹脂の種
類について説明する。
【0032】本発明で使用される樹脂は、ラジカル重合
硬化樹脂及びカチオン重合硬化樹脂のうち少なくともい
ずれか一方である。
【0033】ラジカル重合硬化樹脂としては、大別する
と下記の2つのものがある。1つは、(メタ)アクリル
系オリゴマー及び(メタ)アクリル系モノマーを主成分
とし、ベンゾイルアルキルエーテル類、ベンゾフェノン
類、アセトフェノン類、チオキサントン類のいずれかを
光重合開始剤とするアクリル型(ビニル重合型)樹脂で
ある。もう1つは、ポリエン(アリル系不飽和樹脂)及
びポリチオール(メルカプト基含有樹脂)を主成分と
し、ベンゾフェノン類を光重合開始剤とするポリチオー
ル・ポリエン型(付加重合型)樹脂である。
【0034】カチオン重合硬化樹脂としては、エポキシ
樹脂及びエポキシ希釈剤を主成分とし、光によってルイ
ス酸を発生する芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウ
ム塩、芳香族スルホニウム塩を光重合開始剤とするエポ
キシ開環重合型樹脂がある。
【0035】また、熱硬化型のラジカル重合硬化樹脂と
しては、上述のアクリル型樹脂またはポリチオール・ポ
リエン型樹脂を主成分とし、重合開始剤としてパーオキ
サイド類を用いた樹脂がある。また、熱硬化型のカチオ
ン重合硬化樹脂としては、エポキシ開環重合型樹脂を主
成分とし、重合開始剤として熱によって解離するルイス
酸塩を用いた樹脂がある。
【0036】嫌気硬化型のラジカル重合硬化樹脂として
は、上記アクリル型樹脂や付加重合型樹脂を主成分と
し、例えばハイドロパーオキサイドとアミン化合物、ア
ミド化合物、スルフィド化合物などを重合開始剤とする
樹脂がある。
【0037】さらに、紫外線硬化熱硬化併用型のラジカ
ル重合硬化樹脂としては、上述のアクリル型樹脂、ポリ
チオール・ポリエン型樹脂の主成分に対し、上述の各樹
脂の光重合開始剤にパーオキサイド類を加えた樹脂があ
る。紫外線硬化熱硬化併用型のカチオン重合硬化樹脂と
しては、エポキシ樹脂及びエポキシ希釈剤を主成分と
し、光によって解離するルイス酸塩と熱で解離するルイ
ス酸塩とを加えたものがある。
【0038】そして、上記各種の樹脂を単独であるいは
複数種を混合して用いることができる。
【0039】その場合、使用するラジカル重合またはカ
チオン重合硬化樹脂の種類によっては、紫外線照射・加
熱処理を適宜省いても構わない。また、加熱処理につい
ては紫外線照射時の熱を利用しても良い。
【0040】また、保護膜を形成する場合で嫌気硬化型
のラジカル重合硬化樹脂を用いる場合には、嫌気硬化が
進行しにくいため、保護膜上に嫌気硬化促進用のプライ
マーを予め塗布してからラジカル重合硬化樹脂の塗布、
貼合わせをする方法、もしくは、嫌気硬化促進用プライ
マーを予め保護膜樹脂に混合した上で保護膜を形成する
方法が好ましい。
【0041】上記各実施形態では、記録担体として光デ
ィスクを形成した場合について説明したが、本発明は、
光カード等の他の光記録担体についても同様に適用する
ことができる。さらに、光を利用した記録担体だけでな
く、磁気や色素などを利用した記録担体にも適用するこ
とができる。
【0042】また、第2基板がなく、第1基板とその上
の保護膜のみを備えたCD等の記録担体についても、保
護膜をラジカル重合硬化樹脂又はカチオン重合硬化樹脂
で構成し、この樹脂の30℃での硬化物の弾性率を10
00MPa以下にするか、この樹脂のガラス転移点を8
0℃以下にすることにより、同様の効果を得ることがで
きる。
【0043】
【実施例】以下、上記各実施形態に対応して形成した様
々な構成のディスクに係る実施例について説明する。ま
た、本発明の効果を確認するために高弾性率の樹脂を用
いて形成した構成のディスクに係る比較例についても説
明する。以下の実施例及び比較例において、第1基板お
よび第2基板には、ポリカーボネートからなる0.6m
mの厚みのものを用いた。
【0044】(実施例1) 本実施例に係る薄型基板の貼合わせ光ディスクの構造
は、図1に示す第1の実施形態に係る薄型貼合わせディ
スクの構造と同じであって、接着剤層10を、エポキシ
アクリレートを含み30℃での硬化物の弾性率が700
MPaでガラス転移点が63℃であるラジカル重合硬化
樹脂により構成したものである。なお、重合開始剤とし
ては、アセトフェノンを用いている。
【0045】(実施例2) 本実施例に係る薄型基板の貼合わせ光ディスクの構造
は、図2に示す第2の実施形態に係る薄型貼合わせディ
スクの構造と同じであって、保護膜4,8を、エポキシ
アクリレートトを含み30℃での硬化物の弾性率が10
00MPaでガラス転移点が78℃であるラジカル重合
硬化樹脂で構成し(重合開始剤はベンゾフェノン)、接
着剤層10を、ウレタンアクリレートを含み30℃での
硬化物の弾性率が6MPaでガラス転移点が21℃であ
るラジカル重合硬化樹脂により構成した(重合開始剤は
チオキサントン)ものである。
【0046】(実施例3) 本実施例に係る薄型基板の貼合わせ光ディスクの構造
は、図3に示す第3の実施形態に係る薄型貼合わせディ
スクの構造と同じであって、保護膜4,8を、脂環式エ
ポキシを含み30℃での硬化物の弾性率が800MPa
でガラス転移点が65℃であるラジカル重合硬化樹脂に
より構成したものである。重合開始剤としては、芳香族
スルホニウム塩を用いている。
【0047】(実施例4) 本実施例に係る薄型基板の貼合わせ光ディスクの構造
は、図4に示す第4の実施形態に係る薄型貼合わせディ
スクの構造と同じであって、接着剤層10を、ポリエン
ポリチオールを含み30℃での硬化物の弾性率が300
MPaでガラス転移点が47℃であるカチオン重合硬化
樹脂により構成したものである。重合開始剤としては、
ベンゾフェノンを用いている。
【0048】(実施例5) 本実施例に係る薄型基板の貼合わせ光ディスクの構造
は、図5に示す第5の実施形態に係る薄型貼合わせディ
スクの構造と同じであって、保護膜4,8を、エポキシ
アクリレートを含み30℃での硬化物の弾性率が100
0MPaでガラス転移点が78℃であるラジカル重合硬
化樹脂で構成し(重合開始剤はベンゾフェノン)、接着
剤層10を、エポキシアクリレートを含み30℃での硬
化物の弾性率が500MPaでガラス転移点が53℃で
ある嫌気型ラジカル重合硬化樹脂で構成した(重合開始
剤はハイドロパーオキサイド及びアミン化合物)もので
ある。
【0049】(比較例1) 本比較例に係る薄型基板の貼合わせ光ディスクの構造
は、図1に示す第1実施形態に係る薄型貼合わせディス
クの構造と同じであるが、接着剤層10に用いる樹脂が
異なる。本比較例の薄型基板の貼合わせ光ディスクは、
接着剤層10にエポキシアクリレートを含み30℃での
硬化物の弾性率が2000MPaでガラス転移点が12
0℃であるラジカル重合硬化樹脂を用いることにより、
構成されている。重合開始剤としては、アセトフェノン
を用いている。
【0050】(比較例2) 本比較例に係る薄型基板の貼合わせ光ディスクの構造
は、図2に示す第2実施形態に係る薄型貼合わせディス
クの構造と同じであり、接着剤層10を構成する樹脂も
第2の実施形態と同じであるが、保護膜4,8に用いる
樹脂が異なる。本比較例の薄型基板の貼合わせ光ディス
クは、保護膜4,8にエポキシアクリレートを含み30
℃での硬化物の弾性率が1400MPaでガラス転移点
が92℃であるラジカル重合硬化樹脂を用いることによ
り、構成されている。
【0051】(比較例3) 本比較例に係る薄型基板の貼合わせ光ディスクの構造
は、図3に示す第3実施形態に係る薄型貼合わせディス
クの構造と同じであるが、接着剤層10及び保護膜4,
8に用いる樹脂が異なる。本比較例に係る薄型基板の貼
合わせ光ディスクは、保護膜4,8に脂環式エポキシを
含み30℃での硬化物の弾性率が1500MPaでガラ
ス転移点が101℃であるカチオン重合硬化樹脂を用
い、接着剤層10に軟化点温度が50℃のホットメルト
樹脂を用いることにより、構成されている。
【0052】ここで、上記各実施例及び比較例に係るデ
ィスクを評価するために行った試験について説明する。
【0053】本発明の弾性率は次の測定方法により測定
したものである。3〜4cm×約2〜5mm×約20〜
200μmの形状を有するサンプルを作成し、レオバイ
ブロン社製の粘弾性試験器DDV−II−EAを使用し、
周波数が3.5Hzで、昇温速度が3deg/minの
条件で測定した。後述する表1に示す弾性率Eの数値
は、上記試験の結果得られた30℃における貯蔵弾性率
E’をその樹脂の弾性率Eとしたものである。
【0054】また、ガラス転移点Tgは、0.5〜1.
0cm×0.5〜1.0cm×1〜100μmの形状を
有するサンプルを作成し、0.5mm径の棒に荷重20
gを印加して、昇温速度が10deg/minの条件で
測定している。
【0055】また、それぞれのディスクを評価するため
に、ディスク落下試験、剛球落下試験及び70℃、50
%、100時間でのチルト変化測定試験を行った。
【0056】ディスク落下試験は、貼合わせたディスク
を1mの高さから垂直につまりディスクと床面とが直交
する状態でコンクリート製の床に落下させ、ディスクの
破損状況を観察する試験である。
【0057】剛球落下試験は、貼合わせたディスクを片
端で支持し、もう一方の端に直径5cm、100gの金
属球を1mの高さから落下させ、ディスクの破損状況を
観察する試験である。
【0058】チルト変化測定試験は、貼合わせたディス
クのチルトを測定し、70℃、50%の環境に水平に保
持した状態で100時間放置し、その後25℃、50%
の環境に水平に保持した状態で24時間放置してから、
チルトを再度測定する。70℃、50%環境に放置する
前と放置後のチルト差をチルト変化量とし、チルト差が
0.7度以下を合格とする試験である。
【0059】表1は、上記各実施例及び比較例に係るデ
ィスクの保護膜、接着剤層を構成する樹脂の弾性率E及
びガラス転移点Tgと、各試験の結果とをまとめたもの
である。
【0060】
【表1】
【0061】上記表1を参照すると以下のことがわか
る。
【0062】第1に、保護膜又は接着剤層に、弾性率E
が1000MPa以下のラジカル重合硬化樹脂を使用す
ることにより、薄型基板の破損を確実に防止することが
できることがわかる。
【0063】第2に、実施例3のように、接着剤層をホ
ットメルト接着剤を使用した場合、薄型基板の破損を防
止することはできるが、チルト変化が比較的大きいとい
う不利益は避けられない。すなわち、一応規格内には収
まっているものの、温度,湿度の変化に対する熱変形が
大きく、情報の読み出し精度等があまりよくないことが
わかる。
【0064】第3に、比較例2のように、保護膜又は接
着剤層のうちいずれかが、30℃における硬化物の弾性
率が1000MPaを越えるラジカル重合硬化樹脂又は
カチオン重合硬化樹脂で構成されている場合には、基板
の破損を生じていることがわかる。
【0065】なお、表1には示されていないが、第2基
板のない単一基板型のCD等のディスクにおいても、そ
の上の保護膜を30℃における硬化物の弾性率が100
0MPaを越えるラジカル重合硬化樹脂又はカチオン重
合硬化樹脂で構成されている場合には、保護膜を上方に
むけて剛球落下試験を行うと基板の破損を生じることが
確認されている。そして、保護膜を、30℃における硬
化物の弾性率が1000MPa以下であるか、ガラス転
移点が80℃以下であるラジカル重合硬化樹脂又はカチ
オン硬化樹脂で構成した場合には、表1の各試験におい
て破損や大きなチルト変化は生じていない。
【0066】次に、弾性率Eとガラス転移点Tgとの関
係について説明する。図6は、本実施例に関する実験で
得られたガラス転移点Tgと弾性率Eとの関係を示し、
本実施例で使用した樹脂では、両者は比例関係にあるこ
とがわかった。そして、図6からわかるように、弾性率
Eが1000MPaの樹脂におけるガラス転移点は80
℃である。すなわち、樹脂のガラス転移点Tgが80℃
以下のものを保護膜や接着剤層に使用することにより、
薄型基板の破損を防止することができる。ただし、樹脂
の種類によっては、ガラス転移点Tgが80℃以上であ
っても弾性率Eが1000MPa以下であることがあ
り、そのような樹脂を本発明の接着層や保護膜として使
用することにより、本発明の効果を発揮することができ
る。
【0067】なお、上記実施例では0.6mmの厚みの
薄型基板を用いたが、1mm以下の厚みの基板であれ
ば、本発明の効果が有効に得られる。
【0068】
【発明の効果】本発明の記録担体によれば、薄型基板の
貼合わせ構造を有する記録担体において、第1の基板と
2の基板とを、30℃における硬化物の弾性率が6MP
a以上で1000MPa以下であり、かつ、ガラス転移
点が80℃以下であるラジカル重合硬化樹脂等からなる
接着剤層のみを有する中間層で接続する構造としたの
で、温度,湿度の変化に対する変形抵抗性を高く維持し
つつ、衝撃力や曲げ応力に対する破損を有効に防止する
ことができ、よって、信頼性の向上を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る薄型基板の貼合わせディ
スクの断面図である。
【図2】第2の実施形態に係る薄型基板の貼合わせディ
スクの断面図である。
【図3】第3の実施形態に係る薄型基板の貼合わせディ
スクの断面図である。
【図4】第4の実施形態に係る薄型基板の貼合わせディ
スクの断面図である。
【図5】第5の実施形態に係る薄型基板の貼合わせディ
スクの断面図である。
【図6】実施例で使用した樹脂におけるガラス転移点と
弾性率との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 第1基板 2 第1情報信号面 3 第1反射膜(記録保持層) 4 第1保護膜 5 第2基板 6 第2情報信号面 7 第2反射膜(記録保持層) 8 第2保護膜 9 ホットメルト接着剤層 10 接着剤層 11 第1プライマー膜 12 第2プライマー膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大林 孝志 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−52344(JP,A) 特開 昭64−102754(JP,A) 特開 平6−295470(JP,A) 特開 平6−89461(JP,A) 特開 平9−320116(JP,A) 特開 平10−79139(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ディスクとして使用される記録担体で
    あって、 片面上に第1の記録保持層を有し厚みが1mm以下の
    1の基板と、 片面上に第2の記録保持層を有し厚みが1mm以下の
    2の基板と、 上記第1の基板の第1の記録保持層と上記第2の基板の
    第2の記録保持層との間に介設され、ラジカル重合硬化
    樹脂及びカチオン重合硬化樹脂のうち少なくともいずれ
    か一方の樹脂からなり、30℃における弾性率が6MP
    a以上で1000MPa以下であり、かつ、ガラス転移
    点が80℃以下である接着剤層のみを有し、上記第1の
    基板と第2の基板とを接続するための中間層とを備え、 上記中間層は上記第1及び第2の記録保持層に直接接触
    していることを特徴とする記録担体。
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