JP3120236B2 - グルコースの異性化方法 - Google Patents
グルコースの異性化方法Info
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Description
詳細には、グルコースをマンノースに異性化するグルコ
ースの異性化方法に関する。
ェコスロバキア特許第149051号に開示されるごと
く、アルドースの水溶液をモリブデン酸イオンの存在下
で加熱反応させる方法が知られており、これによれば、
グルコースの約25%がマンノースに異性化する。しか
し、この方法では、一般にアルドース水溶液に添加した
モリブデン酸イオンを、異性化反応後に反応液から除去
しなければならず、また、回収したモリブデン酸イオン
を排水として流すと公害問題を生ずるので循環使用しな
ければならないことになり、製造工程が繁雑で実用的で
なく、工業的実施に適しているとはいえなかった。上記
方法における欠点を改良した方法として、特公昭56−
40700号公報及び米国特許第4029878号明細
書に記載されているように、「アンバーリストA-26」強
塩基性陰イオン交換樹脂MR形(米国ローム・アンド・
ハース社製)に担持させたモリブデン酸を、アルドース
の異性化触媒として使用する方法が知られている。この
方法によると、異性化反応後の反応液には、ほとんどモ
リブデン酸イオンが混入せず、従ってモリブデン酸イオ
ンの除去工程が省略できる。しかし、かかるモリブデン
酸を担持させた陰イオン交換樹脂は、特公昭63−12
071号公報に記載された通り、使用とともに急速に活
性が低下するので、工業的実施に適しているとはいえな
かった。即ち、アルドース水溶液にモリブデン酸を担持
させた陰イオン交換樹脂を加えて加熱反応させた後、そ
の反応液からモリブデン酸を担持させた陰イオン交換樹
脂を回収し、これを新しいアルドース水溶液に加えて加
熱反応させる操作を繰り返した場合には、イオン交換樹
脂の触媒としての活性が急速に低下するため、実際に触
媒として循環使用することができなかった。
は、工業的実施に適した方法であるとはいえなかった。
従って、イオン交換樹脂にモリブテン酸を担持させた触
媒を用いてグルコースを異性化する場合でも触媒活性が
急速に低下することがなく、工業的実施に適している、
異性化方法が望まれていた。
母体構造がポーラス形である強塩基性陰イオン交換樹脂
に強固に担持させたモリブデン酸を触媒として加熱して
異性化することで、従来法の欠点をすべて解決すること
を見い出した。
手段は、つぎのとおりである。
ラス形である強塩基性陰イオン交換樹脂に担持させたモ
リブデン酸を触媒として、加熱することで、グルコース
をマンノースに異性化する、グルコースの異性化方法。
グルコース溶液を、重合体母体構造がポーラス形である
強塩基性陰イオン交換樹脂に担持させたモリブデン酸を
触媒として、70℃以上の温度で加熱することで、グル
コースをマンノースに異性化する、グルコースの異性化
方法。
ついて、詳細に説明する。
は、結晶のグルコースの水溶液のほか、澱粉糖化液等も
使用することができる。澱粉糖化液等のような不純物を
含む原料の場合は、そのデキストローズ・エクイバレン
ト(以下DEと略す)が約90以上のものが好ましい。
0%、好ましくは50〜70%が良い。
構造を合成する方法から区別され、例えば、スチレンと
ジビニルベンゼンとを単純に重合して製造したゲル形、
特殊な重合方法で合成したポーラス形、及び巨大網目状
の共重合体に官能基を導入したMR形等に区別され、更
に、ポーラス形は、多孔性の高いハイポーラス形やマク
ロポーラス形等に区別される。
イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とがある。
弱塩基性陰イオン交換樹脂は、官能基が第1級アミン〜
第3級アミンである。これに対し、強塩基性陰イオン交
換樹脂は、第4級アミンを官能基として持つもので、更
に、その窒素に結合する基がアルキル基(例えばメチル
基)だけであるものがI型樹脂と、また、アルカーノ基
を含んだものがII型樹脂と区別される。
ーラス形の強塩基性陰イオン交換樹脂を使用することが
でき、特に、多孔性の高いハイポーラス形やマクロポー
ラス形のイオン交換樹脂を使用することが好ましい。ま
た、官能基はI型、II型のどちらも使用できる。
ブデン酸を担持させるには、例えば陰イオン交換樹脂を
カラムに充填し、これにアルカリ水溶液を通して遊離の
アミン形またはOH形とした後、モリブデン酸の例えば
アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の水溶液
を通液すれば良い。
は80〜140℃が良く、70℃未満では反応が遅く、
また、140℃を越える温度ではイオン交換樹脂が分解
する恐れがあるので好ましくない。
上からはモリブデン酸を担持した陰イオン交換樹脂をカ
ラムに充填してグルコース溶液を連続的に通液せしめ
る、連続式が実用的である。
るが、これら実施例は本発明の範囲を限定するものでは
ない。
m)に50mlの強塩基性陰イオン交換樹脂MSA−1
(ダウケミカル社製、マクロポーラスI型陰イオン交換
樹脂)を充填し、5%水酸化ナトリウム水溶液60g
を、カラム上部より通液した後、良く水洗した。次い
で、10%モリブデン酸アンモニウム水溶液300g
を、毎時50mlの速さで通液した後、良く水洗した。こ
のカラムを95℃に保温した水槽に入れ、カラム下部よ
り50重量%の結晶グルコース(純度99.8%)水溶
液を、毎時150mlの速さで通液し、上部より流出した
液を分析した。通液の初期においてはグルコースからマ
ンノースへの異性化率が高いが、次第に異性化率は低下
する。本実施例においては、異性化率が30%以下にな
った時点で流速を毎時125ml、100ml、75ml、5
0mlと段階的に遅くすることで、異性化率が30%以上
となるようにした。分析は液体クロマトグラフィー[カ
ラム:SCR−101N、島津製作所(株)製]で行っ
た。表1にその結果を示す。尚、異性化液の分析値は各
流速における異性化液の平均値を示す。また、合計通液
量は26.4リットル(グルコース固形分として16.
1Kg)であった。
りイオン交換精製を行った後、50%まで濃縮した。ま
た、この液の組成は、グルコース69.3%、マンノー
ス30.4%、その他0.3%であった。
A−1が強塩基性陰イオン交換樹脂MSA−2(ダウケ
ミカル社製、マクロポーラスII型陰イオン交換樹脂)で
ある以外は実施例1と同じ方法で結晶グルコースを異性
化した。その結果を表2に示す。合計通液量は21.5
リットル(グルコース固形分として13.1Kg)であっ
た。
ン酸担持強塩基性陰イオン交換樹脂MSA−1充填カラ
ムを水槽に入れ、温度80℃としグルコースからマンノ
ースへの異性化率が30%になった時点で温度を3℃ず
つ上げて異性化率を30%以上に維持した。この時のグ
ルコース水溶液の濃度は50重量%であり、流速は毎時
50mlと一定にした。その結果を表3に示す。合計通液
量は、40.2リットル(グルコース固形分として2
4.5Kg)であった。
%の糖液を使用した以外は実施例1と同じ方法で行っ
た。その結果を表4に示す。合計通液量は25.8リッ
トル(糖固形分として15.7Kg)であった。
A−1の代わりに、強塩基性陰イオン交換樹脂A−26
(ローム・アンド・ハース社製、MR形)、強塩基性陰
イオン交換樹脂EA−137[住友化学(株)製、ゲル
形]、弱塩基性陰イオン交換樹脂SBR[ダウケミカル
(株)製、ポーラス形]及び弱塩基性陰イオン交換樹脂W
A−30[三菱化成(株)製、ハイポーラス形]を、各々
モリブデン酸担持用樹脂として用いた以外は、実施例1
と同様の方法でグルコースをマンノースに異性化した。
但し、異性化開始時のグルコース水溶液の流速は、各々
の樹脂に適した通液速度に従って開始した。以下、強塩
基性陰イオン交換樹脂A−26を用いた結果を表5に、
強塩基性陰イオン交換樹脂EA−137を用いた結果を
表6に、弱塩基性陰イオン交換樹脂SBRを用いた結果
を表7に、弱塩基性陰イオン交換樹脂WA−30を用い
た結果を表8に、それぞれ示す。表5について、合計通
液量6.3リットル中のグルコース固形分は、3.8Kg
であった。表6について、合計通液量1.2リットル中
のグルコース固形分は、0.7Kgであった。表7につい
て、合計通液量4.3リットル中のグルコース固形分
は、2.6Kgであった表8について、合計通液量5.3
リットル中のグルコース固形分は、3.2Kgであった。
オン交換樹脂を用いた実施例と比べ、上記4種のタイプ
の異なる樹脂を用いた場合は、いずれも活性の低下は著
しく、少量のグルコースしかマンノースに異性化するこ
とができないことが確認できた。
テン酸を担持させた触媒を用いてグルコースを異性化す
る場合でも触媒活性が急速に低下することがなくて工業
的実施に適し、グルコースのマンノースへの異性化が実
用可能となる。
Claims (2)
- 【請求項1】 グルコース溶液を、重合体母体構造がポ
ーラス形である強塩基性陰イオン交換樹脂に担持させた
モリブデン酸を触媒として、加熱することで、グルコー
スをマンノースに異性化する、グルコースの異性化方
法。 - 【請求項2】 グルコース溶液を、重合体母体構造がポ
ーラス形である強塩基性陰イオン交換樹脂に担持させた
モリブデン酸を触媒として、70℃以上の温度で加熱す
ることで、グルコースをマンノースに異性化する、グル
コースの異性化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11159248A JP3120236B2 (ja) | 1999-06-07 | 1999-06-07 | グルコースの異性化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP11159248A JP3120236B2 (ja) | 1999-06-07 | 1999-06-07 | グルコースの異性化方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3171856A Division JP2979442B2 (ja) | 1991-06-18 | 1991-06-18 | マンニット及びマンノースの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000072791A JP2000072791A (ja) | 2000-03-07 |
JP3120236B2 true JP3120236B2 (ja) | 2000-12-25 |
Family
ID=15689603
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP11159248A Expired - Lifetime JP3120236B2 (ja) | 1999-06-07 | 1999-06-07 | グルコースの異性化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3120236B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9481826B2 (en) | 2008-06-05 | 2016-11-01 | Merck Patent Gmbh | Electronic device comprising metal complexes |
-
1999
- 1999-06-07 JP JP11159248A patent/JP3120236B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9481826B2 (en) | 2008-06-05 | 2016-11-01 | Merck Patent Gmbh | Electronic device comprising metal complexes |
US10538698B2 (en) | 2008-06-05 | 2020-01-21 | Merck Patent Gmbh | Electronic device comprising metal complexes |
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JP2000072791A (ja) | 2000-03-07 |
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